(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記照明装置識別情報に関する記述には、PANID(Personal Area Network ID)及び前記第1装置の識別情報としてのショートアドレスの記述が含まれる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信システム。
物理層、MAC(Media Access Control)層、及びアプリケーション層から成るプロトコルスタック構造を用いて通信する通信システムのコンピュータに、
前記アプリケーション層の処理として、前記通信に利用する前記MAC層の識別情報をURI(Uniform Resource Identifier)で指定するメッセージを生成するステップと、
第1の場合に、第1装置と第3装置が前記MAC層の識別情報に基づく個体識別情報を第2装置に通知して、前記個体識別情報に代わる識別情報を前記第2装置から取得するステップと、
第2の場合に、前記メッセージを生成するステップにおいて、前記第1装置と前記第3装置との何れかの相手装置の前記個体識別情報に代わる識別情報であって、前記相手装置に係る照明装置を識別可能な照明装置識別情報に関する記述を前記URIの記述に含ませた前記メッセージを生成するステップと、
前記照明装置識別情報に関する記述が含まれた前記URIを用いて前記相手装置と通信するステップと、
を実行させるためのプログラム。
前記メッセージが、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)で規定された照明の制御に係る所定のコマンドに対応した文字列又はデータを含み、
少なくとも前記第3装置は、DALIアドレスと前記第1装置の前記個体識別情報に代わる識別情報とを対応付けて記憶領域に記憶する
ことを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の照明制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の照明制御システム1の構成例を示したブロック図である。
図1に示した照明制御システム1(通信システム)は、ビル管理システム11と、照明コントローラ12と、端末13と、有線用コントローラ14と、有線調光機能付照明装置15と、無線用コントローラ16とを備える。照明制御システム1は、さらに、無線調光機能付照明装置17と、無線ユニット18と、センサ19と、無線ユニット20と、ファン21と、外付無線ユニット22と、調光機能付照明装置23と、設定器24と、操作器25と、無線ユニット26と、スイッチ27と、スイッチ28と、調光機能付照明装置29とを備える。
【0023】
ビル管理システム11は、コンピュータとその周辺装置とを備えて構成されていて、コンピュータで所定のプログラムを実行することで、建物に設置された照明機器、空調機器等の設備の運転状態やエネルギーの消費量等を示すデータを蓄積、管理するための機能等を提供する。
【0024】
照明コントローラ12は、通信回線31を介してビル管理システム11に接続され、有線又は無線のLAN(Local Area Network)32を介して端末13に接続され、そして、RS−485等の通信線33及び通信線34を介して有線用コントローラ14及び無線用コントローラ16に接続され、通信線43を介して無線ユニット26に接続されている。ここで、RS−485は、米国電子工業会によって標準化されたシリアル通信の規格である。照明コントローラ12は、コンピュータとその周辺装置とを備えて構成されていて、コンピュータで所定のプログラムを実行することで、ビル管理システム11、端末13、センサ19、有線用コントローラ14及び無線用コントローラ16との間で所定の信号を送受信し、有線調光機能付照明装置15、無線調光機能付照明装置17、調光機能付照明装置23、及びファン21を制御する。
【0025】
端末13は、コンピュータとその周辺装置とを備えて構成されていて、コンピュータで所定のプログラムを実行することで、ユーザの指示に応じて照明コントローラ12にアクセスし、例えば有線調光機能付照明装置15、無線調光機能付照明装置17等に対する制御内容を設定あるいは変更したり、制御状況を監視したりする。
【0026】
有線用コントローラ14は、例えばマイクロコンピュータを有して構成されていて、マイクロコンピュータで所定のプログラムを実行することで、例えば照明コントローラ12から受信した信号に基づき通信ケーブル35を介して接続されている有線調光機能付照明装置15を制御する。有線用コントローラ14は、例えばDALI(Digital Addressable Lighting Interface)に従ったコマンド及び通信信号を用いて、有線調光機能付照明装置15を制御する。有線調光機能付照明装置15は、LED、蛍光灯等を光源とする照明であり、有線用コントローラ14から受信した制御信号に応じて光源を調光制御したり、オン・オフ制御したりする。
【0027】
例えば、有線用コントローラ14には配線44を介してスイッチ27等が接続されており、有線用コントローラ14は、ユーザの操作によって切り替えられたスイッチ27の状態を取得する。有線用コントローラ14は、取得したスイッチ27の状態に基づいて、有線調光機能付照明装置15等の点灯状態を調整するようにしてもよい。スイッチ27は、DALIに対応するものである。有線用コントローラ14には、スイッチ27以外のDALIに対応する他の装置を、配線44を介して接続するように構成してもよい。
【0028】
無線用コントローラ16は、制御部161と、無線通信部162と、インタフェース(IF)部163と、PANID設定部164と、無線チャネル(ch)設定部165とを有している。制御部161は、例えば通信機能、揮発性及び不揮発性のメモリ等を内蔵したマイクロコンピュータであり、不揮発性メモリに格納されているプログラムを実行することで、照明コントローラ12と通信したり、無線通信部162を介して無線調光機能付照明装置17等と通信したりする。無線用コントローラ16は、例えば照明コントローラ12から受信した信号に基づき無線通信部162を介して無線信号36を送受信することで無線調光機能付照明装置17を制御する。無線通信部162は、例えば、IEEE802.15.4等の所定の短距離無線ネットワーク規格に従った無線通信によって、無線調光機能付照明装置17のほか、外付無線ユニット22と設定器24との間で、所定の信号を送受信する。また、無線通信部162は、所定の設定情報を書換可能に記憶する不揮発性メモリを有していてもよい。また、無線用コントローラ16の制御部161は、例えば設定器24から無線信号305を介して受信した指令情報に基づき無線通信部162の設定を変更する。インタフェース部163には、配線45を介してスイッチ28等が接続されており、インタフェース部163は、ユーザの操作によって切り替えられたスイッチ28の状態を取得する。インタフェース部163は、取得したスイッチ28の状態に基づいて、無線調光機能付照明装置17等の点灯状態を調整するようにしてもよい。スイッチ28は、DALIに対応するものであり、インタフェース部163にはスイッチ28以外のDALIに対応する他の装置を接続して構成してもよい。無線用コントローラ16の制御部161は、例えばDALIに従ったコマンド及び通信信号を用いて、調光機能付照明装置29を制御する。調光機能付照明装置29は、DALIに対応する照明であり、無線用コントローラ16から受信した制御信号に応じて、その照明部(光源)を、調光制御したり、オン・オフ制御したりする。
【0029】
PANID設定部164は、例えば、ロータリスイッチ、DIP(Dual In-line Package )スイッチ等を有して構成されていて、例えば16ビットのネットワークの識別子であるPANID(Personal Area Network ID)を無線通信部162に対してユーザが設定するために使用される。ただし、PANID設定部164は、ロータリスイッチ、DIPスイッチ等を有せず、制御部161が有する不揮発性メモリにPANIDを記憶させたり、変更したりするためのデータを入出力するためのインタフェース等として構成されていてもよい。すなわち、PANID設定部164は、例えば、無線通信部162を介して設定器24の無線通信部241と通信することでPANIDの設定値を受信し、制御部161が有する不揮発性メモリに受信したPANIDを記憶させたり、無線通信部162が有する不揮発性メモリに受信したPANIDを記憶させたりするものであってもよい。この場合、PANID設定部164は、例えば、制御部161内に一部又は全部が含まれていてもよい。PANIDは、無線通信部162が使用する短距離無線ネットワークの識別子であり、例えば同一のPANIDが設定された無線通信部162と無線通信部171との間で無線通信が実行される。
【0030】
無線ch設定部165は、例えば、ロータリスイッチ、DIPスイッチ等を有して構成されていて、短距離無線ネットワークが有する例えば8ビットの無線チャネルのうちのいずれかを無線通信部162に対してユーザが設定するために使用される。ただし、無線ch設定部165は、ロータリスイッチ、DIPスイッチ等を有せず、制御部161が有する不揮発性メモリに無線chを記憶させたり、変更したりするためのデータを入出力するためのインタフェース等として構成されていてもよい。すなわち、無線ch設定部165は、例えば、無線通信部162を介して設定器24の無線通信部241と通信することで無線チャネルの設定値を受信し、制御部161が有する不揮発性メモリに受信した無線チャネルを記憶させたり、無線通信部162が有する不揮発性メモリに受信した無線チャネルを記憶させたりするものであってもよい。この場合、無線ch設定部165は、例えば、制御部161内に一部又は全部が含まれていてもよい。同一の無線chを使用する無線通信部162と無線通信部171との間で無線通信が実行される。
【0031】
無線調光機能付照明装置17は、無線通信部171と、制御部172と、照明部173とを備える。無線通信部171は、無線通信部162と同様に所定の短距離無線ネットワーク規格に従った無線通信を行う。制御部172は、例えば通信機能、揮発性及び不揮発性のメモリ等を内蔵したマイクロコンピュータであり、不揮発性メモリに格納されているプログラムを実行することで、無線通信部171を介して無線用コントローラ16又は設定器24と通信したり、照明部173を制御したりする。照明部173は、例えばLEDやインバータ制御の蛍光灯(Hf)を光源とする照明である。制御部172は、無線用コントローラ16又は設定器24から受信したメッセージに応じて照明部173を調光制御したり、オン・オフ制御したりする。また、無線調光機能付照明装置17の制御部172は、例えば設定器24から無線信号304を介して受信した指令情報に基づき無線通信部171の設定を変更する。
【0032】
無線ユニット18は、所定の通信線40を介してセンサ19から出力された所定の検知信号を入力したり、所定の短距離無線ネットワーク規格に従った無線通信によって、無線ユニット26との間で無線信号37を送受信したりする。センサ19は、例えば人の存在を検知する人感センサ又は温度、湿度、照度等の検知器であり、検知結果を表す信号を、無線ユニット18と無線ユニット26とを介して照明コントローラ12に送信する。
【0033】
無線ユニット20は、所定の通信線41を介してファン21に対して所定の制御信号を出力したり、所定の短距離無線ネットワーク規格に従った無線通信によって、無線ユニット26との間で無線信号38を送受信したりする。ファン21は、扇風機あるいは換気扇であり、無線ユニット26が送信した所定の制御信号を、無線ユニット20を介して受信して、扇風機あるいは換気扇をオン・オフ制御したり、回転速度を制御したりする。
【0034】
無線ユニット26は、通信線43を介して照明コントローラ12に接続され、無線ユニット18と無線信号37を介して通信し、無線ユニット20と無線信号38を介して通信する。無線ユニット26は、照明コントローラ12と無線ユニット18との間、照明コントローラ12と無線ユニット20との間の通信を中継する。例えば、無線ユニット26は、PLC(programmable logic controller)などを含めて構成する。
【0035】
外付無線ユニット22と、調光機能付照明装置23とは、組み合わせることで、無線調光機能付照明装置17と同等の機能を有する照明装置として動作する。外付無線ユニット22は、無線通信部221と、制御部222とを有する。外付無線ユニット22と、調光機能付照明装置23とは、通信ケーブル42を介して接続されている。調光機能付照明装置23は、照明部231を備える。無線通信部221は、無線通信部171と同等の構成であり、無線通信部162又は無線通信部241との間で、所定の短距離無線ネットワーク規格に従い、無線信号39を用いて所定の信号を送受信する。制御部222は、例えば通信機能、揮発性及び不揮発性のメモリ等を内蔵したマイクロコンピュータであり、不揮発性メモリに格納されているプログラムを実行することで、無線通信部221を介して無線用コントローラ16と通信したり、照明部231を制御したりする。照明部231は、例えばLEDを光源とする照明である。制御部222は、無線用コントローラ16又は設定器24から受信したメッセージに応じて照明部231を調光制御したり、オン・オフ制御したりする。また、外付無線ユニット22の制御部222は、例えば設定器24から無線信号303を介して受信した指令情報に基づき無線通信部221の設定を変更する。
【0036】
設定器24は、無線通信部241と、制御部242と、記憶部243と、入出力部244とを有している。制御部242は、例えば通信機能、揮発性及び不揮発性のメモリ等を内蔵したマイクロコンピュータであり、不揮発性メモリ等で構成される記憶部243等に格納されているプログラムを実行することで、無線通信部162を介して無線調光機能付照明装置17等と通信したり、操作器25と通信したりする。例えば、入出力部244は、表示部と入力部とを重ね合わせて一体として構成されたタッチパネルである。
【0037】
設定器24は、例えば入出力部244により受け付けた指示に基づき、又は、操作器25から無線信号301として受信した指令情報に基づき、無線通信部241を介して無線信号304を送受信することで無線調光機能付照明装置17と調光機能付照明装置23とを制御する。無線通信部241は、例えば、IEEE802.15.4等の所定の短距離無線ネットワーク規格に従った無線通信によって、無線調光機能付照明装置17と外付無線ユニット22との間で、所定の信号を送受信する。
また、設定器24は、無線通信部162と無線通信部171と無線通信部221が互いに通信できるように、無線通信部162と無線通信部171と無線通信部221の通信に関する設定を調整する。
【0038】
操作器25は、無線通信部251と、制御部252と、記憶部253と、入出力部254とを有している。制御部252は、例えば通信機能、揮発性及び不揮発性のメモリ等を内蔵したマイクロコンピュータであり、不揮発性メモリ等で構成される記憶部253等に格納されているプログラムを実行することで、設定器24を介して無線調光機能付照明装置17等と通信して、その点灯状態を調整したりする。例えば、入出力部254は、表示部と入力部とを重ね合わせて一体として構成されたタッチパネルである。
操作器25は、例えば入出力部254により受け付けた指示に基づき、無線通信部251を介して無線信号301を送受信することで無線調光機能付照明装置17と調光機能付照明装置23とを制御する。無線通信部251は、例えば、IEEE802.15.4等の所定の短距離無線ネットワーク規格に従った無線通信によって、無線調光機能付照明装置17と外付無線ユニット22との間で、所定の信号を送受信する。
【0039】
図1に示した構成では、無線通信部162、無線通信部171、無線通信部221及び無線通信部241には、次の形式の無線アドレスが設定され、その無線アドレスを宛先及び送信元に設定した無線通信が実行される。無線アドレスは、例えば、IEEE802.15.4のPANIDとショートアドレスとから構成することができる。PANIDは、ネットワーク・グループを認識するための16ビットの識別子である。そして、ショートアドレスは、ネットワークで管理デバイス等が動的に割り当てる16ビットのアドレスである。
無線通信部162、無線通信部171、無線通信部221及び無線通信部241間の通信に使用する周波数帯域は、例えば、920MHz帯を利用する。920MHz帯を利用する無線方式は、2.4GHz帯を利用する無線方式に比べて、通信距離や回り込み特性が優れている。上記の特徴を有する920MHz帯を使用することにより、比較的小さな送信電力のもとで通信を行うことができ、無線通信に係る電力を、2.4GHz帯を利用する無線方式のものに比べて少なくすることができる。また、920MHz帯を利用することにより、屋内空間においてもコントローラから50m以上離れた照明器具との通信が可能になる。
【0040】
また、制御部161と、制御部172、制御部222及び設定器24との間では、例えばCoAP(Constrained Application Protocol)に従ったメッセージがやりとりされる。CoAPは、REST(Representational State Transfer)に従い、M2M(Machine to Machine)に適したプロトコルの1つである。CoAPは、パケットヘッダが小さいこと、ステートレスな単一メッセージの交換を行うこと等の特長がある。
【0041】
なお、
図1を参照して説明した本実施形態の照明制御システム1の構成は、例えば次のように変更してもよい。例えば、無線ユニット26に代えて無線用コントローラ16の無線通信部162が、無線ユニット18又は無線ユニット20と通信するようにしてもよい。また、スイッチ28、調光機能付照明装置29、及び、無線用コントローラ16が有するIF部163は、省略してもよい。
【0042】
次に、
図2A及び
図2Bを参照して、
図1に示した照明制御システム1の動作例について説明する。
図2Aは、
図1に示した照明制御システム1の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図2Bは、
図2Aに示した無線通信部設定処理(ステップS200)の内容を示したシーケンス図である。
【0043】
(初期状態設定処理)
図2Aにおいて、まず、照明制御システム1は、初期状態設定処理(ステップS100)を実施する。例えば、設定器24の制御部242は、設定データTBLとして無線通信のための各種設定データを取得する(ステップS121)。設定データTBLには、例えば、無線通信部162が使用するPANIDと無線chとを示すデータが登録される。一方、無線調光機能付照明装置17は、据え付けられた後(ステップS141)、電源が投入(電源ON)される(ステップS142)。電源投入後、無線調光機能付照明装置17の制御部172は、自らの初期化処理を実行し、照明部173の点灯状態を省電力になるような点灯状態にする(ステップS142)。次に、制御部172は、各種設定を行うメンテナンスモードに遷移するか否かの判定を行う。例えば、メンテナンスモードに遷移するか否かの判定は、電源が投入されてから所定の時間が経過するまでに所定の信号を受け付けたか否かを条件にしてもよい。判定の結果によりメンテナンスモードに遷移した後に、制御部172は、その状態がメンテナンスモードに遷移していることを照明部173に表示させる(ステップS143)。例えば、メンテナンスモードの表示は、照明部173を、予め定めた任意の点灯状態にすることにより行ってもよい。
【0044】
(無線通信部設定処理)
続いて、照明制御システム1は、無線通信部設定処理(ステップS200)を実施する。
図2Bにおいて、例えば、設定器24の制御部242は、設定指示コマンド(指令情報)を無線調光機能付照明装置17に送る(ステップS221)。無線調光機能付照明装置17の制御部172は、設定器24からの「設定指示コマンド(指令情報)」を受けて、設定登録モードに遷移する(ステップS241)。上記の「設定登録モード」は、無線通信部171と照明部173の各種変数を設定する動作モードである。制御部172は、各照明装置を識別する個体識別情報を無線信号に乗せて送信する(ステップS242)。制御部242は、無線調光機能付照明装置17からの無線信号を受信して、受信した個体識別情報を収集する(ステップS222)。制御部242は、受信した個体識別情報を用いて設備リスト作成し、作成した設備リストを設定データTBLに書き込む(ステップS223)。制御部242は、無線通信部171の個別設定データを無線信号に乗せて送信する(ステップS224)。例えば、無線通信部171の個別設定データは、通信に使用する無線通信チャネル番号(無線ch)、ネットワーク識別情報(PANID)、通信データを暗号化したり復号する際に使用する暗号鍵、リンク制御に用いるアドレス情報(ショートアドレス)等である。制御部172は、無線通信部171の個別設定データを設定器24から受信して、受信した個別設定データを制御部172の記憶領域に書き込み(ステップS244)、書込み状況を表示する(ステップS245)。なお、設定データTBLには、MAC(Media Access Control)アドレス等の個体識別情報と、DALIアドレスとの対応関係を示す情報を記憶することができる。
【0045】
次に、設定器24の制御部242は、設定指示コマンド(指令情報)を無線用コントローラ16に送る(ステップS225)。無線用コントローラ16の制御部161は、設定器24からの「設定指示コマンド(指令情報)」を受けて、設定登録モードに遷移する(ステップS215)。この場合の「設定登録モード」は、無線通信部162の各種変数を設定する動作モードである。制御部161は、自装置(例えば無線通信部162)を識別する個体識別情報を無線信号に乗せて送信する(ステップS216)。制御部242は、無線用コントローラ16からの無線信号を受信して、受信した個体識別情報を収集する(ステップS226)。制御部242は、受信した個体識別情報を用いて設備リスト作成し、作成した設備リストを設定データTBLに書き込む(ステップS227)。制御部242は、無線通信のための各種設定データと照明装置の設定情報とを含む無線通信部162の個別設定データを無線信号に乗せて送信する(ステップS228)。
【0046】
無線用コントローラ16の制御部161は、無線通信のための各種設定データと照明装置の設定情報を受信して、受信した個別設定データを設定データTBLとして制御部161の記憶領域に書き込む(ステップS218)。
図9に無線通信部162の個別設定データ(設定データTBL)の一例を示した。
図9に示したように、設定データTBLは、無線パラメータと、DALIパラメータと、DALIパラメータ以外のパラメータとを含む。無線パラメータは、通信に使用する無線通信チャネル番号(無線ch)、ネットワーク識別情報(PANID)、通信データを暗号化したり復号する際に使用する暗号鍵、リンク制御に用いるアドレス情報(ショートアドレス)等を含む。ただし、暗号鍵は省略してもよい。DALIパラメータは、調光レベルの起動時の値や最大値、最小値、異常値、複数のパラメータの組をシーンとして設定するための情報、一括して制御するグループを表す情報等を含む。DALIパラメータ以外のパラメータはPWM周波数、物理的な最小レベル、起動時のデューティ比の設定値等を含む。無線パラメータを受信した場合、無線用コントローラ16の制御部161は、例えば、無線通信部162の各種変数を予め定められた値に設定する。すなわち、例えば、制御部161は、無線通信部162が使用するPANIDと無線chとを設定する(例えばそれらの設定値を無線通信部162のドライバに引き渡す)。
【0047】
(照明制御情報設定処理)
続いて、照明制御システム1は、照明制御情報設定処理(ステップS300)を実施する。例えば、無線用コントローラ16は、照明個別情報の設定を指示する指令情報を受け付けて、無線調光機能付照明装置17に対して、照明個別情報の設定を指示する指令情報を無線信号に乗せて送信する。例えば、照明個別情報は、フェードレイト、フェード時間、グループ番号等のデータを含む(ステップS311)。無線調光機能付照明装置17の制御部172は、照明個別情報の設定を指示する指令情報を受け付けると、制御部172の記憶領域に照明個別情報を書き込む(ステップS341)。以上の処理により、照明制御システム1は、「初期状態設定処理」、「無線通信部設定処理」、「照明制御情報設定処理」の各処理を終え、照明調整処理(ステップS400)を実施する。照明調整処理は、無線用コントローラ16と無線調光機能付照明装置17との間で所定の無線信号を送受信することで、無線調光機能付照明装置17が有する照明部173の点灯状態を調整する処理である。
【0048】
次に、
図3を参照して、無線用コントローラ16と無線調光機能付照明装置17(あるいは外付無線ユニット22)との間の無線通信で使用するプロトコルスタックの構成について説明する。
図3は、
図1に示した照明制御システム1において、無線用コントローラ16と無線調光機能付照明装置17との間の無線通信に適用されるプロトコルスタックの構成例を説明するための説明図である。
図3に示したように、無線用コントローラ16及び無線調光機能付照明装置17は、物理層401、MAC層402、及びアプリケーション層403から成るプロトコルスタックに従って、各無線通信部162及び171を用いて無線信号を送受信する。本実施形態では、物理層401はIEEE802.15.4g PHYで規定されたプロトコルに準拠したものとすることができ、MAC層402はIEEE802.15.4 MACで規定されたプロトコルに準拠したものとすることができる。また、アプリケーション層403は、無線用コントローラ16と無線調光機能付照明装置17との間で送受信するメッセージをCoAPに準拠したものとすることができる。すなわち、アプリケーション層403のプロトコルに従って所定のプログラムを実行することで、無線用コントローラ16の制御部162及び無線調光機能付照明装置17の制御部172は、CoAPに準拠したメッセージを送受信したり、メッセージの内容に基づく処理を行ったりするためのプログラムを実行する。無線用コントローラ16の制御部161は、例えば、アプリケーション層403のプロトコルに従ったプログラムを実行することで、CoAPに準拠したメッセージを生成したり、DALIに準拠したコマンドをCoAPに準拠したメッセージに変換したりする。また、無線調光機能付照明装置17の制御部172は、例えば、受信したCoAPに準拠したメッセージの内容に基づき、照明部173(
図1)を制御する。
【0049】
例えば、本実施形態の照明制御システム1では、無線用コントローラ16及び無線調光機能付照明装置17が、物理層401、MAC層402、及びアプリケーション層403から成るプロトコルスタック400に従って、各無線通信部162及び171を用いて無線信号を送受信する際に、無線用コントローラ16が、アプリケーション層403に従って所定のプログラムを実行することで、無線調光機能付照明装置17のPANID及びショートアドレスを含むメッセージを決定し、無線調光機能付照明装置17においてアプリケーション層403に従って実行される他の所定のプログラムに対して送信する。
【0050】
次に、
図4及び
図8を参照して、無線用コントローラ16と無線調光機能付照明装置17あるいは外付無線ユニット22との間でアプリケーション層403に従って送受信されるメッセージの構成例について説明する。制御部161が、制御部172に対して照明部173を制御するためのコマンドを示すCoAPメッセージを送信する場合、制御部161は、次の形式のURIと、CoAPメソッドの種類とを指定し、さらに、必要に応じてパラメータを指定して、無線通信部162に対してCoAPメッセージを含む無線信号の送信を指示する。
図4は、本実施形態で用いられるURIの構成例を示した説明図である。
【0051】
図4(a)は本実施形態においてCoAPメッセージを送信する場合に指定するURIの一般的な形式を示し、
図4(b)は
図4(a)に示したリソース<resource>の一形式を示し、そして、
図4(c)はURIの具体例を示している。本実施形態で、CoAPメッセージを送信する場合のURIの先頭にRFC3986で規定されたURIスキームを表す「coap」が配置される。次に、「coap」に続けて記号「://」を挟んで、宛先の無線アドレスを示すPANID<panid>と、さらに記号「:」を挟んで、ショートアドレス<short address>とが配置される。<panid>と<short address>は16進数で表記される。このPANID<panid>と、記号「:」と、ショートアドレス<short address>とは、RFC3986で規定されたURIオーソリティであり、本実施形態のURIは少なくともPANID<panid>と<short address>とを含んでいる。さらに、記号「/」を挟んで、リソース名<resource>が続く。そして、記号「?」を挟んで、クエリパラメータ<query>が続く。本実施形態において、リソース名<resource>は、例えば制御部172による照明部173の制御あるいは制御部222による照明部231の制御に係る所定のコマンドを表す文字列である。
【0052】
リソース名<resource>は、例えば、
図4(b)に示した形式をとる。すなわち、
図4(b)に示した「levels」と「actual」は、DALIで規定された調光レベルを操作するコマンドのうちの「DIRECT ARC POWER CONTROL」コマンド(=フェードタイムに従って任意の調光レベルに調光するコマンド)又は「QUERY ACTUAL LEVEL」コマンド(=現在の調光レベルを問い合わせるコマンド)を表している。2つコマンドのうちのどちらを表すのかはCoAPメッセージに指定されるCoAPメソッドの種類によって決まる。また、<channel>は、例えば無線通信部171又は無線通信部221が複数の出力チャネルを有する場合に、チャネル番号を指定する値が設定される。例えば、出力チャネルが1チャネルの場合、<channel>=<0>と設定する。
【0053】
CoAPメソッドは、GET、PUT、POST、DELETEの4種類である。GETはURIで識別されたリソースに対応する情報を取得するメソッドである。PUTはメッセージに含まれるデータでURIで識別されたリソースを更新又は作成することを要求するメソッドである。POSTは、メッセージに含まれるデータに対して処理を要求するメソッドである。そして、DELETEは、URIで識別されたリソースの削除を要求するメソッドである。
【0054】
例えば、CoAPメソッドが「PUT」である場合、リソース名<resource>が
図4(b)に示した「/levels/<channel>/actual」であるときは<channel>に対して、「DIRECT ARC POWER CONTROL」コマンドの実行が指示される。この場合、CoAPメッセージには、調光レベルを示すデータが同封される。他方、CoAPメソッドが「GET」である場合、リソース名<resource>が
図4(b)に示した「/levels/<channel>/actual」であるときは<channel>に対して、「QUERY ACTUAL LEVEL」コマンドの実行が指示される。この場合、CoAPメッセージには、特にパラメータを示すデータを含まなくてよい。
【0055】
図4(c)に示したURIの具体例は、例えば無線通信部171のアドレスが「0021:1E94」であるとすると、PANIDが0x0021、ショートアドレスが0x1E94である無線通信部171が接続された制御部172に対して、「/levels/0/actual」で表される「DIRECT ARC POWER CONTROL」コマンド又は「QUERY ACTUAL LEVEL」コマンドの実行を指示する情報となる。
【0056】
なお、
図4を参照して説明したリソース名は一例であって、リソース名はDALIの他のコマンドに対応させて他に複数種類用意することが可能である。
【0057】
なお、CoAPメッセージの形式は、
図8に示すように、フィールド51〜59から構成されている。2ビットのフィールド51はCoAPのバージョン番号を表す。2ビットのフィールド52はメッセージのタイプを表す。メッセージが、Conformable(応答を要求するメッセージ)なのか、Non−Conformable(応答を要求しないメッセージ)なのか、Acknowledgement(肯定のメッセージ)なのか、あるいは、Reset(リセットを求めるメッセージ)なのかを表す。
【0058】
4ビットのフィールド53は、トークン長を表す。トークンは、リクエストメッセージとレスポンスメッセージとを照合するための連続した番号であり、0から8バイトの長さに設定することができる。8ビットのフィールド54は、メッセージのコードを表す。メッセージのコードはクラスを表す3ビットと、詳細を表す5ビットのデータに分けられる。クラスには、メッセージがリクエストであることを示すもの、メッセージが成功したレスポンスであることを示すもの、メッセージがクライアントのエラーレスポンスであることを示すもの、メッセージがサーバのエラーレスポンスであることを示すもの等がある。また、詳細には、CoAPのメソッドがGET、PUT、POST又はDELETEのいずれであるかを示すデータ、レスポンスの内容を示すデータ等が定義されている。16ビットのフィールド55は、メッセージID(識別子)を表す。メッセージIDは、メッセージを一意に識別する情報であり、メッセージの重複を検知したり、リクエストとレスポンス、あるいはConformableとNon−Comfortableとを照合したりするために使用される。
【0059】
以上のフィールド51から55がCoAPメッセージのヘッダである。フィールド56から59は任意のフィールドである。フィールド56にはトークン長を示すフィールド53で指定された長さのトークンの値が格納される。フィールド57には0又は複数バイトのオプションの情報が格納される。オプションの情報には、URIパスを示すデータ(
図4では<resource>として示した文字列)等がある。
【0060】
フィールド59は、オプションのペイロードの情報が格納される。ペイロードには例えば調光レベルの指示値を格納することができる。このフィールド59に対しては、
図8ではフィールド58として示した固定された1バイト(0xFF)のデータが前に付けられる。なお、各フィールドには、ASCII文字に限らず、任意のデータを格納することができる。
【0061】
次に、
図5を参照して、
図1に示した無線用コントローラ16と無線調光機能付照明装置17との間のメッセージのやりとりについて一例を示して説明する。
図5に示した例では、無線通信部171の無線アドレスが「0021:1E94」に設定されているものとする。
【0062】
いま、制御部161において、無線調光機能付照明装置17に対して発行すべきコマンドが発生したとする(S11)。例えば、制御部161が実行しているアプリケーションプログラムが、時刻の情報や、センサ19から取得した情報等に基づき自らコマンドの発行を決定した場合、照明コントローラ12からコマンドの発行が指示された場合、端末13からユーザの操作に応じてコマンドの発行が指示された場合等にコマンドの発行が行われる。この例では、S11において、無線通信部171のチャネル0に対して、現在の調光レベルを問い合わせるコマンドの発行が決定されたものとする。
【0063】
制御部161は、当該コマンドを無線調光機能付照明装置17に対して発行した場合に予想される応答メッセージの到着時間帯を算出し、判定時間として設定する(S12)。制御部161は、後述するS19において、判定時間より前あるいは後に応答メッセージが到着した場合には、なんらかの問題が生じた可能性があると判定する。
【0064】
次に、制御部161は、URIを「coap://0021:1E94/levels/0/actual」と指定し、CoAPメソッドを「GET」としたメッセージの送信を、無線通信部162に対して指示する(S13)。無線通信部162は、CoAPメッセージのヘッダにメソッドが「GET」である旨のデータと、オプションを格納するフィールドにURIパス(すなわちリソース)が「/levels/0/actual」であることを示すデータとを格納したCoAPメッセージを作成する。そして、無線通信部162は、作成したCoAPメッセージを無線パケットのペイロードに含む無線パケットを生成し、自装置に設定された無線アドレスを送信元アドレス、無線通信部171の無線アドレス「0021:1E94」を送信先アドレスとし、設定された無線chを用いて、所定の無線プロトコルに従って無線パケットを送信する(S14)。
【0065】
次に、無線通信部171は、自装置宛ての無線パケットを受信し、CoAPメッセージを取り出して、CoAPメソッドが「GET」であり、リソースが「/levels/0/actual」であること等を示すデータを制御部172に対して引き渡す(S15)。制御部172は、CoAPメソッドが「GET」であること及びリソースが「/levels/0/actual」であることから、指示されたコマンドが、DALIによる「QUERY ACTUAL LEVEL」コマンドであることを認識する。そして、制御部172は、コマンドの実行結果として、照明部173の現在の調光レベルの値(「0x80」とする)を内容とする応答メッセージの返送を無線通信部171に対して指示する(S16)。
【0066】
無線通信部171は、制御部172の指示に応じて、CoAPヘッダにコード「2.05」(Content)を格納し、ペイロードに「0x80」を格納したCoAPメッセージを作成する。そして、無線通信部162は、作成したCoAPメッセージを無線パケットのペイロードに含む無線パケットを生成し、自装置に設定された無線アドレスを送信元アドレス、無線通信部162の無線アドレスを送信先アドレスとし、設定された無線chを用いて、所定の無線プロトコルに従って無線パケットを送信する(S17)。次に、無線通信部162は、自装置宛ての無線パケットを受信し、CoAPメッセージを取り出して、CoAPヘッダのコードが「2.05」(Content)であり、ペイロードに「0x80」が格納されていること等を示すデータを制御部161に対して引き渡す(S18)。
【0067】
制御部161は、S13で送信を指示した要求メッセージ(すなわちリクエストメッセージ)に対する応答メッセージ(すなわちレスポンスメッセージ)を無線通信部162から受け取った時刻が、S12で設定した判定時間内であるか否かを判定する(S19)。制御部161は、判定時間内であると判定した場合、例えば応答メッセージが含む現在の調光レベルに基づき、データを記録したり、照明コントローラ12へ取得したデータを転送したりする所定の処理を行う。他方、判定時間より早いあるいは遅いと判定した場合、制御部161は、例えば、同一のコマンドを指示する要求メッセージを再度発行したり、判定時間内に応答メッセージを受信できなかった旨を照明コントローラ12へ通知する処理を行ったりする。
【0068】
次に、
図6を参照して、
図1に示した無線用コントローラ16と無線調光機能付照明装置17との間のメッセージのやりとりについて他の例を示して説明する。
図6に示した例では、無線通信部171の無線アドレスが「0021:1E94」に設定されているものとする。
【0069】
いま、制御部161において、無線調光機能付照明装置17に対して発行すべきコマンドが発生したとする(S31)。この例では、S31において、無線通信部171のチャネル0に対して、現在の調光レベルを「0x50」に調光するコマンドの発行が決定されたものとする。
【0070】
制御部161は、当該コマンドを無線調光機能付照明装置17に対して発行した場合に予想される応答メッセージの到着時間帯を算出し、判定時間として設定する(S32)。制御部161は、後述するS40において、判定時間より前あるいは後に応答メッセージが到着した場合には、なんらかの問題が生じた可能性があると判定する。
【0071】
次に、制御部161は、URIを「coap://0021:1E94/levels/0/actual」と指定し、CoAPメソッドを「PUT」とし、さらにペイロードに調光レベルの指示値「0x50」を格納したメッセージの送信を、無線通信部162に対して指示する(S33)。無線通信部162は、CoAPメッセージのヘッダにメソッドが「PUT」である旨のデータと、オプションを格納するフィールドにURIパス(すなわちリソース)が「/levels/0/actual」であることを示すデータと、ペイロードに指示値「0x50」を示すデータとを格納したCoAPメッセージを作成する。そして、無線通信部162は、作成したCoAPメッセージを無線パケットのペイロードに含む無線パケットを生成し、自装置に設定された無線アドレスを送信元アドレス、無線通信部171の無線アドレス「0021:1E94」を送信先アドレスとし、設定された無線chを用いて、所定の無線プロトコルに従って無線パケットを送信する(S34)。
【0072】
次に、無線通信部171は、自装置宛ての無線パケットを受信し、CoAPメッセージを取り出して、CoAPメソッドが「PUT」であり、リソースが「/levels/0/actual」であり、そして、ペイロードに格納されているデータの内容が「0x50」であること等を示すデータを制御部172に対して引き渡す(S35)。制御部172は、CoAPメソッドが「PUT」であること及びリソースが「/levels/0/actual」であることから、指示されたコマンドが、DALIによる「DIRECT ARC POWER CONTROL」コマンドであることを認識する。そして、制御部172は、調光レベルを指示値「0x50」/「0xFE」(0xFEは調光レベル100%の指示値)×100%のデューティー比(=オン/(オン+オフ)時間比)とするための制御信号を生成し、照明部173に対して出力する(S36)。そして、制御部172は、コマンドの実行結果として、照明部173の変更後の現在の調光レベルの値(「0x50」)を内容とする応答メッセージの返送を無線通信部171に対して指示する(S37)。
【0073】
無線通信部171は、制御部172の指示に応じて、CoAPヘッダにコード「2.04」(Changed)を格納し、ペイロードに「0x50」を格納したCoAPメッセージを作成する。そして、無線通信部171は、作成したCoAPメッセージを無線パケットのペイロードに含む無線パケットを生成し、自装置に設定された無線アドレスを送信元アドレス、無線通信部162の無線アドレスを送信先アドレスとし、設定された無線chを用いて、所定の無線プロトコルに従って無線パケットを送信する(S38)。次に、無線通信部162は、自装置宛ての無線パケットを受信し、CoAPメッセージを取り出して、CoAPヘッダのコードが「2.04」(Changed)であり、ペイロードに「0x50」が格納されていること等を示すデータを制御部161に対して引き渡す(S39)。
【0074】
制御部161は、S33で送信を指示した要求メッセージ(すなわちリクエストメッセージ)に対する応答メッセージ(すなわちレスポンスメッセージ)を無線通信部162から受け取った時刻が、S32で設定した判定時間内であるか否かを判定する(S40)。制御部161は、判定時間内であると判定した場合、例えば応答メッセージが含む現在の調光レベルに基づき、データを記録したり、照明コントローラ12へ取得したデータを転送したりする所定の処理を行う。他方、判定時間より早いあるいは遅いと判定した場合、制御部161は、例えば、同一のコマンドを指示する要求メッセージを再度発行したり、現在の調光レベルを問い合わせるコマンドを発行したり、判定時間内に応答メッセージを受信できなかった旨を照明コントローラ12へ通知する処理を行ったりする。
【0075】
次に、
図7を参照して、
図1に示した無線用コントローラ16と外付無線ユニット22及び調光機能付照明装置23との間のメッセージのやりとりについて説明する。
図7に示した例では、無線通信部221の無線アドレスが「0021:1E95」に設定されているものとする。
【0076】
いま、制御部161において、調光機能付照明装置23に対して発行すべきコマンドが発生したとする(S51)。この例では、S51において、無線通信部221のチャネル0に対して、現在の調光レベルを「0x50」に調光するコマンドの発行が決定されたものとする。
【0077】
制御部161は、当該コマンドを調光機能付照明装置23に対して発行した場合に予想される応答メッセージの到着時間帯を算出し、判定時間として設定する(S52)。制御部161は、後述するS60において、判定時間より前あるいは後に応答メッセージが到着した場合には、なんらかの問題が生じた可能性があると判定する。
【0078】
次に、制御部161は、URIを「coap://0021:1E95/levels/0/actual」と指定し、CoAPメソッドを「PUT」とし、さらにペイロードに調光レベルの指示値「0x50」を格納したメッセージの送信を、無線通信部162に対して指示する(S53)。無線通信部162は、CoAPメッセージのヘッダにメソッドが「PUT」である旨のデータと、オプションを格納するフィールドにURIパス(すなわちリソース)が「/levels/0/actual」であることを示すデータと、ペイロードに指示値「0x50」を示すデータとを格納したCoAPメッセージを作成する。そして、無線通信部162は、作成したCoAPメッセージを無線パケットのペイロードに含む無線パケットを生成し、自装置に設定された無線アドレスを送信元アドレス、無線通信部221の無線アドレス「0021:1E95」を送信先アドレスとし、設定された無線chを用いて、所定の無線プロトコルに従って無線パケットを送信する(S54)。
【0079】
次に、無線通信部221は、自装置宛ての無線パケットを受信し、CoAPメッセージを取り出して、CoAPメソッドが「PUT」であり、リソースが「/levels/0/actual」であり、そして、ペイロードに格納されているデータの内容が「0x50」であること等を示すデータを制御部222に対して引き渡す(S55)。制御部222は、CoAPメソッドが「PUT」であること及びリソースが「/levels/0/actual」であることから、指示されたコマンドが、DALIによる「DIRECT ARC POWER CONTROL」コマンドであることを認識する。そして、制御部222は、調光レベルを指示値「0x50」/「0xFE」(0xFEは調光レベル100%の指示値)×100%のデューティー比(=オン/(オン+オフ)時間比)とするためのPWM(Pulse Width Modulation)信号等を出力し、照明部231を制御する(S56)。そして、制御部222は、コマンドの実行結果として、照明部231の変更後の現在の調光レベルの値(「0x50」)を内容とする応答メッセージの返送を無線通信部221に対して指示する(S57)。
【0080】
無線通信部221は、制御部222の指示に応じて、CoAPヘッダにコード「2.04」(Changed)を格納し、ペイロードに「0x50」を格納したCoAPメッセージを作成する。そして、無線通信部221は、作成したCoAPメッセージを無線パケットのペイロードに含む無線パケットを生成し、自装置に設定された無線アドレスを送信元アドレス、無線通信部162の無線アドレスを送信先アドレスとし、設定された無線chを用いて、所定の無線プロトコルに従って無線パケットを送信する(S58)。次に、無線通信部162は、自装置宛ての無線パケットを受信し、CoAPメッセージを取り出して、CoAPヘッダのコードが「2.04」(Changed)であり、ペイロードに「0x50」が格納されていること等を示すデータを制御部161に対して引き渡す(S59)。
【0081】
制御部161は、S53で送信を指示した要求メッセージ(すなわちリクエストメッセージ)に対する応答メッセージ(すなわちレスポンスメッセージ)を無線通信部162から受け取った時刻が、S52で設定した判定時間内であるか否かを判定する(S60)。制御部161は、判定時間内であると判定した場合、例えば応答メッセージが含む現在の調光レベルに基づき、データを記録したり、照明コントローラ12へ取得したデータを転送したりする所定の処理を行う。他方、判定時間より早いあるいは遅いと判定した場合、制御部161は、例えば、同一のコマンドを指示する要求メッセージを再度発行したり、現在の調光レベルを問い合わせるコマンドを発行しやり、判定時間内に応答メッセージを受信できなかった旨を照明コントローラ12へ通知する処理を行ったりする。
【0082】
以上のように、本実施形態によれば、制御部161が、無線通信部171又は221のアドレスと、制御部172又は222による照明部173又は231の制御に係る所定のコマンドとを表す文字列を指定することで、コマンドを表す文字列を含むメッセージの送信を無線通信部162に対して指示するとともに、制御部161が、判定時間内に応答メッセージが受信されたか否かを判定する。この構成によれば、無線通信部171又は221のアドレスを用いてアクセスすることができるので、例えばDNS(Domain Name System)等の比較的アクセスに処理時間が掛かるシステムを使用しなくてよい。また、照明部173及び231を制御するコマンドを直接的に指定することができるので従来同様の制御を容易に行うことができる。さらに、判定時間内に応答メッセージが受信されたか否かを判定することで、例えば応答メッセージが正常な時間内に返されなかったことを認識し、その場合には、制御状態を再確認したり、コマンドを再送信したりすることができる。よって、本実施形態によれば、簡易な方法で無線通信における通信品質を確保して、照明設備を制御することができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、予め定義したコマンドのレベルで照明部173や照明部231を制御する際のコマンドはURIに含まれている。したがって、コマンドの指定をURIへのアクセスという形で実現することができる。よって、本実施形態によれば、容易に、複数のソフトウェアの連携を適切に図ることができる。すなわち、制御部161で実行されるソフトウェアと、制御部172で実行されるソフトウェアや制御部222で実行されるソフトウェアとを適切に連携させることができる。また、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)と容易に変換可能なCoAPに従ってメッセージを生成するので、HTTPを用いるソフトウェアとの連携も容易に行うことができる。
【0084】
また、URIが含むコマンドをDALIで規定されたコマンドに対応させているので、汎用性を高め、多くの照明機器での利用を図ることができる。また、メッセージの形式を、CoAPで規定された形式を有するものとしているので、汎用性を高めることができる。
【0085】
また、上記実施形態においては、TCPを使用しなければならないという制約が必ずしも無いため、例えば、無線通信の物理層401とMAC層402(データリンク層)との上に、アプリケーション層403としてDALIに準拠したコマンドの変換や制御のための処理等をするためソフトウェアを搭載したプロトコルスタックを用いる等、プロトコルの組み合わせを工夫することができ、組み合わせによって1メッセージのデータ量を低減する等の効果が期待できる。また、時間が揺らぎにくい構成を採用することで応答性の確保を容易とすることもできる。
【0086】
なお、本発明の実施の形態は上記のものに限定されない。例えば、無線用コントローラが備える制御部161が行ったCoAPメッセージの作成及び送信の指示を、照明コントローラ12や端末13あるいはビル管理システム11から行うこともできる。その場合、制御部161は、照明コントローラ12、端末13あるいはビル管理システム11が有するコンピュータ等の制御部と一体として機能するものであるととらえることができる。また、
図1に示した照明制御システム1は、各ブロックを統合したり、各ブロックを分離して分散して配置したりする等の変更を適宜行うことができる。また各ブロックが行う処理は、適宜他のブロックで実行したり、分散して実行したりすることができる。また、
図1に示した各ブロックが有するコンピュータが実行するプログラムは、その一部又は全部をコンピュータ読み取り可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することが可能である。
【0087】
また、本実施形態の構成によれば、制御部161が、無線通信部171のアドレスと、制御部172による照明部173の制御に係る所定のコマンドとを表す文字列を指定することで、コマンドを表す文字列を含むメッセージの送信を無線通信部162に対して指示するとともに、制御部161が、判定時間内に応答メッセージが受信されたか否かを判定する。この構成によれば、無線通信部171のアドレスを用いてアクセスすることができるので、例えばDNS等の比較的アクセスに処理時間が掛かるシステムを使用しなくてよい。また、照明部173を制御するコマンドを指定することができるので従来同様の制御を容易に行うことができる。さらに、判定時間内に応答メッセージが受信されたか否かを判定することで、例えば応答メッセージが正常な時間内に返されなかったことを認識し、その場合には、制御状態を再確認したり、コマンドを再送信したりすることができる。よって、本実施形態によれば、簡易な方法で無線通信における通信品質を確保して、照明設備を制御することができる。
【0088】
また、上記のように、照明制御システム1は、ユーザの操作に基づいて、無線用コントローラ16を介して、無線調光機能付照明装置17を個別に制御することができる。また、照明制御システム1は、無線調光機能付照明装置17の他にも、同様の処理により調光機能付照明装置23、調光機能付照明装置29などの各照明装置を個別に制御することができる。また、纏めて制御する対象の複数の照明装置を同じグループに登録することにより、一回の操作で、当該グループの照明装置の調光率を調整するように指示することが可能になる。ユーザの操作又はビル管理システム11からの制御により、照明制御システム1は、無線調光機能付照明装置17等の照明装置を個別に又はグループ単位で制御することができる。
【0089】
また、照明制御システム1は、各種センサを利用して無線調光機能付照明装置17等を制御してもよい。例えば、照明制御システム1は、明るさを測るセンサを利用して昼光を有効に利用するように各照明装置の点灯状態を個別に又は纏めて調整する自動制御を実施してもよい。
【0090】
また、照明制御システム1は、人感センサや図示していない入退室セキュリティーシステム、スケジュールシステム等と連携させることにより、ユーザが不在時の消灯制御や予め設定されたスケジュールに基づいて制御するようにしてもよい。
これにより、照明制御システム1は、上記のユーザが不在時の消灯制御や予め設定されたスケジュールに基づいたエリア単位で点灯状態を調整する制御等を行わずに一括して点灯状態を制御する場合と比較して、照明装置による消費電力を削減することが可能になる。
【0091】
また、照明制御システム1は、照明装置に対する調光制御の方法として、DALIに規定された調光制御方法、又は、PWM制御による調光制御方法を適用してもよい。
また、ビル管理システム11は、図示しない各種設備の制御状態を管理するビルエネルギー管理システム(BEMS(Building Energy Management System))として構成することができる。例えば、照明制御システム1は、ビル管理システム11に関連する各種設備と連携させて、例えば、空調設備の制御状況や消費電力量等のエネルギーの利用状況を可視化するように構成してもよい。
【0092】
また、照明制御システム1は、無線通信回線を利用するように構成した場合、当該無線通信回線を利用する範囲に含まれる各照明装置をそれぞれ接続する制御用の配線を不要とすることができる。上記の場合、この照明制御システム1によれば、システムを導入する場合や、建物のリニューアルやオフィスのレイアウト変更等を実施する場合等に、各照明装置への制御用配線の敷設や変更を伴う配線工事が不要になる。
【0093】
また、照明制御システム1は、各種センサに対応した自動制御機能を省いて構成することも可能である。そのように構成した場合、設定器24や操作器25等を操作して、無線通信回線を介して照明装置の点灯状態を制御するように構成することができる。上記のように構成した場合には、通信方式を変換するためのゲートウェイ等を用いることなくシステムを構成することができ、照明制御システム1の構成を簡素なものとすることができる。例えば、設定器24と操作器25は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型の端末装置であってもよい。これにより、照明制御システム1は、スマートフォンやタブレット端末などの端末装置から、調光機能付き照明器具を一灯ごとに無線で制御することができる。
【0094】
また、照明制御システム1は、明るさセンサや人感センサを用いることで、昼の時間帯の照明装置の利用を抑えたり、不在時には自動消灯したりする等、各利用シーンに合わせ照明の点灯状態をきめ細やかにコントロールすることが可能となり、照明の消費電力を削減することが可能になる。
【0095】
また、上記実施形態では無線用コントローラ16と無線調光機能付き照明装置17との間で物理層、MAC層、及びアプリケーション層から成るプロトコルスタック構造を用いて通信する際に、無線用コントローラ16において、アプリケーション層の処理が、通信に利用するMAC層の識別情報をURIで指定するメッセージを生成することとしているが、無線にかぎらず有線の通信においても同様の構成を採用することができる。例えば、
図1に示した有線用コントローラ14と有線調光機能付照明装置15との間で、DALIによる通信に代えて、有線用コントローラ14と有線調光機能付照明装置15との間で物理層、MAC層、及びアプリケーション層から成るプロトコルスタック構造を用いて通信することとし、有線用コントローラ14において、アプリケーション層の処理が、通信に利用するMAC層の識別情報をURIで指定するメッセージを生成することとすることができる。
【0096】
ところで、近年、電力を消費する設備機器の高効率化に加え、設備自動制御技術の進化、つまり、利用者の様々なニーズに答えつつ不要な電力を抑制するきめ細やかな制御が求められている。このような要求に対しては、例えば、ハードウェアにより近いレベルの制御を実現するためのソフトウェア、使い勝手の良いユーザインタフェースを実現するためのソフトウェア等の複数のソフトウェアを適切に連携させるということが課題となる。また、センサの情報を収集するなどの目的で無線通信が利用されるようになってきた。同じ周波数帯で予定外の他のシステムが混在する場合には、無線通信の混信が生じることがある。このような混信が生じる状況であっても、所望の通信品質を確保する必要がある。
【0097】
しかしながら、無線通信の通信品質を確保しようとすると、複数のソフトウェアを利用してメッセージの交換を実施する構成が考えられる。例えば、XML(Extensible Markup Language )などのプロトコルでは、再送処理などにより通信品質を確保できるものであるが、再送処理を制御用に用いるのには適していない。特に、比較的通信速度が低い無線回線上で伝送するには、伝送に係る時間が揺らぐことから、要求メッセージからそれに対する応答メッセージまでの時間を厳密に管理することは困難である。一方、DALIでは、マスタからスレーブへ送信されるフォワードフレームと、フォワードフレームへの応答としてスレーブからマスタへ送信されるバックワードフレームとの間に時間的な制限が決められている。すなわち、DALIのように時間的な制約を有するソフトウェアと、無線通信を利用して通信する場合に用いるソフトウェアのように時間的な制約を守ることが難しいソフトウェアとを適切に連携させて通信品質を確保することが課題となる。
【0098】
本実施形態は、次の構成を備えることで、上記の通信品質確保という課題を解決している。すなわち、本実施形態では、制御部161が、無線通信部171又は221のアドレスと、制御部172又は222による照明部173又は231の制御に係る所定のコマンドとを表す文字列を指定することで、コマンドを表す文字列を含むメッセージの送信を無線通信部162に対して指示する。また、制御部161は、判定時間内に応答メッセージが受信されたか否かを判定する。この構成によれば、無線通信部171又は221のアドレスを用いてアクセスすることができるので、例えばDNS等の比較的アクセスに処理時間が掛かるシステムを使用しなくてよい。また、照明部173又は231を制御するコマンドを指定することができるので従来同様の制御を容易に行うことができる。さらに、判定時間内に応答メッセージが受信されたか否かを判定することで、例えば応答メッセージが正常な時間内に返されなかったことを認識し、その場合には、制御状態を再確認したり、コマンドを再送信したりすることができる。よって、本実施形態によれば、簡易な方法で無線通信における通信品質を確保して、照明設備を制御することができる。
【0099】
また、上述した本発明の実施形態は、次の態様を有するものとしてとらえることができる。
(1)例えば、照明制御システム1(通信システム)は、物理層、MAC(Media Access Control)層、及びアプリケーション層から成るプロトコルスタック構造を用いて通信する通信システムであって、前記アプリケーション層の処理が、前記通信に利用するMAC層の識別情報をURI(Uniform Resource Identifier)で指定するメッセージを生成するコントローラ(無線用コントローラ16)を備えるように構成した。
このような、照明制御システム1は、アプリケーション層の処理が、前記通信に利用するMAC層の識別情報をURI(Uniform Resource Identifier)で指定するメッセージを生成する。これにより、照明制御システム1は、無線通信を利用して照明設備を制御するのに適した通信システムを利用することができる。
【0100】
(2)また、照明制御システム1において、前記MAC層の識別情報は、PANID(Personal Area Network ID)及びショートアドレスの少なくとも何れかを含むようにした。このような、照明制御システム1は、アプリケーション層の処理により、前記MAC層の識別情報であるPANID(Personal Area Network ID)及びショートアドレスの少なくとも何れかを指定することができる。これにより、照明制御システム1は、無線通信を利用して照明設備を制御することができる。
【0101】
(3)また、照明制御システム1において、前記コントローラ(無線用コントローラ16)は、前記通信を介して建物に付帯する装置(無線調光機能付照明装置17)を制御するようにした。
(4)また、前記建物に付帯する装置(無線調光機能付照明装置17)は、照明装置(照明部173)を含むようにした。
(5)また、前記コントローラ(無線用コントローラ16)が生成するメッセージが、CoAP(Constrained Application Protocol)で規定された形式を有するものにした。
これらにより、照明制御システム1は、無線通信を利用して照明設備を制御することができる。
【0102】
(6)また、照明制御システム1は、建物に付帯する装置(無線調光機能付照明装置17)を制御するコントローラ(無線用コントローラ16)を備え、前記コントローラ及び前記装置は、無線通信を行う無線通信部をそれぞれ有し、前記コントローラ及び前記置は、物理層、MAC(Media Access Control)層、及びアプリケーション層から成るプロトコルスタックに従って、前記各無線通信部を用いて無線信号を送受信し、前記コントローラは、前記アプリケーション層に従って所定のプログラムを実行することで、前記装置のPANID(Personal Area Network ID)及びショートアドレスを含むメッセージを決定し、前記装置において前記アプリケーション層に従って実行される他の所定のプログラムに対して送信するようにした。
このような照明制御システム1であれば、前記アプリケーション層に従って所定のプログラムを実行することで、前記装置のPANID(Personal Area Network ID)及びショートアドレスを含むメッセージを決定し、前記装置において前記アプリケーション層に従って実行される他の所定のプログラムに対して送信することができる。
これにより、照明制御システム1は、無線通信を利用して照明設備を制御することができる。
【0103】
(7)また、照明制御システム1におけるメッセージが、前記PANID及びショートアドレスを表す文字列を、URI(Uniform Resource Identifier)として含むように構成し、また、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)で規定された照明の制御に係る所定のコマンドに対応した文字列又はデータを含むようにした。
これにより、照明制御システム1は、無線通信を利用して照明設備を制御することができる。
【0104】
さらに、上述した本発明の実施形態は、次の態様を有するものとしてとらえることができる。
【0105】
(A1)本実施形態の照明制御システムの一態様は、
第1制御部(制御部161)と、第1無線通信部(無線通信部162)とを有する制御装置(無線用コントローラ16)と、第2無線通信部(無線通信部171又は221)と、第2制御部(制御部172又は222)と、照明部(照明部173又は231)とを有する照明装置(無線調光機能付照明装置17又は外付無線ユニット22と調光機能付照明装置23とを組み合わせたもの)とを備える照明制御システム(照明制御システム1)であって、
前記第1制御部が、前記第2無線通信部のアドレスと、前記第2制御部による前記照明部の制御に係る所定のコマンドとを表す文字列を指定することで、前記コマンドを表す文字列を含むメッセージの送信を前記第1無線通信部に対して指示するとともに、当該コマンドの送信を指示してから、当該コマンドに対する応答を受信するまでの応答時間の制限値を判定時間として設定し、
前記第1無線通信部が、前記第1制御部から指示された前記メッセージを送信し、
前記第2無線通信部が、前記第1無線通信部が送信した前記メッセージを受信し、
前記第2制御部が、前記第2無線通信部が受信した前記メッセージに含まれている前記コマンドに応じた処理を実行するとともに、前記コマンドに応じた応答メッセージの送信を前記第2無線通信部に対して指示し、
前記第2無線通信部が、前記第2制御部から指示された前記応答メッセージを送信し、
前記第1無線通信部が、前記第2無線通信部が送信した前記応答メッセージを受信し、
前記第1制御部が、前記判定時間内に前記応答メッセージが受信されたか否かを判定する
ことを特徴とする。
【0106】
(A2)本実施形態の一態様は、上記(A1)の照明制御システムであって、
前記コマンドが、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)で規定されたコマンドに対応するものである
ことを特徴とする。
【0107】
(A3)本実施形態の一態様は、上記(A1)又は(A2)の照明制御システムであって、
前記メッセージが、CoAP(Constrained Application Protocol)で規定された形式を有するものである
ことを特徴とする。
【0108】
(A4)本実施形態の一態様は、上記(A1)、(A2)又は(A3)の照明制御システムであって、
前記第1制御部が、前記第2無線通信部のアドレスと、前記第2制御部による前記照明部の制御に係る所定のコマンドとを表す文字列を、URI(Uniform Resource Identifier)として指定する
ことを特徴とする。
【0109】
(A5)本実施形態の照明制御方法の一態様は、
第1制御部と、第1無線通信部とを有する制御装置と、第2無線通信部と、第2制御部と、照明部とを有する照明装置とを備える照明制御システムにおいて、
第1制御部と、第1無線通信部とを有する制御装置と、第2無線通信部と、第2制御部と、照明部とを有する照明装置とを備える照明制御システムであって、
前記第1制御部が、前記第2無線通信部のアドレスと、前記第2制御部による前記照明部の制御に係る所定のコマンドとを表す文字列を指定することで、前記コマンドを表す文字列を含むメッセージの送信を前記第1無線通信部に対して指示するとともに、当該コマンドの送信を指示してから、当該コマンドに対する応答を受信するまでの応答時間の制限値を判定時間として設定し、
前記第1無線通信部が、前記第1制御部から指示された前記メッセージを送信し、
前記第2無線通信部が、前記第1無線通信部が送信した前記メッセージを受信し、
前記第2制御部が、前記第2無線通信部が受信した前記メッセージに含まれている前記コマンドに応じた処理を実行するとともに、前記コマンドに応じた応答メッセージの送信を前記第2無線通信部に対して指示し、
前記第2無線通信部が、前記第2制御部から指示された前記応答メッセージを送信し、
前記第1無線通信部が、前記第2無線通信部が送信した前記応答メッセージを受信し、
前記第1制御部が、前記判定時間内に前記応答メッセージが受信されたか否かを判定する
ことを特徴とする。
【0110】
なお、本発明の実施の形態は上記のものに限定されない。例えば、無線用コントローラが備える制御部161が行った指令情報(CoAPメッセージ)の作成及び送信の指示を、照明コントローラ12や端末13あるいはビル管理システム11から行うこともできる。その場合、制御部161は、照明コントローラ12、端末13あるいはビル管理システム11が有するコンピュータ等の制御部と一体として機能するものであるととらえることができる。また、
図1に示した照明制御システム1は、各ブロックを統合したり、各ブロックを分離して分散して配置したりする等の変更を適宜行うことができる。また各ブロックが行う処理は、適宜他のブロックで実行したり、分散して実行したりすることができる。また、
図1に示した各ブロックが有するコンピュータが実行するプログラムは、その一部又は全部をコンピュータ読み取り可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することが可能である。
また、照明制御システム1は、
図1に示す構成の一部を縮退して構成することもできる。例えば、照明制御システム1は、少なくとも無線調整機能付照明装置17と設定器24とを備えるものとして構成できる。照明制御システム1は、さらに、操作器25を備えていてもよい。
【0111】
また、照明制御システム1は、照明装置毎に当該照明装置の照明部のオン・オフや調光制御等を行うものとして説明したが、照明装置毎に照明部(光源)の点灯と消灯とを調整範囲に含めた調光制御を実施したり、照明装置毎に照明部(光源)の点灯と消灯のみの制御を実施したりするようにしてもよい。
なお、照明制御システム1内で、上記の制御を混在させて、照明装置毎に異なる設定(動作モード)にして構成することも可能である。例えば、比較的広いスペースを必要に応じて比較的狭い部屋に分けて利用する場合、当該スペースの利用状態に応じて、同スペースに設けられた照明装置を纏めて調光したり、分けて利用する部屋を単位とし、又は、照明装置を単位にして各照明装置を調光したりしてもよい。照明制御システム1は、個々の照明装置を個別に制御するように構成したことにより、当該スペースの利用状態の変更に応じて調光制御の方法を変更することができる。
また、照明制御システム1は、照明器具毎に個別の設定を据え付け後に実施するものとして説明したが、既に使用されていた照明器具の設定を、上記と同様の手順に従って変更することができる。
また、上記の「照明装置の点灯状態を制御する指令情報」は、ユーザの操作に応じて、照明装置の点灯状態を調整する調光制御を指令する指令情報に限られず、例えば照明装置の基本動作を指定する指令情報も含めることができる。