(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記挿入孔の前記入口側の寸法は、130mm〜140mmの範囲内であり、前記挿入孔の前記出口側の寸法は、120mm〜130mmの範囲内であって前記入口側の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の血圧計。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
図1には、本発明の1つの実施形態の血圧計100の外観が示されている。
図2には、
図1の血圧計100をXZ面で切断した断面図が示され、
図3には、
図1の血圧計100を
図2のA−A’線で切断した断面図が示されている。なお、
図2は、
図3の血圧計をB−B‘線で切断した断面図でもある。
図5には、血圧の測定時の様子が模式的に示されている。血圧計100は、台200の支持面210上に置かれた状態で使用されうる。
【0010】
血圧計100は、ハウジング10を有し、ハウジング10には、被測定者300の腕が挿入される挿入孔12が設けられている。また、血圧計100は、ハウジング10の上面14に配置された表示部20と、挿入孔12の内側に配置された阻血のためのカフ30とを備えている。カフ30は、被測定者300の腕を締め付けるように、換言すると、腕を取り囲むように配置されている。この明細書において、挿入孔12に腕を挿入すると記載するときは、挿入孔12の中に配置されたカフ30によって取り囲まれた空間に腕を挿入することを意味する。
【0011】
挿入孔12が設けられたハウジング10に表示部20を配置された構成は、特許文献1に記載されたような構成、即ち、挿入孔が設けられたハウジングと、表示部が設けられた本体部とを有するような血圧計に比べて、小型化に有利である。
【0012】
挿入孔12は、挿入孔12の入口側の寸法が挿入孔12の出口側の寸法より大きい形状を有する。ここで、挿入孔12の入口側は、被測定者300が挿入孔12に腕を挿入する際に手先が最初に入る側を意味し、挿入孔12の出口側は、被測定者が挿入孔12に腕を貫通させた際に手先が出る側を意味する。腕は、掌が上を向くように挿入孔12に挿通され、肘が支持面210の上に置かれる。この状態で、血圧計100は、表示部20が被測定者300から遠ざかるように回動しうる。この回動によって被測定者300の目から表示部20が遠ざかるので、近い場所に焦点が合いにくい被測定者300にとっても表示部20が見やすい状態になる。
【0013】
挿入孔12の中心軸CAは、挿入孔12の入口側から挿入孔12の出口側に向かう方向において下方に傾斜している。挿入孔12が円錐台形状を有する場合、挿入孔12は、挿入孔12の入口側の径が挿入孔12の出口側の径より大きい形状を有するものとして説明されうる。このような挿入孔12の形状および中心軸CAの向きによれば、被測定者300は、腕を挿入孔12に容易に挿入することができる。したがって、血圧の測定のための準備作業が簡易化される。
【0014】
官能評価の結果、中心軸CAとハウジング10の底面16とがなす角度θ1は、10度〜20度の範囲内であることが好ましく、13度〜18度の範囲内であることが更に好ましいことが分かった。また、官能評価の結果、血圧計100が台200の支持面210の上に置かれた際の支持面210から挿入孔12の出口側の下端までの高さは、10mm〜20mmの範囲内であることが好ましく、15mm〜18mmの範囲内であることが更に好ましいことが分かった。この高さが低すぎると、前腕を挿入孔12に貫通させにくいし、挿入孔12の下方への部品の配置が難しくなり設計上の制約が大きくなる。また、電池などの重量物を挿入孔12の上方などに配置する必要が生じる場合には、血圧計100がひっくり返りやすくなるという不具合も生じうる。また、この高さが高すぎると、挿入孔12に前腕を貫通させた状態で血圧計100を回動させて支持面210に肘を付けることが難しくなり、腕の姿勢が安定しなくなる。
【0015】
また、官能評価の結果、挿入孔12の入口側の寸法は、130mm〜140mmの範囲内であり、挿入孔12の出口側の寸法は、120mm〜130mmの範囲内であって入口側の寸法より小さいことが好ましいことが分かった。挿入孔12は、入口側の近傍から出口側の近傍に向かって徐々に寸法が小さくなっていることが好ましい。この寸法は、様々な太さの腕に適合させるために有利な寸法である。
【0016】
表示部20は、表示部20の上面とハウジング10の底面16とが鋭角をなすように配置されうる。官能評価の結果、表示部20の上面とハウジング10の底面16とがなす角度θ2は17度〜20度の範囲内であることが好ましいことが分かった。ハウジング10の上面14には、操作部25が配置されてもよい。操作部25は、表示部20と一体に構成されてもよい。操作部25は、例えば、電源スイッチ、血圧の測定の開始や停止を血圧計100に指示するためのボタン等を含みうる。操作部25は、被測定者等のユーザーの音声を取り込むマイクおよび該マイクによって取り込まれた音声を処理してユーザーからの指示を認識する音声認識部を含んでもよい。
【0017】
血圧計100は、被測定者300が挿入孔12に腕を挿入した使用状態において、ハウジング10における挿入孔12の出口側の底面16に、挿入孔12に挿入された腕によってハウジング10が回動される際の軸となる滑り止め40を備えうる。血圧計100は、血圧計100が台200の支持面210の上に置かれた際にハウジング10の底面16が支持面210に平行になるように構成されうる。また、血圧計100は、使用状態において、ハウジング10が回動されることにより、表示部20が支持面210に平行になるように構成されうる。ここで、平行とは、厳密な平行のみを意味するものではなく、例えば、7度までのずれは、平行な範疇に入りうる。
【0018】
血圧計100は、1又は複数の電池50を収容する収容部51を更に備えうる。収容部51は、挿入孔12と底面16との間において、底面16に平行な面に沿って1又は複数の電池50を保持するように構成されうる。血圧計100は、挿入孔12とハウジング10の側面17との間であって収容部51と側面17との間に1又は複数のポンプ60を更に備えうる。ポンプ60は、カフ30の空気袋32に空気を送るために使用されうる。このような構造は、挿入孔12をハウジング10の下方に寄せるために有利である。また、血圧計100は、挿入孔12の内側に配置されたカフ30を覆うカバー33を備えうる。カバー33は、滑り性、伸縮性を有する繊維、例えば、ウレタン繊維を含むナイロンを筒状に形成したものからなる。
【0019】
カフ30は、挿入孔12の内側に沿って筒状(円錐台状)に配置された空気袋32と、空気袋32の内側であって、挿入孔12の中心軸CAから見て下方に配置された下方クッション34とを含みうる。また、カフ30は、空気袋32の内側であって、挿入孔12の中心軸CAから見て両側方に配置された側方クッション35を更に含みうる。下方クッション34および側方クッション35のようなクッションは、細い腕が挿入孔12に挿入された際にポンプ60によって空気袋32を速やかに膨らませることを可能にする一方で、太い腕が挿入孔12に挿入された際に空気袋32が容易に潰れることを可能にする。
【0020】
細い腕が挿入孔12に挿入された場合について更に説明すると、クッション34、35は、空気袋32に対してポンプ60から空気が供給されない状態においても空気袋32をある程度まで膨らませた状態に維持する効果を有する。クッション34、35がない構成では、空気袋32に対してポンプ60から空気が供給されない状態においては、空気袋32はかなり収縮した状態になってしまう。したがって、クッション34、35がない構成では、細い腕が挿入孔12に挿入された場合には、多量の空気を空気袋32に送り込む必要があり、腕の加圧までに長時間を要することになる。
【0021】
図2に例示的に示されているように、下方クッション34は、挿入孔12の入口側から出口側に向かって厚さが増加した傾斜部分34aを含むことが好ましい。下方クッション34の傾斜部分34aの上面とハウジング10の底面16とがなす角度は、0度〜15度の範囲内であることが好ましい。このような構造は、前腕を挿入孔12にゆっくりと挿入しているときに、前腕に対して前方上向きの力を与えるために効果的であり、これにより、前腕が挿入孔12を通り抜けるように案内される。
【0022】
傾斜部分34aを有する実施例と、傾斜部分34aを有しない比較例とに関して評価試験を行ったところ、10人の被検者(腕の太さは22.0cm〜33.0cm)のうち9人で、実施例が比較例よりも良好であるという結果が得られた。残りの1人について、実施例と比較例との評価結果が同一であった。
図6には、評価試験の結果が示されている。評価は、挿入孔12への腕の挿入のしやすさ、挿入孔12からの腕の抜きやすさ、測定時の状態(挿入孔12から肘が出て上腕の適所が挿入孔12(カフ30)に挿入されているかといった観点で行った。数字が大きいものが良い結果を意味する。
【0023】
更に、
図3に例示的に示されているように、2つの側方クッション35は、挿入孔12の入口側から出口側に向かって厚さが減少した傾斜部分を含むことが好ましい。側方クッション35は、腕を左右方向に関して位置決めする役割を果たすので、出口側に向かって腕の通路(カフ30の穴)を狭める構成の方が腕をまっすぐに挿入しやすい。
【0024】
図4には、カフ30を展開した構造が示されている。空気袋32および空気袋32の内側に配置されたクッション34、35が設けられている。空気袋32は、挿入孔12から取り外された状態において、帯状の形状を有しうる。空気袋32の内側には、押し付け部材37が配置されうる。押し付け部材37は、空気袋32を挿入孔12の内壁に押し付けるように機能しうる。空気袋32の内側には、1又は複数のマイク39が配置されうる。マイク39は、コロトコフ音を検出するために使用されうる。空気袋32は、不図示の接続部を有し、該接続部およびチューブを介してポンプ60に接続されうる。
【0025】
図7には、血圧計100のブロック図が示されている。血圧計100は、前述のカフ30、表示部20、操作部25、マイク39およびポンプ60の他、電源110、記憶部120、排気弁130、検出部140および制御部150を備えうる。電源110は、電池50を収容する収容部51、および/または、商用交流電圧を直流電圧に変換する変換器を含みうる。記憶部120は、測定したデータ血圧(最高血圧、最低血圧、脈拍数)を保存する。
【0026】
カフ30の空気袋32に設けられた接続部は、チューブ31を介してポンプ60、排気弁130および検出部140に接続されている。排気弁130は、チューブ31を介してカフ30の空気袋32から空気を排出させ、その圧力を低下させる。検出部140は、空気袋32の圧力をチューブ31を介して検出する。制御部150は、例えば、プログラムを格納したメモリおよびCPUを有し、該プログラムに従って、記憶部120、表示部20、操作部25、マイク39、ポンプ60、排気弁130および検出部140を制御したり、血圧の測定のための処理を実行したりしうる。
【0027】
図8(a)には、被測定者300の腕を阻血するためにポンプ60によってカフ30の空気袋32を加圧しているときに検出部140によって検出される圧力が模式的に示されている。
図8(b)には、
図8(a)に模式的に示された圧力に基づいて制御部150によって抽出される脈波成分Mが模式的に示されている。制御部150は、例えば、検出部140によって検出される圧力から低周波成分を除去することによって脈波成分Mを抽出しうる。
【0028】
制御部150は、検出部140によって検出される圧力から抽出された脈波成分Mに基づいて個々の脈を検出する。個々の脈は、1つのピークを構成する部分である。ここでは、検出部140は、検出部140によって検出される圧力から抽出された脈波成分Mから個々の脈を検出する例を説明するが、検出部140は、検出部140によって検出される圧力から個々の脈を検出してもよい。いずれにしても、制御部150は、検出部140によって検出される圧力から間接的に又は直接的に個々の脈を検出する。
【0029】
そして、制御部150は、最新の脈波の最大値が前回の脈波の最大値以下であり、前回の脈波の最大値が前々回の脈波の最大値未満であるという停止条件を満たす場合に、最新の脈波の最大値に応じて加圧停止圧力を決定し、加圧停止圧力に従ってポンプ60による加圧を停止させる。そして、その後、排気弁130を開くことによってカフ30の空気袋32の減圧を開始させる。空気袋32の減圧が開始したら、制御部150は、検出部140を使って空気袋32の圧力をモニタしながらマイク39を使ってコロトコフ音を検出することによって最高血圧および最低血圧を検出する。
【0030】
図9を参照しながら制御部150による脈波の検出について例示的に説明する。制御部150は、脈波成分Mが閾値TH1を下回ったことを検出する(a点)。その後、制御部150は、脈波成分Mが閾値TH1よりも大きい閾値TH2を超えたことを検出する(b点)。制御部150は、b点では、暫定的に脈波成分Mにおける脈波を識別する。その後、制御部150は、脈波成分MがM≦0となったことを検出(c点)するまで、脈波成分M(脈波)の最大値Hを検出する。ただし、b点からc点までの時間が所定時間(例えば、180msec)以内である場合には、制御部150は、脈波成分Mにおける脈波の識別を取り消す。制御部150は、以上のようにして識別される脈の最大値Hとそのときの圧力とのペアとして、最新、前回、前々回の3ペア分をバッファリング(保持)する。つまり、制御部150は、最新のペア、前回のペア、前々回のペアを保持している。バッファリングは、リングバッファの形式で行われうる。
【0031】
図10には、ポンプ60によるカフ30(空気袋32)の加圧の制御のフローが示されている。
図10には、ポンプ60によるカフ30(空気袋32)の加圧が開始された後における制御が示されている。
図9を参照しながら説明した脈の検出は、
図10に示される処理と並行して実行される。
【0032】
ステップS501では、制御部150は、検出部140によって検出されるカフ30(空気袋32)の現在の圧力が上限圧力以上であるかどうかを判断し、上限圧力以上であれば、ステップS513に進んで、ポンプ60による加圧を停止させる。現在の圧力が上限圧力未満である場合は、ステップS502に進む。ここで、上限圧力は、仕様においてカフ30に加えることが予定されている圧力範囲の上限値である。
【0033】
ステップS502では、制御部150は、1拍以上の脈波が検出されているかどうかを判断し、1泊以上の脈波(1つ以上の脈波)が検出されている場合には、ステップS503に進み、脈波が検出されていない場合には、ステップS505に進む。
【0034】
ステップS503では、制御部150は、最新の脈波の検出の後に脈波が消失しているかどうかを判断し、脈波が消失している場合には、ステップS505に進み、脈波が消失していない場合には、ステップS504に進む。ここで、最新の脈波の検出の後に所定時間(例えば、1.8sec)以上にわたって新たな脈波が検出されていない場合には、脈波が消失したものとして判断することができる。
【0035】
ステップS504では、検出部140によって検出された現在の圧力と最大脈波時(脈波が最大値を示した時)の圧力との差分が所定値(例えば、60mmHg)以上であるかどうかを判断し、差分が所定値以上であればステップS505に進み、所定値未満であれば、ステップS506に進む。差分が所定値以上であることは、現在の圧力が被測定者の最大血圧よりも十分に高い可能性があることを示している。
【0036】
ステップS505では、制御部150は、検出部140によって検出された現在の圧力が下限圧力(例えば、145mmHg)以上であるかどうかを判断し、下限圧力以上であれば、ステップS513に進み、下限圧力未満であれば、下限圧力に到達するのを待つ。
【0037】
ステップS506では、制御部150は、3拍以上の脈波(3つ以上の脈波)が検出されているかどうかを判断し、3拍以上の脈が検出されている場合は、ステップS507に進み、そうでなければ、ステップS501に戻る。ここで、3拍以上の脈波が検出されているかどうかは、例えば、加圧の開始後に検出された脈の数をカウントしておくことによって判断することができる。
【0038】
ステップS507では、制御部150は、被測定者の脈拍数に応じて処理を分岐する。即ち、ステップS507では、制御部150は、第1脈拍数範囲(例えば、100拍/分より小さい範囲)である場合には、ステップS508に進み、第1脈拍数範囲とは重複しない第2脈拍数範囲(例えば、100拍/分より大きい範囲)である場合には、ステップS512に進む。制御部150は、検出部140によって検出される圧力に基づいて脈拍数を計算することができる。例えば、制御部150は、検出部140によって検出される圧力から抽出される脈波成分に基づいて脈拍数を計算することができる。より具体的には、制御部150は、例えば、最新の脈波と前回の脈波との時間間隔に基づいて脈拍数を計算することができる。
【0039】
ステップS508では、制御部150は、加圧を停止するための停止条件としての第1停止条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合にはステップS509に進み、満たしていない場合にはステップS501に戻る。ここで、第1停止条件は、例えば、最新の脈波の最大値が前回の脈波の最大値以下であり、前回の脈波の最大値が前々回の脈波の最大値の第1割合(例えば、70%)以下であるという条件でありうる。
【0040】
ステップS512では、制御部150は、加圧を停止するための停止条件としての第2停止条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合にはステップS509に進み、満たしていない場合にはステップS501に戻る。ここで、第2停止条件は、例えば、最新の脈波の最大値が前回の脈波の最大値以下であり、前回の脈波の最大値が前々回の脈波の最大値の第2割合(例えば、80%)以下であるという条件であり、第2割合は第1割合とは異なる。
【0041】
一つの例として、第1脈拍数範囲は、正常な脈拍数範囲であり、第2脈拍数範囲は、その下限が第1脈拍範囲の上限より大きい範囲(頻脈と言われる状態を示す範囲)に設定されうる。この例では、第2割合として、第1割合より大きい割合が設定されうる。ここでは、2つの脈拍数範囲とそれらに対応する2つの停止条件が説明されているが、3つ以上の脈拍数範囲とそれらに対応する3つの停止条件が設定されてもよい。
【0042】
ステップS509では、制御部150は、検出部140によって検出された現在の圧力が下限圧力(例えば、145mmHg)以上であるかどうかを判断し、下限圧力以上であれば、ステップS510に進み、下限圧力未満であれば、下限圧力に到達するのを待つ。
【0043】
ステップ510では、制御部150は、ポンプ60による加圧を停止させる圧力である加圧停止圧力を決定する。例えば、制御部150は、最新の脈波の最大値に応じた加圧停止圧力を決定する。より具体的には、制御部150は、例えば、最新の脈波の最大値に所定値(例えば、10mmHg〜30mmHg、好ましくは20mmHg)を加算した圧力を加圧停止圧力として決定することができる。なお、所定値は、典型的には正の値である。このような方法で加圧停止圧力を決定することによって、再加圧の必要性や血圧測定の失敗をより確実に防止することができる。
【0044】
ステップS511では、制御部150は、検出部140によって検出された現在の圧力がステップS510で決定した加圧停止圧力に到達するのを待ち、現在の圧力がステップS510で決定した加圧停止圧力に到達したら、ステップS513に進み、ポンプ60による加圧を停止させる。
【0045】
ステップS506〜S512の処理は、検出部140によって検出される圧力に基づいて脈波を検出し、最新の脈波の最大値が前回の脈波の最大値以下であり、前回の脈波の最大値が前々回の脈波の最大値未満であるという停止条件を満たす場合に、最新の脈波の最大値に応じて加圧停止圧力を決定し、その加圧停止圧力に従ってポンプ60による加圧を停止させる処理である。連続する3つの脈波の最大値の相互の関係は、カフの圧力が被測定者の最高血圧を越えたことを高い確度で示す。このことは、多数の被検者を使った評価を通じて確認されている。したがって、連続する3つの脈波の最大値の相互の関係に基づいて加圧停止圧力を決定することによって、より高い確度で加圧停止圧力を決定することができる。これにより、再加圧の必要性や、血圧測定の失敗を極僅かなレベルまで低減することができる。