特許第6691757号(P6691757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691757
(24)【登録日】2020年4月15日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】インクジェット印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20200427BHJP
   B41J 2/155 20060101ALI20200427BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
   B41J2/01 305
   B41J2/01 307
   B41J2/155
   B41J2/17 103
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-193073(P2015-193073)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-65064(P2017-65064A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】前坂 敏秀
【審査官】 高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−253465(JP,A)
【文献】 特開2009−234055(JP,A)
【文献】 特開2014−152964(JP,A)
【文献】 特開2011−156693(JP,A)
【文献】 特開2011−190000(JP,A)
【文献】 特開2015−127251(JP,A)
【文献】 特開2011−068485(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0333699(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷経路に沿って用紙を搬送しつつインクジェットヘッドからインクを吐出して用紙に印刷する印刷部と、
用紙の搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、用紙が搬送される空間からなる下流側搬送経路を形成する、互いに間隔を空けて配置された第1ガイド板および第2ガイド板を有し、前記下流側搬送経路に沿って用紙を搬送する下流側搬送部とを備え、
前記下流側搬送部は、前記第1ガイド板の前記搬送方向における上流端近傍の前記第2ガイド板に対向する面に設けられ、前記下流側搬送経路の空気の流路を絞る調整部材を有し、
前記第1ガイド板は、前記下流側搬送経路を前記印刷経路の外部かつ前記下流側搬送経路の外部の空間と連通させる連通穴を有することを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項2】
前記連通穴は、前記搬送方向における前記調整部材より下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
【請求項3】
インクジェットヘッドは、複数のヘッドモジュールを有し、
前記連通穴は、前記搬送方向における前記ヘッドモジュールとの距離が近いほど開口面積が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット印刷装置。
【請求項4】
前記調整部材は、前記印刷部により搬送されている用紙により前記インクジェットヘッドの下空間で生じたインクミストを含む前記搬送方向への気流の一部をせき止め、
前記連通穴は、前記搬送方向における前記調整部材より下流側または上流側に配置され、
前記連通穴が前記搬送方向における前記調整部材より下流側に配置されている場合、前記連通穴を介して前記外部の空間から前記下流側搬送経路に向かう気流が搬送されている用紙および前記調整部材により生じ、当該生じた気流により前記連通穴を介して前記外部の空間から前記下流側搬送経路へ空気が流入し、
前記連通穴が前記搬送方向における前記調整部材より上流側に配置されている場合、前記調整部材によりせき止められた気流により前記インクジェットヘッドの下空間のインクミストを含む空気が前記連通穴を介して前記外部の空間へ流出することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙を搬送しつつ、固定のインクジェットヘッドから用紙へインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置が知られている。
【0003】
このようなインクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドからのインクの吐出により、インクジェットヘッドの周辺でインクミストが発生する。インクミストは用紙の搬送により生じる気流により下流側へ流され、用紙をガイドするガイド板等の部材を汚染する。このため、インクミストにより汚染された部材に印刷物が接触し、印刷物が汚れるおそれがある。
【0004】
これに対し、特許文献1には、用紙を搬送する搬送ユニットの搬送ベルトを回転させるベルトローラに取り付けられたファンと、ダクトおよびフィルタを有するインクミスト処理部とを備えたインクジェット印刷装置が開示されている。
【0005】
このインクジェット印刷装置では、印刷時にベルトローラとともに回転するファンによりインクミスト処理部のダクト内にインクミストを吸引し、フィルタによりインクミストを捕獲する。これにより、搬送ユニットの下流側のガイド板に付着するインクミストを低減し、印刷物の汚れを軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−234073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、インクミストを回収するためのファンおよびインクミスト処理部を設けるため、装置の大型化を招く。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、装置の大型化を抑えつつ、印刷物の汚れを軽減できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、印刷経路に沿って用紙を搬送しつつインクジェットヘッドからインクを吐出して用紙に印刷する印刷部と、用紙の搬送方向における前記印刷部の下流側に配置され、用紙が搬送される空間からなる下流側搬送経路を形成するガイド部材を有し、前記下流側搬送経路に沿って用紙を搬送する下流側搬送部とを備え、前記下流側搬送部は、前記下流側搬送経路の空気の流路を絞る調整部材を有し、前記ガイド部材は、前記下流側搬送経路を前記印刷経路の外部かつ前記下流側搬送経路の外部の空間と連通させる連通穴を有することにある。
【0010】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、前記連通穴は、用紙の搬送方向における前記調整部材より下流側に配置されていることにある。
【0011】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴は、インクジェットヘッドは、複数のヘッドモジュールを有し、前記連通穴は、用紙の搬送方向における前記ヘッドモジュールとの距離が近いほど開口面積が大きいことにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、下流側搬送部は、下流側搬送経路の空気の流路を絞る調整部材を有し、ガイド部材は、下流側搬送経路を印刷経路の外部かつ下流側搬送経路の外部の空間と連通させる連通穴を有する。これにより、印刷経路における気流の風速を低減してインクミストの発生量を低減できるとともに、下流側搬送経路へのインクミストの流入を抑制できる。この結果、ガイド部材に付着するインクミストを低減できるので、印刷物の汚れを軽減できる。また、インクミストを回収するためのファン等の機構を設ける必要がないため、装置の大型化は抑えられる。したがって、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷物の汚れを軽減できる。
【0013】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、連通穴は、用紙の搬送方向における調整部材より下流側に配置されている。これにより、外部の空間から下流側搬送経路に多くの空気が流入することで、印刷経路から下流側搬送経路に流入するインクミストを多く含む空気の量を低減できる。この結果、下流側搬送経路へ流入するインクミストをより低減できるので、印刷物の汚れをより軽減できる。
【0014】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴によれば、連通穴は、用紙の搬送方向におけるヘッドモジュールとの距離が近いほど開口面積が大きい。これにより、下流側搬送経路へのインクミストの流入をより抑制できるので、印刷物の汚れをより軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。
図2図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部および排紙部の一部の拡大図である。
図3図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットの底面図である。
図4図1に示すインクジェット印刷装置の排紙部の内側排紙ガイド板の斜視図である。
図5】印刷部および排紙部における気流の説明図である。
図6】印刷部から排紙部への用紙搬送による気流のシミュレーションで用いた解析モデルの1つの説明図である。
図7】シミュレーションにおける風速分布の解析結果である。
図8図7のA−A線に沿った断面における平均風速を示す図である。
図9図7のB−B線に沿った断面における平均風量を示す図である。
図10】シミュレーションにおける圧力分布の解析結果を示す図である。
図11】第2実施形態における内側排紙ガイド板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0017】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部および排紙部の一部の拡大図である。図3は、図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットの底面図である。図4は、図1に示すインクジェット印刷装置の排紙部の内側排紙ガイド板の斜視図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
【0019】
図1において太線で示す経路が、印刷媒体である用紙が搬送される搬送経路である。搬送経路のうち、実線で示す経路が印刷経路RP、一点鎖線で示す経路が循環経路RC、破線で示す経路が排紙経路RD、二点鎖線で示す経路が外部給紙経路RS1および内部給紙経路RS2である。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
【0020】
図1に示すように、第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、給紙部2と、印刷部3と、循環搬送部4と、排紙部5と、各部を収納または保持する筐体6とを備える。
【0021】
給紙部2は、未印刷の用紙Pを印刷部3に給紙する。また、給紙部2は、両面印刷時に片面印刷後の用紙Pを印刷部3に再給紙する。給紙部2は、搬送経路の最も上流側に配置されている。給紙部2は、外部給紙台11と、外部給紙ローラ12と、2つの内部給紙台13と、2対の内部給紙ローラ14と、3対の内部給紙搬送ローラ15と、縦搬送ローラ16と、レジストローラ17とを備える。
【0022】
外部給紙台11は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。外部給紙台11は、一部が筐体6の外部に露出して設置されている。
【0023】
外部給紙ローラ12は、外部給紙台11に積層された用紙Pを1枚ずつ取り出すとともに、レジストローラ17へ搬送する。
【0024】
内部給紙台13は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。内部給紙台13は、筐体6の内部に配置されている。
【0025】
内部給紙ローラ14は、内部給紙台13に積層された用紙Pを1枚ずつ取り出すとともに、内部給紙搬送ローラ15へ搬送する。
【0026】
内部給紙搬送ローラ15は、内部給紙ローラ14により内部給紙台13から取り出された用紙Pを縦搬送ローラ16へ搬送する。内部給紙搬送ローラ15は、内部給紙経路RS2に沿って配置されている。
【0027】
縦搬送ローラ16は、内部給紙経路RS2に沿って内部給紙搬送ローラ15により搬送されてくる用紙Pをレジストローラ17へ搬送する。また、縦搬送ローラ16は、両面印刷時に循環経路RCに沿って搬送された片面印刷後の用紙Pをレジストローラ17へ搬送する。縦搬送ローラ16は、内部給紙経路RS2に循環経路RCが合流する地点の下流側において、内部給紙経路RS2に沿って配置されている。
【0028】
レジストローラ17は、外部給紙ローラ12または縦搬送ローラ16により搬送されてきた用紙Pを一旦止めて斜行補正した後、後述する印刷部3のベルトプラテン部21へ搬送する。レジストローラ17は、外部給紙経路RS1と内部給紙経路RS2との合流地点の下流側近傍の印刷経路RP上に配置されている。
【0029】
印刷部3は、用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに画像を印刷する。印刷部3は、給紙部2の下流側に配置されている。印刷部3は、ベルトプラテン部21と、ヘッドユニット22とを備える。
【0030】
ベルトプラテン部21は、レジストローラ17により搬送されてきた用紙Pを、エア吸引により吸着保持しつつ搬送する。ベルトプラテン部21は、搬送ベルト26と、駆動ローラ27と、従動ローラ28〜30と、ファン31とを備える。
【0031】
搬送ベルト26は、用紙Pを吸着保持して搬送する。搬送ベルト26は、駆動ローラ27および従動ローラ28〜30に掛け渡された環状のベルトである。搬送ベルト26には、多数のベルト穴(図示せず)が形成されている。搬送ベルト26は、ファン31の駆動によりベルト穴に発生する吸着力により、搬送面26a上に用紙Pを吸着保持する。搬送面26aは、後述するインクジェットヘッド36に対向する搬送ベルト26の上面である。搬送ベルト26は、図1図2における時計回り方向に回転することで、搬送面26a上に載置された用紙Pを右方向に搬送する。
【0032】
駆動ローラ27は、搬送ベルト26を回転させる。駆動ローラ27は、図示しないモータにより回転駆動される。
【0033】
従動ローラ28〜30は、駆動ローラ27とともに搬送ベルト26を支持する。従動ローラ28〜30は、搬送ベルト26を介して駆動ローラ27に従動する。従動ローラ28は、駆動ローラ27と同じ高さで、駆動ローラ27の左方に配置されている。従動ローラ29,30は、駆動ローラ27および従動ローラ28の下方において、互いに左右方向に離間して、同じ高さに配置されている。
【0034】
ファン31は、下方向への気流を生じさせる。これにより、ファン31は、搬送ベルト26のベルト穴を介して空気を吸引してベルト穴に負圧を発生させ、用紙Pを搬送ベルト26の搬送面26a上に吸着させる。ファン31は、環状の搬送ベルト26に囲まれた領域に配置されている。
【0035】
ヘッドユニット22は、ベルトプラテン部21により搬送される用紙Pに画像を印刷する。ヘッドユニット22は、4つのインクジェットヘッド36と、ヘッドホルダ37とを備える。
【0036】
インクジェットヘッド36は、搬送される用紙Pにインクを吐出する。4つのインクジェットヘッド36は、用紙Pの搬送方向である副走査方向(左右方向)に沿って並列して配置されている。4つのインクジェットヘッド36は、相互に異なる色のインクを吐出する。図3に示すように、各インクジェットヘッド36は、それぞれ6個のヘッドモジュール38を有する。
【0037】
ヘッドモジュール38は、搬送ベルト26の搬送面26aに対向する面である下面に開口する複数のノズル39を有し、ノズル39からインクを吐出する。ノズル39は、用紙Pの搬送方向に直交する主走査方向(前後方向)に沿って配置されている。
【0038】
インクジェットヘッド36において、ヘッドモジュール38は、主走査方向に沿って千鳥状に配置されている。すなわち、各インクジェットヘッド36において、主走査方向に沿って配列された6個のヘッドモジュール38が、副走査方向における位置を交互にずらして配置されている。
【0039】
ヘッドホルダ37は、インクジェットヘッド36を保持する。ヘッドホルダ37は、中空状の直方体形状に形成されている。ヘッドホルダ37は、ベルトプラテン部21の上方に配置されている。ヘッドホルダ37は、その底面37aから下方にヘッドモジュール38の下端部が突出するように、各インクジェットヘッド36の各ヘッドモジュール38を保持している。
【0040】
循環搬送部4は、両面印刷時に片面印刷後の用紙Pを循環経路RCに沿って搬送して縦搬送ローラ16へ渡す。循環経路RCは、印刷経路RPの下流端から下降し、ベルトプラテン部21の下方を通り、縦搬送ローラ16の上流側近傍で内部給紙経路RS2に合流する経路である。循環搬送部4は、2対の中間搬送ローラ41と、反転ローラ42と、4対の水平搬送ローラ43とを備える。
【0041】
中間搬送ローラ41は、両面印刷時に片面印刷後の用紙Pをベルトプラテン部21から受け取り、反転ローラ42へ搬送する。2対の中間搬送ローラ41は、循環経路RCの上流域の下降部分に沿って配置されている。
【0042】
反転ローラ42は、中間搬送ローラ41により搬送されてきた用紙Pをスイッチバックして水平搬送ローラ43へ搬送する。反転ローラ42は、循環経路RCに沿って、中間搬送ローラ41の下流側に配置されている。
【0043】
水平搬送ローラ43は、反転ローラ42によりスイッチバックされた用紙Pを縦搬送ローラ16へ搬送する。上流側の3対の水平搬送ローラ43は、ベルトプラテン部21の下方の循環経路RCの水平部分に沿って配置されている。最下流の1対の水平搬送ローラ43は、循環経路RCの水平部分の下流側の上昇部分に沿って配置されている。
【0044】
排紙部5は、印刷済みの用紙Pを排紙する。排紙部5は、印刷部3の下流側に配置されている。排紙部5は、内側排紙ガイド板46と、外側排紙ガイド板47と、調整部材48と、遮蔽部材49と、3対の排紙ローラ50と、排紙台51とを備える。なお、排紙部5の内側排紙ガイド板46、外側排紙ガイド板47、調整部材48、および最上流の排紙ローラ50により、請求項の下流側搬送部が構成される。また、内側排紙ガイド板46および外側排紙ガイド板47が請求項のガイド部材に相当する。
【0045】
内側排紙ガイド板46および外側排紙ガイド板47は、印刷経路RPの下流端から上方へカーブして進むように用紙Pをガイドする。内側排紙ガイド板46および外側排紙ガイド板47は、右下に凸となるように湾曲して形成されている。内側排紙ガイド板46および外側排紙ガイド板47は、印刷部3の下流側近傍において、互いに間隔を空けて配置されている。内側排紙ガイド板46はカーブの内側に配置され、外側排紙ガイド板47はカーブの外側に配置されている。内側排紙ガイド板46と外側排紙ガイド板47とに挟まれた空間内を用紙Pが搬送される。この空間が、排紙経路RDの上流部分を形成している。この空間により形成される排紙経路RDの上流部分が、請求項の下流側搬送経路に相当する。
【0046】
なお、内側排紙ガイド板46および外側排紙ガイド板47の下流側にも、図示しないガイド板が設けられている。
【0047】
内側排紙ガイド板46には、複数の連通穴46aが形成されている。連通穴46aを介して、排紙経路RDとエアバッファ部56とが連通されている。複数の連通穴46aは、調整部材48の下流側近傍において、前後方向に沿って配置されている。エアバッファ部56は、ヘッドホルダ37と内側排紙ガイド板46との間の空間であり、印刷経路RPの外部かつ排紙経路RDの外部の空間である。エアバッファ部56は、インクミストの発生源がないため、インクミストの低濃度領域になっている。
【0048】
また、内側排紙ガイド板46には、センサ用開口部46bが形成されている。また、内側排紙ガイド板46のセンサ用開口部46bの近傍には、センサ取付部46cが形成されている。センサ取付部46cには、用紙センサ57が取り付けられている。用紙センサ57は、センサ用開口部46bを介して、排紙経路RDに沿って搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ57による用紙Pの検出結果は、用紙ジャムの検出等に用いられる。なお、インクジェット印刷装置1には、用紙センサ57以外にも、適宜の位置に図示しない用紙センサが配置されている。
【0049】
調整部材48は、排紙経路RDの空気の流路を絞る部材である。調整部材48は、内側排紙ガイド板46の上流端近傍の下面(外側排紙ガイド板47側の面)上に配置されている。調整部材48は、前後方向に細長い形状に形成されている。調整部材48は、樹脂、スポンジ等からなる。
【0050】
遮蔽部材49は、ヘッドホルダ下空間58とエアバッファ部56とを仕切る部材である。ヘッドホルダ下空間58は、ヘッドホルダ37の底面37aと搬送ベルト26の搬送面26aとの間の空間である。ヘッドホルダ下空間58は、印刷経路RPの一部を構成する。ヘッドホルダ下空間58は、印刷時において、インクミストが高濃度で存在する領域である。
【0051】
遮蔽部材49は、前後方向に細長い角柱状に形成されている。遮蔽部材49は、内側排紙ガイド板46の上流端部の上面上に配置されている。遮蔽部材49の上面は、ヘッドホルダ37の底面37aに当接している。これにより、ヘッドホルダ下空間58(印刷経路RP)とエアバッファ部56とが仕切られ、ヘッドホルダ下空間58からエアバッファ部56へのインクミストの流出が抑えられる。遮蔽部材49は、樹脂、スポンジ等からなる。
【0052】
排紙ローラ50は、ベルトプラテン部21から搬送されてくる用紙Pを排紙台51へ排紙する。3対の排紙ローラ50は、排紙経路RDに沿って配置されている。
【0053】
なお、排紙部5には、図示しないフリッパが設けられている。このフリッパにより、ベルトプラテン部21からの用紙Pの搬送先が循環経路RCと排紙経路RDとの間で切り替えられるようになっている。
【0054】
排紙台51は、排紙ローラ50により排紙された用紙Pが積載されるものである。排紙台51は、排紙経路RDの下流端に配置されている。
【0055】
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
【0056】
印刷を行う際、まず、給紙部2が外部給紙台11または内部給紙台13から用紙Pを取り出し、印刷部3へ給紙する。印刷部3では、ベルトプラテン部21により用紙Pを搬送しつつ、インクジェットヘッド36からインクを吐出して用紙Pに画像を印刷する。
【0057】
片面印刷の場合、用紙Pは、ベルトプラテン部21により搬送されつつ、図示しないフリッパにより排紙経路RDへ導かれる。排紙部5は、排紙経路RDへ導かれた用紙Pを排紙ローラ50により搬送し、排紙台51へ排紙する。
【0058】
一方、両面印刷の場合、用紙Pは、ベルトプラテン部21により搬送されつつ、図示しないフリッパにより循環経路RCへ導かれる。循環搬送部4は、循環経路RCへ導かれた片面印刷後の用紙Pを中間搬送ローラ41により反転ローラ42へ搬送し、反転ローラ42により用紙Pをスイッチバックする。そして、循環搬送部4は、スイッチバック後の用紙Pを水平搬送ローラ43により縦搬送ローラ16へ搬送する。縦搬送ローラ16は用紙Pをレジストローラ17へ搬送し、レジストローラ17は用紙Pを印刷部3へ再給紙する。
【0059】
ここで、片面印刷後の用紙Pは、反転ローラ42によりスイッチバックされたため、未印刷面を上向きにして印刷部3へ再給紙される。印刷部3では、ベルトプラテン部21により用紙Pを搬送しつつ、インクジェットヘッド36からインクを吐出して用紙Pの未印刷面に画像を印刷する。この後、用紙Pは、排紙経路RDへ導かれ、排紙部5により排紙される。
【0060】
複数枚の片面印刷を行う場合、給紙部2は、印刷部3において所定の紙間で用紙Pが搬送されるようなタイミングで、複数枚の用紙Pを順次給紙する。順次給紙された用紙Pは、印刷部3において所定の紙間で搬送されつつ印刷され、排紙部5により順次排紙される。
【0061】
複数枚の両面印刷を行う場合、給紙部2は、片面印刷時の給紙タイミングに対して、各用紙Pの給紙タイミング間の時間が2倍となるタイミングで未印刷の用紙Pを順次給紙する。また、給紙部2は、循環搬送部4により搬送された片面印刷後の用紙Pを、未印刷の用紙Pの間に挿入して再給紙する。印刷部3では、未印刷の用紙Pの一方の面への印刷と、片面印刷後の用紙Pの未印刷面への印刷とが交互に行われる。これにより、片面印刷時と同等の片面あたりの生産性で両面印刷が行われる。両面印刷後の用紙Pは、排紙部5により順次排紙される。
【0062】
上述のような印刷動作中において、インクジェットヘッド36からのインクの吐出により、ヘッドホルダ下空間58でインクミストが発生する。発生したインクミストの一部は搬送ベルト26のベルト穴を介してベルトプラテン部21に吸引されるが、残りのインクミストはヘッドホルダ下空間58に存在する。ヘッドホルダ下空間58では、ベルトプラテン部21による用紙Pの搬送により搬送方向への気流が生じ、この気流はインクミストを多く含むものになる。
【0063】
図5に示すように、ヘッドホルダ下空間58で生じた、インクミストを多く含む気流Fmは、排紙経路RDへ向かう。これに対し、排紙経路RDの上流端近傍に調整部材48が配置されているため、気流Fmの一部が調整部材48によりせき止められる。
【0064】
一方、調整部材48の下流側では、連通穴46aを介してエアバッファ部56から排紙経路RDへ向かう気流Fcが生じる。この気流Fcによりエアバッファ部56から排紙経路RDへ空気が流入することで、ヘッドホルダ下空間58から排紙経路RDへの空気の流入を抑えることができる。
【0065】
このため、インクミストの濃度が高いヘッドホルダ下空間58から排紙経路RDへ流入する空気の量を低減できる。また、ヘッドホルダ下空間58の気流Fmの風速を弱めることができるので、インクミストの発生量を低減できる。
【0066】
また、遮蔽部材49が、ヘッドホルダ下空間58からエアバッファ部56へ向かう気流Fmを遮断するので、エアバッファ部56へのインクミストの流入が抑えられる。これにより、エアバッファ部56はインクミストが低濃度の状態が保たれる。このため、エアバッファ部56から排紙経路RDへ向かう気流Fcによる排紙経路RDへのインクミストの流入は抑えられる。
【0067】
したがって、排紙経路RDに流入して内側排紙ガイド板46および外側排紙ガイド板47に付着するインクミストを低減できる。
【0068】
また、用紙センサ57に付着するインクミストも低減できるので、用紙センサ57による用紙Pの誤検出を低減できる。これにより、インクジェット印刷装置1の誤動作を低減できる。
【0069】
次に、印刷部3から排紙部5への用紙搬送による気流のシミュレーションの結果について説明する。
【0070】
図6は、このシミュレーションで用いた解析モデルの1つの説明図である。図6に示すように、この解析モデル60は、一対のガイド板61,62と、調整部材63とを備える。
【0071】
ガイド板61,62は、上下方向に所定の間隔を空けて互いに平行に配置されている。ガイド板61,62に挟まれた空間内を用紙Pが搬送される。ガイド板61には、複数の連通穴61aが形成されている。連通穴61aは、ガイド板61,62に挟まれた空間とガイド板61の上側の空間とを連通する。複数の連通穴61aは、用紙Pの搬送方向における調整部材63の下流側近傍において、用紙幅方向に沿って配置されている。
【0072】
調整部材63は、上側のガイド板61の下面上に配置されている。調整部材63の用紙幅方向における長さは、ガイド板61と同等である。調整部材63の高さは、ガイド板61,62の間隔より小さい。
【0073】
解析モデル60におけるガイド板61,62の調整部材63の上流端より下流側の部分が、それぞれインクジェット印刷装置1の内側排紙ガイド板46、外側排紙ガイド板47に対応する。ガイド板61,62の調整部材63の上流端より下流側の部分に挟まれた空間64が、インクジェット印刷装置1の排紙経路RDに対応する。
【0074】
解析モデル60のガイド板61の連通穴61aは、インクジェット印刷装置1の内側排紙ガイド板46の連通穴46aに対応する。解析モデル60の調整部材63は、インクジェット印刷装置1の調整部材48に対応する。
【0075】
解析モデル60におけるガイド板61,62の調整部材63の上流端より上流側の部分に挟まれた空間65は、インクジェット印刷装置1のヘッドホルダ下空間58に対応する。解析モデル60のガイド板61の上側の空間66は、インクジェット印刷装置1のエアバッファ部56に対応する。
【0076】
シミュレーションは、条件1〜3の3通りの条件で実施した。
【0077】
条件1は、図6の解析モデル60における調整部材63および連通穴61aがないという条件である。すなわち、条件1では、図6の解析モデル60から調整部材63および連通穴61aを除いた解析モデルを用いた。
【0078】
条件2は、図6の解析モデル60における連通穴61aがなく、調整部材63はあるという条件である。すなわち、条件2では、図6の解析モデル60から連通穴61aを除いた解析モデルを用いた。
【0079】
条件3は、図6の解析モデル60のように調整部材63および連通穴61aがあるという条件である。すなわち、条件3では、図6の解析モデル60を用いた。
【0080】
このシミュレーションの結果を図7図9に示す。図7は、条件1〜3でのシミュレーションにおける風速分布の解析結果である。図8は、図7のA−A線に沿った断面における条件1〜3での平均風速を示す図である。図9は、図7のB−B線に沿った断面における条件1〜3での平均風量を示す図である。図10は、条件2,3でのシミュレーションにおける圧力分布の解析結果を示す図である。
【0081】
条件1と条件2とを比較すると、図7図9に示すように、条件2では条件1よりも、A−A線に沿った断面における風速、およびB−B線に沿った断面における風量が、低下している。これは、調整部材63が気流をせき止める作用による。
【0082】
ここで、A−A線は、調整部材63より上流側に位置する。A−A線に沿った断面における風速の低下は、インクジェット印刷装置1のヘッドホルダ下空間58における風速の低下に相当する。ヘッドホルダ下空間58における風速が低下すると、インクミストの発生量が低減する。
【0083】
また、B−B線は、調整部材63を通る線である。B−B線に沿った断面における風量の低下は、インクジェット印刷装置1のヘッドホルダ下空間58から排紙経路RDへ流入する空気の量の低減に相当する。ヘッドホルダ下空間58から排紙経路RDへ流入する空気の量が低減すると、紙経路RDへ流入するインクミストの量が低減する。
【0084】
次いで、条件2と条件3とを比較すると、条件3では条件2よりも、A−A線に沿った断面における風速、およびB−B線に沿った断面における風量が、さらに低下している。この理由について、図10を参照して説明する。
【0085】
図10の上段(条件2)に示すように、搬送気流により、調整部材63の上流端より上流側(空間65)では正圧が生じ、下流側(空間64)では負圧が生じる。これにより、空間64が空間65から空気を引き込む力が生じる。
【0086】
これに対し、条件3では、連通穴61aを介して空間66から空間64へ空気が流入する。これにより、図10の下段に示すように、調整部材63の下流端近傍(破線で囲んだ部分)において、負圧が解消される。このため、空間64が空間65から空気を引き込む力が弱まる。この結果、条件3では条件2よりも、A−A線に沿った断面における風速、およびB−B線に沿った断面における風量が低下する。
【0087】
上述したシミュレーションの結果から、インクジェット印刷装置1において、調整部材48および連通穴46aにより、ヘッドホルダ下空間58における風速およびヘッドホルダ下空間58から排紙経路RDへ流入する空気の量が低減することが分かる。
【0088】
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、排紙部5は、排紙経路RDの空気の流路を絞る調整部材48を有する。また、内側排紙ガイド板46には、調整部材48の下流側に配置され、排紙経路RDとエアバッファ部56とを連通する連通穴46aが形成されている。これにより、ヘッドホルダ下空間58における風速およびヘッドホルダ下空間58から排紙経路RDへ流入する空気の量を低減できる。これにより、インクミストの発生量を低減できるとともに、排紙経路RDへのインクミストの流入を抑制できる。この結果、内側排紙ガイド板46および外側排紙ガイド板47に付着するインクミストを低減できるので、印刷物の汚れを軽減できる。
【0089】
また、インクジェット印刷装置1では、インクミストを回収するためのファン等の機構を設ける必要がないため、装置の大型化は抑えられる。
【0090】
したがって、インクジェット印刷装置1によれば、装置の大型化を抑えつつ、印刷物の汚れを軽減できる。
【0091】
なお、調整部材48の上流側に連通穴46aが形成された構成としてもよい。この場合、インクミストを含むヘッドホルダ下空間58の空気が連通穴46aを介してエアバッファ部56へ流出するので、排紙経路RDへのインクミストの流入を抑制できる。
【0092】
(第2実施形態)
上述した実施形態の内側排紙ガイド板を変更した第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態における内側排紙ガイド板の斜視図である。
【0093】
図11に示すように、第2実施形態における内側排紙ガイド板46Aは、上述した第1実施形態における内側排紙ガイド板46の複数の連通穴46aの一部を、連通穴46dに置き換えた構成である。
【0094】
連通穴46dは、連通穴46aより開口面積が大きい。連通穴46dは、千鳥状に配置されたヘッドモジュール38のうち、下流側に配置されたヘッドモジュール38の下流の領域に位置している。すなわち、連通穴46dは、連通穴46aよりも、用紙Pの搬送方向(副走査方向)におけるヘッドモジュール38までの距離が近い。
【0095】
ここで、ヘッドホルダ下空間58では、ヘッドモジュール38から下流に向かうほど、インクミストが空気中で攪拌され、インクミストの濃度が低下する。このため、調整部材48に到達するインクミストの濃度は、ヘッドモジュール38までの距離が近い領域の方が、遠い領域よりも高くなる。すなわち、下流側のヘッドモジュール38の下流の領域の方が、上流側のヘッドモジュール38の下流の領域よりも、調整部材48に到達するインクミストの濃度が高くなる。
【0096】
これに対し、第2実施形態の内側排紙ガイド板46Aでは、下流側のヘッドモジュール38の下流の領域の連通穴46dが連通穴46aよりも大きいので、下流側のヘッドモジュール38の下流の領域では、より多くの空気をエアバッファ部56から排紙経路RDへ流入させることができる。これにより、インクミストをより高濃度で含む空気のヘッドホルダ下空間58から排紙経路RDへの流入を抑えられる。この結果、排紙経路RDへのインクミストの流入をより抑制できるので、印刷物の汚れをより軽減できる。
【0097】
なお、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、調整部材48の上流側に連通穴46a,46dが形成された構成としてもよい。この場合、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、インクミストを含むヘッドホルダ下空間58の空気が連通穴46a,46dを介してエアバッファ部56へ流出するので、排紙経路RDへのインクミストの流入を抑制できる。第2実施形態では、インクミストをより高濃度で含む領域の空気が連通穴46dを介してヘッドホルダ下空間58から流出するので、各連通穴の開口面積が同じ大きさの場合よりも、排紙経路RDへのインクミストの流入をより抑制できる。
【0098】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 インクジェット印刷装置
2 給紙部
3 印刷部
4 循環搬送部
5 排紙部
21 ベルトプラテン部
22 ヘッドユニット
26 搬送ベルト
26a 搬送面
36 インクジェットヘッド
37 ヘッドホルダ
38 ヘッドモジュール
46,46A 内側排紙ガイド板
46a,46d 連通穴
47 外側排紙ガイド板
48 調整部材
49 遮蔽部材
56 エアバッファ部
58 ヘッドホルダ下空間
P 用紙
RP 印刷経路
RD 排紙経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11