(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヘッドボックスから垂下されたスラット支持コードによって複数段のスラットが回動可能に支持されると共に前記ヘッドボックスから垂下された昇降コードが前記ヘッドボックス内に配置された巻取軸に巻取り又は巻き戻しされることによってボトムレールが昇降可能に支持されるように構成された横型ブラインドにおいて、
前記昇降コードは、前記スラットの長手方向に離間されて3本以上設けられ、
両端の2本の昇降コードは、前記スラットの前後方向の一方側に偏った位置に配置され、
残りの昇降コードは、前記スラットの前後方向の他方側に偏った位置に配置され、
前記ボトムレールを上昇させる際に、両端の2本の昇降コードが残りの昇降コードに先立って前記ボトムレールを上昇させるように構成される、横型ブラインド。
両端の2本の昇降コードが前記巻取軸から所定の下限状態まで巻き戻されたとき、残りの昇降コードが両端の昇降コードより長く巻き戻された状態になるように構成される、請求項1に記載の横型ブラインド。
前記ボトムレールの前記他方側が低くなるように前記ボトムレールが傾斜した状態で前記ボトムレールがその下限位置から上昇されるように構成される、請求項7に記載の横型ブラインド。
両端の2本の昇降コードが前記巻取軸から所定の下限状態まで巻き戻されたとき、残りの昇降コードが両端の昇降コードより長く巻き戻された状態になるように構成される、請求項7又は請求項8に記載の横型ブラインド。
ヘッドボックスから垂下されたスラット支持コードによって複数段のスラットが回動可能に支持されると共に前記ヘッドボックスから垂下された昇降コードが前記ヘッドボックス内に配置された巻取軸に巻取り又は巻き戻しされることによってボトムレールが昇降可能に支持されるように構成された横型ブラインドにおいて、
前記昇降コードは、前記スラットの長手方向に離間されて3本以上設けられ、
両端の2本の昇降コードは、前記スラットの前後方向の一方側に偏った位置に配置され、
残りの昇降コードは、前記スラットの前後方向の他方側に偏った位置に配置され、
両端の2本の昇降コードが前記巻取軸から所定の下限状態まで巻き戻されたとき、残りの昇降コードが両端の昇降コードより長く巻き戻された状態になるように構成される、横型ブラインド。
前記ボトムレールの前記他方側が低くなるように前記ボトムレールが傾斜した状態で前記ボトムレールがその下限位置から上昇されるように構成される、請求項10に記載の横型ブラインド。
ヘッドボックスから垂下されたスラット支持コードによって複数段のスラットが回動可能に支持されると共に前記ヘッドボックスから垂下された昇降コードが前記ヘッドボックス内に配置された巻取軸に巻取り又は巻き戻しされることによってボトムレールが昇降可能に支持されるように構成された横型ブラインドにおいて、
前記スラット支持コードを最上段のスラットに固定する第1スラット押えと、
前記スラット支持コードを4段目以降のスラットに固定する第2スラット押えを備える、横型ブラインド。
ヘッドボックスから垂下されたスラット支持コードによって複数段のスラットが回動可能に支持されると共に前記ヘッドボックスから垂下された昇降コードが前記ヘッドボックス内に配置された巻取軸に巻取り又は巻き戻しされることによってボトムレールが昇降可能に支持されるように構成された横型ブラインドにおいて、
前記巻取軸を回転可能に支持するサポート部材と、
前記巻取軸に対して軸線方向移動が制限されるように係合され、且つ前記巻取軸に対して所定の角度範囲内においては相対回転可能であり且つその範囲を超えると前記巻取軸と一体回転する回転ドラムと、
前記回転ドラムと一体回転する駆動軸と、
前記巻取軸と一体回転すると共に前記回転ドラムの回転に伴って前記巻取軸に対して軸線方向に相対移動するように前記回転ドラムに対して係合されるカムクラッチを備え、
前記カムクラッチは、軸線方向に突出する制動爪を備え、
前記カムクラッチが前記制動爪の突出量が増大する方向に移動した状態で前記カムクラッチが回転したときに前記制動爪に衝突する位置に制動突部が設けられ、
前記制動突部は、前記制動爪が前記制動突部に衝突したときに前記駆動軸に浮き上がる方向の力が前記駆動軸に加わらない位置に配置される、横型ブラインド。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】スラット7がボトムレール9上に弓状に積み重ねられるという課題を説明するための側面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の横型ブラインド1の斜視図である。
【
図3】(a)は、最上段のスラット7の上から見た断面図、(b)は、上から二段目のスラット7の上から見た断面図であり、(c)は、上から三段目以降のスラット7の上から見た断面図であり、(d)は(c)中のA−A断面図である。(a)〜(b)においてスラット押え31は省略している。
【
図4】(a)は、
図2中の中央のドラムユニット19の近傍の構成の、部屋外側から見た斜視図である。(b)は、ヘッドボックス3と、サポート部材21と、サポートキャップ22の位置関係を示す斜視図である。(a)においてスラット押え31は省略している。
【
図5】
図4(a)中の巻取ドラム29、カムユニット15、及びサポートキャップ22の斜視図である。
【
図7】(a)は、カムユニット15に含まれるカムクラッチ12と回転ドラム13が分離された状態を示す斜視図である。(b)は、回転ドラム13をカムクラッチ12側から見た図である。(c)は、カムクラッチ12と回転ドラム13が連結された状態を示す斜視図である。
【
図8】(a)は、
図7のカムクラッチ12と回転ドラム13を別の角度から見た斜視図である。(b)は、連結状態のカムクラッチ12及び回転ドラム13と、分離状態の巻取軸キャップ14を示す斜視図である。
【
図9】連結状態のカムクラッチ12、回転ドラム13、及び巻取軸キャップ14を示す斜視図である。
【
図10】(a)は、回転ドラム13と巻取軸キャップ14をカムクラッチ12側から見た図である。(b)は、
図7(c)に対応する図である。(c)は、
図9に対応する図であり、
図9とは反対側の面を示す。(a)〜(c)は、何れも規制突部13eが係合突部14cに隣接している状態を示している。
【
図11】(a)は、回転ドラム13と巻取軸キャップ14をカムクラッチ12側から見た図である。(b)は、
図7(c)に対応する図である。(c)は、
図9に対応する図であり、
図9とは反対側の面を示す。(a)〜(c)は、何れも規制突部13eが係合突部14dに隣接している状態を示している。
【
図12】(a)〜(b)は、従来技術において、カムクラッチ12の制動爪12cが制動突部21aに衝突したときの中心軸Cに配置された駆動軸23に加わる力の方向を説明するための断面図であり、(c)〜(d)は、本実施形態において、カムクラッチ12の制動爪12cが制動突部22aに衝突したときの中心軸Cに配置された駆動軸23に加わる力の方向を説明するための断面図である。
【
図13】駆動軸23に浮き上がり方向の力が加わらないようにするための、制動突部22aと制動爪12cの当接面CPの位置を説明するための断面図である。
【
図14】(a)は、昇降テープ11を巻取ドラム29に装着する方法を示す斜視図であり、(b)は、巻取ドラム29の斜視図である。
【
図15】本発明の作用を説明するための例示的な基本構成を示し、(a)は正面図、(b)はスラット7を上方から見た平面図である。
【
図16】本発明の作用を示す図であり、(a)〜(b)は、それぞれ、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【
図17】本発明の比較例であり、(a)〜(b)は、それぞれ、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【
図18】本発明の第2実施形態の具体例1を示し、(a)は正面図、(b)はスラット7を上方から見た平面図、(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中のB−B断面図、(e)は(d)からカラー35のみを抜き出した図、(f)は(d)から巻取部29cを抜き出して巻取部29cにテープ36を貼り付けられた状態の図、(g)は(d)から巻取部29cを抜き出して巻取部29cにピン部材37を装着した状態の図を示す。
【
図19】本発明の第2実施形態の具体例2を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、
図18(c)〜(d)に対応する図である。
【
図20】本発明の第2実施形態の具体例3を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、
図18(c)〜(d)に対応する図である。
【
図21】本発明の第3実施形態を示し、(a)は正面図、(b)はスラット7を上方から見た平面図、(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中のB−B断面図である。
【
図22】本発明の第4実施形態を示し、(a)は正面図、(b)はスラット7を上方から見た平面図、(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中のB−B断面図である。
【
図23】本発明の第5実施形態を示し、(a)は正面図、(b)はスラット7を上方から見た平面図、(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中のB−B断面図である。
【
図24】本発明の第6実施形態を示し、(a)は正面図、(b)はスラット7を上方から見た平面図、(c)は(a)中のA−A断面図、(d)は(a)中のB−B断面図、(e)は(a)中のC−C断面図である。
【
図25】本発明の第7実施形態を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、ボトムレール9が下限水平状態である場合の、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【
図26】本発明の第7実施形態を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、ボトムレール9が上昇中状態である場合の、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【
図27】本発明の第7実施形態に関連した課題を説明するための図であり、(a)〜(b)は、それぞれ、ボトムレール9が上昇中状態である場合の、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【
図28】本発明の第8実施形態を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、ボトムレール9が下限状態である場合の、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【
図29】本発明の第8実施形態を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、ボトムレール9が上昇中状態である場合の、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【
図30】本発明の第9実施形態を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、中央の昇降テープ11及び両端の昇降テープ11の端部を示す。
【
図31】本発明の第10実施形態を示し、(a)〜(b)は、それぞれ、ボトムレール9が下限状態である場合の、
図15(a)中のC−C断面図、D−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。以下に示す実施形態中の各種特徴については、独立して発明が成立し、且つ互いに組み合わせ可能である。具体的には、以下の実施形態において、(1)昇降テープ11の巻取速度に差を設けること、(2)4段目以降のスラット7にスラット押え32を設けること、(3)障害物検知停止装置の制動突部22aを従来技術とは異なる位置に設けた点について説明するが、これらの特徴は、それぞれ独立して発明が成立し、且つ、互いに組み合わせ可能である。
【0014】
特許請求の範囲の「昇降コード」とは、ボトムレールの昇降に用いられるコードであり、その断面形状は限定されない。従って、「昇降コード」は、薄くて幅広のテープ状である昇降テープと、紐状の昇降ストリングの何れであってもよい。また、特許請求の範囲の「巻取軸」は、昇降テープを重ねて巻き取るための巻取ドラムと、昇降ストリングを螺旋状に巻き取るための巻取コーンの何れであってもよい。以下の実施形態では、昇降テープが巻取ドラムに重ねて巻き取られる形式の横型ブラインドを例に挙げて説明するが、昇降ストリングが巻取コーンに螺旋状に巻き取られる形式の横型ブラインドでも基本的に同様の作用効果が達成可能である。また、以下の実施形態では、手動ブラインドを例に挙げて説明するが、本発明は、電動ブラインドにも適用可能である。
【0015】
1.第1実施形態
以下、図面を用いて、本発明の第1実施形態の横型ブラインド1について説明する。
図2に示すように、横型ブラインド1は、ヘッドボックス3と、ヘッドボックス3から垂下されたラダーコード5及び昇降テープ11を備える。
図3〜
図4に示すように、ラダーコード5は、一対の縦糸5aの間に複数の横糸5bを備える。各横糸5bには、スラット7が支持されている。ラダーコード5は、特許請求の範囲の「スラット支持コード」に相当する。「スラット支持コード」は、スラット7を支持及び回動可能なものであればその構成は限定されず、例えば、互いに分離された2本の縦糸を備え、一方の縦糸がスラットの一方の縁に取着され、他方の縦糸がスラットの他方の縁に取着されるような構成であってもよい。昇降テープ11は、薄くて幅広のテープ状である。
【0016】
本実施形態では、ラダーコード5は、最上段及びその次の段のスラット7にスラット押え31で固定され、且つ上から10段目のスラット7にスラット押え32で固定されている。スラット押えは、通常、最上段のスラットのみに設けるか、最上段及びその次の段のスラットのみに設けられ、それよりも下の段のスラットには設けられない。しかし、本発明者は、スラット7を一対の横糸5bの間に保持せずにスラット7を横糸5bの上に載置する形式の横型ブラインドにおいては、低い位置に設けられたスラットがスムーズに回動されない場合があるという問題に気づき、このような問題を解決すべく検討を行ったところ、ラダーコード5を4段目以降のスラット7に固定するスラット押え32を設けることによって、低い位置に設けられたスラット7がスムーズに回動させることができることを見出した。スラット押え32を設ける位置は、スラット7の数をnとしたときに、m(m≧0.3n、好ましくはm≧0.5n)段目以降のスラットに設けることが好ましい。このような位置に設けることによって、低い位置に設けられたスラット7がよりスムーズに回動される。また、mの上限は、特に規定されないが、例えば、m≦0.8nである。なお、スラット7を横糸5bの上に載置する形式の横型ブラインドにおいて、4段目以降の特定のスラット7については、一対の横糸5bの間にスラット7を挿通させるようにしてもよい。スラット7を横糸5bの上に載置することは、スラット7を一対の横糸5bの間に挿通させるよりも製造が容易である。一方、横糸5b上に載置されたスラット7は、一対の横糸5bの間に挿通されたスラット7よりも回動されにくい(ラダーコード5の変位に追従されにくい)。このため、4段目以降の特定のスラット7について一対の横糸5bの間にスラット7を挿通させることによって、製造が容易であり且つラダーコード5の変位への追従性が優れた横型ブラインドが得られる。なお、一対の横糸5bの間に挿通されたスラット7を設ける好ましい位置は、スラット押え32について説明した位置と同様である。
【0017】
ヘッドボックス3内には、ドラムユニット19が配置されている。ドラムユニット19は、
図4に示すように、ヘッドボックス3に固定されるサポート部材21と、サポート部材21に対して回転可能に支持されるチルタードラム25及び巻取ドラム29と、巻取ドラム29に装着されるカムユニット15と、サポートキャップ22を備える。チルタードラム25及び巻取ドラム29には、操作コード6の操作に伴って回転する断面非円形の駆動軸23が挿通されており、チルタードラム25及び巻取ドラム29は、駆動軸23の回転に伴って回転する。なお、駆動軸23の回転は、チルタードラム25には直接伝達され、巻取ドラム29には後述する回転ドラム13及び巻取軸キャップ14を介して伝達される。
【0018】
操作コード6に加えられた操作力は、プーリーケース17内に配置された操作プーリー及び変換ギアを介して駆動軸23の回転に変換される。なお、電動ブラインドにおいては、電動モーターの回転に伴って駆動軸23が回転される。サポートキャップ22は、チルタードラム25の一部と、巻取ドラム29及びカムユニット15を覆うように設けられている。また、
図4(b)に示すように、サポートキャップ22には、前後方向外側に突出する係止爪22bが、前後方向の両側に設けられており、ヘッドボックス3の側壁の上端部が前後方向内側に折り曲げられて形成された折曲部3aによって、係止爪22bが係止されることによって、サポートキャップ22は、ヘッドボックス1の上方への移動が妨げられている。そして、サポート部材21及びサポートキャップ22のチルタードラム支持部21c,22cによって構成される軸受部によってチルタードラム25の外周が囲まれ、サポート部材21及びサポートキャップ22の巻取ドラム支持部21d,22dによって構成される軸受部によって巻取ドラム29の支持筒部29i(
図6(b)に図示)の外周が囲まれているので、駆動軸23に上方向の力が加わったときには、チルタードラム25及び巻取ドラム29の外周がサポートキャップ22に当接して、駆動軸23の上方への移動が妨げられる。但し、折曲部3aは、薄板が折り曲げられて形成されているので、駆動軸23に対して上方への強い力が加わると、折曲部3aが変形してしまう恐れがある。このため、駆動軸23に上方への力が加わることは避けることが好ましく、後述するように、本実施形態で採用している障害物検知停止装置では、駆動軸23に上方への力が加わることが回避されるように構成されている。
【0019】
チルタードラム25には、金属リングからなるラダーコード吊下部材27が装着されている。ラダーコード吊下部材27は、その弾性力によってチルタードラム25に装着されている。ラダーコード5の一対の縦糸5aの一端は、ラダーコード吊下部材27に取着されており、駆動軸23の回転に伴ってチルタードラム25と共にラダーコード吊下部材27が回転することによって、スラット7の傾斜角度が変化するように構成されている。ラダーコード吊下部材27は、スラット7が略垂直になるまではチルタードラム25の回転に伴って回転し、その後はチルタードラム25がラダーコード吊下部材27に対して空回りするようになっている。ラダーコード5の一対の縦糸5aの他端は、ボトムレール9に取着されている。
【0020】
昇降テープ11は、一端がボトムレール9に取着され、他端が巻取ドラム29に取着されている。駆動軸23の回転に伴って巻取ドラム29が回転することによって、昇降テープ11が巻取ドラム29に対して巻き取られ又は巻き戻しされることによってボトムレール9が昇降される。
【0021】
図2に示すように、昇降テープ11は、スラット7の長手方向LSに離間されて3本設けられている。両端の2本の昇降テープ11は、
図3(a)〜(b)に示すように、最上段及びその次の段のスラット7についてはスラット7の部屋内側の縁7fに沿って垂下され、
図3(c)に示すように、上から3段目以降のスラット7についてはスラット7に設けられた挿通孔7aに挿通される。挿通孔7aは、スラット7の部屋内側(前後方向の一方側)に偏った位置に配置されている。具体的には、挿通孔7aは、スラット7の部屋内側の縁7fの近傍に配置されている。このような構成によって、両端の2本の昇降テープ11は、スラット7の前後方向の中央よりも部屋内側に偏った位置に配置されている。挿通孔7aは、細長い形状を有し、挿通孔7aの長手方向がスラット7の長手方向LSに平行になるように配置されている。挿通孔7aがこのように配置されているので、
図3(d)に示すように、スラット7を全閉状態にしたときに、挿通孔7aが手前のスラット7によって遮蔽されて、外光Sが挿通孔7aを通じて室内に入り込むことが阻止されるので、全閉状態での光漏れが低減される。
【0022】
中央の昇降テープ11は、
図3(a)に示すように、最上段のスラット7についてはスラット7に設けられた挿通孔7cに挿通され、
図3(b)に示すように、上から2段目のスラット7についてはスラット7の部屋外側の縁7bに沿って垂下され、
図3(c)に示すように、上から3段目以降のスラット7についてはラダーコード5の縦糸5aに設けられた環状部5cに挿通される。なお、環状部5cは、全てのスラット7に対応する位置に設ける必要はなく、必要な位置に必要な数だけ設けることができる。一例では、上から3〜7段目のスラット7に対応する位置には環状部5cを設けず、昇降テープ11は、縁7bに沿って垂下され、8〜10段目の各スラット7に対応する位置に環状部5cを設けて昇降テープ11を挿通させ、11段目以降は、2〜5段のスラット毎に環状部5cを設けて昇降テープ11を挿通させる。最上段のスラット7の挿通孔7cは、スラット7の部屋外側(前後方向の他方側)に偏った位置に配置されている。具体的には、挿通孔7cは、スラット7の部屋外側の縁7bの近傍に配置されている。このような構成によって、中央の昇降テープ11は、スラット7の前後方向の中央よりも部屋外側に偏った位置に配置されている。挿通孔7cは、細長い形状を有し、挿通孔7cの長手方向がスラット7の長手方向LSに平行になるように配置されている。挿通孔7cがこのように配置されているので、スラット7を全閉状態にしたときに、挿通孔7cの部分が二段目のスラット7と重なるため、挿通孔7cを通過した光が二段目のスラットによって反射される。このため、外光Sが挿通孔7cを通じて室内に入り込むことが阻止されるので、全閉状態での光漏れが低減される。
【0023】
次に、サポート部材21、巻取ドラム29、カムユニット15、及びサポートキャップ22の構成をさらに詳細に説明する。
【0024】
カムユニット15は、
図8に示すように、巻取ドラム29に固定される巻取軸キャップ14と、巻取軸キャップ14に対して軸線方向移動が制限されるように係合され且つ巻取軸キャップ14に対して所定の角度範囲内においては相対回転可能であり且つその範囲を超えると巻取軸キャップ14と一体回転する回転ドラム13と、巻取軸キャップ14と一体回転すると共に回転ドラム13の回転に伴って巻取軸キャップ14に対して軸線方向に相対移動するように回転ドラム13に対して係合されるカムクラッチ12を備える。カムユニット15と、サポートキャップ22に設けられた制動突部22aによって、ボトムレール9の降下時にボトムレール9が障害物に衝突したり、ボトムレール9が下限に到達したりしたときに、駆動軸23の回転を停止させるための障害物検知停止装置が構成される。
【0025】
図5〜
図6に示すように、巻取ドラム29は、一対のフランジ29a,29bとその間に設けられた巻取部29cを備える。フランジ29aからは、巻取軸キャップ14に向かって連結筒部29hが突出しており、連結筒部29hには係合溝29gが設けられている。
図14(a)に示すように、フランジ29bからは、巻取軸キャップ14の反対方向に向かって支持筒部29iが突出している。
【0026】
巻取軸キャップ14は、フランジ14gから巻取ドラム29側に突出する係止筒部14eと、その反対側に突出する制動筒部14fとを備える。係止筒部14eは、制動筒部14fよりも外径が小さく、係止筒部14eから径方向外側に向かって溝係合突部14aが突出している。係止筒部14eは、連結筒部29hに挿入され、係合溝29gに溝係合突部14aが係合される。このような構成によって、巻取軸キャップ14が巻取ドラム29と一体回転する。この状態では、巻取ドラム29と巻取軸キャップ14は容易に分離可能である。
【0027】
サポート部材21及びサポートキャップ22は、巻取軸キャップ支持部21e,22eを備え、巻取軸キャップ支持部21e,22eによって構成される軸受部によって巻取軸キャップ14の制動筒部14fが支持される。そして、
図4に示すように、巻取ドラム29と巻取軸キャップ14を連結した状態で、巻取ドラム29の支持筒部29iを巻取ドラム支持部21dに支持させ、巻取軸キャップ14の制動筒部14fを巻取軸キャップ支持部21eに支持させると、巻取ドラム29側では、フランジ29bが隔壁21gに当接して軸線方向移動が妨げられ、巻取軸キャップ14側では、フランジ14gが隔壁21fに当接して、巻取軸キャップ14が巻取ドラム29から離れる方向に軸線方向移動することが妨げられる。このように、巻取ドラム29と巻取軸キャップ14を連結した状態でサポート部材21に装着すると、巻取ドラム29と巻取軸キャップ14は分離されなくなる。巻取軸キャップ14の制動筒部14f内にはカムクラッチ12及び回転ドラム13が収容されており、サポートキャップ22には、カムクラッチ12の制動爪12cに係合して駆動軸23の回転を停止させる制動突部22aが設けられている。
【0028】
図8(a)に示すように、カムクラッチ12は略円筒形状に形成されており、筒部12aと、この筒部12aより大径に形成された制動部12bとを備えている。
【0029】
制動部12bは外周面の径が、巻取軸キャップ14の制動筒部14fの内周面と摺動可能な大きさに設定されている。制動部12bの筒部12a側の端部には制動爪12cが形成されている。制動爪12cは軸線方向に向かって鋸歯状に突出されており、障害物が検知されたときにサポートキャップ22の制動突部22aに衝突するように構成されている。制動爪12cが制動突部22aに衝突することによってカムクラッチ12の周方向への回転が防止される。
【0030】
図7(a)及び
図8(a)に示すように、制動部12bの側壁にはカム構造としての摺動孔12d及び移動スリット12eが形成されている。摺動孔12dは制動部12bの軸線に対して約68度傾斜するように形成されている。また、摺動孔12dは、制動部12bの周方向において略120度の角度範囲に亘って配設されるようにその長さが設定されている。
【0031】
移動スリット12eは、制動部12bの軸線方向に沿って形成されている。移動スリット12eは、
図8(b)に示すように、巻取軸キャップ14の係合突部14c,14dの位置に対応するように配設されており、移動スリット12eと係合突部14c,14dとを係合することにより、カムクラッチ12と巻取軸キャップ14とは相対回転不能に且つ軸線方向に沿って相対移動可能に組み付けられている。
【0032】
カムクラッチ12は、巻取軸キャップ14の軸線方向に相対移動されることで、制動爪12cが制動突部22aに衝突する状態と衝突しない状態が切り替わる。制動爪12cが制動突部22aに衝突する状態では、カムクラッチ12がサポート部材21に対して相対回転不能となり、制動爪12cが制動突部22aに衝突しない状態では、カムクラッチ12がサポート部材21に対して相対回転可能となる。
【0033】
制動部12bの側壁は周方向において両移動スリット12eを挟む一方(
図8(a)において奥側)が、他方(
図8(a)において手前側)よりも軸線方向に突出して形成されている。
【0034】
また、カムクラッチ12の筒部12aの筒孔12fには駆動軸23が挿通されているが、筒孔12fが断面四角形状の駆動軸23の外接円径より大きいので、カムクラッチ12は、駆動軸23とは相対回転可能である。
【0035】
図7〜
図8に示すように、カムクラッチ12の径方向内側には回転ドラム13が収容されている。回転ドラム13は、本体部13aと係止爪13bとを備えている。本体部13aは、略円筒形状に形成されており、
図7(b)に示すように、本体部13aの中心には正四角形状の挿通孔13cが形成されている。回転ドラム13は挿通孔13cに同サイズの断面四角形の駆動軸23が貫通され、駆動軸23と共に一体回転を行う。
【0036】
係止爪13bは本体部13aの周方向に沿って等角度間隔(90度間隔)で4つ形成されており、巻取軸キャップ14の係止筒部14eに挿入する際、係止筒部14eの中心に向かって弾性変形可能とされている。係止爪13bは、本体部13aよりも小径に形成されており、本体部13aと各係止爪13bとによって巻取軸キャップ14の係止筒部14eを軸線方向に挟み込み、回転ドラム13と巻取軸キャップ14とが軸線方向に相対移動しないようになっている。
【0037】
本体部13aには軸線方向に沿った2つの切り欠きが形成されており、この切り欠きによってアーム13fが形成されている。アーム13fの先端には回転ドラム13の径方向外側に向かって突出する摺動突部13dが形成されている。アーム13fは、切り欠きにより回転ドラム13の径方向に沿って可撓性を有しており、カムクラッチ12の内部に組み付ける際、摺動突部13dと共に先端が中心に向かって撓むようになっている。摺動突部13dは略円柱形状に突出形成されており、カムクラッチ12の摺動孔12d内を摺動可能に形成されている。
【0038】
図8(a)に示すように、本体部13aの係止爪13b側の一端には、径方向外側に向かって突出する規制突部13eが形成されている。規制突部13eは本体部13aの周方向において摺動突部13dの略反対位置に配設されている。また、規制突部13eは本体部13aの周方向において所定角度範囲で突出形成されており、回転ドラム13が巻取軸キャップ14に対して相対回転した際に、係合突部14c,14dと周方向において当接するようにその突出量が設定されている。
【0039】
このように形成された回転ドラム13は、
図7(c)に示すように、摺動突部13dがカムクラッチ12の摺動孔12dの内部に収容されるように組み付けられる。また、回転ドラム13は、
図8(b)、
図10(a)及び
図11(a)に示すように、規制突部13eが巻取軸キャップ14の係合突部14c,14dとの間に配設されるように組み付けられる。従って、回転ドラム13と巻取軸キャップ14とは、
図10(a)及び
図11(a)に示すように、規制突部13eが巻取軸キャップ14の係合突部14c,14dの間を相対移動する範囲内においてのみ相対移動可能となる。
【0040】
次に、このように構成された横型ブラインドの作用を説明する。
まず、横型ブラインドの引き上げ時の操作を説明する。
操作コード6の一方が操作されて、駆動軸23が横型ブラインドの引き上げ方向に回転されると、該回転は回転ドラム13に伝達され、該回転ドラム13は
図10(a)及び(b)中の矢印XU方向に回転する。すると、回転ドラム13の規制突部13eが
図10(a)の矢印XUの方向に移動すると共に摺動突部13dが摺動孔12dに沿って
図10(b)の矢印YUの方向に移動する。この段階では、回転ドラム13の回転は、巻取軸キャップ14には伝達されず、回転ドラム13は、巻取軸キャップ14に対して相対回転する。また、摺動突部13dの移動に伴って
図10(b)の矢印ZUの方向の力がカムクラッチ12に加わることによって、カムクラッチ12が巻取軸キャップ14に対して
図10(c)の矢印ZU方向に相対移動する。この状態では、制動爪12cは、制動筒部14fからの突出量が小さく、制動爪12cは、サポートキャップ22の制動突部22aとは衝突せず、カムクラッチ12は、サポート部材21に対して相対回転可能である。
【0041】
駆動軸23を同じ方向にさらに回転させると、規制突部13eが係合突部14cに当接して係合突部14cに対して
図10(a)の矢印XU方向の力を加えるので、回転ドラム13が巻取軸キャップ14と一体回転する。さらに、カムクラッチ12及び巻取ドラム29は、常に、巻取軸キャップ14と一体回転するので、その結果、回転ドラム13が、巻取軸キャップ14、カムクラッチ12及び巻取ドラム29と一体回転し、昇降テープ11が巻取ドラム29に巻き取られてボトムレール9が上昇する。
【0042】
次に、横型ブラインドの引き下げ時の操作を説明する。
操作コード6が操作されて、駆動軸23が横型ブラインドの引き下げ方向に回転されると、該回転は回転ドラム13に伝達され、該回転ドラム13は
図10(a)及び(b)中の矢印XD方向に回転する。また、スラット7及びボトムレール9の自重によって昇降テープ11にテンションが加わると、巻取ドラム29に
図4(a)の矢印XD方向の力が加わる。この力による回転は、そのまま巻取軸キャップ14及びカムクラッチ12に伝達され、巻取軸キャップ14及びカムクラッチ12を
図10(a)〜(b)の矢印XD方向に回転させる。このため、駆動軸23の回転に伴って回転ドラム13、巻取軸キャップ14及びカムクラッチ12が一体回転する。
【0043】
ボトムレール9が障害物に衝突したり、ボトムレール9が下限位置に到達してボトムレール9の荷重がラダーコード5に加わったりすると昇降テープ11に加わるテンションが弱まり、その結果、巻取ドラム29に加わる
図4(a)の矢印XD方向の力が弱まり、巻取ドラム29の回転が減速されるか停止される。この状態で、駆動軸23が横型ブラインドの引き下げ方向にさらに回転されると、回転ドラム13及び駆動軸23の
図10(a)の矢印XD方向の回転が、巻取軸キャップ14の回転よりも速くなり、その結果、規制突部13eが係合突部14cから矢印XD方向に相対移動する。この際、回転ドラム13がカムクラッチ12に対して
図10(b)の矢印XD方向に相対回転し、その結果、摺動突部13dが摺動孔12dに沿って
図10(b)の矢印YD方向に移動する。そして、摺動突部13dの移動に伴って
図10(b)の矢印ZDの方向の力がカムクラッチ12に加わることによって、カムクラッチ12が巻取軸キャップ14に対して
図10(c)の矢印ZDの方向に相対移動し、
図11(a)〜(c)に示す状態になる。この状態では、制動爪12cは、制動筒部14fからの突出量が大きく、制動爪12cがサポートキャップ22の制動突部22aと衝突し、カムクラッチ12は、サポート部材21及びサポートキャップ22に対して相対回転不能になる。また、巻取軸キャップ14も同時にサポート部材21及びサポートキャップ22に対して相対回転不能となり、回転ドラム13は、
図11(a)に示すように、規制突部13eが係合突部14dに当接した時点でこれ以上の相対回転が不能となり、その結果、駆動軸23の回転が停止される。
【0044】
なお、巻取軸キャップ14の制動筒部14f及び係止筒部14eと同様の機能を有する構成を巻取ドラム29に設けて、巻取軸キャップ14を省略することも可能である。この場合、回転ドラム13及びカムクラッチ12は、巻取ドラム29に直接装着される。
【0045】
ところで、特開2014-231696のような従来技術では、
図12(a)に示すように、サポート部材21に制動突部21aが設けられており、制動突部21aは、カムクラッチ12の中心Cの真下に配置されていた。このような配置の場合、制動爪12cが
図12(a)の矢印XD方向に移動して、
図12(b)に示すように、制動突部21aに衝突すると、制動爪12cと制動突部21aの当接面CPの最外周部P1が回転中心となって、カムクラッチ12の中心Cに配置されている駆動軸23に矢印Q1で示すように駆動軸23が浮き上がる方向の力(P1を中心とした円の接線方向の力)が加わる。駆動軸23が浮き上がってしまった場合、駆動軸23が通常の回転軸に戻るまでのロスが発生し、ブラインドの遮蔽が悪くなる場合がある。そこで、本実施形態では、
図12(c)〜(d)に示すように、制動爪12cが制動突部22aに衝突したときに駆動軸23が沈み込む方向の力が駆動軸23に加わる位置に制動突部22aを配置している。具体的には、本実施形態では、
図12(c)に示すように、制動突部22aがサポートキャップ22に設けられており、制動爪12cが制動突部22aに衝突すると、制動爪12cと制動突部22aの当接面CPの最外周部P2が回転中心となって、カムクラッチ12の中心Cに配置されている駆動軸23に矢印Q2で示すように駆動軸23が沈み込む方向の力(P2を中心とした円の接線方向の力)が加わる。本実施形態では、制動突部22aは、サポートキャップ22に設けているが、サポートキャップ22以外の部材(例:サポート部材21)に設けてもよい。制動突部22aは、
図13に示すように、制動突部22aと制動突部12cの当接面CPが中心Cの下側の鉛直面Aと上側の鉛直面Bの間に位置するように配置すればよい。当接面CPが鉛直面A又はBに一致するときは、駆動軸23には水平方向の力が加わるので、駆動軸23に浮き上がる方向の力が加わらない。また、鉛直面Aからの当接面CPの角度αが0度より大きく180度よりも小さい場合は、沈み込み方向の力が駆動軸23に加わる。言い換えると、制動爪12cの進行方向側の端面12c1が上側を向いている状態で制動爪12cが制動突部22aに衝突する位置に制動突部22aが配置されていれば、制動爪12cが制動突部22aに衝突したときに、沈み込み方向の力が駆動軸23に加えられる。
【0046】
ところで、
図2〜
図3に示すように、本実施形態では、スラット7の長手方向LSに離間されて3本の昇降テープ11が設けられており、両端の2本は、部屋内側に偏った位置に配置されており、中央の1本は、部屋外側に偏った位置に配置されている。このような配置のために、スラットの長手方向LSの中央には部屋内側には昇降テープ11が設けられていない。このため、ボトムレール9を上昇させるにつれてボトムレール9の上に積み重なるスラット7の枚数が多くなるに従って、ボトムレール9の長手方向の中央付近において、ボトムレール9がスラット7の重量に耐えられなくなり撓んで傾斜してしまう場合がある。ボトムレール9が傾斜してしまうと、
図1に示すように、スラット7がボトムレール9上にまっすぐに積み重ならずに、ボトムレールの傾いた箇所でスラットが下方にずれ、弓状に積み重ねられてしまうという問題が生じる。スラット7がボトムレール9上で前後方向にずれることを抑制するために、本実施形態では、両端の2本の昇降テープ11の巻取ドラム29への巻取速度が、中央の昇降テープ11よりも大きくなるように構成している。このような構成によれば、ボトムレール9の長手方向の中央付近でのボトムレール9の傾斜が緩和され、スラット7がボトムレール9上で前後方向にずれることが抑制され、弓状に積み重ねられることも抑制される。なお、巻取速度の差を大きくし過ぎるとボトムレール9が
図1とは逆向きに傾斜してしまうので、巻取速度の差は、ボトムレール9が上限位置にまで上昇されたときのボトムレール9の傾斜が最小になるように設定することが好ましい。
【0047】
巻取速度に差を設ける方法としては、巻取ドラム29の回転速度に差を設けたり、巻取ドラム29の巻取部29cの径に差を設けたりする方法が挙げられる。しかし、前者を実現するために必要なギア構成は複雑であり、後者を実現するには複数種類の巻取ドラム29を準備する必要があり、何れもコストアップに繋がる。そこで、本実施形態では、より容易に実現可能な方法として、昇降テープ11の折り返し長を調整する方法を採用している。以下、詳細に説明する。
【0048】
図14に示すように、昇降テープ11の端部には、折り返し部11bが設けられており、折り返し部11bに接合部11cを形成することによって環状部11dと余長部11eが形成されている。巻取ドラム29にはピン挿通孔29d,29eと、ピン固定部29fが設けられている。固定ピン16は、挿入部16aと、これに垂直な固定部16bを有する。昇降テープ11を巻取ドラム29に固定する際には、固定ピン16の挿入部16aを、点線Rで示すように、ピン挿通孔29d、環状部11d、ピン挿通孔29eの順で挿通し、固定部16bをピン固定部29fに係合させる。
【0049】
固定ピン16を用いて環状部11dを巻取ドラム29に固定した後、昇降テープ11の余長部11eと本体部11fが重ねて巻取ドラム29の巻取部29cに巻き取られる。このため、昇降テープ11の折り返し部11がスペーサとして働く。そして、折り返し長(折り返し部の長さ)が長くなるほど、昇降テープ11の巻取径(巻取径=巻取部29cの直径+すでに巻かれた昇降テープ11の厚さ)が大きくなるので、昇降テープ11の折り返し長に差を設けることによって、昇降テープ11の巻取ドラム29への巻取速度に差を設けることができる。従って、折り返し長が同一である3本の昇降テープ11を準備し、中央の昇降テープ11について、余長部11eの一部又は全部を切除することによって、中央の昇降テープ11の巻取速度を、両端の昇降テープ11よりも小さくすることが可能になる。この方法によれば、余長部11eの切除量を変えることによって、巻取速度の差を調整することができるので、ブラインドの全高及び幅、スラットの材料及び幅などに応じて、巻取速度の差を適宜設定することが容易になる。なお、別途準備したスペーサを挟んだ状態で昇降テープ11を巻取ドラム29に巻きつけるようにしてもよい。スペーサとしては、テープ状のものを用いることができる。この場合、スペーサの長さを変えることによって巻取速度の差を調整することが可能になる。
【0050】
なお、本実施形態では、昇降テープ11が3本の場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明は、昇降テープ11が4本以上の場合にも適用可能である。昇降テープ11が4本の場合、4本の昇降テープ11は、スラット7の長手方向LSに離間されて、それぞれ、スラットの一方側、他方側、他方側、及び一方側に偏った位置に配置される。このため、昇降テープ11が4本の場合は、両端の2本の昇降テープ11の間隔が、昇降テープ11が3本の場合よりも大きくなるので、両端の2本の昇降テープ11の巻取ドラム29への巻取速度を残りの昇降コードよりも大きくすることの必要性が一層高い。
【0051】
(本発明の作用の詳細な説明)
以下、本発明の作用を詳細に説明する。電動ブラインドへの適用を想定しているが、手動ブラインドにも適用可能である。巻き取り軸の構成も示した。
【0052】
まず、説明に用いる横型ブラインドの基本構成を説明する。この横型ブラインドでは、
図15〜
図17に示すように、ヘッドボックス3内に3つの巻取ドラム29が回転可能に支持されており、これらの巻取ドラム29が駆動軸23の回転に伴って回転するように構成されている。巻取ドラム29は、巻取部29c(
図16〜
図17に図示)とこれを挟む一対のフランジ29a,29bを備える。各巻取部29cには昇降テープ11が巻き取られ、両端の昇降テープ11は、転向ローラ34を経由して、スラット7に設けられた挿通孔7aを通じて部屋内側に偏った位置に垂下され、中央の昇降テープ11は、スラット7の部屋外側の縁に沿って一対の横糸5bの間に挿入されて垂下される。図示の便宜上、
図15では、チルタードラム25の図示を省略し、
図16〜
図17では、フランジ29aの図示を省略している。なお、
図15〜
図17に示す構成は、例示であり、本発明はこの構成に限定されない。
【0053】
図16に示すように、本発明では、ボトムレール9を上昇させる際に、両端の2本の昇降テープ11が中央の昇降テープ11に先立ってボトムレール9を上昇させるように構成される。このため、ボトムレール9の部屋内側(両端の昇降テープ11が支持している側)の両端が中央よりも高くなり、ボトムレール9の部屋外側が低くなるようにボトムレール9が傾斜する。また、ボトムレール9の中央では、ボトムレール9のねじれ変形も加わる。このため、ボトムレール9上に積層されたスラット7は、ボトムレール9の中央において下方に(部屋外側に)ずれようとするが、この位置には張力の掛かった昇降テープ11が配置されているので、スラット7がこの昇降テープ11に当接してスラット7のずれが阻止される。
【0054】
一方、
図17に示すように、比較例では、ボトムレール9を上昇させる際に、全ての昇降テープ11がボトムレール9を同時に上昇する。この場合、ボトムレール9上に積層されたスラット7の荷重によるボトムレール9のねじれ変形によって、ボトムレール9の中央においてボトムレール9の部屋内側が低くなるようにボトムレール9が傾斜されやすい。なぜなら、ボトムレール9の中央においてはボトムレール9の部屋外側にのみ昇降テープ11が配置されているためにボトムレール9の部屋内側が昇降テープ11によって支持されていないからである。このため、ボトムレール9上に積層されたスラット7は、ボトムレール9の中央において下方に(部屋内側に)ずれようとし、この位置には、スラット7に当接する昇降テープ11が存在していないので、昇降テープ11によってスラット7のずれが阻止されず、スラット7のずれが生じ、最悪の場合は、積層されたスラット7がボトムレール9からこぼれてしまう。
【0055】
以上の作用によって、本発明によれば、ボトムレールを上昇させる際に、両端の2本の昇降コードが残りの昇降コードに先立ってボトムレールを上昇させるように構成されることによって、スラットのずれが阻止される。
【0056】
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態は、第1実施形態に類似しており、昇降テープ11の巻取速度に差を設ける方法の具体例を開示する。
【0057】
(具体例1)
具体例1では、
図18に示すように、ヘッドボックス3内に3つの巻取ドラム29が回転可能に支持されており、これらの巻取ドラム29が駆動軸23の回転に伴って回転するように構成されている。巻取ドラム29は、巻取部29cとこれを挟む一対のフランジ29a,29bを備える。各巻取部29cには昇降テープ11が巻き取られ、両端の昇降テープ11は、転向ローラ33を経由して、スラット7に設けられた挿通孔7aを通じて部屋内側に偏った位置に垂下され、中央の昇降テープ11は、転向ローラ34を経由して、スラット7の部屋外側の縁に沿って一対の横糸5bの間に挿入されて垂下される。
【0058】
3つの巻取ドラム29の巻取部29cの直径は同一であるので、そのままの状態で巻取部29cに昇降テープ11を巻き取らせると昇降テープ11の巻取速度は同一になる。一方、本具体例では、
図18(e)に示すように、スリット35aを有する弾性リングからなるカラー35を両端の巻取ドラム29の巻取部29cに弾性的に係合させて装着することによって昇降テープ11の巻取径を増大させて両端の昇降テープ11の巻取速度が中央の昇降テープ11の巻取速度よりも大きくなるようにしている。
【0059】
また、カラー35を巻取部29cに装着する代わりに、
図18(f)に示すように、テープ36を巻取部29cに貼り付けたり、
図18(g)に示すように、巻取部29cに設けた取付凹部29c1にピン部材37を嵌め込んだりすることによって昇降テープ11の巻取径を増大させてもよい。
【0060】
(具体例2)
具体例2では、
図19に示すように、両端の巻取ドラム29の巻取部29cの直径D1を中央の巻取ドラム29の巻取部29cの直径D2よりも大きくすることによって、昇降テープ11の巻取径を増大させて両端の昇降テープ11の巻取速度が中央の昇降テープ11の巻取速度よりも大きくなるようにしている。
【0061】
(具体例3)
具体例3では、
図20に示すように、両端の昇降テープ11の厚さを中央の昇降テープ11の厚さよりも大きくすることによって、昇降テープ11の巻取径を増大させて両端の昇降テープ11の巻取速度が中央の昇降テープ11の巻取速度よりも大きくなるようにしている。
【0062】
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態は、第2実施形態に類似しており、昇降テープ11の代わりに、紐状の昇降コード38を用いてスラット7及びボトムレール9の昇降を行う点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0063】
図21に示すように、ヘッドボックス3内に3つの巻取コーン39が回転可能に支持されている。駆動軸23の回転は、両端の巻取コーン39には直接伝達され、中央の巻取コーン39には平ギア機構53を介して伝達されるように構成されている。各巻取コーン39には昇降ストリング38が螺旋状に巻き取られ、両端の昇降ストリング38は、スラット7に設けられた挿通孔7dを通じて部屋内側に偏った位置に垂下され、中央の昇降ストリング38は、転向ローラ34を経由して、スラット7の部屋外側の縁に沿って垂下される。
【0064】
平ギア機構53は、平ギア40〜43を備える。ギア40と41は、歯数が同じであり、ギア42はギア43よりも歯数が少ない。ギア40と41が互いに噛み合い、ギア42と43が互いに噛み合う。ギア41と42が一体回転する。ギア40は、駆動軸23と一体回転し、ギア43は、巻取コーン39と一体回転する。このような構成によれば、駆動軸23の回転がギア40,41,42,43の順に伝達されて減速された回転速度で巻取コーン39が回転される。
【0065】
以上の構成により、両端の昇降ストリング38の巻取速度を中央の昇降ストリング38の巻取速度よりも大きくすることができる。
【0066】
4.第4実施形態
本発明の第4実施形態は、第3実施形態に類似しており、平ギア機構53の代わりにクラウンギア機構54を備える点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0067】
図22に示すように、ヘッドボックス3内に3つの巻取コーン39が回転可能に支持されている。駆動軸23の回転は、中央の巻取コーン39には直接伝達され、両端の巻取コーン39にはクラウンギア機構54を介して伝達されるように構成されている。各巻取コーン39には昇降ストリング38が螺旋状に巻き取られ、両端の昇降ストリング38は、スラット7に設けられた挿通孔7dを通じて部屋内側に偏った位置に垂下され、中央の昇降ストリング38は、スラット7の部屋外側の縁に沿って垂下される。
【0068】
クラウンギア機構54は、クラウンギア44と、伝達ギア45と、クラウンギア46を備える。ギア44は、ギア46よりも歯数が多い。ギア44と45が互いに噛み合い、ギア45と46が互いに噛み合う。ギア44は、駆動軸23と一体回転し、ギア46は、巻取コーン39と一体回転する。このような構成によれば、駆動軸23の回転がギア44,45,46の順に伝達されて、反転された回転方向及び加速された回転速度で巻取コーン39が回転される。
【0069】
以上の構成により、両端の昇降ストリング38の巻取速度を中央の昇降ストリング38の巻取速度よりも大きくすることができる。
【0070】
5.第5実施形態
本発明の第5実施形態は、第3実施形態に類似しており、3つの巻取コーン39の回転が個別のモーター47によって電動制御されている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0071】
図23に示すように、ヘッドボックス3内に3つの巻取コーン39が回転可能に支持されている。各巻取コーン39は、駆動軸23を介して別々のモーター47に連結されており、各モーター47の回転に伴って各巻取コーン39が回転するように構成されている。各モーター47は、配線49を介してモーターコントローラ48に接続されており、モーターコントローラ48によって個別に制御される。従って、モーターコントローラ48の制御によって、両端の昇降ストリング38の巻取速度を中央の昇降ストリング38の巻取速度よりも大きくすることができる。なお、両端と中央の昇降コード毎に1個のモーターで駆動させてもよい。
【0072】
6.第6実施形態
本発明の第6実施形態は、第3実施形態に類似しており、平ギア機構53の代わりにバネ式の減速機構55を備える点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0073】
図24に示すように、ヘッドボックス3内に3つの巻取コーン39が回転可能に支持されている。駆動軸23の回転は、両端の巻取コーン39には直接伝達され、中央の巻取コーン39には減速機構55を介して伝達されるように構成されている。各巻取コーン39には昇降ストリング38が螺旋状に巻き取られ、中央の昇降ストリング38は、スラット7に設けられた挿通孔7dを通じて部屋内側に偏った位置に垂下され、両端の昇降ストリング38は、転向ローラ34を経由して、スラット7の部屋外側の縁に沿って垂下される。
【0074】
減速機構55は、
図24(e)に示すように、入力部材50と、出力部材51と、弾性体(例:コイルバネ)52を備える。弾性体52は、入力部材50の係止面50aと、出力部材51の係止面51aの間に保持される。入力部材50は、駆動軸23と一体回転し、出力部材51は、巻取コーン39と一体回転する。
【0075】
ところで、ボトムレール9が下限位置にある場合は、昇降ストリング38にはボトムレール9の重量による荷重のみが加わるが、ボトムレール9の上昇に伴ってスラット7がボトムレール9上に積層されると、昇降ストリング38には、ボトムレール9と積層されたスラット7の合計重量による荷重が加わるようになる。従って、ボトムレール9の上昇に伴って昇降ストリング38に加わる荷重が増大し、昇降ストリング38を巻取コーン39に巻き取るために必要なトルクが増大する。
【0076】
ボトムレール9を上昇させるために、駆動軸23を矢印U方向に回転させると、入力部材50が回転し、入力部材50の回転が弾性体52を介して出力部材51に伝達されて、出力部材51が回転される。弾性体52の縮み量は、出力部材51を回転させるのに必要なトルクの増大に伴って増大し、出力部材51を回転させるのに必要なトルクは、ボトムレール9の上昇に伴って増大する。従って、弾性体52の縮み量は、ボトムレール9の上昇に伴って増大する。このため、入力部材50を360度回転させたときの出力部材51の回転角度は360度よりも小さくなる。このことは、駆動軸23の回転が減速機構55によって減速されて巻取コーン39に伝達されることを意味している。
【0077】
以上の構成により、両端の昇降ストリング38の巻取速度を中央の昇降ストリング38の巻取速度よりも大きくすることができる。
【0078】
7.第7実施形態
本実施形態の基本構成は、本発明の作用の詳細な説明において
図15〜
図16を用いて説明した構成と同様である。本実施形態は、
図25に示すように、ボトムレール9が下限位置にある状態で、中央の昇降テープ11のたるみが両端の昇降テープ11のたるみよりも大きい(好ましくは、両端の昇降テープ11にたるみがない)点が特徴である。両端の昇降テープ11の巻取速度は、中央の昇降テープ11よりも大きくても小さくてもよく、中央の昇降テープ11と同じであってもよい。
【0079】
図26に示すように、駆動軸23をボトムレール9の上昇方向に回転させると巻取部29cへの昇降テープ11の巻取りが開始される。両端の昇降テープ11にはたるみがないので、両端の昇降テープ11が巻取部29cに巻き取られると、即座に、この昇降テープ11に支持されている部位においてボトムレール9が上昇を開始する。具体的には、ボトムレール9の両端の部屋内側が上昇される。一方、中央の昇降テープにはたるみがあるので、中央の昇降テープ11が巻取部29cに巻き取られると、最初はたるみ部分が巻き取られるので、その間はボトムレール9が上昇しない。その結果、中央の昇降テープ11に支持されている部位においてはボトムレール9が遅れて上昇を開始する。具体的には、ボトムレール9の中央の部屋外側が遅れて上昇される。その結果、
図16に示すように、ボトムレール9の上昇中には、ボトムレール9の中央においてボトムレール9の部屋外側が低くなるようにボトムレール9が傾斜する。このため、ボトムレール9上に積層されたスラット7が下方に(部屋外側に)ずれようとするが、この位置には張力の掛かった昇降テープ11が配置されているので、スラット7がこの昇降テープ11に当接してスラット7のずれが阻止される。なお、両端の昇降テープ11にたるみがあり、かつ中央の昇降テープ11のたるみが両端の昇降テープ11のたるみよりも大きい場合にも同様の作用によってスラット7のずれが阻止される。
【0080】
ところで、本実施形態では、両端の昇降テープ11と中央の昇降テープ11を同一径の巻取部29cに巻き取っているが、中央の昇降テープ11にはたるみ部分があり、このたるみ部分を巻き取っている間は中央の昇降テープ11に張力が掛かっていない。一方、両端の昇降テープ11にはたるみ部分がないので、両端の昇降テープ11は、常に張力が加わった状態で巻取部29cに巻き取られる。このため、中央の昇降テープ11は、両端の昇降テープ11よりも緩く(小さな巻き締り力で)巻き取られることになり、その結果、中央の昇降テープ11の巻取径が両端の昇降テープ11よりも大きくなり、中央の昇降テープ11の巻取速度が両端の昇降テープ11よりも大きくなる。横型ブラインドの全高が小さい場合はこの点は問題にならないが、全高が大きい場合には、
図27に示すように、ボトムレール9の中央の部屋内側が低くなるようにボトムレール9が徐々に傾斜し、ついには、ボトムレール9上に積層されたスラット7が下方に(部屋内側に)ずれてしまう。この位置には、スラット7のずれを阻止する昇降テープ11が存在していないので、スラット7の位置ずれが阻止されず、スラット7がボトムレール9からこぼれてしまう恐れがある。第8〜第9実施形態は、このような課題を解決する。
【0081】
8.第8実施形態
本発明の第8実施形態は、第7実施形態に類似しており、
図28に示すように、ボトムレール9が下限位置にある状態で、ボトムレール9の部屋外側が低くなるようにボトムレール9が傾斜している点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0082】
本実施形態では、中央の昇降テープ11にたるみ部分が設けられている点は、第7実施形態と同様であるが、本実施形態では、ボトムレール9が下限位置にある状態で、ボトムレール9の部屋外側が低くなるようにボトムレール9が傾斜している。ボトムレール9の中央の昇降テープ11に隣接したラダーコード5の部屋外側の縦糸5aの長さを部屋内側の縦糸5aの長さよりも長くすることによって、このような傾斜を実現することができる。
【0083】
本実施形態では、ボトムレール9が予め傾斜しているので、
図29に示すように、ボトムレール9の上昇に伴って、中央の昇降テープ11の巻取速度が両端の昇降テープ11よりも大きくなって、ボトムレール9の中央の部屋外側が持ち上がるようにボトムレール9が回動しても、ボトムレール9上に積層されたスラット7がこぼれてしまうほどにはボトムレール9の中央の部屋内側が低くならない。言い換えると、ボトムレール9が上限位置に達する前に、ボトムレール9からスラット7がこぼれてしまうほどボトムレール9の中央の部屋内側が低くならないように、ボトムレール9が下限位置にある状態でのボトムレール9の傾斜角度を適宜調整することによって、スラット7のこぼれを阻止することができる。
【0084】
9.第9実施形態
本発明の第9実施形態は、第7実施形態に類似しており、第8実施形態とは別の観点で第7実施形態において説明した課題を解決するものである。
【0085】
具体的には、本実施形態では、ボトムレール9が下限位置にある状態での中央の昇降テープ11の巻取径が両端の昇降テープ11よりも小さくなるようにする。つまり、第7実施形態で説明した原理によって、中央の昇降テープ11の巻取径が両端の昇降テープ11よりも大きくなるので、本実施形態では、予め中央の昇降テープ11の巻取径を両端の昇降テープ11よりも小さくすることによって、ボトムレール9が上限位置に達する前に、ボトムレール9からスラット7がこぼれてしまうほどボトムレール9の中央の部屋内側が低くならないようにする。
【0086】
巻取径に差を設ける方法としては、第1〜第2実施形態で述べた方法が採用でき、一例では、
図30に示すように、中央の昇降テープ11の折り返し部11bの長さを両端の昇降テープ11よりも短くする方法が挙げられる。
【0087】
なお、第8〜第9実施形態の方法を組み合わせることによって、より確実にスラット7のこぼれを防ぐことができる。
【0088】
10.第10実施形態
本実施形態では、第8実施形態に類似しており、
図31に示すように、中央の昇降テープ11にたるみ部分がない点が主な相違点である。
【0089】
本実施形態では、ボトムレール9が下限位置にある状態で、中央の昇降テープ11が両端の昇降テープ11よりも長くなるように、これらの昇降テープ11の巻き戻し長を設定することによって、ボトムレール9が下限位置にある状態でボトムレール9の中央の部屋外側が低くなるようにボトムレール9を傾斜させることを可能にしている。本実施形態によれば、ボトムレール9の中央が予め部屋外側が低くなるように傾斜しているので、ボトムレール9の中央においてスラット7が部屋内側にこぼれることを阻止することができる。
【0090】
本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・中央の昇降コードはブラインド幅方向に離間して吊り下げ支持された複数本としてもよい。