【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば上記目的は、
中央部に点検用開口1を備えた枠形状に形成されて壁面2に開設された壁開口3に嵌合、固定される外枠4と、
外枠4に着脱自在に装着されて該外枠4の点検用開口1を閉塞する蓋体5とを有し、
前記蓋体5の下端には、下端が前記外枠4の点検用開口1の下端縁部に形成された係止凹部6に回動自在に支承されるヒンジ用突片7が突設されるとともに、
該蓋体5の上縁部、および外枠4の点検用開口1の上縁部には蓋体5の起立状態を解除可能に保持する蓋体連結部8が設けられ、
かつ、前記係止凹部6の後方壁は上方に行くに従って漸次後方に移動する傾斜面により形成される壁用点検口を提供することにより達成される。
【0009】
壁用点検口は壁面2に固定される外枠4の点検用開口1を蓋体5で閉塞して形成される。蓋体5は下端にヒンジ用突片7を備えるとともに、外枠4には係止凹部6が形成され、蓋体5は、ヒンジ用突片7を係止凹部6に落とし込んだ後、ヒンジ用突片7と係止凹部6の底壁との接触部を回転中心として回転させ、さらに、上端を蓋体連結部8を使用して外枠4に連結して取り付けられる。
【0010】
したがって本発明において、蓋体5は、下端を係止凹部6に差し込んだ後、上端部を回転させるだけで装着することができるために、蓋体5が大きかったり重かったりしても、容易に取り付けることができる。
さらに、ヒンジ用突片7の先端を傾斜面からなる後方壁に沿わせるようにして落とし込んだ蓋体5の装着操作が可能になるために、より装着操作性が向上する。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
中央部に点検用開口1を備えた枠形状に形成されて壁面2に開設された壁開口3に嵌合、固定される外枠4と、
外枠4に着脱自在に装着されて該外枠4の点検用開口1を閉塞する蓋体5とを有し、
前記蓋体5の下端には、下端が前記外枠4の点検用開口1の下端縁部に形成された係止凹部6に回動自在に支承されるヒンジ用突片7が
突設されて、該蓋体5が下端前端部を回転支点とされるとともに、
該蓋体5の上縁部、および外枠4の点検用開口1の上縁部には蓋体5の起立状態を解除可能に保持する蓋体連結部8が設けられ、
かつ、前記蓋体5の全周縁部は、パッキン9を介して外枠4に接触して蓋体5周縁と外枠4との隙間が閉塞されるとともに、
前記蓋体5の裏面上縁、および裏面両側縁に対応するパッキン9は、前記点検用開口1の正面を向く外枠の各対応片に、蓋体5の下縁に対応するパッキン9は、蓋体5の下縁における後方側の下端部に、各々固定面に対して反対面を被押圧面として固定される壁用点検口を構成することができる。
【0012】
本発明において、蓋体5と外枠4との境界部にパッキン9を介在させることにより、点検口内部空間の密閉性を向上させることができる。
【0013】
また、蓋体5の取り付けがヒンジ用突片7の先端を回転中心とする回転操作により行われる本発明において、蓋体5の高さ寸法をアーム長とするてこの作用を利用することによってパッキン9に対する大きな押し潰し力を得ることができる。この結果、小さな操作力によってパッキン9に対する十分な撓み量を与えることができ、取り付け作業性を低下させることなく、十分な密閉性能を発揮させることが可能になる。
【0014】
また、前記パッキン9は、蓋体5の裏面上縁、および裏面両側縁に対峙する外枠4の各対応片と、
蓋体5の点検用開口1への嵌合部底面に対峙する外枠4の対応片に固定される。
【0015】
蓋体5が該蓋体5の下端から突出するヒンジ用突片7の先端周りに回転操作されて閉扉姿勢に移行する本発明において、蓋体5の上縁部、および両側縁部は閉扉移動に伴って外枠4の開口に対して正面方向から接近するのに対し、蓋体5の下端部は、該蓋体5の回転中心が外枠4の下端部との接触部に対して前方、下方に偏倚していることから、概ね上方から外枠4の下端縁に接近する。
【0016】
したがって、蓋体5の上縁、および両側縁に対応するパッキン9を、該蓋体5の裏面上縁、および裏面両側縁に対峙する対応片に固定し、蓋体5の下縁に対応するパッキン9を、蓋体5の点検用開口1への嵌合部の底面に対峙する対応片に固定することにより、各パッキン9を、外枠4への固定面に対する反対面を蓋体5による被圧接面とすることができる。
【0017】
この結果、蓋体5の閉塞時に各パッキン9にはほぼ圧縮方向の力のみが負荷されてずれ方向の力が加えられないために、長期の使用によるパッキン9のズレを効果的に防止することが可能になる。
この場合、
前記外枠4下端部には、奥行方向に延びる奥行片16aと、奥行片16aの後端部から上方に延びる後部フランジ18、および後部フランジ18から枠後方に延びる水平フランジ19が設けられ、
前記蓋体5の下縁に対応するパッキン9は前記水平フランジ19に固定される壁用点検口を構成することができ、
さらに、
前記外枠4には、上下端において奥行方向に延びる奥行片16aと、奥行片16aの後端部から枠内方に延びる後部フランジ18、後部フランジ18から枠後方に延びる水平フランジ19、および水平フランジ19から枠内方に延びる垂直フランジ20が設けられ、
前記蓋体5の裏面上縁、および裏面両側縁に対応するパッキン9は前記垂直フランジ20に固定される壁用点検口を構成することができる。
【0018】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記外枠4の下端には前記係止凹部6の前方壁となって前記ヒンジ用突片7を外部視界から遮る遮蔽フランジ10が突設されるとともに、
前記係止凹部6の前方壁と後方壁とは、ヒンジ用突片7の前後への移動を許容する間隔で配置される壁用点検口を構成することができる。
【0019】
本発明において、蓋体5を装着した状態で蓋体5のヒンジ用突片7は外枠4に突設された遮蔽フランジ10により覆い隠されるために、外観を美麗に保つことが可能になる。
【0020】
また、係止凹部6の前方壁と後方壁との間に形成される間隙は、ヒンジ用突片7を係止凹部6内に落としこむ際のヒンジ用突片7先端の前後への移動スペースを提供し、蓋体5の傾斜を許容する。
【0021】
この結果、蓋体5を装着する際に上端部を前方に傾けた姿勢でヒンジ用突片7を係止凹部6に挿入する作業が可能になるために、装着作業性が向上し、さらに、蓋体5裏面と外枠4との間にパッキン9が介装される場合、装着操作中にヒンジ用突片7の先端は蓋体5全体がパッキン9から受ける前方への付勢力により係止凹部6の前端に押し付けられることから、ガタツキ等が発生することなく、かつ、気密性も保持される。
【0022】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記係止凹部6の後方壁は上方に行くに従って漸次後方に移動する傾斜面により形成される壁用点検口を構成した場合、ヒンジ用突片7の先端を傾斜面からなる後方壁に沿わせるようにして落とし込んだ蓋体5の装着操作が可能になるために、より装着操作性が向上する。
【0023】
また、壁面2に固定される外枠4の係止凹部6は壁面2下方に位置することが多いために、後方壁を傾斜させると、上方から見下ろした際に後方壁の位置を確認しやすくなるために、蓋体5の装着作業性が向上する。
【0024】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記外枠4と蓋体5の上端縁間は、いずれか一方に着脱自在な落下防止ワイヤ11により連結される壁用点検口を構成することができる。
【0025】
本発明において、蓋体5と外枠4の上端縁間、すなわち、蓋体5をヒンジ用突片7の先端を回転中心として回転させた場合の回転端側を落下防止ワイヤ11により連結することにより、上端縁間を開放させた状態に保持することができる。落下防止ワイヤ11により連結するため、アンロック状態において妄りに蓋体5が落下するのを防止し、周囲の床面や壁面2に傷を付けてしまうことがない。
【0026】
また、蓋体5の閉塞状態を保持する蓋体連結部8は種々の構成をとることができるが、
前記蓋体連結部8は、外枠4に開設されるロック挿通開口12と、
蓋体5の上端に横方向スライド操作可能に装着されるストッパスライダ13とを有し、
前記ストッパスライダ13には、前記ロック挿通開口12を挿通可能で、挿通後の側方への移動状態において外枠4に係止するロック突部14が設けられるように構成すると、開閉操作が簡単になる。