特許第6692192号(P6692192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6692192
(24)【登録日】2020年4月16日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】車両用シフト装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 7/00 20060101AFI20200427BHJP
   B60K 20/02 20060101ALI20200427BHJP
   G05G 1/10 20060101ALI20200427BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
   G05G7/00 D
   B60K20/02 A
   G05G1/10 B
   G05G25/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-54674(P2016-54674)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-168002(P2017-168002A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237307
【氏名又は名称】富士機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】安田 泰三
【審査官】 増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−153315(JP,A)
【文献】 実開昭55−76933(JP,U)
【文献】 実開昭52−100959(JP,U)
【文献】 実公昭56−20821(JP,Y2)
【文献】 特開平3−229064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 7/00
B60K 20/02
G05G 1/10
G05G 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに回転可能に支持されたダイヤル式の操作ノブの回転に基づくシフト操作によりシフトポジションの選択・切り替えを行うとともに、
前記ケース内に設けられた被検出部と検出部とが前記操作ノブのシフト操作に連動して接近離間動作することで、前記選択・切り替えが行われたシフトポジションを電気的に検出するようにした車両用シフト装置であって、
前記操作ノブが回転方向での常用シフト領域を超えた逸脱位置まで回転操作された時に、前記操作ノブを前記逸脱位置に位置規制して、前記常用シフト領域への前記操作ノブの復帰を阻止する逸脱時位置規制機構を設けてあり
前記ケースと前記操作ノブとが当該操作ノブの回転中心と直交する面をもって対向配置されていて、
前記操作ノブ側の面には、弾性体にて前記ケース側に向かって付勢されたチェックボールが設けられている一方、
前記ケース側の面には、前記常用シフト領域でのシフト操作時に前記チェックボールが転動し且つ前記操作ノブの中立位置を最深部とするV溝状のチェック溝が形成されているとともに、当該チェック溝を超えた位置に、前記操作ノブが前記逸脱位置まで回転操作された時に前記チェックボールが係合する位置規制凹部が形成されていて、
前記チェックボールと前記位置規制凹部とにより前記逸脱時位置規制機構が形成されていることを特徴とする車両用シフト装置。
【請求項2】
請求項に記載の車両用シフト装置において、
前記操作ノブには当該操作ノブの回転中心と直交する方向に出没可能なノブボタンが設けられているとともに、当該ノブボタンを押圧操作することで初めて前記常用シフト領域の末端のシフトポジションへのシフト操作が可能となっていて、
前記ノブボタンには長穴状のボタン側ガイド穴が形成されているとともに、前記ケースのうち前記操作ノブと対向する面には前記ボタン側ガイド穴に臨む突起部が形成されていて、
前記常用シフト領域でのシフト操作時には、前記ボタン側ガイド穴の内面と前記突起部との当接によって操作ノブの回転移動量が常用シフト領域内に規制されるようになっている一方、前記操作ノブへの過大回転力負荷時には、前記突起部が破損して前記操作ノブの前記逸脱位置への回転移動を許容するようになっていることを特徴とする車両用シフト装置。
【請求項3】
請求項に記載の車両用シフト装置において、
前記チェックボールと前記V溝状のチェック溝とにより、前記常用シフト領域でのシフト操作時に前記操作ノブに節度感を付与する節度機構が形成されていることを特徴とする車両用シフト装置。
【請求項4】
請求項に記載の車両用シフト装置において、
前記V溝状のチェック溝を超えた延長線上にストッパー部が突出形成されていて、
前記チェック溝とストッパー部との間に前記位置規制凹部が形成されていることを特徴とする車両用シフト装置。
【請求項5】
請求項に記載の車両用シフト装置において、
前記ケースのうち前記操作ノブと対向する面にはチェック山部が突出形成されていて、このチェック山部の頂部面がV溝状のチェック溝となっていることを特徴とする車両用シフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される自動変速機のシフト装置に関し、特にいわゆるシフト・バイ・ワイヤ方式と称されるタイプのシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシフト・バイ・ワイヤ方式の車両用シフト装置として、シフト操作部材を回転ノブ(ダイヤル)タイプとしたものが特許文献1にて提案されている。この特許文献1に記載されたシフト装置では、回転操作することでシフトポジションを切り替える回転ノブがケースに回転可能に支持されているとともに、ケース内には操作ノブに接続されて当該操作ノブと一体回転可能なノブガイドが収容されていて、回転ノブとノブガイドとを接続している接続部に実質的に脆弱部として機能する縮径部等の応力集中部が形成されている。また、回転ノブの操作を検出する検出素子がケース内に設けられ、この検出素子で検出される被検出部としての磁石がノブガイドに設けられているものである。
【0003】
そして、回転ノブに偶発的な負荷として過大な力が加えられると、回転ノブとノブガイドとを接続している接続部が応力集中部から破損することになるので、ノブガイド側に設けられている被検出部は破損の影響を受けず、被検出部が検出部に接触することもないので、回転ノブに過大な力が加えられた際の検出部への影響を回避できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−53001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたシフト装置では、回転ノブとノブガイドとを接続している接続部が破損すると、回転ノブがケースから外れてしまい、接続部の破断面が直接外部に露出することになるので、見栄えが悪くなって好ましくない。
【0006】
また、シフト装置の仕様によっては、例えば回転ノブが偶発的または予期し得ない過大負荷によって常用シフト操作領域を超えてオーバーストロークした場合に、以降の不測のトラブルを回避するべく、直ちに回転ノブをそのオーバーストローク位置に保持させて、回転ノブのシフトポジションと検出部で検出されたシフトポジションとが不一致となる前に、検出部からの出力機能を停止させたいとの要請があるが、引用文献1に記載されたシフト装置ではかかる要請に応えることができない。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、操作ノブが偶発的または予期し得ない過大負荷によって常用シフト操作領域を超えてオーバーストロークした場合にも、見栄えの悪化をもたらすことなく、上記要請に応えることができるようにした車両用シフト装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明、特に請求項1に記載の発明は、ケースに回転可能に支持されたダイヤル式の操作ノブの回転に基づくシフト操作によりシフトポジションの選択・切り替えを行うとともに、前記ケース内に設けられた被検出部と検出部とが前記操作ノブのシフト操作に連動して接近離間動作することで、前記選択・切り替えが行われたシフトポジションを電気的に検出するようにした車両用シフト装置であって、前記操作ノブが回転方向での常用シフト領域を超えた逸脱位置まで回転操作された時に、前記操作ノブを前記逸脱位置に位置規制して、前記常用シフト領域への前記操作ノブの復帰を阻止する逸脱時位置規制機構を設けてあることを特徴とする。
【0009】
より具体的には、前記ケースと前記操作ノブとが当該操作ノブの回転中心と直交する面をもって対向配置されていて、前記操作ノブ側の面には、弾性体にて前記ケース側に向かって付勢されたチェックボールが設けられている一方、前記ケース側の面には、前記常用シフト領域でのシフト操作時に前記チェックボールが転動し且つ前記操作ノブの中立位置を最深部とするV溝状のチェック溝が形成されているとともに、当該チェック溝を超えた位置に、前記操作ノブが前記逸脱位置まで回転操作された時に前記チェックボールが係合する位置規制凹部が形成されていて、前記チェックボールと前記位置規制凹部とにより前記逸脱時位置規制機構が形成されているものとする。
【0010】
また、シフト装置の仕様によっては、請求項に記載のように、前記操作ノブには当該操作ノブの回転中心と直交する方向に出没可能なノブボタンが設けられているとともに、当該ノブボタンを押圧操作することで初めて前記常用シフト領域の末端のシフトポジションへのシフト操作が可能となっているものとする。
【0011】
この場合において、前記ノブボタンには長穴状のボタン側ガイド穴が形成されているとともに、前記ケースのうち前記操作ノブと対向する面には前記ボタン側ガイド穴に臨む突起部が形成されていて、前記常用シフト領域でのシフト操作時には、前記ボタン側ガイド穴の内面と前記突起部との当接によって操作ノブの回転移動量が常用シフト領域内に規制されるようになっている一方、前記操作ノブへの過大回転力負荷時には、前記突起部が破損して前記操作ノブの前記逸脱位置への回転移動を許容するようになっていることが望ましい。
【0012】
さらに、請求項に記載のように、前記チェックボールと前記V溝状のチェック溝とにより、前記常用シフト領域でのシフト操作時に前記操作ノブに節度感を付与する節度機構が形成されていることが望ましい。
【0013】
より具体的には、請求項に記載のように、前記V溝状のチェック溝を超えた延長線上にストッパー部が突出形成されていて、前記チェック溝とストッパー部との間に前記位置規制凹部が形成されているものとする。
【0014】
同様に、請求項に記載のように、前記ケースのうち前記操作ノブと対向する面にはチェック山部が突出形成されていて、このチェック山部の頂部面がV溝状のチェック溝となっているものとする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、操作ノブが偶発的または予期し得ない過大負荷によって常用シフト領域を逸脱していわゆるオーバーストロークした場合に、逸脱時位置規制機構のはたらきによって、直ちに操作ノブが逸脱位置に位置規制されて、常用シフト領域への操作ノブの復帰が阻止されることになるので、回転ノブのシフトポジションと検出部で検出されたシフトポジションとが不一致となる前に、検出部からの出力機能を停止させることができるほか、操作ノブが外れるようなこともなければ、見栄えの悪化をもたらすこともない。
【0016】
また、操作ノブのいわゆるオーバーストローク時に、逸脱時位置規制機構のはたらきによって、操作ノブが逸脱位置に位置規制されて、常用シフト領域への操作ノブの復帰が阻止されることによって、運転者にシフト装置が異常状態にあることを認識させることができるとともに、操作ノブが一旦逸脱位置に位置規制されしまえば、操作ノブを常用シフト領域に戻すことができないため、これによってもまた、より確実にシフト装置が異常状態にあることを運転者に認識させることができる。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、操作ノブにノブボタンが付設されていて、このノブボタンのボタン側ガイド穴にケース側の突起部が臨んでいて、操作ノブへの過大回転力負荷時には、突起部が破損して操作ノブの逸脱位置への回転移動を許容するようになっているので、突起部が破損をもって、より速やかにシフト装置が異常状態にあることを運転者に認識させることができる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、少なくともチェックボールは、逸脱時位置規制機構のほか、常用シフト領域でのシフト操作時に操作ノブに節度感を付与する節度機構に共通し使用されていて、実質的にチェックボールは逸脱時位置規制機構と節度機構とに共用化されているので、それぞれの機構を独立して設ける場合と比べて部品点数及び占有スペースを少なくして、シフト装置の小型化にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るシフト装置の第1の実施の形態を示す図で、(A)はシフト装置全体の斜視図、同図(B)は同図(A)のシフト装置の操作ノブによるシフトポジションパターンを展開した説明図。
図2図1の(A)に示したシフト装置のケースのうちケース本体とサイドケースおよび操作ノブとの相対位置関係を示す分解斜視図。
図3図1の(A)に示したシフト装置のケースのうちケース本体およびサイドケースと組み合わされるアッパーカバーの分解斜視図。
図4】(A)は図1の(A)に示したソフト装置の正面説明図、(B)は同じく図1の(A)に示したソフト装置の右側面説明図。
図5】(A)は図4の(A)のA−A線に沿った断面説明図、(B)は図4の(B)のB−B線に沿った断面説明図。
図6図4の(A)のC−C線に沿った断面説明図。
図7】(A)は操作ノブがドライブポジションにシフト操作された時の図5の(A)と同等部位の断面説明図、(B)は同じくの図5の(B)と同等部位の断面説明図。
図8】(A)は操作ノブがオーバーストロークした時の図5の(A)と同等部位の断面説明図、(B)は同じくの図5の(B)と同等部位の断面説明図。
図9】(A)は図2に示したケース本体単体でのチェックボールとの関係を示す正面説明図、(B)は同図(A)の右側面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜9は本発明に係る車両用シフト装置を実施するためのより具体的な形態を示す図であり、特に図1の(A)はシフト装置全体の斜視図を示し、同図(B)は同図(A)のシフト装置の操作ノブによるシフトポジションパターンの説明図を示している。
【0021】
図1に示すように、シフト装置は、概略的には、相手側への取付面となる取付座部2aを底面側に有する略直方体形状のケース1と、ケース1の四周外側面のうち一つの面に回転中心を横向きにして設けられたダイヤル式の操作ノブ5と、から構成されている。また、ケース1は、先に述べた座部2aを有するケース本体2とサイドケース3およびアッパーカバー4の三者から構成されている。このシフト装置は、例えばステアリングホイールを支持しているステアリングコラムの一部またはインストルメントパルのうちステアリングホイールに可及的に近い位置等に設けられる。
【0022】
ケース1のうちアッパーカバー4の上面にはパーキングインジケータを兼ねた照光押釦(押しボタン)式のパーキングスイッチ6と照光式のシフトポジションインジケータ7が設けられている。また、操作ノブ5は円筒状をなしていて、その円周方向での矢印a1で示す正転方向と同じく矢印a2で示す逆転方向にそれぞれ回転可能にケース1に対して支持されている。そして、操作ノブ5の正転方向a1または逆転方向a2への回転操作によりシフトポジションの選択・切り替えが行われるようになっている。
【0023】
さらに、操作ノブ5の外周面のうち真上位置には、当該操作ノブ5のための後述するロック機構のロック解除ボタンとして機能する押し込み式のノブボタン8を設けてある。このノブボタン8は、操作ノブ5の軸心方向(回転中心方向)と直交する方向(操作ノブ5の径方向)に出没可能であって、操作ノブ5の軸心方向に延びる偏平ブロック状のものとして形成されている。そして、隣接するシフトポジションインジケータ7のニュートラルポジションを示す「N」の表示と、リバースポジションを示す「R」の表示、およびドライブポジションを示す「D」の表示との関係において、常時はニュートラルポジション「N」の表示位置を指示する位置に保持されている。
【0024】
図1の(B)は操作ノブ5の回転に基づくシフト操作により選択・切り替えが行われるシフトポジションのパターンの一例を平面的に展開した説明図である。本実施の形態では、同図(A)に示したシフトポジションインジケータ7での「N」、「R」、「D」のそれぞれの表示とは別に、操作ノブ5のシフトポジションとして、同図(B)に示すように、操作ノブ5の回転方向での中立位置であるホームポジションHと、ホームポジションHから操作ノブ5を正転方向a1に回転操作したときに選択される走行ポジションとしてのリバースポジションRと、ホームポジションHから操作ノブ5を逆転方向a2に回転操作したときに選択される同じく走行ポジションとしてのドライブポジションDのほか、ホームポジションHとリバースポジションRとの間の位置にリバース側ニュートラルポジションNrが、ホームポジションHとドライブポジションDとの間の位置にドライブ側ニュートラルポジションNdが、それぞれに設定されている。
【0025】
そして、操作ノブ5のホームポジションHがシフトポジションインジケータ7の「N」の表示位置に一致していて、同様に操作ノブ5のリバースポジションRがシフトポジションインジケータ7の「R」の表示位置に、操作ノブ5のドライブポジションDがシフトポジションインジケータ7の「D」の表示位置に、それぞれ一致している。
【0026】
また、操作ノブ5のホームポジションHからリバースポジションR側およびドライブポジションD側へのそれぞれの回転角は最大でも10°程度であり、後述するように、操作ノブ5はそのシフト操作力(回転操作力)を解除した時には、ホームポジションH以外のいずれのポジションからもホームポジションHに直ちに復帰するように構成されている。言い換えるならば、操作ノブ5は、ホームポジションH以外のR、D、Nr、Ndの各シフトポジションではその位置に自己保持する機能を有していない。
【0027】
図2はケース1のうちケース本体2とサイドケース3、回路基板28および操作ノブ5との相対位置関係を示す分解斜視図を示していて、図3はケース本体2およびサイドケース3と組み合わされるアッパーカバー4(回路基板28を含む)の分解斜視図を示している。また、図4の(A),(B)は、図1に示したシフト装置においてサイドケース3およびアッパーカバー4を取り外した平面図および右側面図をそれぞれ示している。さらに、図5の(A),(B)は、図4の(A)のA−A線及び同図(B)のB−B線に沿ったそれぞれの断面説明図を、図6図4の(A)のC−C線に沿った断面説明図をそれぞれ示している。
【0028】
図2に示すように、ケース本体2とサイドケース3は互いに突き合わされることで図1のようなボックス形状をなし、ケース本体2とサイドケース3との間には異形円筒状の回転レバー9とカラー10とが収容収容される。より詳しくは、ケース1の外側面の一部をなすケース本体2の側壁2bには軸穴2cが形成されており、この軸穴2cに対して操作ノブ5の一端面に突出形成された回転軸部5aが挿入支持される。また、ケース本体2のうち側壁2bよりもサイドケース3側の空間には回転レバー9がカラー10と突き合わされるかたちで直列に配置され、カラー10のうち操作ノブ5側の端面が軸穴2cのうち操作ノブ5と反対側の開口縁部に突き合わされて係合することになる。そして、軸穴2cに挿入された操作ノブ5の回転軸部5aの端部はカラー10を貫通して回転レバー9側まで及び、回転レバー9に対して2本の止めねじ11を締め込むことにより回転レバー9とカラー10とが共締め固定される。これにより、回転レバー9は操作ノブ5とともにケース本体2に回転可能に支持される。回転レバー9の外周面には保持突起部9aが形成されており、この保持突起部9aの内部に被検出部としてのバー状のマグネット(永久磁石)12がスペーサ13と共に挿入支持される。
【0029】
図2に示す操作ノブ5はその他端面が開放されているとともに、外周面の一部に一端が開放されたスロット部5bが形成されている。このスロット部5bから突出するように操作ノブ5の開放部側からノブボタン8の幅広の基部8aをリターンスプリング(圧縮コイルスプリング)14とともに挿入した上で、操作ノブ5の他端面にノブカバー5cが嵌合される。これにより、ノブボタン8は操作ノブ5の径方向(操作ノブ5の軸心と直交する方向)に出没可能であり、ノブボタン8は操作ノブ5の径方向から突出する方向にリターンスプリング14にて常時付勢されていることから、その付勢力に対向するかたちで所定ストロークのもとで操作ノブ5に対するノブボタン8の押し込み操作が可能となっている。
【0030】
ケース本体2の側壁2bには、軸穴2cをはさんでその上下二箇所に操作ノブ5側に向かって突出する一対の突起部15,16が形成されていると共に、各突起部15,16をはさんでその両側にはそれぞれにストッパー部17,18が突出形成されている。なお、このストッパー部17,18の突出量は突起部15,16の突出量に比べて著しく小さいものとなっている。他方、図2のほか図5の(A)に示すように、回転軸部5aが突出形成されている操作ノブ5の一端面には一対の突起部15,16が個別に且つ遊嵌的に挿入される円弧状のガイド穴19,20が形成されている。各ガイド穴19,20の円周方向長さは各突起部15,16のそれよりも所定量だけ操作ノブ5の回転方向に長い長穴状のものとして形成されており、これによりケース本体2に対する操作ノブ5の回転変位量(回転ストローク)がガイド穴19,20の長さの範囲内に規制されている。これらの一対の突起部15,16とガイド穴19,20とで規制される範囲が、後述する操作ノブ5の常用シフト領域となっている。
【0031】
ここで、後述するように、一対の突起部15,16は、偶発的または予期し得ない過大負荷により操作ノブ5の回転方向で所定値以上の力が加わった場合に、根元部から破壊または破損するように、当該突起部15,16を例えば中空状のものとして形成することにより所定の脆弱性を具備させてある。
【0032】
また、図2に示すケース本体2の側壁2bには、軸穴2cをはさんで左右対称位置となる二箇所に各上下一対のチェック山部21a,21bが上下対称となるように円弧状に形成されていて、図2,5のほか後述する図9に示すように、これらの上下一対のチェック山部21a,21bの傾斜面によりV溝状のチェック溝22が形成されている。さらに、上下一対のチェック山部21a,21の頂部を超えた位置であって且つチェック溝22と反対側には段部23aと共に下り勾配の滑らかな傾斜面23bが形成されていて、さらにその傾斜面23bの延長線上の先に前述したストッパー部17または18が形成されている。これにより、傾斜面23bからストッパー部17または18までの空間が後述する逸脱時位置規制機の位置規制凹部24となっている。
【0033】
他方、図2に示すように、操作ノブ5のうち回転軸部5aが突出形成された一端面であってケース本体2側のV溝状のチェック溝22と対向する位置には、スプリング(圧縮コイルスプリング)25にて付勢された左右一対のチェックボール(鋼球)26が配設されている。より詳しくは、図2のほか図5に示すように、操作ノブ5の一端面には左右一対のスプリング受容孔27が形成されており、このスプリング受容孔27にはチェックボール26と共に当該チェックボール26を付勢するスプリング25が個別に収容されている。これにより、ケース本体2に対する操作ノブ5の組付状態では、チェックボール26がケース本体2側のチェック溝22の傾斜面に着座して、操作ノブ5の回転操作時にチェック溝22の傾斜面とチェックボール26とが相対移動することで、操作ノブ5に所定の抵抗を付与するようになっている。
【0034】
そして、図2,5から明らかなように、チェック溝22の傾斜面の高さ位置に応じて、それに着座しているチェックボール26に及ぼすスプリング25の押圧力が変化することから、操作ノブ5の中立位置であるホームポジションHから正転方向及び逆転方向のいずれの方向に回転操作した場合にも、回転変位に対する抵抗力が徐々に増加することになる。これにより、チェック溝22の傾斜面とそれに着座するチェックボール26およびスプリング25の三者は、操作ノブ5の回転変位に応じた節度感を付与するための節度機構を形成していることになる。
【0035】
また、上記節度機構では、図5に示すように、操作ノブ5が中立位置であるホームポジションHにある時にはチェックボール26がチェック溝22の傾斜面の最深部に位置するように設定してあることから、操作ノブ5に回転操作力を加えない場合には、操作ノブ5はホームポジションHに自己保持される。同時に、操作ノブ5をホームポジションHから正転方向及び逆転方向のいずれの方向に回転操作した場合でも、その回転操作力を解除したならば、操作ノブ5が直ちにホームポジションHに復帰するような復帰力が節度機構によって常に付与されていることになる。
【0036】
図9の(A)はケース本体2単体でのチェックボール26との相対位置関係を示す正面説明図であり、同図(B)は同図(A)の右側面説明図を示している。ただし、チェックボール26の位置は、操作ノブ5がホームポジションHではなくドライブポジションDにシフト操作された時の位置を示していて、同時に、同図(A)では、同図(B)の右側のチェック山部21bと左側のチェック山部21bとを合成して描いてある。
【0037】
図9の(A),(B)に示すように、操作ノブ5がホームポジションHからドライブポジションDにシフト操作されたと仮定した場合、チェックボール26がチェック山部21a,21b同士の間に形成されたV溝状のチェック溝22の最大高さ位置(頂部)を乗り越える手前で停止するように操作ノブ5の回転ストローク(シフトストローク)を予め設定されている。このことは、ドライブポジションDとは反対側のリバースポジションRに操作ノブ5をシフト操作した場合も同様である。
【0038】
この場合において、万が一、操作ノブ5がオーバーストロークした場合、すなわち、図5の(A),(B)においてチェックボール26がチェック溝22の傾斜面の最大高さ位置(頂部)を乗り越えて、その先の傾斜面23b側まで移動した場合を想定して、傾斜面23bとストッパー部17または18との間にチェックボール26を位置決め保持して元の位置への復帰を不能にし、よって以降の操作ノブ5の復帰操作(回転操作)を阻止するべく、上記傾斜面23bとストッパー部17または18との間にチェックボール26を受容するための位置規制凹部24を形成してある。これにより、上記位置規制凹部24とチェックボール26とで、操作ノブ5が常用シフト領域を逸脱してオーバーストロークした場合のための逸脱時位置規制機構が形成されている。同時に、一対のチェックボール26は先に述べた節度機構と逸脱時位置規制機構とに共通して使用(共用化)されている。なお、上記常用シフト領域とは、図1の(B)のシフトポジションパターンにおいて、ホームポジションHの両側のドライブポジションDからリバースポジションRまでの範囲を言う。
【0039】
図1に示したケース1の上部のアッパーカバー4には、図3に示すように、回路基板28と、シールラバー29と、インジケータブロック30と、ボタンベース31と、ポジション表示プレート32と、ボタンプレート33とがそれぞれに組み込まれている。
【0040】
回路基板28には、その裏面に、シフト装置として必要な半導体素子のほか、マグネット12(図2参照)と組み合わされて検出部として使用される図6のホール素子等の複数の検出素子34(以下、複数の検出素子を総称して「検出素子群34」と言う。)が実装されているとともに、外部機器への信号出力のための例えば雌側のコネクタ35が装着されている。また、回路基板28の上面には、光源として機能する複数のLED36(以下、複数のLEDを総称して「LED群36」と言う。)のほか、先に述べた照光押釦式のパーキングスイッチ6(図1参照)の接点部や光源を内蔵するボタン部37が実装されている。なお、検出素子群34では個々に独立した検出素子が例えばマトリックス状に配置されている。そして、操作ノブ5がいずれかのシフトポジションにシフト操作された時に、検出部としての検出素子群34のうち特定の一つまたは複数の素子に被検出部としてのマグネット12が近接することで、操作ノブ5によって選択・切り替えされたシフトポジションが電気的に検出されることになる。
【0041】
図3のシールラバー29は下側の回路基板28に防塵性および防水性等を付与する機能を有し、インジケータブロック30は回路基板28側のLED群36の照射領域を複数領域に区画する機能を有する。また、ボタンベース31は回路基板28側のボタン部37を受容して照光押釦式のパーキングスイッチ6(図1参照)のベース部として機能する。さらに、ポジション表示プレート32は、LED群36を光源として、先に述べたリバースポジションである「R」の文字と、ニュートラルポジションである「N」の文字、およびドライブポジションである「D」の文字のうちいずれかを選択的に照光表示する機能を有し、ボタンプレート33はパーキングポジションである「P」の文字を照光表示する機能とともに、パーキングスイッチ6(図1参照)の操作部としての機能を有する。なお、上記表示プレート32の各文字は、該当するシフトポジションに選択・切り替えされた時に点灯するものであることは言うまでもない。
【0042】
そして、回路基板28の上にシールラバー29とインジケータブロック30およびボタンベース31をそれぞれ重ね合わせてビス38にて締結固定し、さらにインジケータブロック30の上にポジション表示プレート32を、ボタンベース31の上にボタンプレート33をそれぞれ重ね合わせた上で、それらの中間組立体を図3のケース本体2の上に位置決め載置し、最後にアッパーカバー4を被せてケース本体2に嵌合させることで、図1に示すようにアッパーカバー4がケース本体2やサイドケース3と組み合わされてシフト装置のケース1として組み立てられることになる。
【0043】
このような構成により、図5に示すように、回路基板28の裏面の検出素子群34と、回転レバー9に装着されたマグネット12(図3,5参照)とが互いに近接・対峙するかたちとなる。また、回路基板28の表面のLED群36とインジケータブロック30およびポジション表示プレート32は、先に述べた図1のポジションインジケータ7を構成し、回路基板28の上面のボタン部37とボタンベース31およびボタンプレート33は同様に図1の照光押釦式のパーキングスイッチ6を構成することになる。さらに、回路基板28側の雌側コネクタ35は図2に示したサイドケース3の角穴部3aに嵌合保持されて、サイドケース3の下側開口部から挿入される図示外の雄側のコネクタと嵌合接続されることになる。
【0044】
したがって、このように構成されたシフト装置では、図1の(B)に示すホームポジションHにノブボタン8を有する操作ノブ5が自己保持されているので、操作ノブ5をいずれかの方向に回してシフト操作を行うことになる。
【0045】
なお、操作ノブ5がホームポジションHにある状態を図5に示していて、この状態では、節度機構を形成しているチェック溝22の傾斜面の最深部にチェックボール26が位置していることで、これによって操作ノブ5が中立位置であるホームポジションHに保持されている。
【0046】
例えば、ホームポジションHから操作ノブ5を図5の(A)のa1方向に回してシフト操作することにより、図1の(B)に示すリバース側ニュートラルポジションNrを経由して、リバースポジションRにシフト操作することが可能である。
【0047】
この場合において、本実施の形態では、運転者の意図しない操作または不用意な操作によってホームポジションHからリバースポジションRへシフト操作してしまうことがないように、リバース側ニュートラルポジションNrにて操作ノブ5のロック機能が発揮されるようになっている。
【0048】
図5の(A)に示すように、ケース本体2側の一対の突起部15,16(図2参照)が挿入されて臨んでいる操作ノブ5側の長穴状の上側のガイド穴19は、上側の穴部と下側の穴部とをオフセットさせた二段の段違い形状のものとして形成されていて、常時はガイド穴19における下側の穴部に突起部15が臨んでいる。そのため、同図に示した操作ノブ5をリバースポジションRにシフト操作するべく、同図の矢印a1方向に回転操作すると、ガイド穴19における下側の穴部の内側端面19aが突起部15に当接して、そのままではそれ以上の回転が不能となり、操作ノブ5がリバース側ニュートラルポジションNrに一旦ロックされる。そこで、操作ノブ5に付帯しているノブボタン8を押し込むことでガイド穴19における上側の穴部に突起部15が臨むことになり、これにより初めて先のロック状態が解除される。そして、ノブボタン8を押し込んだまま操作ノブ5をさらに図5の(A)の矢印a1方向に回転させることでリバースポジションRへのシフト操作が可能となる。
【0049】
また、ホームポジションHから操作ノブ5を図5の(A)のa2方向に回してシフト操作することにより、図1の(B)に示すドライブ側ニュートラルポジションNdを経由して、同図に示すドライブポジションDにシフト操作することが可能である。図7の(A),(B)は、図5と同じ断面において操作ノブ5をドライブポジションDにシフト操作した状態を示していて、このドライブポジションDにシフト操作する際には上記のようなロック機能は発揮されない。
【0050】
この場合において、図7の(B)に示すように、節度機構を形成しているチェック溝22の傾斜面をチェックボール26が上り勾配で転動することにより、ドライブポジションDにシフト操作する際の節度感が得られることになる。また、操作ノブ5のストロークが一対のガイド穴19,20と突起部15,16との当接により規制されることで、チェックボール26がチェック溝22の傾斜面を乗り越えてしまうことがない。このような挙動は、先のリバースポジションRへのシフト操作に際しても同様である。
【0051】
そして、リバースポジションRまたはドライブポジションDにシフト操作されたことに基づく検出素子群34(図6参照)の検出出力は、図示しない自動変速機の制御系に出力される。また、走行ポジションであるリバースポジションRまたはドライブポジションDにシフト操作した後、操作ノブ5の回転操作力を解除すれば直ちに操作ノブ5はホームポジションHに復帰する。
【0052】
さらに、リバースポジションRまたはドライブポジションDからニュートラルポジションNにシフト操作する場合には、ホームポジションHから操作ノブ5をリバース側ニュートラルポジションNrまでシフト操作する。そして、リバース側ニュートラルポジションNrにシフト操作した後、操作ノブ5の回転操作力を解除すれば直ちに操作ノブ5はホームポジションHに復帰する。
【0053】
本実施の形態では、図1の(A)に示す操作ノブ5のホームポジションHを含むリバース側ニュートラルポジションNrからドライブ側ニュートラルポジションNdまでの範囲がニュートラルポジションであるが、ニュートラルポジションNにシフト操作する場合には、リバース側ニュートラルポジションNrにシフト操作する。
【0054】
以上の説明から明らかなように、一対のガイド穴19,20とそれに臨んでいる突起部15,16との当接によって規制される範囲が常用シフト領域であり、操作ノブ5がこの常用シフト領域にあるかぎりは節度機構のチェックボール26がチェック溝22の傾斜面を乗り越えてしまうことはない。
【0055】
ここで、操作ノブ5が偶発的または予期し得ない過大負荷によって常用シフト領域を超えてオーバーストロークした場合に、直ちに操作ノブ5をそのオーバーストローク位置に保持させて、操作ノブ5のシフトポジションと検出素子群34で検出されたシフトポジションとが不一致となる前に、検出素子群34からの出力機能を停止させたいとの要請があることは先に述べた通りであって、本実施の形態ではかかる要請に応えることができるものである。
【0056】
先に説明したように、図7は操作ノブ5がドライブポジションDにシフト操作された状態を示していて、操作ノブ5側の一対のガイド穴19,20に挿入されたケース本体2側の突起部15,16が各ガイド穴19,20の内側端面に当接していることで、操作ノブ5のそれ以上の回転が実質的に規制されている。この状態で、偶発的または予期し得ない過大負荷が操作ノブ5に負荷された場合には、操作ノブ5はいわゆるオーバーストロークして図8の状態となり、この状態は故障状態にほかならない。
【0057】
より詳しくは、図8の(A),(B)は、図5と同じ断面において操作ノブ5が常用シフト領域であるドライブポジションDを超えて(逸脱して)オーバーストロークした状態を示していて、先の図7の状態から過大負荷が操作ノブ5に負荷されると、一対のガイド穴19,20に臨んでいて脆弱性のある突起部15,16が根元部から折損または破損して、操作ノブ5は図8の(A),(B)に示すように常用シフト領域を逸脱してオーバーストロークする。操作ノブ5がオーバーストロークすると、チェックボール26がチェック溝22の傾斜面の最も高い位置を乗り越えて、チェック溝22とは反対側の傾斜面23bとストッパー部17または18との間の逸脱時位置規制機構の位置規制凹部24に移動する。この場合において、上記のように突起部15,16が折損または破損した段階で、その感触から運転者は操作ノブ5の故障を一次的に把握することができる。
【0058】
また、チェックボール26が位置規制凹部24に落ち込んだ後、操作ノブ5を回動操作しようとすると、チェックボール26がストッパー17または18に当接することで操作ノブ5の回動操作を規制する。さらに、チェックボール26が位置規制凹部24に落ち込んだ後に操作ノブ5への負荷がなくなった場合には、チェックボール26が段部23aに当接することで操作ノブ5の回動を規制する。したがって、操作ノブ5がそのオーバーストロークした位置に保持され、操作ノブ5の復帰動作、すなわち常用シフト領域への復帰動作が阻止されることになる。なお、以上のような挙動は、操作ノブ5がリバースポジションR側にオーバーストロークした場合でも同様である。
【0059】
このように本実施の形態によれば、過大負荷を受けて万が一操作ノブ5がオーバーストロークした場合に、操作ノブ5がそのオーバーストロークした位置に保持されるので、操作ノブ5が故障状態にあることを運転者に即座に認識させることができるとともに、先に述べたように、操作ノブ5のシフトポジションと検出素子群34(図6参照)で検出されたシフトポジションとが不一致となる前に、検出素子群34からの出力機能を停止させたいとの要請に十分に応えることができ、さらには外観的な見栄えの悪化を招くこともない。
【0060】
また、少なくともスプリング25にて付勢されたチェックボール26が逸脱時位置規制機構と節度機構とに共用化されているので、それぞれの機構を独立して設ける場合と比べて部品点数及び占有スペースを少なくして、シフト装置の小型化にも寄与することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…ケース
2…ケース本体
5…操作ノブ
8…ノブボタン
9…回転レバー
12…マグネット(被検出部)
15,16…突起部
17,18…ストッパー部
19,20…ガイド穴
21a,21b…チェック山部
22…チェック溝(節度機構)
23b…傾斜面(逸脱時位置規制機構)
24…位置規制凹部(逸脱時位置規制機構)
26…チェックボール(節度機構,逸脱時位置規制機構)
34…検出素子(検出部)
図1
図2
図3
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図9