【実施例1】
【0015】
図1は、情報処理装置のハードウェア構成図である。
図1に示すように、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、メインメモリ12、ハードディスク13、PCH(Platform Control Hub)14、マイクロコンピュータ15及びUSB(Universal Serial Bus)バススイッチ16を有する。
【0016】
ハードディスク13は、情報処理装置1の補助記憶装置である。ハードディスク13は、OS(Operating System)及びアプリケーションを含む各種プログラムを記憶する。また、メインメモリ12は、主記憶装置である。さらに、CPU11が搭載されたマザーボード上には図示しないROM(Read Only Memory)が搭載され、SMBIOS(System Management Basic Input Output System)が格納される。
【0017】
CPU11は、バスでメインメモリ12及びハードディスク13と接続されている。CPU11は、SMBIOSをマザーボード上のROMから読み込み実行する。CPU11は、SMBIOSを実行することで、ハードディスク13及び無線モジュール2を含むハードウェアの初期設定を行う。本実施例に係る情報処理装置1は、このSMBIOSによるハードウェアの初期設定の段階で、無線モジュール2のDPCテーブルの設定を行う。
【0018】
その後、CPU11は、ハードディスク13からOSを読み込み、メインメモリ12を使用してOSを起動する。さらに、CPU11は、アプリケーションを含む各種プログラムをハードディスク13から読み込みメインメモリ12上に展開して実行する。
【0019】
また、CPU11は、PCH14と接続される。PCH14は、周辺機器用のプロセッサである。PCH14は、無線モジュール2の管理及び制御を行うとともに、CPU11とUSBバススイッチ16に接続された無線モジュール2との通信を仲介する。
【0020】
マイクロコンピュータ15は、CPU11から独立したコンピュータである。マイクロコンピュータ15は、バスによりPCH14及びUSBバススイッチ16と接続される。また、マイクロコンピュータ15は、無線モジュール2からウェイクアップ信号を受信する無線モジュール2に直接つながる経路を有する。マイクロコンピュータ15は、CPU11により初期設定が実行される以前の無線モジュール2などの周辺機器の設定及び制御を、CPU11から独立して行う。
【0021】
USBバススイッチ16は、PCH14及びマイクロコンピュータ15へ繋がる経路を有する。さらに、USBバススイッチ16は、無線モジュール2に接続する。そして、USBバススイッチ16は、無線モジュール2に接続する経路が繋がる先が、PCH14又はマイクロコンピュータ15の何れかとなるように選択的に切り替える。
【0022】
無線モジュール2は、情報処理装置1が有する図示しないUSBポートに挿入されることで、USBバススイッチ16を介してPCH14又はマイクロコンピュータ15に接続する。また、無線モジュール2は、情報処理装置1が有するUSBポートに挿入されると、ウェイクアップ信号を送信する経路がマイクロコンピュータ15との間で直接繋がる。
【0023】
無線モジュール2は、例えば無線WAN(Wide Area Network)などの無線通信を行う。そして、無線モジュール2は、PCH14からの制御を受けて、CPU11との間で信号の送受信を行う。
【0024】
図2は、無線モジュールのハードウェア構成図である。無線モジュール2は、プロセッサ21、メモリ22、電源IC23、RF(Radio Frequency)回路24及びバスインタフェース25を有する。
【0025】
バスインタフェース25は、無線モジュール2が情報処理装置1のUSBポートと接続された状態で、プロセッサ21が
図1に示すUSBバススイッチ16を介して、PCH14及びマイクロコンピュータ15と通信を行うためのインタフェースである。また、バスインタフェース25は、USBポートの電源ポートから供給される電源を電源IC23へ供給する。
【0026】
電源IC(Integrated Circuit)23は、プロセッサ21及びバスインタフェース25などを含む各部との間に受給電経路を有する。ここで、
図2では、電源IC23からの給電経路として、プロセッサ21へ延びる経路を記載しているが、実施にはメモリ22及びRF回路24に対しても給電経路が延びる。
【0027】
電源ICは、バスインタフェース25を介してUSBポートの電源ポートから供給される電源の供給を受ける。そして、電源IC23は、プロセッサ21、メモリ22及びRF回路24を含む無線モジュール2の電力を使用する各部へ電源を供給する。
【0028】
プロセッサ21は、メモリ22、RF回路24及びバスインタフェース25とバスで接続される。プロセッサ21は、PCH14及びマイクロコンピュータ15から制御を受けて、メモリ22及びRF回路24を用いて無線通信のプロセスを実行する。
【0029】
RF回路24は、外部の装置との間で無線通信を行う回路である。RF回路24は、プロセッサ21から取得した信号を外部の装置へ送信する。また、RF回路24は、外部の装置から受信した信号をプロセッサ21へ送信する。
【0030】
次に、
図3を参照して、本実施例に係る情報処理装置1及び無線モジュール2によるDPCテーブルを用いた通信について詳細に説明する。
図3は、実施例1に係る情報処理装置及び無線モジュールのブロック図である。
【0031】
情報処理装置1は、USBバススイッチ16、演算処理部101、スイッチ切替部102、判定部103、書込部104及び記憶部105を有する。
【0032】
演算処理部101は、
図1に例示したCPU11、メインメモリ12、ハードディスク13及びPCH14で実現される。演算処理部101は、USBバススイッチ16を介して無線モジュール2の通信制御部203に信号の送受信の指示を送る。そして、演算処理部101は、通信制御部203を用いて、外部の装置との間で信号の授受を行う。
【0033】
スイッチ切替部102、判定部103、書込部104及び記憶部105は、
図1に例示したマイクロコンピュータ15により実現される。
【0034】
記憶部105は、マイクロコンピュータ15に内蔵されたメモリである。記憶部105は、情報処理装置1の例えば装置名などの情報処理装置1の種類を識別するための識別情報を予め記憶する。ここで、情報処理装置の識別情報とは、SAR規格に準拠するために送信出力を低下させる設定が同じ、言い換えれば同じDPCテーブルを用いることができる装置を識別することができる情報であればよい。また、記憶部105は、情報処理装置1がSAR規格を満足するために周波数毎の送信出力を下げる設定値が記載されたDPCテーブル150を予め記憶する。
【0035】
図4は、DPCテーブルの一例の図である。
図4に示すように、例えば、DPCテーブル150は、通信モード毎に周波数毎のDPC設定値を有する。DPC設定値は、どのくらい送信出力を低下させるかを表す値である。このように、DPCテーブル150は、周波数毎の送信出力を下げる設定値として、1つの通信モードだけでなく、複数の通信モードにおける周波数毎のDPC設定値を有してもよい。
【0036】
図3に戻って説明を続ける。スイッチ切替部102は、情報処理装置1が有する図示しないUSBポートに無線モジュール2が接続されると、
図1に示すマイクロコンピュータ15と無線モジュール2とを直接繋ぐウェイクアップ信号を受信する経路に接続される。
【0037】
スイッチ切替部102は、情報処理装置1が起動すると、ウェイクアップ信号を受信する経路を介して接続通知部201からウェイクアップ信号を受信する。ここで、
図3では、スイッチ切替部102は、接続通知部201からウェイクアップ信号を受信するが、実際には、例えば以下の方法でウェイクアップ信号が入力される。例えば、マイクロコンピュータ15に繋がるウェイクアップ信号を受信する経路に常時Highの電圧がかかっている。そして、無線モジュール2が接続されることで、電圧が下がりLowの電圧がマイクロコンピュータ15に入力される。スイッチ切替部102は、Lowの電圧の入力を受けてウェイクアップ信号が入力されたと判定する。
【0038】
スイッチ切替部102は、ウェイクアップ信号の入力を受けると、USBバススイッチ16の経路を、
図1に示すマイクロコンピュータ15と無線モジュール2とを接続する経路に切り替える。これにより、マイクロコンピュータ15が無線モジュール2の制御を行える状態となる。
【0039】
その後、スイッチ切替部102は、経路の復帰要求の入力を判定部103又は書込部104から受ける。そして、スイッチ切替部102は、USBバススイッチ16の経路を、
図1に示すPCH14と無線モジュール2とを接続する経路に切り替える。これにより、演算処理部101が無線モジュール2を用いて外部の装置と通信を行える状態となる。
【0040】
判定部103は、USBバススイッチ16がスイッチ切替部102により無線モジュール2とマイクロコンピュータ15とを接続するように切り替えられると、無線モジュール2の記憶部202が保持する識別情報を取得する。記憶部202が保持する識別情報は、無線モジュール2が前回接続された情報処理装置の識別情報である。また、無線モジュール2が以前に情報処理装置に接続されたことが無い場合、記憶部202は識別情報を有さない。その場合、判定部103は、空白、すなわち情報なしを記憶部202から取得する。
【0041】
次に、判定部103は、記憶部202から取得した識別情報が空白か否かを判定する。識別情報が空白の場合、判定部103は、記憶部202には情報処理装置1に対応したDPCテーブル150が格納されていないと判定する。そして、判定部103は、DPCテーブル150及び情報処理装置1の識別情報の書き込みを書込部104に指示する。
【0042】
これに対して、識別情報が空白でない場合、判定部103は、記憶部105に記憶された情報処理装置1の識別情報を取得する。そして、判定部103は、無線モジュール2の記憶部202から取得した識別情報と情報処理装置1の識別情報とを比較する。識別情報が一致した場合、判定部103は、無線モジュール2の記憶部202が記憶するDPCテーブル220が、情報処理装置1に対応したDPCテーブル150と同じ内容であると判定する。その後、判定部103は、経路の復帰要求をスイッチ切替部102へ出力する。
【0043】
これに対して、識別情報が一致しない場合、判定部103は、記憶部202に格納されたDPCテーブル220は、情報処理装置1に対応したDPCテーブル150とは異なる内容であると判定する。そして、判定部103は、DPCテーブル150及び情報処理装置1の識別情報の書き込みを書込部104に指示する。
【0044】
書込部104は、DPCテーブル150及び情報処理装置1の識別情報の書き込みの指示を判定部103から受ける。書込部104は、情報処理装置1のDPCテーブル150を記憶部105から取得する。そして、書込部104は、USBバススイッチ16を介して、無線モジュール2の記憶部202が記憶するDPCテーブル220の内容をDPCテーブル150の内容に書き換える。
【0045】
さらに、書込部104は、情報処理装置1の識別情報を記憶部105から取得する。そして、書込部104は、USBバススイッチ16を介して、無線モジュール2の記憶部202が記憶する識別情報を情報処理装置1の識別情報へと書き換える。その後、書込部104は、経路の復帰要求をスイッチ切替部102へ出力する。
【0046】
次に無線モジュール2について説明する。無線モジュール2は、
図3に示すように、接続通知部201、記憶部202、通信制御部203を有する。
【0047】
記憶部202は、
図2に例示したメモリ22により実現される。記憶部202は、上述したように、情報処理装置1に接続された場合、保持するDPCテーブル220の内容が、情報処理装置1に対応するDPCテーブル150の内容へと書き換えられる。また、記憶部202は、情報処理装置1に接続された場合、保持するDPCテーブル220の内容が、情報処理装置1の識別情報へと書き換えられる。すなわち、記憶部202は、前回接続した情報処理装置の識別情報及び前回接続した情報処理装置に対応するDPCテーブル220を記憶する。記憶部202が記憶するDPCテーブル220も、例えば、
図4のDPCテーブルと同じ構成を有する。
【0048】
記憶部202は、識別情報の取得要求をUSBバススイッチ16を介して判定部103から受信する。そして、記憶部202は、自己が記憶する前回接続した情報処理装置の識別情報をUSBバススイッチ16を介して判定部103へ送信する。
【0049】
また、記憶部202は、DPCテーブル220をDPCテーブル150の内容へ更新する指示をUSBバススイッチ16を介して書込部104から受信する。そして、記憶部202は、自己が記憶するDPCテーブル220の内容をDPCテーブル150の内容を書き換え更新する。また、記憶部202は、識別情報を更新する指示をUSBバススイッチ16を介して書込部104から受信する。そして、記憶部202は、自己が記憶する識別情報を情報処理装置1の識別情報へと書き換え更新する。
【0050】
接続通知部201は、情報処理装置1が有するUSBポートへ無線モジュール2が接続されると、
図1に示すマイクロコンピュータ15と無線モジュール2とを直接繋ぐウェイクアップ信号を送信する経路に接続される。
【0051】
接続通知部201は、無線モジュール2が接続された情報処理装置1が起動されると、ウェイクアップ信号を送信する経路を介してスイッチ切替部102へウェイクアップ信号を送信する。ここで、例えば、マイクロコンピュータ15に繋がるウェイクアップ信号を送信する経路にLowの電圧を入力することで、ウェイクアップ信号を入力する場合、接続通知部201は、単にグランドに接続する経路であってもよい。
【0052】
通信制御部203は、
図2に例示したプロセッサ21及びRF回路24により実現される。通信制御部203は、演算処理部101からUSBバススイッチ16を介して受信した信号を外部の装置へ無線通信により送信する。また、通信制御部203は、外部の装置から受信した信号をUSBバススイッチ16を介して演算処理部101へ出力する。
【0053】
また、通信制御部203は、無線モジュール2が搭載された情報処理装置1へ人が近づいた場合、記憶部202が記憶するDPCテーブル220から、使用する通信モード及び周波数に応じたDPC設定値を取得する。そして、通信制御部203は、取得したDPC設定値を用いて送信出力を低下させる。ここで、本実施例では、人が近づいた場合に送信出力を下げるとして説明したが、逆に、通常は送信出力を下げておいて、送信時に人がいなければ出力を上昇させてもよい。また、情報処理装置1及び無線モジュール2は、人の近接を判定する近接センサなどを搭載していることが好ましい。
【0054】
次に、
図5を参照して、本実施例に係る情報処理装置1及び無線モジュール2におけるOS起動までの処理の流れについて説明する。
図5は、実施例1に係る情報処理装置及び無線モジュールにおけるOS起動までの処理のフローチャートである。
【0055】
操作者により情報処理装置1に電源が入れられ、情報処理装置1の演算処理部101は起動を開始する(ステップS101)。
【0056】
スイッチ切替部102は、接続通知を接続通知部201から受信する(ステップS102)。
【0057】
スイッチ切替部102は、USBバスの経路がマイクロコンピュータ15と無線モジュール2とを接続する経路となるように、USBバススイッチ16を切り替える(ステップS103)。
【0058】
判定部103は、識別情報をUSBバススイッチ16を介して無線モジュール2の記憶部202から取得する(ステップS104)。
【0059】
判定部103は、取得した識別情報が空白か否かを判定する(ステップS105)。識別情報が空白でない場合(ステップS105:否定)、判定部103は、情報処理装置1の識別情報を記憶部105から取得する。そして、判定部103は、無線モジュール2の記憶部202から取得した識別情報と、情報処理装置1の識別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS106)。
【0060】
識別情報が一致した場合(ステップS106:肯定)、判定部103は、ステップS109へ進む。一方、識別情報が空白の場合(ステップS105:肯定)又は識別情報が一致しない場合(ステップS106:否定)、判定部103は、DPCテーブル150及び情報処理装置1の識別情報の書き込みを書込部104に指示する。書込部104は、DPCテーブル150及び情報処理装置1の識別情報の書き込みの指示を判定部103から取得する。そして、書込部104は、DPCテーブル書込用コマンドを無線モジュール2へ発行する(ステップS107)。
【0061】
記憶部202は、DPCテーブル書込用コマンドを受信し、自己が記憶するDPCテーブル220の内容をDPCテーブル150の内容に更新する。また、記憶部202は、自己が記憶する識別情報を情報処理装置1の識別情報に更新する(ステップS108)。
【0062】
判定部103又は書込部104は、USBバスの復帰要求をスイッチ切替部102に出力する。スイッチ切替部102は、USBバスの復帰要求の入力を判定部103又は書込部104から受ける。そして、スイッチ切替部102は、USBバスの経路がPCH14と無線モジュール2とを接続する経路となるように、USBバススイッチ16を切り替える(ステップS109)。
【0063】
その後、演算処理部101は、OSを起動する(ステップS110)。
【0064】
以上に説明したように、本実施例に係る情報処理装置は、接続された無線モジュールが保持するDPCテーブルが自装置に対応したDPCテーブルでない場合、無線モジュールが保持するDPCテーブルを自装置に対応したDPCテーブルに自動的に書き換える。これにより、無線モジュールは接続された情報処理装置に対応するDPCテーブルを自動的に有することになる。したがって、管理の煩雑さを軽減させつつ無線通信規格、特にBody−SAR規格に準拠することができる。
【実施例2】
【0065】
図6は、実施例2に係る情報処理装置及び無線モジュールのブロック図である。本実施例に係る無線モジュール2は、情報処理装置1のマイクロコンピュータ15ではなく、自らが主導してDPCテーブル220を管理することが実施例1と異なる。以下に、
図6を参照して、本実施例に係る情報処理装置1及び無線モジュール2について説明する。ただし、以下の説明では、実施例と同様の機能を有する各部については説明を省略する。
【0066】
本実施例に係る無線モジュール2は、接続通知部201、記憶部202、通信制御部203、判定部204及び書込部205を有する。判定部204及び書込部205は、
図1に例示したCPU11で実現される。具体的には、メモリ22に以下に記載する機能を実現するプログラムを含む各種プログラムを格納し、プロセッサ21がメモリ22から各種プログラムを読み出して実行することで、判定部204及び書込部205を実現する。
【0067】
判定部204は、情報処理装置1が起動すると、記憶部202から前回接続した情報処理装置の識別情報を取得する。そして、判定部204は、識別情報が空白か否かを判定する。識別情報が空白の場合、判定部204は、記憶部202が記憶するDPCテーブル220が情報処理装置1に対応していないと判定する。そして、判定部204は、DPCテーブル220及び識別情報の更新を書込部205に指示する。このとき、判定部204は、情報処理装置1の識別情報を書込部205へ出力する。
【0068】
一方、識別情報が空白でない場合、判定部204は、識別情報の取得要求をUSBバススイッチ16を介して送信部106へ送信する。その後、判定部204は、情報処理装置1の識別情報をUSBバススイッチ16を介して送信部106から取得する。そして、判定部204は、情報処理装置1の識別情報と前記接続した情報処理装置の識別情報とを比較する。識別情報が一致した場合、判定部204は、記憶部202が記憶するDPCテーブル220が情報処理装置1に対応していると判定する。そして、判定部204は、経路の復帰要求をUSBバススイッチ16を介してスイッチ切替部102へ送信する。
【0069】
これに対して、識別情報が一致しない場合、判定部204は、記憶部202が記憶するDPCテーブル220が情報処理装置1に対応していないと判定する。そして、判定部204は、DPCテーブル220及び識別情報の更新を書込部205に指示する。このとき、判定部204は、情報処理装置1の識別情報を書込部205へ出力する。
【0070】
書込部205は、DPCテーブル220及び識別情報の更新の指示を判定部204から受ける。このとき、書込部205は、情報処理装置1の識別情報の入力を判定部204から受ける。そして、書込部205は、DPCテーブル150の取得要求をUSBバススイッチ16を介して送信部106へ送信する。
【0071】
その後、書込部205は、DPCテーブル150をUSBバススイッチ16を介して送信部106から受信する。次に、書込部205は、DPCテーブル150の内容に、記憶部202が記憶するDPCテーブル220を書き換え更新する。さらに、書込部205は、記憶部202が記憶する識別情報を情報処理装置1の識別情報に書き換え更新する。その後、書込部205は、経路の復帰要求をUSBバススイッチ16を介してスイッチ切替部102へ送信する。
【0072】
次に、情報処理装置1について説明する。情報処理装置1は、USBバススイッチ16、演算処理部101、スイッチ切替部102、記憶部105及び送信部106を有する。
【0073】
送信部106は、識別情報の取得要求をUSBバススイッチ16を介して判定部204から受信する。そして、送信部106は、情報処理装置1の識別情報を記憶部105から取得する。その後、送信部106は、情報処理装置1の識別情報をUSBバススイッチ16を介して判定部204へ送信する。
【0074】
また、送信部106は、DPCテーブル150の取得要求をUSBバススイッチ16を介して書込部205から受信する。そして、送信部106は、DPCテーブル150を記憶部105から取得する。その後、送信部106は、DPCテーブル150をUSBバススイッチ16を介して書込部205へ送信する。
【0075】
スイッチ切替部102は、情報処理装置1の電源が投入され起動が開始し接続通知部201からウェイクアップ信号を受信すると、USBバススイッチ16の経路を、
図1に示すマイクロコンピュータ15と無線モジュール2とを接続する経路に切り替える。その後、スイッチ切替部102は、経路の復帰要求をUSBバススイッチ16を介して判定部204又は書込部205から受信する。そして、スイッチ切替部102は、USBバススイッチ16の経路を、
図1に示すPCH14と無線モジュール2とを接続する経路に切り替える。
【0076】
次に、
図7を参照して、本実施例に係る情報処理装置1及び無線モジュール2におけるOS起動までの処理の流れについて説明する。
図7は、実施例2に係る情報処理装置及び無線モジュールにおけるOS起動までの処理のフローチャートである。
【0077】
操作者により情報処理装置1に電源が入れられ、情報処理装置1の演算処理部101は起動を開始する(ステップS201)。
【0078】
スイッチ切替部102は、接続通知を接続通知部201から受信する(ステップS202)。
【0079】
スイッチ切替部102は、USBバスの経路がマイクロコンピュータ15と無線モジュール2とを接続する経路となるように、USBバススイッチ16を切り替える(ステップS203)。
【0080】
無線モジュール2の判定部204は、前回接続した情報処理装置の識別情報を記憶部202から取得する(ステップS204)。
【0081】
判定部204は、取得した識別情報が空白か否かを判定する(ステップS205)。識別情報が空白の場合(ステップS205:肯定)、判定部204は、ステップS207へ進む。
【0082】
これに対して、識別情報が空白でない場合(ステップS205:否定)、判定部204は、情報処理装置1の識別情報をUSBバススイッチ16を介して情報処理装置1の送信部106から取得する(ステップS206)。
【0083】
そして、判定部204は、以前接続した情報処理装置の識別情報と、情報処理装置1の識別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS207)。
【0084】
識別情報が一致した場合(ステップS207:肯定)、判定部204は、ステップS210へ進む。
【0085】
これに対して、識別情報が空白の場合(ステップS205:肯定)又は識別情報が一致しない場合(ステップS207:否定)、判定部204は、DPCテーブル150及び情報処理装置1の識別情報の更新を書込部205に指示する。書込部205は、DPCテーブル150及び情報処理装置1の識別情報の更新の指示を判定部204から取得する。そして、書込部205は、DPCテーブル150をUSBバススイッチ16を介して送信部106から取得する。その後、書込部205は、DCPテーブル150の情報を記憶部202が記憶するDCPテーブル220へ書込み更新する(ステップS208)。
【0086】
さらに、書込部205は、記憶部202が記憶する識別情報を削除して情報処理装置1の識別情報を書き込む(ステップS209)。
【0087】
判定部204又は書込部205は、USBバスの復帰要求をUSBバススイッチ16を介してスイッチ切替部102に出力する。スイッチ切替部102は、USBバスの復帰要求の入力をUSBバススイッチ16を介して判定部204又は書込部205から受ける。そして、スイッチ切替部102は、USBバスの経路がPCH14と無線モジュール2とを接続する経路となるように、USBバススイッチ16を切り替える(ステップS210)。
【0088】
その後、演算処理部101は、OSを起動する(ステップS211)。
【0089】
以上に説明したように、本実施例に係る無線モジュールは、自己が有するDPCテーブルが接続された情報処理装置に対応していない場合、自己が主導して自己が有するDPCテーブルを接続された情報処理装置に対応するDPCテーブルに書き換える。これにより、本実施例のように、DPCテーブルの管理を無線モジュール側で行う場合にも、無線モジュールは接続された情報処理装置に対応するDPCテーブルを自動的に有することになる。したがって、管理の煩雑さを軽減させつつ無線通信規格、特にBody−SAR規格に準拠することができる。
【0090】
また、以上の説明では、情報処理装置1の記憶部105が予め情報処理装置の識別情報を有する場合で説明したが、これに限らず、例えば、起動時にCPU11により動作するSMBIOSが、無線モジュールへ情報処理装置の識別情報を送る構成にしてもよい。