(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一反射部の前記中央部が、前記第一反射部の前記両端部よりも反射度合いが高く、前記第二反射部の前記両端部が、前記第二反射部の前記中央部よりも反射度合いが高い、請求項2に記載の定着装置。
前記第一反射部の前記第一軸方向での前記両端部に位置する第一端部表面は、前記第一反射部の前記第一軸方向での前記中央部に位置する第一中央部表面よりも低い反射率を有しており、
前記第二反射部の前記第二軸方向での前記中央部に位置する第二中央部表面は、前記第二反射部の前記第二軸方向での前記両端部に位置する第二端部表面よりも低い反射率を有している、
請求項1又は請求項3に記載の定着装置。
前記第一及び第二ハロゲンランプの各前記配熱分布は、前記第一及び第二ハロゲンランプの各前記発熱領域が前記第一及び第二軸方向で互いに重複している重複領域を有しており、
前記第一反射部における前記中央部と前記両端部との境界、及び、前記第二反射部における前記中央部と前記両端部との境界が、前記第一及び第二軸方向で前記重複領域に位置している、請求項6に記載の定着装置。
前記第一遮光部における前記第一軸方向で内側の端部、及び、前記第二遮光部における前記第二軸方向で外側の端部が、前記第一及び第二軸方向で前記重複領域に位置している、請求項2を間接的に引用する請求項7に記載の定着装置。
前記第一伝熱部は、前記第一反射部の前記中央部に対応する前記第一軸方向での中央部に位置する第一中央伝熱部と、前記第一反射部の前記両端部に対応する前記第一軸方向での両端部に位置する第一端伝熱部とを有し、前記第一端伝熱部は、前記第一中央伝熱部よりも熱伝導率が低く、
前記第二伝熱部は、前記第二反射部の前記中央部に対応する前記第二軸方向での中央部に位置する第二中央伝熱部と、前記第二反射部の前記両端部に対応する前記第二軸方向での両端部に位置する第二端伝熱部とを有し、前記第二中央伝熱部は、前記第二端伝熱部よりも熱伝導率が低い、請求項1−15の何れか一項に記載の定着装置。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0032】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、記録媒体搬送ユニット10、転写ユニット20、感光体ドラム30、4つの現像ユニット100、及び、定着ユニット40(定着装置)を含んで構成される。
【0033】
記録媒体搬送ユニット10は、最終的に画像が形成される記録媒体としての用紙Pを収容すると共に、用紙Pを記録媒体搬送路上に搬送する。なお、記録媒体として、例えば用紙以外に、OHP用のフィルム等を用いてもよい。用紙Pは、カセットに積層して収容される。記録媒体搬送ユニット10は、用紙Pに転写されるトナー像が二次転写領域Rに到達するタイミングで、用紙Pを二次転写領域Rに到達させる。
【0034】
転写ユニット20は、4つの現像ユニット100により形成されたトナー像を、用紙Pに二次転写する二次転写領域Rに搬送する。転写ユニット20は、転写ベルト21と、転写ベルト21を懸架する懸架ローラ21a、21b、21c及び21dと、感光体ドラム30と共に転写ベルト21を挟持する一次転写ローラ22と、懸架ローラ21dと共に転写ベルト21を挟持する二次転写ローラ24とを含んで構成される。
【0035】
転写ベルト21は、懸架ローラ21a、21b、21c及び21dにより循環移動される無端状のベルトである。一次転写ローラ22は、転写ベルト21の内周側から感光体ドラム30を押圧するように設けられる。一方、二次転写ローラ24は、転写ベルト21の外周側から懸架ローラ21dを押圧するように設けられる。また、転写ユニット20は、転写ベルト21に付着したトナーを除去するベルトクリーニング装置等を更に備えていてもよい。
【0036】
感光体ドラム30は、周面に画像が形成される静電潜像担持体であり、例えばOPC(Organic PhotoConductor)からなる。本実施形態に係る画像形成装置1は、カラー画像を形成可能な装置であり、例えばマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応して、4つの感光体ドラム30が転写ベルト21の移動方向に沿って設けられている。各感光体ドラム30の周上には、
図1に示すように、帯電ローラ32、露光ユニット34、現像ユニット100、及び、クリーニングユニット38がそれぞれ設けられている。
【0037】
帯電ローラ32は、感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光ユニット34は、帯電ローラ32により帯電した感光体ドラム30の表面を、用紙Pに形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体ドラム30の表面のうち露光ユニット34により露光された部分の電位が変化し、静電潜像が形成される。4つの現像ユニット100は、各現像ユニット100に対応して設けられたトナータンク36から供給されたトナーによって感光体ドラム30に形成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。4つのトナータンク36内には、それぞれ、マゼンダ、イエロー、シアン、及び、ブラックのトナーが充填されている。
【0038】
クリーニングユニット38は、感光体ドラム30上に形成されたトナー像が転写ベルト21に一次転写された後に感光体ドラム30上に残存するトナーを回収する。クリーニングユニット38は、例えばクリーニングブレードを設け、感光体ドラム30の周面にクリーニングブレードを当接させることにより感光体ドラム30上の残トナーをそぎ落とす構成を用いることができる。なお、感光体ドラム30の周上には、感光体ドラム30の回転方向においてクリーニングユニット38と帯電ローラ32との間に、感光体ドラム30の電位をリセットする除電ランプを配置することもできる。
【0039】
定着ユニット40は、転写ベルト21から用紙Pへ二次転写されたトナー像を用紙Pに付着させ、定着させる。定着ユニット40は、例えば、加熱ローラ42と、加圧ローラ44とを含んで構成される。加熱ローラ42は、回転軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、その内部には例えばハロゲンランプなどの熱源が設けられている。加圧ローラ44は、回転軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、加熱ローラ42を押圧するように設けられる。加熱ローラ42及び加圧ローラ44の外周面には、例えばシリコーンゴム等の耐熱弾性層が設けられる。加熱ローラ42と加圧ローラ44との接触領域であるニップ部Nに用紙Pを通過させることにより、トナー像を用紙Pに溶融定着させる。
【0040】
また、画像形成装置1には、定着ユニット40によりトナー像が定着された用紙Pを装置外部へ排出するための排出ローラ52,54が設けられている。
【0041】
次に、画像形成装置1の動作について説明する。画像形成装置1に被記録画像の画像信号が入力されると、画像形成装置1の制御部は、受信した画像信号に基づいて、帯電ローラ32により感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させた後、露光ユニット34により感光体ドラム30の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。
【0042】
一方、現像ユニット100では、トナーとキャリアとを混合攪拌して十分に帯電させた後、トナーとキャリアとを混合することで生成される現像剤を現像ローラ110に担持させる。そして、現像ローラ110の回転により現像剤が感光体ドラム30と対向する領域まで搬送されると、現像ローラ110に担持された現像剤のうちのトナーが感光体ドラム30の周面上に形成された静電潜像に移動し、静電潜像が現像される。こうして形成されたトナー像は、感光体ドラム30と転写ベルト21とが対向する領域において、感光体ドラム30から転写ベルト21へ一次転写される。転写ベルト21には、4つの感光体ドラム30上に形成されたトナー像が順次積層されて、1つの積層トナー像が形成される。そして、積層トナー像は、懸架ローラ21dと二次転写ローラ24とが対向する二次転写領域Rにおいて、記録媒体搬送ユニット10から搬送された用紙Pに二次転写される。
【0043】
積層トナー像が二次転写された用紙Pは、定着ユニット40へ搬送される。用紙Pを加熱ローラ42と加圧ローラ44との間で熱及び圧力を加えながら通過させることにより、積層トナー像を用紙Pに溶融定着させる。その後、用紙Pは、排出ローラ52及び54により画像形成装置1の外部へ排出される。一方、転写ベルト21は、ベルトクリーニング装置を備える場合、積層トナー像が用紙Pへ二次転写された後、転写ベルト21に残存するトナーをベルトクリーニング装置により除去してもよい。
【0044】
次に、
図2を参照して、定着ユニット40について、より詳細に説明する。
図2は、第1実施形態に係る定着ユニット40の概略構成を示す模式断面図である。
図2に示すように、定着ユニット40は、加熱ローラ42(加熱回転体)、ハロゲンランプ11(第一ハロゲンランプ)、ハロゲンランプ12(第二ハロゲンランプ)、反射板60(第一反射部材)、反射板70(第二反射部材)、及び加圧ローラ44(加圧回転体)を備えている。
【0045】
加熱ローラ42は、加圧ローラ44に対向して配置されており、加圧ローラ44と協働して用紙Pに静電転写されたトナー像(未定着画像)を用紙Pに熱定着させる部材である。加熱ローラ42は、例えばベルト状である。なお、加熱ローラ42は、ローラ状であってもよい。加熱ローラ42は、中空円筒状に形成されている。加熱ローラ42の回転軸方向(幅方向)は、用紙Pの幅方向に略一致している。以下、加熱ローラ42の回転軸方向での長さを、単に「加熱ローラ42の幅」ともいう。
【0046】
加熱ローラ42は、アルミニウム又は鉄等の金属材料が円筒状に形成された芯金と、芯金の外周に積層された離形層とを有している。離形層は、例えばPFA又はPTFE等のフッ素樹脂フィルム又はコーティングといった離形性材料から構成されており、帯電しやすくなっている。加熱ローラ42は、回転軸にギアを介して接続された不図示の駆動部により、例えば反時計回りに回転する。
【0047】
加熱ローラ42の内部には、押圧部19、ハロゲンランプ11,12及び反射板60,70が配置されている。押圧部19と加熱ローラ42との間には、反射板60,70の横部62b,72b(
図4参照)が位置している。押圧部19は、反射板60,70の横部62b,72bを介して加熱ローラ42を押圧している。すなわち、押圧部19は、加圧ローラ44からの圧力を受けている。押圧部19は、例えば、受材17,18を含んでいる。受材17は、例えば鉄製である。受材18は、例えば樹脂製である。受材17,18は、ニップ部N側から順に、受材17、及び受材18の順に配置されている。なお、押圧部19は、例えば同じ材料からなる一つの部材で構成されていてもよい。
【0048】
加熱ローラ42の内部において、ハロゲンランプ11及び反射板60は、仮想線Xの一方側(紙面右側)に位置しており、ハロゲンランプ12及び反射板70は、仮想線Xの他方側(紙面左側)に位置している。すなわち、ハロゲンランプ11及び反射板60と、ハロゲンランプ12及び反射板70とは、仮想線Xに対して線対称となるように配置されている。仮想線Xとは、ニップ部Nの中心を通り、且つ、ニップ部Nの接線に対して直交する線である。
【0049】
ハロゲンランプ11,12は、加熱ローラ42を加熱する発熱体である。ハロゲンランプ11,12は、加熱ローラ42の回転軸方向に沿ってそれぞれ延びている。ハロゲンランプ12は、ハロゲンランプ11と並列に配置されている。すなわち、ハロゲンランプ11とハロゲンランプ12とは、互いに略平行に延在している。
【0050】
図3は、ハロゲンランプ11,12の模式図を示す概念図である。
図3の(a)は、ハロゲンランプ11の模式図を示し、
図3の(b)は、ハロゲンランプ12の模式図を示している。ハロゲンランプ11の軸方向Y1(第一軸方向)及びハロゲンランプ12の軸方向Y2(第二軸方向)は、加熱ローラ42の回転軸方向、すなわち用紙Pの幅方向に略一致している。
【0051】
図3の(a)に示すように、ハロゲンランプ11は、例えば中央部加熱用の配熱分布を有している。中央部加熱用の配熱分布とは、例えば、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に比べて中央部側をより加熱するように、ハロゲンランプ11の軸方向Y1で両端部側に比べて中央部側の熱量が高い分布である。中央部加熱用の配熱分布は、加熱ローラ42における回転軸方向で中央側の加熱に寄与する発熱領域H1を有している。加熱ローラ42における回転軸方向で中央部側(以下、「加熱ローラ42の中央部分」ともいう)とは、例えば加熱ローラ42の全体の幅の中心から外側に所定範囲(例えば、約70[mm]以上であり且つ約120[mm]以下)広がった領域である。加熱ローラ42の中央部分の幅は、例えば幅の狭い用紙Pの幅に略等しい。すなわち、ハロゲンランプ11は、加熱ローラ42における幅の狭い用紙Pに対応する領域の加熱に寄与する。
【0052】
発熱領域H1の幅は、加熱ローラ42の中央部分の幅、すなわち幅の狭い用紙Pの幅よりも、所定幅(例えば、約0[mm]以上であり且つ約20[mm]以下)だけ大きい。発熱領域H1は、単位長さ当たりの熱量が例えば少なくとも2[W/mm]以上となる領域である。なお、発熱領域H1以外の非発熱領域(すなわちハロゲンランプ11の軸方向Y1で両端部側)は、発熱しない又は発熱領域H1に比べて発熱量が例えば1[W/mm]以下であり発熱領域H1に比べて小さいため、加熱ローラ42の加熱に寄与しないとみなしてよい。
【0053】
図3の(b)に示すように、ハロゲンランプ12は、例えば端部加熱用の配熱分布を有している。端部加熱用の配熱分布とは、例えば、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に比べて両端部側をより加熱するように、ハロゲンランプ12の軸方向で中央部側に比べて両端部側の熱量が高い分布である。端部加熱用の配熱分布は、加熱ローラ42における回転軸方向で両端部側の加熱に寄与する発熱領域H2を有している。加熱ローラ42における回転軸方向で両端部側(以下、「加熱ローラ42の両端部分」ともいう)とは、例えば加熱ローラ42の中央部分の外側の領域である。加熱ローラ42の両端部分は、例えば、加熱ローラ42の全体の幅の中心から所定距離(例えば、約70[mm]以上であり且つ120[mm]以下)離れて位置する第一の所定位置と、加熱ローラ42の全体の幅の中心から所定距離(例えば、約160[mm])離れて位置する第二の所定位置との間の領域である。加熱ローラ42の中央部分と両端部分とを合わせた領域の幅は、例えば幅の広い用紙Pの幅に略等しい。すなわち、ハロゲンランプ12は、ハロゲンランプ11と合成することで、加熱ローラ42における幅の広い用紙に対応する領域の加熱に寄与する。
【0054】
発熱領域H1と発熱領域H2とを含む領域の幅は、加熱ローラ42の中央部分と両端部分とを合わせた領域の幅、すなわち幅の広い用紙Pの幅よりも、所定幅(例えば、約0[mm]以上であり且つ約10[mm]以下)だけ大きい。発熱領域H2は、単位長さ当たりの熱量が例えば少なくとも2[W/mm]以上となる領域である。なお、発熱領域H2以外の非発熱領域(すなわちハロゲンランプ12の軸方向Y2で中央部側)は、発熱しない又は発熱領域H2に比べて発熱量が例えば1[W/mm]以下であり小さいため、加熱ローラ42の加熱に寄与しないとみなしてよい。
【0055】
ハロゲンランプ11,12の各配熱分布は、重複領域Dを有している。重複領域Dは、ハロゲンランプ11の発熱領域H1と、ハロゲンランプ12の発熱領域H2とが、軸方向Y1,Y2で互いに重複している領域である。重複領域Dの軸方向Y1,Y2での幅は、例えば約0[mm]以上であり且つ約20[mm]以下である。
【0056】
なお、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布は、上述した分布に限られない。例えば、発熱領域H1の軸方向Y1,Y2での幅は、例えば幅の狭い用紙Pの幅と略同じであってもよく、発熱領域H1と発熱領域H2とを含む領域の軸方向Y1,Y2の幅は、例えば幅の広い用紙Pの幅と同じであってもよい。発熱領域H1と発熱領域H2とは、軸方向Y1,Y2で互いに重複していなくてもよい。また、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布は、軸方向Y1,Y2で中央部側も両端部側も略同じ発熱量で加熱する一様な配熱分布であってもよい。すなわち、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布が同じであってもよい。
【0057】
再び
図2を参照し、反射板60は、ハロゲンランプ11に対応して設けられている。反射板60は、その表面がハロゲンランプ11側に向けられており、ハロゲンランプ11からの光を加熱ローラ42へ反射する。一方、反射板60は、その表面がハロゲンランプ12側に向けられておらず、ハロゲンランプ12からの光を加熱ローラ42へ反射しない。反射板60は、ハロゲンランプ11よりもニップ部N側に配置されている。反射板60は、ハロゲンランプ11の軸方向に沿って延在している。反射板60は、板状部材であって、仮想線X側が開口された半割管状を呈している。反射板60の詳細については、
図4を参照して後述する。
【0058】
反射板70は、ハロゲンランプ12に対応して設けられている。反射板70は、その表面がハロゲンランプ12側に向けられており、ハロゲンランプ12からの光を加熱ローラ42へ反射する。一方、反射板70は、その表面がハロゲンランプ11側に向けられておらず、ハロゲンランプ11からの光を加熱ローラ42へ反射しない。反射板70は、ハロゲンランプ12よりもニップ部N側に配置されている。反射板70は、ハロゲンランプ12の軸方向に沿って延在している。反射板70は、板状部材であって、仮想線X側が開口された半割管状を呈している。反射板70の詳細については、
図4を参照して後述する。
【0059】
反射板60及び反射板70は、互いに略平行に延在している。反射板60の開口されている側と、反射板70の開口されている側とは、互いに仮想線Xを介して離間して向かい合っている。反射板60と反射板70とは、それぞれ独立して設けられており、互いに非接触である。反射板60,70は、受材17と加熱ローラ42との間に挟み込まれて支持されている。
【0060】
加圧ローラ44は、加圧機構により加熱ローラ42側に向けて所定の圧力で付勢されて加熱ローラ42に圧接するように配置された部材である。加圧ローラ44は、例えばローラ状である。なお、加圧ローラ44は、ベルト状であってもよい。加圧ローラ44は、加熱ローラ42と協働して、用紙Pに静電転写されたトナー像に対して圧力を付与することにより、トナー像を用紙Pに定着させる。
【0061】
加圧ローラ44は、ステンレス等の金属材料が円筒状に形成された芯金と、芯金の外周に積層された弾性層と、弾性層の外周に積層された離形層とを含んで構成される。弾性層は、例えばシリコーンゴム又はフッ素ゴム等の弾性を有する材料から構成されている。離形層は、例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂フィルム又はコーティングといった離形性を有する材料から構成されている。加圧ローラ44は、回転軸にギアを介して接続された不図示の駆動部により、例えば時計回りに回転する。加圧ローラ44は、加熱ローラ42に圧接されて、加熱ローラ42との間にニップ部Nを形成する。用紙Pは、搬送方向Aに搬送され、ニップ部Nを通過する。
【0062】
次に、
図4を参照して、反射板60及び反射板70の詳細について説明する。
図4は、
図2の反射板60,70を示す概略斜視図である。
図4の(a)は、反射板70を示している。説明のため、
図4の(a)では、ハロゲンランプ12の軸方向Y2を一点鎖線の矢印で示している。
図4の(b)は、反射板60を示している。説明のため、
図4の(b)では、ハロゲンランプ11の軸方向Y1を一点鎖線の矢印で示している。軸方向Y1及び軸方向Y2は略平行であり、加熱ローラ42の回転軸方向、すなわち用紙Pの幅方向に略一致している。
【0063】
図4の(b)に示すように、反射板60は、反射部61(第一反射部)と、伝熱部62(第一伝熱部)とを有している。反射部61は、ハロゲンランプ11に対して凸状の曲面を有している。反射部61は、ハロゲンランプ11からの光を、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側へ反射させる。反射部61の反射率は100%未満である。すなわち、反射部61は、ハロゲンランプ11からの光の全てを反射するわけではなく、反射しきれなかった光を吸収する。以下、光の反射度合いを単に「反射度合い」ともいい、光の反射率を単に「反射率」ともいう。
【0064】
反射部61は、軸方向Y1で両端部側よりも中央部側の反射度合いが高い。すなわち、反射部61は、軸方向Y1で中央部側よりも両端部側の反射度合いが低い。なお、本明細書において、軸方向Y1で中央部側よりも両端部側の反射度合いが低いとは、軸方向Y1で両端部側の反射率が軸方向で中央部側の反射率よりも相対的に低いことだけでなく、軸方向Y1で両端部側において光を反射しないことも含む。
【0065】
具体的に、反射部61は、軸方向Y1での中央部に位置する中央部表面61a(第一中央部表面)と、軸方向Y1での両端部に位置する端部表面61b(第一端部表面)とを有している。中央部表面61a及び端部表面61bは、ハロゲンランプ11側の表面である。端部表面61bは、中央部表面61aよりも低い反射率を有している。すなわち、端部表面61bは、中央部表面61aよりも反射率が低くなるように表面処理されており、中央部表面61aは、端部表面61bよりも反射率が高くなるように表面処理されていている。例えば、端部表面61bは、めっき加工による黒色化又は粗面加工による凹凸形状化等がされており、中央部表面61aは、鏡面加工による鏡面化等がされている。
【0066】
中央部表面61aと端部表面61bとの境界61c(すなわち、反射部61の軸方向Y1での中央部側と両端部側との境界)は、例えば、軸方向Y1で、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布の重複領域D(
図3参照)に位置している。すなわち、重複領域Dにおいて、反射部61による反射度合いが切り替わる。重複領域Dにおいて、境界61cよりも軸方向Y1で外側(両端部側)では、境界61cよりも軸方向Y1で内側(中央部側)に比べて、ハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42に反射され難い。よって、重複領域Dにおいて、ハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42へ反射される反射度合いを抑えることができる。
【0067】
伝熱部62は、軸方向Y1で反射部61と略同じ幅を有している。伝熱部62は、反射部61側から加熱ローラ42側へ延在している縦部62aと、加熱ローラ42の内側表面に接触している横部62b(第一接触部)とを有している。縦部62aは、加熱ローラ42の内側表面に対して交差する方向に延びており、横部62bは、加熱ローラ42の内側表面に沿って延びている。縦部62aは、反射部61により吸収されたハロゲンランプ11からの光による熱を加熱ローラ42側の横部62bへと伝導する。
【0068】
横部62bは、加熱ローラ42の内側表面に対して略平行に延びている。横部62bは、加熱ローラ42の内側表面のニップ部Nまで延びている(
図2参照)。横部62bは、縦部62aから伝えられた熱を加熱ローラ42へ伝導する。これにより、反射部61がハロゲンランプ11から受けた光のうち、加熱ローラ42へ反射されなかった光による熱(以下、「第一吸収熱」ともいう)が、ニップ部Nに伝導される。
【0069】
図4の(a)に示すように、反射板70は、反射部71(第二反射部)と、伝熱部(第二伝熱部)72とを有している。反射部71は、ハロゲンランプ12に対して凸状の曲面を有している。反射部71は、ハロゲンランプ12からの光を、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へ反射させる。反射部71の反射率は100%未満である。すなわち、反射部71は、ハロゲンランプ12からの光の全てを反射するわけではなく、反射しきれなかった光を吸収する。
【0070】
反射部71は、軸方向Y2で中央部側よりも両端部側の反射度合いが高い。すなわち、反射部71は、軸方向Y2で両端部側よりも中央部側の反射度合いが低い。なお、本明細書において、軸方向Y2で両端部側よりも中央部側の反射度合いが低いとは、軸方向Y2で中央部側の反射率が軸方向Y2で両端部側の反射率よりも相対的に低いことだけでなく、軸方向Y2で中央部側において光を反射しないことも含む。
【0071】
具体的に、反射部71は、軸方向Y2での中央部に位置する中央部表面71a(第二中央部表面)と、軸方向Y2での両端部に位置する端部表面71b(第二端部表面)とを有している。中央部表面71a及び端部表面71bは、ハロゲンランプ12側の表面である。中央部表面71aは、端部表面71bよりも低い反射率を有している。すなわち、中央部表面71aは、端部表面71bよりも反射率が低くなるように表面処理されており、端部表面71bは、中央部表面71aよりも反射率が高くなるように表面処理されている。例えば、中央部表面71aは、めっき加工による黒色化又は粗面加工による凹凸形状化等がされており、端部表面71bは、鏡面加工による鏡面化等がされている。
【0072】
中央部表面61aと端部表面71bとの境界71c(すなわち、反射部71の軸方向Y2での中央部側と両端部側との境界)は、例えば、軸方向Y2で、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布の重複領域D(
図3)に位置している。すなわち、重複領域Dにおいて、反射部71による反射度合いが切り替わる。重複領域Dにおいて、境界71cよりも軸方向Y2で内側(中央部側)では、境界71cよりも軸方向Y2で外側(両端部側)に比べて、ハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42に反射され難い。よって、重複領域Dにおいて、ハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42へ反射される反射度合いを抑えることができる。
【0073】
伝熱部72は、軸方向Y2で反射部71と略同じ幅を有している。伝熱部72は、反射部71側から加熱ローラ42側へ延在している縦部72aと、加熱ローラ42の内側表面に接触している横部72b(第二接触部)とを有している。縦部72aは、加熱ローラ42の内側表面に対して交差する方向に延びており、横部72bは、加熱ローラ42の内側表面に沿って延びている。縦部72aは、反射部71により吸収されたハロゲンランプ12からの光による熱を加熱ローラ42側の横部72bへと伝導する。
【0074】
横部72bは、加熱ローラ42の内側表面に対して略平行に延びている。横部72bは、加熱ローラ42の内側表面のニップ部Nまで延びている(
図2参照)。横部72bは、縦部72aから伝えられた熱を加熱ローラ42へ伝導する。これにより、反射部71がハロゲンランプ12から受けた光のうち、加熱ローラ42へ反射されなかった光による熱(以下、「第二吸収熱」ともいう)が、ニップ部Nに伝導される。
【0075】
反射部61と反射部71とは、互いに非接触である。具体的には、反射部61と反射部71とは、相互に熱を伝導しないように仮想線X(
図2参照)を間に挟んで離間している。すなわち、反射部61による加熱ローラ42への光の反射度合いと、反射部71による加熱ローラ42への光の反射度合いとは、互いに独立に可変である。なお、反射部61と反射部71との間に断熱材等が挟まれていてもよい。
【0076】
横部62bと横部72bとは、互いに非接触である。具体的には、横部62bと横部72bとは、相互に熱を伝導しないように仮想線X(
図2参照)を間に挟んで離間している。すなわち、横部62bによる加熱ローラ42への熱の伝導度合いと、横部72bによる加熱ローラ42への熱の伝導度合いとは、互いに独立に可変である。なお、横部62bと横部72bとの間に断熱材等が挟まれていてもよい。
【0077】
以上、本実施形態に係る定着ユニット40及び画像形成装置1によれば、反射部61による加熱ローラ42への光の反射度合いと、反射部71による加熱ローラ42への光の反射度合いとを、ハロゲンランプ11,12のそれぞれの特徴に対応させて変えることができる。その結果、ハロゲンランプ11,12からの光によって加熱される加熱ローラ42の加熱領域を、例えばサイズの異なる用紙Pに対応させることができる。よって、用紙Pのサイズに応じて効率的に加熱ローラ42を加熱することができる。さらに、第一吸収熱は伝熱部62により加熱ローラ42へ伝導されると共に、第二吸収熱は伝熱部72により加熱ローラ42へ伝導される。よって、ハロゲンランプ11,12からの光による熱をより効率的に加熱ローラ42へと伝導することができる。以上より、熱効率を向上させることができる。
【0078】
本実施形態によれば、ハロゲンランプ11からの光は、反射部61により、加熱ローラ42における回転軸方向で両端部側よりも中央部側に多く反射される。このため、ハロゲンランプ11からの光によって加熱ローラ42が加熱される領域(以下、「第一加熱領域」ともいう)は、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布となる。これに対し、ハロゲンランプ12からの光は、反射部71により、加熱ローラ42における回転軸方向で中央部側よりも両端部側に多く反射される。このため、ハロゲンランプ12からの光によって加熱ローラ42が加熱される領域(以下、「第二加熱領域」ともいう)を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布となる。よって、第一加熱領域を、例えば幅の狭い用紙Pに対応した領域とする一方で、第一加熱領域と第二加熱領域とを合わせた合成加熱領域(以下、単に「合成加熱領域」ともいう)を、例えば幅の広い用紙Pに対応した領域とすることができる。以上のように、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに好適に対応させることができる。
【0079】
本実施形態によれば、ハロゲンランプ11の配熱分布の発熱領域H1が、加熱ローラ42における回転軸方向で中央部側の領域の加熱に寄与するため、第一加熱領域を、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。また、ハロゲンランプ12の配熱分布の発熱領域が、加熱ローラ42における回転軸方向で両端部側の領域の加熱に寄与するため、第二加熱領域を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに、より好適に対応させることができる。
【0080】
ここで、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布を合成した合成配熱分布では、重複領域Dにおける熱量が高くなり、フラットな状態を逸脱してしまう。この場合であっても、本実施形態によれば、反射部61の境界61cよりも軸方向Y1で外側ではハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42へ反射され難く、且つ、反射部71の境界71cよりも軸方向Y2で内側ではハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42へ反射され難い。反射度合いをこのように切り替える反射部61,71の各境界61c,71cが重複領域Dに位置しているため、重複領域Dにおけるハロゲンランプ11,12からの光の反射度合いが抑えられ、合成加熱領域の熱量分布をフラットな状態に近づけることができる。その結果、合成加熱領域を例えば幅の広い用紙Pに対応した領域とする場合に、当該幅の広い用紙Pを幅方向で均一に加熱することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、横部62bによって第一吸収熱が加熱ローラ42へ伝導されると共に、横部72bによって第二吸収熱が加熱ローラ42へ伝導される。これにより、ハロゲンランプ11,12からの光による熱を効率的に加熱ローラ42へと伝導することができる。
【0082】
さらに、横部62bと横部72bとが互いに非接触であり、互いに独立しているので、横部62bによる加熱ローラ42への熱の伝導の度合いと、横部72bによる加熱ローラ42への熱の伝導の度合いとを、ハロゲンランプ11,12のそれぞれの特徴に対応させて変えることができる。これにより、ハロゲンランプ11,12からの光による熱を、より効率的に加熱ローラ42へと伝導することができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、反射板60、70を移動させるための駆動機構等がなくても加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙に好適に対応させることができるため、低コスト化を図ることができる。
【0084】
ここで、
図5〜
図7を参照して、本実施形態に係る定着ユニット40及び画像形成装置1の上記作用効果についてより詳細に説明する。本発明者らは、
図5に示す定着ユニット50のように中央部加熱用ランプ81と端部加熱用ランプ82との単なる組み合わせによっては、幅の狭い用紙及び幅の広い用紙を含むサイズの異なる用紙に対応させることが難しいことを見出した。
図5は、比較例に係る定着ユニット50を示す図である。
【0085】
図5に示すように、比較例に係る定着ユニット50は、本実施形態に係る定着ユニット40と同様に、加熱ローラ42及び加圧ローラ44を備えている。また、定着ユニット50は、ハロゲンランプ11,12及び反射板60,70を備えておらず、その代わりに中央部加熱用ランプ81と、端部加熱用ランプ82と、反射部材83と、伝熱部材84とを備えている。
【0086】
中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82は、加熱ローラ42を加熱するハロゲンランプである。中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82は、加熱ローラ42の回転軸方向に沿ってそれぞれ延びている。中央部加熱用ランプ81と端部加熱用ランプ82とは、互いに略平行に延在している。中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82の各軸方向は、加熱ローラ42の回転軸方向、すなわち用紙Pの幅方向に略一致している。中央部加熱用ランプ81は、軸方向で両端部側に比べて中央部側の熱量が高い配熱分布を有している。端部加熱用ランプ82は、軸方向で中央部側に比べて両端部側の熱量が高い配熱分布を有している。
【0087】
反射部材83は、その表面が中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82に向けられており、中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82からの光を加熱ローラ42へ反射する。反射部材83は、中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82よりもニップ部N側に配置されている。反射部材83は、受材17,18を覆うように設けられている。反射部材83は、中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82の軸方向に沿って延在している。反射部材83は、伝熱部材84に接触している。反射部材83は、中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82から吸収した光による熱を伝熱部材84へ伝導する。
【0088】
伝熱部材84は、受材18と加熱ローラ42との間に挟み込まれて支持されている。伝熱部材84と反射部材83との間には受材17,18が位置している。伝熱部材84は、加熱ローラ42の内側表面に沿って延びており、反射部材83からの熱を加熱ローラ42へ伝導する。
【0089】
定着ユニット50における合成配熱分布の一例を
図6に示す。
図6は、
図5の定着装置における合成配熱分布の一例を示すグラフである。
図6のグラフの横軸は、用紙幅方向の大きさ[mm]を示し、
図6のグラフの縦軸は、単位長さあたりの熱量[W]を示す。ここで、定着ユニット50における合成配熱分布とは、中央部加熱用ランプ81と端部加熱用ランプ82との両方により加熱される用紙Pの幅方向での熱量分布である。用紙Pの幅方向での熱量分布とは、具体的には、ニップ部N通過時の用紙Pの幅方向の温度分布である。
図6において、グラフaは、中央部加熱用ランプ81により加熱される用紙Pの幅方向での熱量分布を示し、グラフbは、端部加熱用ランプ82により加熱される用紙Pの幅方向での熱量分布を示し、グラフcは、中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82の合成配熱分布を示している。
【0090】
ハロゲンランプの特性上、中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82の光は軸方向に拡散する。このため、定着ユニット50では、例えば、
図6の(a)に示すように、合成配熱分布をフラットな状態にするために、中央部加熱用ランプ81により加熱される用紙Pの幅方向での熱量、すなわち中央部加熱用ランプ81の出力を小さくする必要が生じる。よって、幅の狭い用紙を用いた場合の生産性が維持できなくなってしまう。その一方で、幅の狭い用紙を用いた場合の生産性を維持するため、
図6の(b)に示すように、中央部加熱用ランプ81の出力を維持する場合、中央部加熱用ランプ81及び端部加熱用ランプ82の各配熱分布は、加熱ローラ42の加熱に寄与する各発熱領域が軸方向Y1,Y2で互いに重複している重複領域を有する。その結果、各配熱分布を合成した合成配熱分布では、重複領域においてフラットな状態を逸脱してしまう。
【0091】
これに対し、本実施形態に係る定着ユニット40及び画像形成装置1によれば、ハロゲンランプ11に対応した反射部61と、ハロゲンランプ12に対応した反射部71とによって、ハロゲンランプ11,12の光の加熱ローラ42への光の反射度合いを異ならせることができる。その結果、ハロゲンランプ11,12自体の各配熱分布を変えることなく、加熱ローラ42における合成加熱領域の熱量分布を変化させることができる。特に、上記実施形態によれば、上述したように、反射部61,71の各境界61c,71cが重複領域Dに位置しているため、重複領域Dにおけるハロゲンランプ11,12からの光の反射度合いが抑えられ、合成加熱領域の熱量分布をフラットな状態に近づけることができる。その結果、合成加熱領域を例えば幅の広い用紙Pに対応した領域とする場合に、当該幅の広い用紙Pを幅方向で均一に加熱することができる。
【0092】
本実施形態に係る定着ユニット40における合成熱量分布の一例を
図7に示す。
図7は、本実施形態に係る定着ユニット40における合成熱量分布の一例を示すグラフである。
図7のグラフの横軸は、用紙幅方向の大きさ[mm]を示し、
図7のグラフの縦軸は、単位長さあたりの熱量[W]を示す。ここで、定着ユニット40における合成熱量分布とは、ハロゲンランプ11とハロゲンランプ12との両方により加熱される用紙Pの幅方向での熱量分布、すなわち合成加熱領域の熱量分布である。用紙Pの幅方向での熱量分布とは、具体的には、ニップ部N通過時の用紙Pの幅方向の温度分布である。
図7において、グラフaは、ハロゲンランプ11により加熱される用紙Pの幅方向での熱量分布を示し、グラフbは、ハロゲンランプ12により加熱される用紙Pの幅方向での熱量分布を示し、グラフcは、合成熱量分布を示している。
【0093】
図7に示すように、定着ユニット40では、ハロゲンランプ11により加熱される用紙Pの幅方向での熱量、すなわちハロゲンランプ11の出力を小さくしなくても、合成熱量分布をフラットな状態とすることができる。このため、幅の狭い用紙を用いた場合の生産性を維持することができる。よって、定着ユニット40によれば、幅の狭い用紙を用いた場合の生産性を維持しつつ、幅の広い用紙を用いた場合の用紙Pの幅方向での熱量分布をフラットな状態とすることが可能である。
【0094】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る定着ユニット(定着装置)について説明する。第2実施形態に係る定着ユニットは、図示は省略するが、第1実施形態に係る定着ユニット40と同様、加熱ローラ42、ハロゲンランプ11,12、及び加圧ローラ44を備えている。第2実施形態に係る定着ユニットが第1実施形態に係る定着ユニット40と異なる点は、反射板60,70に代えて、
図8に示すような反射板60A,70Aを備えている点である。
【0095】
図8は、第2実施形態に係る定着装置の反射板60A,70Aを示す概略斜視図である。
図8は、
図4に対応している。
図8の(b)に示すように、本実施形態に係る反射板60A(第一反射部材)は、反射板60と異なり、反射部61に代えて反射部61A(第一反射部)を有している。反射部61Aは、軸方向Y1で両端部側よりも中央部側の反射度合いが高い。具体的に、反射部61Aは、軸方向Y1での両端部が切り欠かれている。すなわち、反射部61Aは、軸方向Y1での中央部に位置しており、且つ、軸方向Y1での両端部には位置していない。反射部61Aは、ハロゲンランプ11に対して凸状の曲面を有しており、ハロゲンランプ11からの光を、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側へ反射させる。反射部61Aは、例えば所定の反射率を有するように鏡面加工による鏡面化等がされている。反射部61Aの反射率は100%未満である。すなわち、反射部61Aは、ハロゲンランプ11からの光の全てを反射するわけではなく、反射しきれなかった光を吸収する。
【0096】
反射部61Aの軸方向Y1での両端側の端部61Ac(すなわち、反射部61Aの軸方向Y1での中央部側と両端部側との境界)は、例えば、軸方向Y1で、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布の重複領域D(
図3参照)に位置している。すなわち、重複領域Dにおいて、反射部61Aによる反射度合いが切り替わる。重複領域Dにおいて、端部61Acよりも軸方向で外側(両端部側)では、ハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42に反射されない。よって、重複領域Dにおいて、ハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42へ反射される反射度合いを抑えることができる。
【0097】
図8の(a)に示すように、本実施形態に係る反射板70A(第二反射部材)は、反射板70と異なり、反射部71に代えて反射部71A(第二反射部)を有している。反射部71Aは、軸方向Y2で中央部側よりも両端部側の反射度合いが高い。具体的に、反射部71Aは、軸方向Y2での中央部が切り欠かれている。すなわち、反射部71Aは、軸方向Y2での両端部に位置しており、且つ、軸方向Y2での中央部には位置していない。反射部71Aは、ハロゲンランプ12に対して凸状の曲面を有しており、ハロゲンランプ12からの光を、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へ反射させる。反射部71Aは、例えば所定の反射率を有するように鏡面加工による鏡面化等がされている。反射部71Aの反射率は100%未満である。すなわち、反射部71Aは、ハロゲンランプ12からの光の全てを反射するわけではなく、反射しきれなかった光を吸収する。
【0098】
反射部71Aの軸方向Y2での内側の端部71Ac(すなわち、反射部71Aの軸方向Y2での中央部側と両端部側との境界)は、例えば、軸方向Y2で、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布の重複領域D(
図3参照)に位置している。すなわち、重複領域Dにおいて、反射部71Aによる反射度合いが切り替わる。重複領域Dにおいて、端部71Acよりも軸方向で内側(中央部側)では、ハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42に反射されない。よって、重複領域Dにおいて、ハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42へ反射される反射度合いを抑えることができる。
【0099】
以上、本実施形態においても、反射部61Aによって、ハロゲンランプ11からの光は、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に反射される。よって、第一加熱領域を、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。これに対し、反射部71Aによって、ハロゲンランプ12からの光は、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に反射される。よって、第二加熱領域を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに好適に対応させることができる。
【0100】
さらに、本実施形態によれば、反射部61Aの端部61Acよりも軸方向Y1で外側ではハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42へ反射されず、且つ、反射部71Aの端部71Acよりも軸方向Y2で内側ではハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42へ反射されない。反射度合いをこのように切り替える反射部61A,71Aの端部61Ac,71Acが重複領域Dに位置しているため、重複領域Dにおけるハロゲンランプ11,12からの光の反射度合いが抑えられ、合成加熱領域の熱量分布をフラットな状態に近づけることができる。その結果、合成加熱領域を例えば幅の広い用紙Pに対応した領域とする場合に、当該幅の広い用紙Pを幅方向で均一に加熱することができる。
【0101】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る定着ユニット(定着装置)について、
図9及び
図10を参照して説明する。
図9は、第3実施形態に係る定着装置の概略構成を示す模式断面図である。第3実施形態に係る定着ユニット40Bは、第1実施形態に係る定着ユニット40と同様、加熱ローラ42、ハロゲンランプ11,12、及び加圧ローラ44を備えている。第3実施形態に係る定着ユニットが第1実施形態に係る定着ユニット40と異なる点は、反射板60,70に代えて、反射板60B,70Bを備えている点である。
【0102】
図10は、
図9の反射板60B,70Bを示す概略斜視図である。
図10の(a)は、反射板70Bを示している。説明のため、
図10の(a)では、ハロゲンランプ12の軸方向Y2を一点鎖線の矢印で示している。
図10の(b)は、反射板60Bを示している。説明のため、
図10の(b)では、ハロゲンランプ11の軸方向Y1を一点鎖線の矢印で示している。軸方向Y1及び軸方向Y2は略平行であり、用紙Pの幅方向に略一致している。
【0103】
図10の(b)に示すように、本実施形態に係る反射板60Bは、反射部61に代えて反射部61Bを有している。反射部61Bの表面は、軸方向Y1での中央部及び両端部を含む全体で略一定の反射率を有するように、鏡面加工による鏡面化等がされている。反射部61Bは、ハロゲンランプ11に対して凸状の曲面を有している。反射部61Bは、ハロゲンランプ11からの光を、加熱ローラ42の回転軸方向の全体側へ反射させる。反射部61Bの反射率は100%未満である。すなわち、反射部61Bは、ハロゲンランプ11からの光の全てを反射するわけではなく、反射しきれなかった光を吸収する。
【0104】
反射板60Bの軸方向Y1での両端部には、遮光部91(第一遮光部)が設けられている。遮光部91は、反射部61Bとの間にハロゲンランプ11を挟むように位置している。遮光部91は、ハロゲンランプ11からの光を加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へ反射させないように遮断する。遮光部91は、ドーム状を呈しており、ハロゲンランプ11の加熱ローラ42側を覆っている。遮光部91は、反射部61Bにより反射されたハロゲンランプ11からの光が遮断されるだけでなく、ハロゲンランプ11からの直接的な光も加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に入射しないように遮断する機能を有している。
【0105】
遮光部91の内側の端部91cは、例えば、軸方向Y1で、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布の重複領域D(
図3参照)に位置している。すなわち、重複領域Dにおいて、遮光部91による光の遮断の度合いが切り替わる。重複領域Dにおいて、端部91cよりも軸方向Y1で外側(両端部側)では、端部91cよりも内側(中央部側)に比べて、ハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42に反射され難い。よって、重複領域Dにおいて、ハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42へ反射される反射度合いを抑えることができる。
【0106】
図10の(a)に示すように、本実施形態に係る反射板70Bは、反射部71に代えて、反射部71Bを有している。反射部71Bの表面は、軸方向Y2での中央部及び両端部を含む全体で略一定の反射率を有するように、鏡面加工による鏡面化等がされている。反射部71Bは、ハロゲンランプ12に対して凸状の曲面を有している。反射部71Bは、ハロゲンランプ12からの光を、加熱ローラ42の回転軸方向の全体側へ反射させる。反射部71Bの反射率は100%未満である。すなわち、反射部71Bは、ハロゲンランプ12からの光の全てを反射するわけではなく、反射しきれなかった光を吸収する。
【0107】
反射板70Bの軸方向Y2の中央部には、遮光部92(第二遮光部)が設けられている。遮光部92は、反射部71Bとの間にハロゲンランプ12を挟むように位置している。遮光部92は、ハロゲンランプ12からの光を加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側へ反射させないように遮断する。遮光部92は、ドーム状を呈しており、ハロゲンランプ12の加熱ローラ42側を覆っている。遮光部92は、反射部71Bにより反射されたハロゲンランプ12からの光が遮断されるだけでなく、ハロゲンランプ12からの直接的な光も加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に入射しないように遮断する機能を有している。
【0108】
遮光部92の外側の端部92cは、例えば、軸方向Y2で、ハロゲンランプ11,12の各配熱分布の重複領域D(
図3参照)に位置している。すなわち、重複領域Dにおいて、遮光部92による光の遮断の度合いが切り替わる。重複領域Dにおいて、端部92cよりも軸方向Y2で内側(中央部側)では、端部92cよりも内側(中央部側)に比べて、ハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42に反射され難い。よって、重複領域Dにおいて、ハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42へ反射される反射度合いを抑えることができる。
【0109】
以上、本実施形態に係る定着ユニット40Bによれば、ハロゲンランプ11からの光は、遮光部91によって、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に反射しないように遮断される。このため、ハロゲンランプ11からの光は、加熱ローラ42における回転軸方向で中央部側に比べて両端部側には反射され難い。よって、第一加熱領域は、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布となる。これに対し、ハロゲンランプ12からの光は、遮光部92によって、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に反射しないように遮断される。このため、ハロゲンランプ12からの光は、加熱ローラ42における回転軸方向で両端側に比べて中央部側には反射され難い。よって、第二加熱領域は、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布となる。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに好適に対応させることができる。
【0110】
さらに、定着ユニット40Bによれば、ハロゲンランプ11の加熱ローラ42側は、遮光部91によって覆われている。これにより、反射部61Bにより反射されたハロゲンランプ11からの光が遮断されるだけでなく、ハロゲンランプ11からの直接的な光も加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に入射しないように遮断される。これに対し、ハロゲンランプ12の加熱ローラ42側は、遮光部92によって覆われている。よって、第一加熱領域を、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。これにより、反射部71Bにより反射されたハロゲンランプ12からの光が遮断されるだけでなく、ハロゲンランプ12からの直接的な光も加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に入射しないように遮断される。よって、第二加熱領域を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに、より好適に対応させることができる。
【0111】
また、本実施形態によれば、遮光部91の端部91cよりも軸方向Y1で外側では、ハロゲンランプ11からの光が加熱ローラ42へ反射されず、且つ、遮光部92の端部92cよりも軸方向Y2で内側では、ハロゲンランプ12からの光が加熱ローラ42へ反射されない。反射度合いをこのように切り替える遮光部91,92の各端部91c,92cが重複領域Dに位置しているため、重複領域Dにおけるハロゲンランプ11,12からの光の反射度合いが抑えられ、合成加熱領域の熱量分布をフラットな状態に近づけることができる。その結果、合成加熱領域を例えば幅の広い用紙Pに対応した領域とする場合に、当該用紙Pを幅方向で均一に加熱することができる。
【0112】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る定着ユニット(定着装置)について、
図11を参照して説明する。第4実施形態に係る定着ユニットは、図示は省略するが、第1実施形態に係る定着ユニット40と同様、加熱ローラ42、ハロゲンランプ11,12、及び加圧ローラ44を備えている。第4実施形態に係る定着ユニットが第1実施形態に係る定着ユニット40と異なる点は、反射板60,70に代えて、
図11に示すような反射板60C,70Cを備えている点である。
【0113】
図11は、第4実施形態に係る反射板60C,70Cを示す概略斜視図である。
図11は、
図4に対応している。
図11の(b)に示すように、本実施形態に係る反射板60C(第一反射部材)は、反射板60と同様、反射部61及び伝熱部62を有している。その一方で、反射板60とは異なり、本実施形態に係る反射板60Cの軸方向Y1での両端部には、遮光部93(第一遮光部)が設けられている。遮光部93は、反射部61との間にハロゲンランプ11を挟むように位置している。遮光部93は、反射部61の端部表面61b上に設けられている。遮光部93は、ハロゲンランプ11からの光を加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へ反射させないように遮断する。遮光部93は、ドーム状を呈しており、ハロゲンランプ11の加熱ローラ42側を覆っている。遮光部93は、反射部61により反射されたハロゲンランプ11からの光が遮断されるだけでなく、ハロゲンランプ11からの直接的な光も加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に入射しないように遮断する機能を有している。
【0114】
遮光部93のハロゲンランプ11側の内面93aは、反射部61の中央部表面61aよりも低い反射率を有している。すなわち、遮光部93の内面93aは、反射部61の中央部表面61aよりも反射率が低くなるように表面処理されている。例えば、反射部61の中央部表面61aが鏡面加工による鏡面化等がされているのに対し、遮光部93の内面93aは、めっき加工による黒色化又は粗面加工による凹凸形状化等がされている。このように、遮光部93の内面93aの反射率が低いため、遮光部93はハロゲンランプ11からの光を反射せず熱として吸収し易い。遮光部93によって吸収された熱は、反射部61及び伝熱部62を介して加熱ローラ42へ伝導される。
【0115】
図11の(a)に示すように、本実施形態に係る反射板70C(第二反射部材)は、反射板70と同様、反射部71及び伝熱部72を有している。その一方で、反射板70とは異なり、本実施形態に係る反射板70Cの軸方向Y2での両端部には、遮光部94(第二遮光部)が設けられている。遮光部94は、反射部71との間にハロゲンランプ12を挟むように位置している。遮光部94は、反射部71の中央部表面71a上に設けられている遮光部94は、ハロゲンランプ12からの光を加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へ反射させないように遮断する。遮光部94は、ドーム状を呈しており、ハロゲンランプ12の加熱ローラ42側を覆っている。遮光部94は、反射部71により反射されたハロゲンランプ12からの光が遮断されるだけでなく、ハロゲンランプ12からの直接的な光も加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に入射しないように遮断する機能を有している。
【0116】
遮光部94のハロゲンランプ12側の内面94aは、反射部71の端部表面71bよりも低い反射率を有している。すなわち、遮光部94の内面94aは、反射部61の端部表面71bよりも反射率が低くなるように表面処理されている。例えば、反射部61の端部表面71bが鏡面加工による鏡面化等がされているのに対し、遮光部94の内面94aは、めっき加工による黒色化又は粗面加工による凹凸形状化等がされている。このように、遮光部94の内面94aの反射率が低いため、遮光部94はハロゲンランプ12からの光を反射せず熱として吸収し易い。遮光部94によって吸収された熱は、反射部71及び伝熱部72を介して加熱ローラ42へ伝導される。
【0117】
以上、本実施形態によれば、反射部61に加えて遮光部93を備えているため、第一加熱領域を回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのにより好適である。また、反射部71に加えて遮光部94を備えているため、第二加熱領域を回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのにより好適である。よって、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに、より好適に対応させることができる。
【0118】
さらに、本実施形態によれば、遮光部93の内面93aは、中央部表面61aよりも低い反射率を有しているため、中央部表面61aよりもハロゲンランプ11の光を熱として吸収し易い。また、遮光部94の内面94aは、端部表面71bよりも低い反射率を有しているため、端部表面71bよりもハロゲンランプ12の光を熱として吸収し易い。よって、遮光部93,94によって光を遮断する効果を発揮しつつ、遮断した光を熱として吸収して反射部61,71へ伝導して効率良く利用することができる。その結果、熱効率を一層向上させることができる。
【0119】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る定着ユニット(定着装置)について、
図12を参照して説明する。第5実施形態に係る定着ユニットは、図示は省略するが、第3実施形態に係る定着ユニット40Bと同様、加熱ローラ42、ハロゲンランプ11,12、及び加圧ローラ44を備えている。第5実施形態に係る定着ユニットが第3実施形態に係る定着ユニット40Bと異なる点は、反射板60B,70Bに代えて、
図12に示すような反射板60D,70Dを備えている点である。
【0120】
図12は、第5実施形態に係る反射板60D,70Dを示す概略斜視図である。
図12は、
図10に対応している。
図12の(b)に示すように、反射板60Dが反射板60Bと異なる点は、伝熱部62に代えて伝熱部62Dを有している点である。伝熱部62Dは、軸方向Y1での両端部が切り欠かれている。すなわち、伝熱部62Dは、軸方向Y1での中央部に位置しており、且つ、軸方向Y1での両端部には位置していない。伝熱部62Dは、軸方向Y1で反射部61Bよりも小さい幅を有している。
【0121】
伝熱部62Dは、反射部61B側から加熱ローラ42側へ延在している縦部62Daと、加熱ローラ42の内側表面に接触している横部62Db(第一接触部)とを有している。縦部62Daは、加熱ローラ42の内側表面に対して交差する方向に延びており、横部62Dbは、加熱ローラ42の内側表面に沿って延びている。縦部62Daは、反射部61Bにより吸収されたハロゲンランプ11からの光による熱を加熱ローラ42側の横部62Dbへと伝導する。
【0122】
横部62Dbは、加熱ローラ42の内側表面に対して略平行に延びている。横部62Dbは、加熱ローラ42の内側表面のニップ部Nまで延びている。横部62Dbは、縦部62Daから伝えられた熱を加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側へ伝導する。これにより、反射部61Bがハロゲンランプ11から受けた光のうち、加熱ローラ42へ反射されなかった光による熱(以下、「反射部61Bによる第一吸収熱」ともいう)が、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側のニップ部Nに伝導される。
【0123】
図12の(a)に示すように、反射板70Dが反射板70Bと異なる点は、伝熱部72に代えて伝熱部72Dを有している点である。伝熱部72Dは、軸方向Y2の中央部が切り欠かれている。すなわち、伝熱部72Dは、軸方向Y2での両端部に位置しており、且つ、軸方向Y2での中央部には位置していない。伝熱部72Dは、軸方向Y2で反射部71Bよりも小さい幅を有している。
【0124】
伝熱部72Dは、反射部71B側から加熱ローラ42側へ延在している縦部72Daと、加熱ローラ42の内側表面に接触している横部72Db(第二接触部)とを有している。縦部72Daは、加熱ローラ42の内側表面に対して交差する方向に延びており、横部72Dbは、加熱ローラ42の内側表面に沿って延びている。縦部72Daは、反射部71Bにより吸収されたハロゲンランプ12からの光による熱を加熱ローラ42側の横部72Dbへと伝導する。
【0125】
横部72Dbは、加熱ローラ42の内側表面に対して略平行に延びている。横部72Dbは、加熱ローラ42の内側表面のニップ部Nまで延びている。横部72Dbは、縦部72Daから伝えられた熱を加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へ伝導する。これにより、反射部71Bがハロゲンランプ12から受けた光のうち、加熱ローラ42へ反射されなかった光による熱(以下、「反射部71Bによる第二吸収熱」ともいう)が、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側のニップ部Nに伝導される。
【0126】
なお、本実施形態では、反射板60Dの開口されている側と、反射板70Dの開口されている側とは、互いに仮想線Xを介して離間して向かい合っていなくてもよく、反射部61Bと反射部71Bとが互いに非接触となっている限り、反射板70Dの開口されている側の内側に、反射板60Dが組み込まれていてもよい。例えば、反射板70Dの軸方向Y2での両端部に位置している伝熱部72Dの間に、反射板60Dの伝熱部62Dが挟み込まれるように、反射板60D,70Dが配置されていてもよい(
図13参照)。すなわち、軸方向Y2での両端部に位置する伝熱部72Dの間に、軸方向Y1で中央部に位置する伝熱部62Dが位置していてもよい。
【0127】
以上、本実施形態においても、第3実施形態と同様、遮光部91,92によって、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに好適に対応させることができる。
【0128】
さらに、本実施形態に係る定着ユニットによれば、反射部61Bによる第一吸収熱は、伝熱部62Dによって加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側へ伝導され易い。よって、第一加熱領域を、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのにより好適である。これに対し、反射部71Bによる第二吸収熱は、伝熱部72Dによって加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に伝導され易い。よって、第二加熱領域を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのにより好適である。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに、より好適に対応させることができる。
【0129】
なお、伝熱部62D,72Dは、上記実施形態のように縦部62Da,72Da及び横部62Db,72Dbを含む全体が切り欠かれている場合に限られず、全体のうちの少なくとも一部が切り欠かれていてもよい。具体的に、
図13を参照して、変形例に係る伝熱部62D,72Dを示す。
図13に示すように、例えば、伝熱部62Dの横部62Dbにおける軸方向Y1での両端部が切り欠かれていてもよい。また、例えば、伝熱部72Dの横部72Dbにおける軸方向Y2での中央部が切り欠かれていてもよい。
【0130】
本変形例において、縦部62Daは、軸方向Y1での中央部及び両端部の両方に位置しており、軸方向Y1で反射部61Bと略同じ幅を有している。横部62Dbは、軸方向Y1での中央部に位置しており、且つ、軸方向Y1での両端部には位置していない。すなわち、横部62Dbは、軸方向Y1で反射部61Bよりも小さい幅を有している。
【0131】
縦部72Daは、軸方向Y2での中央部及び両端部の両方の位置しており、軸方向Y2で反射部71Bと略同じ幅を有している。横部72Dbは、軸方向Y2での両端部に位置しており、且つ、軸方向Y2での中央部には位置していない。すなわち、横部72Dbは、軸方向Y2で反射部71Bよりも小さい幅を有している。
【0132】
軸方向Y2で両端部に位置する横部72Dbの間に、軸方向Y1で中央部に位置する横部62Dbが位置している。すなわち、横部62Dbは、横部72Dbの間に入れ子状に挟まれている。本変形例において、反射部61Bによる第一吸収熱は、横部62Dbによって、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側へ伝導され、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へは伝導されない。よって、第一加熱領域を、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。これに対し、反射部71Bによる第二吸収熱は、横部72Dbによって、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に伝導され、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側へは伝導されない。よって、第二加熱領域を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに、より一層好適に対応させることができる。しかも、軸方向Y2で両端部に位置する横部72Dbの間に、軸方向Y1で中央部に位置する横部62Dbが位置しているため、軸方向Y1,Y2で、ニップ部Nの凹凸を小さくすることができる。
【0133】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る定着ユニット(定着装置)について、
図14を参照して説明する。第6実施形態に係る定着ユニットは、図示は省略するが、第3実施形態に係る定着ユニット40Bと同様、加熱ローラ42、ハロゲンランプ11,12、及び加圧ローラ44を備えている。第6実施形態に係る定着ユニットが第3実施形態に係る定着ユニット40Bと異なる点は、反射板60B,70Bに代えて、
図14に示すような反射板60E,70Eを備えている点である。
図14は、第6実施形態に係る反射板60E,70Eを示す概略斜視図である。なお、
図14中の実線矢印は、反射板60E,70Eにおいて熱が伝わっていく様子を示している。
【0134】
図14の(b)に示すように、反射板60Eが反射板60Bと異なる点は、伝熱部62に代えて伝熱部62Eを有している点である。伝熱部62Eは、反射部61側から加熱ローラ42側へ延在している縦部62Eaと、加熱ローラ42の内側表面に接触している横部62Eb(第一接触部)とを有している。縦部62Eaは、加熱ローラ42の内側表面に対して交差する方向に延びており、横部62Ebは、加熱ローラ42の内側表面に沿って延びている。縦部62Eaは、反射部61Bにより吸収されたハロゲンランプ12からの光による熱を加熱ローラ42側の横部62Ebへと伝導する。
【0135】
縦部62Eaは、軸方向Y1での中央部に位置する中央伝熱部63(第一中央伝熱部)と、軸方向Y1での両端部に位置する端伝熱部64(第一端伝熱部)とを有している。端伝熱部64は、中央伝熱部63よりも熱伝導率が低い。例えば、端伝熱部64には、貫通孔64aが形成されており、中央伝熱部63よりも熱を伝導し難い構造になっている。すなわち、縦部62Eaは、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側よりも、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に向かって熱を伝導し易い。貫通孔64aとしては、図示するように軸方向Y1に沿ったスリットであってもよいし、長孔又は円孔等を含むその他の種々の形状を有する孔であってもよい。
【0136】
横部62Ebは、加熱ローラ42の内側表面に対して略平行に延びている。横部62Ebは、加熱ローラ42の内側表面のニップ部Nまで延びている。横部62Ebは、縦部62Eaから伝えられた熱を加熱ローラ42へ伝導する。これにより、反射部61Bがハロゲンランプ11から受けた光のうち、加熱ローラ42へ反射されなかった光による熱(以下、「反射部61Bによる第一吸収熱」ともいう)が、ニップ部Nに伝導される。なお、横部62Ebの軸方向Y1での両端部側にも貫通孔が形成されていてもよい。すなわち、横部62Ebの軸方向Y1での両端部側は、横部62Ebの軸方向Y1での中央部側よりも熱伝導率が低くてもよい。
【0137】
図14の(a)に示すように、反射板70Eが反射板60Bと異なる点は、伝熱部72に代えて伝熱部72Eを有している点である。伝熱部72Eは、反射部71B側から加熱ローラ42側へ延在している縦部72Eaと、加熱ローラ42の内側表面に接触している横部72Eb(第二接触部)とを有している。縦部72Eaは、加熱ローラ42の内側表面に対して交差する方向に延びており、横部72Ebは、加熱ローラ42の内側表面に沿って延びている。縦部72Eaは、反射部71Bにより吸収されたハロゲンランプ11からの光による熱を加熱ローラ42側の横部72Ebへと伝導する。
【0138】
縦部72Eaは、軸方向Y2での中央部に位置する中央伝熱部73(第二中央伝熱部)と、軸方向Y2での両端部に位置する端伝熱部74(第二端伝熱部)とを有している。中央伝熱部73は、端伝熱部74よりも熱伝導率が低い。例えば、中央伝熱部73には、貫通孔73aが形成されており、端伝熱部74よりも熱を伝導し難い構造になっている。すなわち、縦部72Eaは、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側よりも、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に向かって熱を伝導し易い。貫通孔73aとしては、図示するように軸方向Y2に沿ったスリットであってもよいし、長孔又は円孔等を含むその他の種々の形状を有する孔であってもよい。
【0139】
横部72Ebは、加熱ローラ42の内側表面に対して略平行に延びている。横部72Ebは、加熱ローラ42の内側表面のニップ部Nまで延びている。横部72Ebは、縦部72Eaから伝えられた熱を加熱ローラ42へ伝導する。これにより、反射部71Bがハロゲンランプ12から受けた光のうち、加熱ローラ42へ反射されなかった光による熱(以下、「反射部71Bによる第二吸収熱」ともいう)が、ニップ部Nに伝導される。なお、横部72Ebの軸方向Y2での中央部側にも貫通孔が形成されていてもよい。すなわち、横部72Ebの軸方向Y2での中央部側は、横部72Ebの軸方向Y2での端部側よりも熱伝導率が低くてもよい。
【0140】
以上、本実施形態においても、第3実施形態と同様、遮光部91,92によって、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに好適に対応させることができる。
【0141】
さらに、本実施形態に係る定着ユニットによれば、反射部61Bによる第一吸収熱は、中央伝熱部63によって加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に伝導されると共に、端伝熱部64によって加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側へ伝導される。端伝熱部64は中央伝熱部63よりも熱伝導率が低いため、加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側よりも加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側の方へより熱が伝導し易い。よって、第一加熱領域を、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。これに対し、反射部71Bによる第二吸収熱は、中央伝熱部73によって加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側に伝導されると共に、端伝熱部74によって加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側に伝導される。中央伝熱部73は端伝熱部74よりも熱伝導率が低いため、加熱ローラ42の回転軸方向で中央部側よりも加熱ローラ42の回転軸方向で両端部側の方へより熱が伝導し易い。よって、第二加熱領域を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに好適に対応させることができる。
【0142】
本実施形態によれば、端伝熱部64に貫通孔64aが形成されていることにとり、端伝熱部64の熱伝導率を中央伝熱部63の熱伝導率よりも容易に低くすることができる。よって、第一加熱領域を、回転軸方向で両端部側よりも中央部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。また、中央伝熱部73に貫通孔73aが形成されていることにより、中央伝熱部73の熱伝導率を端伝熱部74の熱伝導率よりも容易に低くすることができる。よって、第二加熱領域を、回転軸方向で中央部側よりも両端部側の方が高い熱量分布とするのに好適である。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる用紙Pに好適に対応させることができる。
【0143】
さらに、端伝熱部64に形成された貫通孔64aが、熱が伝わる方向と交差する軸方向Y1に沿ったスリットであると共に、中央伝熱部73に形成された貫通孔73aが、熱が伝わる方向と交差する軸方向Y2に沿ったスリットである。よって、貫通孔64a,73aが形成された箇所においてより効果的に熱伝導率を低くすることができる。その結果、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる記録媒体に、より好適に対応させることができる。
【0144】
以上、本実施形態の種々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
【0145】
上記第6実施形態では、伝熱部62Eに関し、端伝熱部64が中央伝熱部63よりも熱伝導率が低い構造として、端伝熱部64に貫通孔64aが形成されている態様を説明したが、これに限られない。また、伝熱部72Eに関し、中央伝熱部73が端伝熱部74よりも熱伝導率が低い構造として、中央伝熱部73に貫通孔73aが形成されている態様を説明したが、これに限られない。
図15を参照して、変形例に係る伝熱部62E,72Eについて説明する。
図15は、変形例に係る伝熱部62E,72Eの概略断面図である。
図15の(a)は、
図10の(a)におけるa−a線に沿った断面を示し、
図13の(b)は、
図10の(b)におけるb−b線に沿った断面を示している。説明のため、
図15の(a)では、ハロゲンランプ12の軸方向Y2を一点鎖線の矢印で示しており、
図15の(b)では、ハロゲンランプ11の軸方向Y1を一点鎖線の矢印で示している。
【0146】
図15の(b)に示すように、変形例に係る伝熱部62Eは、端伝熱部64が中央伝熱部63よりも熱伝導率が低い構造として、端伝熱部64が中央伝熱部63よりも薄い構造を有している。すなわち、端伝熱部64の軸方向Y1と直交する方向での厚みが、中央伝熱部63の軸方向Y1と直交する方向での厚みよりも小さい。また、
図13の(a)に示すように、変形例に係る伝熱部72Eは、中央伝熱部73が端伝熱部74よりも熱伝導率が低い構造として、中央伝熱部73が端伝熱部74よりも薄い構造を有している。すなわち、中央伝熱部73の軸方向Y2と直交する方向での厚みが、端伝熱部74の軸方向Y2と直交する方向での厚みよりも小さい。
【0147】
本変形例においても、端伝熱部64が中央伝熱部63よりも薄いため、端伝熱部64の熱伝導率を中央伝熱部63の熱伝導率よりも容易に低くすることができる。中央伝熱部73が端伝熱部74よりも薄いため、中央伝熱部73の熱伝導率を端伝熱部74の熱伝導率よりも容易に低くすることができる。その結果、上記第6実施形態と同様、加熱ローラ42の加熱領域をサイズの異なる記録媒体に好適に対応させることができる。
【0148】
遮光部91〜94は、ドーム状を有していなくてもよい。すなわち、遮光部91,93は、ハロゲンランプ11を覆っていなくてもよく、遮光部92,94は、ハロゲンランプ12を覆っていなくてもよい。また、遮光部93の内面93aは、中央部表面61aよりも低い反射率を有していなくてもよく、遮光部94の内面94aは、端部表面71bよりも低い反射率を有していなくてもよい。
【0149】
また、
図16に示す変形例に係る定着ユニット40Cのように、押圧部19が加熱ローラ42と接触しており、伝熱部62,72は、押圧部19を介して熱を加熱ローラ42へ伝導してもよい。この場合、伝熱部62,72に加熱ローラ42と接触する部分を設けることなく、容易に熱を加熱ローラ42へ伝導することができる。
【0150】
また、上記実施形態では、横部62bと横部72bとが、互いに非接触であるとしたが、これに限られない。横部62bと横部72bとは、互いに接触していてもよく、一体化されていてもよい。例えば、
図17に示す変形例に係る定着ユニット40Dのように、反射板60と反射板70とは、加熱ローラ42の内側表面に接触している一つの横部80を共有していてもよい。すなわち、反射板60と反射板70とは、それぞれ独立していなくてもよい。