(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691133
(24)【登録日】2020年4月13日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】アルミナ焼結体及び光学素子用下地基板
(51)【国際特許分類】
C04B 35/115 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
C04B35/115
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-543545(P2017-543545)
(86)(22)【出願日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】JP2016078788
(87)【国際公開番号】WO2017057551
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2019年4月17日
(31)【優先権主張番号】特願2015-193943(P2015-193943)
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松島 潔
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 守道
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭
(72)【発明者】
【氏名】七瀧 努
【審査官】
小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−100717(JP,A)
【文献】
特許第5651278(JP,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0039685(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/115
G02B 1/02
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を照射したときの2θ=20°〜70°の範囲におけるX線回折プロファイルを用いてロットゲーリング法により求めたc面配向度が5%以上かつロッキングカーブ測定におけるXRC半値幅が15.0°以下であり、
D−SIMSで測定したときのF含有量が0.99質量ppm未満であり、
結晶粒径が15〜200μmであり、
縦370.0μm×横372.0μmの視野を倍率1000倍で撮影した写真を目視したときの直径0.2μm〜1.0μmの気孔の数が25個以下である、
アルミナ焼結体。
【請求項2】
前記F含有量が0.1質量ppm以下である、
請求項1に記載のアルミナ焼結体。
【請求項3】
前記結晶粒径が20〜200μmである、
請求項1又は2に記載のアルミナ焼結体。
【請求項4】
前記気孔の数が15個以下である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミナ焼結体。
【請求項5】
前記F含有量が0.1質量ppm以下であり、
前記結晶粒径が20〜200μmであり、
前記気孔の数が10個以下である、
請求項1に記載のアルミナ焼結体。
【請求項6】
前記c面配向度が60%以上かつ前記XRC半値幅が5.0°以下であり、
前記結晶粒径が40〜95μmであり、
前記気孔の数が7個以下である、
請求項5に記載のアルミナ焼結体。
【請求項7】
前記結晶粒径が45〜95μmであり、
前記気孔の数が5個以下である、
請求項6に記載のアルミナ焼結体。
【請求項8】
前記c面配向度が96%以上かつ前記XRC半値幅が2.6°以下であり、
前記気孔の数が3個以下である、
請求項7に記載のアルミナ焼結体。
【請求項9】
0.5mm厚の前記アルミナ焼結体の300〜1000nmにおける直線透過率が78%以上である、
請求項1〜8のいずれか1項に記載のアルミナ焼結体。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルミナ焼結体からなる光学素子用下地基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミナ焼結体及び光学素子用下地基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アルミナ焼結体として透明なものが知られている。例えば、非特許文献1では、MgOを加えたアルミナ懸濁液に磁場をかけてスリップキャストを行い、真空中1850℃で5時間焼成することにより、配向した粒子を備えた透明なアルミナ焼結体を作製している。例えば、12テスラの磁場をかけて作製したアルミナ焼結体は、波長600nmにおける直線透過率が70.3%であり、配向度も97%と高い。また、8テスラの磁場をかけて作製したアルミナ焼結体は、波長600nmにおける直線透過率が56%程度であり、配向度は78%と高い。更に、磁場が6テスラ、4テスラと低下するのに伴い、直線透過率も配向度も低下している。これらの結果から、磁場の強さが増すにつれて直線透過率や配向度が高くなると結論づけている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Ceramics International vol.38, pp5557-5561(2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1では、12テスラという高磁場をかけないと、配向度が十分高くならず直線透過率が50%以上のアルミナ焼結体を得ることができなかった。このような高磁場をかけながらスリップキャストを行う装置は、現在のところ限られた施設にしか存在しない。更に、得られた焼結体には多くの気孔がある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、直線透過率が高く透明性に優れるアルミナ焼結体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアルミナ焼結体は、X線を照射したときの2θ=20°〜70°の範囲におけるX線回折プロファイルを用いてロットゲーリング法により求めたc面配向度が5%以上かつロッキングカーブ測定におけるXRC半値幅が15.0°以下であり、D−SIMS(ダイナミック二次イオン質量分析)で測定したときのF含有量が0.99質量ppm未満であり、結晶粒径が15〜200μmであり、縦370.0μm×横372.0μmの視野を倍率1000倍で撮影した写真を目視したときの直径0.2〜1.0μmの気孔の数が25個以下のものである。本発明のアルミナ焼結体は、配向度が十分高くなくても、直線透過率が高く、透明性に優れる。このように優れた透明性が得られた理由は定かではないが、c面配向度、XRC半値幅、F含有量、結晶粒径及び直径0.2〜1.0μmの気孔の数がそれぞれ適正な値であったことが複合的に寄与した結果であろうと考えられる。
【0007】
本発明の光学素子用下地基板は、上述した本発明のアルミナ焼結体からなる基板である。光学素子としては、例えばLED、LD、太陽電池、センサ、フォトダイオード、光学部材、窓材等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】板状アルミナ粒子の模式図で、(a)は平面図、(b)は正面図。
【
図3】TGG法でアルミナ焼結体を作製する工程の模式図。
【
図6】縦型発光素子30の製造工程を示す概略断面図。
【
図8】アルミナ焼結体の研磨された断面の高倍率写真。
【0009】
本発明のアルミナ焼結体は、X線を照射したときの2θ=20°〜70°の範囲におけるX線回折プロファイルを用いてロットゲーリング法により求めたc面配向度が5%以上かつロッキングカーブ測定におけるXRC半値幅が15.0°以下であり、D−SIMSで測定したときのF含有量が0.99質量ppm未満であり、結晶粒径が15〜200μmであり、縦370.0μm×横372.0μmの視野を倍率1000倍で撮影した写真を目視したときの直径0.2〜1.0μmの気孔の数が25個以下のものである。
【0010】
c面配向度は、XRD装置(例えばリガク製、RINT−TTR III)を用いてアルミナ焼結体の所定の断面(例えばc面に平行な断面)を平滑に研磨加工した後、その面に対してX線を照射したときの2θ=20°〜70°の範囲におけるX線回折プロファイルを用いて、以下の式により算出する。c面とはアルミナの(006)面である。式中、Pは本発明のアルミナ焼結体のXRDから得られた値であり、P
0は標準α−アルミナ(JCPDSカードNo.46−1212)から算出された値である。本発明のアルミナ焼結体は、c面配向度が5%以上のアルミナ焼結体である。c面配向度は5%以上であればよく、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは96%以上である。
【0011】
尚、JCPDSカードNo.46−1212に示される通り、c面であるアルミナ(006)面の回折強度は他の指数面強度と比較して小さいため、ある程度配向していてもロットゲーリング法で求まるc面配向度は小さくなりやすい。したがってc面配向度5%は相当配向した状態を表している。例えば公知の論文(Journal of the Ceramics Society of Japan, pp198-202(2011))には、ロットゲーリング法で求めたアルミナ成形体のc面配向度は、実際の配向度(配向粒子の割合)より著しく低いことが記載されている。この論文の表2によると、アルミナ成形体のロットゲーリング法のc面配向度が2.4%のとき、複屈折の測定より算出したc面配向粒子の割合は69%に相当するとしている。したがって、本発明のアルミナ焼結体のロットゲーリング法c面配向度が5%の場合、少なくとも70%以上の焼結粒子がc面に配向していると考えられる。
【0012】
【数1】
【0013】
XRC半値幅は、アルミナ基板の表面をX線ロッキングカーブ法(オメガスキャン)で測定したX線ロッキングカーブの半値幅(XRC・FWHM)である。XRC・FWHMは、アルミナ焼結体の配向軸(例えばc軸)と各アルミナ粒子の結晶軸の傾斜(チルト角)を評価するための指標であり、本発明者らは、このチルト角が小さくなることで、透明性が向上することを見出した。
図1にチルト角の模式的な説明図を示す。チルト角は透明性の観点では小さい方が好ましい。XRC・FWHMは、15.0°以下であればよく、好ましくは10.0°以下、より好ましくは8.0°以下、より好ましくは5.0°以下、更に好ましくは3.2°以下、特に好ましくは2.6°以下、一層好ましくは1.0°以下である。
【0014】
D−SIMSで測定したときのFの含有量は、0.99質量ppm未満が好ましく、0.90質量ppm以下が好ましく、検出限界(0.1質量ppm)以下がより好ましい。Mgの含有量は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析で測定する。Mgの含有量は、5000質量ppm以下が好ましく、3000質量ppm以下がより好ましく、1000質量ppm以下が更に好ましく、500質量ppm以下が特に好ましく、350ppm以下が一層好ましい。また、Mgの含有量は20質量ppm以上が好ましい。Mgの添加形態としては、MgOやMgF
2、MgNO
3などが挙げられる。Al,O,Mg,C,F以外の不純物元素の含有量は、各10質量ppm以下であることが好ましい。Cについては100質量ppm以下であることが好ましく、70質量ppm以下であることがより好ましく、50質量ppmであることが更に好ましい。これらの含有量は、例えば、C,Sについては燃焼(高周波加熱)−赤外線吸収法、Nについては不活性ガス融解−熱伝導度法、Hについては不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法、それ以外の元素(主にSi,Fe,Ti,Na,Ca,K,P,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Pb,Bi,Li,Be,B,Cl,Sc,Ga,Ge,As,Se,Br,Rb,Sr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Te,Cs,Ba,Hf,Ta,W,Ir,Pt,Au,Hg,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)についてはICP発光分析で測定することができる。
【0015】
結晶粒径は、焼結粒径の平均値である。結晶粒径は、アルミナ焼結体の所定の断面(例えばc面に平行な断面)を鏡面研磨した面にサーマルエッチング処理を施したあとその面の画像を撮影し、得られた画像において矩形の視野範囲を設定し、矩形の視野範囲に2本の対角線を引いたときに対角線が交わる全ての粒子に対し、粒子の内側の線分の長さを求め、それを平均した値に1.5を乗じた値とした。結晶粒径は、15〜200μmであればよく、好ましくは20〜200μm、より好ましくは25〜100μm、より好ましくは40〜100μm、更に好ましくは45〜95μmである。
【0016】
直径0.2〜1.0μm(すなわち直径0.2μm以上1.0μm以下)の気孔の数は、以下のようにしてカウントする。すなわち、本発明のアルミナ焼結体の任意の断面をイオンミリングによって研磨したあと、その研磨した断面を走査型電子顕微鏡にて倍率1000倍に拡大し、縦92.5μm×横124.0μmの視野における写真を縦4枚分、横3枚分(縦370.0μm×横372.0μm)で連続的な写真となるように12枚撮影し、その12枚について直径0.2〜1.0μmの気孔の数を目視してカウントする。イオンミリングによって研磨するのは、断面から脱粒が生じないからである。なお、イオンミリングを用いる研磨装置としては、例えば、日本電子製のクロスセクションポリッシャが挙げられる。倍率1000倍に拡大した写真では気孔は黒点として現れるため、直径0.2〜1.0μmの気孔サイズであれば目視で十分認識することができる。こうした気孔の数は、25個以下であればよく、好ましくは15個以下、より好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、より好ましくは5個以下、更に好ましくは2個以下である。
【0017】
本発明のアルミナ焼結体は、該アルミナ焼結体から取り出した厚み0.5mmの試料の波長300〜1000nmにおける直線透過率が高い値(例えば50%以上)になる。直線透過率は、分光光度計(例えばPerkin Elmer製、Lambda900)を用いて測定することができる。なお、試料の厚みを他の厚みに換算する場合には、以下の換算式を利用すればよい。この式は、Scripta Materialia vol.69, pp362-365(2013)から引用した。式中、T1は直線透過率の実測値、T2は換算後の直線透過率、t1は厚みの実測値、t2は換算後の厚み、Rは材料由来の表面反射(アルミナの場合0.14)である。この直線透過率は55%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。
T2=(1-R)(T1/(1-R))^(t2/t1)
【0018】
本発明のアルミナ焼結体において、c面配向度が5%以上かつXRC半値幅が15.0°以下であり、F含有量が検出限界以下(0.1質量ppm以下)であり、結晶粒径が20〜200μmであり、気孔の数が10個以下の場合、より透明性が増すため好ましい。すなわち、こうしたアルミナ焼結体から厚み0.5mmの試料を取り出して波長300〜1000nmにおける直線透過率を測定すると、測定値は55%以上になる。
【0019】
本発明のアルミナ焼結体において、c面配向度が60%以上かつXRC半値幅が5.0°以下であり、F含有量が検出限界以下であり、結晶粒径が40〜95μmであり、気孔の数が7個以下の場合、より透明性が増すため好ましい。すなわち、こうしたアルミナ焼結体から厚み0.5mmの試料を取り出して波長300〜1000nmにおける直線透過率を測定すると、測定値は60%以上になる。
【0020】
本発明のアルミナ焼結体において、c面配向度が60%以上かつXRC半値幅が5.0°以下であり、F含有量が検出限界以下であり、結晶粒径が45〜95μmであり、気孔の数が5個以下の場合、より一層透明性が増すため好ましい。すなわち、こうしたアルミナ焼結体から厚み0.5mmの試料を取り出して波長300〜1000nmにおける直線透過率を測定すると、測定値は70%以上になる。
【0021】
本発明のアルミナ焼結体において、c面配向度が96%以上かつXRC半値幅が2.6°以下であり、F含有量が検出限界以下であり、結晶粒径が45〜95μmであり、気孔の数が3個以下の場合、より一層透明性が増すため好ましい。
【0022】
本発明のアルミナ焼結体は、膜を形成するための下地基板として利用可能であり、例えば、GaN,ZnO,AlN,SiC,InNなどを成膜するための下地基板として利用可能である。本発明のアルミナ焼結体は、成膜する前に表面を研磨することが好ましい。こうすれば、表面の凹凸がなくなるため、成膜しやすいし膜に欠陥が生じにくい。
【0023】
本発明のアルミナ焼結体は、例えば、アスペクト比が3以上の板状アルミナ粉末と平均粒径が板状アルミナ粉末よりも小さい微細アルミナ粉末とを含むアルミナ原料粉末を、板状アルミナ粉末と微細アルミナ粉末との混合割合が質量比でT:(100−T)としたときにTが0.001以上、1未満となるように調製し、そのアルミナ原料粉末を含む成形用原料を成形して成形体にし、その成形体を焼成することにより製造することができる。
【0024】
板状アルミナ粉末のアスペクト比は、平均粒径/平均厚さである。ここで、平均粒径は、粒子板面の長軸長の平均値、平均厚さは、粒子の短軸長の平均値である。これらの値は、走査型電子顕微鏡(SEM)で板状アルミナ粉末中の任意の粒子100個を観察して決定する。
図2は、板状アルミナ粒子の模式図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。板状アルミナ粒子は、平面視したときの形状が略六角形状であり、その粒径は
図2(a)に示したとおりであり、厚みは
図2(b)に示したとおりである。アスペクト比が3以上の板状アルミナ粉末を含むアルミナ原料粉末を使用することにより、最終的に得られるアルミナ焼結体の配向度が高くなる。板状アルミナ粉末の平均粒径は、高配向化の観点からは大きい方が好ましく、1.5μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましく、15μm以上が特に好ましい。但し、緻密化の観点からは小さい方が好ましく、30μm以下が好ましい。こうしたことから、高配向と緻密化を両立するには平均粒径が1.5μm〜20μmであることが好ましい。
【0025】
成形前の混合粉末のFの含有量は、焼成後のアルミナ焼結体に含まれるFの含有量が0.99質量ppm未満となるように設定することが好ましく、0.90質量ppm以下となるように設定することがより好ましく、実質的にゼロ(検出限界以下)にすることが更に好ましい。板状アルミナ粉末と微細アルミナ粉末を含む混合粉末を成形することにより、成形時(テープ成形、押出成形、鋳込み成形、射出成形、一軸プレス成形等)に板状粒子が配向しやすくなる。また、焼成時に、板状アルミナ粉末が種結晶(テンプレート)となり、微細アルミナ粉末がマトリックスとなって、テンプレートがマトリックスを取り込みながらホモエピタキシャル成長する。こうした製法は、TGG(Templated Grain Growth)法と呼ばれる。TGG法でアルミナ焼結体を作製する工程の模式図を
図3に示す。TGG法では、板状アルミナ粉末と微細アルミナ粉末の粒径や混合比によって、得られるアルミナ焼結体の微細構造を制御することができ、板状アルミナ粉末単体を焼成する場合に比べて緻密化しやすく、配向度が向上しやすい。
【0026】
成形体を焼成する際の焼成温度(最高到達温度)は1800℃以上が好ましく、1850℃以上がより好ましく、1850〜2050℃がより好ましく、1900〜2000℃が更に好ましい。また、焼成方法は、加圧焼成が好ましい。加圧焼成としては、例えばホットプレス焼成やHIP焼成、プラズマ放電焼成(SPS)などが挙げられる。なお、加圧焼成前に常圧予備焼成を行ってもよい。HIP焼成を行うときにはカプセル法を用いることもできる。ホットプレス焼成の場合の圧力は、50kgf/cm
2以上が好ましく、200kgf/cm
2以上がより好ましい。HIP焼成の場合の圧力は、1000kgf/cm
2以上が好ましく、2000kgf/cm
2以上がより好ましい。焼成雰囲気は特に限定はないが、大気、窒素、Ar等の不活性ガス、真空雰囲気下のいずれかが好ましく、窒素、Ar雰囲気下が特に好ましく、窒素雰囲気が最も好ましい。窒素雰囲気が良い理由は定かではないが、高い透明性が得られる。焼成中の最高到達温度からの降温時において、直ちに除圧してもよいが、所定温度(1000〜1400℃(好ましくは1100〜1300℃)の範囲で設定された温度)まで50kgf/cm
2以上のプレス圧を印加し、その後除圧してもよい。
【0027】
本発明の光学素子用下地基板は、上述した本発明のアルミナ焼結体からなる基板である。光学素子としては、発光素子や受光素子が挙げられる。例えば、本発明の光学素子用下地基板にGaN層を成膜することで、サファイアを下地基板に用いた場合に比べて大型で安価なLED等の発光基板として用いることができる。本発明の光学素子用下地基板は、透明なためレーザーリフトオフによる基板剥離が可能となる。また、下地基板を剥離しない場合には、下地基板側からも光を取り出すことができる。なお、GaN層のほかにZnO層,AlN層,InN層なども形成することができる。
【0028】
本発明の光学素子用下地基板を発光素子に利用した例を以下に示す。発光素子10は、
図4に示すように、下地基板12と、下地基板12上に形成された発光機能層14とを備えている。発光機能層14は、電圧を印加することによりLEDの発光原理に基づき発光するものであり、ここでは下地基板12に近い側からn型層14c、活性層14b、p型層14aの順に積層されている。この発光機能層14は、GaN系材料、ZnO系材料、AlN系材料などで作製されている。
【0029】
横型発光素子20は、
図5に示すように、発光素子10のうち発光機能層14の外周部にn型層14cの表面が段差面となるように形成され、n型層14cの段差面にカソード電極22が取り付けられ、p型層14aの表面に透光性アノード電極24を介してアノード電極パッド25が設けられたものである。この横型発光素子20によれば、発光機能層14の法線方向だけでなく、水平方向にも電流が流れる。
【0030】
縦型発光素子30は、
図6の下段に示すように、発光機能層14のn型層14cの表面にカソード電極34、p型層14aの表面にアノード電極32を介して実装基板16が取り付けられたものである。この縦型発光素子30は、発光素子10(
図6の上段)のp型層14aの表面にアノード電極32を形成し、実装基板16にアノード電極32を接合し(
図6の中段)、下地基板12をレーザーリフトオフ法で除去し、露出したn型層14cの表面にカソード電極34を形成することにより作製される。この縦型発光素子30によれば、発光機能層14の法線方向に電流が流れる。このようにレーザーリフトオフ法が利用できるのは、下地基板12の直線透過率が大きく透光性が高いからである。また、本発明の透明アルミナ焼結体は、光学素子用下地基板や光学素子以外にも、エピタキシャル成長用基板、静電チャックなどに用いることができる。
【実施例】
【0031】
[実験例1]
1.アルミナ焼結体の作製
(1)粉末混合、テープ成形
市販の板状アルミナ粉末(YFA10030、キンセイマテック製、平均粒径10μm、平均厚み0.35μm、アスペクト比29)0.9質量部と、微細なアルミナ粉末(TM−DAR、平均粒径0.1μm、大明化学製)99.1質量部とを混合し、混合アルミナ粉末とした。板状アルミナ粉末と微細なアルミナ粉末との質量比をT:(100−T)で表すとT=0.9である。この混合アルミナ粉末100質量部に対し、酸化マグネシウム(500A、宇部マテリアルズ製)0.0125質量部(125質量ppm)と、バインダーとしてポリビニルブチラール(品番BM−2、積水化学工業製)7.8質量部と、可塑剤としてジ(2−エチルヘキシル)フタレート(黒金化成製)3.9質量部と、分散剤としてトリオレイン酸ソルビタン(レオドールSP−O30、花王製)2質量部と、分散媒として2−エチルヘキサノールとを加えて混合した。分散媒の量は、スラリー粘度が20000cPとなるように調整した。このようにして調製されたスラリーを、ドクターブレード法によってPETフィルムの上に乾燥後の厚さが20μmとなるようにシート状に成形した。得られたテープを直径50.8mm(2インチ)の円形に切断した後150枚積層し、厚さ10mmのAl板の上に載置した後、パッケージに入れて内部を真空にすることで真空パックとした。この真空パックを85℃の温水中で100kgf/cm
2の圧力にて静水圧プレスを行い、円板状の成形体を得た。
【0032】
(2)焼成
得られた成形体を脱脂炉中に配置し、600℃で10時間の条件で脱脂を行った。得られた脱脂体を黒鉛製の型を用い、ホットプレスにて窒素中、焼成温度(最高到達温度)1975℃で4時間、面圧200kgf/cm
2の条件で焼成し、アルミナ焼結体を得た。なお、焼成温度から降温する際に1200℃までプレス圧を維持し、1200℃未満の温度域ではプレス圧をゼロに開放した。
【0033】
(3)表面研磨
得られたアルミナ焼結体の板面に対しダイヤモンド砥粒を用いて表裏両面を鏡面研磨して厚さ0.5mmとし、研磨した焼結体(試料)をアセトン、エタノール、イオン交換水の順でそれぞれ10分間洗浄し、c面配向度、直線透過率、密度(気孔有無観察)用の試料を得た。
【0034】
2.アルミナ焼結体の特性
(1)c面配向度の算出
得られたアルミナ焼結体の配向度を確認するため、XRDによりc面配向度を測定した。鏡面研磨後のアルミナ焼結体に対し、その研磨面に対してXRD装置(リガク製、RINT−TTR III)を用いてX線を照射したときの2θ=20〜70°の範囲でXRDプロファイルを測定した。具体的には、CuKα線を用いて電圧50kV、電流300mAという条件で測定した。c面配向度は、ロットゲーリング法によって算出した。具体的には、前出の式により算出した。実験例1のアルミナ焼結体のc面配向度は100%であった。
【0035】
(2)ロッキングカーブ測定
アルミナ焼結体の板面(c面配向度測定と同じ面)に対し、
図7のようにX線源と検出器を連動させてスキャンし、得られたカーブの半値幅(XRC・FWHM)を測定した。このように2θ(検出器と入射X線とのなす角度)の値をその回折ピーク位置に固定し、ω(試料基板面と入射X線とのなす角度)のみ走査する測定方法をロッキングカーブ測定とよぶ。装置はリガク製、RINT−TTR IIIを用い、CuKα線を用いて電圧50kV、電流300mAという条件でωの走査範囲を3.8°〜38.8°とした。実験例1のアルミナ焼結体のXRC・FWHMは3.2°であった。
【0036】
(3)純度
(3−1)Fの定量分析
鏡面研磨後のアルミナ焼結体をD−SIMS(CAMECA製IMS−6f)にて分析した。測定条件は下記のとおりとした。
・一次イオン種:Cs
+
・一次イオン加速エネルギー:14〜15eV
・二次イオン極性:Negative
・電荷補償:E−gun
・スパッタサイクル:100〜500サイクル
200−300スパッタサイクル間の平均値をF量として用いた。定量分析の際は分析試料と同組成(AlO)の濃度既知の標準試料を分析試料と同条件で測定し、相対感度係数を求めて定量を行った。その結果、焼結体中のF量は検出限界(0.1質量ppm)以下であった。
(3−2)Mgの定量分析
アルミナ焼結体を純度99.9%のアルミナ乳鉢で粉砕した後、JISR1649に準拠した加圧硫酸分解法にて板状アルミナ粉末を溶解し、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析装置(日立ハイテクサイエンス製 PS3520UV−DD)にて定量分析した。実験例1のアルミナ焼結体のMg量は64質量ppm検出された。
(3−3)その他の元素の定量分析
C,S:炭素・硫黄分析装置(LECO製 CS844)を用いて燃焼(高周波加熱)−赤外線吸収法にて分析した。
N:酸素・窒素分析装置(堀場製作所製 EMGA−650W)を用いて、不活性ガス融解−熱伝導度法にて分析した。
H:水素分析装置(堀場製作所製 EMGA−921)にて不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法にて分析した。
上記以外の不純物元素(主にSi,Fe,Ti,Na,Ca,Mg,K,P,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Pb,Bi,Li,Be,B,Cl,Sc,Ga,Ge,As,Se,Br,Rb,Sr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Te,Cs,Ba,Hf,Ta,W,Ir,Pt,Au,Hg,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu):JISR1649に準拠した加圧硫酸分解法にて板状アルミナ粉末を溶解し、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析装置(日立ハイテクサイエンス製 PS3520UV−DD)にて分析した。
【0037】
(4)気孔
得られたアルミナ焼結体の任意の断面をダイヤモンド砥粒を用いて予備研磨した後、クロスセクションポリッシャ(CP)(日本電子製、IB−09010CP)で研磨した。CPはイオンミリングの範疇に属する。CPを用いたのは、研磨面に脱粒が生じないからである。得られた断面を走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM−6390)にて撮影した。観察する倍率は、具体的には、縦92.5μm×横124.0μmの視野を倍率1000倍で撮影した写真を、縦4枚分、横3枚分連続的な写真(縦370.0μm×横372.0μm)となるように並べ、目視により直径0.2〜1.0μmの気孔の数をカウントした。倍率を1000倍とすることでより微細な気孔を目視で判別することが可能となる。実験例1のアルミナ焼結体で確認された気孔数は7個であった。なお、気孔の直径は、気孔の外周上の2定点の距離が最大となる長さとした。
【0038】
(5)結晶粒径
鏡面研磨後のアルミナ焼結体を、純度99.5質量%の高純度アルミナ製のさや(容積750cm
3)に入れ、大気中で1550℃で45分間、サーマルエッチング処理を行った。本サーマルエッチング処理を行うことにより、粒内部と粒界部でエッチングレートが異なるために粒界を鮮明に観察できるようになる。そのサーマルエッチング処理を行った面の画像を走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM−6390)にて撮影した。視野範囲は、次のようにして設定した。すなわち、得られた画像上に長方形を配置してその対角線を引いた場合に、いずれの対角線も10個から30個の粒子と交わるように長方形のサイズを設定し、その長方形を視野範囲に設定した。そして、その長方形の2本の対角線と交わる全ての粒子に対し、個々の粒子の内側の線分の長さを平均したものに1.5を乗じた値を板面の平均粒径とした。実験例1のアルミナ焼結体の平均粒径(結晶粒径)は44μmであった。
【0039】
(6)直線透過率
得られたアルミナ焼結体を、10mm×10mmの大きさに切り出し、φ68mmの金属製定盤の最外周部に90°おきに4個固定し、SiC研磨紙上で、金属製定盤と研磨治具の荷重のみ(合わせて1314g)をかけた状態で#800で10分、#1200で5分ラップ研磨(予備研磨)した。その後、セラミック定盤上でダイヤモンド砥粒を用いたラップ研磨を行った。ラップ研磨は、砥粒サイズ1μmで30分、その後、砥粒サイズ0.5μmで2時間行った。研磨後の10mm×10mm×0.5mm厚の試料をアセトン、エタノール、イオン交換水の順でそれぞれ3分間洗浄した後、分光光度計(Perkin Elmer製、Lambda900)を用いて波長300〜1000nmにおける直線透過率を測定した。実験例1のアルミナ焼結体の波長300〜1000nmにおける直線透過率は60.4%以上であった。
【0040】
以上の実験例1のアルミナ焼結体の製造条件及び特性を表1にまとめた。なお、表1の直線透過率の欄には、波長300〜1000nmにおける直線透過率の最小値を記載した。
【0041】
【表1】
【0042】
[実験例2〜13]
実験例2〜13は、実験例1に準じて、表1に示すアルミナ焼結体の製造条件でアルミナ焼結体を作製した。具体的には、実験例2,3は、焼成温度をそれぞれ1900℃,1850℃とした以外は、実験例1と同様にしてアルミナ焼結体を作製した。実験例4〜7,9〜12は、T(混合アルミナ粉末中の板状アルミナ粉末の質量%)を表1に示す値とした以外は、実験例1と同様にしてアルミナ焼結体を作製した。実験例8は、焼成温度1975℃で2時間、面圧1886kgf/cm
2の条件でHIP焼成してアルミナ焼結体を得た。HIP焼成においては、1975℃のキープ終了後、1200℃までは面圧1000kgf/cm
2以上の高圧を保った状態で降温した。実験例13は、Tを2とし焼成温度を1800℃としたこと以外は、実験例1と同様にしてアルミナ焼結体を作製した。これらのアルミナ焼結体につき、上記2.(1)〜(5)の特性を求めた。その結果を表1に示した。
【0043】
[実験例14〜22]
実験例14〜22は、実験例1に準じて、表1に示すアルミナ焼結体の製造条件でアルミナ焼結体を作製した。
【0044】
実験例14、19〜22では、下記に示す製造条件で板状アルミナ粉末を作製し、微細アルミナ粉末と混合して焼結体を作製した。高純度γ−アルミナ(TM−300D、大明化学製)96質量部と、高純度AlF
3(関東化学製、鹿特級)4質量部と、種結晶として高純度α−アルミナ(TM−DAR、大明化学製、D50=1μm)0.17質量部とを、溶媒をIPA(イソプロピルアルコール)としてφ2mmのアルミナボールを用いて5時間ポットミルで混合した。得られた混合粉末中のF,H,C,S以外の不純物元素の質量割合の合計は1000ppm以下であった。得られた混合原料粉末300gを純度99.5質量%の高純度アルミナ製のさや(容積750cm
3)に入れ、純度99.5質量%の高純度アルミナ製の蓋をして電気炉内でエアフロー中、900℃、3時間熱処理した。エアの流量は25000cc/minとした。熱処理後の粉末を大気中、1150℃で40時間アニール処理した後、φ2mmのアルミナボールを用いて4時間粉砕して平均粒径2μm、平均厚み0.2μm、アスペクト比10の板状アルミナ粉末を得た。粒子の平均粒径、平均厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で板状アルミナ粉末中の任意の粒子100個を観察して決定した。平均粒径は、粒子の長軸長の平均値、平均厚みは、粒子の短軸長の平均値、アスペクト比は平均粒径/平均厚みである。得られた板状アルミナ粉末は、α−アルミナであった。
【0045】
実験例17,18では市販の板状アルミナ粉末(YFA00610、キンセイマテック製、平均粒径0.6μm、平均厚み0.06μm、アスペクト比10)を使用して焼結体を作製した。これらのアルミナ焼結体につき、上記2.(1)〜(5)の特性を求めた。その結果を表1に示した。
【0046】
[評価]
実験例1〜11,14〜19のアルミナ焼結体は、いずれも、c面配向度が5%以上、XRC半値幅が15.0°以下、F含有量が検出限界以下、結晶粒径が15〜200μm、直径0.2〜1.0μmの気孔の数が25個以下であった。これらの実験例で得られたアルミナ焼結体の厚みを0.5mmとしたときの波長300nm〜1000nmにおける直線透過率は50%以上であり、直線透過率が高く、透明性に優れていた。このように優れた透明性が得られた理由は定かではないが、c面配向度、XRC半値幅、F含有量、結晶粒径及び直径0.2〜1.0μmの気孔の数がそれぞれ適正な値であったことが複合的に寄与した結果であろうと考えられる。
【0047】
また、実験例1,2,4〜11,14,16〜19は、c面配向度が5%以上、XRC半値幅が15.0°以下、結晶粒径が20〜200μm、直径0.2〜1.0μmの気孔の数が
10個以下であった。これらの実験例で得られたアルミナ焼結体の厚みを0.5mmとしたときの波長300nm〜1000nmにおける直線透過率は55%以上であり、より透明性に優れていた。
【0048】
更に、実験例1,4〜10,16は、c面配向度が60%以上、XRC半値幅が5.0°以下、結晶粒径が45〜95μm、直径0.2〜1.0μmの気孔の数が
7個以下であった。これらの実験例で得られたアルミナ焼結体の厚みを0.5mmとしたときの波長300nm〜1000nmにおける直線透過率は60%以上であり、より一層透明性に優れていた。この中で、特に実験例9のアルミナ焼結体は、この直線透過率が78%以上であり、他と比べて飛び抜けて高かった。
【0049】
一方、実験例12はc面配向度が1.2%(5%未満)と低く、実験例13は気孔数が
26個と多かったため、いずれも直線透過率が低かった。実験例20はXRC半値幅が15.9°(15°超)と大きく、実験例21はc面配向度が1.4%(5%未満)と低く、実験例22は焼結体の平均粒径が211μm(200μm超)と大きかったため、いずれも直線透過率が低かった。
【0050】
なお、実験例1〜11,14〜19が本発明の実施例に相当し、実験例12,13,20〜22が比較例に相当する。本発明は、上述した実験例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0051】
本出願は、2015年9月30日に出願された日本国特許出願第2015−193943号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、例えばLED、LD、太陽電池、センサ、フォトダイオード、光学部材、窓材等の光学素子に利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 発光素子、12 下地基板、14 発光機能層、14a p型層、14b 活性層、14c n型層、16 実装基板、20 横型発光素子、22 カソード電極、24 透光性アノード電極、25 アノード電極パッド、30 縦型発光素子、32 アノード電極、34 カソード電極。