特許第6692496号(P6692496)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6692496異なるヌメロロジーによる同じキャリア上へのリソース割当て
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6692496
(24)【登録日】2020年4月16日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】異なるヌメロロジーによる同じキャリア上へのリソース割当て
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20200427BHJP
【FI】
   H04L27/26 113
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-519449(P2019-519449)
(86)(22)【出願日】2017年11月1日
(65)【公表番号】特表2019-519179(P2019-519179A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(86)【国際出願番号】JP2017040342
(87)【国際公開番号】WO2018084323
(87)【国際公開日】20180511
【審査請求日】2018年12月26日
(31)【優先権主張番号】16306449.6
(32)【優先日】2016年11月4日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】17305171.5
(32)【優先日】2017年2月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(72)【発明者】
【氏名】チョチーナ、クリスティーナ
【審査官】 大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/130175(WO,A1)
【文献】 ERICSSON,Mixed Numerology in an OFDM System[online],3GPP TSG-RAN WG1#85,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_1902/Docs/R1-165833.zip>,2016年 5月30日,R1-165833
【文献】 PANASONIC,Resource allocation of PDSCH for Rel.13 MTC[online],3GPP TSG-RAN WG1#83,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_83/Docs/R1-156946.zip>,2015年11月 6日,R1-156946
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
いくつかのサブキャリアを含むキャリア内でリソース割当てのためのコンピューター手段によって実施される方法であって、
該リソース割当ては、該キャリアの少なくとも1つのリソースを少なくとも1つの端末に割り当てるためのものであり、
該方法は、
a)前記キャリアに関して、少なくとも第1f及び第2fの異なるサブキャリア間隔構成を規定することであって、該サブキャリア間隔構成のうちの一方は該サブキャリア間隔構成のうちの他方の倍数である、規定することと、サブキャリア間隔fのために許容可能である前記サブキャリアの中の最も低い周波数と、サブキャリア間隔fのために許容可能である前記サブキャリアの中の最も低い周波数との間の差Δijを規定することと、
b)前記キャリアにおいて、前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含む少なくとも1つのリソースブロックRBを規定することであって、該RBは、サブキャリア間隔fのために許容可能である前記キャリアの前記いくつかのサブキャリアの中の最も低い周波数の前記サブキャリアを有する、規定することと、前記キャリアにおいて、前記第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lを所与の端末に割り当てることと、
を含み、
前記割当ては、
RBの前記サブキャリアの中のサブキャリア間隔fのために許容可能である最も低い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fjmを決定することと、
同じ端末に割り当てられる前記L個のリソースブロックの前記サブキャリアの中の最も低い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fim−startを決定することであって、該周波数fim−startは、fim−start=fjm+(kN)+Δijを満たし、ただし、kは正の整数である、決定することと、
同じ端末に割り当てられる前記L個のリソースブロックの前記サブキャリアの中の最も高い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fim−endを決定することであって、該周波数fim−endは、fim−end=fim−start+(LN−1)を満たす、決定することと、
を含み、
前記数Lは、q+NRBstart(j)≦NRB(j)を満たし、
ただし、
RB(j)は、前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中に前記キャリアにおいて許容可能である前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数であり、
NRBstart(j)は、前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中に前記キャリアにおいて許容可能である前記周波数fim−startより低い周波数のサブキャリアを有する前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数であり、
は、f=qによって規定され、ただし、q又は1/qは整数であり、
同じ端末に割り当てられ、同じサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの前記割当ては、リソース指示値RIVによって規定され、
該RIV値は、整数であり、L及びNRBstart(j)の関数であり、割り当てられた連続したリソースブロックの割当てごとにRIV値を符号化できるように数式により規定されている
方法。
【請求項2】
前記RIV関数は、L値及びNRBstart(j)値を含む任意の1組の単射関数である、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記RIVは、0からRIVによって取り込まれる最大値までの整数の中の全射関数である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記fは前記fの倍数qである、
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記相対整数kは、qの倍数でない、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記RIVは、以下の式によって規定され、
【数1】
ただし、rは、NRB(j)をqで割る除算の剰余であり、
【数2】
である、
請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記RIVは、以下の式によって規定され、
【数3】
ただし、rは、NRB(j)をqで割る除算の剰余であり、
【数4】
である、
請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記RIVは、以下の式によって規定され、
【数5】
ただし、
は、NRB(j)をqで割る除算の剰余であり、
【数6】
である、
請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記RIVは、以下の式によって規定され、
【数7】
ただし、S(j)=NRB(j)−q*l+1である、
請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
いくつかのサブキャリアを含むキャリア内のリソース割当てのための手段を備える送信機であって、
該リソース割当ては、該キャリアの少なくとも1つのリソースを少なくとも1つの端末に割り当てるためのものであり、
該送信機は、
a)前記キャリアに関して、少なくとも第1f及び第2fの異なるサブキャリア間隔構成を規定することであって、該サブキャリア間隔構成のうちの一方は該サブキャリア間隔構成のうちの他方の倍数である、規定することと、サブキャリア間隔fのために許容可能である前記サブキャリアの中の最も低い周波数と、サブキャリア間隔fのために許容可能である前記サブキャリアの中の最も低い周波数との間の差Δijを規定することと、
b)前記キャリアにおいて、前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含む少なくとも1つのリソースブロックRBを規定することであって、該RBは、サブキャリア間隔fのために許容可能である前記キャリアの前記いくつかのサブキャリアの中の最も低い周波数の前記サブキャリアを有する、規定することと、前記キャリアにおいて、前記第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lを所与の端末に割り当てることと、
を実行するように構成され、
前記所与の端末への前記リソースブロックの前記割当てのために、前記送信機は、
RBの前記サブキャリアの中のサブキャリア間隔fのために許容可能である最も低い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fjmを決定することと、
同じ端末に割り当てられる前記L個のリソースブロックの前記サブキャリアの中の最も低い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fim−startを決定することであって、該周波数fim−startは、fim−start=fjm+(kN)+Δijを満たし、ただし、kは正の整数である、決定することと、
同じ端末に割り当てられる前記L個のリソースブロックの前記サブキャリアの中の最も高い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fim−endを決定することであって、該周波数fim−endは、fim−end=fim−start+(LN−1)fを満たす、決定することと、
を行うように更に構成され
数NRBstart(j)及び前記Lの取り得る値の組ごとに、固有リソース指示値RIVを記憶するメモリユニットを備え、
NRBstart(j)は、前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中に前記キャリアにおいて許容可能である前記周波数fim−startより低い周波数のサブキャリアを有する前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数であり、
前記送信機は、
及びNRBstart(j)の組によって規定される同じ端末へのリソースブロックの前記割当てが実行されるときに、前記RIVを与え、
該RIV値は、整数であり、L及びNRBstart(j)の関数であり、割り当てられた連続したリソースブロックの割当てごとにRIV値を符号化できるように数式により規定されており、
前記RIVを前記所与の端末に送信する、
ように更に構成される、
送信機
【請求項11】
キャリア内で実行されるリソース割当てに従って該キャリアを使用する手段を備える端末であって、
該リソース割当ては請求項1〜のいずれか一項に従って実行され、
該端末は、前記第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lを使用するように構成され、
該端末は、
該端末に割り当てられ、前記第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lの割当てを指示する割当てリソースブロック情報を、制御チャネルを通して受信するように構成される通信モジュールと、
前記割当てリソースブロック情報に従って、該端末に割り当てられる前記リソースブロックを特定するように構成される処理モジュールと、
を備え、
前記処理モジュールは、該端末に割り当てられる前記リソースブロックを、
同じ端末に割り当てられる前記L個のリソースブロックの前記サブキャリアの中の最も低い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fim−startを有するものとして特定することであって、該周波数fim−startは、fim−start=fjm+(kN)+Δijを満たし、ただし、kは正の整数である、特定することと、
同じ端末に割り当てられる前記L個のリソースブロックの前記サブキャリアの中の最も高い周波数を有する前記サブキャリアの周波数fim−endを有するものとして特定することであって、該周波数fim−endは、fim−end=fim−start+(LN−1)を満たす、特定することと、
を行うように構成され
前記端末は、数NRBstart(j)及び前記Lの取り得る値の組ごとに、固有リソース指示値RIVを記憶するメモリユニットを更に備え、
NRBstart(j)は、前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中に前記キャリアにおいて許容可能である前記周波数fim−startより低い周波数のサブキャリアを有する前記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数であり、
該RIV値は、整数であり、L及びNRBstart(j)の関数であり、割り当てられた連続したリソースブロックの割当てごとにRIV値を符号化できるように数式により規定されており、
前記処理モジュールは、前記割当てリソースブロック情報内のRIV値を受信すると、前記メモリユニットを読み出し、前記組の値L及びNRBstart(j)を特定するように構成される、
端末
【請求項12】
プロセッサによって実行されるときに、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法を実行するコード命令を含む、
コンピュータープログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、キャリア内にいくつかのサブキャリア間隔が共存するときの、このキャリアにおけるリソース割当てに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのOFDMベースシステムによれば、「ヌメロロジー」と呼ばれる場合もある、いくつかのパラメーターセットが同じキャリア上で共存できるようになる。これは、3GPPの規定によるNR(New Radio:新無線)規格等の5Gシステムの場合に特に当てはまる。ヌメロロジーは、サブキャリア間隔構成、サイクリックプレフィックスのサイズ、シンボル数等のパラメーターを含むことができる。したがって、所与の帯域幅を有するキャリア上で、周波数領域において多重化するようにして、異なるサブキャリア間隔構成が共存することができる。異なるサブキャリア間隔構成のこの共存は、そのようなキャリア内のリソース割当てにおいて困難をもたらす。
【発明の概要】
【0003】
実際には、同じキャリアにおいて2つ以上のサブキャリア間隔構成が規定され、各サブキャリア間隔構成においてリソースが割り当てられる場合には、キャリア内でリソースの損失が生じる場合がある。
【0004】
例えば、図2Bに示されるように、f、f及びfによって規定される3つのサブキャリア間隔構成(ただし、f<f<f)と、これらのサブキャリア間隔構成のそれぞれにおけるリソースブロック(RB)の割当て、RB、RB、RBとを考える。これらのリソースブロックは破線枠で表され、各枠は、自らのサブキャリア間隔構成f、f、fの12個のサブキャリアを含む。
【0005】
RBは、より包括的には、キャリアの最小のスケジューリング単位を指しており、この例では、時間領域内の一定の数のOFDMシンボルにわたって、周波数領域において12個のサブキャリアを含む。それゆえ、時間領域において、スケジューリング単位の持続時間は、ヌメロロジーが異なれば異なり、T0>T1>T2である。異なるヌメロロジーに関して、Ti/Tj=f/fである。
【0006】
ヌメロロジーごとに、より具体的には、サブキャリア間隔構成ごとに、周波数領域において1つのラスターが存在し、ラスターのソケットは、周波数領域における同じヌメロロジーのリソースブロックのサイズに対応する。
【0007】
そのようなキャリアにおけるスケジューリングは、各ヌメロロジーのラスターを考慮に入れて行われ、実際には、規定されたヌメロロジーの各リソースブロックが、同じヌメロロジーラスターのソケットを満たす。リソースブロックが自らのラスター上に位置合わせされるとき、それらのリソースブロックは、ネスト化されると言われる。
【0008】
さらに、異なるヌメロロジーのラスターは異なる粒度を有し、異なるヌメロロジーのネスト化されたリソースブロックをスケジューリングする場合、それにより、キャリア内の潜在的なリソースブロックの損失につながる可能性がある。実際には、図2Bに示されるように、ヌメロロジーfからのリソースブロックを自らのラスター上に位置合わせできるようにするために、キャリア内でスケジューリングされる2つの異なるヌメロロジーf、fからのリソースブロック間に或る間隙が課せられる場合がある。
【0009】
一方、低いサブキャリア間隔構成のリソースブロックの割当てでは、より高いサブキャリア間隔構成でリソースブロックを割り当てるために必要とされる制御シグナリングオーバーヘッドのサイズに比べて、かなりのサイズの制御シグナリングオーバーヘッドが必要になる可能性がある。
【0010】
それゆえ、より良好なスペクトル効率を有するために、又はより小さい制御シグナリングオーバーヘッドを有するために、同じキャリア内にいくつかのサブキャリア間隔構成が共存するときに、リソースブロックがスケジューリングされ、割り当てられる方法に関して、更なる融通性が必要とされている。
【0011】
本発明は、この状況を改善することを目的とする。
【0012】
このために、本発明は、いくつかのサブキャリアを含むキャリア内でリソース割当てのためのコンピューター手段によって実施される方法であって、リソース割当ては、キャリアの少なくとも1つのリソースを少なくとも1つの端末に割り当てるためのものであり、この方法は、
a)キャリアに関して、少なくとも第1f及び第2fの異なるサブキャリア間隔構成を規定することであって、サブキャリア間隔構成のうちの一方はサブキャリア間隔構成のうちの他方の倍数である、規定することと、サブキャリア間隔fのために許容可能であるサブキャリアの中の最も低い周波数と、サブキャリア間隔fのために許容可能であるサブキャリアの中の最も低い周波数との間の差Δijを規定することと、
b)キャリアにおいて、第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含む少なくとも1つのリソースブロックRBを規定することであって、該RBは、サブキャリア間隔fのために許容可能であるキャリアのいくつかのサブキャリアの中の最も低い周波数のサブキャリアを有する、規定することと、キャリアにおいて、上記第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lを所与の端末に割り当てることと、
を含む、方法に関する。
【0013】
より詳細には、割当ては、
RBのサブキャリアの中のサブキャリア間隔fのために許容可能である最も低い周波数を有するサブキャリアの周波数fjmを決定することと、
同じ端末に割り当てられるL個のリソースブロックのサブキャリアの中の最も低い周波数を有するサブキャリアの周波数fim−startを決定することであって、この周波数fim−startは、fim−start=fjm+(kN)+Δijを満たし、ただし、kは正の整数である、決定することと、
同じ端末に割り当てられるL個のリソースブロックのサブキャリアの中の最も高い周波数を有するサブキャリアの周波数fim−endを決定することであって、この周波数fim−endは、fim−end=fim−start+(LN−1)を満たす、決定することと、
を含む。
【0014】
提案説明を簡単にし、理解しやすくするために、これ以降、Δijは0に設定されることになり、それは、サブキャリア間隔fのために許容可能であるサブキャリアの中の最も低い周波数と、サブキャリア間隔fのために許容可能であるサブキャリアの中の最も低い周波数とが同じであることを意味する。さらに、より小さいサブキャリア間隔構成を有するラスターのソケットは、より大きいサブキャリア間隔を有するラスターのソケット内に完全に含まれる。それに対して、Δijが0に設定されない場合には、2つのラスターはわずかにオフセットされる。それゆえ、別のサブキャリア間隔構成のラスター上にリソースブロックを位置合わせすることによって、本発明は、リソースブロックがこの別のサブキャリア間隔構成のラスターからΔijだけオフセットされる場合も含む。通常、abs(Δij)<max(f;f)である。
【0015】
サブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの中にサブキャリアを含むことができるときに、そのサブキャリアは、サブキャリア間隔fのために許容可能であると言われる。
【0016】
本発明によれば、いくつかのサブキャリア間隔が共存するキャリア内のリソース割当ての範囲内で、或るサブキャリア間隔構成のリソースブロックを別のサブキャリア間隔構成のラスター上に割り当てることができるようになる。より具体的には、本発明は、連続したリソースブロックを同じ端末に割り当てることを、そのようなリソースブロックグループのうちの第1のリソースブロックを異なるサブキャリア間隔構成のラスター上に位置合わせすることと組み合わせる。連続したリソースブロックの特定の数Lを同じ端末に割り当てるそのような割当て方式は、第1のリソースブロックの位置と、それらのリソースブロックの数Lとを指定することによって行われる。これ以降、OFDMベースシステム内のそのような割当ては、リソース割当てタイプ2と言われる。
【0017】
したがって、本発明は、或るラスター上に割り当てられた第1のリソースブロックを、より小さいサブキャリア間隔構成と位置合わせし、それにより、割り当てられた上記リソースブロックと、異なるサブキャリア間隔構成で割り当てられたリソースブロックとの間の潜在的な間隙を回避又は少なくとも低減できるように、それゆえ、より良好なスペクトル効率を有することができるようにすることによって、端末への特定のヌメロロジーのいくつかの連続したリソースブロックの割当てが行われるように、リソース割当てをパラメーター化できるようにする。
【0018】
また、本発明は、或るラスター上に割り当てられた第1のリソースブロックを、より広いサブキャリア間隔構成と位置合わせし、それにより、制御シグナリングオーバーヘッドを低減できるようにすることによって、端末への特定のヌメロロジーのいくつかの連続したリソースブロックの割当てが行われるように、リソース割当てをパラメーター化できるようにする。実際には、第1のリソースブロックに関して、より粗い粒度を有するラスター上の取り得る位置の数は、その自らのラスター上、又はより細かい粒度を有するラスター上のこの第1のリソースブロックの取り得る位置の数に比べて削減される。それゆえ、同じ端末に割り当てられる各リソースブロック間に間隙が存在しないので、いくつかのリソースブロックのうちの少なくとも1つが割り当てられたラスターのソケット内に存在する周波数リソースを失うことなく、リソース割当てタイプ2は、より広いサブキャリア間隔構成を有するラスター上で開始して、それらのいくつかのリソースブロックを端末に割り当てることができるようにする。
【0019】
本発明において、リソースブロックは、仮想リソースブロック又は物理リソースブロックを同様に指している。また、リソースブロックは、いくつかのリソースブロックを含むリソースブロックグループ、又は任意の所定の数のサブキャリアからなるグループ等の任意の他のリソース割当て単位も指している。
【0020】
本発明の一態様によれば、キャリア内で規定されるRBは、サブキャリア間隔fのためにキャリア内で許容可能であるサブキャリアの中の最も低い周波数のサブキャリアを有する。
【0021】
周波数fjmがRBのサブキャリアの中の最も低い周波数を有するサブキャリアの周波数であることに代わって、fjmは、キャリア内で許容可能である第1のサブキャリアの周波数とすることができる。代替的には、fjmは、特定の端末にリソースを割り当てるために基準サブキャリアとして使用されるサブキャリアの周波数とすることができる。
【0022】
例えば、本発明は特定の帯域幅を有するキャリア帯域を参照するが、本発明は、キャリア帯域全体の所定の部分、より具体的には、自らのリソース割当て及び/又は制御シグナリングが生じる可能性がある最大帯域であると端末によって見なされる所定の部分において実施することもできる。
【0023】
本発明の一態様によれば、数Lは、q+NRBstart(j)≦NRB(j)を満たし、
ただし、
RB(j)は、上記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中に上記キャリアにおいて許容可能である上記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数であり、
NRBstart(j)は、上記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中に上記キャリアにおいて許容可能である上記周波数fim−startより低い周波数のサブキャリアを有する上記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数であり、すなわち、(fim−start−fjm−Δij)/(N)であり、
はf=qによって規定される。
【0024】
本発明の一態様によれば、同じ端末に割り当てられ、同じサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの割当ては、リソース指示値RIVによって規定され、RIV値は、整数であり、L及びNRBstart(j)の関数である。サブキャリア間隔構成fのラスター上に位置合わせされた或る特定のサブキャリア間隔構成fの連続したリソースブロックの割当ては、L及びNRBstart(j)によって完全に決定されるので、これにより、同じ端末に割り当てられる連続したリソースブロックのリソース割当てごとに、RIV値を結び付けることができるようになる。
【0025】
本発明の一態様によれば、RIV関数は、L値及びNRBstart(j)値を含む任意の1組の単射関数である。これにより、自らに割り当てられたリソースに従ってRIV値を受信する端末が、このリソース割当ての1組NRBstart(j)及びLを復号できるようになる。
【0026】
本発明の一態様によれば、RIVは0からRIVによって取り込まれる最大値までの整数の中の全射関数である。これは、異なる取り得るリソース割当て、すなわち、L及びNRBstart(j)の値の異なる対を通してRIVによって取り込まれる最大値が、取り得る最小値であるのを確実にする。ただし、q+NRBstart(j)≦NRB(j)である。これにより、サブキャリア間隔構成fのラスター上に位置合わせされる或る特定のサブキャリア間隔構成fの連続したリソースブロックの全ての取り得るリソース割当てをシグナリングするために必要な最適なビット数を有することができるようになる。
【0027】
本発明の一態様によれば、fは上記fの倍数qである。サブキャリア間隔構成fのいくつかの連続したリソースブロックの或る端末へのリソース割当ては、或るラスター上に割り当てられる第1のリソースブロックを、より小さいサブキャリア間隔構成fと位置合わせすることによって行われる。これにより、上記割り当てられたリソースブロックと、より低いサブキャリア周波数を有する割り当てられるリソースブロックとの間の間隙を回避又は少なくとも低減できるようになり、それゆえ、より良好なスペクトル効率を有することができるようになる。さらに、fを上記fの倍数qにすることによって、上記割り当てられたリソースブロックとの間に間隙を生じることなく、上記割り当てられたリソースブロックからのより高いサブキャリア周波数を有するリソースブロックを同じラスター上に割り当てることができるようになる。
【0028】
本発明の一態様によれば、相対整数kは、qの倍数でない。
【0029】
本発明の一態様によれば、RIVは、以下の式によって規定され、
【数1】
ただし、rは、NRB(j)をqで割る除算の剰余であり、
【数2】
である。
【0030】
これにより、送信機が、割り当てられた連続したリソースブロックの割当てごとにRIV値を符号化できるようになり、この符号化は、複雑ではない。
【0031】
さらに、これにより、自らに割り当てられたリソースに従ってRIV値を受信する端末が、このリソース割当ての1組NRBstart(j)及びLを復号できるようになり、この復号は、複雑ではない。
【0032】
実際には、端末は、自らに割り当てられるリソースブロックの、そして、別のヌメロロジーNRB(j)に関するキャリア帯域のサブキャリア間隔構成に関連するデータ(例えば、f及びf、f及びq又はf及びq)を取得する。端末がRIV値を更に受信するとき、端末は、その際、以下のように、1組NRBstart(j)及びLを復号することができる:
RB(j)及びqに基づいて、端末は以下を計算する:
【数3】
ただし、
【数4】
は床関数であり、
【数5】
は天井関数である。
=rem(NRB(j),q
ただし、rem(Y;X)は、YをXで割る除算の剰余である。
そのRIV値の受信に基づいて、端末は以下を計算する:
【数6】
【0033】
本発明の一態様によれば、RIVは、以下の式によって規定され、
【数7】
ただし、
は、NRB(j)をqで割る除算の剰余であり、
【数8】
である。
【0034】
これにより、送信機が、割り当てられた連続したリソースブロックの割当てごとにRIV値を符号化できるようになり、この符号化は、複雑ではない。
【0035】
さらに、これにより、自らに割り当てられたリソースに従ってRIV値を受信する端末が、このリソース割当ての1組NRBstart(j)及びLを復号できるようになり、この復号は、複雑ではない。
【0036】
実際には、端末は、自らに割り当てられるリソースブロックの、そして、別のヌメロロジーNRB(j)に関するキャリア帯域のサブキャリア間隔構成に関連するデータ(例えば、f及びf、f及びq又はf及びq)を取得する。端末がRIV値を更に受信するとき、端末は、その際、以下のように、1組NRBstart(j)及びLを復号することができる:
RB(j)及びqに基づいて、端末は以下を計算する:
【数9】
、及び、
=rem(NRB(j),q
ただし、rem(Y;X)は、YをXで割る除算の剰余である。
【数10】
そのRIV値の受信に基づいて、端末は以下を計算する:
【数11】
【0037】
本発明の一態様によれば、RIVは、以下の式によって規定され、
【数12】
ただし、rは、NRB(j)をqで割る除算の剰余であり、
【数13】
である。
【0038】
これにより、送信機が、割り当てられた連続したリソースブロックの割当てごとにRIV値を符号化できるようになり、この符号化は、複雑ではない。
【0039】
さらに、これにより、自らに割り当てられたリソースに従ってRIV値を受信する端末が、このリソース割当ての1組NRBstart(j)及びLを復号できるようになり、この復号は、複雑ではない。
【0040】
実際には、端末は、自らに割り当てられるリソースブロックの、そして、別のヌメロロジー、NRB(j)に関するキャリア帯域のサブキャリア間隔構成に関連するデータ(例えば、f及びf、f及びq又はf及びq)を取得する。端末がRIV値を更に受信するとき、端末は、その際、以下のように、1組NRBstart(j)及びLを復号することができる:
RB(j)及びqに基づいて、端末は以下を計算する:
【数14】
、及び、
=rem(NRB(j),q
ただし、rem(Y+X)は、YをXで割る除算の剰余である。
そのRIV値の受信に基づいて、端末は以下を計算する:
【数15】
【0041】
本発明の一態様によれば、RIVは、以下の式によって規定され、
【数16】
ただし、S(j)=NRB(j)−q*l+1である。
【0042】
これにより、送信機が、割り当てられた連続したリソースブロックの割当てごとにRIV値を符号化できるようになり、この符号化は、以前に規定されたRIVの符号化より複雑ではなく、その代わりに、RIV値を受信する端末による1組NRBstart(j)及びLの復号は、以前のRIVの復号より複雑である。
【0043】
実際には、端末は、自らに割り当てられるリソースブロックの、そして、別のヌメロロジーNRB(j)に関するキャリア帯域のサブキャリア間隔構成に関連するデータ(例えば、f及びf、f及びq又はf及びq)を取得する。端末がRIV値を更に受信するとき、端末は、その際、以下のように、1組NRBstart(j)及びLを復号することができる。
RB(j)、q及び端末が受信したRIV値に基づいて、端末は以下のように値Mを計算する。
【数17】
その後、端末は、以下のように、NRBstart(j)及びLを計算する。
【数18】
【0044】
上記で言及されたのと同様に、端末がRIVを復号するたびに、端末は和
【数19】
を計算するか、又はその和を少なくともルックアップテーブルからロードする必要があり、それは、以前のRIVより多くの、復号のための計算リソース及び/又はメモリ記憶域を必要とするので、このRIVの復号はより複雑である。
【0045】
本発明の一態様によれば、キャリア、リソース割当て及び端末は、OFDM多重化を使用するワイヤレス通信プロトコル、又はその変形プロトコルのうちの1つに従って規定される。
【0046】
本発明の一態様によれば、キャリア、リソース割当て及び端末は、5Gプロトコルであるワイヤレス通信プロトコルに従って規定される。
【0047】
本発明の一態様によれば、キャリア、リソース割当て及び端末は、3GPP規格による新無線規格であるワイヤレス通信プロトコルに従って規定される。
【0048】
本発明の第2の態様は、いくつかのサブキャリアを含むキャリア内のリソース割当てのために構成される送信機であって、リソース割当ては、上記キャリアの少なくとも1つのリソースを少なくとも1つの端末に割り当てるためのものであり、該送信機は、
a)キャリアに関して、少なくとも第1f及び第2fの異なるサブキャリア間隔構成を規定することであって、サブキャリア間隔構成のうちの一方はこれらのサブキャリア間隔構成のうちの他方の倍数である、規定することと、サブキャリア間隔fのために許容可能であるサブキャリアの中の最も低い周波数と、サブキャリア間隔fのために許容可能であるサブキャリアの中の最も低い周波数との間の差Δijを規定することと、
b)キャリアにおいて、第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含む少なくとも1つのリソースブロックRBを規定することであって、該RBは、サブキャリア間隔fのために許容可能であるキャリアの上記いくつかのサブキャリアの中の最も低い周波数のサブキャリアを有する、規定することと、キャリアにおいて、第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lを所与の端末に割り当てることと、
を実行するように構成される、送信機に関する。
【0049】
より詳細には、所与の端末への上記リソースブロックの割当てのために、送信機は、
RBのサブキャリアの中のサブキャリア間隔fのために許容可能である最も低い周波数を有するサブキャリアの周波数fjmを決定することと、
同じ端末に割り当てられるL個のリソースブロックのサブキャリアの中の最も低い周波数を有するサブキャリアの周波数fim−startを決定することであって、該周波数fim−startは、fim−start=fjm+(kN)+Δijを満たし、ただし、kは正の整数である、決定することと、
同じ端末に割り当てられるL個のリソースブロックのサブキャリアの中の最も高い周波数を有するサブキャリアの周波数fim−endを決定することであって、該周波数fim−endは、fim−end=fim−start+(LN−1)を満たす、決定することと、
を行うように更に構成される。
【0050】
本発明の一態様によれば、送信機は、数NRBstart(j)及びLの取り得る値の組ごとに、そのメモリ内に固有リソース指示値RIVを有するメモリユニットを備え、
NRBstart(j)は第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中にキャリアにおいて許容可能である上記周波数fim−startより低い周波数のサブキャリアを有する第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数である。
【0051】
より詳細には、送信機は、
及びNRBstart(j)の組によって規定される同じ端末へのリソースブロックの割当てが実行されるときに、RIVを与え、
RIVを上記所与の端末に送信する、
ように更に構成される。
【0052】
例えば、送信機のプロセッサは、割り当てられるリソースブロックのサブキャリア間隔構成に対応する、そして、それに代わって対応するRIV値を与える、別のヌメロロジーNRB(j)に関するキャリア帯域に対応するルックアップテーブル内に数NRBstart(j)及びLの値を入力することができる。
【0053】
メモリユニットが、数NRBstart(j)及びLの取り得る値の組ごとに、そのメモリ内に固有リソース指示値RIVを有する本発明の態様の一代替形態によれば、プロセッサは、上記で言及された式を適用することによってRIVを計算することができる。
【0054】
本発明の第3の態様は、キャリア内で実行されるリソース割当てに従ってキャリアを使用するように構成される端末に関し、このリソース割当ては、上記で説明されたように本発明に従って実行された。端末は、上記第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lを使用するように構成され、
端末は、
端末に割り当てられ、第2のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの少なくとも数Lの割当てを指示する割当てリソースブロック情報を、制御チャネルを通して受信するように構成される通信モジュールと、
割当てリソースブロック情報に従って、端末に割り当てられるリソースブロックを特定するように構成される処理モジュールと、
を備え、
より詳細には、処理モジュールは、端末に割り当てられるリソースブロックを、
同じ端末に割り当てられる上記L個のリソースブロックのサブキャリアの中の最も低い周波数を有するサブキャリアの周波数fim−startを有するものとして特定することであって、該周波数fim−startは、fim−start=fjm+(kN)+Δijを満たし、ただし、kは正の整数である、特定することと、
同じ端末に割り当てられる上記L個のリソースブロックのサブキャリアの中の最も高い周波数を有するサブキャリアの周波数fim−endを有するものとして特定することであって、該周波数fim−endは、fim−end=fim−start+(LN−1)を満たす、特定することと、
を行うように構成される。
【0055】
一代替形態によれば、端末は、数NRBstart(j)及び上記Lの取り得る値の組ごとに、固有リソース指示値RIVを記憶するメモリユニットを更に備え、
NRBstart(j)は、上記第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの期間中に上記キャリアにおいて許容可能である上記周波数fim−startより低い周波数のサブキャリアを有する第1のサブキャリア間隔構成fのN個のサブキャリアを含むリソースブロックの最大数であり、より詳細には、処理モジュールは、上記割当てリソースブロック情報内のRIV値を受信すると、上記メモリユニットを読み出し、組の値L及びNRBstart(j)を特定するように構成される。
【0056】
例えば、端末の処理モジュールは、受信されたRIV値を、自らに割り当てられるリソースブロックのサブキャリア間隔構成に対応する、そして、それに代わって数NRBstart(j)及びL値の対応する1組を与える、別のヌメロロジーNRB(j)に関するキャリア帯域に対応するルックアップテーブル内に入力する。
【0057】
本発明によれば、端末は、全てのタイプの端末、例えば、モバイルフォン、車両通信システム及び全ての種類の被接続デバイス、より一般的には、全ての終端システムを含む。
【0058】
メモリユニットが、数NRBstart(j)及びLの取り得る値の組ごとに、そのメモリ内に固有リソース指示値RIVを有する本発明の態様の一代替形態によれば、処理モジュールは、特定のRIVに対応する数NRBstart(j)及び数Lを計算できるようにする上記で言及された計算ステップを適用することによって、数NRBstart(j)及びL値の1組を計算することができる。
【0059】
例えば、端末がRIVを受信し、NRB(j)及びqの知識及び端末が受信したRIV値に基づいて、処理モジュールが、以下のように、値Mを計算する。
【数20】
【0060】
その後、処理モジュールは、以下のように、NRBstart(j)及びLを計算する。
【数21】
【0061】
本発明の第4の態様は、プロセッサによって実行されるとき、上記で説明された方法を実行するコード命令を含む、コンピュータープログラム製品に関する。
【0062】
本発明は、添付図面の図に、限定としてではなく例として示される。添付図面において、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】送信機と、リソースが割り当てられる端末とを示す図である。
図2A】1つのヌメロロジーのみが規定されるキャリアにおける通常のリソースブロックスケジューリングの概略図である。
図2B】いくつかのサブキャリア間隔構成が普通に共存するキャリア内の通常のリソースブロックスケジューリングの概略図である。
図2C】いくつかのサブキャリア間隔構成が共存するキャリア内の本発明によるリソースブロックスケジューリングの概略図である。
図3A】割当てリソースブロック情報を送信するステップを表すフローチャートである。
図3B】割当てリソースブロック情報を端末によって受信するステップと、この情報を復号して、端末に割り当てられるリソースブロックを規定するステップとを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1を参照すると、送信機1、例えば、NR等のOFDMベース5Gシステムにおける基地局BSと、送信機のセル内にある端末とが示される。端末2、例えば、NR等のOFDMベース5Gシステムにおけるユーザー機器UEは、基地局によってリソースを割り当てられる。
【0065】
送信機1は、1つの通信モジュール(COM_trans)3と、1つの処理モジュール(PROC_trans)4と、メモリユニット(MEMO_trans)5とを備える。MEMO_trans5は、コンピュータープログラムを読み出す不揮発性ユニットと、割当てパラメーターを読み出す揮発性ユニットとを備える。PROC_transは、端末に割り当てられるリソースブロックに従って、RIV値等の割当てリソースブロック情報を決定するように構成される。COM_transは、リソースブロック情報を端末に送信するように構成される。
【0066】
端末は、1つの通信モジュール(COM_term)6と、1つの処理モジュール(PROC_term)7と、メモリユニット(MEMO_term)8とを備える。MEMO_term8は、コンピュータープログラムを読み出す不揮発性ユニットと、キャリアのパラメーター及び割当てリソースブロック情報を読み出す揮発性ユニットとを備える。PROC_term7は、割当てリソースブロック情報に従って、上記端末に割り当てられるリソースブロックを決定するように構成される。COM_term6は、割当てリソースブロック情報を送信機から受信するように構成される。
【0067】
以下において、キャリア帯域の一部のみ、又はキャリア帯域の所定の部分のみが表される。
【0068】
図2Aを参照すると、1つのヌメロロジーのみが規定され、このヌメロロジーからのリソースブロックがスケジューリングされるキャリアの部分が示される。例えば、LTE/LTE−Advancedにおいて、キャリアは一般に、20MHzの倍数である帯域幅を有する。この帯域幅の約90%が、通信要件のために実効的に使用される。周波数領域では、リソース割当てプロセスにおいて、サブキャリアのグループが端末に割り当てられる。LTE/LTE−Advancedにおいて、サブキャリアは、それぞれ12個のサブキャリアからなるリソースブロック(RB)にグループ分けされる。ユーザーが或る特定の数のリソースブロックを、それゆえ、或る特定の帯域幅を割り当てられるという意味において、リソースブロックは、リソース割当て粒度を規定する。LTE/LTE−Advancedにおいて、2つの隣接するサブキャリア間のサブキャリア間隔、すなわち、周波数間隔は15kHzに固定される。それゆえ、リソースブロックの周波数帯域幅は固定され、キャリア内のリソースブロックの取り得る数はキャリア帯域幅のみに依存する。
【0069】
ヌメロロジーに、より具体的には、サブキャリア間隔構成に、そしてOFDMシンボルのTTI構成/数にはラスターが対応し、ラスターのソケットは、周波数領域内の同じヌメロロジーのリソースブロックのサイズに対応する。全てのリソースブロックが、このラスター上に位置合わせしてスケジューリングされる。ラスター上にネスト化された各潜在リソースブロックは整数を付される。例えば、論理領域において、仮想リソースブロックが1〜Mの番号を付けられ、Mは、キャリア内で許容可能であるリソースブロックの最大数である。仮想リソースブロック番号1は論理領域内の第1のリソースブロックであり、第Mのリソースブロックは、キャリアの最後のリソースブロックである。例えば、LTE/LTE−Aにおいて、いくつかの割当て方式が存在し、リソース割当てタイプ2は、コンパクトなフォーマットであり、ダウンリンク転送又はアップリンク転送のために端末に割り当てられる連続した仮想リソースブロックの組を端末に指示する。それゆえ、端末に割り当てられる第1のリソースブロックRBstartに対応するリソース指示値(RIV)と、仮想的に連続して割り当てられるリソースブロックに関する長さLとが端末に送信される。RIVは以下によって定義することができる。
【数22】
ただし、NRBstartは、RBstartの位置に対応する番号である。
【0070】
RIV値によって、端末は、自らに割り当てられる第1の仮想リソースブロックRBstartの位置と、端末に割り当てられる仮想的に連続したリソースブロックの数とを復号できるようになる。RBstart及びLが復号されると、端末は、端末に割り当てられたリソースブロックを規定することができる。
【0071】
図2Bを参照すると、いくつかのサブキャリア間隔構成が共存し、これらの異なるヌメロロジーのうちの2つからのリソースブロックがスケジューリングされるキャリアの部分が示される。これは、NR(新無線)規格等のOFDMベース5Gシステムにおいてとりわけ可能である。例えば、図2Bにおいて、3つのサブキャリア間隔構成が共存し、それらはf、f及びfである。BWが、キャリアの実効的に占有される帯域幅である。キャリア内で許容可能である特定のヌメロロジーのリソースブロックの最大数は、
【数23】
である。fの或る特定の値に関して、例えば、帯域エッジにおいて、N個未満のサブキャリアを含む部分(fractional)RBが許される場合には、1つの拡張(extra)RBが存在できることに留意されたい。数値に関する例として、{f、f、f}=(15kHz、30kHz、120kHz}であり、リソースブロックあたり12キャリアである。枠は、時間領域のOFDMシンボルの一定の数(例えば、7OFDMシンボル)にわたって、周波数領域において12個のサブキャリアを含むリソースブロックを表す。それゆえ、時間領域において、スケジューリング単位の持続時間は、ヌメロロジーが異なれば異なり、T0>T1>T2(この例において、f=2f=4fであるとき、T=T/2=T/4)である。異なるヌメロロジーに関して、Ti/Tj=f/fである。図2Bは、異なるサブキャリア間隔構成がスケジューリングされる2つのリソースブロックを示す。上側リソースブロックRBは、fのサブキャリア間隔構成と、Tの持続時間とを有し、その下にある、1つのリソースブロックRBは、fのサブキャリア間隔構成と、Tの持続時間とを有する。この例において、RBは論理帯域内の第1の仮想リソースブロックであると仮定する。これらのリソースブロックはそれぞれ、自らのラスター上にネスト化されるので、この場合、RBはRBに隣接することはできない。それゆえ、RBを自らのラスター上に位置合わせできるようにするために或る間隙が課せられ、その結果、キャリア内にリソースの損失が生じる。図2Bの例では、Δij=0、∀i,j∈{0,1,2}が考慮された。
【0072】
図2Cを参照すると、図2Bの例と同様に、いくつかのサブキャリア間隔構成が共存し、これらの異なるヌメロロジーのうちの2つからのリソースブロックがスケジューリングされるキャリアの部分が示される。より具体的には、3つのサブキャリア間隔構成が共存し、それらはf、f及びfであり、ただし、f=2f=4fである。図2Bと同様に、そのキャリアにおいて、異なるサブキャリア間隔構成を有する2つのリソースブロックがスケジューリングされる。図2Bとは異なり、本発明によれば、RBは実際には自らのラスター上にネスト化されず、RBは異なるラスター上に、この場合には、RBのラスター上に位置合わせされる。RBのラスターはRBのラスターより細かいので、RBはより自由に配置することができ、それゆえ、RBとRBとの間の間隙を回避することができる。
【0073】
それゆえ、送信機は、L個の連続したリソースブロックの組を端末に割り当て、割り当てられる第1のリソースブロックはRBstart(1)である。それゆえ、送信機によって端末に割り当てられるサブキャリア間隔構成fのラスター上で開始して、サブキャリア間隔構成fのL個の連続したリソースブロックの割当てに対応する特定のRIVが規定される。
【0074】
例えば、
【数24】
である。
【0075】
ただし、rは、NRB(0)を2で割る除算の剰余であり、NRBstart(0)はRBstart(1)の位置に対応する番号である。
【0076】
図3Aを参照すると、キャリア内のリソースブロックを送信機によって端末に割り当てるための、本発明の一態様によるステップを表すフローチャートが示される。
【0077】
ステップ11(S11)において、送信機は、端末に、キャリア帯域幅BWと、サポートされるヌメロロジー及び/又は必要に応じて、ラスター位置合わせ(例えば、Δij)に関する情報とを含む、セル設定に関するパラメーターを送信する。より具体的には、送信機は、端末に、端末が少なくとも以下のパラメーター:f、f、NRB(0)を直接知ることができるか、又は推定できるようにする情報を送信する。
【0078】
ステップ12(S12)において、送信機は、端末に、割当てパラメーター、例えば、どのタイプのリソースブロック(リソースブロックのサブキャリア間隔構成)が端末に割り当てられることになるか、それゆえ、いくつかの組を取り得る場合には、RIV値を復号するために式又はルックアップテーブルのどの組が必要になるかを端末が推定できるようにする指示を送信する。
【0079】
ステップ13(S13)において、送信機は、送信機が端末に割り当てる連続したリソースブロックを規定する。
【0080】
ステップ14(S14)において、送信機は、制御チャネルを通して、RIV値を送信する。RIV値は、送信機が端末に割り当てる連続したリソースブロックに基づいて、上記で言及されたRIV式で計算される。
【0081】
図3Bを参照すると、端末に割り当てられたリソースブロックを端末によって規定するための、本発明の一態様によるステップを表すフローチャートが示される。
【0082】
ステップ21(S21)において、端末は、送信機から、帯域幅BWと、サポートされるヌメロロジー及び/又は必要に応じて、ラスター位置合わせ(例えば、Δij)に関する情報とを含む、セル設定に関するパラメーターを受信する。より具体的には、端末は、送信機から、端末が少なくとも以下のパラメーター:f、f、NRB(0)を直接知ることができるか、又は推定できるようにする情報を受信する。
【0083】
ステップ22(S22)において、端末は、送信機から、割当てパラメーター、例えば、どのタイプのリソースブロック(リソースブロックのサブキャリア間隔構成)が端末に割り当てられることになるか、それゆえ、いくつかの組を取り得る場合には、RIV値を復号するために式又はルックアップテーブルのどの組が必要になるかを端末が推定できるようにする指示を受信する。
【0084】
ステップ23(S23)において、端末は、送信機から、制御チャネルを通して、端末に割り当てられたリソースブロックに対応するRIV値を受信する。
【0085】
ステップ24(S24)において、NRB(0)及びq=2の知識に基づいて、端末が以下を計算する:
、NRB(0)を2で割る除算の剰余、及び、
【数25】
、及び、
そのRIV値の受信に基づいて、端末が以下を計算する:
【数26】
【0086】
L及びNRBstart(0)が復号されるとき、端末は、自らに割り当てられたリソースブロックを規定している。
【0087】
当然、本発明は、上記で詳細に説明された実施形態の例には限定されず、更なる代替の実施形態も含む。
【0088】
例えば、本発明は特定の帯域幅のキャリア帯域を参照するが、本発明は、キャリア帯域全体の所定の部分、より具体的には、自らのリソース割当て及び制御シグナリングが生じる可能性がある最大帯域であると端末によって見なされる所定の部分において実施することもできる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B