(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィラメントドライバの各々が、第1のフィードホイールと、第2のフィードホイールと、前記第1のフィードホイールと前記第2のフィードホイールとの間のニップとを備え、
前記固体フィラメントの少なくとも1つが前記ニップ内に配置される、請求項2に記載の3Dプリンタ。
前記材料送達システムがさらに、前記第1のフィードホイールおよび前記第2のフィードホイールのうちの少なくとも一方の回転速度および回転トルクのうちの少なくとも一方を制御するように構成されたコントローラを備える、請求項3に記載の3Dプリンタ。
前記材料送達システムが、ある特定の前記材料チャンバ内の圧力を、前記第1のフィードホイールおよび前記第2のフィードホイールのうちの少なくとも一方の回転トルクを通じて維持するように構成されている、請求項4に記載の3Dプリンタ。
前記作動ピンのそれぞれが前記第1の開放位置にある期間が、吐出される前記材料の体積を決定するように、前記作動ピンのそれぞれが構成されている、請求項6に記載の3Dプリンタ。
前記プリントヘッドが、吐出された前記材料を受容する表面から間隔をあけて配置されていることで、吐出された前記材料が前記オリフィスから前記受容する表面へ移動する際に浮遊するようになっている、請求項1に記載の3Dプリンタ。
前記プリントヘッドが、吐出された前記材料を受容する表面に近接して配置されていることで、吐出された前記材料を前記ピンが前記受容する表面に運ぶようになっている、請求項1に記載の3Dプリンタ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図の一部の詳細は簡略化されており、厳密な構造上の正確性、詳細およびスケールを維持するよりもむしろ本教示の理解を促すために描かれていることに留意すべきである。これらの図面/図は、例示であり、制限でないことが意図される。
【0008】
ここで本開示の種々の実施形態を詳細に参照し、これらの例を添付の図面および図に示す。実施形態は、本明細書に開示される組成物、プロセスおよび装置をより完全に理解するために、以下で説明される。与えられるいずれかの例は、例示であり、制限でないことが意図される。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細がなくとも実施可能であることは当業者にとって明らかである。その他の場合に、周知の方法、手順、構成成分、回路およびネットワークは、実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように、詳細には記載されていない。
【0009】
本明細書および特許請求の範囲全体を通して、以下の用語は、文脈上別段の明確な指示がない限り、本明細書において明示的に関連する意味をもつ。本明細書で使用される場合、「一部の実施形態において」および「実施形態において」という句は、それらが同じであってもよいが、同じ実施形態を指す必要はない。さらに、本明細書で使用される場合、「別の実施形態において」および「一部の他の実施形態において」という句は、それらが異なっていてもよいが、異なる実施形態を指す必要はない。以下に記載されるように、種々の実施形態は、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、容易に組み合わせられ得る。
【0010】
本明細書で使用される場合、用語「または」は包括的な機能語であり、文脈上別段の明確な指示がない限り、用語「および/または」と等価である。用語「〜に基づく」は、排他的ではなく、文脈上別段の明確な指示がない限り記載されていない追加の因子に基づくことも可能である。本明細書において、「A、BおよびCの少なくとも1つ」の記載は、A、BまたはCを含有する実施形態、A、BまたはCの複数の例、あるいはA/B、A/C、B/C、A/B/B/B/B/C、A/B/Cなどの組み合わせを含む。加えて、本明細書全体を通して、「a」、「an」、「the」の意味は複数形を含む。「in」の意味は「in」および「on」を含む。
【0011】
用語第1、第2などが種々の要素を記載するために本明細書に使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解される。これらの用語は、一方の要素を別の要素と区別するためだけに使用される。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の物体または工程は、第2の物体または工程と名付けられることができ、同様に第2の物体または工程は、第1の物体または工程と名付けられることができる。第1の物体または工程および第2の物体または工程は、それぞれ両方とも物体または工程であるが、それらは同じ物体または工程と考えられるべきではない。用語「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、本明細書で使用される場合、記述される特徴、整数、工程、操作、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、操作、要素、構成要素および/またはこれらの群の存在または付加を排除しないことがさらに理解される。さらに、本明細書で使用される場合、用語「場合」は、文脈に依存して、「場合(when)」または「際(upon)」または「決定に応答して(in response to determining)」または「検出に応答して(in response to detecting)」を意味すると解釈され得る。
【0012】
以降で規定されるすべての物理的特性は、特に断らない限り、20℃〜25℃にて測定される。用語「室温」は、特に断らない限り、25℃を指す。
【0013】
本明細書において値のいずれかの数値範囲を指す場合、こうした範囲は、記述された範囲の最小から最大までのそれぞれすべての数および/または分数を含むことが理解される。例えば、0.5〜6%の範囲は、0.6%、0.7%、および0.9%のすべての中間値、5.95%、5.97%、および5.99%を含んで、これらまでのすべてを明確に含む。同じことが、文脈上別段の明確な指示がない限り、本明細書に記載される他の数値特性および/または要素範囲それぞれに適用される。
【0014】
ここで、一部の実施形態に従う加工処理手順、方法、技術、およびワークフローに注目する。本明細書に開示される加工処理手順、方法、技術、およびワークフローにおいて一部の操作は組み合わせてもよく、および/または一部の操作の順序を変更してもよい。
【0015】
1つの実施形態において、ピン作動プリントヘッドは、付加製造用途のための高粘度材料を吐出すように構成される。材料は、高粘度材料、例えばエンジニアリングポリマーまたはフォトポリマーを含んでいてもよい。1つの実施形態において、吐出されるべきまたは印刷されるべき材料は、接着剤フィラメントを含んでいてもよい。別の実施形態において、材料は、室温で固体のフラックスペースト中に懸濁したはんだ粒子を有するはんだペーストを含んでいてもよく、繊維として取り扱われてもよい。溶融され、流動され得る他の固体材料は、1つ以上のバインダまたは繊維と共に、金属粒子のような粒子充填されたキャリア材料を含むことができる。吐出されるべき材料は、230℃の温度にて、10,000cP以上、100,000cP以上、または500,000cP以上の粘度を有するABSエンジニアリングポリマーを含んでいてもよい。他の実施形態において、ピン作動プリントヘッドは、高温で他の高粘度材料を吐出し得る。フィラメント組成物および特性は、通常、プリントヘッド内の通路、チャンネル、およびオリフィスを妨害し得る詰まりおよびアグロメレーションを回避するように制御されるべきである。
【0016】
図1は、実施形態に従うピン作動プリントヘッドを示す。
図1に示されるように、ピン作動プリントヘッドは、オリフィスまたはノズル110、材料チャンバ120、チャンネル130、オリフィス110にて終止し得るピンチャンバ140、および作動ピン150を含んでいてもよい。
【0017】
オリフィス110は、プリントヘッド100の本体に規定されてもよく、プリントヘッド100は、1つ以上のオリフィス110を含んでいてもよい。ピンチャンバ140は、オリフィス110にて終止してまたは止まってもよい。他の実施形態において、プリントヘッド100は、1つ以上のオリフィス110を規定するオリフィスプレートまたはノズルプレートを含んでいてもよい。一部の実施形態において、オリフィス110は、互いに1mm離れて空間があけられてもよい。オリフィス110は、50〜800ミクロン(μm)の直径を有していてもよい。別の実施形態において、オリフィス110は、125〜500ミクロンまたは150〜300ミクロンの直径を有していてもよい。
【0018】
オリフィス110の直径および深さは、例えば液滴または押出材料として、吐出されるべきまたは印刷されるべき材料200に従って規定されてもよい。例えば、オリフィス110は、液滴を吐出または約200μmの直径を有する押出材料200を吐出するように構成されてもよい。1つの実施形態において、オリフィス110は、液滴または100μm〜300μmの直径を有する押出材料200の吐出のために構成されてもよい。別の実施形態において、オリフィス110は、液滴の吐出または50μm以上の直径を有する押出材料200の吐出のために構成されてもよい。
【0019】
材料チャンバ120は、プリントヘッド本体内に規定されてもよく、プリントヘッド100は、1つ以上のチャンバ120を含んでいてもよい。例えば、プリントヘッド100は、異なるタイプの材料200を保持するために1つ以上のチャンバ120を含んでいてもよく、プリントヘッド100は、オリフィス110を通して材料200を吐出/印刷した後に、材料200の異なるタイプを混合するように構成されてもよい。例えば、物体を印刷する場合、プリントヘッド100は、合間に第2のタイプの材料200の吐出を伴って第1のタイプの材料200を吐出してもよく、ここで前記第2のタイプの材料は第1のタイプの材料とは異なる。一部の実施形態において、種々の材料200から創出された物体は、使用された2以上の材料200の間または平均にある機械的特性または光学的特性を有していてもよい。1つの実施形態において、複数のチャンバの各材料チャンバ120は、吐出されるべき単一材料200を保持するように構成される。別の実施形態において、複数のチャンバ120は、吐出されるべき複数の異なる材料200を保持するように構成される。
【0020】
プリントヘッド100は、異なる色の材料200を保持し、オリフィス110から吐出される材料200の色を混合して、最終的な3D印刷製品の色を調節するように構成されてもよい。同様に、プリントヘッド100は、異なる材料特性を有する材料200を保持するように構成されてもよく、オリフィス110からそれらが吐出されるときに材料200を合わせて、3D印刷製品の最終特性を調節する。
【0021】
材料200は、材料200の吐出を促進するために材料チャンバ120内において圧力下で保持されてもよい。例えば、材料チャンバ120は、圧力下で吐出されるべき材料200を保持し、オリフィス110への材料200のフローを促進するように構成されてもよい。一部の実施形態において、100psiの圧力により、100,000cP材料200がチャンネル130を通って、オリフィス110に至り、1000Hzオーダーの発射頻度を支持することが可能となるべきである。他の実施形態において、材料チャンバ120中の材料200に適用される圧力は、材料200の粘度、所望の発射頻度、所望の押出速度、および/またはプリントヘッド100の構成要素(オリフィス110および/またはチャンネル130を含む)の寸法に従って調節されてもよい。1つの実施形態において、プリントヘッド100は、50psi〜150psiの圧力にて材料200を保持するように構成される。別の実施形態において、プリントヘッド100は、少なくとも25psiの圧力にて材料200を保持するように構成される。別の実施形態において、圧力は、印刷の間に2000psiを超えて維持されてもよい。
【0022】
材料200は、材料200の吐出を促進するために高温に保持されてもよい。例えば、材料チャンバ120は、100℃以上で材料200を保持し、オリフィス110への材料200のフローを促進するように構成されてもよい。別の実施形態において、プリントヘッド100は、200℃以上または300℃以上に材料を加熱するように構成されてもよい。
【0023】
チャンネル130は、プリントヘッド100の本体内に規定されてもよく、プリントヘッド100は、1つ以上のチャンネル130を含んでいてもよい。1つの実施形態において、チャンネル130は、吐出されるべき材料200をオリフィス110に向けるように構成される。チャンネル130の寸法は、吐出されるべき材料200の特徴に従って調節されてもよい。
【0024】
図1は実施形態に従うプリントヘッド100の構成を示すが、プリントヘッド100の他の構成も可能である。例えば、
図2および3は、プリントヘッド100の他の可能な構成を示す。
図2に示されるように、プリントヘッド100は、単一材料チャンバ120を有するように構成されてもよく、別個のチャンネル130を通して複数のオリフィス110に材料200を提供する。あるいは、
図3に示されるように、プリントヘッド100は、単一材料チャンバ120を有するように構成されてもよく、単一のチャンネル130を通して複数のオリフィス110に材料200を提供する。
図2に示される実施形態は、チャンネル130中の材料200のフロー抵抗を低減でき、またはチャンネル130における材料200についての圧力損失を最小限にし得、非常に高い粘度材料200についてより大きな流量を可能にし得る。
【0025】
一部の実施形態において、各オリフィス110は、オリフィス110内の材料を吐出するために関連する作動ピン150を有し、各作動ピン150は、作動ピン150の移動を導くように構成されたピンチャンバ140内を移動し得る。
【0026】
ピンチャンバ140は、プリントヘッド100の本体内に規定されてもよく、プリントヘッド100は、1つ以上のピンチャンバ140を含んでいてもよい。1つの実施形態において、ピンチャンバ140は、作動ピン150をオリフィス110に導くように構成される。他の実施形態において、ピンチャンバ140は、チャンネル130の少なくとも一部を通して、オリフィス110に作動ピン150を導く。
図1に示されるように、ピンチャンバ140は、作動ピン150の移動を制限し、ピンチャンバ140での点においてシール145を提供するように、作動ピンの段階構成に適合する段階的構成を有していてもよい。別の実施形態において、シール145は、ピンチャンバ140と作動ピン150との間の直径方向公差によって提供されてよい。例えば、
図2および3に示されるように、ピンチャンバ140と作動ピン150との間の空間は、高粘度材料200がピンチャンバ140に進入するのを防止しながら、作動ピン150の容易な移動を可能にするように選択されてもよい。
【0027】
作動ピン150は、ピンチャンバ140およびオリフィス110内で移動してもよい。例えば、作動ピン150は、電磁石、圧電デバイスまたは他のドライバ機構を介して移動してもよい。作動ピン150は、プリントヘッド100から、チャンネル130および/またはオリフィス110内の材料200を押し出すように構成されてもよい。
【0028】
1つの実施形態において、プリントヘッド100の発射サイクルは、作動ピン150の移動によって規定される。例えば、
図1に示されるように、発射サイクルは、作動ピン150が閉鎖位置「A」にある状態から始動してもよい。作動ピン150は、オリフィス110内に位置付けられてもよく、オリフィス110への材料200の顕著なフローを防止してもよい。次いで作動ピンは、開放位置「B」に移動してもよく、作動ピン150をオリフィス110内から引き戻し、チャンネル130からオリフィス110へのまたはオリフィス110を通る材料200のフローを可能にする。一部の実施形態において、作動ピン150は、オリフィス110へのある量または体積の材料フローを制御するために部分的にのみ引き戻されてもよい。最後に、作動ピン150は閉鎖位置「C」に戻り、材料200をオリフィス110から吐出する発射サイクルを終了してもよい。
図1に示されるように、閉鎖位置に移動して、作動ピン150は、オリフィス110内にある材料200をプリントヘッド100から受容面に押してもよい。作動ピン150は、材料200と基材との間の接触を確実にするために、または例えば以下に記載される
図8の描写に示されるように、オリフィス110内に予め材料200を吐出するために、オリフィス110の外側表面を通過してもよい。
【0029】
一部の実施形態において、作動ピン150はワイヤとして具現化されてもよい。例えば、作動ピン150は、200〜300マイクロメートル(μm)の直径を有する金属性ワイヤ、例えばステンレススチールまたはタングステンワイヤであってもよい。1つの実施形態において、作動ピン150は100μm〜500μmの直径を有していてもよい。
【0030】
作動ピン150は、ピンチャンバ140およびオリフィス110を通って移動し、材料200を吐出するように構成されてもよい。材料200を吐出するために作動ピン150が移動する距離は、プリントヘッド100の構成および/または材料200の特徴に依存し得る。例えば、作動ピンは、発射サイクルの間に1.5mm以下の距離を移動するように構成されてもよい。1つの実施形態において、作動ピンは、発射サイクルの間に、1.0mm以下の距離を移動してもよい。別の実施形態において、作動ピン150は0.5mm以下の距離を移動してもよい。さらに別の実施形態において、作動ピン150は、0.4mm〜0.5mmを移動してもよい。
【0031】
作動ピン150は、毎秒1メートル(M/s)以上の速度で移動してもよい。1つの実施形態において、作動ピンは、発射サイクルの間に約2M/s以上の速度で移動してもよい。別の1つの実施形態において、作動ピンは、発射サイクルの間に5M/s以上の速度で移動してもよい。一部の実施形態において、作動ピンは、ピンの端部から粘稠な材料の分離を促進するために、20M/sec
2以上の速度で減速してもよい。例えば、一部の実施形態において、作動ピン150の減速は、ハードストップまたは作動ピン150の動作を突如停止する他の要素の使用を通して促進されることができる。
【0032】
作動ピン150は、約1000Hzの発射頻度を達成するように構成されてもよい。1つの実施形態において、作動ピン150の発射頻度は、500Hz〜1500Hzである。別の実施形態において、作動ピン150の発射頻度は、100Hz〜2000Hzである。
【0033】
1つの実施形態において、作動ピン150は、材料200の作動ピン150への接着を弱めるために低接着材料またはコーティング、例えばペルフルオロデシルトリクロロシラン(すなわち、「FDTS」)またはポリテトラフルオロエチレン(すなわち、Teflon(登録商標))を含む。
【0034】
プリントヘッド100は、印刷されている物体の表面から離れて間隔をあけてもよく、プリントヘッド100から吐出された材料200は、オリフィス110から吐出される場合にプリント表面に向かって移動する間は浮遊することになる。別の実施形態において、プリントヘッド100は、印刷されている物体の表面に近づき、作動ピン150は、オリフィス110から印刷されている物体の表面に吐出される材料を運ぶ。別の実施形態において、材料200は、ピンが引き抜かれている間にオリフィスから流れてもよく、こうして材料200は、オリフィス110と基材(簡略化のために個々に描写されない)との間のギャップまたは空間に及ぶ。
【0035】
図4は、実施形態に従うアクチュエータモジュールを備えたピン作動プリントヘッドを示す。プリントヘッド100は、材料200を吐出する複数のオリフィス110、吐出されるべき材料200を保持する材料チャンバ120(
図1)、複数の作動ピン150、および複数のアクチュエータモジュール300を含んでいてもよい。複数のチャンバ120は、プリントヘッド100に組み込まれることができ、各材料チャンバ120は、複数のオリフィス110に異なる材料を送達することが理解されるべきである。
【0036】
アクチュエータモジュール300は、プリントヘッド100内での作動ピン150の移動を駆動するために使用されてもよい。一部の実施形態において、アクチュエータモジュール300は、作動ピン150の一方の端部に接続され、プリントヘッド100内で作動ピン150を移動させるように構成される電磁アクチュエータとして具現化されてもよい。
【0037】
他の実施形態において、アクチュエータモジュール300は、ソレノイド、アクチュエータアームを引く電磁石、スタックされたアレイのピエゾアクチュエータ、または作動ピン150の移動を駆動する他の機構として具現化されてもよい。スタックされたピエゾアクチュエータは、高い信頼性を提供し、屈曲部が使用されて、スタックされたピエゾアクチュエータからの運動を増幅できる。例えば、アクチュエータモジュール300は、
図5Aに示されるようにスタックされたピエゾアクチュエータ310および運動増幅のための屈曲部320を含んでいてもよい。
図5Bに示されるように、アクチュエータモジュール300は、電磁石370および作動ピン150を駆動する旋回アーム380を含んでいてもよい。旋回アーム380は、電磁石370に近い旋回ポイント385で位置付けでき、結果として小さいギャップおよび強い電磁吸引力をもたらし、旋回アーム380の長さは、作動ピン150が取り付けられた端部にて運動を増幅する。
【0038】
一部の実施形態によれば、一群のプリントヘッド100の構成および/またはアクチュエータモジュール300の構成は、プリントヘッド100を利用する3D印刷システムの全体密度または分解能を改善するように変更されてもよい。例えば
図6および7は、アクチュエータモジュールを有するピン作動プリントヘッドの異なる構成を示す。
【0039】
図6に示されるように、2つのプリントヘッド100はそれぞれ対面して位置付けされ、ずらして配置されて、対面するオリフィス110間にハーフピッチ間隔を有するように全体としての印刷アレイ500を創出してもよい。一部の実施形態において、印刷アレイ500は、全体の分解能を改善するためにパス間にインデックスを付けることができる。
【0040】
他の実施形態において、作動ピン150は、プリントヘッド100の吐出オリフィスの分解能または密度を改善するためにファン様構成にて配設されてもよい。例えば、
図7に示されるように、複数の作動ピン150は、各アクチュエータモジュール300からある角度で、オリフィス110を有するプリントヘッド100の収束領域へ延びる。一部の実施形態において、プリントヘッド100は、作動ピン150を導き、座屈または屈曲を防止するためにガイドを含んでいてもよい。ガイドは、モールドされ、機械加工され、またはそうでなければプリントヘッド100上に形成されてもよい。
【0041】
一部の実施形態によれば、プリントヘッド100によって吐出される材料200の体積は、作動ピン150の移動に従って制御されてもよい。例えば、オリフィス110および/またはチャンネル130からの作動ピン150の引き戻しによって創出されるボイドに流れる材料の体積は、作動ピン150が引き戻された位置に留まる時間に依存し得る。
【0042】
図8は、材料吐出のモデルを示す。
図8に示されるように、作動ピン800のオリフィス領域810からの引き戻しは、初期にボイド820を創出する。吐出されるべき材料830は、次いでボイド820に流れ、それによって作動ピン800の移動によってオリフィス領域810から吐出される。作動ピン800は、ボイド820が部分的にのみ満たされる場合であっても材料830を吐出し得る。
【0043】
一部の実施形態において、作動ピン800の引き戻しとその回復移動との間の期間は、材料830によって満たされるボイド820のパーセンテージを決定する。他の実施形態において、材料830の温度、粘度およびその他の特徴はまた、作動ピン800の移動の間に満たされるボイド820のパーセンテージを決定する。従って、一部の実施形態において、作動ピン800の移動は、吐出される材料830のサイズまたは体積を調節するように制御され得る。他の実施形態において、個々の作動ピン800のタイミングは、吐出される材料830の量を規格化する方法として調節されてもよい。すなわち、作動ピン800のタイミングは、群のすべての作動ピン800が材料830の一貫したまたは等しい体積を吐出するように調節されてもよい。
【0044】
1つの実施形態において、材料830を吐出するために作動ピン800が移動する速度は、材料830のための吐出速度を決定してもよい。高速の吐出は、3D印刷操作の間に液滴プレイスメントを最小限にするのに役立ち得る一方で、より遅い吐出速度は、吐出操作の間に材料830がより球形の液滴に合体できる。
【0045】
図1に関して、チャンネル130に延びてもよいオリフィス110が材料200で再充填される程度は、作動ピン150の引き戻し(開放位置)と作動ピン150の発射(閉鎖位置)との間の時間によって決定できる。開放位置の作動ピン150の期間が長いと、チャンネルを完全に満たすことができ、吐出される材料の量を最大化できる。より短期間では、部分的にのみ再充填可能であり、吐出される材料の量は、再充填のパーセンテージに依存する。従って、このタイミングの差異は、吐出される材料200についての変動する液滴サイズを創出するために使用できる。一部の実施形態において、この変動は、グレイスケールを創出し、ならびに各オリフィスについての液滴サイズを「規格化」するために使用できる。
【0046】
1つの実施形態において、プリントヘッド100は、印刷されている物体の表面から1mm〜10mm離れる。別の実施形態において、プリントヘッド100から吐出される材料200の液滴は、堆積される前に0.5mm〜10mmを移動する。
【0047】
噴出され、吐出され、または印刷されるべき材料200の材料チャンバ120、チャンネル130、ピンチャンバ140および/またはオリフィス110への送達をここで説明する。材料200は、例えば付加製造のために使用されてもよい1つ以上のエンジニアリングポリマーを含んでいてもよい。吐出されている材料200に依存して、材料200は、室温で固体であってもよい。作動ピン150に送達される前に、固体材料は溶融または液化されてもよく、こうして作動ピン150が、ピンチャンバ140からオリフィス110を通して液体形態の材料200を吐出し得る。しかしながら、印刷前の多量の材料200の溶融または他の液化は、吐出の前の、例えばプリントヘッド内または他の貯蔵器内での貯蔵中の材料の物理的分解または劣化を導き得る。故に、本教示の実施形態は、印刷の直前に、材料200を液化する材料送達システムを含むことができる。実施形態はさらに、印刷ジョブのために過剰ではない体積の材料を液化する材料送達システムを含むことができる。
【0048】
図9は、ある体積の液化材料200をプリントヘッド100に送達するプリントヘッド100および材料送達システム900の図示である。プリントヘッド100は、
図1を参照して上記で記載される通りのプリントヘッドであってもよい。
図9は単一作動ピン150を示すが、材料送達システム900はまた、例えば
図1の複数の作動ピン150に材料200を供給する材料供給チャンネルを用いて、
図1に示されるような複数の作動ピン150に材料200を同時に供給してもよいことが理解される。固体材料は、必要に応じてインラインで溶融され、溶融または液化材料200を作動ピン150に送達する。材料送達システム900は、電気機械的材料送達システムであってもよい。
【0049】
図9はさらに、例えば供給リール904から供給される固体形態の材料のフィラメント902を示す。フィラメント902は、例えば正方形、長方形、丸形または楕円断面を有していてもよく、フィラメント902およびプリントヘッド100の使用に依存して、いずれかの十分な幅、例えば1.0ミリメートル(mm)〜3.0mm、1.75mm、3.0mmを超える、または別の十分な直径を有していてもよい。フィラメント902は、ロッド、バー、ストリップまたは別の十分な形態として供給されてもよい。
【0050】
フィラメント902は、フィラメントドライバ906を用いて供給されてもよい。実施形態において、フィラメントドライバ906は、2つ以上のフィードホイールまたはギア906の間にフィラメント902を位置付けることを含んでいてもよい。
図9は、第1のフィードホイールおよび第2のホイールを示す。フィードホイール906は、変形可能な表面または摩擦コーティングを有するモータ駆動されたギアアセンブリまたはホイールアセンブリであってもよく、これがフィラメント902が供給リール904からプリントヘッド100に供給されるときに滑りを低減または防止する。フィラメント902は、供給リール904から供給されるときに、1つ以上のフィラメントプレヒータまたは908によって加熱されてもよい。続いて、1つ以上のフィラメントヒータ(例えば加熱されたフィラメント押出機)910は、固体フィラメント902を成形し易いフィラメント912に軟化させ、次いで加熱を継続して成形し易いフィラメント912を液体材料200に転化し、こうして材料200は液化フィラメント902になる。材料200は、プリントヘッド入口914と流体連通する材料送達システム出口913を通してフィラメント送達システム900から出てもよい。材料200は、プリントヘッド100、例えばプリントヘッド100の材料チャンバ120に、プリントヘッド入口914を通して、材料送達システム出口913から導入されてもよい。材料送達システム出口913およびプリントヘッド入口914を加熱してもよい。材料200がプリントヘッド100に入ったら、印刷操作は、上記で記載されるように行われてもよい。
【0051】
実施形態において、フィラメント902は、約100℃以上、または約200℃以上または約300℃以上の温度で液化する材料であってもよい。実施形態において、フィラメント902は、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ナイロンポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチルイミド、例えばULTEM(商標)、または別の十分な材料のような材料であってもよい。使用される材料は、1つ以上の強化材料、例えば炭素繊維のような埋め込まれた構成要素を含んでいてもよい。
【0052】
図9の実施形態において、材料チャンバ120は、常に圧力下であってもよい。フィードホイール906の間のニップ916においてフィラメント902に配置されたこうした継続トルクまたは圧力は、フィードホイール906の滑りをもたらし得る。これは、例えばオリフィス110が固体のプリント材料でブロックされる場合またはオリフィス110がプリント表面に近過ぎる場合に、フィラメントが自由に供給せずに供給抵抗が大き過ぎる場合に生じることがある。
【0053】
実施形態において、
図9に示されるように、材料送達システム900はさらに、コントローラ918を含むことができる。コントローラ918は、フィラメントドライバトルク、例えばフィードホイール906の少なくとも1つの回転トルクをモニターするように構成される。コントローラ918はさらに、フィードホイール906の少なくとも1つの回転速度をモニターおよび制御するように構成される。
図10に示されるように印刷1000の方法において、コントローラ918は、1002に示されるように、フィラメントドライバトルクおよびフィードホイールトルクをモニターする。ホイールの所与の回転速度を維持するために必要とされる回転トルクが増大するにつれて、コントローラは、供給抵抗が増大していると想定する。閾値に到達するまたは増大する供給抵抗に応答して(すなわち、回転速度にて測定されるフィードホイールの増大するトルク)、コントローラ918は、1004に示されるようにフィラメント902に対してフィードホイール906が滑るのを防止するために、フィードホイール906のトルクおよび回転速度を低減する。次いで、回転トルクは、1006に示されるように、例えばフィードホイール906を駆動するように試み、トルクをモニターすることにより、コントローラ918によって継続してまたは周期的にモニターされる。閾値未満であるフィードホイール906を駆動するのに必要とされる回転トルクに応答して、コントローラは、1008に示されるように、フィラメント902をプリントヘッド100に供給することを継続するためにフィードホイール906の回転速度および/または回転トルクを増大させ得る。次いでフィラメント902の供給およびフィラメントドライバトルクおよびフィードホイール速度のモニターを継続してもよい。
【0054】
図11に示されるような印刷1100に関する別の実施形態において、コントローラ918は、1102に示されるように、例えば3D印刷システムからのプリントデータを受信および分析する。プリントデータは、所定の瞬間または所定の時間にわたって印刷されている材料の体積を含んでいてもよく、またはそれに変換できるデータを含んでいてもよい。次いでコントローラ918は、1104に示されるように、フィードホイール906の回転速度を制御することによって、フィラメント902の送達を印刷されている材料の体積に適合させる。換言すれば、プリントヘッド100に供給される固体フィラメント902の量は、オリフィス110を通ってピンチャンバ140から吐出される液体材料200の量に対応する。印刷が一時停止されているまたは印刷されている材料の体積が変更された場合に、プリントデータは、ピンチャンバ140からオリフィス110を通って吐出されている材料200の体積が停止されまたは変更されていることを示し、コントローラ918は、フィードホイール906の回転を停止することによって、または1106に示されるようにフィードホイール906の回転速度を変更することによりプリントヘッド100に供給される材料200の体積を変更することによって、固体フィラメントの供給を停止してもよい。
【0055】
図12に示されるような印刷1200についての別の実施形態において、コントローラ918は、1202に示されるように、フィラメントドライバを通して供給されるときに、固体フィラメント902の速度をモニターしてもよい。フィラメントの速度は、視覚システムを用いて測定されてもよく、または固体フィラメントとの物理的接触を維持し、フィラメント902がフィラメントドライバを通して供給されている速度を測定するために回転するメカニカルカウンタの使用を通して測定されてもよい。コントローラはさらに、1204に示されるようにフィードホイール906の回転速度をモニターし、1206に示されるように、フィラメント902の速度とフィードホイール906の回転速度を比較する。供給されているフィラメント902の速度または長さよりも大きいフィードホイール906の回転速度に応答して、コントローラ918は、フィードホイール906がフィラメント902上で滑っていると想定し、1208に示されるように、供給されているフィラメント902の長さがフィードホイール906の回転速度に一致するまで、フィードホイール906の回転速度を低減する。フィードホイール906の回転がフィラメントの速度と一致したら、フィードホイールの回転速度を1210に示されるように傾斜させてもよく、フィードホイール906の回転速度とフィラメント902の速度とを比較するサイクルを継続してもよい。
【0056】
図9の材料送達システム900は、液体材料200が、成形し易いフィラメント912および液体材料200に変換される時間から、ピンチャンバ140内に位置付けられ、オリフィス110を通ってプリントヘッド100から吐出されるまで空気に曝さないように閉鎖システムであってもよい。溶融材料200が空気に曝されないので、それらからもたらされる溶融材料200の酸化および生じる物理的分解または劣化が低減または削除される。
【0057】
実施形態において、材料チャンバ120内の圧力が、材料送達システム900によって、例えばフィラメントドライバ906によって適用される圧力を通して供給される。材料チャンバ120内の圧力が、ピンチャンバ140にチャンネル130を通って入る液化材料200をもたらす。