【実施例】
【0075】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、同一の化合物については特記しない限り同一の製品を用いた。また、
実施例1〜16および実施例30は、それぞれ参考例1〜16および参考例17とする。
【0076】
[塗料組成物の作成]
[中間層用塗料組成物A1]下記材料を混合し中間層用塗料組成物A1を得た。
【0077】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.022質量部
・2プロパノール:6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0078】
[中間層用塗料組成物A2] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A2を得た。
【0079】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部(コルコート
RN−103X コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.022質量部
・2プロパノール:6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0080】
[中間層用塗料組成物A3]
1.下記材料をオイルバス上に設置した還流冷却管付き三つ口フラスコに入れ、オイルバス温度65度で1時間混合する。
【0081】
・メチルトリメトキシシランの加水分解縮合物の2プロパノール・トルエン溶液:10質量部(KR242A 信越化学工業(株)製 固形分濃度 50質量%)
・テトラエトキシシランの加水分解縮合物:5質量部
(エチルシリケート40 コルコート(株)製)
・2プロパノール:6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部
2.上記混合物に攪拌しながらイオン交換水 2質量部を滴下、混合し、液体の濁りがなくなった後、さらに24時間攪拌する。
【0082】
3.冷却後、グリセリン 0.022質量部を滴下混合し、中間層用塗料組成物A3を得た。
【0083】
[中間層用塗料組成物A4] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A4を得た。
【0084】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン : 0.011質量部
・2プロパノール: 5.5質量部
・1ブタノール : 5.5量部。
【0085】
[中間層用塗料組成物A5] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A5を得た。
【0086】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.05質量部
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0087】
[中間層用塗料組成物A6] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A6を得た。
【0088】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.086質量部
・2プロパノール:9.2質量部
・1ブタノール :9.2質量部。
【0089】
[中間層用塗料組成物A7] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A7を得た。
【0090】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・ジエチレングリコール:0.022質量部
・2プロパノール :6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0091】
[中間層用塗料組成物A8] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A8を得た。
【0092】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部(コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・ペンタエリスリトール:0.022質量部
・2プロパノール :6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0093】
[中間層用塗料組成物A9] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A9を得た。
【0094】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・PO変性グリセリン:0.022質量部(SY−DP9 阪本薬品工業(株)製)
・2プロパノール :6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0095】
[中間層用塗料組成物A10] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A10を得た。
【0096】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン脂肪酸エステル:0.022質量部(MCA−150阪本薬品工業(株)製)
・2プロパノール :6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0097】
[中間層用塗料組成物A11] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A11を得た。
【0098】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・イオン液体 :0.013質量部(アミノイオン
RAS100 日本乳化剤(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0099】
[中間層用塗料組成物A12] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A12を得た。
【0100】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・イオン液体 :0.013質量部(KOELIQ
RIL−S2 広栄化学(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0101】
[中間層用塗料組成物A13] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A13を得た。
【0102】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.022質量部
・反応性イオン液体:0.013質量部(アミノイオン
RJI62G02 日本乳化剤(株)製)
・2プロパノール :7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0103】
[中間層用塗料組成物A14] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A14を得た。
【0104】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・イオン液体 :0.005質量部(アミノイオン
RAS100 日本乳化剤(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0105】
[中間層用塗料組成物A15] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A15を得た。
【0106】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・イオン液体 :0.025質量部(アミノイオン
RAS100 日本乳化剤(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0107】
[中間層用塗料組成物A16] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A16を得た。
【0108】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・イオン液体 :0.038質量部(アミノイオン
RAS100 日本乳化剤(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0109】
[中間層用塗料組成物A17] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A17を得た。
【0110】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・イオン液体 :0.013質量部(アミノイオン
RAS100 日本乳化剤(株)製)
・トリフルオロメタンスルホン酸リチウム:0.013質量部(EF−15(三菱マテリアル電子化成(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0111】
[中間層用塗料組成物A18] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A18を得た。
【0112】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・トリフルオロメタンスルホン酸リチウム: 0.013質量部(EF−15(三菱マテリアル電子化成(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0113】
[中間層用塗料組成物A19] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A19を得た。
【0114】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・ビス(トリフルオロブタンスルホニルイミド)カリウム: 0.013質量部(EF−N442(三菱マテリアル電子化成(株))製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0115】
[中間層用塗料組成物A20] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A20を得た。
【0116】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・ビス(トリフルオロブタンスルホニルイミド)リチウム: 0.013質量部(EF−N445(三菱マテリアル電子化成(株))製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0117】
[中間層用塗料組成物A21] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A21を得た。
【0118】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・トリフルオロメタンスルホン酸リチウム: 0.005質量部(EF−15(三菱マテリアル電子化成(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0119】
[中間層用塗料組成物A22] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A22を得た。
【0120】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・トリフルオロメタンスルホン酸リチウム: 0.025質量部(EF−15(三菱マテリアル電子化成(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0121】
[中間層用塗料組成物A23] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A23を得た。
【0122】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液:10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・グリセリン :0.025質量部
・トリフルオロメタンスルホン酸リチウム: 0.038質量部(EF−15(三菱マテリアル電子化成(株)製)
・2プロパノール:7.5質量部
・1ブタノール :7.5質量部。
【0123】
[中間層用塗料組成物A24]下記材料を混合し中間層用塗料組成物A1を得た。
【0124】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液: 10質量部 (コルコート
RPX コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・2プロパノール:6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0125】
[中間層用塗料組成物A25] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A2を得た。
【0126】
・テトラエトキシシラン部分加水分解縮合物の2プロパノール・1ブタノール溶液: 10質量部(コルコート
RN−103X コルコート(株)製 固形分濃度 2質量%)
・2プロパノール:6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部。
【0127】
[中間層用塗料組成物A26]
1.下記材料をオイルバス上に設置した還流冷却管付き三つ口フラスコに入れ、オイルバス温度65度で1時間混合する。
【0128】
・メチルトリメトキシシランの加水分解縮合物の2プロパノール・トルエン溶液:10質量部(KR242A 信越化学工業(株)製 固形分濃度:50質量%)
・テトラエトキシシランの加水分解縮合物:5質量部(エチルシリケート40 コルコート(株)製)
・2プロパノール:6.1質量部
・1ブタノール :6.1質量部
2.上記混合物に攪拌しながらイオン交換水 2質量部を滴下、混合し、液体の濁りがなくなった後、さらに24時間攪拌し、中間層用塗料組成物A26を得た。
【0129】
[中間層用塗料組成物A27] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A27を得た。
【0130】
・グリセリン :0.02質量部
・2プロパノール:10質量部
・1ブタノール :10質量部。
【0131】
[中間層用塗料組成物A28] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A27を得た。
【0132】
・イオン液体 :0.01質量部(アミノイオンRAS100 日本乳化剤(株)製)
・2プロパノール:10質量部
・1ブタノール :10質量部。
【0133】
[中間層用塗料組成物A29] 下記材料を混合し中間層用塗料組成物A27を得た。
【0134】
・トリフルオロメタンスルホン酸リチウム:0.01質量部(EF−15(三菱マテリアル電子化成(株)製)
・2プロパノール:10質量部
・1ブタノール :10質量部。
【0135】
[離型層用塗料組成物B1] 下記材料を混合し離型層用塗料組成物B1を得た。
【0136】
・メチルビニルポリシロキサンおよびメチル水素化ポリシロキサンのトルエン溶液:10質量部 (KS847H 信越化学工業(株)製 固形分濃度 30質量%)
・メチルビニルポリシロキサンと白金の錯体溶液:0.1質量部(PL−50T 信越化学工業(株)製)
・トルエン:10質量部
・ヘプタン:10質量部。
【0137】
[離型層用塗料組成物B2] 下記材料を混合し離型層用塗料組成物B2を得た。
【0138】
・メチルヘキシレンポリシロキサンおよびメチル水素化ポリシロキサンのトルエン溶液:10質量部(LTC750A 東レダウコーニング(株)製 固形分濃度 30質量%)
・メチルビニルポリシロキサンと白金の錯体溶液:0.1質量部(SRX212 東レダウコーニング(株)製)
・トルエン:10質量部
・ヘプタン:10質量部。
【0139】
[離型フィルムの作成]
以下の離型フィルムの作成−C1〜C7にしたがって離型フィルムを得た。
【0140】
[離型フィルムの作成−C1]
厚み38μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製商品名“ルミラー”(登録商標)R60)に、中間層用塗料組成物を、乾燥・硬化後の塗布厚みが40nmとなるようにグラビアコーターで塗布し、100℃で3秒乾燥硬化した。
【0141】
次いで、5分以内に離型層用塗料組成物を、乾燥後の塗布厚みが80nmとなるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化して離型フィルムを得た。
【0142】
[離型フィルムの作成−C2]
前記離型フィルムの作成−C1に対し、中間層用塗料組成物の乾燥・硬化後の塗布厚みを20nmとなるようにグラビアコーターで塗布した以外は同様にして、離型フィルムを得た。
【0143】
[離型フィルムの作成−C3]
前記離型フィルムの作成−C1に対し、中間層用塗料組成物の乾燥・硬化後の塗布厚みを60nmとなるようにグラビアコーターで塗布した以外は同様にして、離型フィルムを得た。
【0144】
[離型フィルムの作成−C4]
前記離型フィルムの作成−C1に対し、中間層用塗料組成物の乾燥・硬化後の塗布厚みを15nmとなるようにグラビアコーターで塗布した以外は同様にして、離型フィルムを得た。
【0145】
[離型フィルムの作成−C5]
前記離型フィルムの作成−C1に対し、離型層用塗料組成物の乾燥・硬化後の塗布厚みを50nmとなるようにグラビアコーターで塗布した以外は同様にして、離型フィルムを得た。
【0146】
[離型フィルムの作成−C6]
前記離型フィルムの作成−C1に対し、離型層用塗料組成物の乾燥・硬化後の塗布厚みを150nmとなるようにグラビアコーターで塗布した以外は同様にして、離型フィルムを得た。
【0147】
[離型フィルムの作成−C7]
前記離型フィルムの作成−C1に対し、離型層用塗料組成物の乾燥・硬化後の塗布厚みを30nmとなるようにグラビアコーターで塗布した以外は同様にして、離型フィルムを得た。
【0148】
以上の方法により実施例1〜30、比較例1〜6の離型フィルムを作成した。各実施例・比較例に対応する上記離型フィルムの作成方法、使用する離型層用塗料組成物、中間層用塗料組成物、各層の膜厚を表1に記載した。
【0149】
[離型フィルムの評価]
作成した離型フィルムについて、次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表1に示す。特に断らない場合を除き、測定は各実施例・比較例において、1つのサンプルにつき場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
【0150】
[常温剥離力]
離型フィルムの離型層形成面に粘着テープ(日東電工(株)製、ポリエステルテープ商品名31B:以下31Bテープ)を、5kgfのゴムローラーを1往復させて圧着し、20℃65%RH24時間放置後、引張り試験機を用いて300mm/分の速度で180°剥離した時の応力を測定した。
【0151】
[加熱重剥離化率]
23℃×65%RH環境下にて、離型フィルムの離型層形成面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製No.31Bテープ、18mm幅)を、5kgfローラーで圧着させながら貼り合わせ、70℃乾燥オーブンにて24時間放置した後、引張り試験機で剥離速度300mm/分、剥離角度180°でテープを剥離した時の荷重を測定した値を31Bテープ70℃加熱剥離力とした。
【0152】
離型フィルムの離型層形成面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)社製No.31Bテープ、18mm幅)を、5kgfローラーで圧着させながら貼り合わせ、23℃×60%条件下にて24時間放置し、引張り試験機で剥離速度300mm/分、剥離角度180°でテープを剥離した時の荷重を31Bテープ常温剥離力とした。以下の式で加熱重剥離化率を求め、加熱重剥離化率150%以下を合格とした。
加熱重剥離化率=A/B×100
A:31Bテープ70℃加熱剥離力
B:31Bテープ常温剥離力。
【0153】
[残留接着率]
ポリエステル粘着テープ(31Bテープ)を離型層形成面に5kgfのゴムローラーを1往復させて圧着し、70℃、20g/cm
2の環境下で20時間静置した。その後室温で1時間冷却した後31Bテープを丁寧にはがし、これを再度銅板に張り合わせて更に1時間静置した後、300m/分の速度で180°剥離した時の抵抗値を測定した。この値を(f)とした。同様の手順を4フッ化エチレン樹脂(東レフィルム加工(株)製“トヨフロン”(登録商標))に貼り合わせて剥離抵抗値を測定しこの値をブランク値(fo)とした。この結果を以下の数式に当てはめて残留接着率を計算した。計算値が90%以上を合格とした
残留接着率(%)=(f)/(fo)×100。
【0154】
[耐溶剤離型性保持率]
テスター産業社製、学振型摩擦試験機II型を用いて、離型フィルムの離型層表面をトルエン約1mlを染み込ませた綿布(金巾3号)で荷重200gf×30往復擦過し、フィルム面についた溶剤を乾燥させた後、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)社製No.31Bテープ、18mm幅)を、5kgfローラーで圧着させながら貼り合わせ、1時間放置し、引張り試験機で剥離速度300mm/分、剥離角度180°でテープを剥離した時の荷重を測定した。この剥離力をトルエン含浸綿布で擦過した後の離型層形成面の剥離力とした。
【0155】
上記測定に用いたサンプルとは別の離型フィルムの離型層形成面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)社製No.31Bテープ、18mm幅)を、5kgfローラーで圧着させながら貼り合わせ、1時間放置し、引張り試験機で剥離速度300mm/分、剥離角度180°でテープを剥離した時の荷重を測定し、この剥離力を初期の離型層形成面の剥離力とした。
【0156】
この結果を以下の数式に当てはめて、耐溶剤離型性保持率を計算した。耐溶剤離型性保持率が85%以上を合格とした。
耐溶剤離型性保持率=A/B×100
A:初期の離型層形成面の剥離力
B:トルエン含浸綿布で擦過した後の離型層形成面の剥離力。
【0157】
[帯電防止性・・・初期の表面抵抗値]
23℃×65%RH環境下にて、表面抵抗測定機(三菱化学(株)製 ハイレスターUX 検出上限値 9×10
14Ω/□)を用い、離型フィルムの離型層形成面側の任意の3点を測定した。その平均値を初期の表面抵抗値とし、9×10
12Ω/□以下を合格とした。
【0158】
[帯電防止性・・・帯電防止性保持率]
上記測定に用いたサンプルとは別の離型フィルムを、70℃の熱風オーブン内にて24時間加熱後、23℃×65%RH環境下に1時間放置し、次いで表面抵抗測定機(三菱化学(株)製 ハイレスター HT−201検出限界上限値9×10
12Ω/□)を用い、離型フィルムの離型層形成面側の任意の3点を測定した。その平均値を加熱後の表面抵抗値とし、以下の式で帯電防止性保持率を算出し、帯電防止性保持率が50%以下を合格とした。
帯電防止性保持率=A/B×100
A:初期の表面抵抗値
B:加熱後の表面抵抗値。
【0159】
表1に各実施例、比較例の構成と評価結果をまとめた。評価結果において、1項目でも合格とならないものについて、課題未達成と判断した。表1に示すように本発明の実施例はいずれも合格しており、本発明が解決しようとしている課題を達成している。
【0160】
【表1】