【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の特徴において、X線検査システムが提供される。当該X線検査システムは、
X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、を有するキャビネットと、
前記サンプル支持部上の前記キャビネット内の空気入口部を通して、前記キャビネット内に空気を強制的に送り込むように構成されたエアームーバと、
を備え、
前記エアームーバと前記キャビネットは、前記空気入口部から前記サンプル支持部を通して前記サンプル支持部下の前記キャビネットの空気出口部へと、空気を強制的に送り込むように構成されている。
【0007】
キャビネットは、X線シールドを提供するべく構成され得て、当該目的のために鉛でライン(ライナ)され得る。安全の見地から、当該システムからのX線の漏洩を最小化することが望ましい。
【0008】
このタイプのX線システムは、半導体ウェハのような物品を検査するためにクリーンルーム環境内で用いられ得る。サンプル支持部の上方から当該サンプル支持部を通して当該サンプル支持部の下方の出口部に至る空気の流れを維持することによって、サンプルはダストや塵から保護され得る。システムは、当該システムの動作中、すなわち、サンプルがロードされ、画像化され、移動され、システムからアンロードされる間に、空気の流れが維持されるように、構成され得る。システムは、少なくともクラス4ISO14644−1クリーンルーム環境を提供するように構成されている。
【0009】
X線源は、好適には、シールされたX線チューブである。シールされたX線チューブは、開放型のX線チューブと比較して、顕著に少ないメンテナンスを要求するため、プラントの動作がメンテナンスのために停止される時間が大変に高価である半導体製造プラントにおいて使用するのにずっと好適である。
【0010】
X線源は、好適には、透過ターゲットを有している。透過ターゲットの使用は、大変小さいスポットサイズのX線源を許容し、コンパクトなシステム内での高い倍率を許容する。なぜなら、画像化されるサンプルが、ターゲットの近くにもたらされ得るからである。シールされた、透過ターゲットを有するX線チューブが、半導体ウェハ検査のために特に有利である。なぜなら、このタイプのX線チューブは、高分解能の画像、良好な信頼性、及び、長いメンテナンスサイクル、を提供し得るからである。
【0011】
本システムは、好適には、透過顕微鏡法を実施するように構成される。X線検出器は、X線源からの主要な入射X線ビームの減衰を測定して、サンプルまたはサンプルの一領域の2次元画像を提供するように構成され得る。
【0012】
本システムは、更に、例えば高効率粒子吸収(HEPA)フィルタまたは超低貫通空気(ULPA)フィルタのような、高性能のエアーフィルタを備え得る。当該エアーフィルタは、サンプル支持部の上方に置かれる。このタイプのエアーフィルタは、入口部からキャビネットに入る空気流がダストフリーであることを保証する。
【0013】
好適な実施形態では、エアームーバが、サンプル支持部上で、キャビネット内に位置決めされている。当該実施形態では、エアーフィルタは、エアームーバとサンプル支持部との間に位置決めされている。エアームーバをキャビネット内に設けることは、コンパクトなシステムの製造を許容する。もっとも、キャビネットの外側にエアームーバを置くことも可能である。
【0014】
本システムは、複数のエアームーバと複数のエアーフィルタとを備え得る。理想的には、本システムは、キャビネット内の空気流が、何らの空気の再循環無しで、均一で層状で下向きであるように、構成される。用いられるエアームーバの数は、層流を達成するべくキャビネット内のシステム要素の幾何形状に適合するよう選択され得る。好適な実施形態では、本システムは、2つのエアームーバと2つの関連するエアーフィルタとを備える。
【0015】
エアームーバは、ファンであり得る。エアーフィルタは、エアームーバに結合され得る。エアームーバとエアーフィルタは、ファンフィルタユニットとして提供され得る。ファンフィルタユニットは、空気入口部を有する包囲部と、当該包囲部内で空気を空気入口部を通して引き入れるように構成されたファンと、空気出口部と、空気出口部に広がるフィルタ板と、を備え得て、空気出口部から出る空気は、強制的にフィルタ板を通されるようになっている。ファンフィルタユニットは、包囲部の外側よりも包囲部の内部においてより高圧を提供するように構成され得る。ファンフィルタユニットの内部でより高圧を提供することは、エアーフィルタを通る空気流の均一性を改善する。これは、キャビネット内の空気再循環を防止するために望ましい。
【0016】
ファンフィルタユニットは、ファンに結合されたバッフル板を有し得る。バッフル板は、有利には、フィルタ板を通る均一な空気流を提供するように構成される。ファンは、包囲部の中心に置かれ得て、バッフル板は、ファンからの空気を包囲部の先端(末端)へと指向するように構成され得る。包囲部は、外部壁を有し得て、バッフル板は、ファンからの空気を外部壁に向けて指向するように構成され得る。
【0017】
エアームーバは、当該エアームーバを通してのキャビネットからのX線の漏洩を防止するために配置された、例えば鉛シートのようなX線シールドを有し得る。ファンフィルタユニット内のバッフル板は、X線シールドであり得る。それは、安全上の見地から、システムからのX線の漏洩を最小化するために望ましい。
【0018】
X線源は、有利には、サンプル支持部の上方に置かれて、キャビネットに対して固定される。X線源を支持部の上方に置くことは、支持部の頂部上のサンプル、特にはサンプルの頂面、がX線源に近接されることを許容する。これは、コンパクトなシステム内で高倍率の画像を提供するために有利である。X線源がサンプルの上方に置かれる場合、サンプルを損傷し得る任意の運動機構からのダストやデブリの生成を防ぐべく、それが動作中に静止していることもまた、有利である。また、X線源は相対的に大きくて重い要素であるので、X線源を静止状態に維持することは有利である。典型的には、それは、相対的に柔軟でなくて動かすのが難しい非常に大きな電源ケーブルを必要とする。
【0019】
X線検査システムは、画像プロセッサを含むコントローラを備え得る。画像プロセッサは、X線検出器からのデータを受容するためにX線検出器に接続され得る。
【0020】
X線検査システムは、サンプル支持部とX線源との間の相対移動を許容する第1位置決め組立体を更に備え得て、当該第1位置決め機構は、サンプル支持部の下方に位置する。第1位置決め機構は、第1水平方向にサンプル支持部を移動するための第1水平サンプル位置決め機構と、第2水平方向にサンプル支持部を移動するための第2水平サンプル位置決め機構と、鉛直方向にサンプル支持部を移動するための鉛直サンプル位置決め機構と、を有し得る。
【0021】
好適な実施形態では、第1位置決め組立体は、第1水平位置決め機構がサンプル支持部と鉛直位置決め機構とを第1水平方向に移動する、というように構成される。鉛直位置決め機構は、第2水平位置決め機構とサンプル支持部とを鉛直方向に移動する、というように構成され得る。第1水平位置決め機構は、好適には、支持フレームに直接取り付けられる。この配置は、水平面内でのサンプルのラスター走査を実施するシステムにとって有利である。ラスター走査の走査線は、第2水平方向に延びていて、第2水平位置決め機構は、最長距離に亘って頻繁に高速に動作することが要求される。従って、第2水平位置決め機構は、サンプル支持部のみを移動して、他の位置決め機構のいずれの集団も移動しないように構成されている。第1水平位置決め機構もまた、鉛直位置決め機構と比較すると、高速かつ頻繁に移動することが要求される。第1水平位置決め機構を支持フレームに直接的に取り付けることによって、第1水平方向の運動は、高速かつ正確になされ得る。鉛直位置決め機構は、画像倍率を変更するが、水平位置決め機構よりも相対的にさほど頻繁でなく相対的に短い距離に亘って移動することが要求される。典型的には、ラスター走査動作中は、全く移動しない。鉛直位置決め組立体は、水平位置決め機構よりも、相対的に小さい質量とされ得る。
【0022】
第1水平位置決め機構が固定される支持フレームは、床(フロア)に取り付けられ得る。好適な実施形態では、支持フレームは、フロアに固定されるよう構成された第1剛性サブフレームと、第1サブフレームにダンピング機構を介して支持された第2剛性サブフレームと、を有し得る。第1水平位置決め機構は、第2剛性サブフレームに固定される。
【0023】
X線検査システムは、サンプル支持部に隣接して位置決めされてサンプル支持部の位置または位置変化を検出するように構成された、例えばレーザ干渉計のような非接触式の位置測定装置を有するサンプル支持部位置検出組立体を備え得る。これは特に、サンプルの位置を水平面内で正確に決定するために有利である。それは、大変高い倍率の画像を生成し、それらを用いて3次元モデルを生成する時に要求される。好適な実施形態では、本システムは、好適にはレーザ干渉計である2つの非接触式の位置測定装置を有する。第1の非接触式の位置測定装置は、第1水平方向のサンプル支持部の位置変化を検出するための装置であり、第2の非接触式の位置測定装置は、第2水平方向のサンプル支持部の位置変化を検出するための装置である。勿論、一対の非接触式の位置測定装置は、第1及び第2水平方向とは異なる水平面内の方向での位置変化を検出するように配置されてもよい。他の可能性ある非接触式の位置測定装置は、光学的なリニアエンコーダ、磁石式のエンコーダ、静電容量センサ、及び、ソナー距離測定装置を含む。
【0024】
非接触式の位置測定装置によって提供される位置情報は、画像プロセッサによって用いられ得る。特に、非接触式の位置測定装置によって提供される画像間のサンプルの位置変化は、トモシンセシス計算において用いられ得る。非常に高い倍率で半導体ウェハ内のボイドのような大変小さい特徴の3次元モデルを生成する時、正確な位置情報が要求される。サンプルの位置情報がより正確であればある程、画像分解能がよくなる。
【0025】
X線検査システムは、X線源とサンプル支持部上のサンプルの表面との間の距離の測定を提供するように構成され、X線源に固定された近接センサを備え得る。近接センサは、レーザ位置センサや共焦点センサであり得る。近接センサは、画像プロセッサに距離データを提供するべく、画像プロセッサに接続され得る。画像プロセッサは、例えばトモシンセシス計算のような画像処理計算において、近接センサからの距離の測定を用い得る。
【0026】
コントローラが、サンプル位置決め組立体に接続され得て、近接センサによって提供される距離測定値に基づいてサンプル位置決め組立体を制御し得る。近接センサは、X線源とサンプルの頂面との間の正確な距離測定値を提供する。それは、倍率計算のような画像処理計算において利用され得るし、サンプルとX線源との衝突を防止するためにも利用され得る。コンパクトなシステムにおいて半導体ウェハの小さな特徴の有用な検査を提供するために、サンプルはX線源に大変近くもたらされるが、サンプルとX線源との間の何らかの衝突は、サンプルとX線源の両方に損傷をもたらす可能性がある。X線源の近くにサンプルをもたらす間、そのような衝突を避けることが必要である。
【0027】
サンプル位置決め組立体は、リニアエンコーダを有し得る。コントローラは、近接センサによって提供される距離測定値に基づいて、リニアエンコーダを較正するように構成され得る。
【0028】
X線検査システムは、更に、X線検出器とX線源との間の相対移動を許容する第2位置決め組立体を更に備え得て、当該第2位置決め機構は、サンプル支持部の下方に位置する。第2位置決め機構は、水平面内で検出器を少なくとも2つの平行でない方向に移動するための水平検出器位置決め機構を有し得る。当該検出器位置決め機構は、検出器が水平面から少なくとも2つの平行でない軸回りに傾斜されることを許容するよう構成された検出器傾斜機構を有し得る。検出器は、この時、当該検出器がどこに位置決めされても、当該検出器の画像取得面が当該検出器の中心とX線源の出力スポットとの間の線に対して常に垂直であるように、傾斜され得る。コントローラは、第2位置決め組立体に接続され得る。
【0029】
第1及び第2位置決め組立体は、有利には、サンプル支持部の下方に位置決めされる。サンプル及び検出器をX線源に対して移動する能力は、撮像されるサンプルの異なる位置と、利用される検査の異なる角度と、を許容する。同じサンプルまたはサンプルの同じ一部の一連の画像が、サンプルの3次元モデル及び画像を生成してクラック、ボイド及び他の欠陥を正確に位置特定して測定するため、トモシンセシスシステムで用いられ得る。
【0030】
サンプルの上方に固定されたX線源を置き、位置決め組立体をサンプルの下方に置くことにより、システムの全ての可動要素が、サンプルの下方に位置され得る。下方向きの空気流により、可動部分によって生成される何らかのデブリ(塵)がサンプルに到達してサンプルを損傷する可能性が低減される。
【0031】
本システムは、X線源の下方で、第1及び第2位置決め組立体の上方に位置決めされた穿孔されたデッキを備え得る。穿孔されたデッキとエアームーバは、デッキ上方に第1空気圧力を提供し、デッキ下方に第2空気圧力を提供するように構成されており、第2空気圧力は、第1空気圧力よりも低い。穿孔されたデッキは、好適には、サンプル支持部がその最上位置(最大倍率に対応する)にある時のサンプル支持部の高さのレベルに位置決めされる。サンプル上方の空間とサンプル下方の空間との間の小さい圧力差が、サンプル下方からサンプル上方への空気の有意な流れを防止する。
【0032】
空気入口部は、有利には、ラビリンス状空気流路を有している。これは、X線源からのX線が空気入口部を通してキャビネットから漏洩できないことを保証する。空気出口部は、同じ理由のため、有利には、ラビリンス状空気流路を有している。空気出口部は、好適には、空気の再循環を最小化するべく、大きい。
【0033】
サンプル支持部は、X線検査の間にサンプルを支持するように構成されている。ある実施形態では、サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成されている。
【0034】
サンプル支持部は、以下に説明される本発明の11番目乃至15番目の特徴の一つに従って構成され得る。
【0035】
ウェハ処理中に非破壊的な態様で内部特徴のために半導体ウェハを検査する能力が、非常に望ましい。空気流がウェハ上方からウェハ下方までキャビネットを通して向けられるというシステムを提供することで、キャビネットが要求されるX線シールディングを提供する間、これが可能となる。
【0036】
ファンフィルタユニット内に見出されるようなエアーフィルタ、サンプル支持部に関する穿孔されたデッキのレベル、及び、サンプル支持部の上方の固定された位置でのX線源の位置決め、を使用することで、クリーンルーム基準が充足され得ることが保証される。シールされた透過ターゲットX線チューブの使用のような、更なる有利な特徴は、商業上魅力あるシステムとしての要求される信頼性と画像の質とを提供する。
【0037】
本発明の第2の特徴において、ウェハにX線を指向する工程と、前記ウェハを通過してきたX線を検出する工程と、前記2つの工程と同時の、前記ウェハ上から当該ウェハを通って当該ウェハの下方へと層状の空気流を指向する工程と、を備えたことを特徴とする半導体ウェハの検査方法が提供される。
【0038】
空気流は、好適には、HEPAフィルタを通った、または、ULPAフィルタを通った空気流を有する。
【0039】
ウェハを通る清浄空気の連続流を提供することによって、システム内の機構からのダストやデブリを拾い上げるかもしれない空気の再循環無しで、検査システムはクリーンルーム基準を充足することができ、半導体ウェハの汚染や損傷のリスクが最小化される。
【0040】
本発明の第3の特徴において、X線源と、検査対象の半導体ウェハを支持するように構成されたサンプル支持部と、X線検出器と、を備え、X線源はサンプル支持部の上方に位置決めされている、というX線検査システムが提供される。
【0041】
X線源は、好適には、支持フレームに固定されていて、システムの稼働中には移動しない。サンプル支持部は、X線源に非常に近く位置決めされ得て、高倍率画像の生成を許容する。
【0042】
この特徴において、X線検査システムは、キャビネットを備え得て、当該キャビネットが、X線源と、サンプル支持部と、X線検出器と、を備え得る。X線検査システムは、サンプル支持部上のキャビネット内の空気入口部を通して、キャビネット内に空気を強制的に送り込むように構成されたエアームーバをも備え得て、エアームーバとキャビネットは、空気入口部からサンプル支持部を通してサンプル支持部下のキャビネットの空気出口部へと、空気を強制的に送り込むように構成されている。
【0043】
サンプル支持部は、水平面内に延在する支持面を有し得て、更に、当該サンプル支持部をX線源またはX線検出器に対して位置決めするためのサンプル支持部位置決め組立体を有し得る。サンプル支持部位置決め組立体は、サンプル支持部の下方に位置決めされる。
【0044】
第1サンプル位置決め組立体は、水平面に直交する鉛直方向にサンプル支持部を移動するための鉛直位置決め機構と、第1水平方向にサンプル支持部及び鉛直位置決め機構を移動する第1水平位置決め機構と、を有し得る。X線検査システムは、更に、X線検出器とX線源との間の移動を許容する第2位置決め組立体を有し得る。第2位置決め機構は、サンプル支持部の下方に位置される。
【0045】
本発明の第4の特徴において、X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、サンプル支持部をX線源またはX線検出器に対して位置決めするためのサンプル支持部位置決め組立体と、を備え、サンプル支持部は水平面内に延在する支持面を有しており、サンプル位置決め組立体は、サンプル支持部を水平面に直交する鉛直方向に移動するための鉛直位置決め機構と、第1水平方向にサンプル支持部及び鉛直位置決め機構を移動する第1水平位置決め機構と、を有している、というX線検査システムが提供される。
【0046】
サンプル位置決め組立体は、第1水平方向に平行でない第2水平方向にサンプル支持部を移動するように構成された第2水平位置決め機構を有し得て、鉛直位置決め機構は、第2水平位置決め機構とサンプル支持部とを鉛直方向に移動するように構成されている。
【0047】
本システムは、更に、第1及び第2水平位置決め機構に接続され当該水平位置決め機構を制御してサンプル支持部を移動してラスター走査を水平面内でX線源に対して実施するように構成されたコントローラを備え得る。有利には、走査線は、第2水平方向に延びる。第2水平位置決め機構は、最長距離に亘って頻繁に高速に動作するよう要求される。従って、第2水平位置決め機構は、サンプル支持部のみを移動して、他の位置決め機構のいずれの集団も移動しないように構成されている。第1水平位置決め機構もまた、鉛直位置決め機構と比較すると、高速かつ頻繁に移動することが要求される。第1水平位置決め機構を剛性の支持フレームに直接的に取り付けることによって、第1水平方向の運動は、高速かつ正確になされ得る。
【0048】
本システムは、鉛直位置決め機構が第1及び第2水平位置決め機構よりも短い移行範囲を有する、というように構成され得る。本システムは、鉛直位置決め機構が第1及び第2水平位置決め機構よりも低速にサンプル支持部を移動するよう動作する、というように構成され得る。
【0049】
鉛直位置決め機構は、画像倍率を変更するが、水平位置決め機構よりも相対的にさほど頻繁でなく相対的に短い距離に亘って移動することが典型的には要求される。典型的には、ラスター走査動作中は、全く移動しない。鉛直位置決め機構は、水平位置決め機構ほど遠くまたは速く移動する必要がないため、鉛直位置決め組立体は、水平位置決め機構よりも、相対的に小さい質量とされ得る。
【0050】
位置決め組立体は、複数のモータを有し得る。特に、第1及び第2水平位置決め機構は、各々、1または2以上のリニアモータを有し得る。鉛直位置決め機構は、送りねじと共にサーボモータを有し得る。本システムは、有利には、複数の所定の撮像位置へとサンプル支持部を移動するべく、位置決め組立体内の機構を制御するように構成され得る。
【0051】
X線検査システムは、有利には、フロアに固定されるようになっているフレームを更に備える。第1水平位置決め機構が、当該フレームに固定される。第1水平位置決め組立体を支持フレームに直接固定することによって、第1水平位置決め組立体は、高速かつ正確になされ得る。フレームは、サンプル支持部の振動を低減するべくダンピング要素を介して互いに接続された2または3以上の部品で形成され得る。
【0052】
サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成され得る。サンプル支持部は、以下に説明される本発明の11番目乃至15番目の特徴の一つに従って構成され得る。
【0053】
X線源は、好適には、サンプル支持部の上方に位置している。X線源は、好適には、本発明の第1の特徴に関連して説明された通り、シールされた、透過ターゲットを有するX線チューブである。
【0054】
X線検査システムは、更に、本発明の第5の特徴に関連してより詳細に説明される通り、サンプル支持部に隣接して位置決めされてサンプル支持部の位置または位置変化を検出するように構成された、例えばレーザ干渉計のような非接触式の位置測定装置を有するサンプル支持部位置検出組立体を備え得る。
【0055】
X線検査システムは、更に、本発明の第6、第7及び第8の特徴に関連してより詳細に説明される通り、X線源とサンプル支持部上のサンプルの表面との間の距離を決定するために、X線源に固定された近接センサを備え得る。
【0056】
本システムは、X線検出器によって記録される画像に基づいてトモシンセシス計算を実施するように構成され得る。
【0057】
X線検査システムは、X線源に対してX線検出器を位置決めするための検出器位置決め組立体を有し得る。当該検出器位置決め組立体は、水平面内で検出器を少なくとも2つの平行でない方向に移動するための水平検出器位置決め機構と、検出器が水平面から少なくとも2つの平行でない軸回りに傾斜されることを許容するよう構成された検出器傾斜機構と、を有する。検出器位置決め組立体の有利な特徴は、本発明の第9及び第10の特徴に関連してより詳細に説明される。
【0058】
本発明の第5の特徴において、X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、サンプル支持部をX線源またはX線検出器に対して位置決めするためのサンプル位置決め組立体と、サンプル支持部に隣接して位置決めされてサンプル支持部の位置または位置変化を検出するように構成された非接触式の位置測定装置を有するサンプル支持部位置検出組立体と、サンプル支持部位置検出組立体に接続された画像プロセッサと、を備えている、というX線検査システムが提供される。
【0059】
非接触式の位置測定装置は、レーザ干渉計であり得る。X線検査システムは、更に、干渉計からのレーザ光を反射するようにサンプル支持部に取り付けられたリフレクタを備え得る。
【0060】
システムは、複数の撮像位置へとサンプル位置決め組立体を自動的に移動するように構成され得る。画像(撮像)プロセッサは、非接触式の位置測定装置からの出力に基づいて、1つの画像(撮像)位置から別の画像(撮像)位置へのサンプル支持部の位置変化を計算するように構成される。画像プロセッサは、非接触式の位置測定装置からの出力を用いて、X線検出器によって記録された画像についてのトモシンセシス計算を実施するように構成され得る。
【0061】
サンプル支持部は、水平面内に延在する支持面を有し得る。サンプル位置決め組立体は、サンプル支持部を第1水平方向に移動するための第1位置決め機構と、サンプル支持部を第2水平方向に移動するための第2位置決め機構と、を有し得る。サンプル支持部位置検出組立体は、サンプル支持部の第1水平方向での位置または位置変化を検出するための第1の非接触式の位置測定装置と、サンプル支持部の第2水平方向での位置または位置変化を検出するための第2の非接触式の位置測定装置と、を有し得る。第2の非接触式の位置測定装置は、好適には、第2のレーザ干渉計であり、X線検査システムは、更に、第2の干渉計からのレーザ光を反射するようにサンプル支持部に取り付けられた第2のリフレクタを有し得る。
【0062】
2または3以上の干渉計を有するシステムにおいて、2または3以上の対応するレーザ光源が存在し得る。あるいは、本システムは、異なる干渉計で用いられ得る2つの二次ビームへとレーザ光ビームを分離するよう構成された1または2以上のビームスプリッタを有し得る。
【0063】
サンプル位置決め組立体は、サンプル支持部を水平面に直交する鉛直方向に移動するための鉛直位置決め機構を有し得る。サンプル支持部位置検出組立体は、サンプル支持部の鉛直方向での位置または移動を検出するための第3の非接触式の位置測定装置を有し得る。第3の非接触式の位置測定装置は、サンプル支持部の鉛直位置を検出するように位置決めされ得るか、あるいは、サンプル支持部上に取り付けられたサンプルの頂面の鉛直位置を検出するように位置決めされ得る。コントローラが、第3の非接触式の位置測定装置の出力に基づいて倍率計算を実施するように構成され得る。
【0064】
非接触式の位置測定装置または各非接触式の位置測定装置は、ホモダイン干渉計またはヘテロダイン干渉計であり得る。他の可能性ある非接触式の位置測定装置は、光学的なリニアエンコーダ、磁石式のエンコーダ、静電容量センサ、及び、ソナー距離測定装置を含む。
【0065】
X線源は、有利には、サンプル支持部の上方に位置される。サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成され得る。サンプル支持部は、本発明の11番目乃至15番目の特徴の一つに従って構成され得る。
【0066】
X線検査システムは、X線源とサンプル支持部上のサンプルの表面との間の距離を測定するように構成され、X線源に固定された近接センサを備え得る。近接センサの出力は、コントローラに接続され得る。近接センサは、本発明の6番目、7番目及び8番目の特徴に関連して、より詳細に説明される。
【0067】
X線検査システムは、X線源に対してX線検出器を位置決めするための検出器位置決め組立体を有し得る。当該検出器位置決め組立体は、水平面内で検出器を少なくとも2つの平行でない方向に移動するための水平検出器位置決め機構と、検出器が水平面から少なくとも2つの平行でない軸回りに傾斜されることを許容するよう構成された検出器傾斜機構と、を有する。検出器位置決め組立体の有利な特徴は、本発明の第9及び第10の特徴に関連してより詳細に説明される。
【0068】
本発明の6番目の特徴において、X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、X線源に向かう及び離れる第1軸に沿ってサンプル支持部を移動するための第1位置決め機構を含むサンプル位置決め組立体と、X線源とサンプル支持部上のサンプルの表面との間の距離の測定を提供するよう構成されX線源に固定された近接センサと、近接センサに接続されたコントローラと、を備えている、というX線検査システムが提供される。
【0069】
コントローラは、サンプル位置決め組立体に接続され得て、近接センサからの距離測定値に基づいて、サンプル位置決め組立体を制御し得る。コントローラは、画像プロセッサを有し得て、画像処理計算において、近接センサからの距離測定値を利用し得る。
【0070】
近接センサは、第1軸に平行にレーザビームを指向するレーザ光源を有し得る。近接センサは、共焦点センサであり得る。
【0071】
X線源とサンプルの頂面との間の距離の直接の測定を提供することは、幾つかの理由にとって、特には典型的には関心対象の領域を有するサンプルの頂面がX線源に非常に近くにもたらされる高倍率システムにおいて、有益である。第1に、当該距離測定は、第1位置決め機構を較正するために用いられ得て、正確な位置決めとその後の画像処理とが達成され得る。第2に、当該距離測定は、倍率計算において直接的に用いられ得て、正確な倍率の測定を提供できる。第3に、当該距離測定ないし複数回の距離測定は、サンプルの頂面とX線源との間の衝突を防止するために用いられ得る。当該衝突は、サンプルの頂面とX線源との両方に損傷を与える可能性があった。
【0072】
有利には、コントローラは、近接センサからの距離測定値に基づいて第1位置決め機構を較正するように構成されている。特に、位置決め組立体は、第1軸に沿って配置されるリニアエンコーダを有し得て、コントローラは、近接センサからの1または2以上の距離測定値を用いて、リニアエンコーダを較正するように構成され得る。
【0073】
コントローラは、近接センサによって決定される距離を用いて倍率計算を実施するように構成され得る。
【0074】
位置決め組立体は、第1軸に直交する面内でサンプル支持部を移動するように構成された第2位置決め機構を有し得て、コントローラは、近接センサに対して、サンプル支持部上のサンプルの頂面の走査を実施するように第2位置決め機構を動作させるように構成され得る。
【0075】
有利には、コントローラは、走査中に記録されるサンプルの最近接点を記録するように構成されている。コントローラは、当該最近接点に基づいて、X線源からの第1位置決め機構の最接近安全位置を計算して、第1位置決め組立体が計算された最接近安全位置よりもX線源の近くに移動されることを防ぐように第1位置決め組立体を制御する、というように構成され得る。
【0076】
X線源は、有利には、サンプル支持部の上方に位置される。サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成され得る。サンプル支持部は、本発明の11番目乃至15番目の特徴の一つに従って構成され得る。
【0077】
X線源は、好適には、本発明の第1の特徴に関連して説明された通り、シールされた、透過ターゲットを有するX線チューブである。
【0078】
X線検査システムは、更に、本発明の第5の特徴に関連してより詳細に説明された通り、サンプル支持部に隣接して位置決めされてサンプル支持部の位置または位置変化を検出するように構成された、1または2以上のレーザ干渉計を有するサンプル支持部位置検出組立体を備え得る。
【0079】
X線検査システムは、X線源に対してX線検出器を位置決めするための検出器位置決め組立体を有し得る。当該検出器位置決め組立体は、水平面内で検出器を少なくとも2つの平行でない方向に移動するための水平検出器位置決め機構と、検出器が水平面から少なくとも2つの平行でない軸回りに傾斜されることを許容するよう構成された検出器傾斜機構と、を有する。検出器位置決め組立体の有利な特徴は、本発明の第9及び第10の特徴に関連してより詳細に説明される。
【0080】
本システムは、X線検出器によって記録される画像についてトモシンセシス計算を実施するように構成され得る。
【0081】
本発明の7番目の特徴において、X線検査システムを制御する方法が提供される。当該X線検査システムは、X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、X線源に向かう及び離れる第1軸に沿ってサンプル支持部を移動するための第1位置決め機構及び第1軸に直交する面内でサンプル支持部を移動するように構成された第2位置決め機構を含むサンプル位置決め組立体と、X線源とサンプル支持部上のサンプルの表面との間の距離を測定するためのX線源に固定された近接センサと、を備えている。サンプル支持部は、支持面を有している。そして、当該方法は、
a)サンプル支持部上にサンプルを載置する工程、
b)第1位置決め機構を用いて、第1位置決め機構の第1位置にサンプル支持部を位置決めする工程、
c)近接センサを通る第1軸に直交する面内でサンプル支持部を移動させ、サンプル支持部が当該面内で移動される際の複数の位置においてサンプルの(ある)面のX線源からの距離を記録する工程、
d)記録された複数の距離に基づいてX線源からの第1位置決め機構の最近接安全位置を計算する工程、及び、
e)第1位置決め組立体が計算された最近接安全位置よりもX線源の近くに移動されることを防ぐべく第1位置決め組立体を制御する工程
を備えている。
【0082】
本方法は、記録された距離に基づいて倍率計算を実施する工程を更に備え得る。
【0083】
サンプル支持部を移動させる工程は、サンプル支持部をラスター走査形態で移動させる工程を有し得る。
【0084】
本発明の8番目の特徴において、X線検査システムを制御する方法が提供される。当該X線検査システムは、X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、X線源に向かう及び離れる第1軸に沿ってサンプル支持部を移動するための第1位置決め機構及び第1軸に直交する面内でサンプル支持部を移動するように構成された第2位置決め機構を含むサンプル位置決め組立体と、X線源とサンプル支持部上のサンプルの表面との間の距離を測定するためのX線源に固定された近接センサと、を備えている。サンプル支持部は、支持面を有している。そして、当該方法は、
a)サンプル支持部上にサンプルを載置する工程、
b)第1位置決め機構を用いて、第1位置決め機構の第1位置にサンプル支持部を位置決めする工程、
c)第1位置においてサンプルの(ある)面のX線源からの距離を記録する工程、及び、
d)記録された距離に基づいて倍率計算を実施する工程
を備えている。
【0085】
この文脈において、「倍率計算」とは、X線検出器におけるサンプルまたはサンプルの一部の画像の倍率の計算である。
【0086】
本発明の第9の特徴において、X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、サンプル支持部をX線源に対して位置決めするためのサンプル位置決め組立体と、X線源に対してX線検出器を位置決めするための検出器位置決め組立体と、を備え、サンプル支持部は、第1水平面内に延在する支持面を有しており、当該検出器位置決め組立体は、第2水平面内で検出器を少なくとも2つの平行でない方向に移動するための水平検出器位置決め機構と、検出器が第2水平面から少なくとも2つの平行でない軸回りに傾斜されることを許容するよう構成された検出器傾斜機構と、を有する、というX線検査システムが提供される。
【0087】
検出器は、この時、当該検出器の前記第2水平面内での位置がどこであっても、当該検出器の画像取得面が当該検出器の中心とX線源との間の線に対して常に垂直であるように、位置決めされ得る。各画像取得位置において、検出器の画像取得面が常にX線源に直接向いているということは、X線が検出器に極端に斜めの角度で入る時に生じる 「ぼけ」を除去するため、結果としての画像の最高品質を提供する。
【0088】
有利には、2つの平行でない軸は、同一平面上にある。X線検出器は、平面状の画像取得面を有し得る。2つの平行でない軸は、当該画像取得面と同じ平面上にあり得る。この配置は、特に画像がトモシンセシスアルゴリズムで用いられる予定の時、画像処理計算を単純化する。
【0089】
有利には、傾斜機構は、水平検出器位置決め機構とは独立に駆動される。このことは、検出器の極めて正確な向き(オリエンテーション)を許容する。傾斜機構は、第1ジンバルと第2ジンバルとを有し得る。好適な実施形態では、第1ジンバルは、第1ジンバルモータによって駆動され、第2ジンバルは、第2ジンバルモータによって駆動される。第1及び第2ジンバルモータは、単一のコントローラによって自動的に制御されてもよい。コントローラは、複数の画像取得位置にX線検出器を位置決めして、トモシンセシス計算において組み合わされ得る複数の画像を生成するために、第1及び第2ジンバルモータを制御するように構成され得る。第1及び第2ジンバルモータは、出力側に、直接のリードエンコーダを有し得る。
【0090】
X線検査システムは、更に、コントローラを備え得る。当該コントローラは、検出器位置決め組立体に接続され当該検出器位置決め組立体を制御するように構成される。また、当該コントローラは、複数の画像取得位置に検出器を移動させ、傾斜機構を制御して、検出器の画像取得面が複数の画像取得位置の各々において検出器の中心とX線源の出力スポットとの間の線に対して常に垂直であることを保証する、というように構成される。
【0091】
前記コントローラは、水平面内のラスター走査パターンで検出器を移動させるべく水平検出器位置決め機構を制御するように構成され得る。
【0092】
サンプル位置決め組立体は、サンプル支持部を水平面に直交する鉛直方向に移動するための鉛直サンプル位置決め機構を有し得る。サンプル位置決め組立体は、第1水平方向にサンプル支持部を移動するための第1水平サンプル位置決め機構と、第2水平方向にサンプル支持部を移動するための第2水平サンプル位置決め機構と、を有し得る。サンプル位置決め組立体の有利な特徴は、本発明の第4の特徴に関して説明されている。特には、第2水平サンプル位置決め機構は、鉛直サンプル位置決め機構に取り付けられ得て、鉛直位置決め機構は、第1水平サンプル位置決め機構に取り付けられ得る。
【0093】
サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成され得る。サンプル支持部は、以下に説明される本発明の11番目乃至15番目の特徴の一つに従って構成され得る。
【0094】
X線検査システムは、更に、サンプル位置決め組立体と検出器位置決め組立体とが取り付けられるフレームを備え得る。X線源が、当該フレームに固定される。
【0095】
X線源は、有利には、サンプル支持部の上方に位置決めされる。
【0096】
本システムは、X線検出器によって記録される画像についてトモシンセシス計算を実施するように構成され得る。
【0097】
X線源は、好適には、本発明の第1の特徴に関連して説明された通り、シールされた、透過ターゲットを有するX線チューブである。
【0098】
X線検査システムは、更に、本発明の第5の特徴に関連してより詳細に説明された通り、サンプル支持部に隣接して位置決めされてサンプル支持部の位置または位置変化を検出するように構成された、例えばレーザ干渉計のような非接触式の位置測定装置を有するサンプル支持部位置検出組立体を備え得る。
【0099】
X線検査システムは、更に、本発明の第6、第7及び第8の特徴に関連してより詳細に説明された通り、X線源とサンプル支持部上のサンプルの表面との間の距離を決定するために、X線源に固定された近接センサを備え得る。
【0100】
本発明の10番目の特徴において、X線検査システムを制御する方法が提供される。当該X線検査システムは、X線源と、検査対象のサンプルを支持するためのサンプル支持部と、X線検出器と、サンプル支持部をX線源に対して位置決めするためのサンプル位置決め組立体と、X線源に対してX線検出器を位置決めするための検出器位置決め組立体と、を備え、サンプル支持部は、第1水平面内に延在する支持面を有しており、当該検出器位置決め組立体は、第2水平面内で検出器を少なくとも2つの平行でない方向に移動するための水平検出器位置決め機構と、検出器が第2水平面から少なくとも2つの平行でない軸回りに傾斜されることを許容するよう構成された検出器傾斜機構と、を有する、というX線検査システムである。そして、当該方法は、検出器位置決め組立体を制御して、検出器を複数の画像取得位置へと移動させ、傾斜機構を制御して、検出器が複数の画像取得位置の各々においてX線源に向くことを保証する工程、を備える。
【0101】
前述の通り、各画像取得位置において、検出器の画像取得面が常にX線源に直接向いているということは、X線が検出器に斜めの角度で入る時に生じる「ぼけ」が除去されるため、結果としての画像の最高品質を提供する。
【0102】
本発明の11番目の特徴において、半導体ウェハのためのサンプル支持部が提供される。当該サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成された撮像領域を有する略平面状の支持面と、真空ポートに流体連通している前記支持面の撮像領域内の少なくとも1つの凹部と、を備えている。当該サンプル支持部は、平面状の支持面に垂直な方向の厚みを有しており、当該サンプル支持部の当該厚みの変化率は、撮像領域を横切る移動行程1mmあたり5%を超えない最大値を有している。
【0103】
この文脈において、用語「真空ポート」とは、真空源が接続され得る出口を意味する。真空を真空ポートに適用することは、サンプル支持部上のウェハの下方の前記凹部内に低圧を生成して、当該位置にウェハを保持する。これは、従来のウェハチャックの作動態様である。
【0104】
凹部は、側壁を有し得る。当該側壁は、好適には、当該凹部の第1側から当該凹部の反対側まで連続的な曲線状に延びている。有利には、当該側壁は、少なくとも10mm、より好適には少なくとも15mm、の最小曲率半径を有する。最小曲率半径は、平面状の支持面の下方の凹部の最大深さよりも、好適には少なくとも1桁大きい、更に好適には少なくとも2桁大きい。平面状の支持面と凹部の側壁との間の遷移領域は、連続的な曲線状に延び得て、有利には、1mm以上の最小曲率半径を有する。
【0105】
好適には、平面状の支持面に対する凹部の深さの最大変化率は、平面状の支持面に平行な凹部を横切る移動行程1mmあたり0.2mmを超えない。
【0106】
有利には、サンプル支持部の厚みは、撮像領域を横切って、最大厚さの10%を超えないで変化する。より好適には、撮像領域を横切って、5%を超えないで変化する。有利には、凹部の第1側から反対側までの最小距離は、凹部の最大深さの少なくとも10倍であり、好適には凹部の最大深さの少なくとも20倍である。
【0107】
有利には、サンプル支持部は、当該サンプル支持部のX線画像において顕著なコントラスト変動を生じさせないで、機械的に堅牢(ロバスト)であるような、均質な非結晶性の材料から形成される。好適には、サンプル支持部は、2000kg/m
3未満の密度、更に好適には1500kg/m
3未満の密度を有する。好適な材料は、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、ベリリウム及びアセタールを含む。
【0108】
本発明の当該特徴に従うサンプル支持部の利点は、それが、当該支持部を通過するX線によるX線画像において顕著なコントラスト変動を生じさせないことである。有利には、凹部の結果としてのウェハ支持部の厚みの変化が、緩やかであって、支持部の全体の厚みと比較して小さくて、何らの鋭利な縁部をも含まない。
【0109】
サンプル支持部は、撮像領域内で複数の凹部を有し得る。各凹部は、実質的に環状であり得る。各凹部の径方向幅は、2mmと10mmとの間であり得る。平面状の支持面の下方の各凹部の最大深さは、0.1mmと0.5mmとの間であり得る。
【0110】
真空ポートは、支持部の撮像領域の外側の領域に位置決めされ得る。
【0111】
本発明の12番目の特徴において、半導体ウェハのためのサンプル支持部が提供される。当該サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成された撮像領域を有する略平面状の支持面と、真空ポートに流体連通している前記支持面の撮像領域内の少なくとも1つの凹部と、を備えている。当該凹部は、当該凹部の第1側から反対側まで延在する曲線(曲面)状の側壁を有する。
【0112】
好適には、側壁は、凹部の第1側から反対側まで連続的な曲線(曲面)状に延在している。
【0113】
有利には、当該側壁は、少なくとも10mm、より好適には少なくとも15mm、の最小曲率半径を有する。最小曲率半径は、平面状の支持面の下方の凹部の最大深さよりも、好適には少なくとも2桁大きい。
【0114】
本発明の13番目の特徴において、半導体ウェハのためのサンプル支持部が提供される。当該サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成された撮像領域を有する略平面状の支持面と、真空ポートに流体連通している前記支持面の撮像領域内の少なくとも1つの凹部と、を備えている。平面状の支持面に対する凹部の深さの最大変化率は、平面状の支持面に平行な凹部を横切る移動行程1mmあたり0.2mmを超えない。
【0115】
本発明の14番目の特徴において、半導体ウェハのためのサンプル支持部が提供される。当該サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成された撮像領域を有する略平面状の支持面と、真空ポートに流体連通している前記支持面の撮像領域内の少なくとも1つの凹部と、を備えている。当該サンプル支持部は、平面状の支持面に垂直な方向の厚みを有しており、当該サンプル支持部の厚みは、撮像領域を横切って、最大厚さの10%を超えないで変化する、より好適には、撮像領域を横切って、5%を超えないで変化する。
【0116】
本発明の15番目の特徴において、半導体ウェハのためのサンプル支持部が提供される。当該サンプル支持部は、半導体ウェハを支持するように構成された撮像領域を有する略平面状の支持面と、真空ポートに流体連通している前記支持面の撮像領域内の少なくとも1つの凹部と、を備えている。凹部の第1側から反対側までの最小距離は、凹部の最大深さの少なくとも10倍、好適には少なくとも20倍である。
【0117】
本発明の16番目の特徴において、X線源と、X線検出器と、X線源とX線検出器との間に位置決めされる11番目乃至15番目の特徴の一つに従うサンプル支持部と、を備えるX線検査システムが提供される。
【0118】
本システムは、X線検出器によって記録される画像についてトモシンセシス計算を実施するように構成され得る。
【0119】
X線源は、サンプル支持部の上方に位置され得る。X線検査システムは、X線源とサンプル支持部とX線検出器とを有するキャビネットと、前記サンプル支持部上の前記キャビネット内の空気入口部を通して前記キャビネット内に空気を強制的に送り込むように構成されたエアームーバと、を備え得て、前記エアームーバ及び前記キャビネットは、前記空気入口部から前記サンプル支持部を通して当該サンプル支持部下の前記キャビネットの空気出口部へと、空気を強制的に送り込むように構成され得る。
【0120】
本発明の一つの観点(特徴)に関して説明された特徴は、本発明の他の観点(特徴)に対しても適用され得る。本発明の2または3以上の観点(特徴)の任意の組合せが、本開示の範囲内で考慮される。
【0121】
本発明の実施形態が、例示的に、添付の図面を参照することで、以下に詳細に説明される。