特許第6691071号(P6691071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691071
(24)【登録日】2020年4月13日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】トルクセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
   G01L3/10 305
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-69924(P2017-69924)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-173295(P2018-173295A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2019年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
(72)【発明者】
【氏名】清水 辰吾
(72)【発明者】
【氏名】深谷 繁利
(72)【発明者】
【氏名】神野 智
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊朗
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−060408(JP,A)
【文献】 特開2013−195108(JP,A)
【文献】 特開2008−157762(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0139419(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
G01B 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一軸(11)と第二軸(12)とを同軸上に連結し、前記第一軸と前記第二軸との間に加わるトルクを捩じれ変位に変換するトーションバー(13)と、
前記第一軸または前記トーションバーの一端側に固定され、径方向に磁束を発生するN極及びS極が周方向に交互に設けられている多極磁石(20)と、
前記第二軸または前記トーションバーの他端側に固定され、前記多極磁石が形成する磁界内に磁気回路を形成する一組の磁気ヨーク(31,32)と、
一組の前記磁気ヨークの径外方向に前記磁気ヨークから離間した位置に設けられ、前記トーションバーの中心軸(O)上からみて径内方向に向かうよう形成されている内側感磁面(412,422)、及び、前記トーションバーの中心軸上からみて径外方向に向かうよう形成されている外側感磁面(413,423)を有し、一組の前記磁気ヨークに形成される磁気回路の磁束密度を検出可能な磁気センサ(41,42)と、
軟磁性材料から形成され、前記外側感磁面の径外方向に位置し、前記磁気ヨークと前記磁気センサの前記外側感磁面とを磁気結合可能な磁束誘導部(43,53)と、
前記磁気センサ及び前記磁束誘導部を収容可能に形成され、前記磁気センサと水とが接触することを防止する被水防止部(45,55)と、
を備えるトルクセンサ。
【請求項2】
前記内側感磁面及び前記外側感磁面は、円環状に形成されている前記磁気ヨークの径方向に向かうよう形成されている請求項1に記載のトルクセンサ。
【請求項3】
前記磁気センサは、外部から供給される電力を受電する電源線(41p,42p,51)、グランドに電気的に接続するグランド線(41g,42g)、及び、検出した磁気回路の磁束密度に応じた出力信号を外部に出力する信号線(41s,42s)を有し、
前記電源線、前記グランド線、及び、前記信号線は、前記トーションバーの中心軸に沿った方向に延びるよう形成されている請求項1または2に記載のトルクセンサ。
【請求項4】
一組の前記磁気ヨークの少なくとも一方に磁気結合され、一組の前記磁気ヨークの少なくとも一方の磁気回路を形成する磁束を誘導する集磁リング(46,47)をさらに備え、
前記磁気センサは、前記集磁リングが誘導する磁束密度を検出する請求項1〜3のいずれか一項に記載のトルクセンサ。
【請求項5】
前記集磁リングは、外部の磁気ノイズに対する磁気シールドとなる請求項4に記載のトルクセンサ。
【請求項6】
前記集磁リングは、一組の前記磁気ヨークと前記磁束誘導部との間、及び、一組の前記磁気ヨークと前記内側感磁面との間、の少なくとも一方に設けられる請求項4または5に記載のトルクセンサ。
【請求項7】
前記磁束誘導部は、外部の磁気ノイズに対する磁気シールドとなる請求項1〜6のいずれか一項に記載のトルクセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転軸に設けられる多極磁石とともに磁気回路を形成する一組の磁気ヨーク、及び、当該一組の磁気ヨークの間に設けられ磁気回路の磁束密度を検出可能な磁気センサを備えるトルクセンサが知られている。トルクセンサは、磁気回路の磁束密度の変化に基づいて回転軸に作用する軸トルクを検出する。例えば、特許文献1には、軸方向に磁束が発生するよう着磁されている多極磁石に対して径方向に延びるよう形成されている複数の爪を有する一組の磁気ヨーク、当該磁気ヨークの径外方向に設けられ磁気ヨークと磁気結合する一組の集磁リング、及び、一組の集磁リングの間に挟まれるよう設けられる磁気センサを備えるトルクセンサが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3874642号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トルクセンサを、例えば、車両の電動パワーステアリング装置に適用する場合、水がかかるおそれがある状況においても確実に動作可能なための耐水性、及び、当該車両のエンジンルームの拡大に対応するための小型化が当該トルクセンサには求められる。特に、耐水性は、磁気センサおよび磁気センサと電気的に接続する電気回路が確実に封止されており、部材間の界面など外部から水が侵入可能な経路がないことが必要となる。
しかしながら、特許文献1に記載のトルクセンサのように一組の集磁リングの間に磁気センサが設けられている場合、磁気センサを封止するだけでは集磁リングと封止材との界面を介して水が侵入するおそれがある。このため、特許文献1に記載のトルクセンサでは磁気センサと集磁リングとを一体かつ円環状に封止することとなるため、封止部の構造が複雑になるだけでなく、体格が大きくなる。
また、特許文献1に記載のトルクセンサでは、磁気センサは、感磁面が軸方向に沿うよう形成されており、磁気センサが有する配線は、磁気センサから径外方向に突出するよう形成されている。このため、トルクセンサの径方向の体格は、比較的大きくなる。磁気センサと多極磁石の表面との間に漏れ磁束を遮るものがない場合、多極磁石からの漏れ磁束が磁気センサの検出感度に影響を及ぼすことを防止するため集磁リングから径方向に突出し磁気センサを支持可能な突出部を設ける必要がある。このため、トルクセンサの径方向の体格は、さらに大きくなる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、体格を小さくしつつ耐水性を向上するトルクセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トルクセンサであって、トーションバー(13)、多極磁石(20)、一組の磁気ヨーク(31,32)、磁気センサ(41,42)、磁束誘導部(43,53)、及び、被水防止部(45,55)を備える。
トーションバーは、第一軸(11)と第二軸(12)とを同軸上に連結し、第一軸と第二軸との間に加わるトルクを捩じれ変位に変換する
多極磁石は、第一軸またはトーションバーの一端側に固定され、径方向に磁束を発生するN極及びS極が周方向に交互に設けられている。
一組の磁気ヨークは、第二軸またはトーションバーの他端側に固定され、多極磁石が形成する磁界内に磁気回路を形成する。
磁気センサは、一組の磁気ヨークの径外方向に設けられる。磁気センサは、トーションバーの中心軸(O)上からみて径内方向に向かうよう形成されている内側感磁面(412,422)、及び、トーションバーの中心軸上からみて径外方向に向かうよう形成されている外側感磁面(413,423)を有する。磁気センサは、一組の磁気ヨークに形成される磁気回路の磁束密度を検出可能である。
磁束誘導部は、軟磁性材料から形成され、外側感磁面の径外方向に位置し、磁気ヨークと磁気センサの外側感磁面とを磁気結合可能である。
被水防止部は、磁気センサ及び磁束誘導部を収容可能に形成され、磁気センサと水とが接触することを防止する。
【0007】
本発明のトルクセンサでは、磁気センサは、二つの感磁面が径方向に沿うよう形成されている。二つの感磁面のうちトーションバーの中心軸上からみて径内方向に向かうよう形成されている内側感磁面が磁気ヨークに対向するよう磁気センサが設けられると、磁気センサは、一組の磁気ヨークのいずれか一方の磁気ヨークの磁気回路と磁気結合しやすくなる。ここで、内側感磁面が「トーションバーの中心軸上からみて径内方向に向かうよう形成されている」とは、内側感磁面が、トーションバー側に向いていることを含む。また、径外方向に向かうよう形成される外側感磁面は、磁束誘導部を介して一組の磁気ヨークのいずれか他方の磁気ヨークと磁気センサとを磁気結合する。ここで、外側感磁面が「トーションバーの中心軸上からみて径外方向に向かうよう形成されている」とは、外側感磁面がトーションバーとは反対側に向いていることを含む。これにより、本発明のトルクセンサが備える磁気センサは、一組の磁気ヨークの磁気回路の磁束密度を確実に検出しつつ、配線を磁気ヨークの径外方向以外の方向に延びるよう形成することができる。したがって、本発明のトルクセンサは、配線が磁気センサから径外方向に突出するよう形成されているトルクセンサに比べ、径方向の体格を小さくすることができる。
【0008】
また、本発明のトルクセンサでは、一組の磁気ヨークの径外方向に設けられる磁気センサ及び磁束誘導部は、被水防止部に収容されている。これにより、例えば、磁気センサが設けられる集磁リングを備えるトルクセンサにおいて磁気センサと集磁リングとを一体かつ円環状に封止する場合に比べ、被水防止部の形状が簡素になり、部材間の界面など外部から水が侵入可能な経路がなくなるため、磁気センサと水との接触を確実に防止することができる。
このように、本発明のトルクセンサでは、内側感磁面を有する磁気センサと、磁気センサの外側感磁面と磁気ヨークとを磁気結合可能な磁束誘導部と、によって磁束密度を確実に検出しつつ径方向の体格を小さくし、簡素な構成の被水防止部によって磁気センサと水との接触を確実に防止し耐水性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態によるトルクセンサの分解斜視図である。
図2】第一実施形態によるトルクセンサが適用される電動パワーステアリング装置の概略構成図である。
図3】第一実施形態によるトルクセンサの上面図である。
図4】第一実施形態によるトルクセンサの側面図である。
図5】第二実施形態によるトルクセンサの側面図である。
図6】第三実施形態によるトルクセンサの上面図である。
図7】第三実施形態によるトルクセンサの側面図である。
図8】第四実施形態によるトルクセンサの側面図である。
図9】他の実施形態によるトルクセンサの上面図である。
図10図9とは異なる他の実施形態によるトルクセンサの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のトルクセンサの実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
(第一実施形態)
第一実施形態によるトルクセンサ1は、図2に示すように、例えば、車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置に適用される。図2は、電動パワーステアリング装置90を備えたステアリングシステムの全体構成を示す。
トルクセンサ1は、ハンドル93に接続されたステアリングシャフト94に設けられている。ステアリングシャフト94の先端にはピニオンギア96が設けられている。ピニオンギア96は、ラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッドなどを介して、一対の車輪98が回転可能に連結されている。ステアリングシャフト94の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換され、一対の車輪98が操舵される。
【0012】
トルクセンサ1は、ステアリングシャフト94を構成する「第一軸」としての入力軸11と「第二軸」としての出力軸12との間に設けられている。トルクセンサ1は、ステアリングシャフト94に加わる操舵トルクを検出してECU91に出力する。ECU91は、検出された操舵トルクに応じて、モータ92の出力を制御する。モータ92が発生する操舵アシストトルクは、減速ギア95を介して減速され、ステアリングシャフト94に伝達される。
【0013】
次に、トルクセンサ1の構成について、図1,3,4を参照して説明する。
トルクセンサ1は、トーションバー13、多極磁石20、一組の磁気ヨーク31,32、二つの磁気センサ41,42、「磁束誘導部」としての磁束誘導部材43、及び、「被水防止部」としてのコネクタ部45を有する。
【0014】
トーションバー13は、棒状の弾性部材であって、入力軸11と出力軸12との間に設けられている。トーションバー13は、一端側が入力軸11に固定ピン14によって固定されている。また、トーションバー13は、他端側が出力軸12に固定ピン15によって固定されている。これにより、トーションバー13は、入力軸11と出力軸12とを「中心軸」としての回転軸O上で連結する。トーションバー13は、ステアリングシャフト94に加わる操舵トルクを捩じれ変位に変換する。
【0015】
多極磁石20は、円筒状の部材であって、入力軸11に固定されている。多極磁石20は、径方向に磁束を発生するN極及びS極が周方向に交互に設けられている。第一実施形態では、多極磁石20は、例えば、N極とS極との数が、12対、すなわち、計24極有している。
【0016】
一組の磁気ヨーク31,32は、軟磁性体からなる環状体である。一組の磁気ヨーク31,32は、多極磁石20の径外方向に位置するよう出力軸12に固定されている。一組の磁気ヨーク31,32は、多極磁石20が形成する磁界内に磁気回路を形成する。
【0017】
磁気ヨーク31は、環状部311及び複数の爪312を有する。環状部311は、円環状の部位であって、多極磁石20の入力軸11側の端部の径外方向に設けられている。複数の爪312は、環状部311の径方向内側の縁から回転軸Oに沿って出力軸12側に延びるよう形成されている。第一実施形態では、12個の爪312が環状部311の全周に等間隔で設けられる。
【0018】
磁気ヨーク32は、環状部321及び複数の爪322を有する。環状部321は、円環状の部位であって、多極磁石20の出力軸12側の端部の径外方向に設けられている。複数の爪322は、環状部321の径方向内側の縁から回転軸Oに沿って入力軸11側に延びるよう形成されている。第一実施形態では、12個の爪322が環状部321の全周に等間隔で設けられる。
【0019】
爪312と爪322とは、周方向にずれて交互に配置される。すなわち、磁気ヨーク31と磁気ヨーク32とは、図4に示すように、回転軸Oに沿った方向(以下、「回転軸方向」という)にエアギャップを介して対向している。第一実施形態では、一組の磁気ヨーク31,32は、回転軸方向にエアギャップを介して対向している状態で樹脂部33によって一体となるよう樹脂封止され、出力軸12に固定されている。
【0020】
磁気センサ41,42は、図3,4に示すように、磁気ヨーク31の径外方向に設けられる。第一実施形態では、磁気センサ41,42は、磁気ヨーク31の近傍に設けられ、回転軸方向に垂直な方向に並ぶよう設けられている。二つの磁気センサ41,42は、回路基板410,420に搭載されている状態で、図3,4に示すように、コネクタ部45に収容されている。第一実施形態では、二つの磁気センサ41,42を利用することによって一方の磁気センサが機能しなくなっても他方の磁気センサによって一組の磁気ヨーク31,32に形成される磁気回路の磁束密度を検出する。なお、二つの磁気センサ41,42が同時に故障する確率は、極めて低いと考えられる。
【0021】
磁気センサ41は、幅及び奥行に対し高さが小さい直方体状に形成されたICパッケージであって、ホール素子411、電源線41p、グランド線41g、及び、信号線41sを有する。
ホール素子411は、略平行に形成されている二つの感磁面412,413を有する。二つの感磁面412,413は、回転軸Oに対して直角に交わる方向の略平行な方向に向かうよう形成されている。「内側感磁面」としての感磁面412は、「トーションバーの中心軸上からみて径内方向」としての磁気ヨーク31の径内方向に向かうよう形成されている。具体的には、感磁面412は、磁気ヨーク31の環状部311の径方向外側の端面に対向するよう形成されている。「外側感磁面」としての感磁面413は、「トーションバーの中心軸上からみて径外方向」としての磁気ヨーク31の径外方向に向かうよう形成されている。ホール素子411は、感磁面412,413を通過する磁束密度を磁界の強さとして検出し、当該検出した磁界の強さに応じた信号を出力信号として出力する。
【0022】
電源線41p、グランド線41g、及び、信号線41sは、図1,4に示すように、磁気センサ41,42を搭載する回路基板410を介してホール素子411と電気的に接続されている。電源線41pは、外部から供給される電力を受電する。グランド線41gは、グランドに電気的に接続する。信号線41sは、ホール素子411が検出した磁気回路の磁束密度に応じた出力信号を外部に出力する。電源線41p、グランド線41g、及び、信号線41sは、図1に示すように、回転軸方向に延びるよう形成されている。電源線41p、グランド線41g、及び、信号線41sは、コネクタ部45が有する端子452を介してECU91に電気的に接続している。
【0023】
磁気センサ42は、幅及び奥行に対し高さが小さい直方体状に形成されたICパッケージであって、ホール素子421、電源線42p、グランド線42g、及び、信号線42sを有する。
ホール素子421は、略平行に形成されている二つの感磁面422,423を有する。二つの感磁面422,423は、回転軸Oに対して直角に交わる方向に向かうよう形成されている。「内側感磁面」としての感磁面422は、「トーションバーの中心軸上からみて径内方向」としての磁気ヨーク31の径内方向に向かうよう形成されている。具体的には、感磁面422は、磁気ヨーク31の環状部311の径方向外側の端面に対向するよう形成されている。「外側感磁面」としての感磁面423は、「トーションバーの中心軸上からみて径外方向」として磁気ヨーク31の径外方向に向かうよう形成されている。ホール素子421は、感磁面422,423を通過する磁束密度を磁界の強さとして検出し、当該検出した磁界の強さに応じた信号を出力信号として出力する。
【0024】
電源線42p、グランド線42g、及び、信号線42sは、図1,4に示すように、回路基板420を介してホール素子421と電気的に接続されている。電源線42pは、外部から供給される電力を受電する。グランド線42gは、グランドに電気的に接続する。信号線42sは、ホール素子421が検出した磁気回路の磁束密度に応じた出力信号を外部に出力する。電源線42p、グランド線42g、及び、信号線42sは、図1に示すように、回転軸方向に延びるよう形成されている。電源線42p、グランド線42g、及び、信号線42sは、コネクタ部45が有する端子452を介してECU91に電気的に接続している。
【0025】
磁束誘導部材43は、軟磁性材料から形成されている部材であって、回転軸Oからみて磁気センサ41,42の径外方向及び磁気ヨーク32の径外方向に設けられる。磁束誘導部材43は、図3,4に示すように、二つの磁気センサ41,42及び回路基板410,420とともにコネクタ部45に収容されている。
磁束誘導部材43は、第一径方向延伸部431、軸方向延伸部432、及び、第二径方向延伸部433を有する。第一径方向延伸部431、軸方向延伸部432、及び、第二径方向延伸部433は、一体に形成されている。磁束誘導部材43は、磁気ヨーク31,磁気センサ41,42、及び、磁気ヨーク32と磁気結合し、磁気ヨーク31,32に形成されている磁気回路の磁束を誘導する。
【0026】
第一径方向延伸部431は、回転軸Oからみて磁気センサ41,42の径外方向に位置する部位である。第一径方向延伸部431は、図4に示すように、磁気センサ41,42側の端面434が感磁面413,423に対向するよう設けられている。第一径方向延伸部431は、磁気センサ41,42の近傍から磁気ヨーク31の径外方向に延びるよう形成されている。第一径方向延伸部431は、磁気センサ41,42の感磁面413,423と磁気結合可能である。第一径方向延伸部431は、図3に示すように、回転軸Oに垂直な方向であって磁気センサ41,42が並ぶ方向(図3の実線矢印A1)の長さL43が、感磁面412,422を磁気センサ41の径外方向側から覆うことが可能な長さとなるよう形成されている。
【0027】
軸方向延伸部432は、第一径方向延伸部431の径方向外側の端部から出力軸12の方向に延びるよう形成されている。軸方向延伸部432は、磁気センサ41,42が並ぶ方向の長さが、第一径方向延伸部431の長さL43と同じなるよう形成されている。
【0028】
第二径方向延伸部433は、軸方向延伸部432の出力軸12側の端部から磁気ヨーク32の径内方向に延びるよう形成されている。第二径方向延伸部433は、径方向内側の端面435が磁気ヨーク32の環状部321の径方向外側の端面に対向するよう形成されている。第二径方向延伸部433は、磁気ヨーク32と磁気結合可能である。
【0029】
コネクタ部45は、略矩形状の部材である。コネクタ部45は、中空状の樹脂からなるケース450、コネクタ451、端子452、及び、ポッティング材453を有する。
ケース450は、内部に磁気センサ41,42を搭載する回路基板410及び磁束誘導部材43を収容可能である。
コネクタ451は、ケース450の外側の壁面に設けられている略有底筒状の部位である。
端子452は、コネクタ451に収容されている。端子452は、磁気センサ41,42の電源線41p、グランド線41g、信号線41s、電源線42p、グランド線42g、及び、信号線42sのそれぞれと電気的に接続している。
ポッティング材453は、ケース450の内部に充填されている。
コネクタ部45は、収容している磁気センサ41,42の感磁面412,422が磁気ヨーク31の環状部311の径方向外側の端面に対向するよう設けられている。
【0030】
トルクセンサ1を組み立てるとき、磁気センサ41,42を搭載する回路基板410及び磁束誘導部材43をケース450の内部に配置する。このとき、電源線41p、グランド線41g、信号線41s、電源線42p、グランド線42g、及び、信号線42sのそれぞれを端子452に接続する。
次に、回路基板410及び磁束誘導部材43が配置されているケース450の内部にポッティング材453を充填する。これにより、磁気センサ41,42と水との接触を防止する。
【0031】
次に、トルクセンサ1の作動について、説明する。
入力軸11と出力軸12との間に操舵トルクが加わっておらず、トーションバー13に捩じれ変位が生じていない中立状態のとき、多極磁石20のN極とS極との境界と爪312または爪322の中心とが一致している。中立状態では、爪312,322のそれぞれには、多極磁石20のN極とS極とから同数の磁力線が出入りするため、磁気ヨーク31と磁気ヨーク32との間のギャップに磁束が漏れることはなく、磁気センサ41,42が検出する磁束密度はゼロとなる。
【0032】
入力軸11と出力軸12との間に操舵トルクが印加されてトーションバー13に捩じれ変位が生じると、入力軸11に固定された多極磁石20と出力軸12に固定された一組の磁気ヨーク31,32との相対位置が周方向に変化する。
例えば、磁気ヨーク31の爪312がN極と対向し、磁気ヨーク32の爪322がS極と対向すると、磁気ヨーク31と磁気ヨーク32とには、それぞれS極を有する磁力線とN極を有する磁力線とが増加する。これにより、磁気センサ41,42を通過する磁束密度は、トーションバー13の捩じれ変位量に略比例し、かつ、トーションバー13の捩じれ方向に応じて極性が変化する。磁気センサ41、42は、感磁面412,413,422,423と直交する方向に通過する磁束密度、すなわち、磁界の強さを検出する。トルクセンサ1は、検出した磁界の強さに応じた電圧を出力信号として出力することによって、入力軸11と出力軸12との間の操舵トルクを検出する。
【0033】
第一実施形態によるトルクセンサ1では、磁気センサ41,42は、磁気ヨーク31の環状部311の径方向外側の端面に対向するよう形成されている感磁面412,422と、磁気ヨーク31の径外方向に向かうよう形成されている感磁面413,423とを有する。感磁面412,422は、磁気ヨーク31に対向するよう設けられているため、磁気センサ41,42は、磁気ヨーク31の磁気回路と磁気結合しやすくなる。また、感磁面413,423は、磁束誘導部材43を介して磁気ヨーク32と磁気センサ41,42とを磁気結合する。これにより、磁気センサ41,42は、磁気ヨーク31,32の磁気回路の磁束密度を確実に検出することができる。したがって、第一実施形態は、感磁面が軸方向に沿うよう形成されるため配線が磁気センサから径外方向に突出するよう形成されているトルクセンサに比べ、径方向の体格を小さくすることができる。
【0034】
また、トルクセンサ1では、磁気センサ41,42及び磁束誘導部材43は、略矩形状のコネクタ部45に収容されている。これにより、例えば、磁気センサが設けられる集磁リングを備えるトルクセンサにおいて磁気センサと集磁リングとを一体かつ円環状に封止する場合に比べ、磁気センサ41,42と水との接触を防止する部材の形状が簡素になる。したがって、磁気センサ41,42と水との接触を防止する部材において部材間の界面など外部から水が侵入可能な経路がなくなるため、磁気センサ41,42と水との接触を確実に防止することができる。
このように、トルクセンサ1では、感磁面412,422を有する磁気センサ41,42と、感磁面413,423と磁気ヨーク32とを磁気結合可能な磁束誘導部材43と、によって磁束密度を確実に検出しつつ径方向の体格を小さくし、簡素な構成のコネクタ部45によって磁気センサ41,42と水との接触を確実に防止し耐水性を向上することができる。
【0035】
また、コネクタ部45は、磁気センサ41,42及び磁束誘導部材43を収容しつつ磁気センサ41,42の感磁面412,422が磁気ヨーク31の環状部311の径方向外側の端面に対向するよう設けられる。このことは、例えば、磁気センサが設けられる集磁リングを備えるトルクセンサの場合に比べ、一組の磁気ヨーク31,32とコネクタ部45との位置関係の調整のみによって磁気センサ41,42及び磁束誘導部材43を磁束密度の検出において最適な位置に設けることができることを示している。すなわち、磁気センサ41,42の磁束密度の検出感度を向上することができる。
また、磁気センサ41,42及び磁束誘導部材43は、コネクタ部45に収容され一体に形成されているため、コネクタ部45を出力軸12に固定されている一組の磁気ヨーク31,32から容易に切り離すことができる。これより、磁気センサ41,42の着脱を容易に行うことができる。
【0036】
また、磁気センサ41,42は、磁気ヨーク31の環状部311の径方向外側の端面に対向するよう設けられている。これにより、多極磁石20からの漏れ磁束は、磁気ヨーク31によって遮られる。これにより、多極磁石20からの漏れ磁束による磁気センサ41,42の検出感度の低下を防止することができる。
【0037】
また、磁束誘導部材43は、第一径方向延伸部431の端面434が感磁面413,423の近傍に設けられている。これにより、磁束誘導部材43は、外部の磁気ノイズの磁束が感磁面413,423を通過することを防止する磁気シールドとして機能する。したがって、外部の磁気ノイズによるトルクセンサ1の検出感度の低下を防止することができる。
【0038】
(第二実施形態)
第二実施形態によるトルクセンサを図5に基づき説明する。第二実施形態では、コネクタ部の構成が第一実施形態と異なる。
【0039】
第二実施形態によるトルクセンサ2は、トーションバー13、多極磁石20、一組の磁気ヨーク31,32、二つの磁気センサ41,42、「磁束誘導部」としての磁束誘導部材53、及び、「被水防止部」としてのコネクタ部55を有する。
第二実施形態では、二つの磁気センサ41,42は、第一実施形態と異なり、回路基板に搭載されていない。磁気センサ41,42は、ホール素子411,421と電気的に接続し直線状に回転軸Oに沿って延びるよう形成されている電気配線(図5には、磁気センサ41と電気的に接続する電源線51pのみを示す)が、コネクタ部55が有する端子551を介してECU91に電気的に接続している。
【0040】
磁束誘導部材53は、軟磁性材料から形成されている部材であって、回転軸Oからみて磁気センサ41,42の径外方向及び磁気ヨーク32の径外方向に設けられる。磁束誘導部材53は、図5に示すように、二つの磁気センサ41,42とともにコネクタ部45に収容されている。
磁束誘導部材53は、軸方向延伸部531、及び、径方向延伸部532を有する。軸方向延伸部531及び径方向延伸部532は、一体に形成されている。磁束誘導部材53は、磁気ヨーク31,磁気センサ41,42、及び、磁気ヨーク32と磁気結合し、磁気ヨーク31,32に形成されている磁気回路の磁束を誘導する。
【0041】
軸方向延伸部531は、回転軸Oからみて磁気センサ41,42の径外方向から出力軸12の方向に延びるよう形成されている。軸方向延伸部531は、磁気センサ41,42の近傍の端面533が感磁面413,423に対向するよう設けられている。軸方向延伸部531は、磁気センサ41,42の感磁面413,423と磁気結合可能である。
【0042】
径方向延伸部532は、軸方向延伸部531の出力軸12側の端部から磁気ヨーク32の径内方向に延びるよう形成されている。径方向延伸部532は、径方向内側の端面534が磁気ヨーク32の環状部321の径方向外側の端面に対向するよう形成されている。径方向延伸部532は、磁気ヨーク32と磁気結合可能である。
【0043】
コネクタ部55は、略矩形状の部材である。コネクタ部55は、封止部550、及び、端子551を有する。
封止部550は、樹脂から形成されている略矩形状の部位である。封止部550は、内部に磁気センサ41,42及び磁束誘導部材53を収容している。
端子551は、一部が封止部550から突出するよう形成されている。端子551は、磁気センサ41,42が有する複数の電気配線のそれぞれと電気的に接続している。
【0044】
トルクセンサ2を組み立てるとき、磁気センサ41,42、磁束誘導部材43、及び、磁気センサ41,42が有する複数の電気配線のそれぞれと電気的に接続している複数の端子551を樹脂などによって封止する。これにより、磁気センサ41,42と水との接触を防止する。
【0045】
第二実施形態によるトルクセンサ2は、磁気センサ41,42、感磁面413,423と磁気ヨーク32とを磁気結合可能な磁束誘導部材53、並びに、磁気センサ41,42及び磁束誘導部材53を収容するコネクタ部55を備える。これにより、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
【0046】
また、トルクセンサ2では、磁気センサ41,42が有する電源線51pなどの電気配線は、第一実施形態と異なり、磁気センサ41,42から直線状に回転軸Oに沿って延びるよう形成されている。また、磁束誘導部材53は、第一実施形態と異なり、磁気センサ41,42の近傍に位置する部位である軸方向延伸部531は、磁気センサ41,42の径外方向から出力軸12の方向に延びるよう形成されている。これにより、コネクタ部55の径方向の体格を第一実施形態に比べ、さらに小さくすることができる。
【0047】
(第三実施形態)
第三実施形態によるトルクセンサを図6,7に基づき説明する。第三実施形態では、二つの集磁リングを備える点が第一実施形態と異なる。
【0048】
第三実施形態によるトルクセンサ3は、トーションバー13、多極磁石20、一組の磁気ヨーク31,32、二つの磁気センサ41,42、二つの集磁リング46,47、磁束誘導部材43、及び、コネクタ部45を有する。
【0049】
集磁リング46は、軟磁性材料から形成されている略環状の部材である。集磁リング46は、本体部461、及び、二つの集磁部462,463を有する。本体部461と集磁部462,463とは、一体に形成される。
【0050】
本体部461は、磁気ヨーク31の径外方向に設けられている環状の部位である。本体部461の一部は、磁気ヨーク31の環状部311と磁気センサ41,42との間に位置する。本体部461は、磁気ヨーク31と磁気結合する。
集磁部462は、環状部311と磁気センサ41との間に位置する本体部461に設けられている略平板状の部位である。集磁部462は、磁気センサ41の近傍において感磁面412に対向するよう形成されている。集磁部462は、本体部461に形成される磁束を磁気センサ41に誘導する。
集磁部463は、環状部311と磁気センサ42との間に位置する本体部461に設けられている略平板状の部位である。集磁部463は、磁気センサ42の近傍において感磁面422に対向するよう形成されている。集磁部463は、本体部461に形成される磁束を磁気センサ42に誘導する。
【0051】
集磁リング47は、軟磁性材料から形成されている環状の部材である。集磁リング47は、本体部471、及び、集磁部472を有する。本体部471と集磁部472とは、一体に形成される。
【0052】
本体部471は、磁気ヨーク32の径外方向に設けられている環状の部位である。本体部471の一部は、磁気ヨーク32の環状部321と磁束誘導部材43との間に位置する。本体部471は、磁気ヨーク32と磁気結合する。
集磁部472は、環状部321と磁束誘導部材43との間に位置する本体部471に設けられている略平板状の部位である。集磁部472は、磁束誘導部材43の近傍において端面435に対向するよう形成されている。集磁部472は、本体部471に形成される磁束を磁束誘導部材43に誘導する。
【0053】
第二実施形態では、二つの集磁リング46,47は、樹脂部48によって樹脂封止され、一体となるよう形成されている。樹脂部48は、図6,7に示すように、コネクタ部45と離間した状態で設けられる。
【0054】
第三実施形態によるトルクセンサ3は、磁気センサ41,42、磁束誘導部材43、及び、コネクタ部45を備える。これにより、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
【0055】
また、集磁リング46は、磁気センサ41,42の近傍において感磁面412,422に対向するよう形成されている。また、集磁リング47は、磁束誘導部材43の第二径方向延伸部433の端面435の近傍に位置している。これにより、集磁リング46,47は、外部の磁気ノイズの磁束が感磁面412,422や端面435を通過することを防止する磁気シールドとして機能する。したがって、トルクセンサ3の検出感度の低下を防止することができる。
【0056】
また、トルクセンサ3では、トーションバー13に捩じれによって、磁気ヨーク31、集磁リング46、磁気センサ41,42、磁束誘導部材43、集磁リング47、及び、磁気ヨーク32を通る磁気回路が形成される。これにより、集磁リングがない場合に比べ、磁気センサ41,42を通過する磁束密度を増大させることができる。したがって、第三実施形態は、磁気センサ41,42による磁束密度の検出感度を向上することができる。
【0057】
(第四実施形態)
第四実施形態によるトルクセンサを図8に基づき説明する。第四実施形態では、一つの集磁リングを備える点が第一実施形態と異なる。
【0058】
第四実施形態によるトルクセンサ4は、トーションバー13、多極磁石20、一組の磁気ヨーク31,32、二つの磁気センサ41,42、集磁リング46、磁束誘導部材43、及び、コネクタ部45を有する。
【0059】
第四実施形態によるトルクセンサ4は、磁気センサ41,42、磁束誘導部材43、及び、コネクタ部45を備える。これにより、第四実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、トルクセンサ3は、図8に示すように、集磁リング46が磁気ヨーク31の径外方向に設けられている。これにより、第四実施形態は、第三実施形態と同様に、磁気センサ41,42の検出感度の低下を防止し、かつ、向上することができる。
【0060】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、トルクセンサは、電動パワーステアリング装置に適用されるとした。しかしながら、本発明のトルクセンサが適用される装置はこれに限定されない。トルクを捩じれ変位に変換するトーションバーが適用される装置であればよい。
【0061】
上述の実施形態では、二つの磁気センサに対して一つの磁束誘導部材が設けられるとした。しかしながら、二つの磁気センサのそれぞれに磁束誘導部材が設けられてよい。すなわち、磁束誘導部材は複数あってもよい。また、磁気センサは、一つであってもよい。
具体的には、第一実施形態の変形例としての図9に示すトルクセンサ1のように、一つの磁気センサ41に対して一つの磁束誘導部材43を備えてもよい。
【0062】
上述の実施形態では、感磁面は、回転軸Oに対して直角に交わる方向の略平行な方向に向かうよう形成されるとした。しかしながら、感磁面が向かう方向はこれに限定されない。感磁面は、回転軸方向とは異なる方向に向かうよう形成されていればよい。
【0063】
図10に、第二実施形態の変形例としてのトルクセンサ2を示す。なお、図10では、図面が煩雑になるのを避けるため、端子551及び端子551を収容する部位を省略している。
図10に示すトルクセンサ2では、二つの磁気センサ41,42のそれぞれの感磁面412,422は、磁気ヨーク31の径内方向に向かうよう形成されている。具体的には、感磁面412,422は、磁気ヨーク31の環状部321の径方向外側の端面であって曲面状に形成されている端面313に沿うよう形成されている。このとき、磁気センサ41の感磁面413及び磁気センサ42の感磁面423は、磁気ヨーク31の径外方向に向かうよう形成される。
図10に示すトルクセンサ2は、磁気センサ41,42のそれぞれに対応する二つの磁束誘導部材53を備える。磁束誘導部材53の軸方向延伸部531が有し感磁面413,423に対向する端面533は、図10に示すように、それぞれ感磁面413,423に略平行となるよう形成されている。
このように、二つの磁気センサ41,42の感磁面412,422を磁気ヨーク31の環状部321の径方向外側の端面に沿うよう形成することによって、磁気センサ41,42の磁束密度の検出感度を向上することができる。また、磁束誘導部材53の端面533を感磁面413,423に略平行となるよう形成することによって、さらに磁気センサ41,42の磁束密度の検出感度を向上することができる。
【0064】
上述の実施形態では、電源線、グランド線、及び、信号線は、回転軸方向に延びるよう形成されるとした。しかしながら、電源線、グランド線、及び、信号線は、回転軸方向に延びるよう形成されていなくてもよい。例えば、回転軸上の点を中心とする仮想円の接線方向に延びるよう形成されてもよい。
【0065】
上述の実施形態では、集磁リングは、略環状の部材であるとした。しかしながら、集磁リングの形状はこれに限定されない。集磁リングの形状は、円弧状であってもよい。
【0066】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0067】
1,2,3,4・・・トルクセンサ(検出装置)
11・・・入力軸(第一軸)
12・・・出力軸(第二軸)
13・・・トーションバー
20・・・多極磁石
31、32・・・磁気ヨーク
41、42・・・磁気センサ
412,422・・・感磁面(内側感磁面)
413,423・・・感磁面(外側感磁面)
43・・・コネクタ部(被水防止部)
45・・・磁束誘導部材(磁束誘導部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10