(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
半導体、液晶、太陽光発電パネル、及びLED等の製造産業では、電子デバイスが種々のプロセスガスを使用して製造されている。半導体等の製造装置(以下省略して、「半導体製造装置」とも記す。)の排気ガスは、可燃性ガス成分、毒性ガス成分、及び地球温暖化ガス成分等の様々なガス成分を含んでいる。そのため、半導体製造装置の排気ガスは、除害装置で安定化、及び無害化等の処理を経てから、大気に放出されている。
【0003】
半導体製造装置の大型化にともない、プロセスガス等の使用量が増加している。そのため、上記の除害装置としては、燃焼式、又はヒーター式等の加熱分解式の除害装置が主に使用されている。
図2は、半導体製造装置と、その排気ガスを処理する燃焼式の除害装置(以下、「燃焼除害装置」とも記す。)とを示している。
【0004】
図2に示すように、半導体製造装置115は、複数のチャンバー116,116,116を備えている。また、燃焼除害装置117は、複数の燃焼筒101,101,101を備えている。燃焼除害装置117の各燃焼筒は、半導体製造装置の各チャンバーとそれぞれ接続されている。各燃焼筒は、接続された各チャンバーの排気ガスを各燃焼筒の内部で燃焼させることによって無害化等の処理をしている。
【0005】
半導体製造装置115の排気ガスは、燃焼反応、又は酸化反応による副生成物としてSiO
2等の粉体が生じるガス成分を含むことがある。また、半導体製造装置115の各チャンバー内で生じた粉体が燃焼筒の内部に供給されることもある。これらの粉体が燃焼筒の内部の内壁に付着して堆積すると、燃焼効率の低下、燃焼バーナーの火炎の消失等の不具合を引き起こしてしまう。そのため燃焼筒101は、
図3に示すような燃焼筒内部におけるこれらの粉体の付着等を防止するための構成を備えている(特許文献1)。
【0006】
図3は、
図2の燃焼除害装置117が備える従来の燃焼筒101の構成を示す模式図である。
図3に示すように、燃焼筒101は、排気ガス供給管102と、ノズル103と、バーナー104と、外筒107と、内筒110とを備えて構成されている。
図3中に示す太い矢印は、半導体製造装置115の排気ガスの流れの向きを示す。排気ガスは、排気ガス供給管102、及びノズル103を介して内筒110の内部に導入される。バーナー104は、内筒110の内部で火炎を形成する。バーナー104が形成する火炎により、燃焼筒101は、排気ガスを燃焼させて処理している。
【0007】
図3に示すように、燃焼筒101は、外筒107と内筒110とを有する二重管構造である。燃焼筒101においては、外筒107に空気取入口111が設けられており、内筒110の表面に複数の空気導入孔113が設けられている。
【0008】
空気取入口111は、外筒107と内筒110との間の空間に空気を導入するために、外筒107の中心軸上の一次側の端部106に設けられている。空気取入口111から当該空間に導入された空気は、内筒110の軸方向に沿って流れ、複数の空気導入孔113から内筒110の内部に導入される。内筒110の内部に導入された空気は、内筒110の外部から内筒110の内部に向かって流れるので、内筒110の内部に粉体が付着しにくくなる。
【0009】
このように、燃焼筒101においては、内筒110における粉体の付着等を防止することを主な目的として、外筒107と内筒110との間の空間から、空気導入孔113を経由して内筒110の内部に空気を導入している。上記目的を達成するためには、空気取入口111から導入される空気を、内筒110の軸方向に沿って均一に流し、各空気導入孔から均等に内筒110の内部に導入する必要がある。以上より、燃焼筒101においては、空気取入口111が、外筒107の中心軸上の一次側の端部106に必然的に設けられている。これにより、外筒107と内筒110との間の空間を流れる空気が、各空気導入孔から均一に内筒110の内部に導入され、粉体付着を防止する効果が高められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、特許文献1に記載されている燃焼筒101は、内筒110の内部における粉体付着を防止する観点から、外筒107と内筒110との間の空間に空気を均一に流し、空気導入孔113から内筒110の内部に均等に導入できるように設計されていた。さらに、空気取入口111が必然的に外筒107の中心軸上の一次側の端部106に配置されていた。その結果、ノズル103は、空気取入口111の下流側に配置されることとなり、ノズル103は、外筒107を貫通させて設けざるを得なかった。
【0012】
ところが、燃焼筒101にあっては、空気取入口111から導入される空気によって、外筒107と内筒110との間の空間に位置するノズル103の一部(
図3中丸印で囲んで示す部分。)が冷却されてしまうという問題があった。
一般に、半導体製造装置の排気ガスは様々なガス成分を含んでいる。そのため、燃焼筒101においては、ノズル103の内部を流れる排気ガスが冷却されてノズル103内に粉体が生じることがあった。その結果、当該粉体が堆積すること等により、ノズル103の閉塞が起きてしまうという課題があった。
【0013】
また、燃焼筒101にあっては、空気取入口111から導入される空気により冷却されたノズル103の内部で、排気ガスの一部の低沸点成分が液化してしまうことがあった。そのため、液化した低沸点成分に腐食性のガス成分が溶解し、濃縮されることにより、ノズル103が劣化してしまうという課題があった。
【0014】
また、燃焼筒101にあっては、ノズル103の閉塞と、劣化に対処するために、ノズル103をメンテナンスする頻度が増加してしまうという課題があった。ノズル103の閉塞と、劣化とを低減するために、燃焼筒101はヒーター等の加熱装置をさらに必要とする場合もあり、電気容量等のランニングコストが増加してしまうという課題もあった。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、内筒の内部の粉体付着を防止しながら、ノズルの閉塞、及び劣化を防止でき、メンテナンスの頻度、及びランニングコストが低減される燃焼筒を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] 外筒と、前記外筒の内部に、前記外筒と同軸に配置された内筒と、前記内筒を貫通するとともに、前記内筒の内部に対象ガスを供給するノズルと、前記ノズルの周囲に設けられるとともに、前記内筒の内部で火炎を形成するバーナーと、前記外筒に設けられるとともに、前記外筒と前記内筒との間の空間に空気を導入する1以上の空気取入口と、を備え、前記内筒を貫通する複数の空気導入孔が、前記内筒に設けられており、前記空気取入口が、前記内筒の一次側の端部より、前記外筒の軸方向で二次側に位置する燃焼筒。
[2] 前記外筒の軸方向に対して垂直方向の断面で平面視したときに、前記空気取入口が、前記軸に対して対称となる位置に設けられている[1]の燃焼筒。
[3] 前記空間に導入される空気の流れを前記軸方向で二次側に向ける整流手段を備える[1]又は[2]の燃焼筒。
[4] [1]〜[3]のいずれかの燃焼筒を1以上備える燃焼除害装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、内筒の内部の粉体付着を防止しながら、ノズルの閉塞、及び劣化を防止でき、メンテナンスの頻度、及びランニングコストを低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の用語の定義は、本明細書、及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「対象ガス」とは、安定化、及び無害化等の処理対象となるガスを意味する。対象ガスの一例として、半導体製造装置の排気ガス等が挙げられる。半導体製造装置の排気ガスには、燃焼反応、又は酸化反応によって粉体が生じるSiH
4等のガス成分、又は半導体製造装置で生じる粉体等が含まれ得る。半導体製造装置の排気ガスは、対象ガスの一例として示したものであり、特に限定されない。
「燃焼除害装置」とは、対象ガスを燃焼反応により熱分解し、安定化、及び無害化等の処理をする装置を意味する。
「燃焼筒」とは、対象ガスの燃焼反応が行われる筒状の装置を意味する。
「一次側」とは、対象ガスの流れの上流側を意味する。これに対して、「二次側」とは、対象ガスの流れの下流側を意味する。
【0020】
以下、本発明を適用した一実施形態の燃焼除害装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0021】
まず、本発明を適用した一実施形態である燃焼筒の構成の一例について説明する。
図1は、本実施形態の燃焼筒1の構成の一例を示す模式図である。
図1中に示す太い矢印は、対象ガスの流れの向きの一例を示す。
図1に示すように、燃焼筒1は、対象ガス供給管2と、ノズル3と、バーナー4と、外筒7と、内筒10と、空気取入口11と、整流板12とを備えて概略構成されている。
【0022】
外筒7は、内筒10の周方向に沿って配置された周壁である。本実施形態においては、外筒7の一次側の端部6が閉塞端とされている。ただし、外筒7の一次側の端部6は、密閉された形態に限定されない。例えば、外筒7の一次側の端部6には、外筒7の内部の熱を排気する排熱口が設けられてもよい。なお、本実施形態では、外筒7の一次側の端部が閉塞端である場合を一例に説明しているが、外筒7の一次側の端部は、開放端であってもよい。
【0023】
内筒10は、外筒7の内部に、外筒7と同軸に配置されている。内筒10の一次側の端部9は、閉塞端とされている。これにより、内筒10内に供給される対象ガスを内筒10の内部の空間に抑留できる。
【0024】
対象ガス供給管2は、ノズル3の一次側の端部と接続されている。対象ガス供給管2は、対象ガスをノズル3に供給する。
ノズル3は、外筒7の一次側の端部6を閉塞する閉塞面を外筒7の外部から外筒7の内部に貫通している。さらに、ノズル3は、内筒10の一次側の端部9を閉塞する閉塞面を内筒10の外部から内筒10の内部に貫通している。また、ノズル3は、二次側の端部が内筒10の内部で開口している。これにより、ノズル3は、内筒10の内部に対象ガスを供給することができる。
【0025】
ノズル3が外筒7の一次側の端部6の前記閉塞面を貫通する位置は特に制限されない。同様に、ノズル3が内筒10の一次側の端部9の前記閉塞面を貫通する位置は特に制限されない。燃焼筒1においては、ノズル3が外筒7の一次側の端部6の前記閉塞面を貫通する位置と、ノズル3が内筒10の一次側の端部9の前記閉塞面を貫通する位置とが、外筒7の軸と同軸上にある。すなわち、燃焼筒1においては、ノズル3と、外筒7と、内筒10とが同軸上に配置されている。
【0026】
バーナー4は、ノズル3の周囲に設けられている。バーナー4は、内筒10の内部で火炎を形成する。バーナー4が形成する火炎により、ノズル3から供給された対象ガスは、燃焼反応によって熱分解される。
バーナー4としては、内筒10の内部に火炎を発生させることができれば特に限定されない。例えば、バーナー4は、水素(H
2)、LPG、LNG、メタン(CH
4)、プロパン(C
3H
8)、及びブタン(C
4H
8)等のガス、並びにこれらの混合ガスを燃料とするバーナーであってもよい。
【0027】
燃焼筒1においては、外筒7と内筒10とが同軸上に配置され、二重管構造を構成している。そのため、外筒7と内筒10との間には、空間が設けられている。後述する空気取入口11から導入される空気は、この空間を流れることができる。外筒7の材質としては、特に制限されず、公知の金属を挙げることができる。かかる金属としては、ステンレス等の合金であってもよい。例えば、燃焼筒1においては、外筒7の材質をSUS304とすることができる。
【0028】
内筒10は、外筒7の内部で、外筒7と同軸に配置されている。内筒10の内部の前記一次側の端部9の付近では、ノズル3の二次側の端部が開口している。また、内筒10の内部では、ノズル3の周囲に設けられたバーナー4により、火炎が形成される。よって、内筒10は、対象ガスの燃焼反応が行われる燃焼室となる。
内筒10の材質としては、公知の金属を挙げることができる。かかる金属としては、ステンレスなどの合金であってもよい。例えば、燃焼筒1においては、内筒10の材質をSUS304とすることができる。
【0029】
内筒10には、複数の空気導入孔13が設けられている。空気導入孔13は、内筒10の外周面から、内筒10の内周面に貫通している。本実施形態においては、内筒10の内部の圧力が、外筒7と内筒10との間の空間の圧力より低く設定されている。これにより、外筒7と内筒10との間の空間を流れる空気が、空気導入孔13を経由して内筒10の内部に導入される。空気導入孔13から内筒10の内部に導入される空気により、内筒10の内部の粉体付着を防止できる。なお、
図1中に示す細い矢印は、内筒10の内部に導入される空気の流れの向きの一例を示す。
【0030】
空気導入孔13の孔径、配置、孔同士の間隔、及び数等については、特許第3866808号公報の段落0016,0017,0018の各段落に開示されているように適宜選択することができる。具体的には、内筒10を一次領域、二次領域、及び希釈領域の三つの領域に分割し、各領域における機能、及び目的に応じて空気導入孔13の孔径等について適宜調節して設計することができる。
【0031】
空気取入口11は、外筒7に設けられている。空気取入口11は、外筒7の外部から、外筒7と内筒10との間に空気を導入する。
図1に示す燃焼筒1においては、空気取入口11が1つだけ図示されているが、これに限定されない。すなわち、燃焼筒1は、1以上の空気取入口を備えることができる。
なお、燃焼筒1においては、空気取入口11は、大気開放されているが、これに限定されない。すなわち、空気取入口11は、ダクト等の空気導入管と接続されてもよい。
【0032】
空気取入口11から外筒7と内筒10との間の空間に導入された空気は、内筒10の二次側を冷却することができる。内筒10で燃焼反応が起きている間、内筒10の表面温度は、1000℃程度に達することがある。そこで、空気取入口11から導入される空気により、燃焼反応後の対象ガスの温度が低下し、燃焼反応後の対象ガスが集合ダクト14を経由して燃焼筒1の後段の設備に移送される。
【0033】
なお、
図1中図示はしないが、外筒7、及び内筒10の二次側の端部の付近には、ダクト(図示略)が設けられている。空気取入口11から導入された空気の一部が、空気導入孔13から内筒10の内部に導入され、残部の空気が、前記ダクト(図示略)から内筒10の内部に導入され、内筒10を経由し、集合ダクト14に導出される。これにより、内筒10の内壁に粉体が付着、及び堆積することが防止されるとともに、燃焼反応後の無害化された対象ガスの温度を十分に低下させることができる。
【0034】
本実施形態の燃焼筒1においては、空気取入口11が、内筒10の一次側の端部9より、外筒7の軸方向で二次側に位置する。すなわち、空気取入口11は、外筒7と内筒10との間の空間に位置するノズル3の部分よりも、外筒7の軸方向で二次側に設けられている。これにより空気取入口11から導入される空気が、外筒7と内筒10との間の空間を流れる際に、外筒7と内筒10との間の空間に位置するノズル3の部分を冷却しにくくなる。すなわち、本実施形態の燃焼筒1においては、外筒7と内筒10との間の空間にある部分のノズル3が、空気取入口11から導入される空気によって冷却されにくい。したがって、燃焼筒1においては、空気取入口11から導入される空気が、内筒10の二次側の部分と、内筒10の内部を流れる燃焼反応後の対象ガスを選択的に冷却することができる。
【0035】
本実施形態の燃焼筒1は、空気取入口11を2以上備えていてもよい。本実施形態の燃焼筒1が、空気取入口11を2以上備えている場合においては、外筒7の軸方向に対して垂直方向の断面で平面視したときに、外筒7の軸に対して対称となる位置に、空気取入口11を設けることができる。例えば、燃焼筒1が空気取入口11を2つ備えている場合、2つの空気取入口11,11を外筒7の軸に対して対称となる位置に、外筒7の周方向に対して均等な間隔で設けることができる。この場合、外筒7と内筒10との間の空間を流れる空気の片流れと空気の乱れを防止しやすくすることができる。よって、外筒7と内筒10との間の空間にある部分のノズル3の冷却を防止しながら、空気導入孔13から内筒10の内部に均一に空気を導入することにより、内筒10の内部の粉体付着を防止しやすくなる。同時に、内筒10の二次側等を冷却するのに十分な量の空気を外筒7と内筒10との間の空間に導入することができる。
【0036】
整流板12は、外筒7と内筒10との間の空間に導入される空気の流れを外筒7の軸方向で二次側に向ける整流手段の一例である。
整流板12の位置は、空気取入口11から導入された空気の流れを、外筒7の軸方向で二次側に向けて誘導できる位置であれば特に制限されない。燃焼筒1は、整流板12を備えることにより、導入された空気の流れを確実に外筒7の軸方向で二次側に向けることができ、空気取入口11から導入された空気によってノズル3が冷却されることを防止することができる。さらに、燃焼筒1は、整流板12を備えることにより、外筒7と内筒10との間の空間を流れる空気の片流れと空気の乱れを防止することができる。なお、整流板12の数は、
図1に示すように二つに限定されない。すなわち、燃焼筒1は、整流板12を一つのみ備えていてもよいし、三つ以上備えていてもよい。
【0037】
集合ダクト14は、燃焼筒1の二次側の端部と接続されている。燃焼筒1の二次側の端部で集合ダクト14が接続されていることにより、燃焼筒1から排気される燃焼反応後の対象ガスが集合ダクト14に移送される。集合ダクト14を経由して、燃焼反応後の対象ガスは燃焼筒1の後段の設備に移送される。なお、
図1に示す燃焼筒1においては、1つの集合ダクト14に対して、1つの燃焼筒が接続されているが、本発明の燃焼筒は、
図1に示す形態に限定されない。例えば、本発明の燃焼筒の実施の形態は、1つの集合ダクト14に対して、複数の燃焼筒1が接続されている態様であってもよい。
【0038】
ところで、
図3に示すように、従来の燃焼筒101においては、排気ガス供給管102が内筒110の軸方向に沿って水平に配置され、ノズル103が内筒110の軸方向と垂直方向に配置されていた。これに対して、本実施形態の燃焼除害装置の燃焼筒1においては、対象ガス供給管2と、ノズル3とが内筒10と同軸上に、水平に配置されている。そのため、燃焼筒1においては、従来の燃焼筒101でノズル103が配置されていた外筒107の側面のスペースを設ける必要がない。したがって、本実施形態の燃焼筒は、従来の燃焼筒に比べて、省スペース化、及び小型化を図ることができる。
【0039】
次に、本実施形態の燃焼除害装置について説明する。本実施形態の燃焼除害装置は、本実施形態の燃焼筒を1以上備える。
図2は、本実施形態の燃焼除害装置17の構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、燃焼除害装置17は、本実施形態の燃焼筒1を1以上備えている。燃焼除害装置17は、各燃焼筒1,1,1の内部で起きる燃焼反応によって、半導体製造装置15の排気ガス(対象ガス)を処理することができる。なお、半導体製造装置15は、複数のチャンバー16,16,16を備えている。
【0040】
燃焼除害装置17が備える各燃焼筒1,1,1は、各チャンバー16,16,16とそれぞれ対象ガス供給管2(図示略)、及びノズル3(図示略)を介して接続されている。各燃焼筒1,1,1は、対象ガス供給管2等を介して接続された各チャンバー16,16,16の排気ガスを、燃焼反応によって処理することができる。
燃焼除害装置17は、燃焼筒1を備えるので、内筒10の内部の粉体付着を防止しながら、ノズル3の閉塞、及び劣化が起きにくく、メンテナンスの頻度、及びランニングコストを低減できる。
【0041】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の燃焼筒によれば、空気取入口が、内筒の一次側の端部より、外筒の軸方向で二次側に位置するため、内筒の内部の粉体付着を防止しながら、ノズルの内部における対象ガスの冷却を防止できる。よって、ノズルの内部の対象ガスが、粉体化しにくく、液化もしにくい。したがって、本実施形態の燃焼筒は、ノズルの閉塞、及び劣化を防止でき、メンテナンスの頻度が低減するという顕著な効果を奏する。さらに、本実施形態の燃焼筒によれば、ノズルを加熱する必要がなく、電気容量等のランニングコストを低減できる。
【0042】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されない。また、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が加えられてよい。
例えば、燃焼筒1においては、ノズル3の先端に燃焼反応の副生成物である粉体等が付着、及び蓄積することを防止するために、対象ガスの流れによって回転する自由回転羽根をノズル3の二次側の端部の付近に設けてもよい。
また、例えば、本実施形態の燃焼除害装置においては、集合ダクト14に対して、内筒10(外筒7)を水平に接続されているが、粉体の付着によるバーナー4の燃焼効率低下の防止を目的として、内筒10(外筒7)を集合ダクト14に対して斜め下向きに接続してもよい。