(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る照明システムについて図面を参照しながら説明する。
<1.第1の実施形態>
<1.1.概要>
<1.1.1.照明システム1>
図1は、本発明の一実施形態に係る照明システム1の構成を概念的に示すブロック図である。照明システム1は、
図1に示す様に、電源2、ブレーカ3、100台の照明装置LF
1〜LF
100、照明装置を無線通信により制御する制御装置としてのゲートウェイ5、及び、ユーザインターフェースを有する端末装置としてのタブレット6を備える。なお、照明装置の台数は、特に限定されず、100台に限るものではない。
【0011】
ブレーカ3は、電源2及び3個の回路系統9a〜9cに電気的に接続されており、電源2から回路系統それぞれへの電力供給及び電力遮断を切り替える機能を有する。ブレーカ3は、回路系統9aへの電力供給及び電力遮断を切り替えるスイッチ3a、回路系統9bへの電力供給及び電力遮断を切り替えるスイッチ3b、及び、回路系統9cへの電力供給及び遮断を切り替えるスイッチ3cを備える。なお、回路系統の数、ブレーカ3が有するスイッチの数は、3個に限るものではなく、必要に応じ変更してよい。
【0012】
回路系統3a、3b及び3cには、それぞれ一例として30台の照明装置LF
1〜LF
30、30台の照明装置LF
31〜LF
60、及び、40台の照明装置LF
61〜LF
100が接続されている。照明装置LF
1〜LF
100はそれぞれ内部に識別情報を保持しており、この識別情報により一意に識別される。
【0013】
タブレット6は、制御用端末装置であり、ユーザが照明装置LF
1〜LF
100のそれぞれに対し動作を指示するためのユーザインターフェイス(UI)を提供する。ユーザは、タブレット6を用いて、動作を要求する照明装置、及び、要求する動作を指定する。タブレット6は、動作すべき照明装置、及び、ユーザが要求した動作を示す動作要求をゲートウェイ5に対し無線送信する。
【0014】
ゲートウェイ5は、照明装置LF
1〜LF
100それぞれによる点灯、消灯、明るさ変更などの動作を制御する機能を有する。ゲートウェイ5は、タブレット6から動作要求を受信すると、動作要求により示される照明装置に対し、動作要求により示される動作を指示するための動作指示を送信する。照明装置LF
1〜LF
100のそれぞれは、ゲートウェイ5により送信される動作指示を受信した場合に、その動作指示に応じた動作を行う。
<1.1.2.識別情報対応付け処理>
照明システムの導入時に、照明装置LF
1〜LF
100が設置場所(一例として天井)に設置される場合、照明装置LF
1〜LF
100は、上述のように個々を識別することなく設置される。よって、ユーザは、タブレット6を用いて照明装置LF
1〜LF
100と設置位置との対応付け処理を行う。以下、識別情報対応付け処理について説明する。
【0015】
照明装置LF
1〜LF
100の設置場所は、一例として照明配灯図により模式的に示される。
図2は、照明配灯図の一部(照明配灯
図LA)を示す図である。照明配灯
図LA中の円で表したシンボル(シンボルSB1、SB2など)は、照明装置LF
1〜LF
100のいずれかが配置される位置を表している。照明配灯
図LAにおいては、廊下に照明装置が8個配され、居室に照明装置が12個配され、会議室に照明装置が20個配されることを示している。照明配灯
図LAは、ユーザによりパーソナルコンピュータ等を用いて生成され、識別情報対応付け処理に先立ちタブレット6に格納される。そして、タブレット6は、ユーザ操作に基づき、タブレット6のディスプレイに照明配灯
図LAを表示させる機能を有する。
【0016】
一方、ゲートウェイ5は、無線通信が確立した照明装置LF
1〜LF
100それぞれから識別情報を受信し、受信した識別情報をタブレット6に送信する。
【0017】
タブレット6は、受信した識別情報を、一例として、
図3に示すように、照明配灯図と共に表示することができる。この識別情報と照明配灯図とを含むユーザインターフェース(UI)を以下「照明配置UI」という。
【0018】
図3の照明配置UI100において、照明装置を識別するための識別情報は、矩形画像の上に重ねて表示される。この識別情報が表示された矩形画像を以下「ボタン」という。一例として、ボタンBT11、BT12、BT21及びBT22は、それぞれ識別情報としてWM0001、WM0005、WM0003及びWM0006を表示している。
【0019】
ユーザは、タブレット6に表示された照明配置UI100中のボタンにタッチすることで、ボタンに表示された識別情報で特定される照明装置に対する動作要求を入力することができる。このボタンは、タッチするごとに、点滅オンの指示と点滅オフの指示の入力が切り替わるトグル式のボタンとなっている。なお、タッチパネル65を用いた動作要求の入力については、動作要求を入力できれば足り、ボタンにタッチするものに限らず、メニュー形式で表示された動作要求の候補からユーザが選択するなどであってもよい。
【0020】
ユーザは、照明配置UI100に表示されたボタンにタッチすることで、ボタンに表示された識別情報を有する照明装置に点滅オンを要求する。このとき、タブレット6は、ゲートウェイ5に対し、タッチされたボタンにより表示された識別情報を有する照明装置に点滅オンを要求するための動作要求を送信する。ゲートウェイ5は、動作要求により示される照明装置に対し、点滅オンを指示するための動作指示を送信する。動作指示を受信した照明装置は、点滅動作する。
【0021】
ユーザは、点滅している照明装置の天井における実際の配置位置を確認し、照明配置UI100に模式的にシンボルとして表された照明装置のうち、天井における実際の配置位置に対応するシンボルに、タッチしたボタンをドラッグする。
図3は、ユーザが、H1からH2へドラッグしていることを模式的に表している。これにより、識別情報WM0003と、シンボルSB2とが対応付けられる。タブレット6は、ドラッグされたシンボルにより示される位置に配置された照明装置と、ボタンに表示された識別情報との対応を把握すると、これらの対応を示す対応情報をゲートウェイ5に送信する。
【0022】
タブレット6において、識別情報とシンボルとが対応づけられた後、シンボルは、一例としてボタンと同様にトグルスイッチとして機能する。すなわち、ユーザがシンボルにタッチするごとに、そのシンボルに対応づけられている識別情報により特定される照明装置に対する、電源オンの動作要求と電源オフの動作要求が交互にタブレット6に入力されることになる。なお、識別情報とシンボルとが対応づけられた後のシンボルの機能は、電源オン及びオフのトグルスイッチに限るものではなく、照明装置を制御するための他の機能であってもよい。
【0023】
ここで、照明配置UIを用いて識別情報とシンボルとを対応づける処理において、対応づけるべき識別情報及びシンボルの数が増えるごとに、処理に要する時間が増えていくことになる。本発明は、初期設定の一環としての、識別情報及びシンボルを対応づける際に要する時間の短縮に係る。本発明の一実施形態に係るシステム構成、及びその動作について、より詳細に説明する。
<1.2.構成>
<1.2.1.照明装置LF>
照明装置LF
1〜LF
100は、それぞれ固有の識別情報を保持している以外は同等の構成を有している。以下では、照明装置LF
1〜LF
100の代表としての照明装置LF
1について説明する。照明装置LF
2〜LF
100については、特に説明が必要な場合を除き説明を省略する。
【0024】
照明装置LF
1は、
図4に示すように、光源部41、電源部42、回路部43、及びワイヤレスモジュール(以下「WM」という)部44を備える。WM部44は、着脱可能なモジュールであり、無線部44a及び制御部44bを備える。
【0025】
光源部41は、LED(Light Emitting Diode)で構成された光源である。なお、光源部41は、照明用の光源を備えれば足り、有機EL(Electro Luminescence)デバイスなどLED以外の光源で構成されていてもよい。
【0026】
電源部42は、交流で供給される電力を直流に変換して光源部41に供給する。
【0027】
回路部43は、光源部41、電源部42、及びWM部44を相互に接続する。
【0028】
無線部44aは、無線通信を行う機能を有する。無線部44aは、無線通信により、ゲートウェイ5から送信された情報を受信する。また、無線部44aは、制御部44bによる制御に従い情報を無線通信によりゲートウェイ5へ送信する。
【0029】
制御部44bは、IC(Integrated Circuit)により構成され、照明装置LF
1の動作を制御する機能を有する。制御部44bは、無線部44aを介して受信する情報に基づいて、光源部41の照明制御(点灯、消灯、調光等)を行う。
【0030】
また、制御部44bは、記憶領域を有しており、制御部44bに固有の識別情報を保持している。識別情報は、一例として、WM0001〜WM0100を用いる例で説明するが、照明装置、WM部44を固有に識別できれば足り、例えばMACアドレス(Media Access Control Address)などであってもよい。制御部44bは、電源部42により電力供給が開始され起動した場合に、無線部44aを介して無線通信により自らの識別情報を送信する。この通信は、照明システムの導入時には、予め初期設定されている宛先に対して送信する。ゲートウェイ5との通信接続が確立し、ゲートウェイ5によりネットワークに関する設定がされた後は、ゲートウェイ5を情報送受信の相手とした無線通信を行うことができる。
<1.2.2.ゲートウェイ5>
ゲートウェイ(以下「GW」という)5は、
図5に示すように、無線通信部51、有線通信部52、制御部53、ROM(Read Only Memory)54、RAM(Random Access Memory)55、表示部56、及び電源部57を備える。GW5の各機能は、ROM54からロードされてRAM55に記憶されているプログラムを制御部53が実行することにより実現される。
【0031】
無線通信部51は、無線通信を行う機能を有する。無線通信部51は、具体的には、照明装置4、及びタブレット6と無線により通信する。無線通信の方法(プロトコル)は、照明装置4に対する通信と、タブレット6に対する通信は同じでもよいが違っていても良く、例えば照明装置4に対しては低速のIEEE802.15.4系又はIEEE802.15.1系,タブレット6に対しては通常のタブレットに備わっているIEEE802.11系やIEEE802.15.1系を用いることができる。ただし「系」はアルファベットなどが付加された通信プロトコル(例えばIEEE802.15.1n)も含むことを意味する。
【0032】
有線通信部52は、有線のネットワークケーブルを介してデータ通信を行う機能を有する。有線のネットワークは、例えば有線LAN(Local Area Network)などである。例えば、複数のゲートウェイ5が協働して動作をするような場合などには、複数のゲートウェイ5同士が有線により接続される。このような場合に、有線通信部52は、他のゲートウェイ5との間で有線通信を行い必要な情報を交換する。
【0033】
制御部53は、CPU(Central Processing Unit)を備え、RAM53にロードされたプログラムを読み込み、読み込んだプログラムに応じて動作する。制御部53は、タブレット6から無線通信部51を介して受信する動作指示に応じた処理を実行する。また、制御部53は時計機能を有する。
【0034】
ROM54は、制御部53を動作させるプログラムを格納する不揮発メモリである。
【0035】
RAM55は、ROM53に格納されたプログラムがロードされる記憶装置である。
【0036】
表示部56は、制御部53による制御に基づいて情報を提示する。表示部56は、情報の提示ができれば足り、一例として、LEDインジゲータ、液晶ディスプレイ等で構成してよい。表示部56は、電源がオンまたはオフのいずれであるか、無線通信において問題が発生していないかなどの情報を利用者が分かるように提示する。
【0037】
電源部57は、外部より供給される電力を、装置内の各部の仕様に合うよう変換して供給する機能を有する。電源部57に供給される電力は、上述の回路系統とは異なる回路系統を介して供給される。ゲートウェイ5は常時動作する必要があるので、電源部57は、常時電力が供給する回路系統に接続される。
<1.2.3.タブレット6>
タブレット6は、照明装置等を制御するための制御端末として機能する。タブレット6は、
図1に示すような長方形板状の外観を有する。タブレット6は、コンピュータ及びコンピュータを制御端末として機能させるためのプログラムを実行する。タブレット6は、具体的には、本体部の正面にタッチパネルが嵌め込まれた可搬型の情報端末であり、一般的なタブレット端末が有する通信機能、データ処理機能、入出力機能、及び情報表示機能を一通り備える。
【0038】
タブレット6は、
図6に示すように、制御部61、制御部61を動作させるプログラムを格納するROM62、RAM63、通信部64、及びタッチパネル65を備える。タブレット6の各機能は、ROM62からロードされてRAM63に記憶されているプログラムを制御部61が実行することにより実現される。
【0039】
制御部61は、CPUを備え、タッチパネル65を用いてユーザ操作により入力されるユーザ指示に応じた情報をタッチパネル65から受け取り、受け取った情報に応じた処理を実行する。
【0040】
通信部64は、無線通信を行うデバイスである。通信部64は、ゲートウェイ5と無線通信を行う。
【0041】
タッチパネル65は、表示装置と位置入力装置とを組み合わせた電子部品である。表示装置は、一例として液晶パネルである。また、位置入力装置は、一例としてタッチパッドである。タッチパネル65は、ユーザにより接触された位置に対応するユーザ指示を示す情報を制御部61に通知する。
<1.3.動作>
<1.3.1.設置時処理フロー>
以上のように構成された照明システム1による、初期設定の一環としての設置時設定処理について、以下、
図7を用いて説明する。なお、
図7では、照明装置LF
1〜LF
100に関し、照明装置LF
1、LF
30、LF
31、LF
60、LF
61、及びLF
100についてのみ明記しているが、他の照明装置についても同様の動作をする。
【0042】
まず、ユーザは、タブレット6のUIを用いてタブレット6に対し設置時設定処理の実行指示を入力する(ステップS101)。設置時設定処理の実行指示を受け付けたタブレット6は、無線通信により、ゲートウェイ5に対して設置時設定処理の開始を示す動作指示を送信する。ゲートウェイ5は、設置時設定処理の開始を示す動作指示を受信すると、設置時設定処理モードとなる。設定時設定処理モードにおいては、ゲートウェイ5は、自識別情報ではない特別な識別情報を送信先として各照明装置により送信される情報を受信し、設置時設定処理を実行する。
【0043】
ユーザは、次に、ブレーカ3のスイッチ3aをオンにする(ステップS102)。これにより、電源2と回路系統9aとが接続され、回路系統9aに接続されている30台の照明装置LF
1〜LF
30への電力供給が開始される。照明装置LF
1〜LF
30は、電力供給が開始されると、それぞれ自装置の識別情報(
図7にて「ID」と記載)をゲートウェイ5に送信する(ステップS103、ステップS105)。
【0044】
ゲートウェイ5は、照明装置LF
1〜LF
30が送信した識別情報を受信する(ステップS104、S106)。そして、ゲートウェイ5は、各識別情報を受信した受信日時を時計から読み出し、その識別情報と受信日時とを対応づけて識別情報表に記憶する。
図8(a)は、識別情報表の一例を示す。識別情報表は、
図8(a)に示すように、識別情報、受信日時、及び回路番号との対応を示している。表中の1行が1個の識別情報、すなわち1台の照明装置に対応する。回路番号は、後述するグループ化処理(ステップS122参照)において記載される(
図8(b)参照)。回路番号は、識別情報が分類された回路系統を示し、同じグループに分類された識別情報には、同じ回路番号が割り振られる。なお、各照明装置は、識別情報を通信の確実のため複数回送信する場合がある。ゲートウェイ5は、同じ識別情報を所定時間内に複数回受信した場合には、最も早く受信した日時のみを識別情報表に記載する。
【0045】
次に、ユーザは、ブレーカ3のスイッチ3bをオンにする(ステップS107)。これにより、電源2と回路系統9bとが接続され、回路系統9bに接続されている30台の照明装置LF
31〜LF
60に電力供給が開始される。照明装置LF
31〜LF
60は、電力供給が開始されると、それぞれ自装置の識別情報をゲートウェイ5に送信する(ステップS108、ステップS110)。
【0046】
ここで、ユーザは、スイッチ3aをオンしてから、スイッチ3bをオンするまでに、一定時間(一例として10秒以上)間隔を空けるものとする。そうすると、回路系統9aに接続されている照明装置LF
1〜LF
30が識別情報を送信してから、回路系統9bに接続されている照明装置LF
31〜LF
60が識別情報を送信するまでの時間間隔を、一定時間以上設けられることになる。これにより、ゲートウェイ5において、受信した各識別情報が、回路系統9a、回路系統9bのいずれに接続された照明装置により送信されたものかを判断する場合の判断誤りの可能性を低減することができる。
【0047】
ゲートウェイ5は、照明装置LF
31〜LF
60が送信した識別情報を受信する(ステップS109、S111)。そして、ゲートウェイ5は、各識別情報を受信した受信日時を時計から読み出し、その識別情報と受信日時とを対応づけて識別情報表に記憶する。
【0048】
次に、ユーザは、ブレーカ3のスイッチ3cをオンにする(ステップS112)。これにより、電源2と回路系統9cとが接続され、回路系統9cに接続されている40台の照明装置LF
61〜LF
100に電力供給が開始される。電力供給が開始されると、照明装置LF
61〜LF
100は、それぞれ自装置の識別情報をゲートウェイ5に送信する(ステップS113、ステップS115)。なお、ユーザは、スイッチ3bをオンする場合と同様の理由により、スイッチ3bをオンしてから、スイッチ3cをオンするまでに、一定間隔の時間を空けるものとする。
【0049】
ゲートウェイ5は、照明装置LF
61〜LF
100が送信した識別情報を受信する(ステップS114、S116)。そして、ゲートウェイ5は、各識別情報を受信した受信日時を時計から読み出し、その識別情報と受信日時とを対応づけて識別情報表に記憶する。
【0050】
ユーザは、設置された照明装置各々が接続された各電力系統に電力を供給するためのスイッチを全てオンにした後、タブレット6に対し、識別情報表の送信要求を指示する(ステップS121)。タブレット6は、識別情報表の送信要求をゲートウェイ5に送信する。ここで、ユーザは、スイッチ3cをオンにしてから、識別情報表の送信要求を指示するまでに、一定時間間隔を空けるものとする。これにより、識別情報表の送信要求を指示する前に、回路系統9cに接続されている照明装置LF
61〜LF
100によって識別情報が送信されて、その識別情報がゲートウェイ5により受信されている可能性を高めることができる。
【0051】
ゲートウェイ5は、識別情報表の送信要求を受信すると、識別情報のグループ化処理を実行する(ステップS122)。グループ化処理は、
図8(a)に示す識別情報表の、各行に係る識別情報を、回路系統ごとに分類する処理である。グループ化処理が実行されると、識別情報表の回路番号欄に値が書き込まれることになる。ステップS122の詳細は、
図9に示される。
図9については後述する。
【0052】
ゲートウェイ5は、グループ化処理を終了すると、回路番号が書き込まれ完成した識別情報表をタブレット6に送信する(ステップS123)。
【0053】
そして、ユーザは、タブレット6を用いて上述した識別情報対応付け処理を行う(ステップS124)。タブレット6は、一例として
図3に示す、受信した識別情報表に含まれる識別情報と、照明配灯図とを画面表示した照明配置UIをタッチパネル65に表示する。ここで、
図3に示す照明配置UIにおいて、識別情報は、グループ化処理によって分類された回路番号ごとにまとめて表示される。一例として、
図3では、「回路1」を示すパネルBT1の下に、回路系統1に接続されている照明装置の識別番号がまとめて列記される(BT11、BT12、・・・)。
【0054】
ボタンBT31には識別番号が記載されず「・・・」が記載されているが、このボタンは、回路系統9aに接続される照明装置に係る識別番号が、WM0001、WM0005、WM0025の他にも存在することを示している。このボタンBT31をユーザがタッチすることで、回路系統1に接続される照明装置に係る識別情報で表示されていないものが、表示されるようになる。
【0055】
ここで、同じ回路系統に接続された照明装置は、天井の近い配置位置に配置されている可能性が高い。照明配置UI100において、天井の近い配置位置に配置されている照明装置を表すシンボルも、近くの表示位置に表示されている可能性が高い。
【0056】
このため、ユーザは、照明配置UIにおける、回路系統ごとにまとまって表示される識別情報を、近い表示位置に表示されているシンボルにドラッグによって対応づけていけばよいため、ドラッグ作業の負担が軽減され、効率よく識別情報とシンボルとを対応づけることができる。よって、照明システム1によれば、識別情報対応付け処理に要する時間を短縮することができる。
<1.3.2.グループ化処理フロー>
以下、
図7のステップS122の詳細を示す
図9を参照しながら、グループ化処理について説明する。グループ化処理の開始前の時点では、識別情報表は、例えば
図8(a)に示すように、回路番号欄が空欄になっている。
【0057】
ゲートウェイ5は、まず、変数iの初期値に1を代入する(ステップS201)。そして、すべての識別情報(図中IDと記載)を判定対象にして(ステップS202)、判定対象のうち、識別情報に対応する受信日時が最も早い識別情報を選出する(ステップS203)。
【0058】
選出した識別情報の受信日時から所定時間(一例として10秒)以内の受信日時である識別情報を全て選出する(ステップS204)。そして、識別情報表における、選出した識別情報に対応する回路番号欄にiの値を記載する(ステップS205)。なお、回路番号が1の場合、対応する識別情報に係る照明装置が回路系統9aに接続していることを示す。同様に、回路番号が2及び3の場合、対応する識別情報に係る照明装置がそれぞれ回路系統9b及び9cに接続していることを示す。
【0059】
次に、ゲートウェイ5は、これまで選出していない識別情報を判定対象にする(ステップS206)。そして、判定対象の識別情報が存在するか否か判断する(ステップS207)。
【0060】
判定対象の識別情報が存在する場合(ステップS207でYES)、変数iを1増加させて(ステップS208)、ステップS203に進む。判定対象の識別情報が存在しない場合(ステップS207でNO)、処理を終了する。
【0061】
以上、説明したグループ化処理を実行した結果、識別情報表の回路番号欄に値が書き込まれ、識別情報が回路系統ごとにグループ化される。
<2.第2の実施形態>
第1の実施形態では、設置時設定処理において、ユーザがブレーカ3のスイッチ3a〜3cそれぞれを、時間間隔を空けて順にオンしていた。
【0062】
これに対し、第2の実施形態では、ユーザが、ブレーカ3のスイッチをオンにした後、そのスイッチをオンしたことにより電力供給が開始された回路系統に接続している照明装置の全てから識別情報が送信されるまで、次のスイッチをオンするのを待つこととしている。
【0063】
以下、第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0064】
図10は、第2の実施形態に係る設置時処理の手順を示すフローチャートである。
【0065】
まず、ユーザは、タブレット6のUIを用いてタブレット6に対し設置時設定処理の実行指示を入力する(ステップS101)。設置時設定処理の実行指示を受け付けたタブレット6は、無線通信により、ゲートウェイ5に対して設置時設定処理の開始を示す動作指示を送信する。ゲートウェイ5は、設置時設定処理の開始を示す動作指示を受信すると、設置時設定処理モードとなる。
【0066】
タブレット6は、受信した識別情報の数を示す変数である識別情報数を0にリセットする(ステップS400)。また、ゲートウェイ5は、回路番号を表す変数iの初期値に1を代入する(ステップS401)。
【0067】
そして、ユーザは、スイッチ3aをオンにする(ステップS102)。これにより、電源2と回路系統9aとが接続され、回路系統9aに接続されている30台の照明装置LF
1〜LF
30への電力供給が開始される。照明装置LF
1〜LF
30は、電力供給が開始されると、それぞれ自装置の識別情報をゲートウェイ5に送信する(ステップS103、ステップS105)。
【0068】
ゲートウェイ5は、照明装置LF
1〜LF
30が送信した識別情報を受信する(ステップS402、S406)。そして、ゲートウェイ5は、受信した識別情報と、回路番号としての変数iの値とを対応づけて識別情報表に記憶する。
図11(a)は、本実施形態に係る識別情報表の一例を示す。識別情報表は、
図11(a)に示すように、識別情報及び回路番号の対応を示している。表中の1行が1個の識別情報、すなわち1台の照明装置に対応する。ゲートウェイ5が、各照明装置から識別情報を受信するごとに、識別情報表中に識別情報と回路番号との組が追記されていく(
図11(b)参照)。
【0069】
ゲートウェイ5は、識別情報を受信するごとに、その識別情報をタブレット6に送信する(ステップS403、S407)。
【0070】
タブレット6は、識別情報を受信するごとに、ID数をカウントアップし、ID数をタッチパネル65に表示する(ステップS404、S408)。ID数は、ユーザがスイッチ3aをオンしたことにより、識別情報を送信した照明装置の数を示している。
【0071】
ユーザは、予め、各回路系統に接続している照明装置の数を把握している。ユーザは、表示されるID数が、スイッチ3aに係る回路系統に接続している照明装置の数と一致するまで待つ。そして、ユーザは、表示されるID数が、スイッチ3aに係る回路系統に接続している照明装置の数と一致した場合に、タブレット6に対し、グループ完了通知の送信要求を入力する(ステップS409)。タブレット6は、ゲートウェイ5に対しグループ完了通知を送信する。また、タブレット6は、カウントしているID数をリセットする(ステップS420)。ゲートウェイ5は、グループ完了通知を受け取ると、変数iを1インクリメントする(ステップS421)。グループ完了通知は、同回路系統に接続しているすべての照明装置から識別情報が送信されたことを意味する。
【0072】
ユーザは、次のスイッチ(スイッチ3b)をオンにする(ステップS107)。これにより、電源2と回路系統9bとが接続され、回路系統9bに接続されている30台の照明装置LF
31〜LF
60への電力供給が開始される。照明装置LF
31〜LF
60は、電力供給が開始されると、それぞれ自装置の識別情報をゲートウェイ5に送信する(ステップS108、ステップS110)。
【0073】
ゲートウェイ5は、照明装置LF
31〜LF
60が送信した識別情報を受信する(ステップS422、S425)。そして、ゲートウェイ5は、受信した識別情報と、回路番号としての変数iの値とを対応づけて識別情報表に記憶する。ゲートウェイ5は、識別情報を受信するごとに、その識別情報をタブレット6に送信する(ステップS423、S426)。タブレット6は、識別情報を受信するごとに、ID数をカウントアップし、ID数をタッチパネル65に表示する(ステップS424、S427)。
【0074】
ユーザは、表示されるID数が、スイッチ3bに係る回路系統に接続している照明装置の数と一致した場合に、タブレット6に対し、グループ完了通知の送信要求を入力する(ステップS428)。タブレット6は、ゲートウェイ5に対しグループ完了通知を送信する。また、タブレット6は、カウントしているID数をリセットする(ステップS440)。ゲートウェイ5は、グループ完了通知を受け取ると、変数iを1インクリメントする(ステップS441)。
【0075】
スイッチ3cについても、スイッチ3bについて行った処理と同様の処理を実行する(ステップS122、S113、S442、S443、S444、S115、S445、S446、S447、S448)。
【0076】
そして、ユーザは、タブレット6に対し、識別情報表の送信要求を指示する(ステップS121)。タブレット6は、識別情報表の送信要求をゲートウェイ5に送信する。
【0077】
ゲートウェイ5は、識別情報表をタブレット6に送信する(ステップS123)。タブレット6は、識別情報表を受信する。そして、上述した識別情報対応つけ処理(ステップS124)を実行する。
【0078】
第2の実施形態に係る発明は、ゲートウェイ5が、各照明装置から識別情報を受信したときに、受信した識別情報に回路番号を割り振りグループ分けまで実行する点で、第1の実施形態とは異なる。
【0079】
第2の実施形態の場合、第1の実施形態のようにブレーカ3のあるスイッチをオンにした後、次のスイッチをオンにするまでの時間間隔をユーザが把握する必要がなくなる。
<3.変形例>
以上、本発明に係る照明システムの実施形態を説明したが、例示した照明システムを以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明システムに限られないことは勿論である。
【0080】
(1)上述の実施形態では、識別情報をグループ化するために回路番号を用いていたが、これに限るものではなく、識別情報、ひいては各照明装置を、接続する回路系統ごとにグループ化できる情報、属性等であれば足りる。例えば、回路名、グループ名、回路のIDなどを用いることとしてよい。
【0081】
(2)上述の実施形態では、ブレーカのスイッチをオンすることで回路系統への電力供給を開始していたが、これに限らず、回路系統への電力供給の開始/停止を切り替えられる手段であれば足りる。例えば、ブレーカに代えて、半導体デバイスで構成されるスイッチを用いてもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では、ユーザがブレーカのスイッチを直接操作してオン、オフ切り替えすることとしていたが、これに限らず、電力供給の開始/停止を切り替えられれば足りる。例えば、電力供給の開始/停止を遠隔制御により切り替えることとしてもよい。具体的には、上述の半導体デバイスで構成されるスイッチとして、無線制御によって電力供給のオン/オフが切り替え可能なスイッチ(以下「無線スイッチ」という)を用い、そのオン/オフをタブレット6などの制御端末により制御することとしてもよい。
【0083】
また、タブレット6などの制御端末から、スイッチ3aに対応する無線スイッチ、スイッチ3bに対応する無線スイッチ、スイッチ3cに対応する無線スイッチの順に、10秒間隔を空けてオンする制御をすることとしてもよい。このようにすることで、第1の実施形態のように、ユーザが、10秒ごとに、スイッチ3a、スイッチ3b及びスイッチ3cをオンしていくという動作、処理が不要となり、ユーザの負担はより軽減される。
【0084】
(3)上述の実施形態では、ユーザが、スイッチ3aをオンしてから、スイッチ3bをオンするまでに、一例として10秒以上間隔を空けるものとしていたが、必ずしも10秒以上空ける必要はなく、必要な時間間隔を確保すれば足りる。より具体的には、時間間隔は、スイッチがオンされてから、電力供給が開始された回路系統に接続されている識別情報がゲートウェイ4によって全て受信されるまでの時間分だけ設ければよい。
【0085】
(4)上述の実施形態では、照明装置が接続された回路系統ごとにその照明装置が有する識別情報をグループ化していたが、天井などの設置場所において、実際に近い配置位置に配置されている可能性が高い照明装置が有する識別情報をグループ化できれば足りる。例えば、ゲートウェイが、各照明装置と無線通信した際の電波強度を測定し、電波強度を所定の大きさ範囲ごとにグループ化することによって、その電波強度が測定された照明装置に係る識別情報についてもグループ化されることとしてもよい。
【0086】
(5)照明配置UIにおいて、グループ化して表示される識別情報を、さらに、他の情報に基づき定められる順番で並べることとしてもよい。例えば、同グループに分類された識別情報について、上述の電波強度の強い照明装置のものから順に並べることとしてもよい。
【0087】
(6)上述の実施形態では、ゲートウェイ5に制御機能を持たせたが、制御機能をタブレット6に持たせ、ゲートウェイ5は信号の中継機能のみを有する構成としてもよい。
【0088】
(7)上述の実施形態では、ゲートウェイ5とタブレット6とを別個の構成としたが、これに限らず、双方の機能を備える一つの装置として構成してもよい。
【0089】
(8)上述の実施形態では、ゲートウェイ5が1個用いられる例で説明したが、これに限らず、ゲートウェイ5は複数あってもよい。そして複数のゲートウェイ5が、連携して動作してもよい。ゲートウェイ5の物理的な無線通信は限られるので、複数のゲートウェイ5が連携動作することで、より広い範囲に設置された照明装置を制御することができる。
【0090】
(9)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
<4.補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明システムの構成及びその変形例と効果について説明する。
(1)本発明の一実施形態に係る照明システムは、複数の照明装置と、前記複数の照明装置の動作を無線通信により制御する制御装置と、ユーザ操作により前記複数の照明装置に対する動作指示が入力され、前記動作指示を前記制御装置に送信する端末装置とを備えた照明システムであって、前記複数の照明装置のそれぞれは識別情報により識別され、自装置に電力供給が開始された場合に自装置の前記識別情報を送信し、前記制御装置は、前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報と、前記識別情報の受信日時とを対応づけて保持し、前記受信日時が所定の範囲内にある識別情報をグループ化して前記端末装置に通知し、前記端末装置は、前記識別情報を前記グループごとにまとめて表示する、前記識別情報と前記照明装置とを対応づけるためのユーザインターフェースを有する。
【0091】
この構成により、本発明に係る照明システムは、ユーザインターフェースを用いて行う識別情報と照明装置との対応づけに要する時間を従来よりも短縮することができる。
(2)また、前記電力供給は、前記照明装置が接続される回路系統のブレーカのスイッチがオンにされたときに開始されることとしてもよい。
【0092】
この構成により、照明装置の識別情報を、照明装置が接続している回路系統ごとにグループ化することができる。
(3)また、前記所定の範囲内は、前記ブレーカのスイッチがオンされた後に、前記制御装置によって最初に受信された識別情報の受信日時から、所定時間以内であることとしてもよい。
【0093】
この構成により、受信時間が所定時間以内の識別情報をグループ化することができる。
(4)また、前記ユーザインターフェースには、各照明装置の設定位置を示すシンボルが表示され、前記ユーザインターフェースは、表示されている識別情報を有する照明装置を個別に点灯させる機能と、ユーザ操作に基づいて、表示された識別情報と表示されたシンボルとを対応づける機能とを有することとしてもよい。
【0094】
この構成により、照明装置を1台ずつ点灯させながら、点灯した照明装置を表すシンボルと、識別情報とを対応づけすることができる。