特許第6691623号(P6691623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6691623ハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6691623
(24)【登録日】2020年4月14日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】ハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/64 20100101AFI20200421BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20200421BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20200421BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20200421BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   H01L33/64
   H01L33/50
   H01L33/60
   H01L33/56
   G02B5/20
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-76082(P2019-76082)
(22)【出願日】2019年4月12日
【審査請求日】2019年4月12日
(31)【優先権主張番号】201910113831.2
(32)【優先日】2019年2月14日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519134555
【氏名又は名称】旭宇光▲電▼(深▲セン▼)股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】林金填
(72)【発明者】
【氏名】曹小兵
【審査官】 野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−056277(JP,A)
【文献】 特表2012−520565(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/104325(WO,A1)
【文献】 特開2009−167359(JP,A)
【文献】 特開2007−103926(JP,A)
【文献】 特開2016−020420(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103633230(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
33/48−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(1)、チップ(2)、熱伝導リング(3)、集光レンズ(5)、支持レンズ(6)及び蛍光体構造層(7)で構成され、
前記基板(1)の上面に円柱形のボス(11)が設けられ、ボス(11)の上面の中央に逆円錐台形の止まり穴(12)が設けられ、止まり穴(12)の内壁が光反射面であり、熱伝導リング(3)が環状であり、熱伝導リング(3)の上面における内円周面に近接する位置に環状突起(31)が設けられ、環状突起(31)の外円周直径の寸法が下から上へ次第に小さくなり、環状突起(31)の内円周面が傾斜光反射面であり、熱伝導リング(3)の上面の環状突起(31)の外部に環状突起(31)と同心の環状溝(33)が設けられ、チップ(2)が基板(1)の逆円錐台形の止まり穴(12)の底部に取り付けられ、止まり穴(12)内にパッケージ接着剤(4)が充填され、熱伝導リング(3)が基板(1)の上面に設けられたボス(11)に外嵌され、集光レンズ(5)が半球状レンズであり、集光レンズ(5)の平面側が止まり穴(12)に向かって止まり穴(12)の開口を覆い、蛍光体構造層(7)が熱伝導リング(3)の傾斜光反射面間の集光レンズ(5)の上面に塗布され、支持レンズ(6)が中空半球状レンズであり、支持レンズ(6)が蛍光体構造層(7)に外嵌され、かつ支持レンズ(6)の開口が環状溝(33)の内部に嵌め込まれ、
前記蛍光体構造層(7)は、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズとシリカゲルとを混合して構成され、蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの体積分率が60〜65%であって、前記表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの調製方法は、中空マイクロガラスビーズをポリビニルアルコールと混ぜ、架橋剤ADHを入れ、よく混ぜてから、蛍光体を入れて、混ぜて、乾燥したら、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズになることを特徴とするハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ。
【請求項2】
前記止まり穴(12)の内壁の光反射面と熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜光反射面は、研磨するか又は光反射コーティングを塗布して得られるものであり、又は、前記止まり穴(12)の内壁の光反射面と熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜光反射面には、ニッケル層又は銀層がメッキされる、ことを特徴とする請求項1に記載のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ。
【請求項3】
前記基板(1)はmcpcbアルミニウム基板である、ことを特徴とする請求項1に記載のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ。
【請求項4】
前記熱伝導リング(3)の材質は純銅又はアルミニウム合金である、ことを特徴とする請求項1に記載のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ。
【請求項5】
前記アルミニウム合金はAl−Si合金又はAl−Si−Mg合金である、ことを特徴とする請求項5に記載のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ
【請求項6】
前記中空マイクロガラスビーズとポリビニルアルコール水溶液との体積比が1:(0.04〜0.05)で、中空マイクロガラスビーズと蛍光体との体積比が1:(0.01〜0.02)で、ポリビニルアルコール水溶液中のポリビニルアルコールの質量分率が9〜10%である、ことを特徴とする請求項1に記載のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ。
【請求項7】
前記中空マイクロガラスビーズは、粒度が20〜30μmで、壁厚さが1〜2μmである、ことを特徴とする請求項1に記載のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ。
【請求項8】
前記蛍光体は、黄色蛍光体及び赤色蛍光体の混合物であり、黄色蛍光の質量分率が90〜91.5%である、ことを特徴とする請求項1に記載のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED放熱パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光変換型白色光LEDパッケージの発光原理は、LEDチップの表面に蛍光体を塗布し、チップが発する光の励起により蛍光体が他の色の光を生成し、チップが発する光と混合して白色光を生成する。リモートフォスファー型白色光LEDパッケージは、蛍光体とLEDチップとの間に一定の厚さのパッケージ接着剤を充填することにより構成され、パッケージ接着剤により蛍光体とLEDチップとが仕切られ、さらに蛍光体とチップとの距離を増加させ、ランプの発光効率を向上させる。
【0003】
従来、LEDパッケージを採用するランプは、省エネで効率的であるという利点を有するが、LEDパッケージにおけるLEDチップの光変換効率が20〜30%程度であり、残りのエネルギーが内部エネルギーに変換してチップの温度を上昇させ、チップ温度が上昇すると、それと直接接触するパッケージ接着剤の耐用年数を短縮し、さらに炭化し、LEDパッケージの耐用年数を短縮する。従来のLEDパッケージにおけるLEDチップの放熱と蛍光体層の放熱は、台座により共同で完成し、LEDチップと蛍光体層は、互いに加熱し、従来のLEDパッケージにおいて、台座は平面状であることが多く、平面状の台座の受熱面積が小さいため、放熱性能が低下する。以上をまとめると、従来のLEDパッケージは、放熱性能が低下しているという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第103633230号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来のLEDパッケージの放熱性能が低いという問題を解決するために、ハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージを提供する。
【0006】
本発明のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージは、基板(1)、チップ(2)、熱伝導リング(3)、集光レンズ(5)、支持レンズ(6)及び蛍光体構造層(7)で構成される。
【0007】
前記基板(1)の上面に円柱形のボス(11)が設けられ、ボス(11)の上面の中央に逆円錐台形の止まり穴(12)が設けられ、止まり穴(12)の内壁が光反射面であり、熱伝導リング(3)が環状であり、熱伝導リング(3)の上面における内円周面に近接する位置に環状突起(31)が設けられ、環状突起(31)の外円周直径の寸法が下から上へ次第に小さくなり、環状突起(31)の内円周面が傾斜光反射面であり、熱伝導リング(3)の上面の環状突起(31)の外部に環状突起(31)と同心の環状溝(33)が設けられ、チップ(2)が基板(1)内の逆円錐台形の止まり穴(12)の底部に取り付けられ、止まり穴(12)内にパッケージ接着剤(4)が充填され、熱伝導リング(3)が基板(1)の上面に設けられたボス(11)に外嵌され、集光レンズ(5)が半球状レンズであり、集光レンズ(5)の平面側が止まり穴(12)に向かって止まり穴(12)の開口を覆い、蛍光体構造層(7)が熱伝導リング(3)の傾斜光反射面間の集光レンズ(5)の上面に塗布され、支持レンズ(6)が中空半球状レンズであり、支持レンズ(6)が蛍光体構造層(7)に外嵌され、かつ支持レンズ(6)の開口が環状溝(33)の内部に嵌め込まれる。
【0008】
前記蛍光体構造層(7)は、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズとシリカゲルとを混合して構成され、蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの体積分率が60〜65%である。
【0009】
本発明の原理及び有益な効果は、以下のとおりである。
【0010】
1、本発明は、中空マイクロガラスビーズの表面に蛍光体が付着されることにより、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズを含有する蛍光体構造層(7)を得ることができ、中空マイクロガラスビーズが完璧な球状表面と高い透明度の特徴を有するため、蛍光体構造層(7)の発光面の裏側の蛍光体によって励起して生成された白色光は、中空マイクロガラスビーズを介して発光面に伝達され、また蛍光体構造層(7)に存在する表面に蛍光体が付着した多層の中空マイクロガラスビーズと組み合わせて、蛍光体構造層(7)の発光面に重畳される白色光を生成することができ、これによって白色光の空間色度の均一性を改善し、散乱光、黄斑又は青心等の異常の発生を回避することができ、また中空マイクロガラスビーズは、完璧な球状表面を有するため、光線が入射した後に多角度の出射光を生成することができ、光をより均一にし、光拡散剤の代わりに機能することができる。
【0011】
従来の蛍光体層は、一般的に、蛍光体をエポキシ樹脂又はシリカゲルに混入して蛍光接着剤を製造し、最終的に蛍光接着剤をパッケージ接着剤の表面に塗布することにより構成され、蛍光接着剤内のエポキシ樹脂又はシリカゲルの割合が高いため、エポキシ樹脂又はシリカゲルの老化確率を向上させるとともに、コストを高めた。本発明における蛍光体構造層(7)では、シリカゲルを接着材料として中空マイクロガラスビーズを充填することにより、シリカゲル使用量を減少させ、従来のLEDパッケージにおけるシリカゲル使用量の35〜40%にすぎず、またコストを低下することができ、中空マイクロガラスビーズの高断熱性能により、蛍光体の発熱による周囲のシリカゲルへの影響も軽減することができる。
【0012】
2、本発明では、蛍光体層の放熱経路とチップの放熱経路がそれぞれ配置され、基板(1)はチップ(2)のために放熱し、熱伝導リング(3)は蛍光体構造層(7)のために放熱し、熱伝導リング(3)の環状突起(31)は蛍光体構造層(7)に接触して熱を伝達し、支持レンズ(6)の開口は環状溝(33)の内部に嵌め込まれ、環状突起(31)と蛍光体構造層(7)の上面が支持レンズ(6)の内面と共に空洞構造を形成するため、蛍光体構造層(7)が発する熱を空洞構造を介して環状突起(31)の上面に伝達して、吸収して放出することができる。熱伝導リング(3)の外円周面が支持レンズ(6)の外部に露出しかつ空気と接触するため、蛍光体構造層(7)の放熱に役立ち、基板(1)内の止まり穴(12)は、台座の受熱面積を増大させるため、チップ(2)の放熱効率を向上させることができる。
【0013】
3、本発明の集光レンズ(5)と止まり穴(12)内に充填されたパッケージ接着剤(4)は、蛍光体構造層(7)とチップ(2)との間の熱伝導を遮断することができ、また、蛍光体構造層(7)によって生成された白色光が集光レンズ(5)を介して屈折した後にチップ(2)の周囲に照射されるため、蛍光体構造層(7)のチップ(2)に対する放射発熱を回避する。
【0014】
4、止まり穴(12)の内壁の光反射面、熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜反射面及び集光レンズ(5)は、チップ(2)が発する光を蛍光体構造層(7)に集積することができ、チップ(2)の発光利用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージの構造概略図である。
図2】基板(1)の構造概略図である。
図3】熱伝導リング(3)の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の技術的手段は、以下に列挙する発明を実施するための形態に限定されず、それぞれの発明を実施するための形態間の任意の合理的な組み合わせをさらに含む。
【0017】
発明を実施するための形態1に関しては、図1〜3を参照して本実施形態を説明し、本実施形態のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージは、基板(1)、チップ(2)、熱伝導リング(3)、集光レンズ(5)、支持レンズ(6)及び蛍光体構造層(7)で構成される。
【0018】
前記基板(1)の上面に円柱形のボス(11)が設けられ、ボス(11)の上面の中心に逆円錐台形の止まり穴(12)が設けられ、止まり穴(12)の内壁は光反射面であり、熱伝導リング(3)は環状であり、熱伝導リング(3)の上面における内円周面に近接する位置に環状突起(31)が設けられ、環状突起(31)の外円周直径の寸法が下から上へ次第に小さくなり、環状突起(31)の内円周面が傾斜光反射面であり、熱伝導リング(3)の上面の環状突起(31)の外部に環状突起(31)と同心の環状溝(33)が設けられ、チップ(2)が基板(1)の逆円錐台形の止まり穴(12)の底部に取り付けられ、止まり穴(12)内にパッケージ接着剤(4)が充填され、熱伝導リング(3)が基板(1)の上面に設けられたボス(11)に外嵌され、集光レンズ(5)が半球状レンズであり、集光レンズ(5)の平面側が止まり穴(12)に向かって止まり穴(12)の開口を覆い、蛍光体構造層(7)が熱伝導リング(3)の傾斜光反射面間の集光レンズ(5)の上面に塗布され、支持レンズ(6)が中空半球状レンズであり、支持レンズ(6)が蛍光体構造層(7)に外嵌され、かつ支持レンズ(6)の開口が環状溝(33)の内部に嵌め込まれる。
【0019】
前記蛍光体構造層(7)は、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズとシリカゲルとを混合して構成され、蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの体積分率が60〜65%である。
【0020】
本実施形態は、以下の有益な効果を有する。
【0021】
1、本実施形態は、中空マイクロガラスビーズの表面に蛍光体が付着することにより、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズを含有する蛍光体構造層(7)を得ることができ、中空マイクロガラスビーズが完璧な球状表面と高い透明度の特徴を有するため、蛍光体構造層(7)の発光面の裏側の蛍光体によって励起して生成された白色光は、中空マイクロガラスビーズを介して発光面に伝達され、また蛍光体構造層(7)に存在する表面に蛍光体が付着した多層の中空マイクロガラスビーズと組み合わせて、蛍光体構造層(7)の発光面に重畳される白色光を生成することができ、これによって白色光の空間色度の均一性を改善し、散乱光、黄斑又は青心等の異常の発生を回避することができ、また中空マイクロガラスビーズは、完璧な球状表面を有するため、光線が入射した後に多角度の出射光を生成することができ、光をより均一にし、光拡散剤の代わりに機能することができる。
【0022】
従来の蛍光体層は、一般的に、蛍光体をエポキシ樹脂又はシリカゲルに混入して蛍光接着剤を製造し、最終的に蛍光接着剤をパッケージ接着剤の表面に塗布することにより構成され、蛍光接着剤内のエポキシ樹脂又はシリカゲルの割合が高いため、エポキシ樹脂又はシリカゲルの老化確率を向上させるとともに、コストを高める。本発明における蛍光体構造層(7)では、シリカゲルを接着材料として中空マイクロガラスビーズを充填することにより、シリカゲル使用量を減少させ、従来のLEDパッケージにおけるシリカゲル使用量の35〜40%にすぎず、またコストを低下することができ、中空マイクロガラスビーズの高断熱性能により、蛍光体の発熱による周囲のシリカゲルへの影響も軽減することができる。
【0023】
2、本実施形態では、蛍光体層の放熱経路とチップの放熱経路がそれぞれ配置され、基板(1)はチップ(2)のために放熱し、熱伝導リング(3)は蛍光体構造層(7)のために放熱し、熱伝導リング(3)の環状突起(31)は蛍光体構造層(7)に接触して熱を伝達し、支持レンズ(6)の開口は環状溝(33)の内部に嵌め込まれ、環状突起(31)と蛍光体構造層(7)の上面が支持レンズ(6)の内面と共に空洞構造を形成するため、蛍光体構造層(7)が発する熱を空洞構造を介して環状突起(31)の上面に伝達して、吸収して放出することができる。熱伝導リング(3)の外円周面が支持レンズ(6)の外部に露出しかつ空気と接触するため、蛍光体構造層(7)の放熱に役立ち、基板(1)内の止まり穴(12)は、台座の受熱面積を増大させるため、チップ(2)の放熱効率を向上させることができる。
【0024】
3、本実施形態の集光レンズ(5)と止まり穴(12)内に充填されたパッケージ接着剤(4)は、蛍光体構造層(7)とチップ(2)との間の熱伝導を遮断することができ、また、蛍光体構造層(7)によって生成された白色光が集光レンズ(5)を介して屈折した後にチップ(2)の周囲に照射されるため、蛍光体構造層(7)のチップ(2)に対する放射発熱を回避する。
【0025】
4、止まり穴(12)の内壁の光反射面、熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜反射面及び集光レンズ(5)は、チップ(2)が発する光を蛍光体構造層(7)に集積することができ、チップ(2)の発光利用率を向上させることができる。
【0026】
発明を実施するための形態2に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態1に比べて、前記止まり穴(12)の内壁の光反射面と熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜光反射面が研磨するか又は光反射コーティングを塗布して得られるものであり、又は、前記止まり穴(12)の内壁の光反射面と熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜光反射面にはニッケル層又は銀層がメッキされているという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態1と同じである。
【0027】
発明を実施するための形態3に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態1又は2と比べて、前記パッケージ接着剤(4)がシリカゲルであるという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態1又は2と同じである。
【0028】
発明を実施するための形態4に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態1〜3のうちの1つと比べて、前記基板(1)がmcpcbアルミニウム基板であるという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態1〜3のうちの1つと同じである。
【0029】
発明を実施するための形態5に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態1〜4のうちの1つと比べて、前記熱伝導リング(3)の材質が純銅又はアルミニウム合金であるという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態1〜4のうちの1つと同じである。
【0030】
発明を実施するための形態6に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態5と比べて、前記アルミニウム合金がAl−Si合金又はAl−Si−Mg合金であるという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態5と同じである。
【0031】
発明を実施するための形態7に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態1〜6のうちの1つと比べて、前記表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの製造方法が、中空マイクロガラスビーズをポリビニルアルコール水溶液と混合し、架橋剤ADHを添加し、均一に撹拌した後に蛍光体と混合して撹拌し、乾燥させた後に、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズを得るという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態1〜6のうちの1つと同じである。
【0032】
発明を実施するための形態8に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態7と比べて、前記中空マイクロガラスビーズとポリビニルアルコール水溶液との体積比が1:(0.04〜0.05)で、中空マイクロガラスビーズと蛍光体との体積比が1:(0.01〜0.02)で、ポリビニルアルコール水溶液中のポリビニルアルコールの質量分率が9〜10%であるという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態7と同じである。
【0033】
発明を実施するための形態9に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態7又は8と比べて、前記蛍光体が黄色蛍光体及び赤色蛍光体の混合物であり、黄色蛍光の質量分率が90〜91.5%であり、また、前記中空マイクロガラスビーズの粒度が20〜30μmで、壁厚さが1〜2μmであるという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態7又は8と同じである。
【0034】
発明を実施するための形態10に関しては、本実施形態は、発明を実施するための形態7〜9のうちの1つと比べて、前記蛍光体が黄色蛍光体及び赤色蛍光体の混合物であり、黄色蛍光の質量分率が90〜91.5%であるという点で異なる。他のステップ及びパラメータは、発明を実施するための形態7〜9のうちの1つと同じである。
【0035】
以下の実施例を採用して本発明の有益な効果を検証する。
実施例1
【0036】
本実施例のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージは、基板(1)、チップ(2)、熱伝導リング(3)、集光レンズ(5)、支持レンズ(6)及び蛍光体構造層(7)で構成される。
【0037】
前記基板(1)の上面に円柱形のボス(11)が設けられ、ボス(11)の上面の中央に逆円錐台形の止まり穴(12)が設けられ、止まり穴(12)の内壁は光反射面であり、熱伝導リング(3)は環状であり、熱伝導リング(3)の上面における内円周面に近接する位置に環状突起(31)が設けられ、環状突起(31)の外円周直径の寸法が下から上へ次第に小さくなり、環状突起(31)の内円周面が傾斜光反射面であり、熱伝導リング(3)の上面の環状突起(31)の外部に環状突起(31)と同心の環状溝(33)が設けられ、チップ(2)が基板(1)の逆円錐台形の止まり穴(12)の底部に取り付けられ、止まり穴(12)内にパッケージ接着剤(4)が充填され、熱伝導リング(3)が、基板(1)の上面に設けられたボス(11)に外嵌され、集光レンズ(5)が半球状レンズであり、集光レンズ(5)の平面側が止まり穴(12)に向かって止まり穴(12)の開口を覆い、蛍光体構造層(7)が熱伝導リング(3)の傾斜光反射面間の集光レンズ(5)の上面に塗布され、支持レンズ(6)が中空半球状レンズであり、支持レンズ(6)が蛍光体構造層(7)に外嵌され、かつ支持レンズ(6)の開口が環状溝(33)の内部に嵌め込まれ、前記蛍光体構造層(7)は、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズとシリカゲルとを混合して構成され、蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの体積分率が65%である。
【0038】
前記止まり穴(12)の内壁の光反射面と熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜光反射面は、研磨して得られるものであり、パッケージ接着剤(4)はシリカゲルであり、基板(1)はmcpcbアルミニウム基板であり、熱伝導リング(3)の材質は純銅であり、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの製造方法は、中空マイクロガラスビーズをポリビニルアルコール水溶液と混合し、架橋剤ADHを添加し、均一に撹拌した後に蛍光体と混合して撹拌し、乾燥させた後に、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズを得、中空マイクロガラスビーズとポリビニルアルコール水溶液との体積比が1:0.04で、中空マイクロガラスビーズと蛍光体との体積比が1:0.02で、ポリビニルアルコール水溶液中のポリビニルアルコールの質量分率が10%であり、中空マイクロガラスビーズは、粒度が30μmで、壁厚さが1μmであり、蛍光体は、黄色蛍光体及び赤色蛍光体の混合物であり、黄色蛍光の質量分率が90%である。
【0039】
光度計積分球を用いて光束、色温度及び発色指数を測定し、測定電流を120mAにし、10h後に室温(25℃)で電圧法により測定し、LED接合部の温度が75℃であることが得られ、また、赤外線サーモグラフィーを用いて、熱伝導リング(3)の露出位置の温度が35℃であることが得られ、これは、蛍光体構造層(7)の熱が効果的に導出されることを示す。本実施例のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージの白色光は、安定して出力することができ、1200h連続点灯した後、光束がほとんど変化せず、発色指数が88に達し、色温度が3700Kである。
実施例2
【0040】
本実施例のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージは、基板(1)、チップ(2)、熱伝導リング(3)、集光レンズ(5)、支持レンズ(6)及び蛍光体構造層(7)で構成される。
【0041】
前記基板(1)の上面に円柱形のボス(11)が設けられ、ボス(11)の上面の中央に逆円錐台形の止まり穴(12)が設けられ、止まり穴(12)の内壁が光反射面であり、熱伝導リング(3)が環状であり、熱伝導リング(3)の上面における内円周面に近接する位置に環状突起(31)が設けられ、環状突起(31)の外円周直径の寸法が下から上へ次第に小さくなり、環状突起(31)の内円周面が傾斜光反射面であり、熱伝導リング(3)の上面の環状突起(31)の外部に環状突起(31)と同心の環状溝(33)が設けられ、チップ(2)が基板(1)の逆円錐台形の止まり穴(12)の底部に取り付けられ、止まり穴(12)内にパッケージ接着剤(4)が充填され、熱伝導リング(3)が、基板(1)の上面に設けられたボス(11)に外嵌され、集光レンズ(5)が半球状レンズであり、集光レンズ(5)の平面側が止まり穴(12)に向かって止まり穴(12)の開口を覆い、蛍光体構造層(7)が熱伝導リング(3)の傾斜光反射面間の集光レンズ(5)の上面に塗布され、支持レンズ(6)が中空半球状レンズであり、支持レンズ(6)が蛍光体構造層(7)に外嵌され、かつ支持レンズ(6)の開口が環状溝(33)の内部に嵌め込まれ、前記蛍光体構造層(7)が、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズとシリカゲルとを混合して構成され、蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの体積分率が65%である。
【0042】
前記止まり穴(12)の内壁の光反射面と熱伝導リング(3)内の環状突起(31)の傾斜光反射面に銀層がメッキされ、基板(1)はmcpcbアルミニウム基板であり、熱伝導リング(3)の材質はAl−Si−Mg合金であり、パッケージ接着剤(4)はシリカゲルであり、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズの製造方法は、中空マイクロガラスビーズをポリビニルアルコール水溶液と混合し、架橋剤ADHを添加し、均一に撹拌した後に蛍光体と混合して撹拌し、乾燥させた後に、表面に蛍光体が付着した中空マイクロガラスビーズを得、中空マイクロガラスビーズとポリビニルアルコール水溶液との体積比が1:0.05で、中空マイクロガラスビーズと蛍光体との体積比が1:0.01で、ポリビニルアルコール水溶液中のポリビニルアルコールの質量分率が9.5%であり、中空マイクロガラスビーズは、粒度が20μmで、壁厚さが1.5μmであり、蛍光体は、黄色蛍光体及び赤色蛍光体の混合物であり、黄色蛍光の質量分率が91%である。
【0043】
光度計積分球を用いて光束、色温度及び発色指数を測定し、測定電流を120mAにし、10h後に室温(25℃)で電圧法により測定し、LED接合部の温度が73℃であることが得られ、また、赤外線サーモグラフィーを用いて、熱伝導リング(3)の露出位置の温度が33℃であることが得られ、これは、蛍光体構造層(7)の熱が効果的に導出されることを示す。本実施例のハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージの白色光は、安定して出力することができ、1200h連続点灯した後、光束がほとんど変化せず、発色指数が85に達し、色温度が4000Kである。
【要約】      (修正有)
【課題】ハイパワーリモートフォスファー型白色光LED放熱パッケージを提供する。
【解決手段】パッケージ構造は、基板1、チップ2、熱伝導リング3、集光レンズ5、支持レンズ6及び蛍光体構造層7で構成され、基板にボスが設けられ、ボスに止まり穴が設けられ、内壁が光反射面であり、チップが止まり穴の底部に取り付けられ、止まり穴内にパッケージ接着剤4が充填され、熱伝導リングがボスに外嵌され、集光レンズが止まり穴を覆い、蛍光体構造層が集光レンズの上面に塗布され、支持レンズが蛍光体構造層に外嵌され、蛍光体構造層内に中空マイクロガラスビーズが含まれ、中空マイクロガラスビーズを利用して白色光の空間色度の均一性を改善し、コストを低下し、かつ、基板はチップのために放熱し、熱伝導リングは蛍光層のために放熱する。
【選択図】図1
図1
図2
図3