【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の凍結体製造装置は、有底筒状の凍結用流体槽に貯留された凍結用低温流体に向けて、液体原料を噴霧又は滴下して、粒状又は滴状の凍結体を作成するものであって、その特徴構成は、
底壁部が前記凍結体を通過不能でかつ前記凍結用低温流体を通過可能な多孔状に形成され且つ側壁部が非多孔状でかつ平滑状の内面を備える形態に形成された有底筒状の凍結体収納体が、底壁部側部分を前記凍結用低温流体に浸漬させた状態に前記凍結用流体槽に装着自在に、かつ、前記凍結用流体槽の上方に離脱自在に設けられ、
前記凍結体収納体の前記底壁部が、前記凍結体の取出しのために開閉自在に構成され
、
前記凍結体収納体が、繊維材を織物加工して形成された袋状体と、当該袋状体の内部に配置されて前記側壁部を形成する筒体とを備え、前記袋状体における前記筒体の下方に位置する底部側部分にて、前記底壁部を形成する形態に構成され、
前記袋状体の前記底部側部分に、凍結体取出用開口が形成され、且つ、当該凍結体取出用開口を閉じる状態に前記袋状体に着脱自在に装着される留め具が設けられている点にある。
【0010】
すなわち、有底筒状の凍結体収納体が、底壁部側部分を凍結用低温流体に浸漬させた状態に凍結用流体槽に装着されているから、凍結用流体槽に貯留された凍結用低温流体に向けて液体原料を噴霧又は滴下することにより作成される凍結体が、凍結体収納体の内部に収納されることになる。
【0011】
そして、凍結体収納体が、凍結用流体槽の上方に離脱できるものであるから、作成された凍結体を、凍結用流体槽の凍結用低温流体から取出す際には、凍結体収納体を凍結用流体槽の上方に離脱させるだけで、作成された凍結体を凍結用低温流体から容易に取出すことができる。
尚、凍結体収納体を凍結用流体槽の上方に離脱させる際には、凍結体収納体の内部の凍結用低温流体が、凍結体収納体の底壁部を通過して外部に排出される。
【0012】
加えて、凍結体収納体の底壁部が、凍結体の取出しのために開閉自在に構成されているから、凍結体収納体に収納されている凍結体を真空乾燥機に装填する際には、凍結体収納体の底壁部を開くことによって、凍結体収納体に収納されている凍結体を、凍結体収納体の底壁部より取出して真空乾燥機に装填することができるため、凍結体収納体に収納されている凍結体を、容易に真空乾燥機に装填することができる。
【0013】
ちなみに、例えば、凍結体収納体に収納されている凍結体を真空乾燥機に装填する際に、凍結体収納体を上下反転させて、凍結体収納体の上部開口より凍結体を取出しながら、真空乾燥機に装填することが考えられるが、この場合、凍結体収納体を上下反転させる作業が煩雑となり、しかも、凍結体収納体の側壁部における上方側部分に凍結体が融解して付着する等のトラブルを発生する虞がある。
【0014】
このように、作成された凍結体を凍結用流体槽の凍結用低温流体から取出すこと、及び、凍結体収納体に収納されている凍結体を真空乾燥機に装填することを容易に行えるものであるから、凍結用低温流体中の凍結体を真空乾燥機に移載する作業の容易化を図ることができる。
【0015】
しかも、凍結体収納体の側壁部が、非多孔状でかつ平滑状の内面を備える形態に形成されているから、凍結用流体槽に貯留された凍結用低温流体に向けて液体原料を噴霧又は滴下して凍結体を作成する際に、側壁部における凍結用低温流体よりも上方に位置する部分の内面に向けて、凍結体が飛散しても、飛散した凍結体が側壁部の平滑状の内面に沿って滑り落ちる等、側壁部の内面に付着して融解することを回避できるため、凍結体を良好に作成できる。
【0016】
要するに、本発明の凍結体製造装置の特徴構成によれば、凍結用低温流体中の凍結体を真空乾燥機に移載する作業の容易化を図ることができ、しかも、凍結体を良好に作成できる。
【0018】
また、凍結体収納体が、繊維材を織物加工して形成された袋状体と、当該袋状体の内部に配置されて側壁部を形成する筒体とを備え、袋状体における筒体の下方に位置する底部側部分にて、底壁部を形成する形態に構成されるものであるから、つまり、各別に形成できる袋状体と筒体とを組み合わせて凍結体収納体を構成するものであるから、凍結体収納体の製作の容易化を図ることができる。
【0019】
そして、袋状体が、繊維材を織物加工して、多孔状となるように形成されるものであるから、袋状体にて形成される凍結用低温流体を通過させる孔の大きさを、十分に小さな大きさにすることができるため、十分小さな大きさの凍結体を作成することができる。
【0020】
また、袋状体とは別体として形成される筒体は、例えば、ステンレス等の金属材にて表面が十分に滑らかとなる状態に形成できるものであるから、凍結用流体槽に貯留された凍結用低温流体に向けて液体原料を噴霧又は滴下して凍結体を作成する際に、凍結体収納体の側壁部として機能する筒体の内面に向けて、凍結体が飛散しても、飛散した凍結体が内面に付着して融解することを適切に回避し易いものとなる。
【0021】
加えて、袋状体の底部側部分に、凍結体取出用開口が形成され、且つ、当該凍結体取出用開口を閉じる状態に袋状体に着脱自在に装着される留め具が設けられているから、袋状体に収納されている凍結体を真空乾燥機に装填するために取出す際には、留め具を外して、凍結体取出用開口を開き状態にすることによって、袋状体に収納されている凍結体を、凍結体取出用開口を通して排出することができるため、袋状体に収納されている凍結体の取出しを良好に行うことができる。
【0022】
要するに、本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成によれば、凍結体収納体の製作の容易化を図ることができ、また、十分に小さな大きさの凍結体を作成することができ、しかも、凍結体が側壁部の内面に付着して融解することを適切に回避でき、さらには、凍結体収納体に収納されている凍結体の取出しを良好に行うことができる。
【0023】
本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成は、前記筒体の下端が、前記袋状体の前記底部側部分を浮き上がり不能に押圧する状態に位置されている点にある。
【0024】
すなわち、袋状体の底部側部分が、凍結用低温流体に浸漬させた際に、浮き上がる虞があるが、筒体の下端が、袋状体の底部側部分を浮き上がり不能に押圧して、袋状体の底部側部分の浮き上がりが阻止されることになるため、袋状体の底部側部分を凍結用低温流体に浸漬させた適切な状態に維持させることができる。
【0025】
このように、袋状体の底部側部分を凍結用低温流体に浸漬させた状態に適切に維持させることができるから、袋状体における凍結用低温流体に浸漬させた底部側部分にて、作成される凍結体を適切に収納しながら、凍結体の作成を一層良好に行うことができる。
【0026】
要するに、本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成によれば、凍結体の作成を一層良好に行うことができる。
【0027】
本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成は、前記袋状体の前記底部側部分が、前記凍結体取出用開口に近づくほど細くなる傾斜状に形成されている点にある。
【0028】
すなわち、袋状体の底部側部分が、凍結体取出用開口に近づくほど細くなる先細り状に形成されているから、袋状体に収納されている凍結体を、凍結体取出用開口を通して排出する際に、袋状体に収納されている凍結体を凍結体取出用開口の形成部分に寄せ集めるようにしながら、凍結体取出用開口を通して排出することができるため、袋状体に収納されている凍結体の取出しを一層良好に行うことができる。
【0029】
要するに、本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成によれば、袋状体に収納されている凍結体の取出しを一層良好に行うことができる。
【0030】
本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成は、前記凍結体収納体が、前記袋状体を着脱自在に収納しかつ多孔状に形成された有底筒状の保護体を備えている点にある。
【0031】
すなわち、繊維材を織物加工して形成された袋状体は、凍結用流体槽から上方に離脱させる(取出す)際に、作成された凍結体の重量や袋状体の内部に侵入している凍結用低温流体の重量によって、破れる等の損傷を生じる虞があるが、多孔状に形成された有底筒状の保護体の内部に袋状体を収納することにより、袋状体が外方に拡がることを阻止するように保護体にて受止めることにより、袋状体の損傷を抑制することができる。
【0032】
従って、保護体を、ステンレス等の金属材にて十分な強度を備えるように構成すれば、袋状体には大きな強度を備えさせなくても、袋状体の損傷を抑制しながら、凍結体の作成を良好に行うことができる。
【0033】
要するに、本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成によれば、袋状体の損傷を抑制しながら、凍結体の作成を良好に行うことができる。
【0034】
本発明の凍結体製造装置
は、有底筒状の凍結用流体槽に貯留された凍結用低温流体に向けて、液体原料を噴霧又は滴下して、粒状又は滴状の凍結体を作成するものであって、その特徴構成は、
底壁部が前記凍結体を通過不能でかつ前記凍結用低温流体を通過可能な多孔状に形成され且つ側壁部が非多孔状でかつ平滑状の内面を備える形態に形成された有底筒状の凍結体収納体が、底壁部側部分を前記凍結用低温流体に浸漬させた状態に前記凍結用流体槽に装着自在に、かつ、前記凍結用流体槽の上方に離脱自在に設けられ、
前記凍結体収納体の前記底壁部が、前記凍結体の取出しのために開閉自在に構成され、
前記凍結用流体槽を昇降操作自在に載置する運搬台車が設けられ、
前記凍結用流体槽の蓋体が、当該蓋体の下方位置から前記凍結用流体槽が上昇されるに伴って前記凍結用流体槽に装着される形態で固定配置され、
前記液体原料を噴霧又は滴下する原料供給部が、前記蓋体に装着されている点にある。
【0035】
すなわち、有底筒状の凍結体収納体が、底壁部側部分を凍結用低温流体に浸漬させた状態に凍結用流体槽に装着されているから、凍結用流体槽に貯留された凍結用低温流体に向けて液体原料を噴霧又は滴下することにより作成される凍結体が、凍結体収納体の内部に収納されることになる。
そして、凍結体収納体が、凍結用流体槽の上方に離脱できるものであるから、作成された凍結体を、凍結用流体槽の凍結用低温流体から取出す際には、凍結体収納体を凍結用流体槽の上方に離脱させるだけで、作成された凍結体を凍結用低温流体から容易に取出すことができる。
尚、凍結体収納体を凍結用流体槽の上方に離脱させる際には、凍結体収納体の内部の凍結用低温流体が、凍結体収納体の底壁部を通過して外部に排出される。
加えて、凍結体収納体の底壁部が、凍結体の取出しのために開閉自在に構成されているから、凍結体収納体に収納されている凍結体を真空乾燥機に装填する際には、凍結体収納体の底壁部を開くことによって、凍結体収納体に収納されている凍結体を、凍結体収納体の底壁部より取出して真空乾燥機に装填することができるため、凍結体収納体に収納されている凍結体を、容易に真空乾燥機に装填することができる。
ちなみに、例えば、凍結体収納体に収納されている凍結体を真空乾燥機に装填する際に、凍結体収納体を上下反転させて、凍結体収納体の上部開口より凍結体を取出しながら、真空乾燥機に装填することが考えられるが、この場合、凍結体収納体を上下反転させる作業が煩雑となり、しかも、凍結体収納体の側壁部における上方側部分に凍結体が融解して付着する等のトラブルを発生する虞がある。
このように、作成された凍結体を凍結用流体槽の凍結用低温流体から取出すこと、及び、凍結体収納体に収納されている凍結体を真空乾燥機に装填することを容易に行えるものであるから、凍結用低温流体中の凍結体を真空乾燥機に移載する作業の容易化を図ることができる。
しかも、凍結体収納体の側壁部が、非多孔状でかつ平滑状の内面を備える形態に形成されているから、凍結用流体槽に貯留された凍結用低温流体に向けて液体原料を噴霧又は滴下して凍結体を作成する際に、側壁部における凍結用低温流体よりも上方に位置する部分の内面に向けて、凍結体が飛散しても、飛散した凍結体が側壁部の平滑状の内面に沿って滑り落ちる等、側壁部の内面に付着して融解することを回避できるため、凍結体を良好に作成できる。
要するに、本発明の凍結体製造装置の特徴構成によれば、凍結用低温流体中の凍結体を真空乾燥機に移載する作業の容易化を図ることができ、しかも、凍結体を良好に作成できる。
また、凍結体を作成する際には、固定配置された蓋体の下方箇所に、運搬台車に載置された凍結用流体槽を、運搬台車を走行させながら移動させ、その後、凍結用流体槽を運搬台車による上昇操作によって上昇させて、凍結用流体槽の上部に蓋体が装着された状態とする。
【0036】
このように、凍結用流体槽の上部に蓋体が装着された状態において、蓋体に装着されている原料供給部から液体原料を噴霧又は滴下して、凍結体を作成する。
【0037】
作成された凍結体を真空乾燥機に移載する際には、凍結用流体槽を運搬台車による下降操作によって下降させて、凍結用流体槽の上部から蓋体が外れた状態とする。
次に、運搬台車に載置された凍結用流体槽を、運搬台車を走行させながら、凍結体を真空乾燥機に装填する箇所に移動させ、その後、凍結体収納体を凍結用流体槽の上方に離脱させ、凍結体収納体に収納されている凍結体を、凍結体収納体の底壁部より取出して真空乾燥機に装填する。
【0038】
このように、凍結体を作成する箇所及び凍結体を真空乾燥機に装填する箇所に、凍結用流体槽を運搬台車に載置しながら移動させることができるため、凍結体を作成しかつ作成した凍結体を真空乾燥機に移載する作業の容易化を図ることができる。
【0039】
しかも、作成された凍結体を真空乾燥機に移載する際には、凍結体を真空乾燥機に装填する直前まで、凍結体を収納する凍結体収納体を凍結用流体槽に装着した状態、換言すれば、凍結体を収納する凍結体収納体を凍結用低温流体に浸漬させた状態に維持できるため、作成された凍結体を真空乾燥機に移載する際に、凍結体が融解して損傷してしまう等のトラブルの発生を回避して、作成された凍結体を真空乾燥機に良好に移載することができる。
【0040】
要するに、本発明の凍結体製造装置の更なる特徴構成によれば、凍結体を作成しかつ作成した凍結体を真空乾燥機に移載する作業の容易化を図ることができ、しかも、作成された凍結体を真空乾燥機に良好に移載することができる。