(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1種のオレフィン性モノマーを重合させることによってポリマーを調製するためのプロセスであって、前記モノマーを請求項1〜9のいずれか一項に記載の触媒系と接触させることを含む、プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0012】
a)固体担体
固体メチルアルミノキサン組成物、好ましい実施形態、その製造方法および測定方法に関して、本明細書において明確に記述されていない範囲において、米国特許出願公開第2011/028017A1号明細書、特にそのパラグラフ[0048]〜[0066]が参照により本明細書に援用されるものとする。36〜41重量%のアルミニウム含量は、固体メチルアルミノキサン組成物を基準としたものである。
【0013】
固体メチルアルミノキサンは、通常、トリメチルアルミニウムから作成される。その固体メチルアルミノキサン組成物は、1〜50μm、より好ましくは1〜20μm、より好ましくは1〜10μm、最も好ましくは1〜7μmの範囲内に入る体積基準の中央径を有する微粒子の形態を有するのが好ましい。
【0014】
さらに、25℃でn−ヘキサン中において0〜2mol%の溶解度および25℃でトルエン中において0〜2mol%の溶解度を有する固体メチルアルミノキサン組成物が好ましい。これらの溶解度を有する担持触媒も好ましい。
【0015】
さらに、好ましい固体メチルアルミノキサン組成物は、0.45以下である、以下の式:
均質性:Σ(SIGMA)Xi|d(0.5)−Di|/d(0.5)/Σ(SIGMA)Xi
(式中、X
iがi番目の粒子のヒストグラムの値を表し、d(0.5)が体積基準の中央径を表し、およびD
iがi番目の粒子の体積基準の直径を表す)
で表される均質性を有する。
【0016】
別の好ましい固体メチルアルミノキサン組成物は、10〜25m
2/mmol−Al(BET(N
2)等温式)の範囲内に入る比表面積を有する。
【0017】
固体メチルアルミノキサン組成物は、0.1〜1.0m
2/g(BET(N
2)等温式)の範囲内に入る細孔容積を有するのが好ましい。
【0018】
以下の一般式:
−[(Me)AlO]
n−
(式中、nが10〜50の整数を表す)
で表される単位を含有するメチルアルミノキサン(MAO)と、トリメチルアルミニウムとを含む固体メチルアルミノキサン組成物も好ましい。
【0019】
「単位を含有する」という文言は、それが、nが上述の範囲内に入る単一の数字を表す(nが特定の整数である)メチルアルミノキサンを含有するか、または鎖状もしくは環状の化合物を含む複数のタイプの(nが複数の異なる整数を表す)複数のポリメチルアルミノキサンを含有することを意味する。
【0020】
上述の好ましい実施形態は、相互に組み合わせて使用することもできる。
【0021】
10〜2000のAl(担体)対Tiのモル比を有する担持触媒が特に好ましい。より好ましくは10〜500であり、最も好ましくは50〜200である。
【0022】
b)金属錯体
Cy
本明細書で使用するとき、「置換されたシクロペンタジエニルタイプの配位子」という用語は、それが慣用されている意味を広く包含する、すなわち、π型の結合を介して金属に結合され、通常、金属に対してη5−配位を取る、5員の炭素環を有する置換された配位子を意味する。
【0023】
好ましいシクロペンタジエニルタイプの配位子は、モノ置換またはポリ置換されており、ここで、その置換基は、ハロゲン、置換または非置換のヒドロカルビル、置換または非置換のヒドロカルビルオキシ、置換または非置換のシリル、および置換または非置換のゲルミル(germyl)残基、ならびにアミドおよびホスフィド基からなる群から選択される。可能な置換基は、ハロゲン、アミド、ホスフィド、アルコキシ、またはアリールオキシ残基である。
【0024】
したがって、「シクロペンタジエニル型」という用語には、シクロペンタジエニル、インデニル、およびフルオレニルが含まれる。「モノ置換またはポリ置換された」という用語は、シクロペンタジエニル型構造の1個または複数の芳香族水素原子が、1個または複数の他の残基で置換されているという事実を指す。置換基の数は、シクロペンタジエニル配位子では好ましくは1〜5、インデニル配位子では好ましくは1〜7、かつフルオレニル配位子では1〜9である。
【0025】
シクロペンタジエニル配位子のための置換基の例示的なリストは、以下の基を含む。ハロゲンとしては、F、Cl、およびBrが挙げられる。
【0026】
置換または非置換のヒドロカルビル基のために好ましいものとしては、以下のものが挙げられる:C
1〜C
20の直鎖状および分岐状のアルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシル、C
1〜C
20のヒドロカルビル置換または非置換の環状脂肪族および多環脂肪族基、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルシクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、イソプロピルドデシル、アダマンチル、ノルボルニル、トリシクロ[5.2.1.0]デシル;C
1〜C
20のヒドロカルビル置換または非置換のアリール基、たとえばフェニル、メチルフェニル、トリメチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ナプチル、ブチルフェニル、ブチルジメチルフェニル;C
1〜20の置換されたヒドロカルビル基、たとえばベンジル、N,N−ジメチルアミノベンジル、N,N−ジメチルアミノメチル、メトキシメチル、ジフェニルホスフィノメチル、フルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、フルオロメチル、およびシアノエチル。
【0027】
好ましい置換または非置換のシリル残基および置換または非置換のゲルミル残基としては、Si−(R
6)
3が挙げられ、ここで、それぞれのR
6は、水素、C
1〜8アルキルまたはアルコキシ基、C
6〜10アリールまたはアリールオキシからなる群から選択される。
【0028】
好ましい置換または非置換のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、フェノキシ、メチルチオ、エチルチオ、およびフェニルチオが挙げられる。
【0029】
好ましいアミドおよびホスフィド基としては、非置換であるかまたは2個までのC
1〜8アルキル基によって置換されたアミド、および非置換であるかまたは2個までのC
1〜8アルキル基で置換されたホスフィド基が挙げられる。
【0030】
好ましい実施形態では、シクロペンタジエニル配位子は、メチル基によって5置換されており、その結果、Cyは、1,2,3,4,5−ペンタメチル−シクロペンタジエニル、C5Me5、一般的にはCp
*と呼ばれる。また、好ましい配位子Cyは、その他の非置換もしくは置換のシクロペンタジエニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のテトラヒドロインデニル基、置換もしくは非置換のテトラヒドロフルオレニル基、置換もしくは非置換のクタヒドロフルオレニル基、置換もしくは非置換のベンゾインデニル基、置換もしくは非置換のヘテロシクロペンタジエニル基、置換もしくは非置換のヘテロインデニル基、置換もしくは非置換のヘテロフルオレニル基、またはそれらの異性体である。
【0031】
Z
好ましい実施形態では、Zは、独立して、以下のものを意味する:ハロゲン原子、C
1〜10アルキル基、C
7〜20アラルキル基、C
6〜20アリール基、またはC
1〜20炭化水素置換アミノ基、より好ましくはハロゲン原子およびC
1〜10アルキル基、最も好ましくはCl、F、Br、メチル、ベンジル、メチルトリメチルシリル、フェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、N,N−ジメチルアミノフェニル、ビス−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、ペルフルオロフェニル、トリアルキルシリルフェニル、ビス(トリアルキルシリル)フェニル、およびトリス(トリアルキルシリル)フェニル。最も好ましいのはメチルおよびベンジルである。Zがジアニオン配位子である場合、pが1であり、Zがモノイオン配位子である場合、pが2である。後者の場合、Zに与えられる意味は独立している。p=2であり、かつ両方のZが同一であるのが好ましい。
【0032】
好ましい実施形態では、Zは、C
1〜C
4−アルキルおよびC
7〜20アラルキル基からなる群から選択され、好ましくはメチルである。
【0033】
L
本発明の好ましい実施形態は、式(2)のアミジン含有配位子L(式中、Sub1が、置換であっても非置換であってもよいアリール残基である)を含有する、式(1)の金属錯体に関する。そのような好ましいアミジネート含有配位子の典型的な例は、Sub1が、フェニルまたは置換されたフェニル残基、好ましくはナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジクロロフェニル、または2,6−ジフルオロフェニルである、式(2)で表される。
【0034】
本発明のさらなる実施形態は、式(2)のL(式中、Sub1がアルキル残基である)を有する、式(1)の金属錯体に関する。そのような好ましいSub1の典型的な例は、1〜20個の炭素原子を有し、非置換であるかまたはハロゲン、アミド、シリルまたはアリール基で置換された直鎖状、分岐状、または環状のアルキル残基である。そのようなSub1の例は、メチル、ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、tert−ブチル、ベンジル、トリフルオロメチル、2,6−ジメチルベンジル、2,6−ジフルオロベンジル、および2,6−ジフルオロベンジルである。
【0035】
本発明の別の好ましい実施形態は、Sub2が、一般式−NR
4R
5(式中、R
4およびR
5が、個々に、脂肪族ヒドロカルビル、ハロゲン化脂肪族ヒドロカルビル、芳香族ヒドロカルビル、およびハロゲン化芳香族ヒドロカルボニル残基の群から選択される)のLを有する、式(1)の金属錯体に関する。R
4は、任意選択的に、R
5またはSub1と共にヘテロサイクリック構造を形成する。Sub2の例は、ジメチルアミド、ジイソプロピルアミド、およびビスシクロヘキシルアミドである。式(2)で表されるアミジネート含有配位子の最も好ましい例は、式(2a)のプロチオ−アミジンをベースとするものである。
【化2】
【0036】
例としては、以下のものが挙げられる:N,N−ジメチルアセトイミドアミド、N,N−ジイソプロピルアセトイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシルアセトイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルアセトイミドアミド、N,N−ジメチルイソブチルイミドアミド、N,N−ジイソプロピルイソブチルイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシルイソブチルイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルイソブチルイミドアミド、N,N−ジメチルシクロヘキサンカルボキシイミドアミド、N,N−ジイソプロピルシクロヘキサンカルボキシイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシルシクロヘキサンカルボキシイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルシクロ−ヘキサンカルボキシイミドアミド、N,N−ジメチルピバルイミドアミド、N,N−ジイソプロピルピバルイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシルピバルイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルピバルイミドアミド、2,2,2−トリフルオロ−N,N−ジメチルアセトイミドアミド、2,2,2−トリフルオロ−N,N−ジイソプロピルアセトイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2,2,2−トリフルオロアセトイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチル−2,2,2−トリフルオロアセトイミドアミド、2−(フェニル)−N,N−ジメチルアセトイミドアミド、2−(フェニル)−N,N−ジイソプロピルアセトイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−(フェニル)アセトイミドアミド、2−(フェニル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルアセトイミドアミド、2−(2,6−ジメチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトイミドアミド、2−(2,6−ジメチルフェニル)−N,N−ジイソプロピルアセトイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−(2,6−ジメチルフェニル)アセトイミドアミド、N,2−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルアセトイミドアミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトイミドアミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N,N−ジイソプロピルアセトイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−(2,6−ジフルオロフェニル)アセトイミドアミド、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチル−アセトイミドアミド、N,N−ジメチルベンズイミドアミド、N,N−ジイソプロピルベンズイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシルベンズイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルベンズイミドアミド、N,N−ジメチル−1−ナフトイミドアミド、N,N−ジイソプロピル−1−ナフトイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシル−1−ナフトイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチル−1−ナフトイミドアミド、N,N,2,6−テトラ−メチルベンズイミドアミド、N,N−ジイソプロピル−2,6−ジメチルベンズイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2,6−ジメチルベンズイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチル−2,6−ジメチルベンズ−イミドアミド、2,6−ジフルオロ−N,N−ジメチルベンズイミドアミド、2,6−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピル−ベンズイミドアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2,6−ジフルオロベンズイミドアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチル−2,6−ジフルオロベンズイミドアミド、2,6−ジクロロ−N,N−ジメチルベンズイミドアミド、2,6−ジクロロ−N,N−ジイソプロピルベンズイミドアミド、2,6−ジクロロ−N,N−ジシクロヘキシルベンズイミドアミド、2,6−ジクロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−エチルベンズイミドアミド。好ましい例は、以下のものである:2,6−ジフルオロ−N,N−ピペリジニルベンズアミジン、2,4−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズ−イミドアミド(2,4−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズアミジン)、2,4,6−トリフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズ−イミドアミド(2,4,6−トリフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズアミジン)、3,5−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズ−イミドアミド(3,5−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズアミジン)、ペンタフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズ−イミドアミド(ペンタフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズアミジン)、2,6−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズ−イミドアミド(2,6−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズアミジン)、およびN,N−ジイソプロピルベンズイミドアミド(N,N−ジイソプロピルベンズアミジン)。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態は、式(2b)
【化3】
(式中、アミジン含有配位子がイミンの窒素原子N
2を介して金属Mに共有結合的に結合されており;Sが−CH
2−単位であり、およびtが、Sの数を表す整数であり、かつ1〜4の範囲、より好ましくは1〜2の範囲、最も好ましくは1であり;
Sub3が、第14族原子であって、それによってSub3がアミン窒素原子N
1に結合されている、第14族原子を含む、脂肪族または芳香族の環状または直鎖状の置換基であり;
Sub4が、2個の炭素原子がsp
2またはsp
3混成軌道であり得る、任意選択的に置換されたC2単位である)
の配位子Lを有する、式(1)の金属錯体に関する。
【0038】
本発明の好ましい実施形態は、Sub3が、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、または6〜20個の炭素原子を有する芳香族残基であり、それらがいずれの場合にも非置換であるか、またはハロゲン、アミド、シリルもしくはアリール基で置換されている、式1の金属錯体に関する。そのようなSub3の例は、以下のものである:メチル、n−プロピル、i−プロピル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、シクロヘプチル、オクチル、シクロオクチル、シクロドデシル、オクタデシル、アダマンチル、1−ブテニル、2−ブテニル、およびプロペニル、非置換のフェニルまたは置換のフェニル残基、好ましくはフェニル、ナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジクロロフェニル、または2,6−ジフルオロフェニル。
【0039】
本発明の好ましい実施形態は、式2b)のLが、一般式2c)
【化4】
(式中、R
1〜R
4が、同一であるかまたは異なっており、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、任意選択的に置換されたC1〜10アルキル基、または任意選択的に置換されたC1〜10アルコキシ基を表し、S、t、およびSub3が先に挙げた意味を有する)
を有するか、または式2b)のLが、一般式2d)
【化5】
(式中、R
5〜R
8が、同一であるかまたは異なっており、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、任意選択的に置換されたC1〜10アルキル基、任意選択的に置換されたC1〜10アルコキシ基を表すか、または隣接するR
5〜R
8が結合されて、任意選択的に置換されるか、好ましくは非置換の芳香族環を形成していてもよく、かつS、t、およびSub3が先に挙げた意味を有する)
を有する、式1の金属錯体に関する。。好ましいR
5〜R
8の典型例は、水素およびフッ素である。
【0040】
好ましい実施形態では、Lは、R
1〜R
4がそれぞれ水素原子を表す一般式2c)、またはR
5〜R
8がそれぞれ水素原子を表すかもしくはR
5がフッ素原子である2d)であり、Sub3が、メチル、n−プロピル、i−プロピル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、シクロヘプチル、オクチル、シクロオクチル、シクロドデシル、オクタデシル、アダマンチル、1−ブテニル、2−ブテニル、プロペニル、フェニル、ナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジクロロフェニルまたは2,6−ジフルオロフェニルであり、SがCH
2を意味し、tが1である。
【0041】
好ましい実施形態では、本発明による触媒系は、式(1)の金属錯体を含有し、式中、
MがTiであり、
Zが、C
1〜C
4−アルキルまたはC
7〜20アラルキル基からなる群から選択され、好ましくはメチルであり、
pが、であり、
Cyがペンタメチルシクロペンタジエニル配位子であり、および
LがN,N−ジイソプロピルベンズアミジネートまたは2,6−ジフルオロ−N,N−ジイソプロピルベンズアミジネートを意味する。
【0042】
c)捕捉剤(scavenger)
本発明の触媒系は、担持触媒に加えて捕捉剤c)を含有し得る。捕捉剤は、本発明のプロセス中に存在する、触媒に対して有毒な不純物と反応する化合物である。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、その触媒系の捕捉剤c)は、第1〜13族の金属またはメタロイドのヒドロカルビルであり、および/または第15族もしくは第16族の原子を含有する少なくとも1種の立体障害のある化合物とのその反応生成物である。
【0044】
立体障害のある化合物の第15族または第16族の原子がプロトンを担持しているのが好ましい。それらの立体障害のある化合物の例としては、以下のものが挙げられる:tert−ブタノール、イソ−プロパノール、トリフェニルカルビノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルアニリン、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルアニリン、4−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルアニリン、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、ジ−イソプロピルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジフェニルアミンなど。捕捉剤のいくつかの非限定的な例としては、ブチルリチウム(その異性体も含む)、ジヒドロカルビルマグネシウム、およびヒドロカルビル亜鉛、ならびに立体障害のある化合物または酸、たとえばHF、HCl、HBr、HIとのそれらの反応生成物が挙げられる。好ましい捕捉剤系には、立体障害のあるフェノール系化合物と組み合わせて、可溶性であり、担体ではないアルミニウムアルキル化合物が含まれる。障害のあるフェノール系化合物と組み合わせるのに好ましいアルミニウムアルキル捕捉剤は、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)である。アルミニウムアルキルの、障害のあるフェノール系化合物に対する比率は、好ましくは1:0.1〜1:10、より好ましくは1:0.5〜1:5、最も好ましくは1:1〜1:2である。アルミニウムアルキルがトリイソブチルアルミニウム(TIBA)であり、立体障害のあるフェノール系化合物が4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールであるのが好ましい。
【0045】
捕捉剤が、炭素−アルミニウム結合を有し、かつ一般式T
1aAlZ
3−aで表される、可溶性であり、担体ではないアルミニウム化合物であるオルガノアルミニウム化合物(E1)であり得る(式中、それぞれのT
1が炭化水素基であり、すべてのT
1がそれぞれ同一であるかまたは異なっていてよい。Zが水素原子またはハロゲン原子を表し、すべてのZが同一であるかまたは異なっていてよい。「a」が、0<a≦3を満足する数を表し、「b」が2以上の整数であり、「c」が1以上の整数である)。
【0046】
E1中の炭化水素基は、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基、より好ましくはアルキル基である。
【0047】
一般式T
1aAlZ
3−aで表される可溶性である(担体ではない)オルガノアルミニウム化合物(E1)の具体例としては、以下のものが挙げられる:トリアルキルアルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムなど;塩化ジアルキルアルミニウム、たとえば塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジプロピルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、塩化ジヘキシルアルミニウムなど;二塩化アルキルアルミニウム、たとえば二塩化メチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二塩化プロピルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム、二塩化ヘキシルアルミニウムなど;水素化ジアルキルアルミニウム、たとえば水素化ジメチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジプロピルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウムなど。4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールと組み合わせてトリイソブチルアルミニウムを捕捉剤(c)として採用するのが好ましい。
【0048】
捕捉剤を使用する場合、金属錯体(1)対採用される捕捉剤c)のモル比は、好ましくは0.1:1000〜0.1:1、より好ましくは0.1:1000〜0.1:300である。
【0049】
d)二次的活性化剤(secondary activator)
本発明の触媒キャリヤーに使用される担体は、活性化剤としても機能することができるため、追加の活性化剤または助触媒を加える必要はない。しかしながら、それにも関わらず、そのような「二次的活性化剤」をさらに使用してもよい。二次的活性化剤d)が固体担体a)と異なっているのが好ましい。
【0050】
シングルサイト触媒のための成分の二次的活性化剤d)は、当技術分野でかなりよく知られている。それらの活性剤には、多くの場合、第13族の原子、たとえばホウ素またはアルミニウムが含まれる。それらの活性剤の例は、Chem.Rev.,2000,100,1391(E.Y−X.Chen and T.J.Marks)に記述されている。好ましい活性化剤b)は、ボラン(C1)、ホウ酸塩(C2、C3)またはオルガノアルミニウム化合物(E2)および/または(E3)、たとえば可溶性である(担体ではない)アルキルアルミノキサン、たとえば可溶性のメチルアルミノキサン(MAO)である。活性化のための活性化剤は、好ましくは、以下の(C1)〜(C3)の各種のホウ素化合物および/またはオルガノアルミニウム化合物(E;上記参照)である。
【0051】
可溶性であり、担体ではないアルミニウム化合物であるオルガノアルミニウム化合物(E2)および(E3)は、炭素−アルミニウム結合を有し、1種または複数のアルミニウム化合物である:
(E2)は、一般式{−Al(T
2)−O−}
bで表される構造を有する環状アルミノキサンであり、
(E3)は、一般式T
3{−Al(T
3)−O−}
cAlT
32で表される構造を有する直鎖状アルミノキサンである
(式中、T
2およびT
3のそれぞれが炭化水素基であり、すべてのT
2およびすべてのT
3がそれぞれ同一であるかまたは異なっていてよい。Zが水素原子またはハロゲン原子を表し、すべてのZが同一であるかまたは異なっていてよい。「a」が、0<a≦3を満足する数を表し、「b」が2以上の整数であり、「c」が1以上の整数である)。
【0052】
E2またはE3中の炭化水素基は、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基、より好ましくはアルキル基である。
【0053】
一般式{−Al(T
2)−O−}
bで表される構造を有する、可溶性である(担体ではない)環状アルミノキサンE2、および一般式T
3{−Al(T
3)−O−}
cAlT
32で表される構造を有する可溶性の直鎖状アルミノキサンE3の具体例としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基などのアルキル基が含まれる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。T
2およびT
3がメチル基またはイソブチル基を表し、bが2〜40であり、cが1〜40であるのが好ましい。
【0054】
上述の可溶性である(担体ではない)アルミノキサンは、各種の方法で作成される。この方法は特に限定されず、公知の方法に従ってアルミノキサンを製造することができる。たとえば、トリアルキルアルミニウム(たとえば、トリメチルアルミニウムなど)を適切な有機溶媒(ベンゼン、脂肪族炭化水素など)中に溶解させることによって調製した溶液を水と接触させることにより、アルミノキサンが生成する。さらには、トリアルキルアルミニウム(たとえば、トリメチルアルミニウムなどの)結晶水を含有する金属塩(たとえば、硫酸銅水和物など)と接触させてアルミノキサンを生成させる方法も実証されている。
【0055】
任意選択的なホウ素含有二次的活性化剤は、
(C1)一般式BQ
1Q
2Q
3で表されるホウ素化合物、
(C2)一般式G(BQ
1Q
2Q
3Q
4)で表されるホウ素化合物、
(C3)一般式(J−H)(BQ
1Q
2Q
3Q
4)で表されるホウ素化合物
である。Q
1〜Q
3は、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、置換されたシリル基、アルコキシ基、またはジ置換アミノ基であり、それらは、同一であるかまたは異なっていてよい。Q
1〜Q
3は、好ましくは、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜20個の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素基、1〜20個の炭素原子を有する置換されたシリル基、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、または2〜20個の炭素原子を有するアミノ基であり、より好ましくは、Q
1〜Q
3が、ハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、または1〜20個の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素基である。さらに好ましくは、Q
1〜Q
3が、少なくとも1個のフッ素原子を含有する1〜20個の炭素原子を有するフッ素化炭化水素基であり、特に好ましくは、Q
1〜Q
3が、少なくとも1個のフッ素原子を含有する6〜20個の炭素原子を有するフッ素化アリール基である。Q
4は、基Q
1〜Q
3の1つと同じ意味を有し、およびQ
1〜Q
4は同一であるかまたは異なっていてよい。Gは、無機または有機のカチオンであり、Jは中性のルイス塩基であり、および(J−H)は、ブレンステッド酸である。
【0056】
一般式BQ
1Q
2Q
3で表されるホウ素化合物(C1)において、Bは、三価の原子価状態にあるホウ素原子であり、Q
1〜Q
3は、前述の意味を有し、同一であるかまたは異なっていてよい。
【0057】
化合物(C1)の具体例としては、以下のものが挙げられる:トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニル−ビス(ペンタフルオロ−フェニル)ボランなど。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが最も好ましい。
【0058】
一般式G(BQ
1Q
2Q
3Q
4)で表されるホウ素化合物(C2)では、G
+は、無機または有機のカチオンであり、Bは、三価の原子価状態にあるホウ素原子であり、Q
1〜Q
4は、先に(C1)においてQ
1〜Q
3について定義されたものである。
【0059】
一般式G(BQ
1Q
2Q
3Q
4)で表される化合物中の無機カチオンGの具体例としては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀カチオンなどが挙げられ、それらの有機カチオンGの具体例としては、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。Gは、好ましくはカルベニウムカチオンであり、特に好ましくはトリフェニルメチルカチオンである。
【0060】
(BQ
1Q
2Q
3Q
4)の例としては、以下のものが挙げられる:テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ホウ酸塩、フェニルトリス(ペンタフルオロ−フェニル)ホウ酸塩、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ホウ酸塩など。
【0061】
それらの特別な組合せであるフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、トリフェニルメチルテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、トリフェニルメチル−テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ホウ酸塩なども挙げられ、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩が最も好ましい。
【0062】
一般式(J−H)
+(BQ
1Q
2Q
3Q
4)で表されるホウ素化合物(C3)において、Jは、中性のルイス塩基であり、(J−H)はブレンステッド酸であり、Bは、三価の原子価状態にあるホウ素原子であり、およびQ
1〜Q
4は、先にルイス酸(C1)においてQ
1〜Q
4について定義されたものである。
【0063】
一般式(J−H)(BQ
1Q
2Q
3Q
4)で表される化合物中のブレンステッド酸(J−H)
+の具体例としては、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BQ
1Q
2Q
3Q
4)としては、上述と同じ化合物が挙げられる。それらの特定の組合せとしては、以下のものが挙げられる:トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロ−フェニル)−ホウ酸塩、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、トリ(n−ブチル)アンモニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチル−フェニル)ホウ酸塩、N,N−ジメチル−アニリニウムテトラキス(ペンタフルオロ−フェニル)ホウ酸塩、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタ−フルオロフェニル)ホウ酸塩、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、N,N−ジメチルアニリニウム−テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチル−フェニル)ホウ酸塩、ジイソプロピル−アンモニウムテトラキス(ペンタ−フルオロフェニル)ホウ酸塩、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタ−フルオロフェニル)ホウ酸塩、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、トリ(ジメチルフェニル)−ホスホニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩など。トリ(n−ブチル)アンモニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩またはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロ−フェニル)ホウ酸塩が最も好ましい。
【0064】
いずれかの二次的活性化剤d)が使用される場合、式(1)の金属錯体対二次的活性化剤d)(採用されるのが特にC1〜C3のタイプの場合)のモル比は、好ましくは1:10〜2:0の範囲、より好ましくは1:5〜1:0の範囲、最も好ましくは1:3〜1:1である。
【0065】
プロセス
本発明は、本発明による触媒系を製造するためのプロセスであって、固体担体a)が触媒b)と接触される、プロセスにさらに関する。固体担体a)を脂肪族および/または芳香族炭化水素溶媒中の懸濁液として採用し、好ましくはニートの状態または脂肪族および/もしくは芳香族炭化水素溶媒中の溶液の1)の錯体と接触させるのが好ましい。溶媒の非限定的な例としては、ヘキサン、トルエン、デカンなどが挙げられる。その接触の準備は、−80℃から溶媒の沸点までの範囲で実施するのがよい。その接触を0〜25℃、周囲圧力、好ましくは0.9bar〜1.1barで実施するのが好ましい。その反応を乾燥した不活性ガス、たとえば窒素の雰囲気下で実施するのが好ましい。担体粒子の摩砕が起きる可能性があるため、撹拌(マグネット法など)は採用しないが、穏やかなかき混ぜ/振盪が好ましい。任意選択的に、脂肪族および/または芳香族炭化水素溶媒、たとえばヘキサン、トルエン、デカンなどを使用した後接触洗浄工程を採用することも可能である。
【0066】
任意選択的なc)および/またはd)は、担持触媒の調製中または調製後に添加してもよく、または重合工程に触媒系の一部として別途に添加してもよい。
【0067】
重合
本発明は、少なくとも1種のオレフィン系モノマーを重合させることにより、ポリマーを重合させるためのプロセスであって、前記モノマーを本発明の触媒系と接触させることが含む、プロセスをさらに提供する。
【0068】
重合のための好ましいプロセスは、一般的に、少なくとも1種のオレフィン性モノマーを本発明による触媒系と気相中、スラリー中または不活性な溶媒、好ましくは炭化水素溶媒の溶液中で接触させることによって実施される。その重合は、スラリー中、または不活性溶媒、好ましくは炭化水素溶媒の溶液中で実施するのが好ましい。好適な溶媒は、気相中、スラリー中または不活性な溶媒、好ましくは炭化水素溶媒の溶液中にある。好適な溶媒は、C
5〜12炭化水素、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、それらの異性体および混合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタメチルヘプタン、ならびに水素化ナフサである。本発明のプロセスは、作成される製品に応じて10〜250℃の温度で実施することができる。スラリー法EPDM重合は、10〜65℃の温度で実施するのが最も好ましい。溶液法EPDM重合は、80℃よりも高い温度で実施するのが最も好ましい。
【0069】
モノマーの定義
オレフィン性モノマーとは、少なくとも1個の重合可能な二重結合を含有する分子であると理解されたい。
【0070】
好適なオレフィン性モノマーは、C
2〜20オレフィンである。好ましいモノマーとしては、以下のもの挙げられる:エチレン、ならびに非置換であるかまたは2個までのC
1〜6アルキル基によって置換されたC
3〜12アルファオレフィン、非置換であるかまたはC
1〜4アルキル基からなる群から選択される2個までの置換で置換されたC
8〜12ビニル芳香族モノマー、ならびに非置換であるかまたはC
1〜4アルキル基によって置換されたC
4〜12直鎖状または環状ヒドロカルビル基。そのようなα−オレフィンの非限定的な説明例としては、以下のものが挙げられる:プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、および12−エチル−1−テトラデセン。それらのα−オレフィンを組み合わせて使用することも可能である。
【0071】
モノマーは、少なくとも2個の二重結合を有するポリエンであり得る。それらの二重結合は、鎖、環構造またはそれらの組合せ中で共役であっても、非共役であってもよく、また、それらは環内および/または環外であってもよく、さらに異なる量およびタイプの置換基を有していてもよい。これは、そのポリエンが少なくとも1個の脂肪族、脂環族、もしくは芳香族の基またはそれらの組合せを含んでいてよいことを意味する。
【0072】
好適なポリエンとしては、脂肪族ポリエンおよび脂環族ポリエンが挙げられる。より詳しくは、脂肪族ポリエンとしては、たとえば、以下のものが挙げられる:1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、1,8−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、1,9−デカジエン、1,5,9−デカトリエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、および1,13−テトラデカジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン。
【0073】
脂環族ポリエンは、少なくとも1個の環状のフラグメントからなっていてよい。これら脂環族ポリエンの例としては、以下のものが挙げられる:ビニルシクロヘキセン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロ−ヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、および1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、および1,4−シクロヘキサジエン。好ましいポリエンは、少なくとも1個の環内二重結合と、任意選択的に少なくとも1個の環外二重結合とを有するポリエン、たとえば5−メチレン−2−ノルボルネン、および5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、および2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、およびビニルシクロヘキセンである。
【0074】
芳香族ポリエンの例は、ジビニルベンゼン(その異性体も含む)、トリビニルベンゼン(その異性体も含む)、およびビニルイソプロペニルベンゼン(その異性体も含む)である。
【0075】
上述のモノマーはいずれも、第13〜17族のヘテロ原子、またはそれらの組合せを含む少なくとも1個の基でさらに置換されていてもよい。
【0076】
ホモポリマー、コポリマー、および3種以上の上述のオレフィン性モノマーをベースとするコポリマー、ならびにそれらのブレンド物は、本発明プロセスを用いて調製することができる。
【0077】
好ましい実施形態では、エチレン、少なくとも1種のC
3〜12アルファオレフィン、好ましくはプロピレン、ならびに少なくとも1種の非共役ジエン、好ましくは5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)およびビニルシクロヘキセンから、好ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネンおよび5−ビニルノルボルネンからなる群からのジエンをベースとするコポリマーが本発明の金属錯体を用いて作成される。
【0078】
本発明は、本発明の金属錯体または本発明の触媒系を用いて得ることが可能なポリマーにさらに関する。以下において、以下の実施例および比較実験を基づいて本発明を説明するが、それらに限定されるわけではない。
【0079】
本発明は、本発明による触媒系または本発明の重合プロセスを用いて得られるポリマーにも関する。
【実施例】
【0080】
試験方法
サイズ排除クロマトグラフィー、IR検出器付き(SEC−IR)
装置:Freeslate Rapid GPCシステム、単一検出器(赤外線検出器、IR4 Standalone、Polymer Char製)付き
カラム:PLGel Mixed−B 10μm(×3、300×7.5mmカラム)
較正:直鎖ポリスチレン(PS)標準(分子量、約30〜3000kg/mol)を用いて較正
温度:160℃
流量:1.5mL/分
注入量:125μL
溶媒/溶離液:蒸留した1,2,4−トリクロロベンゼン、0.4g/LのBHT安定剤添加
サンプル調製:約160℃で2時間かけて溶解。2および0.5ミクロンの焼結ガラスフィルターを通して濾過
サンプル濃度:1.5mg/mL。
【0081】
フーリエ変換赤外分光光度法(FT−IR)を用いて、当技術分野で公知の方法に従ってコポリマーの組成を求めた。FT−IR測定から、全組成物を基準にした各種のモノマーの組成が重量%で得られる。
【0082】
組成は、中域FT−IR分光光度法を使用して測定した(表1の場合、金コーティングしたシリコンウェファー上に析出させたポリマーサンプルを使用)。
【0083】
パートI:担持触媒の調製
担持触媒1
米国特許出願公開第2011/0282017号明細書の実施例7に従って作成した固体MAOのトルエン懸濁液(55mL、0.55MのAl)にMe
5CpTiMe
2(NC(2,6−C
6H
3F
2)(
iPr
2N))(触媒1、国際公開第2005090418号パンフレットから公知、化合物として10M;0.092g、0.20mmol)のトルエン(0.2mL)溶液を添加した。そのトルエン懸濁液の底部に集まることが観察された最初は無色の物質は、約1分後に黄色/橙色に変化した。フラスコを振盪させることにより、その懸濁液を16時間かけて穏やかにかき混ぜた。16時間経過後、懸濁液中の固体成分は、暗褐色/赤色に変色した。次いで、トルエンを慎重にデカントさせ、0.2ミクロンのガラス繊維フィルターカニューレを使用して沈殿物質から分離し、その沈殿した固体物質をトルエン(2×10mL)およびヘキサン(2×10mL)を用いて慎重に洗浄した。それぞれの洗浄で固形分を沈殿させてデカントさせるには、少なくとも30分が必要であった。フィルター上で物質をロスしないように注意した。トルエン(50mL)を添加することによって最終的な懸濁液を調製し、(Me
5CpTiMe
2(NC(2,6−C
6H
3F
2)(
iPr
2N)の完全活性化/吸着を基準にして)Ti濃度4mMの懸濁液を得た。スラリーをかき混ぜることによって懸濁液が得られ、それは容易に取り扱い、移し替えることが可能であることが観察された。約2分間静置すると、粒子が再び沈殿しはじめた。ICP−AES分析から、そのスラリーのTi含量が204mg/Kgであることがわかった(4mMに対応する)。そのスラリーのAl含量は1.86重量%であったため、[Al]対[Ti]のモル比は162となった。
【0084】
担持触媒2
同一のプロトコールを用いて(nBuCp)
2ZrCl
2(触媒2;Boulder Scientific Co.から購入)を担持させた。ICP−AES分析から、そのスラリーのZr含量が421mg/Kgであることがわかった(4mMに対応する)。そのスラリーのAl含量は1.10重量%であったため、[Al]対[Zr]のモル比は90となった。
【0085】
担持触媒2b
同一のプロトコールを用いて(nBuCp)
2ZrCl
2(触媒2)を担持させた。ICP−AES分析から、そのスラリーのZr含量が13mg/Kgであることがわかった(0.3mMに対応する)。そのスラリーのAl含量は3.74重量%であったため、[Al]対[Zr]のモル比は9700となった。
【0086】
担持触媒2M
(nBuCp)
2ZrMe
2(触媒2M;Journal of Organometallic Chemistry,714(2012),32〜40の化合物3として公知)を、同一のプロトコールを用いて担持させた。ICP−AES分析から、そのスラリーのZr含量が431mg/Kgであることがわかった(4mMに対応する)。そのスラリーのAl含量は0.58重量%であったため、[Al]対[Zr]のモル比は46となった。
【0087】
パートII:EPDM溶液共重合(表1)
インシトゥ−生成触媒を用いた重合を48パラレル圧力反応器(PPR48)中で実施した。PPR反応器のセルにあらかじめ秤量したガラスバイアルインサートおよび使い捨ての撹拌パドルを挿入した。反応器を密閉し、窒素を用いて130psiで試験して、0.1psi/分より高い漏れが起きないことを確認した。次いで、反応器の雰囲気を、プロペンを用いて80psiで3回パージし、3.9mLのトルエン(トルエンは、MBraun SPS混合ベッドカラムを通すことにより精製)をENB/TIBA/BHT(実施例1、比較例3、4および6)またはENB/MMAO−3A/BHT(比較例2および7)トルエン溶液と共に添加し、それらは以下の組成を有していた:ENB(Sigma Aldrich製、入荷したまま使用、5(v/v)%)34mM(最終反応器濃度)、TIBA(AKZO NOBEL)(実施例1、比較例3、4および6)またはMMAO−3A(比較例2および7)、およびBHT(Sigma Aldrich、入荷したまま使用)。実施例5の場合、ENB(のみ)のトルエン溶液を添加した:34mM(最終反応器濃度)。
【0088】
液状の反応剤は、バルブを通してそれぞれのセルに注入した。反応器を40℃に加熱し、50psiのプロピレン(Linde Gas製、酸素および湿分を除去するためにSelexorbおよびBASF触媒を通してさらに精製したもの)を用い、800rpmのパドル撹拌速度で5分かけて加圧した。圧力が安定したら、反応器を重合温度(90℃)に加熱してから、30分かけて反応器を平衡に達するようにした。次いで、エチレンを用いて反応器を加圧して、最終圧力の130psiに到達させた。触媒(担持触媒(実施例1)および非担持触媒(比較例2)をトルエン懸濁液(実施例1、比較例4〜6)またはトルエン溶液として(比較例2および7)セルに注入した。
【0089】
触媒の添加量は、特性解析することを可能とするポリマーが調製されるのに十分な量でかつ反応器の質量輸送の限度に達するような大量のポリマーが生成しない程度の低い量となるように、その添加量を調節し、すなわち0.004〜0.080μmolのTiまたはZrとなるようにする。比較例5を除くすべての実験で全[Al]対[Ti]または[Zr]の比率を1000の値に固定した。この合計値には、担持物質(存在する場合)およびTIBAまたはMMAO−3A(比較例2および7)が含まれる。比較例5では、5000の[Al]対[Zr]比を採用したが、そこに存在させたアルミニウムは、担持物質のみからのものであった。比較例5(この場合にはBHTを使用せず)以外では、すべての実験で[BHT]対[Al]比を2に固定した。一定の温度およびエチレンの分圧で5分間重合を行わせてから、酸素/窒素混合物(酸素含量2v/v%)を用い、50psi(3.4bar)加圧で重合を停止させた。次いで、反応器を冷却し、圧力を下げ、グローブボックスが停止ガスで汚染されるのを防止するためにN2でパージした。不活性ガスを用いたパージ後、反応器を開き、ガラスインサートをセルから抜き出し、遠心分離/真空乾燥ステーション(Genevac EZ−2 Plus)に移し、一晩かけて減圧下で揮発分を除去した。次いで、ポリマーサンプルをWeighting Stationユニットで秤量し、ポリマーの収量を記録する。それらのポリマーについて、分子量およびMw/Mn(SEC−IR)および組成(FT−IR)の分析を行った。
【0090】
【表1】
【0091】
パートIII:スラリーEPDM共重合
本発明実施例8:
2Lの反応器を窒素雰囲気下において1500rpmで撹拌しながら60℃まで加熱し、ブタン(550g)、プロピレン(28g)、ENB(2.5mL)、TIBA(4mL、ヘキサン中0.1M)、およびBHT(2mL、ヘキサン中0.2M)を充填した。
【0092】
1500rpmで撹拌しながら、反応器を加熱して60℃とした。エチレンを用いてその反応器を加圧して10barとし、懸濁させた触媒(1.5μmol)を反応器中に注入した。反応中、配合比に設定したエチレン、プロピレン、ENB、および水素の混合物によって反応器中の圧力を一定に維持した。
【0093】
反応が完了したら、反応器の内容物を、イソプロパノールを含む二次容器中に移し、その間、窒素を用いて反応器中の圧力を維持した。ガス抜きをし、5分間撹拌した後、その停止容器(killing vessel)を空にしてメッシュ濾過によりポリマーを回収した。
【0094】
反応器中に残っているポリマーを取り出すため、反応器にペンタメチルヘプタン(PMH)を充填し、130℃で一晩撹拌した。その混合物を慎重に集め、真空中で濃縮した。
【0095】
ポリマーの全収量は、39.68g(1.8ppmTi)であった。このポリマーは、61.5重量%のC2、34.4重量%のC3、および4.1重量%のENBの組成を有し、SEC−IRで測定した分子量が1496kgmol
−1であり、Mw/Mn=1.9であった。
【0096】
結論
生産性の単位(ppmM;M=TiまたはZr)は、ポリマーの収量および触媒の添加量から導き出した、ポリマー中に残存している触媒金属(計算値)を表す。したがって、この値が小さいほど触媒の生産性が高い。
【0097】
本発明の担持触媒(担持触媒1)は、小スケール溶液(表1)およびスケールアップしたスラリー(実施例8)の両方のEPDMの重合において活性が高い。その触媒が、非担持のもの(非担持触媒1)に比べて同程度の活性(ppmTiで同程度の生産性)を有することがわかる。例3は、TIBA/BHTの捕捉剤系が(非担持の)触媒1を活性化しないことを示すことに注目されたい。TIBA/BHTは、この場合に採用される非活性化捕捉剤系である。担持触媒1(実施例1)と非担持の触媒1(比較例2)とで製造されたポリマーは、類似の組成(C2、ENB重量%)を有する。
【0098】
本発明の触媒(担持触媒1)は、他の比較例(比較例4〜7)で採用された触媒よりもはるかに生産性(ppmM;M=TiまたはZr)が高い。担持触媒2Mは、非担持の触媒2Mよりも生産性が低いが、これは、担持/不動態化分子触媒に関する一般的な知識と矛盾しない。
【0099】
担持触媒2([担持Al]対[Zr]=90)は、担持触媒2M([担持Al]:[Zr]=46)よりも高い[担持Al]対[Zr]比にも関わらず、それよりも生産性が低い。
【0100】
[担持Al]対[Zr]比を、米国特許出願公開第2011/0282017A1号明細書から知られているもの([Al]対[Zr]=5000)よりも不利に高いレベル(10
3のオーダーで)に上げると、担持触媒2bでは、より良好な生産性が得られる。しかしながら、その生産性は、それでもなお本発明の実施例ほど高くない。実際、そのような高い[Al]対[Zr](≧5000)レベルを使用することは、その担持触媒を取り扱う際の危険性が高くなり、より高コストになるであろう。
【0101】
さらに、担持触媒2bを用いて調製されたポリマー(比較例5)の分子量も本発明の担持触媒の担持触媒1よりはるかに低い。同様の担持触媒2および2Mからも、担持触媒1より低い分子量のポリマーのみが得られる。