(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を当該実施の形態のみに限定するものではなく、本発明はその要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0013】
図1は、メーカートークン管理システム1の全体像を概念的に示した模式図であり、ブロックチェーン層とその下位に存在するアプリケーション層に対し、本システムに係るアプリケーションソフトウェア(以下、アプリ)がインストールされているメーカー側のメーカー端末23と、同じく本システムに係るアプリがインストールされているユーザー側のユーザー端末20がインターネット等の回線を通じて繋がっている。
【0014】
メーカーは、メーカー端末23によって自社で製造販売する商品に対応したトークンの発行、残高の管理とともに、後述するように、実際の消費者による購買情報をユーザー購買情報管理部から閲覧することができる。
【0015】
消費者であるユーザーは、メーカー側が用意したトークン取得を目的(インセンティブ)として、当該メーカーの商品を小売店で購入した際、小売店側が提供するレシートとともに、商品に付されているバーコード、或いは撮影した商品画像をユーザー端末20によって読み取る。読み取られた情報は、アプリによって後述するユーザー購買情報管理部に送信される。また、後述するトークン管理部から、購入した商品に対するトークンが付与され、ユーザー端末20に送信される。
【0016】
図2は、本実施形態に係るユーザー端末20及びサーバー装置の概略図を示している。
図2に示すように、本メーカートークン管理システム1は、インターネット等のネットワークNを介して、本メーカートークン管理システム全体を管理するサーバー装置10と、ユーザー端末20とBlockchain(BCシステム)30が互いに接続されて構成される。
【0017】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。通信ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS( Personal Handy−phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0018】
ユーザー端末20は、ネットワークNを介してサーバー装置10、又はブロックチェーンシステム30に対して各種のデータを送受信する機能を備えた情報処理装置である。例えば携帯電話やスマートフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット、ウェアラブル(Wearable)端末、通信機能付きゲーム機等が想定されるが、特に限定されない。
【0019】
図3は、ユーザー端末20の機能の一例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、ユーザー端末20は、CPU及びメモリを含む制御部220と、ネットワークNと接続するための通信部230と、ユーザーからの操作を受け付けるタッチパネル等の入力部240と、制御部220における処理の実行に必要な各種プログラムやデータが格納された記憶部250と、画面を表示する表示部260と、撮像部270とを有している。なお、撮像部270は、静止画や動画の撮影や、QRコード(登録商標)やバーコードの読み取りを行う。ユーザー端末20のユーザーは、ユーザー端末20に所定のアプリをインストールすることでサーバー装置10が提供する所定のサービスを利用可能となる。
【0020】
メーカートークンの取得を希望する消費者は、ユーザー端末20に所定のアプリをインストールし、小売店において該当商品を
購入した際、ユーザー端末20を操作し、上記したように小売店側が提供するレシートとともに、商品に付されているバーコード、或いは撮影した商品画像を撮影し、
当該商品を購入した情報をアプリによってサーバー装置10に送信する。
【0021】
図4は、サーバー装置10、及び当該サーバー装置10内に構築されているユーザー購買情報管理部の構成を示すブロック図である。図示のごとく、サーバー装置10は、入力部120、制御部130、記憶部140、通信部150、表示部160を有している。
【0022】
入力部120は、サーバー装置10の管理者からの操作を受け付けるように構成され、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。制御部130は、CPUやMPUなどの演算処理部、RAMなどのメモリ及び画像処理部を含む。演算処理部は、各種入力に基づき、記憶部140に記録されたプログラムを実行することで、各種機能部を動作させるものである。このプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記憶され、もしくはネットワークNを介して配布され、インストールされるものであってもよい。
【0023】
通信部150は、サーバー装置10をネットワークNに接続するように構成される。例えば、通信部150は、LANカード、アナログモデム、ISDNモデム等、及び、これらをシステムバス等の伝送路を介して処理部と接続するためのインタフェースから実現することができる。
【0024】
表示部160は、例えばディスプレイやモニタ等であり、サーバー装置10から出力される各種情報を表示する。
【0025】
記憶部140は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部130における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等が記録されている。記憶部140には、消費者情報データベース141、購買情報データベース142、商品データベース143が構築されている。
【0026】
消費者情報データベース141には、ユーザー端末10によって事前に登録されている消費者の個人情報であり、ID、生年月日、年齢、性別、職業、住所、アンケート結果等の各種情報が格納されている。消費者情報としては、上記の他に既婚歴、家族構成、同居家族、年収、世帯年収等を登録してもよい。
【0027】
購買情報データベース142には、消費者が実際に行った購買に関する情報が記録されている。購買情報は、消費者が撮影したレシート画像、当該レシート画像から抽出したレシート情報、商品バーコード情報、消費者が撮影した商品画像である。レシート情報は、商品を
購入した際のレシートの画像から、テキストデータを読み込んだ情報でもよい。また、実際に買い物したシーンの画像や、購入した店舗の位置情報も、購買情報として格納することも可能である。
【0028】
商品データベース143には、商品コードと、当該商品コードに対応する商品名、当該商品を提供するメーカー名、当該商品の情報を提供した消費者に付与するメーカートークンが、紐付けられて格納されている。なお、商品データベース143は、サーバー装置10とは別の外部システムが保有していてもよい。
【0029】
さらに、制御部130は、機能部として、受信部131、判定部132、解析部133、商品特定部134を備えており、商品特定部134にはトークンデータベース19とトークン付与部15と有している。
【0030】
受信部131は、ユーザー端末20から購買情報を受信する。受信部131は、受信したレシート画像やレシート情報、商品コード等の購買情報を購買情報データベース142に登録する。さらに、ユーザー端末20から、利用シーン画像や、商品に対するコメント、満足度を数値化した評価等を含むアンケート情報(評価情報)を受信した場合には、これらの情報を購買情報と対応付けて購買情報データベース142に記録する。
【0031】
判定部132は、受信部131が購買情報を受信した際に、消費者が商品を実際に
購入したものと判定する手段である。例えば判定部132は、購買情報として、レシート画像(またはレシート情報)と商品バーコードとの両方を受信部131が受信していない場合、消費者が商品を実際には
購入していないと判定し、当該購買情報を登録しないようにしている。即ち、ユーザーによる不正行為を防止するための手段である。
【0032】
解析部133は、受信したレシート画像から当該レシートのテキストデータであるレシート情報を抽出し、解析する手段である。具体的には、解析部133はレシート画像から購買商品を解析し、商品データベース143に登録された登録商品と照合する。なお、解析部133はレシート画像から店舗名や住所を解析し、店舗の特定に用いてもよい。例えばレシート画像から電話番号しか解析できなかった場合、解析部133は、当該電話番号から店舗名や住所を特定することができる。さらに、レシート画像から市外局番を解析できなかった場合、解析部133は住所から市外局番を推測することも可能である。解析部133が店舗を特定する際に、複数の情報の解析結果を用いることで、解析精度を向上させることができる。
【0033】
また、解析部133は、レシート画像を解析することで、当該レシートに関する購買の情報を収集してもよい。例えば、解析部133は、レシートに記載された商品の種類と、受信した商品コードの種類とが一致するか否かを判定することができる。また、解析部133は、そのレシートが発行された店舗や時間、レシートに記載された商品の個数、合計金額等を解析してもよい。解析部133による解析結果は、購買情報の一部として購買情報データベース142に記録することができる。
【0034】
さらに、解析部133は、記憶部140に登録されているレシート情報と商品コードとの対応関係を用いて、読み取ったレシート情報をもとに特定の商品識別情報を推測することも可能である。具体的には、レシート情報から抽出した商品名称と、商品コードから特定した商品との照合を繰り返すことで、レシート情報から商品を類推することができる。なお、解析部133の機能は、ユーザー端末20側に持たせることも可能である。
【0035】
商品特定部134は、商品データベース143を参照し、受信部131が受信した商品コードに基づいて、当該商品コードに対応する商品を特定する。
【0036】
図5は、トークン管理部2、ユーザー購買情報管理部3、トークン処理部4、ユーザー端末20、メーカー端末22の関係を示す概略図である。トークン管理部2は、ユーザーが商品データベース143に登録されたメーカーの商品を購入し、ユーザーが商品情報をユーザー端末20から送信した際に、当該ユーザーに対してトークンの付与を管理するシステムであり、サーバー装置1内に構築されている。
【0037】
本発明の特徴は、ユーザー及びメーカーのトークン管理をトークン管理部2で一元管理するのではなく、ブロックチェーンシステム30を利用して、ユーザー端末20及びメーカー端末22が、トークン管理部2とともにトークンを分散管理するように構成している点である。
【0038】
ブロックチェーンシステムとは、例えば、ある仮想通貨に関する取引内容を示すトランザクションを、連続性が担保されているブロックと呼ばれる情報に格納し、これらブロックのチェーンすなわちブロックチェーンに含まれるトランザクションに基づいて取引を管理するシステムである。
【0039】
ブロックチェーンは、すべてのトークンの取引記録を示す元台帳であり、インターネットに接続された、トークン処理用のソフトウェア(トークン・クライアント)を実行する複数のPCからなるノードで共通管理されている。これらノードは、上記ソフトウェアにより実現されるトークン処理部により、受け取った決済指示のうち公開鍵暗号技術に基づき正当性が確認された決済指示をトランザクションとしてブロックに格納し、他のノードにブロードキャストする機能を有している。
【0040】
ブロックチェーンにおいて、トークンはパブリックアドレスとよばれる、各トークン所有者に固有の識別情報に紐づけられている。また、ブロックチェーンはノードだけでなくPCやスマートフォンなどの任意の情報処理端末から閲覧可能である、このため、所有者はブロックチェーンを閲覧することにより、自己のパブリックアドレスに関する取引記録からトークン残高等を容易に確認できる。
【0041】
トークン管理部2は、トークン付与部15、通信I/F部17、登録処理部18、トークンデータベース19からなり、ユーザー端末20からの要求に応じて、ブロックチェーンシステム30に対して、ユーザートークン配布管理開始を指示する機能と、メーカー端末20からの登録要求に応じて、ブロックチェーンシステム30に対して、メーカートークン配布管理開始を指示する機能を有している。
【0042】
またトークン付与部15は、解析部133の解析結果に基づいて、ユーザーにトークンを付与する。トークン付与部15は、商品データベース143を参照し、解析部133が特定したメーカーが提供する商品情報を抽出する。具体的には、メーカーが登録している商品と当該商品の購買データを提供した時に付与される事前に登録されている(予め定めた規則に基づいて付与される)メーカートークンを参照し、特定する。次にトークン付与部15は解析部133で特定した購買データ内に含まれる商品に対して商品データベース143で対応するメーカートークンをユーザー端末20に送信する。
【0043】
なお、メーカーが付与するトークンとしては、商品購入の代金の一部とできるいわゆるポイントの他、割引券、優待券、景品プレゼント券など、様々な特典となる形態であって良い。
【0044】
本発明では、解析部133による解析の結果、ユーザーからの購買データが商品データベース143に該当する商品が存在しない場合、ユーザーに対しメーカートークンとは別種の汎用トークンを付与するようにしている。この汎用トークンは任意のメーカートークン等に振替可能なトークンであり、これによって、ユーザーが商品データベース143に未登録の商品の購買データを登録したとしても、一定のトークンを付与することができ、登録商品以外の商品の購買データを購買情報データベース142に登録することにより、消費者による幅広い商品購入データを取得する事ができる。即ち、ユーザーは、商品購入データをユーザー端末10から送信さえすれば、何らかのトークンを得ることができ、よりインセンティブを高めることができるため、結果として、メーカーは多くの消費行動に係る
データを取得することが可能となる。
【0045】
具体的には、ユーザー購買情報管理部3において、ユーザー端末10からアップロードされたレシート及び商品のデータを分析し、メーカートークンが登録されていない商品であると判断した場合、汎用トークンをユーザーに付与するよう、ユーザー購買情報管理部3からトークン管理部2に指示する。そしてアップロードされたデータを購買情報データベース142にアップデートする。メーカー側は、ユーザーによる他社商品購入データを入手したい場合、メーカー端末22を使い購買情報データベース142に記録されている情報を特定条件で検索し、当該検索結果をダウンロードする。この時、閲覧するメーカーは、所定の汎用トークンをシステム側に支払うことで、閲覧可能となっている。即ち、汎用トークンの原資は、当該システムを利用するメーカーが、消費者による
他社製品の購入データを入手する対価として支払うトークンである。
【0046】
トークン処理部4は、メーカートークンが付与されていない商品のレシートをユーザー端末20からアップロードされた場合、当該ユーザーに対しトークン管理部2から
汎用トークンを付与する。付与された汎用トークンは、マーケットプレイスでメーカーが提供するメーカートークンや商品、或いはその他のサービスに交換できる。ユーザー購買情報管理部3とトークン管理部2は連動しており、メーカーによる汎用トークンの支払い確認と同時に、支払った汎用トークンデータをメーカー側に提供する。
【0047】
以下、
図6をもとにして、実際のトークン付与・管理に係る動作を説明する。なお、本実施形態では、トークンをいわゆるポイントと同義のものとして扱い、その数量単位をTT(トークン)と呼ぶ。
図6は、ユーザーがある小売店においてAメーカーのカメラを購入した際のトークン付与の例を示している。ユーザーは購入したカメラのレシートと商品バーコードをユーザー端末20で読み取り、当該情報はサーバー装置1に送信され、判定部132の判定、解析部133による解析、商品特定部134による商品特定を経た後、購買情報データベース143に保存される。
【0048】
その後、ユーザー購買情報管理部3は、購買情報データベース143に登録されたカメラのレシートとバーコード情報と事前にブロックチェーンシステム30に登録しておいた商品のメーカートークンの数量(例えば、カメラ200TT)を照合し、ユーザー端末20のウォレット内の公開鍵を使用し、上記200TTのトークンの所有権を、Aメーカーからカメラ購入のユーザーに移転する。その結果、ユーザーが従前に保有していたAメーカーのトークン数が5000TTから5200TTに増加する。上記の変更結果は、ユーザー端末21にも送信される。
【0049】
その後、Aメーカーのメーカー端末22には、ブロックチェーンシステム30から取得した新たなブロックチェーンに基づき、自己のメーカートークの配布数を確認して、トークン配布の完了を画面表示する。これにより、販売商品に関するメーカートークンが初期値の300TTから200TTが引かれ、残高100TTに更新されたことが画面表示される。
【0050】
図7は、ユーザーが獲得したAメーカーのトークンを使用する際の例を示す図である。ユーザーはAメーカーのトークンをメーカーが定める特典(商品やサービスとの交換、割引等)により消費することができる。今回はAメーカーのトークンをAメーカーの商品であるスマートフォンと交換する例を示している。
【0051】
まず、ユーザーはユーザー端末20からAメーカーの電子カタログを参照する。その中でメーカートークンと交換をしたい商品であるスマートフォンを選択し、スマートフォンとの交換に必要なAメーカートークンの支払いを決定する。当該決定された情報は、ユーザー購買情報管理部3に送信され、ユーザー購買情報管理部3からスマートフォンを獲得する為のユーザートークン(例えば4000TT)をブロックチェーン上でユーザー端末20のウォレットからメーカー端末22のウォレットに移動させる。その後、Aメーカーはスマートフォンの発送をユーザーに向けて行う。Aメーカーはメーカーカタログへの商品の登録をユーザー購買情報管理部3にあるトークンカタログ管理部9にて行う。
【0052】
また、ユーザー端末20及びメーカー端末22は、ブロックチェーンシステム30によって自己のトークン残高を管理しているため、トークン管理部2を介さず、両端末間で直接トークンを容易にやり取りすることができる。例えば、あるユーザーから他のユーザーへトークンを譲渡する場合、譲渡元ユーザー端末20において、譲渡先ユーザー及びトークン譲渡額を指定して、ブロックチェーンシステム30にトークン支払指示を送信すればよい。これにより、ブロックチェーンシステム30で、譲渡元及び譲渡先のユーザートークン残高間でトークン譲渡額分のトークンが決済されることになる。
【0053】
なお、メーカートークンは、発行条件を付すことができる。例えば、発行対象となる消費者の条件や、発行タイミング、購買された商品を含む。消費者の条件としては、商品を
購入した店舗、消費者の年齢、職業、住所、購買情報データベース142に記憶されている過去の購買情報など、ユーザー購買情報管理部3が管理する全ての情報が挙げられる。発行タイミングとしては、ユーザーが
購入した商品のレシートと商品のバーコードを読み取ったとき、受信部131が商品コードを受信したときなどである。また、商品使用時からの日数を用いる場合には、消費者が利用シーン画像を送信したときからの日数やレシートに記載されている日時などで特定することができる。
【0054】
図8は、汎用トークンの付与例及び使用例を説明する図である。ユーザーがある小売店においてAメーカーのカメラとBメーカーのSDカードを購入した際のトークン付与の例を示している。ユーザーは購入したカメラとSDカードのレシートと商品バーコードをユーザー端末20で読み取り、当該情報をサーバー装置1に送信する。送信された情報は、判定部132による判定、解析部133による解析、商品特定部134による処理を経た後、購買情報データベース142に保存される。
【0055】
Aメーカーはメーカートークンを付与しているため、ユーザーにAメーカーのトークンが付与される。一方、レシートに記録されているBメーカーのSDカードの購入データは購買情報データベース142に保存されるものの、Bメーカーはトークン付与に参加していないため、Bメーカーのメーカートークンは付与されないが、その代わりに汎用トークンが付与される。
【0056】
Aメーカーはマーケットリサーチのために、消費者が購入している他社商品の詳細データを取得したいという希望がある。Aメーカーはユーザー購買情報管理部3に対しデータ検索を実行し、その結果を得るために汎用トークンを支払い、データを入手する。
【0057】
Aメーカーによる汎用トークンの入手方法は2つのパターンがあり、一つはトークンのマーケットプレイスで汎用トークンを購入する方法であり、もう一つは、A社の電子カタログに掲載されている商品を汎用トークンによって交換する方法である。ユーザーは付与された汎用トークンを、A社を含む電子カタログで提供されたメーカー商品を選定し、汎用トークンを使用して購入することができる。またユーザーは、付与された汎用トークンをマーケットプレイスで好きなメーカートークンにも交換できる。
【0058】
以上のとおり、本発明によれば、ユーザーが利用するトークンとして、メーカーのそれぞれが予め設定した
商品を購入した情報の対価として、メーカーからユーザーに対して仮想的に
支払う電子化された貨幣価値媒体からなるトークンを用い、ブロッチェーンシステム30が、ブロックチェーンに基づいて、ユーザーが所有するトークンのユーザートークン残高及びメーカーが所有するトークンのメーカートークン配布数と残高を管理し、ユーザー端末21が、メーカートークンを消費する事ができるようにするとともに、仮に実際に購入した商品がメーカートークン発行対象外であったとしても、汎用トークンを別途に発行することにより、消費者による情報提供を促すことができる。
【0059】
また、ユーザー及びメーカーのトークン残高をトークン管理システム2で一元管理するのではなく、ブロックチェーンシステム30を利用して、ユーザー端末21及びメーカー端末22がトークン残高を分散管理することになる。
【0060】
これにより、一般的なHTTPなどのプロトコルや暗号化技術を用いたデータ通信により、トークンをやり取りする場合と比較して、ブロックチェーンシステム30により担保される高いセキュリティ性に基づいて、トークン残高を更新することができ、より安全にトークンを流通させることが可能となる。
【解決手段】メーカートークン管理システム1において、メーカーは自社のメーカートークンをブロックチェーン上に発行し、自社商品を含む購買データをブロックチェーン上にアップロードしたユーザーに対して、一定数のトークンを直接的に付与する。ユーザーに対して付与されたトークン及びユーザーが使用したトークンは、トークン管理システムによって管理する。