特許第6691552号(P6691552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6691552ファルネソイドX受容体をモジュレートするのに有用である縮合三環式ピラゾール誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691552
(24)【登録日】2020年4月14日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】ファルネソイドX受容体をモジュレートするのに有用である縮合三環式ピラゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 491/052 20060101AFI20200421BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200421BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20200421BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20200421BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20200421BHJP
   A61P 1/12 20060101ALI20200421BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20200421BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   C07D491/052CSP
   A61P43/00 111
   A61K45/00
   A61P1/16
   A61P1/04
   A61P1/12
   A61K31/4162
   A61K31/5377
【請求項の数】19
【全頁数】97
(21)【出願番号】特願2017-556538(P2017-556538)
(86)(22)【出願日】2016年4月29日
(65)【公表番号】特表2018-519252(P2018-519252A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】IB2016052424
(87)【国際公開番号】WO2016174616
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2019年3月19日
(31)【優先権主張番号】62/154,862
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】チャネリ,ドナテラ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シャオドン
(72)【発明者】
【氏名】モルテニ,ヴァレンティナ
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ローランド,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ラッカー,ポール ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】タリー,デイヴィッド チャールズ
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−506848(JP,A)
【文献】 特表2016−535784(JP,A)
【文献】 特表2009−538335(JP,A)
【文献】 特表2008−535900(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0259887(US,A1)
【文献】 特開平04−356486(JP,A)
【文献】 特開2010−195785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(II):
【化1】
[式中、
は、C1〜6アルキル;C1〜6ハロアルキル;ハロ置換C1〜6ヒドロキシアルキル;もしくはRによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されているフェニルであり;またはRは、群C3〜7シクロアルキル、1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール、および1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環から選択され;これらの各々は、R2aによって表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
環Bは、アリール;1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール;1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環;またはC3〜7シクロアルキルであり;これらの各々は、R2aによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、−(CR)−または−C(O)−であり
は、*2−(CR1〜2−;*2−(CR)−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−;*2−(CR−O−;*2−(CR−NR−;*2−(CR−NR−SO−;*2−(CR−NR−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−(CR)−;または*2−(CR−NR−C(O)−NR−(CR0〜1であり;ここで「*2」は、NへのLの結合点を示し
各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、−C(O)NR;−S(O)−NR;−C(O)O−(CRCR2〜3NR;−N(R)−C(O)O−R;−SOR;または−NRであり;
各R2aは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルキルであり;
各Rは、独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはシクロプロピルであり;
R、R、R、RおよびRは、独立して、水素またはC1〜6アルキルであり;あるいはRおよびRは、Nと一緒になって、5〜6員複素環式環を形成する
に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、*2−(CR1〜2−;*2−(CR)−C(O)−NR−;*2−(CR−O−;*2−(CR−NR−SO−;*2−(CR−NR−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−(CR)−;または*2−(CR−NR−C(O)−NR−(CR0〜1であり;ここで、「*2」は、NへのLの結合点を示す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、C1〜6アルキル;C1〜6ハロアルキル;またはハロ置換C1〜6ヒドロキシアルキルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルであり;これらの各々が非置換であるか、またはR2aによって独立して表される1〜2個の置換基によって置換されており;ここでR2aは、ハロまたはヒドロキシルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
が、テトラヒドロフラニル、テトラピラニル、N−メチルピラゾリル、チアゾリルまたは1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】
が、ハロ、−C(O)NR;−S(O)−NR;−C(O)O−(CRCR2〜3NR;−N(R)−C(O)O−R;−SOR;または−NRで任意選択により置換されているフェニルであり;
ここで、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素またはC1〜6アルキルであり;あるいはRおよびRは、Nと一緒になって、モルホリニルを形成する、
請求項1または2に記載の化合物。
【請求項7】
環Bが、1〜2個のハロで任意選択により置換されているフェニル;テトラヒドロピラニル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはチアゾリルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Xが、−(CR)−であり;RおよびRが、独立して、水素またはメチルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
、ハロ、sec−ブチル、ビニルまたはシクロプロピルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキソラン−3−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロブチルアセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
N−tert−ブチル−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−エチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロペンチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロブチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル]アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[(2S)−オキソラン−2−イルメチル]アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
N−tert−ブチル−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキソラン−2−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキサン−3−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)−N−メチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
8−クロロ−N−(2−((1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アセトアミド;
8−クロロ−N−(2−((1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(オキサン−4−イルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フェニルプロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アセトアミド
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3−スルファモイルフェニル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[(1−ヒドロキシシクロプロピル)メチル]アセトアミド;
2−(ジメチルアミノ)エチル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
2−(ジメチルアミノ)エチル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
3−(ジメチルアミノ)プロピル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート
N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−N−{[4−(メチルスルファモイル)フェニル]メチル}−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
tert−ブチルN−{4−[(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)メチル]フェニル}カルバメート;
N−ベンジル−8−クロロ−N−[(4−メタンスルホニルフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−クロロ−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[(4−アミノフェニル)メチル]−N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド
8−クロロ−N−(2−{[(シクロプロピルメチル)カルバモイル]アミノ}エチル)−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−(2−{[(プロパン−2−イル)カルバモイル]アミノ}エチル)−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−[2−(プロパン−2−スルホンアミド)エチル]−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−ブロモ−1−メチル−N−[2−(プロパン−2−スルホンアミド)エチル]−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(シクロプロピルメチル)−2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
N−[2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ヨード−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(シクロヘキシルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(シクロペンチルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
8−クロロ−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−{2−[(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]エチル}−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(4−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1,4,4−トリメチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド
(2S)−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)プロパンアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキサン−4−イルメチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−シクロプロピル−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−(2−{N−ベンジル−1−[8−(ブタン−2−イル)−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル]ホルムアミド}エチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−エテニル−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(4−カルバモイル−2−フルオロフェノキシ)エチル]−8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;および
N−[2−(4−カルバモイル−2−フルオロフェノキシ)エチル]−8−フルオロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド
から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
治療有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項12】
治療有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および第2の治療剤を含む組合せ物
【請求項13】
ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を、それを患う対象において処置するための方法に用いるための医薬組成物であって、前記対象に、治療有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が、任意選択により第2の治療剤と組み合わせて、投与するための、医薬組成物。
【請求項14】
FXRによって媒介される状態の処置における使用のための、任意選択により第2の治療剤と組み合わせた、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項15】
対象においてFXRによって媒介される状態の処置のための医薬の調製のための、任意選択により第2の治療剤と組み合わせた、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
FXRによって媒介される前記状態が肝臓疾患または胃腸疾患である、請求項14に記載の医薬組成物
【請求項17】
FXRによって媒介される前記状態が、肝内胆汁うっ滞、エストロゲン誘発胆汁うっ滞、薬剤誘発胆汁うっ滞、妊娠時胆汁うっ滞、非経口栄養関連胆汁うっ滞、進行性家族性胆汁うっ滞(PFIC)、アラジール症候群、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎、胆管減少性肝臓移植拒絶反応、肝臓移植関連グラフト対宿主病、嚢胞性線維症肝臓疾患、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝臓疾患および非経口栄養関連肝臓疾患から選択される肝臓疾患である、請求項16に記載の医薬組成物
【請求項18】
FXRによって媒介される前記状態が、一次胆汁酸下痢、二次胆汁酸下痢、胆汁逆流性胃炎および炎症性腸疾患から選択される胃腸疾患である、請求項16に記載の医薬組成物
【請求項19】
FXRによって媒介される前記状態が、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、請求項14に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2015年4月30日に出願された米国仮特許出願第62/154,862号の利益を主張し、これは参照により本明細書にその全体で組み込まれる。
【0002】
本発明は、ファルネソイドX受容体(FXR)の活性をモジュレートする組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ファルネソイドX受容体(FXR)は、核ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーであり、肝臓、腎臓および腸において主に発現される(例えば、Seol et al. (1995) Mol. Endocrinol. 9:72-85およびForman et al. (1995) Cell 81:687-693を参照されたい)。FXRは、レチノイドX受容体(RXR)とのヘテロ二量体として機能し、標的遺伝子のプロモーター中の応答エレメントに結合することで遺伝子転写を調節する。FXR−RXRヘテロ二量体は、コンセンサス受容体結合性六量体が1つのヌクレオチドによって分離される逆方向反復1(IR−1)応答エレメントに最も高い親和性で結合する。FXRは、コレステロール異化を阻害する働きをする胆汁酸(コレステロール代謝のエンド生成物)によってFXRが活性化されるという点で、相関プロセスの一部である(例えば、Makishima et al. (1999) Science 284: 1362-1365、Parks et al. (1999) Science 284:1365-1368、Wang et al. (1999) Mol. Cell. 3:543-553を参照されたい)。Urizar et al. (2000) J. Biol. Chem. 275:39313-39317も参照されたい。
【0004】
FXRは、コレステロール恒常性、トリグリセリド合成および脂質生合成の重要な調節因子である。(Crawley, Expert Opinion Ther. Patents (2010), 20(8): 1047-1057)。脂質異常症の処置に加えて、肝臓疾患、糖尿病、ビタミンD関連疾患、薬剤誘発副作用および肝炎の処置を含めて、FXRに関する複数の適応症が報告されてきた。(Crawley、上記参照)。新規なFXRアゴニストの開発が発展してきた一方で、改善の余地が著しく残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ファルネソイドX受容体(FXR)の活性をモジュレートするための組成物および方法に関する。例えば、本発明は、FXRのアゴニストまたは部分アゴニストであり、FXR媒介状態を処置するための医薬品として有用である新規な化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明の化合物は、式I:
【0007】
【化1】
[式中、
は、C1〜6アルキル;C1〜6ハロアルキル;C1〜6ヒドロキシアルキル;ハロ置換C1〜6ヒドロキシアルキル;もしくはRによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されているフェニルであり;またはRは、群C3〜7シクロアルキル、1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール、および1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環から選択され;これらの各々は、R2aによって表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
環Bは、アリール;1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール;1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環;またはC3〜7シクロアルキルであり;これらの各々は、R2aによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、−(CR)−または−C(O)−であり;
Yは、−O−、−(CR)−、−O(CR)−または−NR−であり、ここで「」は、Z環原子を含有する環へのYの結合点を示し;
、Z、ZおよびZは、各々独立して、−CR−または−N−であり;
は、*1−(CR1〜2−または*1−(CR)−C(O)−NR−であり、ここで「*1」は、NへのLの結合点を示し;
は、*2−(CR1〜2−;*2−(CR)−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−;*2−(CR−O−;*2−(CR−NR−;*2−(CR−NR−SO−;*2−(CR−NR−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−(CR)−;または*2−(CR−NR−C(O)−NR−(CR0〜1であり;ここで「*2」は、NへのLの結合点を示し;
は、−(CR)−または−C(O)−であり;
各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、−C(O)NR;−S(O)−NR;−C(O)O−(CRCR2〜3NR;−N(R)−C(O)O−R;−SOR;−NRまたは−(CR)−C(O)ORであり;
各R2aは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルキルであり;
各Rは、独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはシクロプロピルであり;
R、R、R、RおよびRは、独立して、水素またはC1〜6アルキルであり;あるいはRおよびRは、Nと一緒になって、5〜6員複素環を形成し得る]
またはその薬学的に許容される塩によって定義されている。
【0008】
一実施形態において、本発明の化合物は、式II:
【0009】
【化2】
[式中、X、B、LおよびRは、式Iにおいて定義されている通りである]
またはその薬学的に許容される塩によって定義されている。
【0010】
式IおよびIIの化合物、ならびにそれらの薬学的に許容される塩は、細胞フリーのキナーゼアッセイおよび細胞アッセイにおいてインビトロで試験される場合、貴重な薬理学的特性を呈し、そのため医薬品として有用である。
【0011】
一態様において、本発明は、細胞におけるFXRをモジュレートするための方法であって、細胞を、式IもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量と;任意選択により第2の治療剤と組み合わせて接触させることを含む方法に関する。
【0012】
別の態様において、本発明は、FXR媒介障害を、それを患う対象において処置、寛解または予防するための方法であって、対象に、治療有効量の式IもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容される塩を、任意選択により第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法に関する。本発明は、FXR媒介障害を処置するための医薬の製造における、任意選択により第2の治療剤と組み合わせた、式IもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用も提供する。なお別の態様において、本発明は、治療有効量の式IもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容される塩、および第2の治療剤を含む組合せに関する。第2の治療剤が使用される場合、第2の治療剤もFXR媒介障害の処置において有用であり得る。
【0013】
一実施形態において、該化合物は(単独でまたは第2の治療剤と組み合わせて)、以下に限定されないが、肝内胆汁うっ滞、エストロゲン誘発胆汁うっ滞、薬剤誘発胆汁うっ滞、妊娠時胆汁うっ滞、非経口栄養関連胆汁うっ滞、進行性家族性胆汁うっ滞(PFIC)、アラジール症候群、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎、胆管減少性肝臓移植拒絶反応、肝臓移植関連グラフト対宿主病、嚢胞性線維症肝臓疾患、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝臓疾患および非経口栄養関連肝臓疾患から選択される肝臓疾患;ならびに胆汁酸吸収不良(一次胆汁酸下痢および二次胆汁酸下痢を含める)、胆汁逆流性胃炎、および炎症性腸疾患、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、空置大腸炎、不確定大腸炎およびベーチェット病から選択される胃腸疾患を含めて、肝臓疾患または胃腸疾患を処置することに有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
この明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用され、適切な場合はいつでも、単数で使用されている用語には複数も含まれ、逆もまた同様である。
【0015】
本明細書で使用される場合、「C1〜6アルキル」は、1個から最大6個まで、一部の場合において1個から最大4個までの炭素原子を有するアルキル基を示し、該基は線状であるか、または単一もしくは複数の枝分かれで分岐されているかのいずれかである。例えば、「C1〜6アルキル」としては、以下に限定されないが、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル;プロピル、例えばn−プロピル、2−メチルプロピルまたはイソプロピル;エチルまたはメチルが挙げられる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「ハロC1〜6アルキル」は、1個または複数のハロ基によって置換されている、上記で定義されている通りのアルキル基を指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシC1〜6アルキル」は、C1〜6アルキルが上記で定義されている通りである、C1〜6アルキル−OHを指す。ヒドロキシ基は、アルキル基中の任意の炭素上でアルキル基に結合し得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、「C3〜7シクロアルキル」は、3〜7個の炭素環原子の、非芳香族の飽和また部分的不飽和の単環式、二環式、架橋またはスピロ環式炭化水素基を指す。例証的な単環式炭化水素基としては、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどが挙げられる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「立体異性体」は、同じ結合によって結合されている同じ原子で構成されているが相互交換可能でない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は様々な立体異性体およびその混合物を企図しており、分子が互いに重ねることができない鏡像である2種の立体異性体を指す「エナンチオマー」が含まれる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語には、当業者に知られている通り(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289- 1329を参照されたい)、任意および全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、保存料(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存料、薬物、薬物安定剤、バインダー、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤および染料など、ならびにその組合せが含まれる。任意の従来の担体が活性成分と不適合である限りを除いて、治療組成物または医薬組成物におけるそれの使用は企図される。
【0021】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、明記されている効果を達成するのに十分である、式Iの化合物の量を指す。したがって、FXRによって媒介される状態の処置のために使用される式Iの化合物の治療有効量は、FXRによって媒介される状態の処置に十分な量である。
【0022】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は動物を指す。典型的に、動物は哺乳動物である。対象は、例えば、霊長類(例えば、ヒト、雄性または雌性)、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類および鳥類なども指す。ある特定の実施形態において、対象は霊長類である。なお他の実施形態において、対象はヒトである。
【0023】
本明細書で使用される場合、任意の疾患または障害を「処置する」、「処置すること」またはその「処置」という用語は、一実施形態において、疾患または障害を寛解させること(即ち、疾患またはその臨床症状の少なくとも1つの発症を減速または停止または低減すること)を指す。別の実施形態において、「処置する」、「処置すること」または「処置」は、患者によって識別可能でないことがあるものを含めた少なくとも1つの物理的パラメータを軽減または寛解させることを指す。なお別の実施形態において、「処置する」、「処置すること」または「処置」は、物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理的に(例えば、物理的パラメータの安定化)、または両方のいずれかで、疾患または障害をモジュレートすることを指す。なお別の実施形態において、「処置する」、「処置すること」または「処置」は、疾患または障害の発病または発症または進行を予防または遅延することを指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、こうした対象がこうした処置が生物学的に、医学的に、または生活の質において有益であるならば、対象は処置「を必要としている」。
【0025】
本明細書で使用される場合、「脂質異常症」という用語は、血中の脂質およびリポタンパク質における異常またはそれらの異常量、ならびにこうした異常から結果として得られる、それによって引き起こされる、それによって悪化される、またはそれに付属する疾患状態を指す(Dorland's Illustrated Medical Dictionary, 29th edition or subsequent versions thereof, W.B. Saunders Publishing Company, New York, NYを参照されたい)。脂質異常症の定義内に包含される疾患状態としては、本明細書で使用される場合、高脂質血症、高トリグリセリド血症、低血漿HDL、高血漿LDL、高血漿VLDL、肝臓胆汁うっ滞および高コレステロール血症が挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「脂質異常症に関連する疾患」という成句は、以下に限定されないが、アテローム性動脈硬化症、血栓症、冠動脈疾患、脳卒中および高血圧を含めた疾患を指す。脂質異常症に関連する疾患としては、代謝性疾患、例えば肥満、糖尿病、インスリン抵抗性、およびその合併症も挙げられる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「胆汁うっ滞」という用語は、肝臓からの胆汁の流れが遮断されるとともに肝内(即ち、肝臓の内側に出現する)または肝外(即ち、肝臓の外側に出現する)であり得る任意の状態を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「肝臓線維症」としては、以下に限定されないが、BおよびC型肝炎によるものなどのウイルス誘発肝臓線維症;アルコール(アルコール性肝臓疾患)、医薬化合物、酸化ストレス、癌放射線治療または工業化学薬品への曝露;ならびに原発性胆汁性肝硬変、脂肪肝臓、肥満、非アルコール性脂肪性肝炎、嚢胞性線維症、ヘモクロマトーシスおよび自己免疫性肝炎などの疾患を含めて、任意の原因による肝臓線維症が挙げられる。
【0029】
本明細書で使用される場合、「FXRアゴニスト」は、FXRの活性に直接結合するとともにそれを上方調節する薬剤を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、本発明の文脈において(殊に、特許請求の範囲の文脈において)使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」という用語および同様の用語は、別段に本明細書において表示されていない限りまたは文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0031】
本明細書における任意の定義は、複合構造基を記載するために、任意の他の定義と組み合わせて使用することができる。慣習によって、任意のこうした定義の後に続く要素は、親部分に結合するものである。例えば、複合基アルコキシアルキルは、アルキル基を介して親分子に結合しているアルコキシ基を表す。
【0032】
本発明を実施する形態
本発明は、FXRのための組成物および方法に関する。本発明の各種実施形態は、本明細書に記載されている。各実施形態において特定される特色は、さらなる実施形態を提供するために、他の特定された特色と組み合わせることができることは認識されよう。
【0033】
第1の実施形態において、本発明の化合物は、式I:
【0034】
【化3】
[式中、
は、C1〜6アルキル;C1〜6ハロアルキル;C1〜6ヒドロキシアルキル;ハロ置換C1〜6ヒドロキシアルキル;もしくはRによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されているフェニルであり;またはRは、群C3〜7シクロアルキル、1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール、および1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環から選択され;これらの各々は、R2aによって表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
環Bは、アリール;1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール;1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環;またはC3〜7シクロアルキルであり;これらの各々は、R2aによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、−(CR)−または−C(O)−であり;
Yは、−O−、−(CR)−、−O(CR)−または−NR−であり、ここで「」は、Z環原子を含有する環へのYの結合点を示し;
、Z、ZおよびZは、各々独立して、−CR−または−N−であり;
は、*1−(CR1〜2−または*1−(CR)−C(O)−NR−であり、ここで「*1」は、NへのLの結合点を示し;
は、*2−(CR1〜2−;*2−(CR)−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−;*2−(CR−O−;*2−(CR−NR−;*2−(CR−NR−SO−;*2−(CR−NR−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−(CR)−;または*2−(CR−NR−C(O)−NR−(CR0〜1であり;ここで「*2」は、NへのLの結合点を示し;
は、−(CR)−または−C(O)−であり;
各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、−C(O)NR;−S(O)−NR;−C(O)O−(CRCR2〜3NR;−N(R)−C(O)O−R;−SOR;−NRまたは−(CR)−C(O)ORであり;
各R2aは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルキルであり;
各Rは、独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはシクロプロピルであり;
R、R、R、RおよびRは、独立して、水素またはC1〜6アルキルであり;あるいはRおよびRは、Nと一緒になって、5〜6員複素環式環を形成し得る]
またはその薬学的に許容される塩によって定義される。
【0035】
第2の実施形態において、本発明の化合物は、式II:
【0036】
【化4】
[式中、X、B、LおよびRは、式Iにおいて定義されている通りである]
またはその薬学的に許容される塩によって定義される。
【0037】
第3の実施形態において、上記実施形態のいずれかにおけるLは、*2−(CR1〜2−;*2−(CR)−C(O)−NR−;*2−(CR−O−;*2−(CR−NR−SO−;*2−(CR−NR−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−(CR)−;または*2−(CR−NR−C(O)−NR−(CR0〜1であり;ここで「*2」は、NへのLの結合点を示す。
【0038】
第4の実施形態において、第1、第2および第3の実施形態のいずれかにおけるRは、C1〜6アルキル;C1〜6ハロアルキル;C1〜6ヒドロキシアルキル;またはハロ置換C1〜6ヒドロキシアルキルである。
【0039】
第5の実施形態において、第1、第2および第3の実施形態のいずれかにおけるRは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルであり;これらの各々は非置換であるか、またはR2aによって独立して表される1〜2個の置換基によって置換されており;ここでR2aは、ハロまたはヒドロキシルである。
【0040】
第6の実施形態において、第1、第2および第3の実施形態のいずれかにおけるRは、テトラヒドロフラニル、テトラピラニル、N−メチルピラゾリル、チアゾリルまたは1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イルである。
【0041】
第7の実施形態において、第1、第2および第3の実施形態のいずれかにおけるRは、ハロ、−C(O)NR;−S(O)−NR;−C(O)O−(CRCR2〜3NR;−N(R)−C(O)O−R;−SOR;−NRまたは−(CR)−C(O)ORで任意選択により置換されているフェニルであり;ここで、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素またはC1〜6アルキルであり;あるいはRおよびRは、Nと一緒になって、モルホリニルを形成し得る。
【0042】
第8の実施形態において、上記実施形態のいずれかにおける環Bは、1〜2個のハロで任意選択により置換されているフェニル;テトラヒドロピラニル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはチアゾリルである。
【0043】
第9の実施形態において、上記実施形態のいずれかにおけるXは、−(CR)−であり;RおよびRは、独立して、水素またはメチルである。特別な実施形態において、Xは−CHである。
【0044】
第10の実施形態において、上記実施形態のいずれかにおけるRは、水素、ハロ、sec−ブチル、ビニルまたはシクロプロピルである。
【0045】
別の実施形態において、本発明の化合物は、
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキソラン−3−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロブチルアセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
N−tert−ブチル−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−エチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロペンチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロブチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル]アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[(2S)−オキソラン−2−イルメチル]アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
N−tert−ブチル−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキソラン−2−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキサン−3−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)−N−メチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
8−クロロ−N−(2−((1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
4−[2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]−N−メチルベンズアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アセトアミド;
8−クロロ−N−(2−((1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(オキサン−4−イルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フェニルプロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3−スルファモイルフェニル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[(1−ヒドロキシシクロプロピル)メチル]アセトアミド;
2−(ジメチルアミノ)エチル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
2−(ジメチルアミノ)エチル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
3−(ジメチルアミノ)プロピル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンズアミド;
N−ベンジル−N−[(4−カルバモイルフェニル)メチル]−8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−N−{[4−(メチルスルファモイル)フェニル]メチル}−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
tert−ブチルN−{4−[(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)メチル]フェニル}カルバメート;
N−ベンジル−8−クロロ−N−[(4−メタンスルホニルフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−クロロ−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[(4−アミノフェニル)メチル]−N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
2−{4−[(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)メチル]フェニル}酢酸;
8−クロロ−N−(2−{[(シクロプロピルメチル)カルバモイル]アミノ}エチル)−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−(2−{[(プロパン−2−イル)カルバモイル]アミノ}エチル)−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−[2−(プロパン−2−スルホンアミド)エチル]−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−ブロモ−1−メチル−N−[2−(プロパン−2−スルホンアミド)エチル]−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(シクロプロピルメチル)−2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
N−[2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ヨード−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(シクロヘキシルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(シクロペンチルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
8−クロロ−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−{2−[(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]エチル}−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(4−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1,4,4−トリメチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
(2S)−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)プロパンアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキサン−4−イルメチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−シクロプロピル−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−(2−{N−ベンジル−1−[8−(ブタン−2−イル)−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル]ホルムアミド}エチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−エテニル−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(4−カルバモイル−2−フルオロフェノキシ)エチル]−8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;および
N−[2−(4−カルバモイル−2−フルオロフェノキシ)エチル]−8−フルオロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0046】
別の態様において、本発明は、上記実施形態および変形形態のいずれか1つによる治療有効量の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0047】
なお別の態様において、本発明は、上記実施形態および変形形態のいずれか1つによる治療有効量の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに第2の治療剤を含む組合せを提供する。
【0048】
また別の態様において、本発明は、ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を、それを患う対象において処置する方法であって、対象に、上記実施形態および変形形態のいずれか1つの治療有効量の化合物またはその薬学的に許容される塩を、任意選択により第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
【0049】
また別の態様において、本発明は、FXRによって媒介される状態を処置することにおける使用のための、任意選択により第2の治療剤と組み合わせた、上記実施形態および変形形態のいずれかによる化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0050】
なお別の態様において、本発明は、対象におけるFXRによって媒介される状態の処置のための医薬の調製のための、任意選択により第2の治療剤と組み合わせた、上記実施形態および変形形態のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0051】
一実施形態において、上記の方法、使用または組合せのいずれかに関してFXRによって媒介される状態は、肝臓疾患または胃腸疾患である。例えば、本発明の化合物は、FXRによって媒介される肝臓疾患を処置するために使用することができ、ここで肝臓疾患は、胆汁うっ滞(例えば、肝内胆汁うっ滞、エストロゲン誘発胆汁うっ滞、薬剤誘発胆汁うっ滞、妊娠時胆汁うっ滞、非経口栄養関連胆汁うっ滞、進行性家族性胆汁うっ滞(PFIC));アラジール症候群、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎、胆管減少性肝臓移植拒絶反応、肝臓移植関連グラフト対宿主病、嚢胞性線維症肝臓疾患、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝臓疾患および非経口栄養関連肝臓疾患から選択される。本発明の化合物は、FXRによって媒介される胃腸疾患を処置するために使用することもでき、ここで胃腸疾患は、胆汁酸吸収不良(一次胆汁酸下痢および二次胆汁酸下痢を含める)、胆汁逆流性胃炎、ならびに炎症性腸疾患、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、空置大腸炎、不確定大腸炎およびベーチェット病から選択される。
【0052】
さらに特に、FXRによって媒介される状態は、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。本発明の組合せ治療を参照して、他の治療剤も、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の処置において有用であり得る。
【0053】
一実施形態において、本発明の化合物は、経腸投与;さらに特に、経口投与される。
【0054】
別段に特定されていない限り、「本発明の化合物」という用語は、式IまたはIIの化合物、その薬学的に許容される塩、プロドラッグ、および本質的に形成される部分(例えば、多形体、溶媒和物および/または水和物)を指す。本発明の化合物は、立体異性体(ジアステレオ異性体およびエナンチオマーを含める)であり得、立体異性体の混合物または単一の立体異性体であり得る。本発明の化合物は、互変異性体および同位体標識化合物(重水素置換を含める)でもあり得る。本発明のさらなる化合物は、下で実施例に詳述されている。
【0055】
本明細書に記載されているある特定の化合物は、1個または複数の不斉中心または軸を含有し、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の点から(R)−または(S)−として定義することができる他の立体異性体形態を生じさせることができる。本発明には、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間混合物を含めて、全ての可能な異性体が含まれると意味される。光学活性(R)および(S)異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製することができるか、または従来技術を使用して分割することができる。該化合物が二重結合を含有するならば、置換基はEまたはZ立体配置であり得る。該化合物が二置換シクロアルキルを含有するならば、シクロアルキル置換基はシスまたはトランス立体配置を有し得る。全ての互変異性体形態がその上含まれると意図される。
【0056】
本明細書において与えられている任意の式は、化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態も表すと意図される。同位体標識化合物は、1個または複数の原子が、選択される原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられていることを除いて、本明細書において与えられている式によって図示されている構造を有する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Clおよび125Iなど、水素、炭素、窒素、酸素、亜リン酸、フッ素および塩素の同位体が挙げられる。本発明には、本明細書において定義されている通りの様々な同位体標識化合物、例えば、H、13Cおよび14Cなどの放射性同位元素が存在するものが含まれる。こうした同位体標識化合物は、薬物または基質の組織分布アッセイを含めて、代謝研究(14Cを用いる)、反応動態研究(例えば、HまたはHを用いる)、検出または造影技術、例えばポジトロン放出断層撮影法(PET)もしくは単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)において、あるいは患者の放射性処置において有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、PETまたはSPECT研究に特に望ましいことがある。この発明の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは、一般に、非同位体標識試薬のための容易に利用可能な同位体標識試薬を代用することにより、下に記載されているスキームまたは実施例および調製に開示されている手順を実施することによって調製することができる。
【0057】
さらに、より重い同位体、特に重水素(即ち、HまたはD)での置換は、より大きな代謝安定性に起因するある特定の治療的利点、例えばインビボ半減期の増加または投与量要求の低減または治療指数の改善が得られ得る。この文脈における重水素は、式Iの化合物の置換基とみなされることが理解される。こうしたより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義することができる。「同位体濃縮係数」という用語は、本明細書で使用される場合、特定される同位体の同位体存在度と天然存在度との間の比を意味する。この発明の化合物における置換基が重水素と示されているならば、こうした化合物は、各指定の重水素原子について、少なくとも3500(各指定の重水素原子で52.5%の重水素組込み)、少なくとも4000(60%の重水素組込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素組込み)、少なくとも5000(75%の重水素組込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素組込み)、少なくとも6000(90%の重水素組込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素組込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素組込み)、少なくとも6600(99%の重水素組込み)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素組込み)の同位体濃縮係数を有する。
【0058】
式IまたはIIの同位体標識化合物は、一般に、当業者に知られている従来技術によって、または前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用する付随の実施例およびプロセスに記載されているものに類似したプロセスによって調製することができる。
【0059】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体的に置換することができるもの、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOが挙げられる。
【0060】
本発明の化合物、即ち、水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用できる基を含有する式IおよびIIの化合物は、適当な共結晶形成剤で共結晶を形成でき得る。これらの共結晶は、公知の共結晶形成手順によって式IまたはIIの化合物から調製することができる。こうした手順には、粉砕すること、加熱すること、共昇華すること、共溶融すること、または溶液中で式IまたはIIの化合物と共結晶形成剤とを結晶化条件下で接触させること、およびそれによって形成される共結晶を単離することが含まれる。適当な共結晶形成剤としては、国際公開第2004/078163号パンフレットに記載されているものが挙げられる。それゆえに、本発明は、式IまたはIIの化合物を含む共結晶をさらに提供する。
【0061】
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミ中に存在することができるか、またはエナンチオマー、例えば、(R)、(S)もしくは(R,S)立体配置として濃縮することができる。ある特定の実施形態において、各不斉原子は、(R)または(S)立体配置において少なくとも50%のエナンチオマー過剰率、少なくとも60%のエナンチオマー過剰率、少なくとも70%のエナンチオマー過剰率、少なくとも80%のエナンチオマー過剰率、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率、または少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を有する。不飽和結合を有する原子における置換基は、可能ならば、シス(Z)またはトランス(E)形態で存在することができる。
【0062】
したがって、本明細書で使用される場合、本発明の化合物は、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体またはそれらの混合物の1つの形態で、例えば、実質的に純粋な幾何学的(シスまたはトランス)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(対掌体)、ラセミ体またはそれらの混合物としてであり得る。異性体の任意の結果として得られる混合物は、構成要素の物理化学的差異に基づいて、純粋なまたは実質的に純粋な幾何学的なまたは光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別晶出によって分離することができる。最終生成物または中間体の任意の結果として得られるラセミ体は、光学対掌体に、公知の方法によって、例えば、光学活性酸または塩基を用いて得られるそのジアステレオマー塩の分離、および光学活性酸性または塩基性化合物を遊離させることによって、分割することができる。特に、塩基部分は、したがって、本発明の化合物をそれらの光学対掌体に、例えば、光学活性酸、例えば酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸または樟脳−10−スルホン酸を用いて形成された塩の分別晶出によって分割するために用いることができる。ラセミ体生成物は、キラル吸着剤を使用するキラルクロマトグラフィー、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分割することもできる。
【0063】
薬理および有用性
遊離形態または塩形態における式IおよびIIの化合物は、例えば次のセクションで提供される通りのインビトロおよび/またはインビボ試験において示される通り、貴重な薬理学的特性、例えばFXRモジュレート特性を呈し、そのため、下に記載されているものなどFXRをモジュレートすることによって処置することができる障害を処置する際の治療に適応される。
【0064】
ツール化合物としての第1の合成FXRリガンドGW4064の開発(Maloney et al., J. Med. Chem. 2000, 43(16), 2971-2974;Willson et al., Med. Res. Rev. 2001, 21(6) 513-22)、および半合成人工胆汁酸リガンド6−アルファ−エチル−CDCAの開発で、強力なアゴニストによるFXRの超刺激の効果が分析され得る。両リガンドは胆管結紮動物における胆汁流を誘発することが示された。利胆効果に加えて、肝保護効果も実証することができた(Pellicciari et al., J. Med. Chem. 2002, 45(17), 3569-3572;Liu et al., J. Clin. Invest. 2003, 112(11), 1678-1687)。この肝保護効果は、さらに、マトリックス−メタロプロテイナーゼ、TIMP−1および2の組織阻害剤の抑圧、肝星細胞におけるコラーゲン沈着分解性マトリックス−メタロプロテイナーゼ2(MMP−2)の誘発、ならびにともに前線維性因子であるアルファ−コラーゲンmRNAおよび形質転換成長因子ベータ(TGF−ベータ)mRNAの、FXRアゴニストによる後続の低減に起因する、抗線維化効果に狭められる(Fiorucci et al., Gastroenterology 2004, 127(5), 1497-1512;Fiorucci et al., Pharmacol. Exp. Ther. 2005, 314(2), 584-595)。
【0065】
FXRの抗線維性活性は、抗線維性活性が関連するさらなる核受容体PPARγの誘発によって少なくとも部分的に媒介される(Fiorucci et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2005, 315(1), 58-68;Galli et al., Gastroenterology 2002, 122(7), 1924-1940;Pineda Torra et al., Mol. Endocrinol. 2003, 17(2), 259-272)。さらに、抗胆汁うっ滞性活性は、胆管結紮動物モデルにおいて、ならびにエストロゲン誘発胆汁うっ滞の動物モデルにおいて実証された(Fiorucci et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2005, 313(2), 604-612)。
【0066】
遺伝子研究は、胆汁うっ滞(進行性家族性肝内胆汁うっ滞=PFIC、I〜IV型)の遺伝形式において、FXRそれ自体の核局在化が、FIC1遺伝子における突然変異の帰結として低減される(PFICのI型における、バイラー病とも呼ばれる)(Chen et al., Gastroenterology. 2004, 126(3), 756-64;Alvarez et al., Hum. Mol. Genet. 2004; 13(20), 2451-60)、またはMDR−3リン脂質排出ポンプをコードするFXR標的遺伝子のレベルが低減される(PFICのIII型における)のいずれかであることを実証している。まとめると、FXR結合性化合物が、慢性胆汁うっ滞性状態、例えば原発性胆汁性肝硬変(PBC)または原発性硬化性胆管炎(PSC)の治療的レジメンにおける実質的な臨床的有用性を実証する証拠が増えている(Rizzo et al., Curr. Drug Targets Immune Endocr. Metabol. Disord. 2005, 5(3), 289-303;Zollner, MoI. Pharm. 2006, 3(3), 231-51, Cai et al., Expert Opin. Ther. Targets 2006, 10(3), 409-421に概説されている)。
【0067】
さらに、FXRは、病因において、ならびにコレステロール胆石、代謝障害、例えばIl型糖尿病、脂質異常症または肥満、慢性炎症性疾患、例えば炎症性腸疾患または胆汁うっ滞の慢性肝内形態、および多くの他の疾患などの多様な疾患の処置に関連がある多くの多様な生理的プロセスの調節に関与すると思われる(Claudel et al., Arterioscler. Thromb. Vase. Biol. 2005, 25(10), 2020-2030;Westin et al., Mini Rev. Med. Chem. 2005, 5(8), 719-727)。
【0068】
FXRは、血清トリグリセリドの重要な調節因子であることも示された(Maloney et al., J. Med. Chem. 2000, 43(16), 2971-2974;Willson et al., Med. Res. Rev. 2001 , 21(6), 513-22)。近年の報告は、合成アゴニストによるFXRの活性化が、主にVLDL低減の形態で血清トリグリセリドの著しい低減に至るが、総血清コレステロール低減にも至ることを示している((Figge et al., J. Biol. Chem. 2004, 279(4), 2790-2799;Bilz et al., Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab. 2006, 290(4), E716-22)。しかしながら、血清トリグリセリドの低下は、スタンドアロン効果でない。合成FXRアゴニストGW4064を用いるdb/dbまたはob/obマウスの処置は、血清トリグリセリド、総コレステロール、遊離脂肪酸、およびケトン体、例えば3−OHブチレートの顕著および組合せの低減をもたらした。さらに、FXR活性化は、肝実質細胞における細胞内インスリンシグナリング経路に関わり、肝臓糖新生からのグルコースの産出量低減をもたらすが、肝臓グリコーゲンにおける付随増加をもたらした。インスリン感受性ならびにグルコース耐性は、FXR処置によってポジティブに影響された(Stayrook et al., Endocrinology 2005, 146(3), 984-91;Zhang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2006, 103(4), 1006-1011;Cariou et al., J. Biol. Chem. 2006, 281 , 11039- 11049;Ma et al., J. Clin. Invest. 2006, 116(4), 1102-1109;Duran-Sandoval et al., Biochimie 2005, 87(1), 93-98)。
【0069】
本発明の化合物は、以下に限定されないが、胆汁酸吸収不良(一次胆汁酸下痢および二次胆汁酸下痢を含める)、胆汁逆流胃炎および炎症性腸疾患(IBD)を含めて、胃腸疾患の処置にも有用である。患者において過剰な糞便胆汁酸排泄および下痢に至る胆汁酸吸収不良は、胆汁酸合成のフィードバック調節が中断されて追加の胆汁酸産生をもたらすサイクルを特徴とする。胆汁酸合成のフィードバック調節は、内分泌経路の制御下にあり、ここで、核胆汁酸受容体FXRの活性化は、げっ歯類における線維芽細胞成長因子15(FGF15)またはヒトにおけるFGF19の腸管発現を誘発する。肝臓において、FGF15またはFGF19は、小さいヘテロ二量体パートナーのFXR媒介発現と一緒に作用することで、胆汁酸合成を阻止する(Jung et al., Journal of Lipid Research 48: 2693-2700 (2007) Walters JR, Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 11(7):426-34 (2014))。
【0070】
別の実施形態において、本発明による化合物は、以下に限定されないが、総コレステロールレベルを低下させること、LDLコレステロールレベルを低下させること、VLDLコレステロールレベルを低下させること、HDLコレステロールレベルを上昇させること、および/またはトリグリセリドレベルを低下させることを含めて、脂質プロファイルを有益に変えるのに有用である。したがって、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、脂質異常症および脂質異常症に関連する疾患などのFXR媒介状態を処置するための方法を提供する。
【0071】
さらなる実施形態において、該化合物または医薬組成物は、HDLコレステロールを上昇させること、血清トリグリセリドを低下させること、胆汁酸への肝臓コレステロールの変換を増加させること、ならびに肝臓におけるVLDLおよび他のリポタンパク質のクリアランスおよび代謝変換の増加に対するFXRの有益な効果によって寛解させることができる臨床的顕在状態として高コレステロール血症、高トリグリセリド血症およびアテローム性動脈硬化症など、脂質およびリポタンパク質障害からなる群から選択される疾患を処置するために使用される。
【0072】
さらなる一実施形態において、前記化合物および医薬組成物は、FXR標的化医薬の、組み合わせられた脂質低下、抗胆汁うっ滞および抗線維化の効果が、脂肪肝および関連症候群、例えば非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の処置のために、またはアルコール誘発硬変もしくは肝炎のウイルス由来の形態と関連する胆汁うっ滞および線維化の効果の処置のために活用され得る医薬の調製のために使用される。
【0073】
FXRは、腸における抗細菌防御の制御に関与するとも思われ(lnagaki et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 2006, 103(10), 3920- 3905)、炎症性腸障害(IBD)、特に、腸の上部(回腸)部分が影響される(例えば回腸クローン病)ような形態の治療において有益な影響を有し得るが、なぜならばこれが細菌成長に対するFXRの制御作用の部位であると思われるからである。IBDにおいて、適応免疫応答の脱感作は、どういうわけか、腸免疫系において損なわれる。細菌異常繁殖は、そこで、慢性炎症応答の確立に向かう原因トリガーであり得る。それゆえに、FXR由来の機序による細菌成長の減衰は、急性炎症エピソードを予防するための重要な機序であり得る。したがって、本発明は、クローン病または潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に関連する疾患を処置するための、式Iによる化合物または前記化合物を含む医薬組成物にも関する。腸障壁機能のFXR媒介回復および非共生細菌負荷における低減は、腸免疫系への細菌性抗原の曝露を低減することに役立つと考えられ、そのため、炎症応答を低減することができる。
【0074】
本発明は、さらに、肥満および関連障害、例えば、血清トリグリセリド、血糖およびインスリン感受性増加のFXR媒介低下ならびにFXR媒介体重損失によって克服することができるメタボリック症候群(脂質異常症、糖尿病および異常に高い肥満度指数の組合せ状態)の処置のための化合物または医薬組成物に関する。本発明の化合物または医薬組成物は、I型およびII型糖尿病の臨床的合併症、例えば糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、ならびに末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)を処置するための医薬の調製にも有用である。
【0075】
さらに、脂質および具体的にはトリグリセリドの強制蓄積および後続の線維症促進経路の活性化による器官の慢性脂肪および線維変性に起因する状態および疾患も、本発明の化合物または医薬組成物を適用することによって処置することができる。こうした状態および疾患は、肝臓における非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および慢性胆汁うっ滞性状態、腎臓における糸球体硬化症および糖尿病性腎症、眼における黄斑変性症および糖尿病性網膜症、ならびに脳におけるアルツハイマー病などの神経変性疾患、または末梢神経系における糖尿病性神経障害を包含する。
【0076】
他のFXR媒介疾患の例としては、薬剤誘発胆管損傷、胆管閉塞、胆石、胆石症、肝臓線維症、肝臓硬変、アルコール誘発硬変、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、糖尿病性腎症、大腸炎、新生児黄疸、核黄疸の予防、静脈閉塞性疾患、門脈高血圧症、メタボリック症候群、高コレステロール血症、腸管細菌異常繁殖、勃起機能不全、および肝外胆汁うっ滞に至る他のFXR媒介状態が挙げられる。
【0077】
投与および医薬組成物
別の態様において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、例えば経口投与、非経口投与および直腸投与などの投与の特別な経路のために処方することができる。加えて、本発明の医薬組成物は、固体形態(限定せずに、カプセル剤、錠剤、丸剤、粒剤、粉末剤または坐剤を含める)または液状形態(限定せずに、液剤、懸濁液剤またはエマルジョン剤を含める)で構成することができる。該医薬組成物は、滅菌などの従来の製薬作業にかけることができ、および/または従来の不活性希釈剤、滑沢剤または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含有することができる。
【0078】
特別な実施形態において、該医薬組成物は、経口投与のために処方される。典型的に、該医薬組成物は、
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;その上錠剤用に
c)バインダー、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン;所望であれば
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡混合物;ならびに/あるいは
e)吸収剤、着色料、香味料および甘味料
と一緒に活性成分を含む錠剤またはゼラチンカプセル剤である。
【0079】
錠剤は、当技術分野において知られている方法に従ってフィルムコーティングまたは腸溶コーティングのいずれかをすることができる。
【0080】
経口投与のための適当な組成物には、本発明の化合物の有効量が、錠剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁液剤、分散性粉末剤もしくは粒剤、エマルジョン剤、硬および軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤の形態で含まれる。経口使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造のための当技術分野において知られている任意の方法に従って調製され、こうした組成物は、薬学的に上品および美味な調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種または複数の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適当である非毒性の薬学的に許容される賦形剤との添加混合で、活性成分を含有することができる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は非コーティングであるか、または消化管において崩壊および吸収を遅延させるとともにそれによってより長い期間にわたり持続作用を提供するための公知の技法によってコーティングされる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が用いられ得る。経口使用のための処方物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が水もしくは油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤として存在することができる。
【0081】
ある特定の注射可能な組成物は、等張水溶液または懸濁液であり、坐剤は、有利には、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から調製される。前記組成物は滅菌することができ、ならびに/あるいはアジュバント、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶液促進剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝剤を含有することができる。加えて、それらは、他の治療的に貴重な物質を含有することもできる。前記組成物は、それぞれ従来の混合、顆粒化またはコーティングの方法に従って調製され、活性成分を約0.1〜75%または約1〜50%含有する。
【0082】
経皮適用のための適当な組成物には、適当な担体とともに本発明の化合物の有効量が含まれる。経皮送達に適当な担体としては、宿主の皮膚を介する通過を補助するための、吸収可能な薬理学的に許容される溶媒が挙げられる。例えば、経皮的装置は、裏当て部材、任意選択により担体とともに化合物を含有するリザーバー、任意選択により、長時間にわたって制御および所定の速度で宿主の皮膚の化合物を送達するための速度制御障壁、ならびに皮膚に該装置を固定するための手段を含む包帯の形態である。
【0083】
例えば皮膚および目への局所適用のための適当な組成物としては、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲル、または、例えばエアロゾルなどによる送達のためのスプレー可能な処方物が挙げられる。こうした局所送達系は特に、皮膚適用に、例えば、皮膚癌の処置に、例えば、サンクリーム、ローションおよびスプレーなどにおける予防的使用に適切である。それらは、したがって、化粧品、当技術分野においてよく知られている製剤を含めて局所における使用に特に適当である。こうしたものは、可溶化剤、安定剤、張度増強剤、緩衝剤および保存料を含有することができる。
【0084】
本明細書で使用される場合、局所適用は、吸入または鼻腔内適用に関することもある。それらは、好都合には、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末(単独で、混合物、例えばラクトースとの乾燥ブレンドとして、または例えばリン脂質との混合構成成分粒子のいずれかで)の形態で、または適当な噴霧剤の使用の有無において、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーもしくはネブライザーからのエアゾールスプレープレゼンテーションの形態で送達することができる。
【0085】
この発明の化合物の局所投与または経皮投与のための剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入薬が挙げられる。該活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容される担体と、および任意の保存料、緩衝剤、または望ましくあり得る噴霧剤と混合することができる。
【0086】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、この発明の活性化合物に加えて、賦形剤、例えば動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛、またはその混合物を含有することができる。
【0087】
粉末およびスプレーは、この発明の化合物に加えて、賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有することができる。スプレーは、追加として、通例の噴霧剤、例えばクロロフルオロ炭化水素および揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパンを含有することができる。
【0088】
経皮パッチ剤は、身体への本発明の化合物の制御送達を提供するという付加された利点を有する。こうした剤形は、適切な媒体中に化合物を溶解または分散させることによって作製することができる。吸収エンハンサーは、皮膚全体にわたる該化合物の流動を増加させるために使用することもできる。こうした流動の速度は、速度制御膜を提供することまたはポリマーマトリックスもしくはゲル中に活性化合物を分散することのいずれかによって制御することができる。
【0089】
眼科処方物、眼軟膏、粉末および溶液なども、この発明の範囲内であると企図される。
【0090】
本発明は、さらに、活性成分として本発明の化合物を含む無水医薬組成物および剤形を提供し、というのは水が、ある特定の化合物の分解を容易にし得るからである。本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水または低式IまたはII水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。無水医薬組成物は、その無水性質が維持されるように調製および貯蔵することができる。したがって、無水組成物は、それらが適当なフォーミュラリーキット中に含まれ得るように、水への曝露を防止することが知られている材料を使用してパッケージされる。適当なパッケージングの例としては、以下に限定されないが、気密ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックが挙げられる。
【0091】
本発明は、さらに、活性成分としての本発明の化合物が分解する速度を低減する1種または複数の薬剤を含む医薬組成物および剤形を提供する。本明細書において「安定剤」と称されるこうした薬剤としては、以下に限定されないが、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤または塩緩衝剤などが挙げられる。
【0092】
本発明の医薬組成物または組合せは、約50〜70kgの対象について、活性成分約1〜1000mg、または活性成分約1〜500mg、もしくは約1〜250mg、もしくは約1〜150mg、もしくは約0.5〜100mg、もしくは約1〜50mgの単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物、またはその組合せの治療有効投与量は、対象の種、体重、年齢および個々状態、障害もしくは疾患または処置されるその重症度に依存性である。通常技能の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患の進行を予防、処置または阻害するのに必要な活性成分の各々の有効量を容易に決定することができる。
【0093】
上記引用の投与量特性は、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、モンキーまたはその単離された器官、組織およびそれらの調製物を使用するインビトロおよびインビボ試験において実証可能である。本発明の化合物は、インビトロにおいて溶液、例えば水溶液の形態で、およびインビボにおいて経腸的に、非経口的に、有利には静脈内に、例えば懸濁液としてまたは水溶液中でのいずれかで適用することができる。インビトロにおける投与量は、約10〜3モル濃度から10〜9モル濃度の間の範囲であり得る。インビボにおける治療有効量は、投与の経路に依存して、約0.1〜500mg/kgの間、または約1〜100mg/kgの間の範囲であり得る。
【0094】
本発明の化合物は、1種または複数の他の治療剤と同時にまたはその前またはその後のいずれかで投与することができる。本発明の化合物は、投与の同じまたは異なる経路によって別々に、または他の薬剤と同じ医薬組成物中で一緒に投与することができる。
【0095】
一実施形態において、本発明は、治療における同時、別々または逐次の使用のための組合せ調製物として、式IまたはIIの化合物および少なくとも1種の他の治療剤を含む生成物を提供する。一実施形態において、該治療は、FXRによって媒介される疾患または状態の処置である。組合せ調製物として提供される生成物としては、式IもしくはIIの化合物および他の治療剤を一緒に同じ医薬組成物中に、または式IもしくはIIの化合物および他の治療剤を別々の形態で、例えばキットの形態で含む組成物が挙げられる。
【0096】
一実施形態において、本発明は、式IまたはIIの化合物および別の治療剤を含む医薬組成物を提供する。本発明は、FXRアゴニストを用いる処置に続発する脂肪可溶性ビタミンの可能な欠乏を防止する際の助剤として、ウルソデオキシコール酸などの自然発生型非毒性胆汁酸と組み合わせて、式IまたはIIの化合物を含む医薬組成物を提供することが企図される。したがって、本発明の化合物は、式IまたはIIの化合物および自然発生型胆汁酸を含む別々の実体としてまたは単一の処方物としてのいずれかで、自然発生型非毒性胆汁酸と同時に投与することができる。
【0097】
任意選択により、該医薬組成物は、上に記載されている通り、薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。
【0098】
一実施形態において、本発明は、少なくとも1つが式IまたはIIの化合物を含有する2種以上の別々の医薬組成物を含むキットを提供する。一実施形態において、該キットは、容器、分割瓶または分割ホイルパケットなど、前記組成物を別々に保持する手段を含む。こうしたキットの例は、錠剤およびカプセル剤などのパッケージングのために典型的に使用される通りのブリスターパックである。
【0099】
本発明のキットは、異なる剤形、例えば経口および非経口を投与するために、異なる投与間隔で別々の組成物を投与するために、または別々の組成物を互いに対して滴定するために使用することができる。コンプライアンスを補助するため、本発明のキットは、典型的に投与の指示を含む。
【0100】
本発明の組合せ治療において、本発明の化合物および他の治療剤は、同じまたは異なる製造者によって製造および/または処方することができる。さらに、本発明の化合物および他の治療薬は、:(i)医師へ組合せ生成物を出荷する前に(例えば、本発明の化合物および他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与の直前に医師自身によって(または医師の指導の下で);(iii)患者自身において、例えば、本発明の化合物および他の治療剤の逐次投与中に、一緒にして組合せ治療にすることができる。
【0101】
したがって、本発明は、FXRによって媒介される疾患または状態を処置するための式IまたはIIの化合物の使用を提供し、ここで、該医薬は別の治療剤との投与のために調製されるか、または別の治療剤とともに投与される。本発明は、FXRによって媒介される疾患または状態を処置する方法における使用のための、式IまたはIIの化合物も提供し、ここで、式IまたはIIの化合物は、別の治療剤との投与のために調製されるか、または別の治療剤とともに投与される。本発明は、FXRによって媒介される疾患または状態を処置する方法における使用のための別の治療剤も提供し、ここで他の治療剤は、式IまたはIIの化合物との投与のために調製されるか、または該化合物とともに投与される。
【0102】
本発明は、FXRによって媒介される疾患または状態を処置するための、式IまたはIIの化合物の使用も提供し、ここで患者は、前に(例えば24時間以内に)別の治療剤で処置されたことがある。代替として、本発明は、FXRによって媒介される疾患または状態を処置するための、別の治療剤の使用を提供し、ここで患者は、前に(例えば24時間以内に)式IまたはIIの化合物で処置されたことがある。
【0103】
本発明の化合物を作製するためのプロセス
本発明の化合物は、以下のスキームにまたは実施例に記載されている経路によって調製することができる。本明細書に記載されている全ての方法は、別段に本明細書において表示されていない限りまたは別段に文脈と明らかに矛盾していない限り、任意の適当な順序で実施することができる。
【0104】
一部の実施形態において、式Iの化合物は、スキーム1:
【0105】
【化5】
に従って調製される。
【0106】
他の実施形態において、式Iの化合物は、スキーム2:
【0107】
【化6】
に従って調製される。
【0108】
また他の実施形態において、式Iの化合物は、スキーム3:
【0109】
【化7】
に従って調製される。
【0110】
上記スキーム3において、中間体化合物(V)は、スキーム4:
【0111】
【化8】
に従って調製することができる。
【0112】
上記反応スキームの各々において、X、Y、Z、Z、Z、Z、BおよびRは、上記実施形態のいずれかにおいて定義されている通りである。一般に、カルボキシル基は、HATUなどの適当なアミドカップリング剤の使用の有無において、アミノ基にカップリングされる。
【0113】
各反応ステップは、当業者に知られている方式で実施することができる。例えば、反応は、適当な溶剤もしくは希釈剤またはその混合物の存在下で実施することができる。反応は、必要であれば、酸または塩基の存在下で、冷却または加熱しながら、例えばおよそ−30℃からおよそ150℃の温度範囲で実施することもできる。特別な実施例において、反応は、およそ0℃から100℃の温度範囲、およびより特別には室温からおよそ80℃の温度範囲にて、開口または密閉反応容器内でおよび/または不活性ガス、例えば窒素の雰囲気内で実施される。
【0114】
本発明は、プロセスの任意の段階で中間体として得られる化合物が出発材料として使用され、残りのプロセスステップが実施されるプロセス、あるいは出発材料が反応条件下で形成されるか、または誘導体の形態で、例えば保護形態もしくは塩の形態で使用されるか、または本発明によるプロセスによって得られる化合物がプロセス条件下で生成され、その場でさらに加工されるプロセスのような形態にも関する。本発明の化合物および中間体は、当業者に一般に知られている方法に従って互いに変換することもできる。中間体および最終生成物は、例えばクロマトグラフィー法、分配法および(再)結晶化などを使用する標準的方法に従って後処理および/または精製することができる。
【0115】
記載されている反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、チオ基またはカルボキシ基を、これらが最終生成物において所望される場合、反応におけるそれらの望まれない参加を回避するために保護することができる。保護基の特徴は、それらが容易に(即ち、所望でない二次反応の発生なく)、例えば加溶媒分解、還元、光分解によって、または代替として生理学的条件下で(例えば、酵素的開裂によって)除去され得るということである。従来の保護基は、標準的手法に従って使用することができる(例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in "Protective Groups in Organic Chemistry," 4th Ed., Wiley-Interscience, 2006、およびその後続バージョンを参照されたい)。
【0116】
本明細書において前文および後文に記述されている全ての上述のプロセスステップは、例えば使用される試薬に対して不活性であるとともにそれらを溶解する溶媒または希釈剤を含めた溶媒または希釈剤の非存在下または通例には存在下で、触媒、縮合または中和剤、例えばカチオン交換体などのイオン交換体の非存在または存在下で、反応および/または反応物の性質に依存して例えばH形態で、低下温度、正常温度または昇温で、例えばおよそ−80℃からおよそ150℃を含めた例えば約−100℃から約190℃の温度範囲で、例えば−80℃から−60℃、室温、−20℃から40℃または還流温度で、大気圧下または密閉容器内で、適切な場合圧力下で、および/または不活性雰囲気内で、例えばアルゴンもしくは窒素雰囲気下で、具体的に記述されているものを含めて当業者に知られている反応条件下で実施することができる。
【0117】
反応の全ての段階で、形成される異性体の混合物は、個々の異性体、例えばジアステレオ異性体もしくはエナンチオマーに、または異性体の任意の所望の混合物、例えばラセミ体もしくはジアステレオ異性体の混合物に分離することができる。本発明によって得られる異性体の混合物は、当業者に知られている方式で個々の異性体に分離することができ;ジアステレオ異性体は、例えば、多相性溶媒混合物間で分配すること、再結晶化および/もしくは例えばシリカゲル上でのクロマトグラフィー分離によって、または例えば逆相カラム上の中圧液体クロマトグラフィーによって分離することができ、ラセミ体は、例えば、光学的に純粋な塩形成試薬を用いる塩の形成、およびそうして得られるジアステレオ異性体の混合物の分離によって、例えば分別晶出の手段によって、または光学活性カラム材料上でのクロマトグラフィーによって分離することができる。
【0118】
任意の特別な反応に適当であるような溶媒が選択され得る溶媒としては、プロセスの記載において別段に表示されていない限り、具体的に記述されているもの、あるいは例えば、水、エステル、例えば低級アルキル−低級アルカノエート、例えば酢酸エチル、エーテル、例えば脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテルまたは環状エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、液体芳香族炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール、例えばメタノール、エタノールまたは1−もしくは2−プロパノール、ニトリル、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、酸アミド、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド、塩基、例えば複素環式または複素芳香族の窒素塩基、例えばピリジンまたはN−メチルピロリジン−2−オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば無水酢酸、環状、線状または分岐の炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、メチルシクロヘキサン、あるいはそれらの溶媒の混合物、例えば水溶液が挙げられる。こうした溶媒混合物は、例えばクロマトグラフィーによってまたは分配することによって、後処理する際に使用することもできる。
【0119】
本発明の化合物は、遊離形態で、その塩として、またはそのプロドラッグ誘導体としてのいずれかで得られる。塩基性基および酸性基の両方が同じ分子に存在する場合、本発明の化合物は、内塩、例えば両性イオン分子を形成することもできる。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはそれと同様の基の存在により、酸塩および/または塩基塩を形成できる。本明細書で使用される場合、「塩」または「塩(複数)」という用語は、本発明の化合物の酸付加塩または塩基付加塩を指す。「塩」としては、特に「薬学的に許容される塩」が挙げられる。「薬学的に許容される塩」という用語は、この発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持するとともに典型的に生物学的にまたはその他の点で望ましくないことがない塩を指す。
【0120】
少なくとも1種の塩形成基を有する本発明の化合物の塩は、当業者に知られている方式で調製することができる。例えば、酸基を有する本発明の化合物の塩は、例えば、金属化合物、例えば適当な有機カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩を用いて、有機アルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物、例えば対応する水酸化物、カーボネートまたは炭酸水素、例えば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、炭酸塩または炭酸水素を用いて、対応するカルシウム化合物を用いて、あるいはアンモニアまたは適当な有機アミンを用いて、該化合物を処理することによって形成することができ、化学量論量または小過剰だけの塩形成剤が好ましくは使用される。本発明の化合物の酸付加塩は、通例の方式にて、例えば酸または適当なアニオン交換試薬を用いて該化合物を処理することによって得られる。酸性塩および塩基性塩形成基、例えば遊離カルボキシ基および遊離アミノ基を含有する本発明の化合物の内塩は、例えば弱塩基を用いて酸付加塩などの塩を等電点に中和することによって、またはイオン交換体を用いて処理することによって形成することができる。塩は、当業者に知られている方法に従って遊離化合物に変換することができる。金属塩およびアンモニウム塩は、例えば適当な酸を用いる処理によって、酸付加塩に、例えば適当な塩基剤を用いる処理によって変換することができる。
【0121】
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸で形成することができ、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、樟脳スルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィリン酸塩、クエン酸塩、エタン二スルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒプル酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。
【0122】
塩が誘導され得る無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸などが挙げられる。
【0123】
塩が誘導され得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸およびスルホサリチル酸などが挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基を用いて形成することができる。
【0124】
塩が誘導され得る無機塩基としては、例えば、アンモニウム塩および周期表のI列からXII列の金属が挙げられる。ある特定の実施形態において、該塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛および銅から誘導され;特に適当な塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。
【0125】
塩が誘導され得る有機塩基としては、例えば、第1級、第2級および第3級アミン、天然置換アミンを含めた置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂などが挙げられる。ある特定の有機アミンとしては、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンが挙げられる。
【0126】
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、親化合物、塩基性または酸性部分から合成することができる。一般に、こうした塩は、これらの化合物の遊離酸形態を化学量論量の適切な塩基(水酸化、炭酸または重炭酸Na、Ca、MgまたはKなど)と反応させることによって、またはこれらの化合物の遊離塩基形態を化学量論量の適切な酸と反応させることによって調製することができる。こうした反応は、典型的に、水中もしくは有機溶媒中で、または該2つの混合物中で実施される。一般に、実行可能ならばエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体の使用が望ましい。追加の適当な塩のリストは、例えば、"Remington: The Science and Practice of Pharmacy," 21stEd., Pharmaceutical Press 2011;および"Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use" by Stahl and Wermuth (2nd Rev. Ed., Wiley-VCH 2011、ならびにその後続バージョン)に見出すことができる。
【0127】
本発明は、インビボで本発明の化合物に変換する本発明の化合物のプロドラッグも提供する。プロドラッグは、対象への該プロドラッグの投与に続く加水分解および代謝などのインビボ生理学的作用を介して、この発明の化合物に化学的に修飾される活性または不活性化合物である。プロドラッグ作製および使用することに関与する適合性および技法は、当業者によってよく知られている。プロドラッグは、2つの非排他的カテゴリー、バイオ前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグに概念的に分割することができる。(The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32(Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001、およびその後続バージョンを参照されたい)。一般に、バイオ前駆体プロドラッグは、不活性であるかまたは1個もしくは複数の保護基を含有するとともに代謝もしくは加溶媒分解によって活性形態に変換される対応する活性薬物化合物と比較して低い活性を有する化合物である。活性薬物形態および任意の放出代謝生成物の両方が、許容できる低い毒性を有するべきである。
【0128】
担体プロドラッグは、輸送部分を含有する、例えば作用の部位への取込みおよび/または局在送達を改善する薬物化合物である。こうした担体プロドラッグについて望ましくは、薬物部分と輸送部分との間の連結は共有結合であり、該プロドラッグは不活性であるかまたは薬物化合物より活性でなく、任意の放出輸送部分は許容できるように非毒性である。輸送部分が取込みを増強すると意図されるプロドラッグについて、典型的に、輸送部分の放出は急速であるべきである。他の場合において、緩徐な放出を提供する部分、例えば、ある特定のポリマー、またはシクロデキストリンなどの他の部分を利用することが望ましい。担体プロドラッグは、例えば、以下の特性の1つまたは複数を改善するために使用することができる:親油性増加、薬理効果の持続期間増加、部位特異性増加、毒性および有害反応の減少、ならびに/または薬物処方における改善(例えば、安定性、水溶性、望ましくない感覚受容性または生理化学的特性の抑制)。例えば、親油性は、(a)親油性カルボン酸(例えば、少なくとも1つの親油性部分を有するカルボン酸)を用いるヒドロキシル基または(b)親油性アルコール(例えば、少なくとも1つの親油性部分を有するアルコール、例えば脂肪族アルコール)を用いるカルボン酸基のエステル化によって増加させることができる。
【0129】
例証的プロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸のエステルおよびチオールのS−アシル誘導体およびアルコールまたはフェノールのO−アシル誘導体であり、ここでアシルは、本明細書において定義されている通りの意味を有する。適当なプロドラッグは、しばしば、生理学的条件下での加溶媒分解によって親カルボン酸に変換可能な薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、当技術分野において従来使用されているアルキルエステル、シクロアルキルエステル、アルケニルエステル、ベンジルエステル、および一置換または二置換アルキルエステル、例えばω−(アミノ、モノ−もしくはジ−アルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル)アルキルエステル、α−(アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルまたはジ−アルキルアミノカルボニル)アルキルエステル、例えばピバロイルオキシメチルエステルなどである。加えて、アミンは、エステラーゼによってインビボで切断されて遊離薬物およびホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスクされている(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989)、およびその後続バージョン)。さらに、イミダゾール、イミドおよびインドールなどの酸性NH基を含有する薬物は、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985)、およびその後続バージョン)。ヒドロキシ基は、エステルおよびエーテルとしてマスクされている。欧州特許出願公開第039,051号明細書(SloanおよびLittle)は、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、それらの調製および使用を開示している。
【0130】
さらに、本発明の化合物は、それらの塩を含めて、水和物の形態で得ることもでき、またはそれらの結晶は、例えば、結晶化のために使用される溶媒を含み得る。異なる結晶性形態が存在し得る。本発明の化合物は、本質的にまたは設計によって、薬学的に許容される溶媒(水を含める)との溶媒和物を形成することができ;そのため、本発明は溶媒和および非溶媒和形態の両方を包含すると意図される。「溶媒和物」という用語は、1つまたは複数の溶媒分子との本発明の化合物(その薬学的に許容される塩を含める)の分子複合体を指す。こうした溶媒分子は、レシピエントに対して非侵害性であると知られている、製薬技術において共通して使用されるもの、例えば、水およびエタノールなどである。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。本発明の化合物は、その塩、水和物および溶媒和物を含めて、本質的にまたは設計によって、多形体を形成することができる。
【0131】
未酸化形態における本発明の化合物は、還元剤(例えば、硫黄、硫黄ジオキシド、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リンまたは三臭化物など)を用いて、適当な不活性な有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノールまたは含水ジオキサンなど)中で、0℃から80℃で処理することによって、本発明の化合物のN−オキシドから調製することができる。
【実施例】
【0132】
本明細書において提供されている実施例は、限定しないが、本発明の化合物、ならびにこうした化合物および中間体の調製を例示するために与えられている。特別な化合物の名前と構造との間に矛盾があると思われるならば、該構造は、化合物名が構造から生み出されたとして正しいと考えられるべきであると理解される。全ての可変基は、本明細書において定義されている通りである。
【0133】
本発明の化合物を合成するために利用される全ての出発材料、基礎単位、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒および触媒は、市販されているかまたは当業者に知られている有機合成方法によって生成することができるかのいずれかである(Houben-Weyl Science of Synthesis volumes 1-48, Georg Thieme Verlag、およびその後続バージョン)。さらに、本発明の化合物は、以下の実施例に示されている通り、当業者に知られている有機合成方法によって生成することができる。
【0134】
温度は摂氏温度で示されている。別段に記述されていないならば、全ての蒸発は、減圧下、典型的には約15mmHgから100mmHgの間(20〜133mbar)で実施される。最終生成物、中間体および出発材料の構造は、標準的分析方法、例えば、微量分析および分光学的特性、例えば、MS、IR、NMRによって確認されている。使用される略語は、当技術分野において従来のものである。
【0135】
別段に記述されていない限り、融点は、示差走査熱量測定(DSC)によって、TA Q2000またはTA Discovery示差走査熱量計を使用して、10℃/minの走査速度で算出された。測定された試料温度の正確性は、一般に約±1℃以内である。
【0136】
NMRおよびLC−MS方法論は、当技術分野においてよく知られている。本明細書に記載されている方法は単に例示であり、限定していないと考えられる。
【0137】
NMR.NMRスペクトルは、5mmのQNPクライオプローブ(H/13C/19F/31P)が備えられている、400.13MHzのプロトン周波数で作動するBruker AVANCE−400;または5mmのZ勾配TCIクライオプローブもしくは5mmのTXIクライオプローブが備えられている、600.13MHzの周波数で作動するBruker AVANCE−600分光計のいずれかで記録した。別段に表示されていない限り、試料は、300°Kの温度で獲得し、スペクトルは、適切な溶媒ピークを基準とした。
【0138】
LC−MS方法
一連の機器からのエレクトロスプレーイオン化法、化学イオン化法および電子衝撃イオン化法を使用するLC−MSシステム上で質量スペクトルを取得した。典型的な方法を以下に記載する。
方法1:
Waters Acquityバイナリーグラジエントポンプ;Waters Acquity PDA検出器。Watersオートサンプラー;ESIおよびAPCIイオン源を備えたWaters Quattro micro API質量分析計;UPLCカラム:Waters Acquity;BEH;C18 1.7um 50×2.1mm;移動相:(A)HO+0.025%TFAおよび(B)アセトニトリル+0.025%TFA。勾配:0.4mL/分、初期の15%Bから95%Bまで3.0分間かけてランプし、次いで4.0分まで保持し、4.1分の時点で操作の終了まで15%Bに戻し、次いでカラムを2.0分間平衡化した。MSスキャン:チャネル当たり0.5秒間で100〜1000amu;ダイオードアレイ検出器:200nmおよび400nm。
方法2:
Waters Acquityバイナリーグラジエントポンプ;Waters Acquity PDA検出器。Watersオートサンプラー;ESIおよびAPCIイオン源を備えたWaters Quattro micro API質量分析計;UPLCカラム:Waters Acquity;BEH;C18 1.7um 50×2.1mm;移動相:(A)HO+0.025%TFAおよび(B)アセトニトリル+0.025%TFA。勾配:0.4mL/分、初期の20%Bから90%Bまで2.0分間かけてランプし、次いで4.0分まで保持し、4.1分の時点で操作の終了まで20%Bに戻し、次いでカラムを2.0分間平衡化した。MSスキャン:チャネル当たり0.5秒間で100〜1000amu;ダイオードアレイ検出器:200nmおよび400nm。
方法3:
Waters Acquityバイナリーグラジエントポンプ;Waters Acquity PDA検出器。Watersオートサンプラー;Waters Acquity蒸発光散乱検出器;ESIおよびAPCIイオン源を備えたWaters Quattro micro API質量分析計;UPLCカラム:Waters Acquity;BEH;C18 1.7um 100×2.1mm;移動相:(A)HO+0.025%TFAおよび(B)アセトニトリル+0.025%TFA。勾配:0.3mL/分、初期の10%Bから80%Bまで4.0分間かけてランプし、次いで6.0分まで保持し、6.1分の時点で操作の終了まで10%Bに戻し、次いでカラムを2.5分間平衡化した;MSスキャン:チャネル当たり0.5秒間で100〜1000amu;ダイオードアレイ検出器:200nmおよび400nm;ELSD検出器についてドリフトチューブ温度:50℃およびNガス流:40Psi。
方法4:
Agilent 1200sl/6140システム;UPLCカラム:Waters Acquity;HSS T3;C18 1.8um 50×2.0mm;移動相:(A)HO+0.05%TFAおよび(B)アセトニトリル+0.035%TFA。勾配:0.9mL/分、初期の10%Bから100%Bまで1.95分間かけてランプし、次いで2.00分の時点で操作の終了まで10%Bに戻した。MSスキャン:チャネル当たり0.5秒間で100〜1000amu;ダイオードアレイ検出器:190nmおよび400nm;ELSD検出器についてドリフトチューブ温度:50℃およびNガス流:40Psi。
方法5:
Agilent 1100sl/1946システム;UPLCカラム:Waters Atlantis;C18 1.8um 50×2.0mm;移動相:(A)HO+0.05%TFAおよび(B)アセトニトリル+0.035%TFA。勾配:1.0mL/分、初期の10%Bから90%Bまで3.00分間かけてランプし、次いで3.5分の時点で操作の終了まで10%Bに戻した。MSスキャン:チャネル当たり0.5秒間で100〜1000amu;ダイオードアレイ検出器:190nmおよび400nm;ELSD検出器についてドリフトチューブ温度:50℃およびNガス流:40Psi。
分析方法:WATERS ZQ SHIMADZU LEAP CTC、ZORBAX SB−C8 30×4.6mm、3.5um、UV1:220nm、UV2:254nm、A:HO(0.03%TFA)、B:CHCN(0.05%TFA)、流速:2.000(ml/分)、時間/%B:0/5、1.90/95、2.30/95、2.31/5、2.50/5。
【0139】
中間体
中間体1
エチル2−(6−クロロ−4−オキソクロマン−3−イル)−2−オキソアセテート(I−1)
【0140】
【化9】
THF中の6−クロロ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン(20g、109mmol)の溶液を、窒素下−78℃にて、THF中のNaHMDS(60mL、120mmol、1.1当量、THF中2M)の溶液で処理した。30分間撹拌した後、シュウ酸ジエチル(22mL、163mmol、1.5当量)を−78℃で滴下添加し、次いで室温で1時間撹拌した。その後、反応物を、pH値が3に調整されるまで1N HClでクエンチした。得られた混合物をEtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させて、I−1を黄色固体として得た。MS(m/z):283(M+H)
【0141】
中間体2および3
【0142】
【化10】
エタノール中のI−1(30g、109mmol)の温溶液に、1−メチルヒドラジン(5.1g、109mmol)を添加し、溶液を室温で12時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=95:5)により精製して、I−2およびI−3を黄色固体として得た。1H-NMR (I-3): (300MHz, CDCl3) δ 7.69 (1H, d, J =2.7 Hz), 7.13 (1H, dd, J = 2.4 Hz, J = 8.7 Hz), 6.86 (1H, d, J = 8.7 Hz), 5.43 (2H, s), 4.38 (2H, q, J = 7.2Hz), 4.22 (3H,s), 1.41 (3H, t, J=7.2Hz);LC−MS:(ES、m/z):MS(M+H)293.0。
【0143】
中間体4
8−クロロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(I−4)
【0144】
【化11】
100mLのTHF/水(4:1)中のI−3(13g、44mmol)の溶液に、NaOH(3.6g、89mmol、2当量)を添加し、混合物を60℃で8時間加熱した。その後、得られた白色固体を濾過し、メタノール(25mL、氷冷)で洗浄し、固体を100mLの1N HClで処理した。得られた固体を濾過により収集し、メタノール(20mL)で洗浄し、真空下で一定重量まで十分に乾燥させて、I−4を白色固体として得た。1H-NMR: (300MHz, CDCl3) δ 13.05 (1H, brs), 7.72(1H, d, J =2.7 Hz), 7.34 (1H, dd, J = 2.7 Hz, J = 8.7 Hz), 7.06 (1H, d, J = 8.7 Hz), 5.41(2H, s), 4.19 (3H,s);LC−MS:(ES、m/z):MS(M+H)265.0。
【0145】
以下の中間体は、適切な試薬を使用して、I−4の合成について記載した手順に従って調製することができる。
【0146】
【表1】
【0147】
中間体10
8−ブロモ−1,4,4−トリメチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(I−10)
【0148】
【化12】
室温のジクロロメタン(5mL)中の1,4,4−トリメチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(200mg、0.78mmol)の溶液に、NBS(198mg、1.11mmol)を添加した。反応物を5分間加熱還流し、次いで室温に冷却した。反応物をストリッピングして乾固させ、MeOH(5mL)中に再懸濁させ、続いて逆相クロマトグラフィー(10〜90%水/アセトニトリル、0.05%AcOHで修飾)により精製した。生成物I−10に対応する得られた溶離液を凍結乾固した。1H NMR: (400 MHz, DMSO) δ 7.58 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.25 (1H, dd, J = 4.0, 9.5 Hz), 6.80 (1H, d, J = 9.0 Hz), 4.07 (3H, s), 1.84 (s, 6H). MS(M+H)337.0/339.0(Brパターン)。
【0149】
中間体11および12
【0150】
【化13】
CHCl(10mL)中の8−クロロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(I−4)(0.5g、1.89mmol)の懸濁液に、0℃で、触媒量のDMF(25uL)を添加し、塩化オキサリル(0.78mL、8.95mmol)を滴下添加した。得られた懸濁液を室温まで加温し、1時間撹拌した。溶媒を真空下で完全に除去して乾固させた(塩化オキサリルを完全に除去する必要がある)。得られた残留物をCHCl(10mL)で溶解し、次いで、DIEA(0.56mL、3.8mmol)の存在下、CHCl(10mL)中のメチル2−((3−フルオロベンジル)アミノ)アセテート(0.39g、1.89mmol)の溶液中に滴下し、溶解した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで50mLの水を入れた。有機層を分離し、水層をCHCl(50mL)で抽出した。合わせた有機層をHOおよびブラインで連続的に洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜60%EtOAc)により精製して、メチル2−(8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)アセテート(I−11)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.47 - 7.43 (m, 2H), 7.34 - 7.29 (m, 1H), 7.23 - 7.19 (m, 1H), 7.18 - 7.04 (m, 2H), 6.97 (dd, J = 2.3, 8.7, 1H), 5.57 - 4.12 (m, 9H), 3.77 - 3.74 (m, 3H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)444.1。
【0151】
メチル2−(8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)アセテート(I−11)(0.72g、1.62mmol)をTHF/MeOH/HO(3:2:1、10mL)に溶解し、続いてLiOH一水和物(0.408g、9.72mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、10mlの水で希釈し、pH=2.0に酸性化した。固体を収集し、乾燥させて、2−(8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)酢酸(I−12)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 12.73 (s, 1H), 7.71 (t, J = 2.6, 1H), 7.42 - 7.30 (m, 3H), 7.24 - 7.15 (m, 2H), 7.07 - 7.02 (m, 1H), 5.41 - 4.10 (m, 9H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)430.0。
【0152】
以下の中間体は、適切な試薬を使用して、I−12の合成について記載した手順に従って調製することができる。
【0153】
【表2-1】
【0154】
【表2-2】
【0155】
中間体22
ベンジル(2−((シクロプロピルメチル)アミノ)−2−オキソエチル)カルバメート(I−22)
【0156】
【化14】
HATU(4.28g、11.3mmol)を、CBZ−Gly(2.35g、11.3mmol)、シクロプロピルアミン(800mg、11.3mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(5.89mL、33.8mmol)およびDMF(20mL)の混合物に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(500mL)に注ぎ入れた。得られた沈殿物を収集し、洗浄して、I−22を得た。1H NMR (400 MHz, アセトニトリル-d3) δ 7.34 - 7.24 (m, 3H), 7.23 - 7.07 (m, 2H), 5.96 (br s, 1H), 4.99 (br s, 2H), 3.67 (見かけd, J = 8.0 Hz, 2H), 2.97 (見かけt, J=7.6 Hz, 2H), 0.90-0.85 (m, 1H), 0.28 (見かけq, J = 7.6 Hz, 2H), 0.06 (見かけq, J = 7.0 Hz, 2H).ESI−MS m/z 263.1(M+H)+。
【0157】
中間体23
N−(シクロプロピルメチル)−2−((2−フルオロベンジル)アミノ)アセトアミド(I−23)
【0158】
【化15】
MeOH(25mL)中の上で得られたベンジル(2−((シクロプロピルメチル)アミノ)−2−オキソエチル)カルバメート(1.0g、3.8mmol)およびPd/C(乾燥重量で10%、Aldrich市販)の懸濁液に、水素バルーンを添加し、反応懸濁液上で水素環境を2時間維持した。この時点で、系を窒素でフラッシュし、MeOH(300mL)でCELITE(登録商標)に通して濾過し、得られた油状物を真空中で濃縮(30mmHg、室温、2時間)して、2−アミノ−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミドを得た。1H NMR (400 MHz, アセトニトリル-d3) δ 7.56 (br s, 1H), 3.52 (br s, 2H), 2.96 (見かけt, J = 7.0 Hz, 2H), 0.72 - 0.68 (m, 1H), 0.32 (見かけq, J = 7.0 Hz, 2H), 0.03 - 0.01 (m, 2H).ESI−MS m/z 129.0(M+H)+。
【0159】
AcOH/MeOH(1:9の比、10mL)中の2−アミノ−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド(711mg、5.55mmol)および2−フルオロベンズアルデヒド(1.38g、11.1mmol)の溶液に、NaCNBH(699mg、11.1mmol)を10分間かけて少量ずつ入れた。反応物を8時間撹拌し、次いで逆相HPLC、10〜90%水/アセトニトリル(0.05%ACOHで修飾)により精製して、I−23を濃厚な油状物/多汁の固体として得た。1H NMR (400 MHz, アセトニトリル-d3) δ 7.40 (br s, 1H), 7.36 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.22 - 7.17 (m, 1H), 6.84 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 8.0, 2.2 Hz, 1H), 3.52 (br s, 2H), 3.18 (s, 1H), 3.06 (br s, 2H), 2.90 (見かけdd, J = 7.0, 1.2 Hz, 2H), 0.79 - 0.71 (m, 1H), 0.37 (見かけq, J = 7.8 Hz, 2H), 0.02 (q, J = 7.1 Hz, 2H).ESI−MS m/z 237.1(M+H)+。
【0160】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、中間体I−23について記載した手順に従って調製した。
【0161】
【表3】
【0162】
中間体29
(S)−ベンジル(1−((シクロプロピルメチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(I−29)
【0163】
【化16】
市販されているZ−Ala−OSU(500mg、1.56mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、室温にてシクロプロピルアミン(145mg、2.03mmol)で処理した。反応が1時間以内に完了し、次いで反応物を真空中で部分的に濃縮し、続いて水(20mL)で希釈した。沈殿物が形成され、これを追加の水(40mL)で洗浄し、空気乾燥して、I−29を得た。1H NMR (400 MHz, アセトニトリル-d3) δ 7.36 - 7.21 (m, 3H), 7.20 - 7.04 (m, 2H), 6.32 (br s, 1H), 4.98 (見かけt, J = 6.7 Hz, 2H), 4.03- 4.00 (m, 1H), 2.96 (見かけdd, J = 7.2, 1.9 Hz, 2H), 1.28 (d, J = 7.8 Hz, 3H), 0.88- 0.85 (m, 1H), 0.32 (見かけq, J = 7.8 Hz, 2H), 0.05 (見かけq, J = 6.8 Hz, 2H).ESI−MS m/z 277.1(M+H)
【0164】
中間体30
3−フルオロ−4−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)エトキシ)安息香酸(I−30)
【0165】
【化17】
HATU(84mg、0.22mmol)を、8−フルオロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(I−5)(50mg、0.20mmol)、N,N−ジイソプロピルアミン(80μL、0.44mmol)およびDMF(2mL)の混合物に室温で添加した。20分間撹拌した後、DMF(1mL)中のアミン(64mg、0.20mmol)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物をHO(10mL)およびEtOAc(10mL)で希釈し、層を分離し、HO層をEtOAc(×2、10mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物をHO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、次いで乾燥させた(MgSO)。溶媒の除去後、粗物質をクロマトグラフィー(固体装填、シリカゲル、0〜60%EtOAc/ヘキサン)により精製して、メチル3−フルオロ−4−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)エトキシ)ベンゾエートを白色固体として得た。
【0166】
水酸化カリウム(HO中1.0M、1.0mL、1.0mmol)を、THF(4.0mL)およびMeOH(1.0mL)中のメチル3−フルオロ−4−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)エトキシ)ベンゾエート(101mg、0.2mmol)の溶液に添加し、溶液を50℃で2時間撹拌した。溶媒の除去(アスピレーター)後、粗残留物を水(10mL)で希釈し、溶液を酢酸で(pH約5に)酸性化すると、結果として白色沈殿物が生じた。沈殿物を真空濾過により収集し、HO(20mL)で洗浄し、高真空で終夜乾燥させて、3−フルオロ−4−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)エトキシ)安息香酸であるI−30を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.75 - 7.64 (m, 1H), 7.57 - 7.01 (m, 9H), 5.51 - 5.23 (m, 3H), 4.89 - 4.80 (m, 1H), 4.49 - 4.29 (m, 3H), 4.13 - 3.98 (m, 3H), 3.83 - 3.72 (m, 1H). 回転異性体の混合物。
【0167】
中間体31
N−(2−(ベンジルアミノ)エチル)アセトアミド(I−31)
【0168】
【化18】
250mLの反応容器に、N−アセチルエチルジアミン(500mg、4.90mmol)、MeOH(16.3mL)およびAcOH(4.20mL)を添加した。次いで、得られた溶液に、ベンズアルデヒド(780mg、7.35mmol)を添加し、次いでおよそ15分後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.19g、24.5mmol)を60分間かけて少量ずつ添加した。5時間後、反応物を1N HCl(約1mL)で処理して、反応物のPHをおよそ6に調整した。次いで、反応物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、水で洗浄した(100mL)。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して残留物を得、次いでこれを少量の酢酸エチル(4mL)から再結晶して、I−31を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 7.52 (s, 1H), 7.47 - 7.40 (m, 1H), 7.39 - 7.17 (m, 3H), 7.15 - 7.10 (m, 1H), 3.78 (br s, 2H), 3.43 (t, J=7.1 Hz, 2H), 2.41 (t, J=7.1 Hz, 2H), 1.97 (s, 3H).MS(m/z)(M+H)、192.1。
【0169】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、中間体I−31の合成について記載した手順に従って調製した。
【0170】
【表4】
【0171】
中間体37
N1−(3−フルオロベンジル)−N2−(チアゾール−2−イル)エタン−1,2−ジアミン(I−37)
【0172】
【化19】
100mLの反応容器に、N−アセチルエチルジアミン(508mg、2.02mmol)、MeOH(5.8mL)およびAcOH(0.50mL)を添加した。次いで、得られた溶液に、3−フルオロベンズアルデヒド(600mg、4.83mmol)を添加し、次いでおよそ15分後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.00g、16.1mmol)を60分間かけて少量ずつ添加した。2時間後、反応物を1N HCl(約1mL)で処理して、反応物のPHをおよそ6に調整した。次いで、反応物を、移動剤としてMeOH(5mL)を使用して濾過してすべての微粒子を除去し、次いで部分的に濃縮し、10〜30%水/アセトニトリル勾配(0.05%AcOHで修飾)を使用する逆相クロマトグラフィーにより直接精製した。得られた生成物溶離液を凍結乾固して、I−37を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.47 - 7.36 (m, 1H), 7.22 (m, 2H), 7.18 - 7.06 (m, 1H), 7.03 - 6.99 (m, 1H), 4.23 - 4.15 (m, 2H), 3.67 - 3.57 (m, 2H), 3.33 - 3.23 (m, 2H).MS(m/z)(M+H)、252.1
【0173】
中間体38
tert−ブチル(2−((3−フルオロベンジル)アミノ)エチル)カルバメート(I−38)
【0174】
【化20】
40mLの反応容器に、市販のtert−ブチル(2−アミノエチル)カルバメート(159mg、1.00mmol)、MeOH(9.5mL)およびAcOH(0.50mL)を添加した。次いで、得られた溶液に、3−フルオロベンズアルデヒド(250mg、2.00mmol)を添加し、次いでおよそ10分後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(250mg、2.00mmol)を15分間かけて少量ずつ添加した。8時間後、反応物を5mLの容量にまで部分的に濃縮し、次いで10〜90%水/アセトニトリル勾配(0.05%AcOHで修飾)を使用する逆相クロマトグラフィーにより直接精製した。得られた生成物溶離液を凍結乾固して、I−38を得た。1H NMR (400 MHz, アセトニトリル-D3) δ 7.31-7.29 (m, 1H), 7.17 - 7.08 (m, 2H), 6.88 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.98 (br s, 2H), 3.48 (t, J=7.8 Hz, 2H), 2.49 (t, J=7.8 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H).MS(m/z)(M+H)、269.1。
【0175】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、中間体I−38の合成について記載した手順に従って調製した。
【0176】
【表5】
【0177】
中間体41
N−(2−アミノエチル)−8−ブロモ−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(I−41)
【0178】
【化21】
40mLの反応容器に、カルボン酸I−6(31mg、0.10mmol)、2mLのTHFおよびN−メチルモルホリン(0.1mL、0.69mmol)を添加した。この懸濁液を、完全に溶解するまで撹拌した。次に、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(35mg、0.20mmol)を添加し、この溶液を、薄白色沈殿物が形成されるまで50℃で20分間撹拌した。沈殿物を激しい撹拌で物理的に撹拌して、確実にすべての固体が十分に混合されるようにした。次に、tert−ブチル(2−((3−フルオロベンジル)アミノ)エチル)カルバメート(I−38)(51mg、0.190mmol)を添加し、反応物を50℃で10分間撹拌し、続いてMeOH(1mL)で希釈し、室温に冷却した。この時点で、反応混合物を濾過し、溶離液を、10〜90%水/アセトニトリル(0.05%AcOHで修飾)勾配を用いるC−18カラムを使用する逆相クロマトグラフィーに直接供した。所望の画分を凍結乾固し、MeOH中に希釈し、次いでMeOH移動剤(5mL)を用いるSPE−カーボネートイオン交換カートリッジ(Agilent Technologies、PL−HCO3MP SPE 200mgローダーサイズ)を使用して、すべての残留酸の除去を達成した。真空中で濃縮乾固して、BOC保護中間体、tert−ブチル(2−(8−ブロモ−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)エチル)カルバメートを得た:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.56 - 7.47 (m, 1H), 7.26-7.23 (m, 2H), 7.06 - 6.88 (m, 3H), 6.87 - 6.80 (m, 1H), 5.44-5.12 (m, 2H), 4.88-4.62 (m, 2H), 4.07-3.98 (m, 3H), 3.50 - 3.03 (m, 4H), 1.52 - 1.37 (m, 9H), 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、559.1/561.1(Brパターン)。
【0179】
中間体、tert−ブチル(2−(8−ブロモ−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)エチル)カルバメート(34mg、0.061mmol)に、ニートTFA(1mL)を入れ、50℃に10分間加熱し、次いでMeOH(1mL)で希釈し、真空(0.1mm Hg)中で12時間乾燥させて、I−41を得た。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ 7.82 (dd, J = 2.4, 1.2 Hz, 1H), 7.43 (dt, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 7.43 - 7.21 (m, 4H), 6.98 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 5.48 (見かけd, J = 3.7 Hz, 2H), 4.71-4.66 (m, 2H), 4.24 (s, 3H), 3.72 - 3.41 (m, 4H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、459.0/461.0(Brパターン)。
【0180】
以下の化合物は、適切な薬剤を使用して、中間体I−41の合成について記載した手順に従って調製した。
【0181】
【表6】
【0182】
中間体44
4−((ベンジルアミノ)メチル)ベンズアミド(I−44)
【0183】
【化22】
4−(アミノメチル)ベンズアミド(280mg、1.87mmol)およびベンズアルデヒド(237mg、2.24mmol)を、MeOH(10mL)およびAcOH(1.5mL)に溶解した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物をNaCNBH(235mg、3.74mmol)で処理し、2時間撹拌した。溶媒の除去(アスピレーター)後、混合物をEtOAcに溶解し、NaHCO(飽和、1×)で洗浄した。水相をEtOAc(1×)で洗浄し、合わせた有機層を乾燥させて(MgSO)、I−44を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.83 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.2, 2H), 7.32 (d, J = 8.2, 2H), 7.24 (tt, J = 4.0, 7.8, 5H), 7.14 (m, 1H), 3.64 (s, 2H), 3.59 (s, 2H), 3.25 (s, 1H).ESI−MS m/z 241.1(M+H)+
【0184】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、中間体I−44の合成について記載した手順に従って調製した。
【0185】
【表7】
【0186】
中間体49
メチル4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−フルオロベンジル)アミノ)エトキシ)−3−フルオロベンゾエート(I−49)
【0187】
【化23】
二炭酸ジ−tert−ブチル(650mg、3.0mmol)を、ジクロロメタン(25mL)およびNaOH(HO中1M、9.6mL、9.6mmoL)中の2−((2−フルオロベンジル)アミノ)エタノール(500mg、3.0mmol)の混合物に室温で添加した。反応混合物を16時間撹拌し、次いでHO(50mL)およびジクロロメタン(25mL)で希釈した。層を分離したら、水相をジクロロメタン(2×、50mL)で洗浄し、合わせた有機抽出物をHO(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した(アスピレーター)。粗混合物をクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜60%EtOAc/ヘキサン)により精製して、tert−ブチル2−フルオロベンジル(2−ヒドロキシエチル)カルバメート(I−49a)を油状物として得た。
【0188】
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.41mL、2.1mmol)を、THF(15mL)中のI−49a(265mg、1.0mmol)、メチル3−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエート(335mg、2.0mmol)およびPPh(514mg、2.0mmol)の混合物に0℃で滴下添加した。10分間撹拌した後、反応混合物がひとりでに室温に温まるようにさせ、さらに4時間撹拌した。反応混合物をEtO(50mL)およびHO(50mL)で希釈し、層を分離した。水相をEtO(2×、50mL)で洗浄し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、次いで濃縮した(アスピレーター)。粗混合物をクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜25%EtOAc/ヘキサン)により精製して、I−49およびメチル3−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエートの分離不能な混合物を得た。混合物を濃縮し、EtOAc(100mL)で希釈し、次いでNaOH(×2、1M、25mL)で洗浄して、メチル3−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエートを混合物から除去した。有機相を乾燥させ(MgSO)、濃縮して(アスピレーター)、中間体I−49を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.69 - 7.55 (2H, m), 7.23 - 7.06 (2H, m), 7.00 - 6.86 (2H, m), 6.86 - 6.71 (1H, m), 4.56 - 4.45 (2H, m), 4.14 - 3.99 (2H, m), 3.75 (3H, s), 3.59 - 3.44 (2H, m), 1.40 - 1.25 (9H, m).
【0189】
中間体50
メチル3−フルオロ−4−(2−((2−フルオロベンジル)アミノ)エトキシ)ベンゾエート(I−50)
【0190】
【化24】
トリフルオロ酢酸(2mL)を、ジクロロメタン(8mL)中のメチル4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−フルオロベンジル)アミノ)エトキシ)−3−フルオロベンゾエート(I−49)(360mg、0.9mmol)の溶液に室温で添加した。1時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し(アスピレーター)、MeOHで希釈し、SPE−カーボネートポリマー結合カートリッジ(6カートリッジ、それぞれ100mgのユニット)に混合物を通過させることにより中和した。溶媒を除去して(アスピレーター)、I−50を得た。ESI−LC/MS m/z 322.1(M+H)+;r.t.=0.981。
【0191】
中間体51
メチル2−(4−(((3−フルオロベンジル)アミノ)メチル)フェニル)アセテート(I−51)
【0192】
【化25】
市販されているメチル2−(4−(アミノメチル)フェニル)アセテート(250mg、1.16mmol)および3−フルオロベンズアルデヒド(186mg、1.50mmol)を、MeOH(5mL)およびAcOH(0.75mL)に溶解した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物をNaCNBH(147mg、2.32mmol)で処理し、2時間撹拌した。溶媒の除去(アスピレーター)後、混合物をEtOAcに溶解し、NaHCO(飽和、1×)で洗浄した。水相をEtOAc(1×)で洗浄し、合わせた有機層を乾燥させて(MgSO)、I−51を得た。ESI−MS m/z 288.2(M+H)
【0193】
中間体52
メチル2−(4−((8−クロロ−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)メチル)フェニル)アセテート(I−52)
【0194】
【化26】
HATU(165mg、0.43mmol)を、8−クロロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(I−4)(80mg、0.290mmol)、アミン(85mg、0.290mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.90mmol)およびDMF(3.0mL)の混合物に添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、I−52を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.71 (t, J = 2.6, 1H), 7.40 (dd, J = 8.3, 14.5, 1H), 7.34 (dd, J = 2.5, 8.7, 1H), 7.25 (s, 2H), 7.22 (d, J = 2.2, 2H), 7.09 (m, 4H), 5.44 (s, 2H), 5.21 (d, J = 4.7, 2H), 4.54 (d, J = 3.1, 2H), 4.13 (d, J = 8.1, 3H), 3.66 (s, 2H), 3.61 (d, J = 0.6, 3H).ESI−MS m/z 534.1(M+H)+
【0195】
中間体53
メチル4−フルオロ−3−(2−((3−フルオロベンジル)アミノ)アセトアミド)ベンゾエート(I−53)
【0196】
【化27】
ブロモアセチルブロミド(1.1mL、12.5mmol)を、ジクロロメタン中のメチル3−アミノ−4−フルオロベンゾエート(1.85g、10.9mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.8mL、16.4mmol)の混合物に0℃で滴下添加した。0℃で30分間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタンおよび水で希釈した。層を分離し、水相をジクロロメタン(2×)で洗浄した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮して(アスピレーター)、暗褐色液体を得た。LCMSは、アミドが主成分であり、アニリンが微量成分であることを示した。混合物をDMF(30mL)に溶解し、炭酸カリウム(1.7g、12.3mmol)を添加した。混合物に3−フルオロベンジルアミン(1.4g、10.9mmol)を添加し、反応物を室温で16時間撹拌した。反応物を水(300mL)で希釈し、水溶液を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。混合物を濾過し、濃縮し、粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜60%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2.02gのI−53を得た。1H NMR D4MeOH 400 MHz ppm: 8.80 (dd, J=8.0, 4.0 Hz, 1H), 7.89-7.85 (m, 1H), 7.56-7.51 (m, 1H), 7.38-7.29 (m, 3H), 7.25 (見かけdt, J=8.3, 6.0 Hz, 1H), 4.35 (s, 2H), 4.09 (s, 2H), 3.91 (s, 3H).ESI−MS m/z 335.1(M+H)+
【0197】
以下の中間体は、適切な試薬を使用して、中間体I−53について記載した手順に従って調製した。
【0198】
【表8】
【0199】
中間体55
4−フルオロ−3−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)アセトアミド)安息香酸(I−55)
【0200】
【化28】
DMF(30mL)中のメチル4−フルオロ−3−(2−((2−フルオロベンジル)アミノ)アセトアミド)ベンゾエート(I−54)(2.025g、8.16mmol)およびHATU(3.10g、8.16mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.17mL、29.7mmol)および8−フルオロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(I−5)(2.375g、7.42mmol)を添加して、黄色がかった溶液を得た。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を氷300mL上に注ぐと、結果として沈殿物が生じ、これを真空濾過により収集した。次いで、固体をEtOAc(600mL)に再溶解し、5%Na2CO3、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。固体を、熱MeOH中ですり混ぜることにより精製した。得られた固体を濾過し、乾燥させた。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.14 (m, 1H), 8.79 - 8.46 (m, 1H), 7.80 - 7.66 (m, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.50 - 7.29 (m, 3H), 7.22 (m, 3H), 7.06 (m, 1H), 5.38 (m, 3H), 4.82 (ad, J = 41.7, 3H), 4.35 - 4.03 (m, 3H), 3.85 (m, 3H). 回転異性体の混合物。
【0201】
得られたエステル(2.8g、4.96mmol)を4:1 THF−MeOH(100mL)に溶解し、1N KOH(20mL)で処理した。白色懸濁液を室温で2時間撹拌すると、結果として透明溶液が生じた。反応物を室温でさらに16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。有機溶媒を真空中で除去すると、結果として白色懸濁液が生じた。得られた懸濁液を水(100mL)で希釈し、pHをAcOHで約5に調整した。白色固体を濾過により収集し、水で洗浄し、真空下で24時間乾燥させた。カルボン酸生成物を、8:2 MeOH−水の溶液(200mL)中で70℃にて2時間撹拌することによりさらに精製することができた。室温に冷却した後、固体を真空濾過により収集して、I−55を得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.06-10.01 (m, 1H), 8.58-8.56 (m, 1H), 8.51-8.49 (m, 1H), 7.72-7.69 (m, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 7.46-7.33 (m, 3H), 7.24-7.12 (m, 3H), 7.08-7.04 (m, 1H), 5.40-5.37 (m, 3H), 4.86-4.76 (m, 3H), 4.24-4.12 (m, 4H); 回転異性体の混合物;MS(m/z)(M+H)、551.1。
【0202】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、中間体I−55の合成について記載した手順に従って作製した。
【0203】
【表9】
【0204】
中間体57および58
【0205】
【化29】
250mLの反応容器に試薬を以下の順序で添加した:エタノールアミン(2.44g、40.0mmol、)、AcOH(8mL)、MeOH(60mL)および2−フルオロベンズアルデヒド(2.48g、20.0mmol)。30分後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.24g、20.0mmol)を30分間かけて少量ずつ添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで部分的に濃縮(真空中)した後、酢酸で修飾した(0.05%)逆相クロマトグラフィー(5〜15%、水−ACN)により直接精製して、乾燥すると、所望の2−((2−フルオロベンジル)アミノ)エタノール(I−57)を半固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) d 7.61 (dt, J = 7.9, 1.8 Hz, 1H), 7.41-7.35 (m, 1H), 7.21 (見かけt, J = 7.9 Hz, 1H), 7.13 (見かけt, J = 8.9 Hz, 1H), 4.00 (s, 2H), 3.73 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 2.87 (t, J = 6.2 Hz, 1H),MS(m/z)(M+1):170.1。
【0206】
100mLの反応容器に試薬を以下の順序で添加した:8−クロロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボン酸(I−4)(528mg、2.00mmol、THF(10mL)およびN−メチルモルホリン(0.72mL、5.0mmol)。これを、完全に溶解するまで撹拌した。次に、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(385mg、2.20mmol)を添加し、この溶液を、白色沈殿物が完全に形成されるまで50℃で20分間撹拌した。沈殿物を急速撹拌で物理的に撹拌して、確実にすべての固体が十分に混合されるようにした。次に、2−((2−フルオロベンジル)アミノ)エタノール(I−72)(400mg、2.37mmol)を添加し、反応物を50℃で30分間撹拌し、次いで5mLのMeOHで希釈し、次いで酢酸で修飾した(0.05%)逆相クロマトグラフィー(30〜80%、水/ACN)により精製し、その後MeOH/水 1:3(10mL)により再結晶して、白色粉末(I−58)、574mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 7.74-7.70 (m, 1H), 7.38-7.28(m, 5H), 7.04 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 5.40-5.35 (m, 3H), 4.80-4.75 (m, 2H), 4.20(s, 3H), 3.93 (t, J = 6.2 Hz, 1H) 3.63 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 3.55 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 3.41 (t, J = 6.5 Hz, 1H); 回転異性体の混合物。MS (m/z)(M+1):416.1/418.1(塩素同位体パターン)。
【0207】
中間体59および60
【0208】
【化30】
8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(I−58)(186mg、0.448mmol)に、THF(7mL)およびメチル3−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾエート(150.1mg、0.882mmol)、トリフェニルホスフィン固体(236mg、0.90mmol)を添加し、得られた溶液を0℃に冷却し、最後にDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)を滴下添加した(0.20mL、重量含量が95重量%のAldrich(商標)市販のストック、196mg、0.96mmol)。反応物の内部温度を10分間0℃に維持し、次いで20分間かけてひとりでに室温に温まるようにさせた。室温で丸1時間後、反応物をTHF(5mL)で希釈し、濾過し、TFAで修飾した(0.05%)逆相クロマトグラフィー(40〜90%、水/ACN)により直接精製した。すべての画分を真空下で減量乾固させ、ポリマー固定化カーボネート(SPE−CO3H Varianカートリッジ、MeOH移動剤で0.90の定格負荷、10mL)を使用する遊離塩基化に供して、メチルエステル中間体に相当するオフホワイトの粉末(I−59)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 7.78-7.69 (m, 2H), 7.63 (br s, 1H), 7.42-7.38(m, 3H), 7.18 (見かけdt, J = 12.3, 8.0 Hz, 3H), 7.04 (見かけd, J = 8.0 Hz, 1H), 5.40-5.35 (m, 2H), 5.29 (br s, 1H), 4.83 (br s, 1H), 4.52-4.38 (m, 2H), 4.15-4.10 (m, 2H), 3.93 (s, 3H) 3.73 (s, 3H); 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+1):568.2/570.2(塩素同位体パターン)。
【0209】
次いで、前のステップにおいて生成されたエステル、メチル4−(2−(8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)エトキシ)−3−フルオロベンゾエート(I−59)を、THF(10mL)、MeOH(2mL)および1.0M KOH(2mL、2.0mmol)に溶解した。得られた均一な溶液を60℃に2時間加熱した。この時点で、反応物を冷却して室温に戻し、0.12mLのAcOHで(2mmol、Whatman−4色−ストリップ試験紙を使用してモニターしてPH6まで)クエンチした。次いで、反応物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機抽出物を水(2×15mL)でさらに洗浄した。有機抽出物を回転蒸発乾固させ、MeOH/水(10mL、9:1)から析出させて、対応する酸(I−60)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 12.51 (br s, 1H), 7.89-7.19 (m, 9H), 7.07 (dd, J = 1.7, 8.7 Hz, 1H), 5.30-5.15 (m, 3H), 4.85 (br s, 1H), 4.43-4.18 (m, 3H, 4.04-3.99 (m, 3H), 3.78 (m, 1H); 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+1):554.1/556.1(塩素同位体パターン)。
[実施例1]
【0210】
8−クロロ−N−(2−((シクロプロピルメチル)アミノ)−2−オキソエチル)−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(1)
【0211】
【化31】
40mLの反応容器に、酸I−13(27mg、0.10mmol)、1mLのTHFおよび0.1mLのN−メチルモルホリン(0.69mmol)を添加した。この懸濁液を、完全に溶解するまで撹拌した。次に、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(27mg、0.15mmol)を添加し、この溶液を、薄白色沈殿物が形成されるまで50℃で20分間撹拌した。沈殿物を激しい撹拌で物理的に撹拌して、確実にすべての固体が十分に混合されるようにした。次に、シクロプロピルメタンアミン(市販で入手、TCI international、0.20mmol)を添加し、反応物を50℃で10分間撹拌し、続いてMeOH(1mL)で希釈し、室温に冷却した。この時点で、反応混合物を濾過し、溶離液を、10〜90%水/アセトニトリル(0.05%TFAで修飾)勾配を用いるC−18カラムを使用する逆相クロマトグラフィーに直接供した。所望の画分を凍結乾固し、MeOH中に希釈し、MeOH移動剤(5mL)を用いるSPE−カーボネートイオン交換カートリッジ(Agilent Technologies、PL−HCO3MP SPE 200mgローダーサイズ)を使用して、最終の所望の生成物(1)を遊離塩基として得た。1H NMR (400 MHz, CD2Cl2) δ 7.34 - 7.30 (s, 1H), 7.18 - 7.12 (m, 1H), 7.08 - 7.00 (m, 1H), 7.94 - 7.80 (m, 2H), 7.76 - 6.68 (m, 2H), 6.18 (br s, 1H), 5.32 - 5.26 (m, 2H), 5.12-5.02 (m, 2H), 4.56 - 4.28 (m, 2H), 4.00-3.90 (m, 3H), 2.96-2.91 (m, 2H), 0.81-0.80 (m, 1H), 0.31-0.28 (m, 2H), 0.04-0.01 (m, 2H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、483.1/485.2塩素パターン。
【0212】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例1について記載した手順に従って調製した。
【0213】
【表10-1】
【0214】
【表10-2】
【0215】
【表10-3】
【0216】
【表10-4】
【0217】
【表10-5】
【0218】
【表10-6】
【0219】
【表10-7】
【0220】
【表10-8】
【0221】
【表10-9】
【0222】
【表10-10】
[実施例44]
【0223】
8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−N−(2−オキソ−2−((3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(44)
【0224】
【化32】
DMF(2mL)中の2−(8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)酢酸(100mg、0.233mmol)(I−12)、DIEA(60.13mg、0.466mmol)およびHATU(106.5mg、0.28mmol)の混合物を、室温で10分間撹拌し、次いで3−アミノ−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オールHCl塩(46.3mg、0.28mmol)を添加した。得られた混合物を室温で15分間撹拌した。反応物を10mLの水で希釈し、EtOAc(10mL、2回)で抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製物を得、これを1mLのMeOHに添加し、2分間超音波処理した。固体を析出させ、収集して、8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−N−(2−オキソ−2−((3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(44)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3-d) δ 7.49 - 7.46 (m, 1H), 7.45 - 7.37 (m, 1H), 7.35 - 7.31 (m, 1H), 7.26 - 7.22 (m, 1H), 7.20 - 7.14 (m, 1H), 7.13 - 7.07 (m, 1H), 7.01 - 6.98 (m, 1H), 5.66 - 5.34 (m, 3H), 4.98 - 4.78 (m, 1H), 4.69 - 4.36 (m, 1H), 4.15 (s, 3H), 4.12 - 4.02 (m, 2H), 3.81 - 3.64 (m, 1H), 3.47 - 3.27 (m, 1H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、541.1。
【0225】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例44について記載した手順に従って調製した。水−アセトニトリル溶媒(0.05%酢酸で修飾)を利用する逆相C−18クロマトグラフィーを使用して、高純度試料を得た。
【0226】
【表11】
[実施例49]
【0227】
2−(ジメチルアミノ)エチル4−フルオロ−3−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)アセトアミド)ベンゾエート(49)
【0228】
【化33】
無水DCM(4mL)中の4−フルオロ−3−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)アセトアミド)安息香酸(I−55)(250mg、0.45mmol)の懸濁液を氷浴中で冷却し、塩化オキサリル(50uL、0.59mmol)およびDMF(2滴)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒および過剰の塩化オキサリルを蒸発させて、所望の4−フルオロ−3−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)アセトアミド)ベンゾイルクロリドを得た。
【0229】
DCM(3mL)中の4−フルオロ−3−(2−(8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)アセトアミド)ベンゾイルクロリド(0.225mmol)の溶液を、DCM(1mL)中のトリエチルアミン(33uL、0.23mmol)および2−(ジメチルアミノ)エタノール(29.5mg、0.23mmol)の溶液に滴下添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。粗残留物を、比:8:1.5:0.3:0.2のDCM:ACN:MeOH:NH水性溶媒系を使用するISCO SiOクロマトグラフィーにより精製して、表題エステル(49)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.18 - 10.02 (m, 1H), 8.69 - 8.49 (m, 1H), 7.79 - 7.66 (m, 1H), 7.62 - 7.49 (m, 1H), 7.47 - 7.31 (m, 3H), 7.26 - 7.11 (m, 3H), 7.10 - 7.02 (m, 1H), 5.46 - 5.29 (m, 3H), 4.90 - 4.73 (m, 3H), 4.39 - 4.22 (m, 2H), 4.17 - 4.05 (m, 3H), 2.63 - 2.56 (m, 2H), 2.23 - 2.15 (m, 6H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、622.1。
【0230】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例49について記載した手順に従って調製した。
【0231】
【表12】
[実施例52]
【0232】
N−(2−((5−カルバモイル−2−フルオロフェニル)アミノ)−2−オキソエチル)−8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(52)
【0233】
【化34】
HATU(25mg、0.07mmol)を、酸(I−55)(32mg、0.06mmol)、DIEA(0.023mL、0.13mmol)およびDMF(3mL)の混合物に室温で20分間添加した。NHOH(5mL)を添加し、反応混合物を5分間撹拌した。混合物をEtOAcおよびHOで希釈した。層を分離し、水相をEtOAc(1×)で洗浄した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濃縮した(アスピレーター)。生成物をクロマトグラフィー(逆相、30〜90%ACN/HO、TFAで修飾)により精製した。溶媒の除去後、物質を、NaHCO(飽和)で洗浄することにより中和して、生成物(52)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.07 - 9.95 (m, 1H), 8.47 - 8.33 (m, 1H), 8.05 - 7.93 (m, 1H), 7.72 - 7.62 (m, 1H), 7.61 - 7.51 (m, 1H), 7.47 - 7.31 (m, 4H), 7.26 - 7.19 (m, 2H), 7.18 - 7.11 (m, 1H), 7.10 - 7.01 (m, 1H), 5.46 - 5.32 (m, 3H), 4.91 - 4.81 (m, 1H), 4.81 - 4.69 (m, 1H), 4.28 - 4.06 (m, 4H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、550.2。
[実施例53]
【0234】
N−ベンジル−N−(4−カルバモイルベンジル)−8−クロロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(53)
【0235】
【化35】
HATU(63mg、0.165mmol)を、カルボン酸(I−4)(35mg、0.132mmol)、アミン(I−44)(32mg、0.132mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.070mL、1.13mmol)およびDMF(1.5mL)の混合物に添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(53)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.95 (s, 1H), 7.84 (m, 2H), 7.71 (dd, J = 2.5, 5.2, 1H), 7.31 (m, 9H), 7.07 (d, J = 8.6, 1H), 5.45 (d, J = 4.3, 2H), 5.23 (d, J = 6.4, 2H), 4.57 (d, J = 6.9, 2H), 4.13 (d, J = 11.8, 3H);ESI−MS m/z 487.1(M+H)+。
【0236】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例53について記載した手順に従って調製した。
【0237】
【表13】
[実施例58]
【0238】
N−(4−アミノベンジル)−N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(58)
【0239】
【化36】
TFA(1.5mL)を、tert−ブチル(4−((N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)メチル)フェニル)カルバメート(55)(150mg、0.27mmol)およびジクロロメタン(5.0mL)の溶液に添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。溶媒を除去した。粗残留物をジクロロメタンに溶解し、重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機溶液を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮して、純粋なアニリン(58)を得た。さらなる精製は必要なかった。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.35 (dd, J = 2.4, 6.2, 1H), 7.30 - 7.13 (m, 6H), 7.13 - 7.06 (m, 1H), 7.02 (d, J = 8.2, 1.5H), 6.87 (dd, J = 1.6, 8.7, 1H), 6.67 (dd, J = 5.5, 8.2, 1.5H), 5.46 (s, J = 2.9, 2H), 5.03 (d, J = 36.4, 2H), 4.46 (d, J = 33.6, 2H), 4.00 (d, J = 12.1, 3H).ESI−MS m/z 459.2(M+H)
[実施例59]
【0240】
2−(4−((8−クロロ−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)メチル)フェニル)酢酸(59)
【0241】
【化37】
水酸化ナトリウム溶液を、メチル2−(4−((8−クロロ−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド)メチル)フェニル)アセテート(I−52)、THFおよびメタノールの溶液に添加した。反応物を室温で6時間撹拌した。溶媒を除去し、粗物質を水中でスラリー化した。混合物を酢酸で酸性化した。得られた白色沈殿物を真空濾過により収集して、(59)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.71 (t, J = 2.5, 1H), 7.40 (dd, J = 7.9, 14.6, 1H), 7.36 - 7.31 (m, 1H), 7.29 - 7.17 (m, 4H), 7.17 - 7.01 (m, 4H), 5.44 (s, 2H), 5.20 (d, J = 7.9, 2H), 4.53 (d, J = 3.0, 2H), 4.14 (t, J = 8.9, 3H), 3.52 (s, 2H); 回転異性体の混合物;MS(m/z)(M+H)、520.2/522.2塩素パターン。
[実施例60]
【0242】
8−クロロ−N−(2−(3−(シクロプロピルメチル)ウレイド)エチル)−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(60)
【0243】
【化38】
20mLの反応容器に、N−(2−アミノエチル)−8−クロロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(I−42、42mg、0.1mmol)およびTHF(4mL)、続いてピリジン(0.150mL)および4−ニトロフェニルクロロホルメート(40mg、0.2mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、この間に白色ガム状沈殿物が形成された。次いで、この物質を、DMF(1.5mL)に溶解したシクロプロピルメタンアミン(71mg、1.0mmol、10当量)で処理した。ガム状固体は素早く溶解し、得られた溶液を、生成物に完全に変換されるまで70℃に1時間加熱し、続いて冷却し、10〜60%水/アセトニトリル(0.05%AcOHで修飾)を使用するC−18逆相クロマトグラフィーにより直接精製した。所望の画分を凍結乾固して、(60)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 7.95 - 7.84 (m, 1H), 7.78 - 7.70 (m, 1H), 7.38 - 7.10 (m, 4H), 7.02 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.08 - 5.92 (m, 2H), 5.48 - 5.33 (m, 3H), 4.78 -4.75 (m, 1H), 4.23 - 4.02 (m, 3H), 3.98 - 3.71 (m, 2H), 2.98 - 2.87 (m, 2H), 0.81 - 0.79 (m, 1H), 0.42 - 0.37 (m, 2H), 0.08 - 0.05 (m, 2H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、512.1/514.1塩素パターン。
【0244】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例60について記載した手順に従って調製した。
【0245】
【表14】
[実施例62]
【0246】
8−ブロモ−N−(3−フルオロベンジル)−N−(2−イソブチルアミドエチル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(62)
【0247】
【化39】
20mLの反応容器に、N−(2−アミノエチル)−8−ブロモ−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(I−41、8.0mg、0.017mmol)およびジクロロメタン(1mL)、続いてトリエチルアミン(TEA、0.10mL、0.07mmol)、次いで最後に求電子剤の塩化イソブチリル(11mg、0.10mmol)を添加した。30分後、反応物をMeOH(0.50mL)で希釈し、次いで20〜100%水/アセトニトリル(0.05%AcOHで修飾)を使用するC−18逆相クロマトグラフィーによる精製に直接供した。所望の画分を凍結乾固して、(62)を得た。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ 7.92 - 7.86 (m, 1H), 7.51 - 7.33 (m, 2H), 7.28 - 7.01 (m, 3H), 6.98 (dd, J = 8.7, 1.3 Hz, 1H), 6.21 (s, 1H), 5.53 - 5.31 (m, 2H), 4.89 - 4.63 (m, 2H), 4.32 - m, 3H), 4.04 (見かけt, J = 6.4 Hz, 1H), 3.96 - 3.37 (m, 3H), 2.42-2.40 (m, 1H), 1.27 - 0.82 (m, 6H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、529.0/531.0臭素パターン。
【0248】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例62の合成について記載した手順に従って作製した。
【0249】
【表15】
[実施例65]
【0250】
N−(2−((シクロプロピルメチル)アミノ)−2−オキソエチル)−8−フルオロ−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(65)
【0251】
【化40】
40mLの反応容器に、酸I−5(49mg、0.20mmol)、2mLのTHFおよびN−メチルモルホリン(0.2mL、1.4mmol)を添加した。この懸濁液を、完全に溶解するまで撹拌した。次に、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(176mg、0.31mmol)を添加し、この溶液を、薄白色沈殿物が形成されるまで50℃で20分間撹拌した。沈殿物を激しい撹拌で物理的に撹拌して、確実にすべての固体が十分に混合されるようにした。次に、N−(シクロプロピルメチル)−2−((2−フルオロベンジル)アミノ)アセトアミド(119mg、0.5mmol)を添加し、反応物を50℃で10分間撹拌し、続いてMeOH(1mL)で希釈し、室温に冷却した。この時点で、反応混合物を濾過し、溶離液を、10〜90%水/アセトニトリル(0.05%TFAで修飾)勾配を用いるC−18カラムを使用する逆相クロマトグラフィーに直接供した。所望の画分を凍結乾固し、MeOH中に希釈し、MeOH移動剤(5mL)を用いるSPE−カーボネートイオン交換カートリッジ(Agilent Technologies、PL−HCO3MP SPE 200mgローダーサイズ)を使用して、最終の所望の生成物(65)を遊離塩基として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.02- 8.00 (m, 1H), 7.56 - 7.54 (m, 1H), 7.36 - 7.30 (m, 3H), 7.22 - 7.03 (m, 3H), 5.36 - 5.34 (m, 2H), 4.66 - 4.55 (m, 2H), 4.17-3.94 (m, 5H), 2.99 - 2.97 (m, 2H), 0.98-0.92 (m, 1H), 0.42 - 0.39 (m, 2H), 0.15 - 0.10 (m, 2H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、467.2。
【0252】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例65の合成について記載した手順に従って作製した。
【0253】
【表16-1】
【0254】
【表16-2】
【0255】
【表16-3】
【0256】
【表16-4】
[実施例83]
【0257】
N−(2−アセトアミドエチル)−N−ベンジル−8−シクロプロピル−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(83)
【0258】
【化41】
20mLの密封可能な反応容器に、N−(2−アセトアミドエチル)−N−ベンジル−8−ブロモ−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(実施例72、48mg、0.10mmol)、トルエン(1mL)およびPd(Ph(30mg、0.026mmol)を添加した。次いで、得られた懸濁液に、シクロプロピル亜鉛(II)ブロミド(0.5M THF溶液、3mL、1.5mmol、市販製品、Rieke Zinc LTD.)を添加した。次いで、反応物をArガスでフラッシュし、密封し、92℃に1時間加熱した。次いで、反応物を、移動剤としてMeOH(5mL)を使用して濾過してすべての微粒子を除去し、次いで部分的に濃縮し、10〜90%水/アセトニトリル勾配(0.05%AcOHで修飾)を使用する逆相クロマトグラフィーにより直接精製した。得られた生成物(83)を凍結乾固した。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ 7.50 - 7.44 (m, 1H), 7.43 - 7.26 (m, 5H), 7.01 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.40-5.30 (m, 2H), 4.85-4.79 (m, 2H), 4.38 - 4.04 (m, 5H), 3.58 -3.40 (m, 2H), 2.04 -2.01 (m, 3H), 1.98 -1.80 (m, 3H), 0.97-0.94 (m, 1H), 0.71-0.69 (m, 1H). 回転異性体の混合物。MS(m/z)(M+H)、445.1。
【0259】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例80の合成について記載した手順に従って作製した。
【0260】
【表17】
[実施例86および87]
【0261】
以下の化合物は、適切な試薬を使用して、実施例52について記載した手順に従って調製した。
【0262】
【表18】
【0263】
生物学的アッセイ
ヒトGST−FXR LBD共活性化剤相互作用アッセイ
FXR HTRFアッセイは、FXRとコアクチベータータンパク質(SRC1)との間の相互作用を測定する生化学的アッセイである。コアクチベータータンパク質とのリガンド誘発相互作用は、FXRによる転写活性化における重大なステップである。したがって、これは、試験化合物のFXRアゴニスト活性を測定するように設計されたアッセイである。
【0264】
グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)精製タンパク質(GST−FXR LBD)に融合された組換えヒトファルネソイドX受容体(FXR)リガンド結合ドメイン(アミノ酸193〜472)を購入した(Invitrogen)。GST−FXR LBDとステロイド受容体コアクチベーター−1(SRC−1)から誘導されたペプチドとの間のリガンド依存性相互作用を、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によってモニタリングした。GST−FXR LBDを、ビオチン標識SRC−1ペプチド(配列:ビオチン−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEG−SPS−CONH2、American Peptide)と、アッセイ緩衝剤(50mMのトリス・HCl、pH7.4、50mMのNaCl、1mMのTCEP、および0.2%のウシ血清卵白)中で混合し、384黒色Proxiプレート(Greiner Bio−One)中で平板培養した。試験化合物(DMSO溶液中)および検出試薬(抗GST−クリプテート標識抗体およびストレプトアビジン−XL665コンジュゲート;CisBio)を、50mMのKFを含有するアッセイ緩衝剤中に添加した。プレートを室温にて暗所で2.5時間の間インキュベートした後、Envision(PerkinElmer)上にて665nmおよび590nmで読み取る。HTRFアッセイ結果を665nm/590nm比(比=(A665nm/A590nm)×10)から算出し、デルタF%=(サンプル比−ネガティブ比)/ネガティブ比×100で表現した。
【0265】
陰性対照(ストレプトアビジン−XL665なし)を各アッセイで実行し、バックグラウンドの蛍光を表した。基準FXRアゴニスト、(E)−3−(2−クロロ−4−((3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−イソプロピルイソオキサゾール−4−イル)メトキシ)スチリル)安息香酸(化合物GW4064)を、陽性対照として各実験に含めた。各試験化合物の効力をGW4064のものと比較した。各濃度で、試験化合物の相対的活性を応答%=(Rsample−RDMSO)/(Rpositive−RDMSO)として表現し、ここでRsampleは、試験化合物についてのHTRF応答(デルタF%で表現されている)であり、Rpositiveは、飽和濃度でのGW4064についての最大応答であり、RDMSOは、DMSO対照についての応答である。非線形回帰曲線フィット(log(アゴニスト)対応答−可変傾斜(4つのパラメータ))を使用するGraphPad Prism(GraphPad Software)を使用して、EC50値を算出した。
【0266】
表1は、ヒトGST−FXR LBD共活性化剤相互作用アッセイにおける本発明の化合物についてのEC50値を要約している。
【0267】
【表19-1】
【0268】
【表19-2】
【0269】
本明細書に記載されている実施例および実施形態は例示的な目的だけであること、ならびにそれに照らした様々な修飾または変化は当業者に示差されているとともにこの出願および添付の特許請求の範囲の趣旨および範疇内に含まれるべきであることが理解される。本明細書に引用されている全ての公報、特許および特許出願は、本明細書によって参照により全ての目的で組み込まれる。

本発明は、以下の態様を含む。
[1]
式I
【化42】

[式中、
は、C1〜6アルキル;C1〜6ハロアルキル;C1〜6ヒドロキシアルキル;ハロ置換C1〜6ヒドロキシアルキル;もしくはRによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されているフェニルであり;またはRは、群C3〜7シクロアルキル、1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール、および1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環から選択され;これらの各々は、R2aによって表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
環Bは、アリール;1〜3個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロアリール;1〜2個のN、OもしくはSヘテロ原子を含む4〜6員複素環;またはC3〜7シクロアルキルであり;これらの各々は、R2aによって独立して表される1〜2個の置換基で任意選択により置換されており;
Xは、−(CR)−または−C(O)−であり;
Yは、−O−、−(CR)−、−O(CR)−または−NR−であり、ここで「」は、Z環原子を含有する環へのYの結合点を示し;
、Z、ZおよびZは、各々独立して、−CR−または−N−であり;
は、*1−(CR1〜2−または*1−(CR)−C(O)−NR−であり、ここで「*1」は、NへのLの結合点を示し;
は、*2−(CR1〜2−;*2−(CR)−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−;*2−(CR−O−;*2−(CR−NR−;*2−(CR−NR−SO−;*2−(CR−NR−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−(CR)−;または*2−(CR−NR−C(O)−NR−(CR0〜1であり;ここで「*2」は、NへのLの結合点を示し;
は、−(CR)−または−C(O)−であり;
各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、ハロ置換C1〜6アルキル、−C(O)NR;−S(O)−NR;−C(O)O−(CRCR2〜3NR;−N(R)−C(O)O−R;−SOR;−NRまたは−(CR)−C(O)ORであり;
各R2aは、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1〜6アルキルまたはハロ置換C1〜6アルキルであり;
各Rは、独立して、水素、ハロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルまたはシクロプロピルであり;
R、R、R、RおよびRは、独立して、水素またはC1〜6アルキルであり;あるいはRおよびRは、Nと一緒になって、5〜6員複素環式環を形成し得る]
に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
[2]
前記化合物が、式(II):
【化43】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩である、[1]に記載の化合物。
[3]
が、*2−(CR1〜2−;*2−(CR)−C(O)−NR−;*2−(CR−O−;*2−(CR−NR−SO−;*2−(CR−NR−C(O)−;*2−(CR)−C(O)−NR−(CR)−;または*2−(CR−NR−C(O)−NR−(CR0〜1であり;ここで、「*2」は、NへのLの結合点を示す、[1]または[2]に記載の化合物。
[4]
が、C1〜6アルキル;C1〜6ハロアルキル;C1〜6ヒドロキシアルキル;またはハロ置換C1〜6ヒドロキシアルキルである、[1]から[3]のいずれかに記載の化合物。
[5]
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルであり;これらの各々が非置換であるか、またはR2aによって独立して表される1〜2個の置換基によって置換されており;ここでR2aは、ハロまたはヒドロキシルである、[1]から[3]のいずれかに記載の化合物。
[6]
が、テトラヒドロフラニル、テトラピラニル、N−メチルピラゾリル、チアゾリルまたは1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イルである、[1]から[3]のいずれかに記載の化合物。
[7]
が、ハロ、−C(O)NR;−S(O)−NR;−C(O)O−(CRCR2〜3NR;−N(R)−C(O)O−R;−SOR;−NRまたは−(CR)−C(O)ORで任意選択により置換されているフェニルであり;
ここで、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素またはC1〜6アルキルであり;あるいはRおよびRは、Nと一緒になって、モルホリニルを形成し得る、
[1]から[3]のいずれかに記載の化合物。
[8]
環Bが、1〜2個のハロで任意選択により置換されているフェニル;テトラヒドロピラニル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはチアゾリルである、[1]から[7]のいずれかに記載の化合物。
[9]
Xが、−(CR)−であり;RおよびRが、独立して、水素またはメチルである、[1]から[8]のいずれかに記載の化合物。
[10]
が、水素、ハロ、sec−ブチル、ビニルまたはシクロプロピルである、[1]から[9]のいずれかに記載の化合物。
[11]
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキソラン−3−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロブチルアセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
N−tert−ブチル−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−エチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロペンチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロブチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル]アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[(2S)−オキソラン−2−イルメチル]アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,5−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−シクロプロピルアセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
N−tert−ブチル−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキソラン−2−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキサン−3−イルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;
2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)−N−メチルアセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
8−クロロ−N−(2−((1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−N−(3−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
4−[2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]−N−メチルベンズアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アセトアミド;
8−クロロ−N−(2−((1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチル)−N−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1,4−ジヒドロクロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(オキサン−4−イルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2,3−ジフルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(プロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−フェニルプロパン−2−イル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(3−スルファモイルフェニル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−[(1−ヒドロキシシクロプロピル)メチル]アセトアミド;
2−(ジメチルアミノ)エチル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
2−(ジメチルアミノ)エチル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
3−(ジメチルアミノ)プロピル4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンゾエート;
4−フルオロ−3−[2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド]ベンズアミド;
N−ベンジル−N−[(4−カルバモイルフェニル)メチル]−8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−N−{[4−(メチルスルファモイル)フェニル]メチル}−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
tert−ブチルN−{4−[(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)メチル]フェニル}カルバメート;
N−ベンジル−8−クロロ−N−[(4−メタンスルホニルフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−クロロ−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[(4−アミノフェニル)メチル]−N−ベンジル−8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
2−{4−[(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)メチル]フェニル}酢酸;
8−クロロ−N−(2−{[(シクロプロピルメチル)カルバモイル]アミノ}エチル)−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−(2−{[(プロパン−2−イル)カルバモイル]アミノ}エチル)−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−[2−(プロパン−2−スルホンアミド)エチル]−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−ブロモ−1−メチル−N−[2−(プロパン−2−スルホンアミド)エチル]−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(シクロプロピルメチル)−2−(1−{8−フルオロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)アセトアミド;
N−[2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ヨード−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]−2−メチルプロパンアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(シクロヘキシルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(シクロペンチルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
8−クロロ−N−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−N−{2−[(1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]エチル}−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−[2−(1−{8−ブロモ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(4−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
2−(1−{8−ブロモ−1,4,4−トリメチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
(2S)−2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)プロパンアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)ホルムアミド)−N−(シクロプロピルメチル)アセトアミド;
2−(1−{8−クロロ−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド)−N−(オキサン−4−イルメチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−シクロプロピル−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−(2−{N−ベンジル−1−[8−(ブタン−2−イル)−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル]ホルムアミド}エチル)アセトアミド;
N−[2−(N−ベンジル−1−{8−エテニル−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−イル}ホルムアミド)エチル]アセトアミド;
N−[2−(4−カルバモイル−2−フルオロフェノキシ)エチル]−8−クロロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド;および
N−[2−(4−カルバモイル−2−フルオロフェノキシ)エチル]−8−フルオロ−N−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−メチル−1H,4H−クロメノ[4,3−c]ピラゾール−3−カルボキサミド
から選択される、[1]から[10]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[12]
治療有効量の[1]から[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
[13]
治療有効量の[1]から[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および第2の治療剤を含む組合せ。
[14]
ファルネソイドX受容体(FXR)によって媒介される状態を、それを患う対象において処置するための方法であって、前記対象に、治療有効量の[1]から[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を、任意選択により第2の治療剤と組み合わせて、投与することを含む方法。
[15]
FXRによって媒介される状態の処置における使用のための、任意選択により第2の治療剤と組み合わせた、[1]から[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[16]
対象においてFXRによって媒介される状態の処置のための医薬の調製のための、任意選択により第2の治療剤と組み合わせた、[1]から[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
[17]
FXRによって媒介される前記状態が肝臓疾患または胃腸疾患である、[15]に記載の使用のための化合物、または[16]に記載の医薬の調製のための化合物の使用。
[18]
FXRによって媒介される前記状態が、肝内胆汁うっ滞、エストロゲン誘発胆汁うっ滞、薬剤誘発胆汁うっ滞、妊娠時胆汁うっ滞、非経口栄養関連胆汁うっ滞、進行性家族性胆汁うっ滞(PFIC)、アラジール症候群、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎、胆管減少性肝臓移植拒絶反応、肝臓移植関連グラフト対宿主病、嚢胞性線維症肝臓疾患、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝臓疾患および非経口栄養関連肝臓疾患から選択される肝臓疾患である、[17]に記載の使用のための化合物、または[17]に記載の医薬の調製のための化合物の使用。
[19]
FXRによって媒介される前記状態が、一次胆汁酸下痢、二次胆汁酸下痢、胆汁逆流性胃炎および炎症性腸疾患から選択される胃腸疾患である、[17]に記載の使用のための化合物、または[17]に記載の医薬の調製のための化合物の使用。
[20]
FXRによって媒介される前記状態が、非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、[15]に記載の使用のための化合物、または[16]に記載の医薬の調製のための化合物の使用。