【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、ユーザの頭部に配置されてイメージを生成することができる表示デバイスの光学要素によって、本発明に従って達成される。本光学要素は、正面及び裏面と、入力部及び当該入力部から離間された出力部と、導光チャネル(12)であって、当該導光チャネル(12)は、光学要素(3)の入力部(11)を介して光学要素(3)内に入力される生成イメージのピクセルの光束(9)を、光学要素(3)内において出力部(13)まで導くのに適しており、光束は光学要素から出力される、導光チャネルとを有している。出力部は、出力に向けて光束を偏向させる光学的有効構造を有する。光学要素は、光学的有効構造を含む第1の材料の第1の部品を有する。光学要素は、第3の材料の第2の部品を有する。上記2つの部品は、第2の材料の接着組成物を用いて互いに接続される。第1の材料は1つ又は複数のシクロオレフィンポリマーを含む。第1の材料と第3の材料は互いと異なる。第2の材料及び第3の材料はそれぞれ少なくとも1つの有機ポリマーを含む。第1の材料と第2の材料との間及び第2の材料と第3の材料との間における、380nm〜800nmのうちの少なくとも1つの波長での屈折率の差はそれぞれ、0.02以下である。
【0009】
驚くべきことに、この光学要素を用いて、優れた内部光学品質及び外部光学品質、同時に高い機械的耐荷重性を達成することができ、したがって、本光学要素は、例えば、情報を導入する一体型光学ユニットを有する眼鏡レンズに非常に適する。
【0010】
目的は、ユーザの頭部に配置することができる保持デバイスと、保持デバイスに締め付けられて、イメージを生成するイメージ生成モジュールと、保持デバイスに締め付けられて、本発明による光学要素を有し、保持デバイスがユーザの頭部に配置された状態において、ユーザがバーチャルイメージとして知覚することができるように、生成されたイメージを投射する撮像光学ユニットとを有する、表示デバイスによっても達成される。
【0011】
目的は、光学的有効構造が組み込まれる光学要素を製造する方法によっても達成される。この方法は、
a)上面に構造部を有する部品を提供するステップと、
b)所定の波長範囲で光学的に有効なコーティングを構造部に塗布して、光学的有効構造を形成するステップと、
c)上面の形態と相補的な形態を有する下面を有する部品を提供するステップと、
d)第1の部品の上面、及び/又は、第2の部品の下面に、接着化合物を塗布するステップと、
e)接着化合物によって、第1の部品の上面を第2の部品の下面に接続するステップであって、それにより、光学的有効構造が埋め込まれた光学要素が製造される、接続するステップと
を含む。
【0012】
1つ又は複数のシクロオレフィンポリマーの第1の材料を使用することの利点は特に、この材料を用いて、複雑な光学構造、特に光学構造の微細な輪郭を非常に正確に再現できることである。さらに、シクロオレフィンポリマーは、高い流動性も有し、特に費用効率的に射出成形を可能にする。そして、特にスマート眼鏡で重要な本発明による光学要素の安定性は、第1の部品に接着剤で接合されて異なる材料からなる第2の部品によって達成される。
【0013】
収差を回避するために、上述した3つの材料の屈折率は、屈折率の差が可能な限り小さくなるように、互いに調整される。好ましくは、380nm〜800nmのうちの少なくとも1つの波長における、第1の材料と第2の材料との間の屈折率の差は0.01以下であり、第2の材料と第3の材料との間の屈折率の差は0.01以下であり、特にそれぞれの場合で0.005以下であり、特に好ましくはそれぞれ0.001以下である。380nm〜800nmのうちの少なくとも1つの波長における第1の材料と第2の材料との間の屈折率の差は、好ましくは0.02以下であり、特に0.01以下であり、特に好ましくは0.005以下であり、より好ましくは0.001以下である。特に好ましい実施形態では、3つ全ての材料間の屈折率の差、すなわち、第1の材料と第2の材料との間、第1の材料と第3の材料との間、及び第2の材料と第3の材料との間の屈折率の差は、それぞれ0.02以下であり、特に0.01以下であり、特に好ましくは0.005以下であり、より好ましくは0.001以下である。加えて、指定された屈折率差が380nm〜800nmのうちの同じ波長、特に589.3nmにあることが好ましい。これらの小さな屈折率差を用いる場合、材料間の境界面はいわば所定の波長範囲で光学的に消失し、その結果、光学性質は特に高い。
【0014】
更に好ましい実施形態では、第1の材料は、互いに異なる少なくとも2つのシクロオレフィンポリマーの混合物を含む。そのような異なるシクロオレフィンポリマーは、一般に異なる屈折率を有し、第2の材料、及び/又は、第3の材料への屈折率の特に厳密な適合は、2つ以上の異なるシクロオレフィンポリマーの混合物により可能である。
【0015】
第1の材料は、1つ又は複数のシクロオレフィンポリマーを含む。好ましい実施形態では、第1の材料の総重量に基づく1つ又は複数のシクロオレフィンポリマーの割合は、少なくとも95重量%、特に少なくとも98重量%である。シクロオレフィンポリマーは、慣習的な添加剤、例えば、可塑剤、安定剤、及び酸化防止剤を含むことができる。
【0016】
例えば、(特許文献1)に記載されているもの等の当業者に既知のシクロオレフィンポリマーを、シクロオレフィンポリマー(COP)として使用することができる。これらは単環又は多環オレフィンのポリマーであり、それぞれ1つ又は複数の二重結合、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、及びそれらの誘導体、特にアルキル誘導体、シクロペンタジエン、特にジクロペンタジエンのC5留分であることができる。ポリマーは、任意選択的に、直鎖又は分岐オレフィンを有するコポリマー、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、又は3−メチル−1−ブテンの形態をとることができる。特に好ましいシクロオレフィンポリマーは、商標が付いた製品であるZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標)、特にZeonex(登録商標)である。
【0017】
第3の材料では、他の材料への屈折率の特に厳密な適合を可能にするために、2つ以上のポリマーを含むことが同様に好ましい。第1の材料の場合と同様に、第3の材料の1つ又は複数のポリマーは、好ましくは、第3の材料の総重量に基づいて、少なくとも95重量%、特に少なくとも98重量%を占める。
【0018】
第3の材料はポリマーを含み、シクロオレフィンポリマーではない。第3の材料は、好ましくは、熱硬化性樹脂(デュロプラスチック)である。好ましくは、第3の材料のポリマーはポリウレタンである。好ましい実施形態では、ポリウレタンは、好ましくは直径30nm〜50nmを有する粒子、特にポリウレタンの粒子、例えば、窒素富化ポリウレタン又は窒化物のナノドメインを含む。直径30nm〜50nmを有するハードアイランド(hard island)とも呼ばれるポリウレタン内の粒子は、可視光に対して有効ではなく、すなわち、生成される迷光は殆どない。ポリウレタンは、好ましくは、眼鏡レンズに適するポリウレタンである。眼鏡レンズに通常使用されるような高切り欠き衝撃強度を有するポリウレタンが好ましい。Trivex(登録商標)及びNXT(登録商標)ポリウレタンが、第3の材料のポリウレタンとして最も好ましい。材料Trivex(登録商標)及びNXT(登録商標)ポリウレタンは、非常に軽量(約1.1g/cm
3)であり、切り欠き衝撃に対する耐性が極めて高く、可視波長範囲を透過し、UV吸収性であり、金型シェルで成形される場合、続けて受ける応力は比較的小さい。
【0019】
第1の材料、第2の材料、及び/又は第3の材料は、好ましくは、所定の波長範囲で透明である。所定の波長範囲は、好ましくは、波長範囲380nm〜800nm、特に380nm〜780nmである。
【0020】
第1の部品と第2の部品との光学的接合は、接着組成物によって提供される。これも同様に、接着組成物の成分又はそれらのラジカルが、硬化状態で所望の屈折率に調整されるという点で、接合される2つの部品に合うように屈折率が調整される。これは、導入されたビームの全内反射を回避するとともに、望ましくないフレネル反射も防止する。光学構成要素のそのような接着剤は、セメントとも呼ばれる。
【0021】
光学的に透明であり、屈折率が、第1の材料及び第3の材料との屈折率の差についての本発明による条件を満たす、一般に使用されている全ての材料が、接着組成物、すなわち、第2の材料に適する。特に、接着性又は接合性が、活性化、例えばUV活性化により生み出される接着組成物であることができる。適する接着組成物は、例えば、アルコール若しくはチオールで硬化するエポキシ樹脂に基づく接着組成物又はジイソシアネート若しくはポリイソシアネート及びアルコールに基づくポリウレタン接着剤である。
【0022】
好ましい実施形態では、光学的有効構造は光学要素内に完全に組み込まれることができ、それにより、光学要素のいかなる外側境界面にも及ばない。光学的有効構造の寸法は、好ましくは、光学要素のサイズよりも小さい。これは、光学的有効構造が、光学要素の部分のみに形成されることを意味する。組み込まれる光学有効構造は、光学要素の最大横寸法未満の最大横寸法を有することができる。特に、光学要素の横寸法の50%未満又は光学要素の横寸法の40%未満、30%未満、若しくは20%未満であることができる。好ましくは、光学有効構造は、第1の部品に窪みを形成し、窪みは接着組成物で完全に充填される。
【0023】
光学的有効構造は、例えば、反射構造及び/又は回折構造として形成することができる。特に、光学的有効構造は、部分的に反射構造及び/又は波長依存反射構造として形成することができる。反射面要素は、一緒に偏向効果を提供することができ、任意選択的に撮像効果も加えて提供することができる。光学的有効構造は、好ましくは、互いから離間された反射面要素を有する。
【0024】
特に、シェル形の第1の部品及び第2の部品の場合、本発明による光学要素における第1の部品及び第2の部品の材料のシーケンスは、第1の材料(シクロオレフィンポリマー)が内部(第1の部品)に存在し、第3の材料(特にポリウレタン)が外部に存在するようなものであり、光学的有効構造は、第1の材料内、すなわち、内部に存在する。代替的には、第3の材料(第2の部品、特にポリウレタン)は内部に存在し、第1の材料(シクロオレフィンポリマー)は外部に存在し、ここでも光学的有効構造は、第1の材料(シクロオレフィンポリマー)内に存在する。
【0025】
好ましい実施形態では、第1の部品(19)及び第2の部品(22)は、それぞれシェルである。第1のシェル及び/又は第2のシェルの厚さは、好ましくは、500μm以上、特に1mm以上である。さらに、正面は、第1のシェルの反対側に面する第2のシェルの面により形成することができ、裏面は、第2のシェルの反対側に面する第1のシェルの面により形成することができる。互いに面する2つの部品の面は、接着組成物を用いて互いに接続、好ましくは接着剤で接合することができる。
【0026】
本発明によって光学要素を製造する方法は、
a)上面に構造部を有する部品を提供するステップと、
b)所定の波長範囲で光学的に有効なコーティングを構造部に塗布して、光学的有効構造を形成するステップと、
c)上面の形態と相補的な形態を有する下面を有する部品を提供するステップと、
d)第1の部品の上面、及び/又は、第2の部品の下面に、接着化合物を塗布するステップと、
e)接着化合物によって第1の部品の上面を第2の部品の下面に接続するステップであって、それにより、光学的有効構造が埋め込まれた光学要素が製造される、接続するステップと
を含む。
【0027】
上述したように、第1の部品及び第2の部品は、好ましくは、シェルの形態をとる。シェルは、好ましくは、一体である。この背景と突き合わせて、所定の波長範囲を透過して光学的有効構造が組み込まれる、本発明による光学要素を製造する好ましい方法は、以下のステップを有する。
a)所定の波長範囲を透過すると共に一体形成されて、構造部を上面に有する第1のシェルを提供するステップと、
b)所定の波長範囲で光学的に有効なコーティングを構造部に塗布して、光学的有効構造を形成するステップと、
c)所定の波長範囲を透過すると共に一体形成されて、上面の形態に相補的な形態を有する平滑な下面を有する第2のシェルを提供するステップと、
d)所定の波長範囲を透過する接着組成物を第1のシェルの上面、及び/又は、第2のシェルの下面に、塗布するステップと、
e)第1のシェルの上面を第2のシェルの下面に接着組成物によって接続するステップであって、それにより、光学的有効構造が埋め込まれた2シェル光学要素が製造される、接続するステップと
を有する。
【0028】
本発明による方法を用いる場合、光学要素は、2つのみのシェル(特に精密に2つのシェル)を用いて、光学要素を所望の精度で大量に製造することができる。しかしながら、光学要素は、接着接合されるか、又は接着組成物を用いて互いに接続される3つ以上のシェルを有することもできるとともに、2つ以上のシェルを有することもできる。
【0029】
特に、第1のシェル及び第2のシェルは、それぞれ寸法的に安定したシェル(dimensionally stable shell)としてステップa)及びc)において提供することができる。寸法的に安定したシェルとは、特に重力以外の力が作用してない場合、その形態を保持するシェルを意味するものとして理解される。
【0030】
さらに、第1のシェル及び第2のシェルは、上面及び下面が湾曲して形成されるように、ステップa)及びc)において提供することができる。さらに、第1のシェル及び第2のシェルは、各面が上面の反対側に面し、下面が湾曲して形成されるように提供することができる。この場合、曲率は、球面曲率、非球面曲率、及び何らかの他の曲率である。
【0031】
第1のシェルは、上面が、構造部を除き平滑な表面として形成されるように、ステップa)において提供することができる。
【0032】
さらに、ステップb)後、構造部によって形成される少なくとも1つの窪みは、上面まで材料で充填することができる。第1のシェルが形成される材料と同じ材料が、好ましくは、このために使用される。さらに、充填には接着組成物を使用することができる。
【0033】
充填は、1ステップ又は幾つかの充填ステップで実行することができる。特に、充填は、平滑な連続上面があるように実行される。したがって、充填された構造部は、残りの上面と連続面を形成する。
【0034】
本発明による方法では、ステップd)において、接着組成物は、第1のシェルの上面全体、及び/又は、第2のシェルの下面全体に、接着層として塗布することができる。特に、接着層を用いて構造部を提供することもできる(好ましくは、上面まで材料で充填される場合)。
【0035】
本発明による方法では、ステップb)の後かつステップd)の前、熱硬化性材料の保護層を成形によって光学的有効コーティングに塗布することができる。特に、RIM法(注入射出成形方法)をこのために使用することができる。この場合、例えば、金型に射出する前、2つの構成要素を直接混合することができ、それにより、構成要素は互いと反応し、所望の化学的に架橋されたポリマーを形成することができる。第1のシェルは、この場合、好ましくは、対応する金型に位置決めされ、それにより、所望の保護層を形成することができる。
【0036】
第1のシェル及び/又は第2のシェルの形成は、それぞれ、特に、少なくとも2つの連続サブステップで実行することができる。これは、第1のシェル及び第2のシェルの製造における収縮の低減に繋がる。
【0037】
所定の波長範囲は、可視波長範囲、近赤外線範囲、赤外線範囲、及び/又はUV範囲である。
【0038】
主な形成プロセス(例えば、射出成形、射出圧縮成形、RIM、又は鋳造等)、形成プロセス(例えば、熱形成又は熱エンボス加工等)、除去及び/又は分離プロセス(例えば、ダイアモンド加工、イオン爆射又はエッチング等)が、それぞれの場合で、ステップa)による第1のシェルの提供及びステップc)による第2のシェルの提供に使用することができる。当然ながら、これらのプロセスを互いと組み合わせて、第1のシェル又は第2のシェルを提供することも可能である。
【0039】
第1のシェル及び第2のシェルは、それぞれ、特に、寸法的に安定した半完成品として形成され、接着層により互いに接続される。
【0040】
特に、第1のシェルは、2mm〜5mmの範囲(例えば、3.5mm)の平均厚を有することができ、第2のシェルは、0.15mm〜2mmの範囲又は0.15mm〜0.25mmの範囲(例えば、0.17mm)の平均厚を有することができる。第1のシェルの平均厚と第2のシェルの平均厚との比率は、5〜40、10〜35、15〜25、又は18〜22の範囲内(例えば、20、20.5、又は21)とすることができる。
【0041】
第1のシェルは、辺縁部(又は辺縁領域)において、第1のシェルの平均厚よりも大きな厚さを有する領域を有することができる。辺縁領域は、好ましくは、第1のシェルの平均厚の特定に考慮されない。さらに、辺縁領域は、第1のシェルと一体形成されてもよく、又は第1のシェルに接続される別個の要素であってもよい。例えば、辺縁領域は、第1のシェルに接着接合又はセメント接合することができる。辺縁領域は、少なくとも1つの更なる光学機能を提供するように形成することができる。これは特に、回折光学機能及び/又は反射光学機能であることができる。特に、辺縁領域を有する第1のシェルは、L字形であるように形成することができる。
【0042】
ステップb)による光学的有効コーティングの塗布は、例えば、蒸着、スパッタリング、CVD(化学蒸着)、液状塗料等によって実行することができる。コーティングは単層であることができる。しかしながら、幾つかの層を塗布することも可能である。特に、干渉層システムを塗布することもできる。さらに、接着促進用の少なくとも1つの層、機械的補償用の1つの層、及び1つの保護層(拡散/移動、熱保護、化学保護、UV保護等)を更に塗布することもできる。光学的有効コーティングは、特別な波長又はスペクトル範囲に向けて設計することができる。さらに、追加又は代替として、その機能を入射角、偏光、及び/又は更なる光学特性に依存させることもできる。光学的有効構造は、反射性、特に高反射性(例えば、ミラー様)、部分的透過/部分的ミラー性であることができ、及び/又はフィルタリング効果を提供することができる。さらに、光学的有効コーティングは、回折光学要素であることができる。
【0043】
光学的有効コーティングは、構造部のみに塗布することができる。代替的には、光学的有効コーティングを全表面エリアにわたって塗布し、次に、光学的有効コーティングの必要ない表面の部分から、光学的有効コーティングを除去することも可能である。化学エッチング又はイオンエッチングは、例えば、そのような除去に使用することができる。
【0044】
少なくとも1つの材料、少なくとも1つの金属酸化物、及び少なくとも1つの金属窒化物を、光学的有効コーティングに使用することができる。有機材料及び/又はポリマー材料を使用することもできる。さらに、例えば、有機−無機ハイブリッド系又は有機修飾されたシラン/ポリシロキサン等のいわゆるハイブリッド材料も使用可能である。
【0045】
本発明による方法では、ステップa)〜e)は、光学的有効構造が透明本体内に完全に組み込まれるように実行することができる。その結果、光学的有効構造は、透明本体のいかなる材料境界層にも延在しない。
【0046】
さらに、ステップa)〜e)は、光学的有効構造が所望の光学機能を提供する、互いから離間された表面要素を有するように実行することもできる。
【0047】
表面要素は、例えば、反射面要素であることができる。反射面要素は、完全な反射(略100%)又は部分反射のみ(部分反射面要素)を生じさせることができる。特に、反射面要素は共通面にある。反射面要素は、互いに平行してオフセットすることができる。
【0048】
表面要素は、それら自体がそれぞれ平面要素又は湾曲して形成される表面要素として形成することができる。
【0049】
本発明による方法では、光学要素は、ステップe)を実行した後、完成する。しかしながら、例えば、第1のシェルの反対側に面する第2のシェルの境界面から離れて機械加工又は加工するために、少なくとも1つの材料除去機械加工ステップを実行することも可能である。同じことが、第2のシェルの反対側に面する第1のシェルの境界面に対しても該当する。
【0050】
当然ながら、例えば、反射防止コーティング、硬質層等の塗布等の少なくとも1つの表面仕上げ方法ステップを実行することもできる。特に、眼鏡レンズの製造から既知の仕上げ動作を実行することができる。
【0051】
本発明による方法を用いる場合、その結果として、仕上げられた光学要素を提供することができる。しかしながら、意図される目的で使用することができるように光学要素を完成させるために、更なる方法ステップが必要なこともある。
【0052】
ユーザの頭部に配置することができる保持デバイスと、保持デバイスに締め付けられて、イメージを生成するイメージ生成モジュールと、保持デバイスに締め付けられて、本発明による光学要素を有し、保持デバイスがユーザの頭部に配置された状態において、ユーザがバーチャルイメージとして知覚することができるように、生成されたイメージを投射する撮像光学ユニットとを有する表示デバイスも提供される。
【0053】
撮像光学ユニットは、単一の光学要素として、光学要素を有することができる。しかしながら、撮像光学ユニットは、光学要素と共に、少なくとも1つの更なる光学要素も有することも可能である。
【0054】
表示デバイスは、イメージ生成モジュールをアクティブ化する制御ユニットを有することができる。
【0055】
イメージ生成モジュールは特に、2次元イメージ生成器、例えば、LCDモジュール、LCoSモジュール、OLEDモジュール、又は傾斜ミラーマトリックスを有することができる。
【0056】
イメージ生成器は複数のピクセルを有することができ、複数のピクセルは、例えば、行及び列に配置することができる。イメージ生成器は、自己照明型又は非自己照明型であることができる。
【0057】
イメージ生成モジュールは特に、モノクロイメージ又はマルチカラーイメージを生成するように形成することができる。
【0058】
本発明による表示デバイスは、動作に必要な当業者に既知の更なる要素を有することができる。
【0059】
さらに、記載される表示デバイスを製造する方法が提供される。この場合、本発明による光学要素は、本発明による製造方法によって製造され、そうして製造される本発明による光学要素は、本発明(展開を含む)による表示デバイスが製造されるように、表示デバイスの他の要素と組み合わせられる。
【0060】
上記特徴及び以下にこれから説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに、それぞれの場合で指定される組合せのみならず、他の組合せでも、又はそれら自体でも使用可能なことは言うまでもない。
【0061】
本発明について、例えば、本発明にとって重要な特徴を開示する添付図面に基づいて以下により詳細に説明する。例示をより明確にするために、図は少なくとも部分的に、一定の縮尺及び割合である表現を示さず、陰影を使用しない。