特許第6691544号(P6691544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6691544改善された光学特性を有するポリエチレン組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691544
(24)【登録日】2020年4月14日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】改善された光学特性を有するポリエチレン組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/04 20060101AFI20200421BHJP
   C08K 5/20 20060101ALI20200421BHJP
   D01F 6/46 20060101ALI20200421BHJP
   F16L 11/04 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   C08L23/04
   C08K5/20
   D01F6/46 A
   F16L11/04
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-533516(P2017-533516)
(86)(22)【出願日】2015年9月17日
(65)【公表番号】特表2018-502958(P2018-502958A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(86)【国際出願番号】US2015050688
(87)【国際公開番号】WO2016105610
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2018年9月4日
(31)【優先権主張番号】14382561.0
(32)【優先日】2014年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・ケイ・ヒル
(72)【発明者】
【氏名】セリム・ベンサソン
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ワーナー・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ポール・スミス
(72)【発明者】
【氏名】セダ・アクセル
【審査官】 大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−234890(JP,A)
【文献】 特公昭49−018472(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L23
C08K5
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレン組成物であって、
線状低密度ポリエチレンポリマー(LLDPE)、低密度ポリエチレンポリマー(LDPE)、高密度ポリエチレンポリマー(HDPE)、またはそれらの組み合わせから選択される、少なくとも50重量%の少なくとも1つのポリエチレンポリマーと、
式(I)の構造を含む0.001〜2重量%の造核剤と、を含み、
【化1】
式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルエチルであり、
前記ポリエチレン組成物が使用されて物品が形成される場合、前記物品は、同じポリエチレンポリマーを有するが前記造核剤を含まない物品と比較したときに少なくとも15%減少したヘイズ値を有する、ポリエチレン組成物。
【請求項2】
前記ポリエチレンポリマーが、α−オレフィンコポリマーを含むエチレンのコポリマー、エチレンホモポリマー、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項3】
前記ポリエチレン組成物が、50g/10分以下のメルトインデックス(I)であって、式中Iは、190℃、2.16kgの荷重でASTM D1238に従って測定される、Iと、約0.855〜約0.970g/cmの密度と、を有する請求項1または2に記載のポリエチレン組成物。
【請求項4】
ポリオレフィン樹脂が0.01〜0.5重量%の前記造核剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
【請求項5】
前記ポリエチレン組成物が、約60重量%超、または好ましくは約80重量%超のポリエチレンポリマーを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン組成物から製造される物品であって、同じポリエチレンポリマーを有するが前記造核剤を含まない物品と比較した場合、少なくとも20%減少したヘイズ値を有する、物品。
【請求項7】
前記物品がブローフィルム、キャストフィルム、成形物品、溶融紡糸繊維、または押出成形物品から選択される、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記物品がシート、パイプ、またはチューブから選択される押出成形物品である、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記ポリエチレン組成物が約0.910〜約0.940g/cmの密度を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン組成物
【請求項10】
ポリプロピレンを実質的に含まない、請求項1〜5および9のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
【請求項11】
0.5〜15重量%のポリプロピレンを含む、請求項1〜5および9のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月23日に出願されたEPO特許出願第14382561.0号の利益をここに主張するものである。
【0002】
本開示の実施形態は、ポリエチレン組成物に関し、より詳細には、ビアスミド造核剤の含有によって改善された光学性能をもたらすポリエチレン組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレン組成物及び樹脂は、様々な用途及び物品において、例えば、成形物品、ブローフィルム、及び他の様々な物品の製造において利用される。半結晶性ポリマーの結晶化中に核発生の速度を上昇させるために使用される添加剤は、核剤または造核剤と呼ばれる。典型的には、核剤の添加により結晶化の全体的な速度及びポリマーの結晶化温度が上昇する。これは、一般により速い固形化につながり、射出成形のような処理における成形時間を減少させるために使用され得る。核剤は、剛性、靱性、ヘイズ、光沢、透過性、及び収縮などの他の特性にも影響を及ぼす可能性がある。ヘイズ及び透明度のような光学特性を改善する核剤は、清澄剤と呼ばれる。安息香酸、タルク、顔料、ソルビトール、リン酸エステル誘導体、及び他のポリマー種などの様々な有機及び/または無機の添加剤が核剤として扱われ得る。
【0004】
ジベンジリデンソルビトールの誘導体は、ポリプロピレン樹脂及びフィルム用の清澄剤として周知である。ポリプロピレンと比較してポリエチレンにおける結晶化の速度のほうがはるかに速いため、ポリエチレン樹脂及びフィルムにおける清澄剤の使用は一般的ではなく、そのことがポリエチレンフィルム及び樹脂のヘイズ減少及び光学特性の改善をより困難にする。清澄剤の使用に関して、ポリプロピレン組成物の効果的なヘイズ減少とポリエチレン組成物の効果的なヘイズ減少との間に既知の相関関係は存在しない。
【0005】
したがって、ヘイズが減少することによって光学特性も改善しながら、ポリエチレン組成物における結晶化の速度を上昇させる造核剤の継続的な必要性が存在する可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、ポリエチレン組成物における結晶化の速度も上昇させながら、ポリエチレン組成物におけるヘイズを減少させるビスアミド造核剤を有するポリエチレン組成物に関する。
【0007】
一実施形態によれば、ポリエチレン組成物が提供され、本ポリエチレン組成物は、少なくとも50重量%の少なくとも1つのポリエチレンポリマーと、式(I)、(II)、または(III)の構造を含む0.001〜2重量%の造核剤と、を含み、
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
式中、R1及びR2は、非置換または1つ以上のヒドロキシによって置換されたC−C20アルキル、非置換または1つ以上のヒドロキシによって置換されたC−C20アルケニル、酸素または硫黄によって中断されたC−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたC−C12シクロアルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された(C−C12シクロアルキル)−C−C10アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたビス[C−C12シクロアルキル]−C−C10アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された5〜20個の炭素原子を有する2環式若しくは3環式炭化水素ラジカル、非置換またはC−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20アルキルアミノ、ジ(C−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシ、及びニトロから選択される1つ以上のラジカルによって置換されたフェニル、非置換またはC−C20アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、C−C20アルコキシ、及びヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されたフェニル−C−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたフェニルエテニル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたビフェニル−(C−C10アルキル)、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたナフチル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたナフチル−C−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−Cアルキルによって置換されたナフトキシメチル、ビフェニレニル、フロウレニル、アントリル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された5〜6員ヘテロ環ラジカル、1つ以上のハロゲンを含有するC−C20炭化水素ラジカル、あるいはトリ(C−C10アルキル)シリル(C−C10アルキル)から選択される同じまたは異なる部分を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態は、ヘイズを減少させるビスアミド造核剤を含むポリエチレン組成物に関する。ビスアミド造核剤の含有により、本組成物は、高透過率、高透明度、及び低ヘイズを示す。
【0013】
特定の実施形態では、ポリエチレン組成物は、少なくとも50重量%の少なくとも1つのポリエチレンポリマーと、0.001〜2重量%の造核剤とを含んでよい。ポリエチレン組成物は、式(I)、(II)、または(III)の構造を含んでよい。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
式中、R1及びR2は、非置換または1つ以上のヒドロキシによって置換されたC−C20アルキル、非置換または1つ以上のヒドロキシによって置換されたC−C20アルケニル、酸素または硫黄によって中断されたC−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたC−C12シクロアルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された(C−C12シクロアルキル)−C−C10アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたビス[C−C12シクロアルキル]−C−C10アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された5〜20個の炭素原子を有する2環式若しくは3環式炭化水素ラジカル、非置換またはC−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20アルキルアミノ、ジ(C−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシ、及びニトロから選択される1つ以上のラジカルによって置換されたフェニル、非置換またはC−C20アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、C−C20アルコキシ、及びヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されたフェニル−C−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたフェニルエテニル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたビフェニル−(C−C10アルキル)、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたナフチル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたナフチル−C−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−Cアルキルによって置換されたナフトキシメチル、ビフェニレニル、フロウレニル、アントリル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された5〜6員ヘテロ環ラジカル、1つ以上のハロゲンを含有するC−C20炭化水素ラジカル、またはトリ(C−C10アルキル)シリル(C−C10アルキル)から選択される同じまたは異なる部分を含む。
【0018】
一実施形態では、造核剤のR1、R2、または両方が、
【0019】
【化7】
【0020】
であり、式中、R3は直接結合、またはC−Cアルキル、またはC−Cアルキルである。
【0021】
別の実施形態では、造核剤のR1、R2、または両方が、
【0022】
【化8】
【0023】
であり、式中、R3は直接結合、またはC−Cアルキル、またはC−Cアルキルである。
【0024】
さらなる実施形態では、造核剤のR1、R2、または両方が、
【0025】
【化9】
【0026】
であり、式中、R3は直接結合、またはC−Cアルキル、またはC−Cアルキルである。
【0027】
さらに別の実施形態では、造核剤のR1、R2、または両方が、
【0028】
【化10】
【0029】
であり、式中、R3は直接結合、またはC−Cアルキル、またはC−Cアルキルである。
【0030】
さらに別の実施形態では、造核剤のR1、R2、または両方がC−Cアルキル、またはC−Cアルキルである。
【0031】
本明細書で使用する場合、「ポリエチレン組成物」は、単独で、または追加のポリマーなどの追加成分を有するポリエチレンポリマーを含むいずれかの調合物を意味する。本明細書で使用する場合、「ポリエチレンポリマー」は、100%のエチレンモノマー単位、すなわちホモポリマーから製造されたポリマー、または例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、または1−オクテンなど、α−オレフィンなどの他のモノマーの部分で製造されたコポリマーを指す。様々なポリエチレンポリマーが適切であると考えられる。例えば、それらに限定されるものではないが、ポリエチレンポリマーには、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、非常に低密度のポリエチレン(VLDPE)、及び超低密度ポリエチレン(ULDPE)、またはそれらの混合物が挙げられてよい。
【0032】
1つ以上の実施形態では、ポリエチレンポリマーは≦50g/10分のメルトインデックス(I2)であって、190℃、及び2.16kgの荷重で、ASTM D1238に従って測定される、I2と、約0.855〜約0.970g/cmの密度を有してよい。他の実施形態では、I2は、≦25g/10分または≦10g/10分でよい。さらなる実施形態では、密度は0.900〜0.955g/cmまたは0.910〜0.940g/cmでよい。
【0033】
例えば、それらに限定されるものではないが、LLDPEの適切な市販例には、The Dow Chemical Company,Medland MIから入手可能なDOWLEX(登録商標)2045 G、DOWLEX(登録商標)2552 E、またはTUFLIN(商標)HS−7028の1つ以上が挙げられてよい。均一の若しくは不均一の短鎖分岐分布を有する他の組成物、または広い若しくは狭い分子量分布を有する組成物が適切であるとみなされる。Exxon−MobilのEXCEED(商標)またはPrime Polymer Co.,Ltd.のEVOLUE(商標)などの他の様々な樹脂も考えられる。
【0034】
ポリエチレン組成物は、約50重量%超、または約60重量%超、または約70重量%超、または約80重量%超、または約90重量%超のポリエチレンポリマーを含む。加えて、ポリエチレン組成物は、約0.001〜約2重量%、または約0.001〜約1重量%、または約0.005〜約1重量%、または約0.01〜約0.5重量%、または約0.1〜約0.5重量%、または0.01〜約0.1重量%の造核剤を含む。理論に縛られるものではないが、ヘイズ減少は、どちらのR(R1及びR2)基が構造(I)、(II)、及び(III)において利用されるかによって変化してよい。特に、様々なR基は、ポリエチレン組成物内で様々な溶解性を有してよい。非可溶化造核剤により、ヘイズが増加する可能性があるため、非可溶化造核剤の量を最小限にする濃度を選択することが有益となる可能性がある。
【0035】
一実施形態では、ポリエチレン組成物は、実質的にポリプロピレンを含まない。追加の実施形態では、ポリエチレンポリマーと配合するためにポリマーをさらに含むと考えられる。例えば、複数のポリエチレンポリマーの配合物を含むと考えられる。さらに、ポリエチレンポリマーとポリプロピレンポリマーとを配合することも考えられる。例えば、第2のポリマーは、約0.5〜約45重量%、または約1〜約25重量%、または約5〜約15重量%の量で含まれてよいと考えられる。
【0036】
ポリエチレン組成物は、様々な物品に形成されてよい。例えば、物品は、ブローフィルム、キャストフィルム、または成形物品(例えば、射出成形または回転成形)でよい。物品は、シート、パイプ、またはチューブなどの様々な押出形材に押し出される、または形成されてよい。さらに、さらなる実施形態では、物品は溶融紡糸繊維でよい。本ビスアミド造核剤を含有すると、同じポリエチレンポリマーを有するがビスアミド造核剤のない物品と比較した場合、その物品は少なくとも15%減少したヘイズ値を達成することが可能である。さらなる実施形態では、同じポリエチレンポリマーを有するがビスアミド造核剤のない物品と比較した場合、その物品は少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%減少したヘイズを達成することが可能である。ポリエチレン物品は、様々な大きさ及び厚さが考えられる。物品は、0.001mm〜約5mm、または約0.5mm〜約2.5mm、または約0.5mm〜約1.5mmの厚さを含んでよい。
【0037】
本組成物を製造するために、様々な手法が考えられる。例えば、それらに限定されるものではないが、これらの手法は、従来の混合機中で所定の成分を混合すること、及び/または混合物を溶解すること、練ること、及び/または押し出すこと、などの標準的な手法を含んでよい。
【0038】
追加の光学物質を本開示の組成物に加えてもよい。例えば、これらの物質には、抗酸化剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、中和剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、潤滑剤、他の様々な処理助剤、及び充填剤等、ならびにそれらの混合物が挙げられてよい。光学物質に関する追加情報は、US7,790,793に提供されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0039】
パートA:ビスアミド造核剤の調製
以下に例示的なビスアミド構造及び生成方法を記載する。なお、実施例1、4〜10は参考例である。
【0040】
実施例1:N,N’−ジシクロヘキシル−1,4−ベンゼンジカルボキサミドの生成方法
【0041】
【化11】
【0042】
N−メチルピロリドン(NMP)をCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。トリエチルアミンを同様の方法で処理した。シクロヘキシルアミンをKOH上で攪拌し、留去した。5.5mLのシクロヘキシルアミン、0.1gの無水LiCl、及び25mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で100mLの乾燥NMP中に溶解した。4.06gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて75℃で2時間攪拌した。次いで溶液を室温まで冷却し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄した。粗生成物をDMFから再結晶化し、4.03gのN,N’−ジシクロヘキシル−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色粉末として得た。
【0043】
実施例2:N,N’−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0044】
【化12】
【0045】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。テトラヒドロフラン(THF)をCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。3.75mLのシクロヘキシアンメチルアミン、0.1gの無水LiCl、及び15mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で150mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。2.66gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶液を室温まで冷却し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄した。粗生成物をDMSOから再結晶化し、4.25gのN,N’−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色針状結晶として得た。
【0046】
実施例3:N,N’−ビス(シクロヘキシルエチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0047】
【化13】
【0048】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。THFをCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。3.25mLのシクロヘキシアンエチルアミン、0.1gの無水LiCl、及び15mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で150mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。2.03gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶液を室温まで冷却し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄した。粗生成物をDMSOから再結晶化し、3.79gの,N’−ビス(シクロヘキシルエチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色針状結晶として得た。
【0049】
実施例4:N,N’−ビス(イソプロピル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0050】
【化14】
【0051】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。THFをCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。2.77mLのイソプロピルアミン、0.1gの無水LiCl、及び15mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で100mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。3.00gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶液を室温まで冷却し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄した。粗生成物をメタノールから再結晶化し、2.40gの,N’−ビス(イソプロピル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色結晶として得た。
【0052】
実施例5:N,N’−ビス(2−メチルプロピル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0053】
【化15】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。THFをCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。3.26mLのイソブチルアミン、0.1gの無水LiCl、及び15mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で100mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。3.00gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶媒を蒸発させ、残渣をMeOH中に溶解し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄し、2.09gのN,N’−ビス(2−メチルプロピル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色粉末として得た。
【0054】
実施例6:N,N’−ビス(2−メチルブチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0055】
【化16】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。THFをCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。3.35mLの3−メチルブチルアミン、0.1gの無水LiCl、及び15mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で100mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。2.66gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶液を室温まで冷却し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄した。粗生成物をDMSOから再結晶化し、2.98gのN,N’−ビス(2−メチルブチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色粉末として得た。
【0056】
実施例7:N,N’−ビス(tert−ブチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0057】
【化17】
【0058】
NMPをCaH上で1日撹拌し、最終的に留去した。トリエチルアミンを同様の方法で処理した。5.04mLのtert−ブチルアミン、0.1gの無水LiCl、及び25mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で100mLの乾燥NMP中に溶解した。4.06gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて75℃で2時間攪拌した。次いで溶液を室温まで冷却し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄した。粗生成物をDMFから再結晶化し、3.68gのN,N’−ビス(tert−ブチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色がかった針状結晶として得た。
【0059】
実施例8:N,N’−ビス(2,2−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0060】
【化18】
【0061】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。THFをCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。3.17mLのアミルアミン、0.1gの無水LiCl、及び12mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で70mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。2.50gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶媒を蒸発させ、残渣をMeOH中に溶解し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水及びヘキサンで数回洗浄し、真空乾燥し、3.23gのN,N’−ビス(2,2−ジメチルプロピル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色粉末として得た。
【0062】
実施例9:N,N’−ビス(3,3−ジメチルブチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0063】
【化19】
【0064】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。THFをCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。1.33mLの3,3−ジメチルブチルアミン、0.1gの無水LiCl、及び5mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で50mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。0.91gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶媒を蒸発させ、残渣をMeOH中に溶解し、水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄し、真空乾燥した。メタノールから再結晶化し、1.04gのN,N’−ビス(3,3−ジメチルブチル)−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを白色粉末として得た。
【0065】
実施例10:N,N’−ジプロピル−1,4−ベンゼンジカルボキサミド
【0066】
【化20】
【0067】
トリエチルアミンをCaH上で1日攪拌し、最終的に留去した。THFをCaH上で3日間還流し、蒸留し、さらに3日間カリウム上で還流し、最終的に再度蒸留した。2.67mLのプロピルアミン、0.1gの無水LiCl、及び15mLのトリエチルアミンを、不活性雰囲気下で100mLの乾燥THF中に溶解し、0℃まで冷却した。3.00gの塩化テレフタロイルを溶液に加え、続いて12時間還流した。次いで溶液を室温まで冷却し、水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄した。粗生成物をメタノールから再結晶化し、1.5gのN,N’−ジプロピル−1,4−ベンゼンジカルボキサミドを黄色がかった針状結晶として得た。
【0068】
パートB:ビスアミド造核剤を用いたポリマー樹脂プラークの調製
ヘイズに対するビスアミド造核剤の影響を、The Dow Chemical Companyの3つの線状低密度ポリエチレンで試験した。
【0069】
【表1】
【0070】
DOWLEX 2045Gは、ブローフィルム用途に適切なエチレン−オクテンコポリマーである。DOWLEX 2552Eは、射出成形及び繊維用途に適切なエチレン−オクテンコポリマーである。DOWLEX HS7028 NT7は、ブローフィルム用途に適切なエチレン−ヘキセンコポリマーである。ASTM D792で密度、ASTM D1238でメルトインデックスが測定された。
【0071】
ヘイズ測定用小規模コンパウンディング及び射出成形
ポリエチレン樹脂と核剤との配合物を、実験用の同時回転小型二軸式押出機(DSMのXplore、15.0ml容量)において40rpmで、5分間、220℃で、窒素ブランケット下で調製した。まず、2重量%の核剤のマスターバッチをポリエチレン樹脂で製造した。このマスターバッチを希釈し、純ポリエチレン樹脂と再混合し、ポリマーで核剤の所望の最終濃度を達成した。押出機からの溶解物を円形鋳型に射出し、室温に保ち、1.0mmの厚さで25.0mm直径のプラークを製造した。
【0072】
成形試料のヘイズ測定
室温でHaze−Gard Plus(登録商標)器具(BYK Gardner GmbH,Germany)を用いて、ASTM規格D1003に従って、射出成形試料のヘイズを測定した。18.0mm直径のプラーク試料上の円形部分が、光線によって照明が当てられ、記録されたヘイズ値が「全体部分のヘイズ」と称される。加えて、試料上(表面のむらのない部分)の8.0mm直径の円形部分のヘイズ値が記録され、「小部分のヘイズ」と称される。表面散乱の効果を無くすために、50.0×45.0×2.5mmのキュベット(BYK Gardner GmbH,GermanyのAT−6180)に不乾性液浸油(Cargille Series A、n=1.5150±0.0002の屈折率油)を充填すること、及びその中に試料を挿入することによって「全ヘイズ」の測定が実施された。ここに、5回の測定の平均値に対応するヘイズ値を報告する。
【0073】
ヘイズデータ
DOWLEX 2045G、DOWlEX 2552E、及びTUFLIN HS 7028 NT7を用いてN,N’−ビス(シクロヘキシメチル)−1,4−フェニレンジカルボキサミド(BCPCA)を製造するための化合物の射出成形プラークのヘイズデータを以下に示す。
【0074】
【化21】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
以下に、様々な核剤を用いたDOWLEX 2552Eのヘイズデータを記載する。
【0079】
【化22】
【0080】
表5:以下の表は、置換基Rがシクロヘキシルの場合である。
【0081】
【化23】
【0082】
【表5】
【0083】
表6:以下の表は、置換基Rがシクロヘキシルメチルの場合である。
【0084】
【化24】
【0085】
【表6】
【0086】
表7:以下の表は、置換基Rがシクロヘキシルエチルの場合である。
【0087】
【化25】
【0088】
【表7】
【0089】
表8:以下の表は、置換基Rがn−プロピルの場合である。
【0090】
【化26】
【0091】
【表8】
【0092】
化合物Aを用いたDOWLEX 2552Eのヘイズデータ、及び他の様々なR基が以下の表9に提供される。
【0093】
【表9】
【0094】
パートC:ポリエチレンフィルム
DOWLEX 2045G及びBCPCAを用いて化合物が以下の通り調製された。添加剤及びベースポリマーそれぞれの量をポリ袋に入れ、袋を回すことによって完全に混合した。粉末混合物を二軸押出機(Leistritz ZSE MAXX、スクリュー直径=27mm、スクリューl/d比=48)で押し出した。添加剤混合物を押し出す前に、標準的なLDPEを用いて、その後2kgのベースポリマーを用いて押出機を清掃した。処理パラメータ:シリンダー温度:170℃(全加熱区間)、スクリュー速度:300〜400U/分、生産量:25〜30kg/時間。押し出されたストランドを水浴にて冷却し、ペレタイザで切断した。得られた粒状物を混合器で混合し、PEポリ袋中に詰めた。
【0095】
DOWLEX 2045G及びBCPCA化合物を含む例示的な単層ポリエチレンフィルムを、単層ブローフィルムラインで製造した。追加の処理パラメータが、以下の表10に提供され、ヘイズの結果が以下の表11に提供される。
【0096】
【表10】
【0097】
ASTM D1003−11規格に基づき、「Hazeguard Plus 4725」の試験装置を使用してヘイズを測定した。所与のヘイズ値は、5回それぞれの測定の平均である。試験前に最低40時間、試料をエージングした。
【0098】
【表11】
【0099】
パートD:トリスアミド清澄剤との比較
ポリプロピレンフィルムの場合、トリスアミド誘導体はヘイズ減少などの光学特性において改善を示すが、ポリエチレンフィルムと同レベルの改善は示さない。
【0100】
以下の表は、1mmの厚さを有するDOWLEX 2552E LLDPEプラーク中に、トリス(シクロヘキシルメチル)−1,3,5−フェニレンジカルボキサミド(TCPCA)及びBCPCAが組み込まれた場合に得たヘイズ減少を示す。示されるように、トリスアミドのヘイズ減少効果を、同じR−基部分を有するビスアミドと比較した。ビスアミド及びトリスアミドの濃度を最大2%まで増加し、様々なヘイズ測定を実施し、濃度範囲内の最低ヘイズを以下に提供する。示されるように、0.1%濃度で、40%(90.0−49.8=40.2%)を超えるヘイズ減少がある。
【0101】
【表12】
【0102】
「好ましくは」、「一般に」、「通常」、及び「典型的に」のような用語は、特許請求される本発明の範囲を制限すること、または特定の特徴が特許請求される本発明の構造または機能に肝心、不可欠、またはさらに重要であることを意味するために本明細書で利用されていないことをさらに留意されたい。むしろ、これらの用語は、本開示の特定の実施形態において利用されても利用されなくてもよい代替のまたは追加の特徴を強調することを意図するに過ぎない。
【0103】
添付の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲を逸脱することなく、変更及び変化が可能であることは明らかである。より詳細には、本開示のいくつかの態様が本明細書で好ましいまたは特に有利であると特定されていても、本開示はこれらの態様に必ずしも制限されるものではないと考えられる。
本発明は次の態様を含む。
[1]ポリエチレン組成物であって、
少なくとも50重量%の少なくとも1つのポリエチレンポリマーと、
式(I)、(II)、または(III)の構造を含む0.001〜2重量%の造核剤と、を含み、
【化1】
【化2】
【化3】
式中、R1及びR2は、非置換または1つ以上のヒドロキシによって置換されたC−C20アルキル、非置換または1つ以上のヒドロキシによって置換されたC−C20アルケニル、酸素または硫黄によって中断されたC−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたC−C12シクロアルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された(C−C12シクロアルキル)−C−C10アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたビス[C−C12シクロアルキル]−C−C10アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された5〜20個の炭素原子を有する2環式若しくは3環式炭化水素ラジカル、非置換またはC−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20アルキルアミノ、ジ(C−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシ、及びニトロから選択される1つ以上のラジカルによって置換されたフェニル、非置換またはC−C20アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、C−C20アルコキシ、及びヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されたフェニル−C−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたフェニルエテニル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたビフェニル−(C−C10アルキル)、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたナフチル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換されたナフチル−C−C20アルキル、非置換または1つ以上のC−Cアルキルによって置換されたナフトキシメチル、ビフェニレニル、フロウレニル、アントリル、非置換または1つ以上のC−C20アルキルによって置換された5〜6員ヘテロ環ラジカル、1つ以上のハロゲンを含有するC−C20炭化水素ラジカル、あるいはトリ(C−C10アルキル)シリル(C−C10アルキル)から選択される同じまたは異なる部分を含み、
前記ポリエチレン組成物はプロピレン及びポリプロピレンを実質的に含まず、前記ポリエチレン組成物が使用されて物品が形成される場合、前記物品は、同じポリエチレンポリマーを有するが前記造核剤を含まない物品と比較したときに少なくとも15%減少したヘイズ値を有する、
ポリエチレン組成物。
[2]前記ポリエチレンポリマーが、α−オレフィンコポリマーを含むエチレンのコポリマー、エチレンホモポリマー、またはそれらの組み合わせである、上記[1]に記載のポリエチレン組成物。
[3]前記ポリエチレンポリマーが、線状低密度ポリエチレンポリマー(LLDPE)、低密度ポリエチレンポリマー(LDPE)、高密度ポリエチレンポリマー(HDPE)、またはそれらの組み合わせから選択される、上記[1]または上記[2]に記載のポリエチレン組成物。
[4]前記ポリエチレン組成物が、50g/10分以下のメルトインデックス(I)であって、式中Iは、190℃、2.16kgの荷重でASTM D1238に従って測定される、Iと、約0.855〜約0.970g/cmの密度と、を有する上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[5]ポリオレフィン樹脂が0.01〜0.5重量%の前記造核剤を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[6]R1、R2、または両方が、
【化4】
であり、式中、R3は直接結合またはC−Cアルキルである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[7]R1、R2、または両方が、
【化5】
であり、式中、R3は直接結合またはC−Cアルキルである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[8]R1、R2、または両方が、
【化6】
であり、式中、R3は直接結合またはC−Cアルキルである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[9]R1、R2、または両方が、
【化7】
であり、式中、R3は直接結合またはC−Cアルキルである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[10]R1、R2、または両方がC−Cアルキルである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[11]前記ポリエチレン組成物が、約60重量%超、または好ましくは約80重量%超のポリエチレンポリマーを含む、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のポリエチレン組成物。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかに記載のポリエチレン組成物から製造される物品であって、同じポリエチレンポリマーを有するが前記造核剤を含まない物品と比較した場合、少なくとも15%、または好ましくは少なくとも20%減少したヘイズ値を有する、物品。
[13]前記物品がブローフィルム、キャストフィルム、成形物品、溶融紡糸繊維、または押出成形物品から選択される、上記[12]に記載の物品。
[14]前記物品がシート、パイプ、またはチューブから選択される押出成形物品である、上記[13]に記載の物品。
[15]前記ポリエチレン組成物が約0.910〜約0.940g/cmの密度を有する、上記[1]〜[11]のいずれかに記載のポリエチレン。