(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0010】
[全体構成]
図1は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の正面図であり、
図1(a)は伸縮ノズル20を縮めた状態を示し、
図1(b)は伸縮ノズル20を伸ばした状態を示している。この靴乾燥装置1は、靴2(
図2参照)やスリッパ等の履き物を乾燥させるために用いる装置であって、
図1に示すように、本体10と、一対の伸縮ノズル20と、固定手段30とを備える。本体10の正面側に設けられた操作パネルPを用いて各種の操作を行うことができるようになっている。
【0011】
詳細については後述するが、本体10は、吸気口から吸気した空気を加熱手段により加熱する。伸縮ノズル20は、本体10に対して伸縮自在であり、加熱手段により加熱された空気を吐き出す。例えば、伸縮ノズル20は、本体10に一端が連結された蛇腹ホース(伸縮ダクト)21と、蛇腹ホース21の他端に取り付けられたノズルヘッダ22とを備えてもよい(以下の説明では、蛇腹ホース21とノズルヘッダ22とを一括して「伸縮ノズル20」と記載する場合がある)。固定手段30は、伸縮ノズル20が縮んだ状態において伸縮ノズル20を本体10に固定する。これにより、伸縮ノズル20が縮んだ状態では伸縮ノズル20が本体10に固定されるため、様々な形態で使用することができる使い勝手のよい靴乾燥装置1を提供することが可能となる。
【0012】
[使用形態]
図2は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の第1の使用形態を示す斜視図である。第1の使用形態は、本体10を寝かせた状態で靴2を玄関先などに置いたまま使用する使用形態である。通常、玄関先には段差があるため、
図2に示すように、本体10の背面に設けられた可倒式のスタンド40(
図3参照)を閉じて本体10を寝かせた状態にし、伸縮ノズル20を伸ばしてノズルヘッダ22を靴2の中に入れて使用してもよい。このような第1の使用形態によれば、靴2を玄関先に置いたまま使用することができるため、汚れた靴2を室内や廊下に持ち込まなくて済む。
【0013】
図2では、本体10を寝かせた状態にしているが、本体10を起立状態にして使用してもよい。例えば、ブーツを玄関先に置いたまま使用する場合は、本体10を起立状態にした方がノズルヘッダ22をブーツの中に差し込みやすくなる。
【0014】
図3は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の第2の使用形態を示す斜視図である。第2の使用形態は、起立状態で靴2を置いて使用する使用形態である。具体的には、
図3に示すように、床に靴2を置き、その付近で本体10を起立状態にし、伸縮ノズル20を伸ばしてノズルヘッダ22を靴2の中に入れて使用してもよい。このような第2の使用形態によれば、床に靴2を置いたまま使用することができるため、ノズルヘッダ22の向きを調整しやすい。
【0015】
図4は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の第3の使用形態を示す斜視図である。第3の使用形態は、2足同時に乾燥させる使用形態である。ノズルヘッダ22は、先端が二股に分かれたダブルノズルであるため、
図4に示すように、一方のノズルヘッダ(ダブルノズル)22を靴2Aの中に入れ、他方のノズルヘッダ(ダブルノズル)22を別の靴2Bの中に入れて使用してもよい。このような第3の使用形態によれば、2足同時に乾燥させることができるため、より多くの靴2を短時間で乾燥させることが可能である。
【0016】
図5は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の第4の使用形態を示す斜視図である。第4の使用形態は、起立状態で靴2を引っ掛けて使用する使用形態である。具体的には、
図5に示すように、スタンド40を使用し、本体10を起立状態にする。伸縮ノズル20は、縮めた状態にして本体10に固定しておく。これにより、伸縮ノズル20が上方に向くため、その先端部分のノズルヘッダ22に靴2を引っ掛けて使用してもよい。本体10と伸縮ノズル20とは固定手段30により十分な強度で固定されているため、容易に靴2を引っ掛けることができる。このような第4の使用形態によれば、靴2を引っ掛けて使用することができるため、簡便に靴2を乾燥させることが可能である。
【0017】
[基本機能]
図6は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1が備える操作パネルPの正面図である。この操作パネルPは、靴乾燥装置1を操作するための操作手段であり、
図6に示すように、モードボタンB1、タイマーボタンB2、電源ボタンB3、オゾン脱臭ボタンB4などを備える。
【0018】
モードボタンB1は、運転モードを選択するためのボタンである。モードボタンB1を押すたび、「標準」「革靴」「低騒音」の各運転モードが切り替わる。「標準」モードは、スニーカー等を乾燥させるときの運転モードである。「革靴」モードは、革靴等を乾燥させるときの運転モードである。「革靴」モードが選択された場合、「標準」モードに比べて風量は同じであるが、温度は低くなる。「低騒音」モードは、夜間など低騒音で運転させるときの運転モードである。「低騒音」モードが選択された場合、「革靴」モードに比べて温度は同じであるが、風量は小さくなる。タイマーボタンB2は、タイマー運転を設定するためのボタンである。電源ボタンB3は、電源の切/入を選択するためのボタンである。オゾン脱臭ボタンB4は、オゾン脱臭機能の切/入を選択するためのボタンである。使用者が操作パネルPを操作すると、操作内容が制御基板(後述する。)に通知され、操作内容に応じた処理が実行される。
【0019】
図7は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1が備えるオゾン脱臭機能の概念図である。オゾン脱臭ボタンB4によりオゾン脱臭機能がオンされると、
図7に示すように、オゾンO3を含んだ空気が靴2の中に供給される。オゾンO3は、靴2の中を通る間に雑菌等に接し、それらを強力に酸化する。これにより、靴2の除菌や脱臭を行うことが可能である。
【0020】
[基本構造]
図8及び
図9は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1における空気100の流れの説明図である。具体的には、
図8(a)は、靴乾燥装置1の正面図であり、
図8(b)は、
図8(a)のA−A線に沿うA−A断面図である。また、
図9(a)は、靴乾燥装置1の右側面図であり、
図9(b)は、
図9(a)のB−B線に沿うB−B断面図である。これらの図に示すように、送風手段であるシロッコファン14Aで吸気口11Aから吸気した空気100を上方に送り、加熱手段であるヒータ18A(
図20参照)で加熱し、一対の蛇腹ホース21を通じてそれぞれのノズルヘッダ22の吐出口22Aから吐き出す。ヒータ18Aは、例えば、PCT(Positive Temperature Coefficient)ヒータであり、鋼板等で形成されたヒータケース18に収容されている。吐出口22Aは、ノズルヘッダ22の先端に設けられているため、ノズルヘッダ22の通風方向に適正な勢いで温風を吐き出すことが可能である。オゾン脱臭ボタンB4によりオゾン脱臭機能がオンされている場合は、オゾナイザ17BからオゾンO3(
図7参照)が発生し、吸気口11Aから吸気した空気100にオゾンO3が混入するようになっている。
【0021】
図10は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の分解斜視図である。この図に示すように、本体10は、箱型状に形成された半割り構造の本体ケース11を備える。正面側の本体ケース11の略中央部に操作パネルPが設けられ、操作パネルPの裏側に制御基板12が設けられる。制御基板12は、操作パネルPからの指示信号等に基づいて各部を制御する制御手段である。制御基板12の後方にファンケース13が設けられ、ファンケース13内にシロッコファン14Aが設けられ、シロッコファン14Aの上方にヒータケース18が設けられる。シロッコファン14Aの吸気口は、本体ケース11の左右側面に設けられた吸気口11Aに対向して配置される。更に、シロッコファン14Aを駆動するモータ14Bが取り付けられ、モータ14Bにモータブラケット14Cが取り付けられ、本体ケース11に固定される。モータブラケット14Cの側方には吸気口11Aが配置される。ここでは、右側の吸気口11Aに対応する位置にしかフィルタ15を描いていないが、左側の吸気口11Aに対応する位置にも同様にフィルタ15が設けられる。吸気口11Aの内側にオゾンを発生させるオゾナイザ17Bが設けられ、更に、オゾナイザ17Bに電力を供給するオゾナイザ電源17Aが設けられる。本体ケース11の背面にスタンド40が設けられ、本体ケース11の側面にACコードプッシュ16が設けられる。本体ケース11の上端に空気100の流出口である一対の開口部31が設けられ、開口部31のそれぞれにリング状の固定部材23を介して蛇腹ホース21の一端が連結される。蛇腹ホース21の他端にリング状のスライド部材24が取り付けられ、蛇腹ホース21の他端に対してノズルヘッダ22がスライド可能に取り付けられる。
【0022】
[ノズル伸縮構造]
図11は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1が備える伸縮ノズル20の断面図であり、
図11(a)は、伸縮ノズル20が縮んだ状態を示し、
図11(b)は、ノズルヘッダ22が蛇腹ホース21に対してスライドし、伸縮ノズル20が伸びた状態を示し、
図11(c)は、伸縮ノズル20が更に伸びた状態を示している。
図12は、
図11(a)中の表示Aの部分を拡大した拡大図であり、
図13は、
図11(b)中の表示Bの部分を拡大した拡大図である。
【0023】
まず、
図11(a)に示すように、伸縮ノズル20が縮んだ状態では、固定手段30により伸縮ノズル20が本体10に固定されている。この状態では、本体10とノズルヘッダ22内に蛇腹ホース21が収納されるようになっている(収納状態)。具体的には、
図12に示すように、開口部31が本体10の上端(
図12では右端)に設けられ、開口部31に嵌る延出部32がノズルヘッダ22の下端(
図12では左端)に設けられている。延出部32の先端付近には溝部33が設けられ、開口部31には溝部33に係合する突起部34が設けられている。これにより、延出部32を開口部31に押し込むと、延出部32の先端が突起部34を乗り越え、突起部34が溝部33に係合するようになっている。
【0024】
使用者は、ノズルヘッダ22を握り、本体10とノズルヘッダ22とを容易に着脱することができる。ノズルヘッダ22の下端には、ノズルヘッダ22の長手方向に窓部Wが形成されているため(
図10参照)、蛇腹ホース21の一部が見えるようになっている。
【0025】
次いで、ノズルヘッダ22を握って蛇腹ホース21を本体ケース11から引き出すと、
図11(b)に示すように、蛇腹ホース21に対してノズルヘッダ22がスライド可能となっている。具体的には、
図13に示すように、ノズルヘッダ22の内側にスライドストッパ22Sが設けられている。これにより、蛇腹ホース21に対してノズルヘッダ22が長さL1だけ引き出されると、蛇腹ホース21の先端に取り付けられたスライド部材24がスライドストッパ22Sに当接し、スライドが制限されるようになっている。
【0026】
更に、蛇腹ホース21を本体ケース11から引き出すと、
図11(c)に示すように、長さL2まで蛇腹ホース21を伸長させることができる。ノズルヘッダ22内に蛇腹ホース21を収納し、伸縮量を稼ぐ構造になっている。これにより、玄関先で使用する場合等でも、十分な長さまで蛇腹ホース21を伸長させることができる。しかも、蛇腹ホース21は、曲げ形状を保持可能な可撓性のホースであるため、蛇腹ホース21を自在に屈曲させ、所望の方向に向けて空気100を吐き出すことが可能である。
【0027】
図14は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1が備える固定手段30の斜視図である。ここでは、一方の伸縮ノズル20については蛇腹ホース21と固定部材23を取り外した状態を示している。突起部34の形状、大きさ、個数等は限定されるものではないが、
図14に示すように、開口部31近傍の3箇所に設けられた係止爪であってもよい。また、溝部33の形状、大きさ、個数等も限定されるものではないが、
図14に示すように、延出部32の先端の外周に設けられた一定深さの溝であってもよい。これにより、突起部34と溝部33とを厳密に位置合わせしなくても係合させることができるため、本体10とノズルヘッダ22とを容易に着脱することが可能である。
【0028】
ここでは、本体10に開口部31を設け、ノズルヘッダ22に延出部32を設けることとしているが、ノズルヘッダ22に開口部31を設け、本体10に延出部32を設けてもよい。また、延出部32に溝部33を設け、開口部31に突起部34を設けることとしているが、開口部31に溝部33を設け、延出部32に突起部34を設けてもよい。すなわち、固定手段30は、伸縮ノズル20を本体10に固定(保持)するための手段であればよく、種々の変形が可能である。
【0029】
[ノズル先端形状]
図15は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1が備える伸縮ノズル20の説明図であり、
図15(a)は上面図、
図15(b)は正面図、
図15(c)は右側面図である。この図に示すように、ノズルヘッダ22の先端の略中央を横断する凹部22Bが設けられ、凹部22Bを挟む両側に凸部22Cが設けられ、凹部22Bと凸部22Cのそれぞれに空気100を吐き出す吐出口22Aが設けられている。このようなノズル先端形状によれば、片方のノズルヘッダ22の凹部22Bで左右一対の靴2を保持することができるため、2足同時に乾燥させることが可能である。また、3つの吐出口22Aから空気100が吐き出されるため、1足乾燥でも2足同時乾燥でも、全ての吐出口22Aが塞がれることがない。すなわち、3つの吐出口22Aのうちのいずれかは開放状態になるため、乾燥効率を向上させることが可能であり、また、シロッコファン14A(
図9参照)の負荷を軽減することが可能である。
【0030】
ここで、
図15(b)に示すように、凸部22Cの上端をハの字状に外側に傾斜させているため、吐出口22Aから吐き出される空気100を外側に拡げることができる。また、
図15(c)に示すように、凸部22Cの隅部22DをR面取りすることで背面側に傾斜させているため、吐出口22Aから吐き出される空気100を背面側に拡げることができる。このような空気100の拡がり効果は、2足同時乾燥の場合に特に効果的である。
【0031】
[排出孔]
図16は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1に濡れた靴2を引っ掛けて使用している様子を示す右側面図である。このような使用形態の場合、伸縮ノズル20が上方に向く状態になるため、濡れた靴2から水などの液体W1,W2が伸縮ノズル20を伝わって本体10に進入する可能性がある。そこで、本体10の背面に水抜きのための第1の排出孔51と第2の排出孔52を貫通形成し(
図17参照)、第1の排出孔51,第2の排出孔52から液体W1,W2を外部に排出する構造になっている。
【0032】
図18は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の内部構造を示す斜視図である。以下、
図18を用いて、第1の排出孔51及び第2の排出孔52を更に詳しく説明する。
【0033】
まず、蛇腹ホース21の内側を伝わって本体10に進入した液体W1は、蛇腹ホース21の下方に設けられたガイド板80に伝わり、ガイド板80の窪み部81に溜まり、第1の排出孔51から外部に排出される。第1の排出孔51は、窪み部81の高さ位置に合わせて背面側の本体ケース11に設けられているため、スタンド40を使用して本体10がやや背面側に傾いた起立姿勢にすると、特に高い排出効果を得ることができる。更に、固定部材23の内側を半月状の閉止部23Aで閉止し(
図10参照)、本体10の内側に液体W1が伝わりにくい構造になっている。
【0034】
一方、蛇腹ホース21の外側を伝わって本体10に進入した液体W2は、固定部材23の周囲に設けられた仕切り部材90に伝わり、第2の排出孔52から外部に排出される。第2の排出孔52は、仕切り部材90の高さ位置に合わせて背面側の本体ケース11に設けられているため、スタンド40を使用して本体10がやや背面側に傾いた起立姿勢にすると、特に高い排出効果を得ることができる。蛇腹ホース21と仕切り部材90との間は固定部材23によりシールされているため(
図20参照)、仕切り部材90よりも下方に液体W2が進入しない構造になっている。
【0035】
[スタンド構造]
図19は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の右側面図であり、
図19(a)は、スタンド40を使用した場合を示し、
図19(b)は、スタンド40を使用しない場合を示している。この図に示すように、本体10の背面に可倒式のスタンド40を設け、本体10を多方向に設置しても適正な温風吐き出し性能が得られるようになっている。
【0036】
すなわち、
図19(a)に示すように、スタンド40を開くと、スタンド40の下端と本体ケース11の背面側の下端とが床61に接し、本体10がやや背面側に傾いた起立状態になる。このような起立状態で靴2を引っ掛けて使用する場合は、伸縮ノズル20が上方に向く状態になるため、靴2の中の全体に温風を行き渡らせることができる。
【0037】
一方、
図19(b)に示すように、スタンド40を閉じると、スタンド40の開口41(
図17参照)に本体ケース11の湾曲部11Fが収まり、スタンド40と本体ケース11とが一体になる。このとき、スタンド40に設けられたロック用凸部42が本体ケース11に設けられたロック用凹部43に係合するようになっている。この状態で本体10を寝かせると、スタンド40の側面40Sと本体ケース11に設けられた脚部Fとが床61に接し、本体10を寝かせた状態を安定して保つことができる。このとき、伸縮ノズル20がやや下方に向く状態になるため、玄関先などの段差のある場所で使用する場合、下方に置かれた靴2に向けて容易に温風を吹き付けることが可能である。
【0038】
[温度検出3点セット]
図20は、本実施の形態に係る靴乾燥装置1の内部構造を示す斜視図である。この図に示すように、温度制御用のサーミスタ71と、過昇温防止用のバイメタル72と、過昇温防止用の温度ヒューズ73とを備えてもよい。サーミスタ71は、ヒータケース18から温風が流出する流出口付近に設けられているため、温風の温度を精度よく検出することができる。ヒータケース18には、ヒータ18Aの電熱線と、バイメタル72と、温度ヒューズ73とが内蔵されている。バイメタル72と温度ヒューズ73は、螺旋状に配置された電熱線と直交する位置に配置されているため、過昇温を精度よく検出することができる。サーミスタ71、バイメタル72、温度ヒューズ73は、図示しない接続コードにより制御基板12等に接続されている。これにより、適正な温度制御と安全性の向上を図ることが可能である。
【0039】
なお、
図20では、ヒータケース18が仕切り板18B,18C,18Dにより6部屋に仕切られているが、ヒータケース18の部屋数は限定されるものではない。もちろん、サーミスタ71、バイメタル72、温度ヒューズ73の配置は適宜変更することが可能である。
【0040】
以上のように、本実施の形態に係る靴乾燥装置1は、本体10と、本体10に設けられた吸気口11Aと、吸気口11Aから吸気した空気100を加熱するヒータ18Aと、本体10に対して伸縮自在であり、ヒータ18Aにより加熱された空気100を吐き出す複数の伸縮ノズル20と、伸縮ノズル20が縮んだ状態において伸縮ノズル20を本体10に固定する固定手段30とを備える。これにより、伸縮ノズル20が縮んだ状態では伸縮ノズル20が本体10に固定されるため、様々な形態で使用することができる使い勝手のよい靴乾燥装置1を提供することが可能となる。
【0041】
また、伸縮ノズル20は、本体10に一端が連結された伸縮ダクトである蛇腹ホース21と、蛇腹ホース21の他端に取り付けられたノズルヘッダ22とを備えてもよい。これにより、簡単な構成で伸縮性に優れた伸縮ノズル20を提供することが可能となる。
【0042】
また、蛇腹ホース21の少なくとも一部がノズルヘッダ22内に収納されてもよい。これにより、蛇腹ホース21のうちノズルヘッダ22内に収納されている部分もノズルヘッダ22外に向けて伸長することができるため、ノズルヘッダ22内に収納されている分だけ伸縮量を稼ぐことが可能となる。加えて、蛇腹ホース21をノズルヘッダ22で補強するという効果もある。
【0043】
また、蛇腹ホース21の他端に対してノズルヘッダ22がスライド可能に取り付けられていてもよい。これにより、ノズルヘッダ22がスライドする分だけ更に伸縮量を稼ぐことが可能となる。
【0044】
また、固定手段30は、ノズルヘッダ22と本体10のうちの一方に設けられた開口部31と、ノズルヘッダ22と本体10のうちの他方に設けられ、開口部31に嵌る延出部32と、開口部31と延出部32のうちの一方に設けられた溝部33と、開口部31と延出部32のうちの他方に設けられ、溝部33に係合する突起部34とを備えてもよい。これにより、簡単な構成でありながら、伸縮ノズル20を縮めた状態で強固に本体10に固定することが可能となる。
【0045】
また、ノズルヘッダ22は、その先端の略中央を横断する凹部22Bが設けられ、凹部22Bを挟む両側に凸部22Cが設けられ、凹部22Bと凸部22Cのそれぞれに空気100を吐き出す吐出口22Aが設けられていてもよい。これにより、送風効率を向上させることができるため、乾燥時間を短縮することが可能となる。
【0046】
また、本体10は、蛇腹ホース21の内側を伝わって本体10に進入した液体W1を排出するための第1の排出孔51と、蛇腹ホース21の外側を伝わって本体10に進入した液体W2を排出するための第2の排出孔52とを備えてもよい。これにより、伸縮ノズル20を本体10に固定し、伸縮ノズル20が上方に向く状態で使用した場合でも、蛇腹ホース21の内側と外側のいずれからも液体W1,W2が進入しないため、安全性を向上させることが可能となる。
【0047】
また、伸縮ダクトとして可撓性の蛇腹ホース21を用いているため、伸縮性に優れるだけでなく屈曲性にも優れた伸縮ダクトを提供することが可能となる。
【0048】
なお、上記の説明では、ノズルヘッダ22の先端面に吐出口22Aを設けた場合について説明したが、吐出口22Aを設ける箇所はこれに限定されるものではない。例えば、ノズルヘッダ22の先端面だけでなく側面にも吐出口22Aを設けてもよい。これにより、ノズルヘッダ22の先端だけでなく側面からも温風が吐き出されるため、広範囲のものを効率よく乾燥させることが可能となる。
【0049】
また、上記の説明では、凹部22Bを前後方向に延びる向きに設定していたが(
図15参照)、左右方向に延びる向きに設定してもよい。もちろん、このように左右方向に延びる向きに設定した場合も、凹部22Bを挟む両側に凸部22Cを設けてもよい。
【0050】
また、上記の説明では、被乾燥物として靴2を例示したが、靴2には、スリッパ等の履き物全般が含まれることは言うまでもない。もちろん、被乾燥物は、履き物以外のものであってもよい。例えば、本靴乾燥装置1は、下駄箱内に向け送風させて乾燥や消臭に利用してもよい。更に、衣類や布団の乾燥や除菌を行うために利用することもできるし、室内の暖房や除菌に利用することもできる。
【0051】
また、上記の説明では、伸縮ダクトとして蛇腹ホース21を用いた場合を例示したが、これに限定されるものではない。すなわち、伸縮ダクトは、伸縮自在なダクトであればよく、蛇腹ホース21以外の伸縮ダクトを用いることも可能である。
【0052】
[その他の実施の形態]
上記のように、いくつかの実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0053】
このように、本実施の形態は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【0054】
従来、本体の靴掛け部に靴を掛けることが前提となる構造では、靴を室内や廊下に持ち込むことになるため、靴に汚れが付着している状態で使用することに使用者が抵抗を覚えることがあった。そのため、玄関先に靴を置いた状態で使用することができるなど、様々な形態で使用することができる靴乾燥装置が求められている。
【0055】
本実施の形態は、上述した従来の技術に鑑み、様々な形態で使用することができる使い勝手のよい靴乾燥装置を提供することを目的とする。
【0056】
本実施の形態の一態様によれば、本体と、前記本体に設けられた吸気口と、前記吸気口から吸気した空気を加熱する加熱手段と、前記本体に対して伸縮自在であり、前記加熱手段により加熱された空気を吐き出す複数の伸縮ノズルと、前記伸縮ノズルが縮んだ状態において前記伸縮ノズルを前記本体に固定する固定手段とを備える靴乾燥装置が提供される。
【0057】
本実施の形態によれば、様々な形態で使用することができる使い勝手のよい靴乾燥装置を提供することが可能である。