特許第6691159号(P6691159)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691159
(24)【登録日】2020年4月13日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】データを送信するための方法と装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20200421BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20200421BHJP
   H04B 7/0413 20170101ALI20200421BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20200421BHJP
【FI】
   H04B7/06 984
   H04L27/26 114
   H04B7/0413
   H04W16/28 130
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-55084(P2018-55084)
(22)【出願日】2018年3月22日
(62)【分割の表示】特願2016-152002(P2016-152002)の分割
【原出願日】2013年1月21日
(65)【公開番号】特開2018-139414(P2018-139414A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年3月30日
(31)【優先権主張番号】201210019841.8
(32)【優先日】2012年1月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210264189.6
(32)【優先日】2012年7月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 江▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲チ▼
【審査官】 太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/096646(WO,A2)
【文献】 中国特許出願公開第102088434(CN,A)
【文献】 Research In Motion, UK Limited,E-PDCCH Transmission with DMRS as Demodulation RS, 3GPP TSG-RAN WG1#67 R1-113958,2011年11月 8日,pp.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/0413
H04L 27/26
H04W 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号を送信する方法であって、
装置により、第1のアンテナポートに対応する第1のリソースセットで第1の基準信号を送信するステップと、
前記装置により、第2のアンテナポートに対応する第2のリソースセットで第2の基準信号を送信するステップと、
前記装置により、前記第1のアンテナポートに対応する前記第1のリソースセットで第1のデータ信号を送信するステップと、
前記装置により、前記第2のアンテナポートに対応する前記第2のリソースセットで第2のデータ信号を送信するステップと、
を有し、
前記第1のリソースセットは2つの異なるアンテナポートの2つの基準信号を伝送可能であり、前記第2のリソースセットは2つの異なるアンテナポートの2つの基準信号を伝送可能であり、前記第1のリソースセット及び前記第2のリソースセットは、時間及び周波数において互いに直交しており、
前記第1のリソースセットは12個のリソースエレメント(RE)を有し、
前記第2のリソースセットは12個のREを有し、
前記第1及び第2のデータ信号は、同じ送信ダイバーシティ方式を用いて送信される、方法。
【請求項2】
前記第1のリソースセットの中の前記第1のデータ信号のためのリソースは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び前記第1の基準信号により占有されず、
前記第2のリソースセットの中の前記第2のデータ信号のためのリソースは、PDCCH及び前記第2の基準信号により占有されない、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の基準信号又は前記第2の基準信号は、空間周波数ブロック符号化方法又は時空間ブロック符号化方法で符号化される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
基準信号を送信する装置であって、メモリに結合されたプロセッサを有し、
前記プロセッサは、前記メモリから命令をリードし、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法を実行するための前記命令を実行するよう構成される、装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を有するコンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法を実施するためのプログラムを有するコンピュータ可読コードを記録するコンピュータ可読記録媒体。
【請求項7】
基準信号を送信する機器であって、
第1のアンテナポートに対応する第1のリソースセットで第1の基準信号を送信する手段と、
第2のアンテナポートに対応する第2のリソースセットで第2の基準信号を送信する手段と、
前記第1のアンテナポートに対応する前記第1のリソースセットで第1のデータ信号を送信する手段と、
前記第2のアンテナポートに対応する前記第2のリソースセットで第2のデータ信号を送信する手段と、
を有し、
前記第1のリソースセットは2つの異なるアンテナポートの2つの基準信号を伝送可能であり、前記第2のリソースセットは2つの異なるアンテナポートの2つの基準信号を伝送可能であり、前記第1のリソースセット及び前記第2のリソースセットは、時間及び周波数において互いに直交しており、
前記第1のリソースセットは12個のリソースエレメント(RE)を有し、
前記第2のリソースセットは12個のREを有し、
前記第1及び第2のデータ信号は、同じ送信ダイバーシティ方式を用いて送信される、機器。
【請求項8】
前記第1のリソースセットの中の前記第1のデータ信号のためのリソースは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び前記第1の基準信号により占有されず、
前記第2のリソースセットの中の前記第2のデータ信号のためのリソースは、PDCCH及び前記第2の基準信号により占有されない、
請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記第1の基準信号又は前記第2の基準信号は、空間周波数ブロック符号化方法又は時空間ブロック符号化方法で符号化される、請求項7又は8に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<本願と関連出願との間の相互参照>
本特許出願は、特願2014−552505号の分割出願である特願2016−152002号の分割出願であり、以下の2つの中国基礎出願に基づく優先権を主張し、その一つ目は、2012年1月21日付けで中国特許庁に出願され、「データを送信するための方法と装置」と題された中国特許出願「第201210019841.8号」であり、二つ目は、2012年7月28日付けで中国特許庁に出願され、「データを送信するための方法と装置」と題された中国特許出願「第201210264189.6号」であり、これら2つに中国基礎出願の開示内容は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、通信システムの技術分野と関係し、より具体的には、データを送信するための方法と装置とに関係する。
【背景技術】
【0003】
LTE(Long Term Evolution)標準化仕様のリリース8/9/10に従う通信システムは、動的スケジューリング技術を採用することによりシステムに性能を向上させている。この場合における動的スケジューリング技術とは、すなわち、基地局(eNBまたはevolved Node Bと表記される)がユーザ機器のチャネル状況に応じてリソースを割り当て、スケジューリングすることによって、スケジューリングされたユーザが、当該ユーザ機器にとっての最適なチャネルの上で伝送を実行できるようにする技術である。
【0004】
しかしながら、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)の通信容量が制限されていることによる問題点は、LTE標準化仕様のリリース10のさらに進化したシステムにおいて解決課題として一層強調されている。マルチユーザMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)は、進化したシステムにおいて一層広範に適用され、それにより、システムのスペクトル使用効率が改善される。その結果、同時にスケジューリング可能なユーザ機器の個数が増加することとなるので、より多くのPDCCHが必要となる。これに基づいて、既存のPDCCHが拡張される。すなわち、PDCCHの拡張された部分(e−PDCCH:Enhanced PDCCH)を伝送するために、元々PDSCHが使用していた領域から一部のリソースが分割される。このようにして、e−PDCCHに対して割り当てられるリソースには大幅な柔軟性があり、もはや従来のように3個のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルだけに制限されることが無いので、当該PDCCHの通信容量を改善することができ、すなわち、同時にスケジューリング可能なユーザ機器の個数を向上させることが可能となる。他方、e−PDCCHは、伝送方法に基づくDMRS(各UEに固有の復調用の基準信号)をさらに採用しており、制御チャネルの伝送効率を改善するために空間的な再利用のための仕組みを実装している。
【0005】
現状において、データがDMRSに基づく送信ダイバーシティ方式に従って送信される場合、周波数領域上で連続する2つのRE(Resource Element)の上と時間領域上で連続する2つのREの上で時空間ブロック符号(Alamouti)による符号化処理が別々に実行された後に、当該データは以下の2種類の符号化方式において同時に送信される。すなわち、これら2種類の符号化方式は、SFBC(空間周波数ブロック符号化)とSTBC(時空間ブロック符号化)である。しかしながら、e−PDCCH上のデータは2種類の送信ダイバーシティ方式を採用することにより伝送されることとなるので、eNBとUE(ユーザ機器)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまう。
【発明の概要】
【0006】
上述したように、従来技術においては、eNBとUE(ユーザ機器)(すなわち、データがDMRSに基づく送信ダイバーシティ方式に従って送信される場合に採用される2種類の送信ダイバーシティ方式によるユーザ)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまうという問題点が存在するが、本発明に係る複数の実施例は、そのような問題点を解決するような態様でデータを送信するための方法と装置を開示する。
【0007】
本発明に係る実施例は、以下のような技術的解決法を採用する。
【0008】
少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群を設定するステップであって、前記2次リソース群の各々は、少なくとも2つの基準信号を伝送可能であり、前記少なくとも2つの基準信号の各々は、互いに異なるアンテナ・ポートと対応している、ステップ;
送信すべきデータを符号化処理し、前記符号化処理されたデータから2つのデータ・ストリームを生成するステップ;
2つの前記互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上に前記2つのデータ・ストリームをマッピングするステップであって、前記互いに異なるアンテナ・ポートと対応している前記基準信号は、前記1次リソース群に含まれる2つの異なる2次リソース群の上において伝送される、ステップ;および、
前記2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上において、前記2つの互いに異なるアンテナ・ポートにマッピングされたデータを送信するステップ;
を具備するデータ送信方法。
【0009】
少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群を設定するように構成された設定ユニットであって、前記2次リソース群の各々は、少なくとも2つの基準信号を伝送可能であり、前記少なくとも2つの基準信号の各々は、互いに異なるアンテナ・ポートと対応している、設定ユニット;
送信すべきデータを符号化処理し、前記符号化処理されたデータから2つのデータ・ストリームを生成するように構成された生成ユニット;
2つの前記互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上に前記2つのデータ・ストリームをマッピングするように構成されたマッピング・ユニットであって、前記互いに異なるアンテナ・ポートと対応している前記基準信号は、前記1次リソース群に含まれる2つの異なる2次リソース群の上において伝送される、マッピング・ユニット;および、
前記2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上において、前記マッピング・ユニットによって前記2つの互いに異なるアンテナ・ポートにマッピングされたデータを送信する送信ユニット;
を具備するデータ送信装置。
【0010】
本発明に係る実施例によって開示されるデータ送信方法及びデータ送信装置においては、まず最初に、少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群が設定され、2次リソース群の各々において、少なくとも2つの基準信号が設定され、続いて、送信する必要のあるデータが符号化処理された後に、2つのデータ・ストリームが生成され、続いて、2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上に当該2つのデータ・ストリームがマッピングされ、互いに異なるアンテナ・ポートと対応している当該少なくとも2つの基準信号の各々は、2つの異なる2次リソース群の上に設定され、最後に、上記2つの互いに異なるアンテナ・ポートの上記利用可能なリソース・エレメントの上において、上記2つの互いに異なるアンテナ・ポートから送信されるべきデータが送信される。現状において、データは、以下の2種類の符号化方式、すなわち、SFBCとSTBCに従って同時に送信されるが、e−PDCCH上のデータ送信は2種類の送信ダイバーシティ方式を採用する必要があるので、eNBとUE(ユーザ機器)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまう。しかしながら、本発明に係る実施例によって開示される実施例においては、データの送信を可能とするために、単一の送信ダイバーシティ方式だけが必要とされ、それによって、eNBとUE(ユーザ機器)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまうという問題点を解決することが可能となる。
【0011】
本発明に係る実施例に従う技術的解決法を一層明確に例示するために、以下の「図面の簡単な説明」の欄の記述は、本発明に係る実施例または先行技術を説明するのに必要とされる添付図面について簡潔に紹介する。当業者にとって明らかなように、以下の「図面の簡単な説明」の欄において記述される複数の添付図面は、本発明の幾つかの例示的実施例を単に例示しているだけであり、当該技術分野における当業者であれば、格別の創意工夫を要することなく、これらの添付図面の記載から他の実施例を描いた新たな図面を導き出すことが依然として可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る第1実施例に従ってデータを送信するための方法を示すフローチャート。
図2】本発明に係る第1実施例に従ってデータを送信するための装置の構造を説明するブロック図。
図3】本発明に係る第2実施例に従ってデータを送信するための方法を示すフローチャート。
図4】本発明に係る第2実施例に従ってデータを送信するための装置の構造を説明するブロック図。
図5】DMRSポート7に対応する物理リソース・ブロック・ペアを図式的に説明するためのダイアグラム。
図6】DMRSポート8に対応する物理リソース・ブロック・ペアを図式的に説明するためのダイアグラム。
図7】DMRSポート9に対応する物理リソース・ブロック・ペアを図式的に説明するためのダイアグラム。
図8】DMRSポート10に対応する物理リソース・ブロック・ペアを図式的に説明するためのダイアグラム。
図9】DMRSポート7に対応する物理リソース・ブロック・ペアの符号化について図式的に説明するためのダイアグラム。
図10】DMRSポート8に対応する物理リソース・ブロック・ペアの符号化について図式的に説明するためのダイアグラム。
図11】DMRSポート9に対応する物理リソース・ブロック・ペアの符号化について図式的に説明するためのダイアグラム。
図12】DMRSポート10に対応する物理リソース・ブロック・ペアの符号化について図式的に説明するためのダイアグラム。
図13】複数の異なるRRH同士の間での干渉状態を図式的に説明するためのダイアグラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記述は、本発明に係る実施例を図示する添付図面を参照しながら、本発明に係る実施例に従う技術的解決法を明確に説明する。当業者にとって明らかなように、後述する実施例は、本発明に係る全ての実施例を網羅するものではなく、そのような実施例の一部を単に例示しているだけである。本発明に係る以下の実施例に基づいて当業者によって格別の創意工夫を要さずに導き出すことが可能なその他の全ての実施例は、本発明の権利保護範囲の中に含まれるはずである。
【0014】
本発明に係る技術的解決法が有する技術的優位性を一層分かりやすく説明するために、以下の記述は、本発明に係る実施例と添付図面の記載を参照しながら、本発明の技術内容をさらに詳細に説明する。
【0015】
<第1実施例>
本発明に係る第1実施例は、図1のフローチャートに示すようなデータ送信方法を開示し、当該方法は、以下のような処理動作ステップを含んでいる。
【0016】
ステップ101: 少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群を設定するステップであって、その際に、前記2次リソース群の各々は、少なくとも2つの基準信号を伝送可能であり、前記少なくとも2つの基準信号の各々は、互いに異なるアンテナ・ポートと対応している、ステップ。
【0017】
1次リソース群は、物理リソース・ブロックのペアとすることが可能であり、2次リソース群は、リソース・エレメント(RE)の集合とすることが可能であり、当該少なくとも2つの基準信号の各々は、一つのアンテナ・ポートに対応しており、複数の2次リソース群は、時間方向と周波数方向において互いに直交する関係にあり、2次リソース群の各々は、12個のREをそれぞれ含んでいる。
【0018】
例えば、8個のアンテナ・ポートは、DMRSポート7乃至DMRSポート14として定義することが可能であり、DMRSポートの各々は、一つのDMRSと対応しており、各DMRSに関する情報は、当該DMRSによって占有されている時間/周波数リソースとDMRSシーケンスを含んでいる。DMRSポート{7,8,11,13}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、物理リソース・ブロックのペア(PRBペア)上の12個のREの上において定義され又は設定される。より具体的には、一つの物理リソース・ブロックは、周波数領域において12個の連続したサブキャリアを含んでおり、時間領域において7個の連続したOFDMシンボル区間を含んでおり、物理リソース・ブロックの一つのペアとは、時間的に連続している2つの物理リソース・ブロックのことを指して言う。例えば、物理リソース・ブロックの一つのペアは、周波数領域において12個の連続したサブキャリアを含んでおり、時間領域において14個の連続したOFDMシンボル区間を含んでおり、この場合において、前半の7個のOFDMシンボル区間にわたる部分は、第1の物理リソース・ブロックに属しており、後半の7個のOFDMシンボル区間にわたる部分は、第2の物理リソース・ブロックに属している。DMRSポート{9,10,12,14}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、同一のPRBペア上の12個のREの上において定義され又は設定される。図5乃至図8は、上述したPRBペア内において、DMRSポート{7,8}とDMRSポート{9,10}の4個のポートによって占有される時間/周波数リソースの配置状況をそれぞれ個別に図示し、ポート7とポート8とは同一の時間/周波数リソースを占有するけれどもそれら2つのポートとそれぞれ関連するDMRSシーケンスによって互いに区別され、ポート9とポート10についても、ポート7とポート8に関する上記説明と同様のことが言える。DMRSポートが8個の存在するような状況の下では、DMRSポート{7,8,11,13}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、同一の時間/周波数リソースを占有するけれどもそれら4つのポートとそれぞれ関連するDMRSシーケンスによって互いに区別され、同様にして、DMRSポート{9,10,12,14}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、同一の時間/周波数リソースを占有するけれどもそれら4つのポートとそれぞれ関連するDMRSシーケンスによって互いに区別される。
【0019】
ステップ102: 送信すべきデータを符号化処理し、当該符号化処理されたデータから2つのデータ・ストリームを生成するステップ。
【0020】
上述した符号化処理の具体的方法は、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化のいずれかである。
【0021】
さらに別の技術的側面においては、上述した符号化処理は、プリコーディング処理とすることも可能である。すなわち、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化は、プリコーディング処理の一つの特殊な実装例として表すことが出来るので、送信される必要のあるデータの上でプリコーディング処理が実行される。プリコーディング処理における特定の演算操作は、データ送信の際に使用される一つの基準信号と関連している。使用される基準信号がLTEシステムにおけるCRS(Cell−specific Reference Signal)等のようにセル毎に固有の基準信号である場合には、この時点で実行されるプリコーディング処理は、以下のとおりに実行される。まず、プリコーディング用の行列やベクトルを使用してデータをプリコーディング処理する。続いて、プリコーディング処理がされた後の各データ・ストリームは、一つのCRSと対応している一つのアンテナ・ポートにそれぞれ対応する。使用される基準信号がLTEシステムにおけるDMRS(UE−specific Reference Signal)等のようにUE毎に固有の基準信号である場合には、この時点で実行されるプリコーディング処理は、以下のとおりに実行される。データは、一つのDMRSと対応している一つのアンテナ・ポートに直接対応しており、それにより、対応する一つのデータ・ストリームが取得される。例えば、所定の整数をNと表記するならば、以下のとおりに表されるプリコーディング処理
【数1】
は、データ
【数2】
がDMRSアンテナ・ポート7に直接的に対応し、データ
【数3】
がDMRSアンテナ・ポート8に直接的に対応し、取得されることとなる対応するデータ・ストリームは、
【数4】
となる。
【0022】
ここで、第1のデータ・ストリームは、一つの基準信号と対応している一つのアンテナ・ポートと対応し、当該一つの基準信号が属する2次リソース群は、1次リソース群に含まれる複数の2次リソース群の中における最初の2次リソース群である。さらに、第2のデータ・ストリームは、一つの基準信号と対応している一つのアンテナ・ポートと対応し、当該一つの基準信号が属する2次リソース群は、1次リソース群に含まれる複数の2次リソース群の中における2番目の2次リソース群である。データが符号化処理された後に生成された2つのデータ・ストリームのそれぞれの長さは、互いに等しい場合と等しくない場合とがあり得る。例えば、送信される必要のあるデータが
【数5】
であり、Nが偶数を表す場合を考える。この場合、互いに等しい長さを有する2つのデータ・ストリームは、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化を実行することによって取得され、互いに等しい長さを有する2つのデータ・ストリームはさらに、例えば、データに対して以下のようなプリコーディング処理を適用することによって取得することも可能である。
【数6】

また、互いに等しくない長さを有する2つのデータ・ストリームは、例えば、データに対して以下のようなプリコーディング処理を適用することによって取得することも可能である。例えば、第1のデータ・ストリームは、
【数7】

と表され、第2のデータ・ストリームは、
【数8】

と表され、この場合、少なくとも一つの1次リソース群の中で使用されるDMRSポートは、ポート7とポート9であると仮定される。加えて、第1のデータ・ストリームは、
【数9】

および
【数10】

を含むことが可能であり、第2のデータ・ストリームは、
【数11】

および
【数12】

を含むことが可能であり、この場合、
【数13】

のそれぞれの値は0となる場合もあり得る。この場合、2つの1次リソース群が存在し、当該2つの1次リソース群のうちの最初の1次リソース群において使用されるDMRSポートは、ポート7とポート9であり、当該2つの1次リソース群のうちの2番目の1次リソース群において使用されるDMRSポートは、ポート8とポート10である。
【0023】
ステップ103: 2つの異なるアンテナ・ポートについての利用可能なリソース・エレメントの上に2つのデータ・ストリームをマッピングするステップ。
【0024】
2つの互いに異なるアンテナ・ポートにそれぞれ対応する2つの基準信号は、2つの異なる2次リソース群の上に設定される。加えて、各アンテナ・ポートについての利用可能なリソース・エレメントとは、上述した符号化処理によって生成されるデータ・ストリームを送信するように構成することが可能なリソース・エレメントを指して言う。例えば、PDCCHと基準信号によって占有されるリソース・エレメントを除き、それ以外のリソース・エレメントは、当該データ・ストリームを送信するように構成することが可能である。
【0025】
ステップ104: 当該2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上において、当該2つの互いに異なるアンテナ・ポートにマッピングされたデータを送信するステップ。
【0026】
この実施例は、図2に示すようなデータ送信装置を開示し、当該装置は、設定ユニット21、生成ユニット22、マッピング・ユニット23および送信ユニット24を含んでいる。
【0027】
設定ユニット21は、少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群を設定するように構成されており、前記2次リソース群の各々は、少なくとも2つの基準信号を伝送可能であり、前記少なくとも2つの基準信号の各々は、互いに異なるアンテナ・ポートと対応している。
【0028】
1次リソース群は、物理リソース・ブロックのペアとすることが可能であり、2次リソース群は、リソース・エレメント(RE)の集合とすることが可能であり、当該少なくとも2つの基準信号の各々は、一つのアンテナ・ポートに対応しており、複数の2次リソース群は、時間方向と周波数方向において互いに直交する関係にあり、2次リソース群の各々は、12個のREをそれぞれ含んでいる。
【0029】
例えば、8個のアンテナ・ポートは、DMRSポート7乃至DMRSポート14として定義することが可能であり、DMRSポートの各々は、一つのDMRSと対応しており、各DMRSに関する情報は、当該DMRSによって占有されている時間/周波数リソースとDMRSシーケンスを含んでいる。DMRSポート{7,8,11,13}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、物理リソース・ブロックのペア(PRBペア)上の12個のREの上において定義され又は設定される。より具体的には、一つの物理リソース・ブロックは、周波数領域において12個の連続したサブキャリアを含んでおり、時間領域において7個の連続したOFDMシンボル区間を含んでおり、物理リソース・ブロックの一つのペアとは、時間的に連続している2つの物理リソース・ブロックのことを指して言う。例えば、物理リソース・ブロックの一つのペアは、周波数領域において12個の連続したサブキャリアを含んでおり、時間領域において14個の連続したOFDMシンボル区間を含んでおり、この場合において、前半の7個のOFDMシンボル区間にわたる部分は、第1の物理リソース・ブロックに属しており、後半の7個のOFDMシンボル区間にわたる部分は、第2の物理リソース・ブロックに属している。DMRSポート{9,10,12,14}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、同一のPRBペア上の12個のREの上において定義され又は設定される。図5乃至図8は、上述したPRBペア内において、DMRSポート{7,8}とDMRSポート{9,10}の4個のポートによって占有される時間/周波数リソースの配置状況をそれぞれ個別に図示し、ポート7とポート8とは同一の時間/周波数リソースを占有するけれどもそれら2つのポートとそれぞれ関連するDMRSシーケンスによって互いに区別され、ポート9とポート10についても、ポート7とポート8に関する上記説明と同様のことが言える。DMRSポートが8個の存在するような状況の下では、DMRSポート{7,8,11,13}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、同一の時間/周波数リソースを占有するけれどもそれら4つのポートとそれぞれ関連するDMRSシーケンスによって互いに区別され、同様にして、DMRSポート{9,10,12,14}とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSは、同一の時間/周波数リソースを占有するけれどもそれら4つのポートとそれぞれ関連するDMRSシーケンスによって互いに区別される。
【0030】
生成ユニット22は、送信すべきデータを符号化処理し、当該符号化処理されたデータから2つのデータ・ストリームを生成するように構成されている。
【0031】
上述した符号化処理の具体的方法は、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化のいずれかである。
【0032】
加えて、上述した符号化処理は、プリコーディング処理とすることも可能である。すなわち、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化は、プリコーディング処理の一つの特殊な実装例として表すことが出来るので、送信される必要のあるデータの上でプリコーディング処理が実行される。
【0033】
マッピング・ユニット23は、2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上に、前記生成ユニット22によって生成された2つのデータ・ストリームをマッピングするように構成されている。
【0034】
2つの互いに異なるアンテナ・ポートにそれぞれ対応する2つの基準信号は、2つの異なる2次リソース群の上に設定される。加えて、各アンテナ・ポートについての利用可能なリソース・エレメントとは、上述した符号化処理によって生成されるデータ・ストリームを送信するように構成することが可能なリソース・エレメントを指して言う。例えば、PDCCHと基準信号によって占有されるリソース・エレメントを除き、それ以外のリソース・エレメントは、当該データ・ストリームを送信するように構成することが可能である。
【0035】
送信ユニット24は、2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上において、マッピング・ユニット23によって当該2つの互いに異なるアンテナ・ポートにマッピングされたデータを送信するように構成されている。
【0036】
本発明に係る実施例によって開示されるデータ送信方法及びデータ送信装置においては、まず最初に、少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群が設定され、2次リソース群の各々において、少なくとも2つの基準信号が設定され、続いて、送信する必要のあるデータが符号化処理された後に、2つのデータ・ストリームが生成され、続いて、2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上に当該2つのデータ・ストリームがマッピングされ、互いに異なるアンテナ・ポートと対応している当該少なくとも2つの基準信号の各々は、2つの異なる2次リソース群の上に設定され、最後に、上記2つの互いに異なるアンテナ・ポートの上記利用可能なリソース・エレメントの上において、上記2つの互いに異なるアンテナ・ポートから送信されるべきデータが送信される。現状において、データは、以下の2種類の符号化方式、すなわち、SFBCとSTBCに従って同時に送信されるが、e−PDCCH上のデータ送信は2種類の送信ダイバーシティ方式を採用する必要があるので、eNBとUE(ユーザ機器)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまう。しかしながら、本発明に係る実施例によって開示される実施例においては、データの送信を可能とするために、単一の送信ダイバーシティ方式だけが必要とされ、それによって、eNBとUE(ユーザ機器)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまうという問題点に加え、チャネル推定の性能が劣悪となってしまう問題点を解決することが可能となり、さらには、基準信号同士を時間周波数方向において互いに直交する関係とすることにより、チャネル推定の性能を向上させることもできる。
【0037】
<第2実施例>
本発明に係る第1実施例は、図3のフローチャートに示すようなデータ送信方法を開示し、当該方法は、以下のような処理動作ステップを含んでいる。
【0038】
ステップ301: 少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群を設定し、当該2次リソース群の各々において、少なくとも2つの基準信号を設定するステップ。
【0039】
1次リソース群は、物理リソース・ブロックのペアとすることが可能であり、2次リソース群は、リソース・エレメント(RE)の集合とすることが可能であり、当該少なくとも2つの基準信号の各々は、一つのアンテナ・ポートに対応しており、複数の2次リソース群は、時間方向と周波数方向において互いに直交する関係にあり、2次リソース群の各々は、12個のREをそれぞれ含んでいる。
【0040】
ステップ302: 送信すべきデータを符号化処理し、当該符号化処理されたデータから2つのデータ・ストリームを生成するステップ。
【0041】
上述した符号化処理の具体的方法は、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化のいずれかである。
【0042】
加えて、上述した符号化処理は、プリコーディング処理とすることも可能である。すなわち、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化は、プリコーディング処理の一つの特殊な実装例として表すことが出来るので、送信される必要のあるデータの上でプリコーディング処理が実行される。
【0043】
ステップ303: 2つの異なるアンテナ・ポートについての利用可能なリソース・エレメントの上に2つのデータ・ストリームをマッピングするステップ。
【0044】
2つの互いに異なるアンテナ・ポートにそれぞれ対応する2つの基準信号は、2つの異なる2次リソース群の上に設定される。
【0045】
ステップ304: 当該2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上において、当該2つの互いに異なるアンテナ・ポートにマッピングされたデータを送信するステップ。
【0046】
より具体的には、本発明に係るこの実施例においては、複数のアンテナ・ポートは複数のDMRSポートであり、図5乃至図8において示すように、2つの2次リソース群内の複数のREは、PRBペアである1次リソース群内において定義され、この場合、2次リソース群の各々は、12個のREをそれぞれ含んでおり、複数のREから成るこれら2つのグループは、時間方向と周波数方向において互いに直交する関係にあり、2つの基準信号は、12個のREから成る第1のグループ上において定義され、これら2つの基準信号は、DMRSポート7とDMRSポート8にそれぞれ対応し、上記以外の他の2つの基準信号は、12個のREから成る第2のグループ上において定義され、DMRSポート9とDMRSポート10にそれぞれ対応する。この実施例において採用されている2つのアンテナ・ポートは、12個のREから成る第1のグループと12個のREから成る第2のグループのそれぞれの上において定義されている基準信号にそれぞれ対応し、上述した2つのアンテナ・ポートは、DMRSポート7と9、DMRSポート8と10、DMRSポート8と9またはDMRSポート8と10に対応している。さらに、この実施例において採用される2つのアンテナ・ポートがDMRSポート7と9に対応するならば、この実施例において採用される送信ダイバーシティ方式は、SFBCであり、e−PDCCH上で送信される必要のあるデータはSFBC符号化に従って符号化処理されることにより、2つのデータ・ストリームが取得され、これら2つのデータ・ストリームは、DMRSポート7と9の上にそれぞれ個別にマッピングされる。図9図10に示すように、図中においては、複数のREから成る前半の3列はPDCCHとして使用される領域であり、この部分に含まれるリソース・エレメント(RE)は、利用不可能なREであり、上記2つのポートにマッピングされた同一の時間/周波数リソース位置にある「1」および「2」と表記した部分は、Alamouti符号の出力を送信するのに使用され、「1」および「2」と表記されたリソース・エレメント(RE)は、利用可能なリソース・エレメント(RE)である。
【0047】
例えば、e−PDCCH上において送信される必要のある変調シンボルの集合は、
【数14】

と表記され、この場合、
【数15】

は、一つの変調シンボルを表し、Nは正の整数である。上記数式におけるDは、複数の変調シンボルから成る2つの集合「X」および「Y」に分割され、これらはそれぞれ、
【数16】

と表され、この場合、
【数17】

となる。続いて、以下の数式
【数18】

で表されるSFBC符号化処理が上述した集合「X」および「Y」の中に要素として含まれる複数のシンボルに対して実行され、この場合、上記数式における「*」は、複素共役演算を実行することにより2つのデータ・ストリーム「M」と「N」が得られることを表し、「M」と「N」をより具体的に表記すると、
【数19】

および
【数20】

となり、この場合、
【数21】

であり、かつ、
【数22】

である。続いて、上述した2つのデータ・ストリーム「M」と「N」は、DMRSポート7と9の上にそれぞれマッピングされる。
【0048】
本発明に係るこの実施例における送信ダイバーシティ方式は、上述したSFBCに限られない。図11および図12において示すように、一つのPRBペア内において利用可能なOFDMシンボルの個数が奇数個である場合には、利用可能なOFDMシンボルの個数は2個となり、STBCを採用することもまた可能となる。図中において、複数のREから成る前半の2列は、PDCCHとして使用される領域であり、この部分に含まれるリソース・エレメント(RE)は利用不可能である。
【0049】
ステップ305: 少なくとも2つの外部無線周波数ユニットが一つのマクロ基地局に接続され、それらの外部無線周波数ユニットに対して当該マクロ基地局と同一のセル識別子が与えられており、当該少なくとも2つの外部無線周波数ユニットの中の一つが、ユーザ機器へのサービスを提供する場合には、当該少なくとも2つの外部無線周波数ユニットにそれぞれ異なるアンテナ・ポートを割り当て、データを送信するために、当該データを当該割り当てられた複数のアンテナ・ポートの上にマッピングするステップ。
【0050】
より具体的には、ヘテロジニアス(非均質)ネットワーク内で実現可能なシナリオにおいては、マクロ基地局の他に、マクロ・セルによってカバーされる領域内において複数のRRHが設置され、これら複数のRRHは、光ファイバーまたはその他の接続手段を介して当該マクロ基地局に接続され、これら複数のRRHには、これらのRRHが配置されているマクロ・セルと同一のセル識別子(セルID)が与えられ、DMRSに基づく送信モードが採用されていることに起因して、各RRHは何人かのユーザを個別にサービスすることが可能であるが、各RRHはユーザにとっては透過的な存在に見える。このシナリオの下では、RRHの境界領域においてサービスされているユーザは、隣接する他のRRHからの干渉を受け、図13に示すように、RRH2によってサービスされているUE_5は、RRH1からの干渉を受ける。DMRSはチャネルを推定するために使用され、データ・チャネルは、チャネル推定の結果を利用することにより検出されるので、DMRS干渉におけるこの干渉の影響はずい分と深刻である。
【0051】
本発明に係るこの実施例が上述したシナリオに対して適用される場合には、複数のDMRS同士の間での干渉は、異なるRRHまたは異なるUEに対して互いに異なるDMRSポートを割り当てることにより回避することが可能である。これは、一般性を失うことなく、特定の具体例を使用して以下のように例示することが出来る。図13に示すRRH1とRRH2を引き続き一例として説明をするならば、RRH1またはRRH1においてサービスされているUEに割り当てることが可能なDMRSポートは、それぞれポート7とポート9であり、RRH2またはRRH2においてサービスされているUEに割り当てることが可能なDMRSポートは、それぞれポート8とポート10である。このようにして、各RRH内における一つのUEは、送信中においてSFBCを単一の送信ダイバーシティ方式として使用することだけが必要である。加えて、複数のリソース・エレメント(RE)から成る同一のグループの上において定義されているDMRSポート7と8(またはDMRSポート9と10)とそれぞれ関連付けられている複数のDMRSシーケンスは、互いに直交しているか疑似直交関係にあるので、2つのRRHの境界に位置する複数のUEの複数のDMRS同士の間における干渉は、回避され又は低減されることが可能であり、その結果、チャネル推定の性能を改善することが可能となる。
【0052】
本発明に係るこの実施例においては、上述した少なくとも2つのPRBペアは、周波数領域上において連続したもの又は離散配置されたものとすることが可能であり、離散配置される場合の方が好適である。以下の説明においては、e−PDCCHを送信するために4つのPRBペアが使用され、これら4つのPRBペアは、周波数領域上において離散配置されており、上述した送信ダイバーシティ方式が採用されると仮定する。e−PDCCHが送信される際に、各e−PDCCHは、これら4つのPRBペアにそれぞれ含まれる幾つかのREの上に個別にマッピングされることが可能である。例えば、UE1のe−PDCCHは、4つの部分に分割され、これら4つの部分は、PRBペア1乃至PRBペア4のそれぞれに含まれる4番目と5番目のOFDMシンボル区間に位置する複数のREの上にマッピングされる。さもなければ、少なくとも2つのUEのe−PDCCHは、共配置され又はインタリーブ配置され、続いてインタリーブ処理されたデータが特定のマッピング規則に従って、上述した4つのPRBペアのそれぞれの中にマッピングされる。
【0053】
この実施例は、図4に示すようなデータ送信装置を開示し、当該装置は、設定ユニット41、生成ユニット42、マッピング・ユニット43、送信ユニット44および割り当てユニット45を含んでいる。
【0054】
設定ユニット41は、少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群を設定するように構成されており、当該2次リソース群の各々の中で少なくとも2つの基準信号を搬送することが可能となるように構成されている。
【0055】
1次リソース群は、物理リソース・ブロックのペアとすることが可能であり、2次リソース群は、リソース・エレメント(RE)の集合とすることが可能であり、当該少なくとも2つの基準信号の各々は、一つのアンテナ・ポートに対応しており、複数の2次リソース群は、時間方向と周波数方向において互いに直交する関係にあり、2次リソース群の各々は、12個のREをそれぞれ含んでいる。
【0056】
生成ユニット42は、送信すべきデータを符号化処理し、当該符号化処理されたデータから2つのデータ・ストリームを生成するように構成されている。
【0057】
上述した符号化処理の具体的方法は、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化のいずれかである。
【0058】
加えて、上述した符号化処理は、プリコーディング処理とすることも可能である。すなわち、時空間ブロック符号化または空間周波数ブロック符号化は、プリコーディング処理の一つの特殊な実装例として表すことが出来るので、送信される必要のあるデータの上でプリコーディング処理が実行される。
【0059】
マッピング・ユニット43は、2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上に、前記生成ユニット42によって生成された2つのデータ・ストリームをマッピングするように構成されている。
【0060】
当該2つの異なるアンテナ・ポートにそれぞれ対応する基準信号は、2つの異なる2次リソース群の上において搬送される。
【0061】
送信ユニット44は、2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上において、マッピング・ユニット23によって当該2つの互いに異なるアンテナ・ポートにマッピングされたデータを送信するように構成されている。
【0062】
割り当てユニット45は、少なくとも2つの外部無線周波数ユニットが一つのマクロ基地局に接続され、それらの外部無線周波数ユニットに対して当該マクロ基地局と同一のセル識別子が与えられており、当該少なくとも2つの外部無線周波数ユニットの中の一つが、ユーザ機器へのサービスを提供する場合に、当該少なくとも2つの外部無線周波数ユニットにそれぞれ異なるアンテナ・ポートを割り当てるように構成されており、マッピング・ユニット43は、データを送信するために、割り当てユニット45によって割り当てられた複数のアンテナ・ポートの上に当該データをマッピングする。
【0063】
本発明に係る実施例によって開示されるデータ送信方法及びデータ送信装置においては、まず最初に、少なくとも一つの1次リソース群の各々の中において少なくとも2つの2次リソース群が設定され、2次リソース群の各々において、少なくとも2つの基準信号が設定され、続いて、送信する必要のあるデータが符号化処理された後に、2つのデータ・ストリームが生成され、続いて、2つの互いに異なるアンテナ・ポートの利用可能なリソース・エレメントの上に当該2つのデータ・ストリームがマッピングされ、互いに異なるアンテナ・ポートと対応している当該少なくとも2つの基準信号の各々は、2つの異なる2次リソース群の上に設定され、最後に、上記2つの互いに異なるアンテナ・ポートの上記利用可能なリソース・エレメントの上において、上記2つの互いに異なるアンテナ・ポートから送信されるべきデータが送信される。現状において、データは、以下の2種類の符号化方式、すなわち、SFBCとSTBCに従って同時に送信されるが、e−PDCCH上のデータ送信は2種類の送信ダイバーシティ方式を採用する必要があるので、eNBとUE(ユーザ機器)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまう。しかしながら、本発明に係る実施例によって開示される実施例においては、データの送信を可能とするために、単一の送信ダイバーシティ方式だけが必要とされ、それによって、eNBとUE(ユーザ機器)との間において送受信を行う際の複雑性が増大してしまうという問題点に加え、チャネル推定の性能が劣悪となってしまう問題点を解決することが可能となり、さらには、基準信号同士を時間周波数方向において互いに直交する関係とすることにより、チャネル推定の性能を向上させることもできる。
【0064】
本発明に係る実施例によって開示されるデータ送信装置は、本発明に関して上述した方法に係る実施例を実装することが可能である。そのような装置における特定の機能の実装に関しては、本発明に関して上述した方法に係る実施例における例示的内容が参照されるが、それらをここで繰り返し説明するのは省略する。本発明に係る実施例によって開示されるデータ送信方法及びデータ送信装置は、通信システムの技術分野に適用することが可能であるが、適用可能な技術分野はそれだけに限定されない。
【0065】
当該技術分野における当業者であれば、本発明に関して上述した方法に係る実施例において実行される処理過程の一部または全ては、コンピュータ・プログラムの命令コードによる制御の下で関連するハードウェア装置によって実現される。そのようなコンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体の中に記憶させることが可能である。当該コンピュータ・プログラムが実行される際に、本発明に関して上述した方法に係る実施例における一連の処理過程が実行される。上記のような記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等とすることが可能である。
【0066】
本発明に関して上述した発明の詳細な説明は、単に本発明に関する具体的な実施例であるに過ぎず、本発明の権利保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明の技術的範囲内に含まれる発明に基づいて当該技術分野における当業者が直ちに想到することが可能な変形実施例や置換実施例の全ては、本発明の権利保護範囲内に含まれるべきである。従って、本発明の権利保護範囲は、本明細書に添付した特許請求の範囲
の記載によって画定される権利保護範囲として規定されることとなる。
【符号の説明】
【0067】
21、41 設定ユニット
22、42 生成ユニット
45 割り当てユニット
23、43 マッピング・ユニット
24、44 送信ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13