特許第6691377号(P6691377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691377
(24)【登録日】2020年4月14日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】流体容器の保管用の装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20200421BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20200421BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20200421BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   G01N35/00 C
   G01N35/10 C
   G01N35/04 G
   G01N35/02 B
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-244327(P2015-244327)
(22)【出願日】2015年12月15日
(65)【公開番号】特開2017-110973(P2017-110973A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン マーティー
(72)【発明者】
【氏名】ビート レーン ウィドマー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス イェツィオルスキー
【審査官】 川瀬 正巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−127936(JP,A)
【文献】 特開平05−108160(JP,A)
【文献】 特開昭57−171265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
G01N 35/02
G01N 35/04
G01N 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体容器(2)の保管用の装置(1)であって、該装置(1)が、
流体のピペット操作のために構成されるピペット保管レベル(19)を含む1つまたは複数の保管レベル(8)が設けられる少なくとも1つの保管場所(7)であって、各保管レベル(8)が、複数の保管位置(9)を有し、前記保管位置(9)のそれぞれが、少なくとも1つの流体容器(2)を離脱可能に保持するように構成される容器保持部(10)を有する、少なくとも1つの保管場所(7)と、
前記保管場所(7)に対して移動可能であり、少なくとも前記保管位置(9)に対して流体容器(2)を自動的に移送するように構成されるハンドラ(13)と
を備え、
前記ピペット保管レベル(19)の保管位置(9)は、前記容器保持部(10)に対して流体容器(2)を付勢するように配置される板バネ(23)を含み、前記板バネ(23)には、前記流体容器(2)の容器蓋(36)へのアクセスをピペット(21)に提供するように位置付けられる少なくとも1つの貫通孔(26)が設けられており、
前記ハンドラ(13)は、前記ハンドラ(13)が流体容器(2)を保管位置(9)へまたは前記保管位置(9)から離して移送する移送位置にあるときに前記板バネ(23)の弾発力に反して作用するように、前記保管位置(9)の前記板バネ(23)と接触するように構成される突起(33)を備える、装置(1)。
【請求項2】
流体容器(2)の保管用の装置(1)であって、該装置(1)が、
流体のピペット操作のために構成されるピペット保管レベル(19)を含む1つまたは複数の保管レベル(8)が設けられる少なくとも1つの保管場所(7)であって、各保管レベル(8)が、複数の保管位置(9)を有し、前記保管位置(9)のそれぞれが、少なくとも1つの流体容器(2)を離脱可能に保持するように構成される容器保持部(10)を有する、少なくとも1つの保管場所(7)と、
前記保管場所(7)に対して移動可能であり、少なくとも前記保管位置(9)に対して流体容器(2)を自動的に移送するように構成されるハンドラ(13)と
を備え、
前記ピペット保管レベル(19)の保管位置(9)は、前記容器保持部(10)に対して流体容器(2)を付勢するように配置される板バネ(23)を含み、前記板バネ(23)には、前記流体容器(2)の容器蓋(36)へのアクセスをピペット(21)に提供するように位置付けられる少なくとも1つの貫通孔(26)が設けられており、
前記板バネ(23)は、保管位置(9)の流体容器(2)と接触するための少なくとも1つの接触部(30)を有するように湾曲形状を有し、前記接触部(30)は、前記流体容器(2)に向かって湾曲している、装置(1)。
【請求項3】
前記ハンドラ(13)は、前記ハンドラ(13)が流体容器(2)を保管位置(9)へまたは前記保管位置(9)から離して移送する移送位置にあるときに前記板バネ(23)の弾発力に反して作用するように、前記保管位置(9)の前記板バネ(23)と接触するように構成される突起(33)を備える、請求項2記載の装置(1)。
【請求項4】
前記板バネ(23)は、保管位置(9)の流体容器(2)と接触するための少なくとも1つの接触部(30)を有するように湾曲形状を有し、前記接触部(30)は、前記流体容器(2)に向かって湾曲している、請求項1記載の装置(1)。
【請求項5】
前記板バネ(23)の自由端部(32)は、前記ハンドラ(13)の突起(33)との係合のために前記保管位置(9)から突出する、請求項1、3または4記載の装置(1)。
【請求項6】
前記装置(1)が、装置筐体(3)を備え、各板バネ(23)の前記少なくとも1つの貫通孔(26)は、前記装置筐体(3)の外部から前記流体容器(2)の容器蓋(36)へのアクセスをピペット(21)に対して提供するために、前記装置筐体(3)の孔(41)に対応して配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
保管位置(9)の前記容器保持部(10)は、流体容器(2)を前記保管位置(9)へまたは前記保管位置(9)から離して移送する移送方向に対する前記流体容器(2)の動作を阻止するために、前記容器保持部(10)により保持される前記流体容器(2)と嵌合係合するように構成される突出部(42)を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
各保管レベル(8)は、面(X、Y)に延在し、1つまたは複数の保管レベル(8)は、前記面(X、Y)に直角に配向される方向(Z)に積層され、前記ピペット保管レベル(19)は、上側の前記保管レベル(8)である、請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
各板バネ(23)は、1つまたは複数のピペット(21)に、流体容器(2)の、対応する数の貫通可能な蓋(36)へのアクセスを提供するように配置される1つまたは複数の貫通孔(26)を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記板バネ(23)は、一片のエレメント(43)の切欠き(25)により形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項11】
流体のピペット操作のためのシステム(100)であって、該システム(100)が、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの装置(1)と、
少なくともピペット保管レベル(19)に対して移動可能であり、前記ピペット保管レベル(19)に保管される流体容器(2)に収容される流体のピペット操作のための少なくとも1つのピペット(21)が設けられるピペッタ(20)と
を備え、
前記ピペット(21)は、前記流体容器(2)の蓋(36)を貫通するように構成されるピペットチップ(22)を有する、システム(100)。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置(1)は、モジュール式のシステム構成要素である、請求項11記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析試料処理の分野に属し、流体容器の保管用の装置に関する。本発明はさらに、このような保管装置を備える流体のピペット操作のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動臨床分析器において、体液などの液体試料は、様々な診断方法によって試験され得る。多様な分析機能の提供に対する需要は強く、試料処理における効率向上の観点から、現在の分析器はしばしば高いスループットで試料を処理する。結果として、現在の分析器の試薬の消費量は多くなり、これは適切な数の試薬容器を分析器にあらかじめ装填するか、または高頻度で手動の再装填操作を実施することによって達成され得る。前者の場合、分析器は快適なスタンドアロンモードで用いることができるが、試薬容器の数が多くなるとより多くの保管スペースが必要となり、分析器全体の寸法を増大させる。後者の場合、分析器を小型かつコンパクトにできるが、高頻度の再装填操作が必要とされる。小型かつコンパクトな分析器を導入する傾向が増加している観点から、日常のルーティンにおいて分析器を操作するときに、保管される試薬容器の数と手動の再装填操作の頻度との間で好都合なトレードオフを見つけられなければならない。その結果、現在の臨床分析器はしばしば、例えば特許文献1に開示されるような、試薬容器用の補助的な保管スペースを有する。
【0003】
現在の分析器において、自動試料処理はしばしば、ピペットによる試料への正確な量の試薬の移送を伴う。典型的なピペット操作において、ピペットは、ピペットチップが試薬中に浸漬し、吸引できるまで試薬容器内に降下され、その後ピペットを上昇させ、試料に試薬を加えることが可能な位置までピペットを移動させる。ピペットに試薬への自由なアクセスを提供するために、容器蓋によって通常は閉鎖されている試薬容器が容器の開口から蓋を除去することによって開放されるか、またはピペットチップが蓋を通って挿入される。蓋の除去は余分な時間を要し、容器が再び閉鎖されるまで試薬が環境に露出されるという事実により、ピペットチップによって蓋を貫通することがしばしば望まれる。しかしながら、自動ピペット操作では、ピペットが試薬容器から引き抜かれると、上向きに動くピペットチップと蓋との間に生じる摩擦力のために、試薬容器は上昇されやすい。結果として試薬容器の位置が変更され得るので、さらなるピペット操作は妨げられるおそれがあり、さらにはピペットと試薬容器との間で衝突が起こるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1498734号明細書
【発明の概要】
【0005】
本開示は上述の問題を取り扱う。流体容器の保管用の改良された装置が提供され、これは未使用の試薬容器を頻繁に再充填する必要なしに試料の高いスループットでの処理を可能にし、さらに試薬の安全で確実なピペット操作を保証する。これらのおよびさらなる目的は、独立請求項に記載の装置によって達成される。好ましい実施形態は従属請求項により記述される。
【0006】
本明細書で用いられる場合、「流体容器」という語は、これに限定されないが、試料を処理するための試薬などの流体を収容するための少なくとも1つの区画を有する任意の入れ物に関する。詳細には、流体容器は、互いに対して同様または異なっていてもよい流体を収容する、例えば一列に並べられる複数の分離した区画を有し得る。各流体区画は、これに限定されないが、金属針などのピペットチップによって貫通されるように構成される蓋によって閉鎖され、この蓋は、以下では「貫通可能な蓋」と記される。詳細には、一実施形態において流体容器は、それぞれが蓋によって閉鎖されている1つまたは複数の流体区画を備え、蓋は、穿刺可能な材料、例えばゴム製の隔壁などのエラストマー材料からなる。蓋は、上側に凹部を備えていてもよい。
【0007】
第1の態様によれば、以下において「装置」とも呼ばれる、流体容器の保管用の装置が提示される。装置は、これに限定されないが、試薬容器などの流体容器を保管するように構成される、複数の保管位置を有する少なくとも1つの保管場所を備える。詳細には、保管場所には、第1の方向が第2の方向に直角である第1の方向および第2の方向が広がる面にそれぞれが延在する1つまたは複数の保管レベルが設けられ、1つまたは複数の保管レベルは、第1および第2の方向に直角である第3の方向に積層される。各保管レベルは、例えば水平面に延在していてもよく、2つまたは3つ以上の保管レベルは、互いに対して垂直関係で積層される。さらに保管場所は、以下において「ピペット保管レベル」と呼ばれる、保管レベル内に保管される少なくとも1つの流体容器に収容される流体のピペット操作のために構成される保管レベルを含んでいる。一実施形態において、ピペット保管レベルは、他の保管レベルのすぐ上にある、保管場所の最上の(最も高い)保管レベルである。
【0008】
各保管レベルは、それぞれが少なくとも1つの流体容器を保管するように構成される複数の保管位置を有し、保管位置は、一次元アレイまたは二次元アレイで配置されている。したがって、各保管レベルにおいて流体容器は、互いに対して連続して1つまたは複数の列に配置され得る。一実施形態において、各列は第1の方向に延在し、列は第2の方向に沿って次々と配置されている。詳細には、各保管位置は、少なくとも1つの流体容器を離脱可能に保持するように構成される容器保持部を備える。保管場所は、流体容器ラックと考えることもできる。
【0009】
保管装置はさらに、少なくとも保管場所に対して移動可能であり、各流体容器が1つの保管位置から別の保管位置へと移送され得るように、少なくとも保管位置に対して流体容器を自動的に操作する(操る)ように構成されるハンドラを含んでいる。
【0010】
一実施形態によれば、ピペット保管レベルの保管位置は、板バネ(リーフスプリング)を備え、板バネは、流体容器を容器保持部に対して付勢するように、すなわち、板バネにより生じる弾発力によって流体容器を容器保持部に押し付けるように配置されている。一実施形態において板バネは、1つまたは複数のピペットが流体容器から離され得る方向と同一の方向、例えば第3の方向(例えば、垂直方向)に流体容器を押し付けるように配置されている。一実施形態において板バネは、保管位置の流体容器の上側に接触するように配置され、流体容器の上側には、流体区画の数に応じて1つまたは複数の貫通可能な蓋が設けられている。詳細には、板バネには、ピペットに流体容器の貫通可能な蓋へのアクセスを提供するように配置される少なくとも1つの貫通孔が設けられる。
【0011】
したがって、上に詳述したような流体容器のコンパクトな梱包により、装置は、液体試料の処理における試薬の消費量が比較的多い場合であっても、未使用の流体容器の再充填のための頻繁な再装填操作を要することなく、寸法において有利にコンパクトに製造され得る。さらに、ピペット保管レベルの各流体容器は、板バネによる弾発力によって容器保持部に対して押圧されることにより保管位置に確実に固定されるので、流体容器は、ピペット操作を実施するとき、特に蓋を貫通するピペットチップを流体容器から引き抜くときに、確実にその位置が維持される。
【0012】
一実施形態において、各板バネは、1つまたは複数のピペットに、1つの流体容器の対応する数の貫通可能な蓋に対するアクセスを提供するように配置される複数の貫通孔を備えている。流体は、試料処理の速度および効率を向上させるために、流体容器の複数の流体区画に対して同時にピペット操作され得る。一実施形態において複数の板バネは、これに限定されないが、鋼板などの一片のエレメントによって形成される。製造および導入は、これにより容易になる。
【0013】
一実施形態において、装置は装置筐体を備え、装置筐体の外部から流体容器の1つまたは複数の貫通可能な蓋へのアクセスを1つまたは複数のピペットに提供するために、各板バネの1つまたは複数の貫通孔は、装置筐体の孔に対応して配置される。したがって一方では、保管場所は、流体容器に収容される流体を保護し、流体の冷却を可能にする、少なくとも部分的に閉鎖される保管スペースを得るために、環境から分離される。他方では、ピペット保管レベルに保管される流体容器に対するピペット操作は、保管場所から流体容器を除去する必要なしに実施され得る。
【0014】
一実施形態においてハンドラは、ハンドラが流体容器を保管位置へまたは保管位置から離して移送する移送位置にあるときに、板バネの弾発力に抗して作用するように、保管位置の板バネに係合するように構成される突起を備える。したがって流体容器は、保管位置へのアクセスを提供するために、板バネの弾発力に反対に作用するさらなる装置を用いる必要なしに、保管位置に容易に入れられ、また保管位置から容易に除去され得る。結果として、ハンドラが二重の機能を有するという事実により、装置を製造するための材料および費用は有利に節約され得る。
【0015】
一実施形態において、板バネは、湾曲した形状を有し、例えば、少なくとも1つの接触部を形成するために、保管位置に保持される流体容器に対して上方または下方に折り曲げられ、板バネは、少なくとも1つの接触部が、板バネによって、保管位置に固定される流体容器に直接的に接触するように構成され、接触部は、流体容器(例えば、流体容器の上側)に向かって突出する。さらに、ハンドラの突起は、ハンドラが、流体容器を保管位置へまたは保管位置から離して移送する移送位置に移動されるかまたは移送位置に維持されるときに、板バネの弾発力に抗して作用するために、板バネに係合されるように構成され、流体容器の上側から突出する板バネに容易に係合され得る。
【0016】
一実施形態において、板バネの自由端部は、ハンドラの突起との係合のために、保管位置から(流体容器を保管位置へまたは保管位置から離して移送する移送位置にあるハンドラに向かって)突出している。したがって、ハンドラの突起は、板バネととりわけ容易および確実に係合され得る。
【0017】
一実施形態において、保管位置の容器保持部は、ハンドラによって流体容器を保管位置へまたは保管位置から離して移送する移送方向に対する流体容器の移動を阻止するために、保管位置の流体容器と嵌合係合されるように構成される突出部を備える。したがって流体容器は、容器保持部によって移送方向に対して固定され得る。結果として、容器保持部に対して流体容器を押圧する板バネの弾発力と併せて、流体容器は、保管位置に確実に固定され得る。
【0018】
一実施形態において、保管装置は、冷却保管の機能を有し、すなわち、保管位置にある流体容器を冷却するように動作可能である。詳細には、流体容器の高密度の梱包により、流体容器の効率的な冷却が有利に実施され得る。さらに、ピペット操作中またはピペット操作の間であっても流体の冷却が可能であるように、流体容器は、ピペット保管レベルにおいて継続的に冷却されるので、流体のオンボード安定性が延長され得る。
【0019】
一実施形態において保管装置は、互いに対して対向関係に配置される流体容器の保管のための保管位置がそれぞれ設けられている、上に詳述したような2つの保管場所を含んでおり、ハンドラは、少なくとも両方の保管場所の保管位置に対して流体容器を自動的に移送するために、保管場所の間に配置されている。このような実施形態は、流体容器を操作するための個別のハンドラを設ける必要なしに、特に流体容器の高密度の梱包を有利に可能にし、これは構造上のスペースおよびコストの節約を有利に可能にする。さらに、2つのピペット保管レベルにより、試料の処理をより迅速かつより効率的にするためにピペット操作の数は有利に増加され得る。
【0020】
一実施形態において保管場所は、保管場所に追加されてもよいし保管場所から除去されてもよい複数のモジュール式の副保管場所で形成されている。このような実施形態により、ユーザおよび/またはシステムの大きさの特定のニーズに対する、保管場所の大きさの容易な適合が有利に可能となる。
【0021】
一実施形態において装置はさらに、保管および操作装置の保管場所に収容される流体容器を操作するハンドラを制御するための制御装置を備える。
【0022】
一実施形態において、保管装置はモジュール式の装置である。本明細書で用いる場合、「モジュール式」という語は、使用および変更され得る構造実体を、流体をピペット操作する、または試料を処理するためのより大きなシステムの一構成要素として記述する。
【0023】
第2の態様によれば、本発明は、以下においては「システム」と呼ばれる、流体のピペット操作のための新規なシステムを提案し、システムは、試薬などの流体を試料に加えることを伴う試料の自動処理に特に有用な、上述の少なくとも1つの保管装置を備える。システムはさらに、少なくともピペット保管レベルに対して移動可能である、以下において「ピペッタ」と呼ばれる少なくとも1つのピペット装置を備える。詳細には、ピペッタは、ピペット保管レベルに保管される流体容器に収容される流体をピペット操作するように構成される少なくとも1つのピペットを備え、ピペットは、これに限定されないが、金属針など、流体容器の(貫通可能な)蓋を貫通するように構成されるピペットチップを有する。ピペッタは、1つまたは複数のピペットが、ピペット保管レベルに保管される流体容器に向かって、および流体容器から離れて移動され得るように構成される。一実施形態において、1つまたは複数のピペットは、第3の方向(例えば、垂直方向)に沿って下降および上昇され得る。
【0024】
保管装置は、液体をピペット操作するためのシステムの一体化された構成要素として構成されてもよいが、様々なシステムの大きさに容易に適合されることを有利に可能にする、システムのモジュール式の構成要素であってもよい。モジュール式の保管装置は、例えばメンテナンス作業を容易にする目的でその構成要素を他のシステム構成要素から分離するために、例えば保管場所およびハンドラを囲繞するモジュール(装置)筐体を有していてもよい。
【0025】
上述の本発明の装置およびシステムの様々な実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなく、独立して用いられてもよいし、その任意の組み合わせで用いられてもよい。
【0026】
他のおよびさらなる目的、特徴および利点は、以下の記載からより完全に明らかになるだろう。明細書に組み込まれかつ明細書の一部を構成する付随の図面は、好ましい実施形態を図示し、また上記の一般的な記載および下記の詳細な記載と共に、本原理のより詳細な説明に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による、流体容器の保管用の装置の例示的な実施形態の斜視図および拡大詳細図である。
図2図1の装置の断面図である。
図3】流体容器のない保管位置を示す、図1の装置の詳細の拡大断面図である。
図4】流体容器のある保管位置を示す、図3と同じ図である。
図5】流体容器および蓋を貫通するピペットのある保管位置を示す、図3と同じ図である。
図6】ハンドラの突起の係合を示す、図1の装置の拡大詳細の斜視図である。
図7】ハンドラの突起の係合を示す、図1の装置の詳細の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
例示として、本発明が実施され得る特定の例示的な実施形態を以下に記載する。以下の記載では、互いに対して垂直配向される第1〜第3の方向(x、y、z)を参照し、第1および第2の方向(x、y)は一面に広がり、第3の方向(z)はその面に対して垂直配向されている。一実施形態において、第1および第2の方向(x、y)は水平面に広がり、第3の方向(z)はその面に対して垂直に配向される(落下方向)。
【0029】
図面を参照すると、概して参照番号100の下で言及される、流体をピペット操作するための自動システムが説明される。システム100は、液体試料中の特定の物質の有無/量を決定するために、液体試料を分析するための臨床分析器(例えば、化学分析器および/または免疫化学分析器)の一部であってもよい。
【0030】
特に図1および2を参照すると、システム100は、これに限定されないが、液体試料と混合する試薬などの流体を含む流体容器2の保管および操作のための自動装置1を含んでいる。図示されるように一実施形態において、保管装置1は、様々な装置の構成要素を収納する内部スペースを共に形成する、4つの筐体側壁4、筐体上壁6および筐体底壁5により構成される装置筐体3に囲繞される機能的および構造的な実体として構成される。
【0031】
詳細には図1に示されるように、一実施形態において保管装置1は、流体容器2の保管のために2つのラック7を(保管場所と呼ばれる導入部分に)備え、2つのラック7は、y方向において離間されるように互いに対して対向関係に配置され、各ラック7は例えば、筐体側壁4に固定されている。図2に示されるように、一実施形態において各ラック7は、垂直方向のz方向に上下に配置される複数のラックレベル8を(保管レベルと呼ばれる導入部分に)有する。一実施形態において各ラックレベル8は、例えば、筐体側壁4に離脱可能に固定され、個別のラックレベル8のそれぞれが要望に応じてラック7に追加されるかラック7から除去されることを可能にするモジュール式のラック構成要素である。図示されるように、一実施形態において各ラック7は、上下に垂直方向に積層される3つのラックレベル8を備える。しかしながら、ユーザの特定の要望に応じて、より多いかより少ない数のラックレベル8が想定され得ることが理解されるべきである。
【0032】
各ラックレベル8は、それぞれが例えば1つの流体容器2を保持する箱状の容器保持部10を有する複数の保管位置9を提供する。一実施形態においては、図示されていないが、各容器保持部10は、2つ以上の流体容器2を保持するように構成される。図示されるように、一実施形態において保管位置9は、水平方向のx方向において互いに対して連続して配置される。
【0033】
詳細には、一実施形態において容器保持部10は、それぞれがy方向およびz方向に延在する保持部側板11により形成され、それぞれがx方向およびy方向に延在し各保持部側板11から直角に突出する2つの保持部底板12を備える。共に互いに向かい合う、2つの隣接する保持部側板11および2つの保持部底板12は、1つの流体容器2を受け取るための1つの容器保持部10を形成する。流体容器2は、保持部底板12上に配置でき、保持部側板11の間で直立位置に保たれる。ここで容器保持部10は、流体容器2を垂直方向に固定するようには特に適合されておらず、これは、流体容器2の寸法を除いて、容器保持部10に特に適合されていない流体容器2の使用を可能にする。ラック7において、流体容器2は密に梱包されてもよく、隣接する流体容器2間の空間は、摩擦力が流体容器2を容器保持部10内および容器保持部10外へスライド移動可能にできる限り、より小さくされてもよいし、さらには消失してもよい。同様に、隣接するラックレベル8間のz方向における距離は、流体容器2の垂直方向の高さに応じてラックレベル8間の垂直方向の距離を適切に選択することによって小さくすることができる。
【0034】
保管装置1はさらに、2つのラック7の間に配置される保管位置9に対して流体容器2を操作する(操る)ためのハンドラ13を含んでいる。図示されるように、一実施形態においてハンドラ13は、2本のレールの移動機構によって2つの移動方向(x方向およびz方向)へ移送ヘッド15を位置決めする位置決め装置14を備える。2本のレールの移動機構は、移送ヘッド15をz方向に案内するためにz方向に延在する第1のレール16と、第1のレール16を案内するためにx方向に延在する第2のレール17とを備える。したがって、移送ヘッド15は、x方向およびz方向が広がる面に、保管位置9に面する移送ヘッド15とともにハンドラ13を配置するために、x方向およびz方向に沿って自由に移動でき、流体容器2は、以下で「移送位置」と呼ばれる保管位置9へまたは保管位置9から離れて移動され得る。2本のレールの移動機構は、例えば、当業者に周知であるので本明細書においてさらに説明する必要はない、2つの電気モータに連結されるベルト駆動部によって駆動することができる。
【0035】
移送ヘッド15は、少なくとも1つの流体容器2を搬送するように構成され、移送ヘッド15が移送位置にある状態で、移送ヘッド15によって搬送される流体容器2を保管位置9に移動させるか、または保管位置9から流体容器2を離すように移動させるように構成される流体容器移送機構18が設けられる。詳細には、一実施形態において移送機構18は、移送ヘッド15によって保持部底板12の間で移動可能なプッシュ/プルエレメントを備え、プッシュ/プルエレメントは、流体容器2を保管位置9まで移動させるために流体容器2の底部と係合されることが可能であり、また流体容器2を移送ヘッド15まで移動させるために保管位置9にある流体容器2と把持係合されることも可能である。したがって、流体容器2は、保管位置9にある任意の容器保持部10に任意に配置でき、またハンドラ13によって任意の容器保持部10から除去できる。
【0036】
一実施形態において、保管装置1はさらに、ハンドラ13による操作を可能にする保管位置9と同様の構造であり、流体容器2の手動または自動の積み込み/取り出しを可能にする少なくとも1つの入力/出力位置を含んでいる。一実施形態において各流体容器2は、ラック7の一覧表情報を提供するために読み取り器によって自動的に読み取ることが可能な機械可読ラベルを有する。流体容器2上の各ラベルは、例えば、ロット番号、または流体容器2を識別するのに適切な他の任意の情報を符号化し得る。各ラベルはまた、収容される試薬の使用に関連し得る使用期限などの追加の情報も含み得る。読み取り器は例えば移送ヘッド15に固定でき、これは図面においてさらに詳細には記載されていない。
【0037】
システム100では、一実施形態において装置1の内部空間は、保管される流体容器2を冷却するように構成される冷蔵庫である。詳細には、内部空間の冷却は、例えば、冷却空気を循環させることによってもたらすことができる。流体容器2の高密度の梱包により、冷却は非常に効率的である。
【0038】
図1および2に示されるように、一実施形態において各ラック7は、以下において「ピペットラックレベル19」と称される、各保管位置9が内部に保管される流体容器2に収容される流体をピペット操作するように構成される最上のラックレベル8を有する。ピペットラックレベル19の各保管位置9は、容器保持部10に対して流体容器2を付勢するように配置される板バネ(リーフスプリング)23を備える。詳細には、特に図3および4を参照すると、一実施形態において板バネ23は、板バネ23により生じる弾発力(付勢力)によって容器保持部10に対して流体容器2を押し付けるために、板バネ23と容器保持部10との間で流体容器2を挟持するように配置される。図示されるように、一実施形態において板バネ23は、容器保持部10の保持部底板12に対して流体容器2を押し付ける。したがって、特に図4を参照すると、各保管位置9において流体容器2は、流体容器2を保管位置9に移送するときに板バネ23と容器保持部10との間に挿入でき、板バネ23は、容器保持部10に対して流体容器2を固定するために流体容器2の上側24に接触している。
【0039】
より詳述すると、一実施形態において同一のピペットラックレベル19の全ての保管位置9の板バネ23は、例えば、これに限定されないが、鋼などの金属材料製の一片のシート43によって形成され、一片のシート43は、図1の拡大詳細図に示されるように、共通の後方バンド27を有する板バネ23の外形に対応してy方向に延在するバネ切欠部25を有するので、後方バンド27に固定される各板バネ23は、弾発力を生成するために、他の板バネ23に対してz方向に移動できる。x方向に延在する後方バンド27は、これに限定されないが、ねじなどのバンド固定エレメント29によって筐体側壁4に固定される。一実施形態において後方バンド27は、各板バネ23が上方に曲げられると同様の弾発力を生成することを確保するために、後方バンド27上に設けられ、例えば後方バンド27と共に固定される補助バンド28によって支持される。したがって、各板バネ23は、後方バンド27が固定される筐体側壁4から離れるように延在する。ここで、例えば図4に示されるように、一実施形態において各板バネ23は、上方に曲げられる(湾曲される)形状を有するので、容器保持部10によって保管位置9に保持される流体容器2の上側24に向かって突出し、その流体容器2の上側24と直接接触する接触部30を形成する。突出する接触部30は、流体容器2との接触を有する板バネ23の唯一の部分である。結果として、流体容器2は、板バネ23の付勢(弾性)力により、その位置が確実に維持され得る。
【0040】
特に図3を参照すると、流体容器2に接触していない場合、各板バネ23は、板バネ23が流体容器2に接触している状態と比較すると降下した状態にある。より詳述すると、各板バネ23は、流体容器2が板バネ23と容器保持部10との間に挿入されるときに流体容器2の上側24があるレベルの下方へと、容器保持部10に向かってわずかに降下している。結果として、流体容器2を挿入することにより、流体容器2の上側24に作用する弾性力が板バネ23により生成する。
【0041】
図3および4を引き続き参照し、さらに図6を参照すると、各板バネ23は、その自由端部32にノーズ31を有する。各ノーズ31は、ハンドラ13の移送ヘッド15の突起33と係合され得る。図示されるように、一実施形態において突起33は、移送ヘッド15の上部34からラック7に向かって突出する。詳細には、一実施形態においては図6に示されるように、各上部34は、ラック7に面する2つの突起33を有する。各突起33は、流体容器2が保管位置9に対して移動され得るように板バネ23を弾発力に抗して上方(z方向)に押す目的で、移送ヘッド15が保管位置9に対して移送位置にある場合、すなわち、移送ヘッド15が、流体容器2を保管位置9に向かってまたは保管位置9から離して移動させるために保管位置に面する場合に、保管位置9の板バネ23のノーズ31に突起33が接触するように配置される。より詳述すると、移送位置において、ノーズ31と接触する突起33は、ノーズ31と突起33との間で接触がない場合の板バネ23の位置よりも高い位置で板バネ23を保持するので、板バネ23は、保管位置9に保管される流体容器2の上側24に対する接触を失う。
【0042】
特に図2および5を参照すると、システム100はさらに、それぞれがこれに限定されないが金属針などの使い捨て可能なピペットチップ22または再利用可能なピペットチップ22を有する1つまたは複数のピペット21を備える、ピペットラックレベル19に保管される流体容器2へまたは流体容器2から流体を移送するためのピペッタ20を含んでいる。ここでピペッタ20は、ピペットラックレベル19の流体容器2のすぐ上の位置で移動でき、1つまたは複数のピペット21は、流体容器2に向かってまたは流体容器2から離れるように移動可能である。
【0043】
特に図4を参照すると、一実施形態において各流体容器2は、これに限定されないがユーザの特定の要望に応じた試薬など、同様または異なる流体を含み得る、互いに対して連続して配置される複数の分離した(流体)区画35を含んでいる。図示されるように、一実施形態において各流体容器2は、個別のバイアル、ボトルなどとして具現化可能な3つの流体区画35を有する。しかしながら、各流体容器2は、要望に応じてより多いかまたはより少ない数の流体区画35を含んでいてもよいことが理解されるべきである。各流体区画35には、流体区画35の上側の開口を閉鎖するための蓋36が設けられており、蓋36は、例えば、区画本体37にネジ止めされてもよいし、区画本体37の開口38に挿入されてもよい。保管位置9に保管されると、複数の流体区画35は、y方向に延在する列に一列に配置される。
【0044】
特に図2および5を参照すると、各蓋36は、ピペット21のピペットチップ22によって突き通されるように構成される。詳細には、図5に示されるように、一実施形態において各流体区画35の蓋36は、流体容器2の上側24でピペットチップ22によって突き通すことができる円錐開口40を形成するように、上側24に配置され、上側24に向かって広がる円錐39を有する。円錐39は例えば、プラスチック材料で作製され得る。さらに、一実施形態(図示せず)においては、円錐開口40に隔壁または膜が配置されてもよい。したがって、各流体容器2は、複数の円錐39を有し、その数および配置は、流体区画35の数および配置に対応する。
【0045】
特に図1を参照すると、流体区画35へのアクセスをピペット21に提供するために、各板バネ23は、それぞれが板バネ23の孔として構成されているピペット切欠部26を有する。詳細には、図示されるように、一実施形態において1つの板バネ23のピペット切欠部26の数および配置は、ピペットラックレベル19の関連する保管位置9に保管される流体容器2の蓋36の可能な数および配置に対応する。詳細には、ピペット切欠部26は、y方向に延在する列において互いに対して連続して一列に配置される。一実施形態において、各ピペット切欠部26は円形である。図示されるように、一実施形態において各ピペット切欠部26は、わずかに楕円の形状である。さらに、特に図3を参照すると、ピペット21に流体区画35へのアクセスを提供するために、筐体上壁6に壁孔41が設けられる。詳細には、図示されるように、一実施形態において壁孔41の数および配置は、各ピペットラックレベル19の保管位置9に保管される流体容器2の蓋36の可能な数および配置に対応する。詳細には、1つの保管位置9に関連付けられる壁孔41は、y方向に延在する列において互いに対して連続して一列に配置される。一実施形態において、各壁孔41は円形である。
【0046】
したがって、システム100において、少なくとも1つのピペット21は、ラック7のピペットラックレベル19の保管位置9にある流体容器2の流体区画35の蓋36に向かって降下でき、ピペットチップ22は、筐体上壁6の壁孔41および板バネ23のピペット切欠部26の両方を通って移動される。降下を続けることにより、流体を吸引する目的で、流体区画35内に収容されている流体内にピペットチップ22を浸漬させるために、ピペットチップ22は、流体区画35の貫通可能な蓋36を貫通することができる。図示されるように、一実施形態では、板バネ23のピペット切欠部26にともに対応する(関連する保管位置9に保管される流体容器2の蓋36の数および配置に対応する)壁孔41を有することにより、1つまたは複数のピペット21による任意の流体区画35へのアクセスはいつでも起こり得る。また、保管位置9に保管される流体容器2の蓋36の数(例えば、3つ)に対応する数(例えば、3つ)のピペット21を、流体容器2の流体区画35に対して流体を同時にピペット操作するために、流体容器2に向かって降下させることができるようにすることも可能である。
【0047】
ピペットラックレベル19の保管位置9にある流体容器2から1つまたは複数のピペット21を引き抜くときに、ピペット21と流体容器2との間には通常摩擦力が生じる。1つの流体容器2の流体を同時にピペット操作するためにいくつかのピペット21を用いる場合、摩擦力はピペット21の数に応じて増大する。摩擦力に対抗する、流体容器2に作用する板バネ23の弾発力により、流体容器2は、z方向に移動されず、ゆえにその位置が維持される。結果として、流体容器2とピペット21との間の衝突のリスクなしに、さらなるピペット操作を容易に実施することができる。
【0048】
例えば図1に示されるように、一実施形態において容器保持部10は、ハンドラ13を用いることにより流体容器2を保管位置9へまたは保管位置9から離して移送させる移送方向に対する流体容器2の動作を阻止するために、流体容器2と嵌合係合し得る保持部突出部42を各保持部底板12の端部に備える。したがって、流体容器2は、容器保持部10によって移送方向に対して固定され得る。結果として、流体容器2を容器保持部10に対して押圧する板バネ23の弾発力と併せて、流体容器2の固定が改良され得る。
【0049】
一実施形態においてシステム100はさらに、特にハンドラ13による流体容器2の操作を制御するための制御装置(図示せず)を含んでいる。制御装置は例えば、所定の処理操作計画にしたがって操作を実施するために、指示を備える機械可読プログラムを実行するプログラム可能な論理制御装置として具現化されてもよい。その場合制御装置は、制御を要するシステム構成要素に電気接続されるので、制御装置は異なるシステム構成要素から情報を受信することができ、処理操作計画にしたがって、特に保管位置9だけでなく入力/出力位置に対しても流体容器2を移送するハンドラ13を含む構成要素を制御するための、対応する制御信号を送信することができる。
【0050】
上述されるように、システム100において流体容器2は、保管位置9に、および保管位置9に対して移送され得る。詳細には、流体容器2は、ハンドラ13によって、同一のラックレベル8の保管位置9に対して移送され得るか、および/または、異なるラックレベル8間でも移送され得る。特に、流体容器2は、筐体上壁6および板バネ23を通した流体容器2への自由なアクセスをピペット21に提供するために、各ラック7の最上のピペットラックレベル19に移送され得る。したがって、ピペット操作を実施するために装置1から流体容器2を除去する必要はない。詳細には、結果として流体容器2は、ピペット操作前、ピペット操作後、さらにはピペット操作中にも効率的に冷却され得る。さらに、流体容器2を開口する別の工程は、流体容器2の蓋36を突き通すことが可能なピペットチップ22を用いることによって回避され得る。ピペット21が流体容器2から引き抜かれるときに生じる摩擦力に対抗する板バネ23の弾発力により、流体容器2の上方への動作は回避され得る。
【0051】
上記に照らして本発明の多くの修正および変更が可能であるということは明らかである。それゆえ、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内で、本発明は、詳細に案出されたものとは別の方法で実践されてもよいことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7