【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば上記目的は、
車両に固定されるトレイ形状のハンドルベース1に操作ハンドル2を回転操作自在に連結した車両のインサイドハンドル装置であって、
前記ハンドルベース1には、対向側壁部に一対のノブ用回転軸形成部3を、底壁部にノブ用アクセス開口4を備えたロックノブ配置領域5が前記操作ハンドル2に隣接して形成されるとともに、
前記ハンドルベース1には、車両への固定状態において、前記ノブ用アクセス開口4、およびノブ用回転軸形成部3を外部の視線から遮るカバー部材6が装着される車両のインサイドハンドル装置を提供することにより達成される。
【0009】
車両のインサイドハンドル装置は、操作ハンドル2を回転操作自在に連結するハンドルベース1を有する。ハンドルベース1には、操作ハンドル2に隣接してロックノブ配置領域5が設けられる。ロックノブ配置領域5は、ロックノブ9を装着した仕様のインサイドハンドル装置を製造する際にロックノブ9を装着するためのスペースを確保するために設けられ、さらにロックノブ配置領域5には、ロックノブ9を回転自在に保持するためのノブ用回転軸形成部3が形成される。
【0010】
上記ハンドルベース1に形成されたノブ用回転軸形成部3を外部の視界から遮る遮蔽部を備えたカバー部材6を設定することにより、ロックノブ9仕様からロックノブ9を取り外してカバー部材6を装着するだけでロックノブ9のないインサイドハンドル装置を形成することができ、また、この状態からカバー部材6を取り去ってノブ用回転軸形成部3にロックノブ9を装着するだけでロックノブ9仕様のインサイドハンドル装置とすることができる。
【0011】
この結果、コスト的に大きな割合を占める主要なハンドルベース1を異なった仕様で共用することが可能になるために、別途製造金型を制作したり、あるいは在庫管理をする等の必要がなくなり、製造コストを低減させることが可能になる。
【0012】
前記カバー部材6は、ロックノブ9装着仕様の装置からロックノブ9を取り外した際の外観的変化、すなわち、ロックノブ9を装着するためのノブ用回転軸形成部3、あるいはノックノブの端部をドア内に導くためのノブ用アクセス開口4を覆い隠す領域にのみ装着したり、あるいは、取り付け穴1eを含むハンドルベース1の底壁部のほぼ全面を形成するようにしてもよい。
【0013】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記カバー部材6には、前記ノブ用回転軸形成部3に係止してハンドルベース1からの離脱方向への移動を規制するベース係止部7が設けられる車両のインサイドハンドル装置を構成することができる。
【0014】
本発明において、カバー部材6は、適数のベース係止部7をハンドルベース1に係止させることにより該ハンドルベース1に装着され、ベース係止部7の一は、ロックノブ9を装着した仕様への転用時にロックノブ9を連結するための軸形成部となるノブ用回転軸形成部3に係止する。
【0015】
ノブ用回転軸形成部3は、軸状の突出部であっても、孔状であってもよく、これに対応するベース係止部7は、ノブ用回転軸形成部3が突出部である場合には、これに嵌合可能な孔、あるいはCリング形状に形成され、ノブ用回転軸形成部3が孔状に形成さえっる場合には、これに嵌合可能な突起形状に形成される。
【0016】
また、ノブ用回転軸形成部3は対向位置に一対配置されるが、ベース係止部7は双方に係止させても、あるいはいずれか一方のみに係止させてもよい。
【0017】
さらに、ノブ用回転軸形成部3は、壁面等に突設、あるいは凹設以外、操作ハンドル2の回転軸を使用してもよい。
【0018】
上記カバー部材6は、上記ノブ用回転軸形成部3に代えて、ノブ用アクセス開口4内に張り出し、ロックノブ9を装着した仕様への転用時にロックノブ9の回転ストロークを規制するためハンドルベース1に設けられるノブ用回転規制ストッパ8に係止することもできる。
【0019】
以上のように、ロックノブ9仕様において必要となる部位をベース係止部7の係止先とすることにより、新たに係止部分を形成する必要がないために、構造が簡単になる。
【0020】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記カバー部材6は、前記操作ハンドル2の回転中心軸方向のほぼ中心位置において、前記ノブ用アクセス開口4内に張り出すノブ用回転規制ストッパ8上に支承される車両のインサイドハンドル装置を構成することができる。
【0021】
貫通穴として形成されるノブ用アクセス開口4をカバー部材6により覆う場合、カバー部の剛性が低いと荷重をかけた際に容易に撓んでしまい、脆弱感が発生することがあるが、本発明において、カバー部材6のノブ用アクセス開口4を閉塞する部分の上下方向中心部を支承することにより装着状態においてカバー部の見掛けの剛性を高めることができるために、カバー部を押し付けた際の不自然な撓み等を完全に防止することが可能になる。
【0022】
また、ノブ用アクセス開口4領域にカバー部材6の支承部を形成すると、ロックノブ9仕様において装着されたロックノブ9との干渉を考慮する必要があるが、ロックノブ9仕様のために設けられるノブ用回転規制ストッパ8をノブ用アクセス開口4領域の上下方向中心位置近傍まで張り出させ、このノブ用回転規制ストッパ8を支承部として利用すると、構造を簡単にすることができる。