(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の商品が配置された陳列棚を有するレジスペース又は自動販売機で前記複数の商品に含まれる希望商品の購入を希望するユーザが所持するユーザ端末に用いられるプログラムであって、コンピュータに、
前記希望商品を識別する商品識別情報である希望商品識別情報を前記ユーザ端末に設けられたユーザ側記憶部から読み出すステップAと、
前記レジスペース又は前記自動販売機に設けられる販売端末と通信可能な通信エリアに前記ユーザ端末が入ることによって、前記販売端末から送信される信号の信号強度が所定閾値を上回ったことを検出した場合に、前記ステップAで読み出された前記希望商品識別情報と、前記希望商品の在庫があるか否かを問い合わせる問合せ情報とを、前記販売端末に近距離無線通信にて送信し、前記希望商品の在庫がある旨を示す在庫情報を受信した場合に、前記希望商品をユーザが購入する資格を有する旨を示す認証情報を前記販売端末に送信するステップBとを実行させることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
【0017】
従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
上述した店頭販売手法では、ユーザ端末から販売端末に希望商品を通知するトリガーとして、希望商品を通知するためのユーザ操作(例えば、希望商品の指定、希望商品の通知をトリガーするボタン操作等)が必要である。
【0019】
しかしながら、商品の中にはユーザ毎に希望商品が半固定的である商品(例えば、シガレット等)があり、このような商品については、希望商品の指定を伴うユーザ操作は煩雑である。また、希望商品の購入意思が明確であるケースや希望商品の市場調査を目的とする販売管理を行うケースにおいては、希望商品の通知をトリガーするユーザ操作も煩雑である。
【0020】
実施形態に係る販売システムは、複数の商品が配置された陳列棚を有する販売施設に設けられる販売端末と、前記複数の商品に含まれる希望商品の購入を希望するユーザが所持するユーザ端末とを備え、前記ユーザ端末は、前記希望商品を識別する商品識別情報である希望商品識別情報を予め記憶するユーザ側記憶部と、前記販売端末と通信可能な通信エリアに前記ユーザ端末が入った際に、前記ユーザ側記憶部に予め記憶された前記希望商品識別情報を前記販売端末に近距離無線通信にて送信するユーザ側通信部を備え、前記販売端末は、前記希望商品識別情報を前記ユーザ端末から前記近距離無線通信にて受信する販売側通信部と、前記複数の商品のそれぞれを識別する商品識別情報と前記陳列棚における前記複数の商品のそれぞれの位置を示す商品位置情報とを対応付けて記憶する販売側記憶部と、前記希望商品識別情報に基づいて、前記陳列棚における前記希望商品の位置を示す前記商品位置情報である希望商品位置情報を前記販売側記憶部から抽出する販売側制御部とを備える。
【0021】
実施形態では、ユーザ端末は、販売端末と通信可能な通信エリアにユーザ端末が入った際に、ユーザ側記憶部に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末に近距離無線通信にて送信する。従って、希望商品を通知するためのユーザ操作(例えば、希望商品の指定、希望商品の通知をトリガーするボタン操作等)を伴わずに、希望商品を通知することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0022】
[実施形態]
(販売システム)
以下において、実施形態に係る販売システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る販売システム100を示す図である。
【0023】
図1に示すように、販売システム100は、複数の商品11に含まれる希望商品の購入を希望するユーザが所持するユーザ端末20と、複数の商品11が配置された陳列棚10を有する販売施設110に設けられる販売端末30とを有する。実施形態では、販売施設110がコンビニエンスストアや売店などの店舗(レジスペース)であるケースを例示する。
【0024】
陳列棚10は、レジスペースに設けられており、複数の商品11を収容するラック等である。商品11は、特に限定されるものではないが、一般的なシガレットや口腔内で使用する製品(ガム、飴又はパッチ)などのたばこ製品、電子シガレット、電子シガレットに用いる交換可能なアトマイザカートリッジ、電子シガレットに用いる交換可能な香味カートリッジなどである。
【0025】
ユーザ端末20は、近距離無線通信を行う機能を有する端末である。ユーザ端末20は、特に限定されるものではないが、スマートフォン、タブレット、電子シガレット、電子シガレットのケースなどである。
【0026】
ここで、近距離無線通信とは、近距離(数cm〜数十m程度)の通信エリアを有する通信である。例えば、近距離無線通信は、RFID(radio frequency identifier)、NFC (Near Field Communication)などの近接型通信(非接触通信)であってもよい。近接型通信は、例えば、数cm〜1m程度の狭域エリアを通信エリアとして有する。近距離無線通信は、狭域エリアよりも広い広域エリア(数十m程度まで)を通信エリアとして有する通信(BloothoothやWiFiなど)であってもよい。ここは、近距離無線通信が近接型通信であるケースを例に挙げて説明を続ける。
【0027】
販売端末30は、近距離無線通信を行う機能を有する端末である。販売端末30は、近接型通信を行うための通信部31を有する。
図1に示すように、通信部31は、販売端末30の本体に接続された外付けタイプのデバイスであってもよい。販売端末30は、特に限定されるものではないが、レジスペースに設けられるキャッシュレジスタやPOS(Point Of Sales)端末などである。
【0028】
(ユーザ端末)
以下において、実施形態に係るユーザ端末20について説明する。
図2は、実施形態に係るユーザ端末20を示す図である。
【0029】
図2に示すように、ユーザ端末20は、通信部21と、記憶部22と、表示部23と、制御部24とを有する。
【0030】
通信部21は、通信モジュールによって構成されており、販売端末30と近距離無線通信を行う。実施形態では、通信部21は、販売端末30と通信可能な通信エリアにユーザ端末20が入った際に、記憶部22に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末30に近距離無線通信にて送信する。通信エリアは、上述したように、近接型通信が行われる狭域エリアである。
【0031】
ここで、通信エリアにユーザ端末20が入ったタイミングは、販売端末30から受信する信号(ビーコン信号や同期信号)の信号強度が所定閾値を上回ったタイミングであってもよい。
【0032】
実施形態において、通信部21は、希望商品の在庫があるか否かを問い合わせる問合せ情報を希望商品識別情報とともに販売端末30に近距離無線通信にて送信してもよい。問合せ情報は、希望商品識別情報とは別の情報であってもよい。問合せ情報は、希望商品識別情報そのものであってもよい。このようなケースでは、希望商品識別情報は、希望商品の在庫があるか否かを問い合わせる意味を併せ持つ。
【0033】
実施形態において、通信部21は、希望商品の在庫がある旨を示す在庫情報を受信した場合に、希望商品をユーザが購入する資格を有する旨を示す認証情報を近距離無線通信にて販売端末30に送信してもよい。認証情報は、例えば、ユーザの年齢を証明する情報である。
【0034】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリによって構成されており、ユーザ端末20を動作させるためのプログラムなどの各種情報を記憶する。実施形態では、記憶部22は、希望商品を識別する商品識別情報である希望商品識別情報を予め記憶する。
【0035】
ここで、希望商品は、ユーザの好みに応じて半固定的に定められた商品である。従って、希望商品識別情報を記憶部22に予め記憶することが可能であることに留意すべきである。
【0036】
表示部23は、液晶パネル、有機EL、又は、LEDなどの発光素子などによって構成されており、各種情報を表示する。例えば、表示部23は、販売端末30から受信する情報(例えば、後述する希望商品位置情報)を表示してもよい。また、表示部23が発光素子であるケースにおいて、発光素子は、単に通信が正常に行われたか否かを点灯や点滅によって表示してもよい。
【0037】
制御部24は、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ及びCPUなどによって構成されており、ユーザ端末20に設けられる各構成を制御する。例えば、制御部24は、販売端末30から受信する信号(ビーコン信号や同期信号)の信号強度が所定閾値を上回ったタイミングで、希望商品識別情報の送信を通信部21に指示してもよい。
【0038】
(販売端末)
以下において、実施形態に係る販売端末30について説明する。
図3は、実施形態に係る販売端末30を示す図である。
【0039】
図3に示すように、販売端末30は、通信部31と、記憶部32と、表示部33と、制御部34とを有する。
【0040】
通信部31は、通信モジュールによって構成されており、ユーザ端末20と近距離無線通信を行う。実施形態では、通信部31は、販売端末30と通信可能な通信エリアにユーザ端末20が入った際に、ユーザ端末20に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末30に近距離無線通信にて受信する。通信エリアは、上述したように、近接型通信が行われる狭域エリアである。
【0041】
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリによって構成されており、販売端末30を動作させるためのプログラムなどの各種情報を記憶する。実施形態では、記憶部32は、複数の商品11のそれぞれを識別する商品識別情報と陳列棚における複数の商品11のそれぞれの位置を示す商品位置情報とを対応付けて記憶する。ここで、記憶部32は、商品識別情報及び商品位置情報とともに、商品11の在庫情報を記憶していてもよい。
【0042】
表示部33は、液晶パネル又は有機ELなどによって構成されており、各種情報を表示する。例えば、表示部33は、陳列棚における希望商品の位置を示す商品位置情報である希望商品位置情報を表示してもよい。表示部33は、希望商品位置情報に加えて、希望商品識別情報(例えば、希望商品のブランド名やパッケージデザインなど)を表示してもよい。
【0043】
制御部34は、メモリ及びCPUなどによって構成されており、販売端末30に設けられる各構成を制御する。実施形態では、制御部34は、ユーザ端末20から受信する希望商品識別情報に基づいて、陳列棚における希望商品の位置を示す商品位置情報である希望商品位置情報を記憶部32から抽出する。制御部34は、抽出された希望商品位置情報の表示を表示部33に指示してもよく、抽出された希望商品位置情報の送信を通信部31に指示してもよい。このようなケースにおいては、希望商品位置情報は、ユーザ端末20の表示部23に表示される。
【0044】
実施形態において、制御部34は、希望商品識別情報(問合せ情報)の受信に応じて、希望商品の在庫があるか否かを確認してもよい。制御部34は、希望商品の在庫があるか否かを示す在庫情報の送信を販売端末30に指示してもよい。
【0045】
(販売方法)
以下において、実施形態に係る販売方法について説明する。
図4及び
図5は、実施形態に係る販売方法を示す図である。
【0046】
第1に、希望商品の在庫があるケースについて
図4を参照しながら説明する。
【0047】
図4に示すように、ステップS10において、販売端末30と通信可能な通信エリア(狭域エリア)にユーザ端末20が入る。例えば、ユーザ端末20は、販売端末30から受信する信号(ビーコン信号や同期信号)の信号強度が所定閾値を上回ったことを検出する。
【0048】
ステップS11において、ユーザ端末20は、記憶部22に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末30に近距離無線通信にて送信する。ユーザ端末20は、希望商品の在庫があるか否かを問い合わせる問合せ情報を希望商品識別情報とともに送信する。上述したように、問合せ情報は、希望商品識別情報とは別の情報であってもよく、希望商品識別情報そのものであってもよい。
【0049】
ステップS12において、販売端末30は、希望商品の在庫があるか否かを確認する。
【0050】
ステップS13Aにおいて、販売端末30は、希望商品の在庫がある旨を示す在庫情報をユーザ端末20に送信する。販売端末30は、認証情報の送信を要求する認証情報要求を在庫情報とともに送信してもよい。認証情報要求は、在庫情報とは別の情報であってもよい。認証情報要求は、在庫情報そのものであってもよい。このようなケースにおいて、希望商品の在庫がある旨を示す在庫情報は、認証情報の送信を要求する意味を併せ持つ。
【0051】
ステップS14において、ユーザ端末20は、希望商品をユーザが購入する資格を有する旨を示す認証情報を近距離無線通信にて販売端末30に送信する。
【0052】
ステップS15において、販売端末30は、陳列棚における希望商品の位置を示す商品位置情報である希望商品位置情報を記憶部32から抽出する。
【0053】
ステップS16において、販売端末30は、希望商品位置情報の報知処理を行う。報知処理は、ユーザ端末20の表示部23に希望商品位置情報を表示させる処理であってもよく、販売端末30の表示部33に希望商品位置情報を表示させる処理であってもよい。陳列棚が複数の商品11のそれぞれと対応する位置に発光素子を有している場合において、報知処理は、希望商品と対応する位置に設けられた発光素子の発光を制御する処理であってもよい。
【0054】
第2に、希望商品の在庫がないケースについて
図5を参照しながら説明する。なお、
図5では、
図4と同様の処理については同様のステップ番号が付されている。
図4と同様の処理の説明については省略する。
【0055】
図5に示すように、ステップS13Bにおいて、販売端末30は、希望商品の在庫がない旨を示す在庫情報をユーザ端末20に送信する。このようなケースにおいては、上述した認証情報要求がユーザ端末20に送信されない。また、上述したステップS14以降の処理については省略される。
【0056】
なお、ステップS12において、販売端末30は、希望商品識別情報に基づいて、希望商品に対する代替商品を識別する代替商品識別情報を抽出するとともに、代替商品の在庫があるか否かを確認してもよい。代替商品の在庫がある場合には、ステップS13Bにおいて、販売端末30は、陳列棚における代替商品の位置を示す商品位置情報である代替商品位置情報をユーザ端末20に送信する。販売端末30は、希望商品の在庫がない旨を示す在庫情報とともに、代替商品位置情報を送信してもよい。
【0057】
上述した実施形態では特に触れていないが、希望商品識別情報は、優先順位を有する複数の希望商品のそれぞれを識別する識別情報を含んでいてもよい。このようなケースにおいては、販売端末30は、優先順位が高い順に希望商品の在庫があるか否かを確認する(
図4又は
図5のステップS12)。販売端末30は、在庫がある希望商品のうち、最も高い優先順位を有する希望商品について、希望商品位置情報をユーザ端末20に送信する(
図4のステップS13A)。販売端末30は、全ての希望商品の在庫がない場合には、希望商品の在庫がない旨を示す在庫情報をユーザ端末20に送信する(
図5のステップS13B)。
【0058】
(作用及び効果)
実施形態では、ユーザ端末20は、販売端末30と通信可能な通信エリアにユーザ端末20が入った際に、記憶部22に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末30に近距離無線通信にて送信する。従って、希望商品を通知するためのユーザ操作(例えば、希望商品の指定、希望商品の通知をトリガーするボタン操作等)を伴わずに、希望商品を通知することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
実施形態では、ユーザ端末20は、希望商品の在庫がある旨を示す在庫情報を受信した場合に限って、認証情報を販売端末30に送信する。従って、不要な認証情報の送信が抑制され、認証情報の漏洩等を抑制することができる。
【0060】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について説明する。
【0061】
実施形態では、ユーザ端末20は、希望商品の在庫がある旨を示す在庫情報の受信に応じて、認証情報を販売端末30に送信する。これに対して、変更例1では、ユーザ端末20は、希望商品識別情報とともに認証情報を販売端末30に送信する。
【0062】
(販売方法)
以下において、変更例1に係る販売方法について説明する。
図6及び
図7は、変更例1に係る販売方法を示す図である。なお、
図6及び
図7では、
図4及び
図5と同様の処理については、同様のステップ番号を付している。
図4及び
図5と同様の処理の説明については省略する。
【0063】
第1に、希望商品の在庫があるケースについて
図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、ステップS11Cにおいて、ユーザ端末20は、希望商品識別情報とともに認証情報を販売端末30に送信する。ここで、ユーザ端末20は、近接型通信が行われる狭域エリアにユーザ端末20が入ったことをトリガーとして、希望商品識別情報とともに認証情報を販売端末30に送信することに留意すべきである。このようなケースにおいては、
図4に示すステップS13A及びステップS14の処理が省略される。
【0064】
第2に、希望商品の在庫がないケースについて
図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、ステップS11Cにおいて、ユーザ端末20は、
図6と同様に、希望商品識別情報とともに認証情報を販売端末30に送信する。このようなケースにおいては、
図5と同様に、ステップS13Bにおいて、販売端末30は、希望商品の在庫がない旨を示す在庫情報をユーザ端末20に送信してもよい。また、
図5と同様に、上述したステップS14以降の処理については省略される。
【0065】
(作用及び効果)
変更例1では、ユーザ端末20は、通信エリアが狭域エリアである場合に限って、希望商品識別情報とともに認証情報を販売端末30に送信する。従って、認証情報の漏洩等を抑制しながらも、ユーザ端末20と販売端末30との間のシーケンスを削減することによってユーザの待ち時間を削減することができる。
【0066】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について説明する。
【0067】
実施形態では、販売端末30と通信可能な通信エリアが近接型通信が行われる狭域エリアである。これに対して、変更例2では、販売端末30と通信可能な通信エリアは、狭域エリアよりも広い広域エリアである。言い換えると、変更例2では、近距離無線通信は、狭域エリアよりも広い広域エリア(数十m程度まで)を通信エリアとして有する通信(BloothoothやWiFiなど)である。従って、変更例2では、販売施設110(店舗)内に存在するユーザ又は販売施設110(店舗)前を通り過ぎるユーザなどが所持するユーザ端末20から希望商品識別情報を収集することが可能である。
【0068】
(収集方法)
以下において、変更例2に係る収集方法について説明する。
図8は、変更例2に係る収集方法を示す図である。
【0069】
図8に示すように、ステップS20において、販売端末30と通信可能な通信エリア(広域エリア)にユーザ端末20が入る。例えば、ユーザ端末20は、販売端末30から受信する信号(ビーコン信号や同期信号)の信号強度が所定閾値を上回ったことを検出する。
【0070】
ステップS21において、ユーザ端末20は、認証情報を送信せずに、記憶部22に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末30に近距離無線通信にて送信する。
【0071】
ステップS22において、販売端末30は、希望商品識別情報に基づいて、販売管理処理を行う。販売管理処理は、例えば、管理サーバに希望商品識別情報を送信する処理であってもよい。管理サーバは、希望商品識別情報に基づいて、販売施設110で商品11を購入するユーザの消費動向、商品11の在庫予測や商品11の陳列位置の最適化を行ってもよい。
【0072】
ここで、変更例2は実施形態又は変更例1と組み合わされてもよいことは勿論である。具体的には、ユーザ端末20は、ユーザ端末20が狭域エリアに入った際に、問合せ情報又は認証情報とともに、記憶部22に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末30に近距離無線通信にて送信する。販売端末30は、希望商品識別情報に基づいて希望商品位置情報を記憶部32から抽出する(実施形態又は変更例1)。一方で、ユーザ端末20は、ユーザ端末20が広域エリアに入った際に、問合せ情報及び認証情報を送信せずに、記憶部22に予め記憶された希望商品識別情報を販売端末30に近距離無線通信にて送信する。販売端末30は、希望商品識別情報に基づいて販売管理処理を行う(変更例2)。なお、販売端末30は、希望商品識別情報を受信する通信モジュールの種別に基づいて、通信エリアが狭域エリアであるか広域エリアであるかを判定することができる。
【0073】
(作用及び効果)
変更例2では、ユーザ端末20は、通信エリアが広域エリアである場合に、認証情報を送信せずに希望商品識別情報を販売端末30に送信する。従って、認証情報の漏洩等を抑制しながらも、販売管理に役立つ希望商品識別情報を販売端末30に通知することができる。
【0074】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について説明する。
【0075】
実施形態では、販売施設110が店舗である。これに対して、変更例3では、販売施設110は、自動販売機である。このようなケースにおいて、ユーザ端末20は、商品11を購入するための購入カードであってもよい。購入カードは、希望商品を購入する資格を有する旨が認証されたユーザに配布されてもよい。購入カードは、プリペイド機能やクレジット機能に対応しており、商品11の料金の決済に用いられてもよい。
【0076】
販売施設110が自動販売機であっても、
図9に示すように、販売システム100は、複数の商品11に含まれる希望商品の購入を希望するユーザが所持するユーザ端末20と、複数の商品11が配置された陳列棚10を有する販売施設110に設けられる販売端末30とを有する。このようなケースにおいて、販売端末30は自動販売機に内蔵される。従って、販売施設110が自動販売機であっても、実施形態、変更例1〜変更例3と同様の効果が得られる。
【0077】
例えば、ユーザ端末20が購入カードであるケースにおいて、ユーザが購入カードを自動販売機にかざすだけで、自動販売機の購入ボダンに内蔵された発光素子の点灯や点滅によって希望商品位置情報が表示される。これによって、ユーザの利便性が向上する。
【0078】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0079】
実施形態では特に触れていないが、販売システム100は、希望商品識別情報と対応付けて希望商品位置情報を記憶部32に登録するための登録端末を有していてもよい。登録端末は、販売端末30と有線又は無線で接続可能な端末であればよく、希望商品識別情報と対応付けて希望商品位置情報を登録するためのユーザインタフェースを有することが好ましい。登録端末は、例えば、デスクトップ又はラップトップのパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンであってもよく、専用端末であってもよい。商品位置情報が販売施設110毎に異なるため、販売システム100が登録端末を有することによって販売者の手間が軽減される。
【0080】
実施形態では特に触れていないが、通信エリアが狭域エリア(RFIDやNFCなど)であるケースにおいて、販売端末30は、所定条件が満たされた場合に限って、狭域エリアにユーザ端末20が入ったことを検出するための信号(ビーコン信号や同期信号)を送信してもよい。所定条件は、例えば、レジスペースにユーザが存在している場合に、店員が販売端末30を操作することであってもよい。或いは、所定条件は、自動販売機の前にユーザが存在していることを自動販売機が検知することであってもよい。
【0081】
実施形態では特に触れていないが、通信エリアが広域エリア(BloothoothやWiFiなど)であるケースにおいて、販売端末30は、上述した所定条件が満たされているか否かに関わらずに、広域エリアにユーザ端末20が入ったことを検出するための信号(ビーコン信号や同期信号)を送信してもよい。
【0082】
実施形態では特に触れていないが、記憶部22に予め記憶される希望商品識別情報は、商品11のパッケージに印刷されたバーコード等からバーコードリーダ等によって読み取られた情報であってもよい。
【0083】
実施形態では特に触れていないが、ユーザ端末20は、プリペイド機能やクレジット機能に対応しており、商品11の料金の決済に用いられてもよい。
【0084】
実施形態では特に触れていないが、ユーザ端末20が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
【0085】
或いは、ユーザ端末20が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。