(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサーと電気的に通信しているセンサーを更に具備し、前記センサーがユーザー応答を検出することができ、かつ前記プロセッサーが前記ユーザー応答に基づいてユーザー応答データを生成することができる、請求項1に記載の通電性眼用レンズ。
前記通知メカニズム、前記レシーバー、前記電力源、前記プロセッサー、及び前記導電トレースを封入することができる媒体インサートを更に具備し、前記ソフトレンズ部分が前記媒体インサートを封入し得る、請求項1に記載の通電性眼用レンズ。
前記シリアル認証コードの少なくとも一部を前記所定の発信元スマートフォンに無線で伝送することができる検証トランスミッターを更に具備する、請求項2に記載の通電性眼用レンズ。
前記プロセッサーと電気的に通信しているトランスミッターを更に具備し、前記トランスミッターが、前記所定の発信元スマートフォン内で所定のアクションがトリガーされ得る前記ユーザー応答データを前記所定の発信元スマートフォンに伝送することができる、請求項3に記載の通電性眼用レンズ。
前記レシーバーが前記伝送アダプターからの赤外線伝送を介して前記所定の発信元スマートフォンから前記スマートフォンイベントデータを受信することができ、前記赤外線伝送が所定の赤外線波長の所定のパターン化パルスを含む、請求項1に記載の通電性眼用レンズ。
前記媒体インサートが、前記電力源及び前記プロセッサーと電気的に通信する通電性素子を更に具備し、前記媒体インサートが、第2の機能性を提供し得る、請求項4に記載の通電性眼用レンズ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、スマートフォンとの無線通信を介してアクティブ化され得る、スマートフォンイベントインディケータ付き通電性眼用レンズについて記述する。概して、本発明の幾つかの例示的実施形態によれば、スマートフォンイベントインディケータは、通電性眼用レンズ(例えば、媒体インサートを具備する眼用レンズなど)に動作可能に関連し得る。幾つかの例示的実施形態においては、通電性眼用レンズがスマートフォンからスマートフォンイベントデータを無線で受信すると、スマートフォンイベントインディケータがアクティブ化され得る。そのような例示的実施形態において、通電性眼用レンズはまた、応答データをスマートフォンに伝送によって返すことができる。この伝送によって、スマートフォン内で指定されたアクションがトリガーされ得る。
【0011】
本発明の例示的実施形態については、以下の項で更に詳細に説明する。好適な実施形態及び代替実施形態が記述されているが、両方とも専ら例示的な実施形態であり、変形態様、修正、及び代替が当業者にとって明らかであり得ることが理解される。したがって、例示的実施形態は、基礎となる発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。
【0012】
用語集
本発明に係る明細書及び特許請求の範囲においては、以下の定義が適用される様々な用語が使用され得る。
本明細書において「後方湾曲ピース(Back Curve Piece)」又は「後方インサートピース(Back Insert Piece)」とは、インサート内に組み付けられた際に、眼用レンズの、後方になる側の位置を占有するマルチピース型インサートの固体要素を指す。眼用レンズでは、そのようなピースは、装着者の眼の表面により近いインサートの面上に配置される。幾つかの例示的実施形態において、後方湾曲ピースは、眼用デバイスの中心部における領域を含む場合もあり、この領域を通じて光が装着者の眼の内部に進入する。この領域は光学ゾーンと呼ばれる場合もある。他の例示的実施形態において、ピースは、光学ゾーン内の領域の一部又は全体を含まない環状の形状をとり得る。眼用インサートの幾つかの例示的実施形態では、複数の後方湾曲ピースが存在する場合もあり、それらのうちの1つは光学ゾーン含み得る一方、他のものは環状であるか又は環の一部分であり得る。
【0013】
本明細書において「部品」とは、エネルギー源から電流を引くことができ、それによって論理的状態又は物理的状態の1つ又は2つ以上の変化を生じ得るデバイスを指す。
【0014】
本明細書において「堆積物」とは、例えばコーティング又はフィルムのような任意の材料塗布物を指す。
【0015】
本明細書において「電気的に導通する」とは、電場の影響を受けることを指す。導電材料の場合、その影響が電流の流れに起因するものである場合もあれば、又はその影響を受けた結果として電流の流れが生ずる場合もある。他の材料において、電位場は、例えば、永久双極子及び誘導された分子双極子を磁力線に沿って配向する傾向などの影響が及ぶ原因となり得る。
【0016】
本明細書において「封入」とは、実体(例えば、媒体インサート)をその実体に隣接する環境から隔てるバリアを作ることを指す。
【0017】
本明細書において「封入材」とは、実体(例えば、媒体インサート)周囲に形成される層で、実体を隣接した環境から隔てるバリアとなるものを指す。例示的な封入材は、エタフィルコン、ガリフィルコン、ナラフィルコン及びセノフィルコンなどのシリコーンヒドロゲル、又は他のヒドロゲルコンタクトレンズ材料を含んで構成される。幾つかの例示的実施形態において、封入材は特定の物質を実体内に包含すべく半透性であってもよく、水などの特定の物質が実体の内部に入り込むのを防止し得る。
【0018】
本明細書において「通電した」とは、電流の供給が可能であるか、又は電気的エネルギーを内部に蓄積させることが可能な状態であることを指す。
【0019】
本明細書において「付勢方向」とは、エネルギー源からの給電を受けた電位場の作用による影響が及んだときの、液晶分子の配向を指す。例えば、エネルギー源がオン又はオフのいずれかとして作動しているときに、液晶を具備するデバイスは1つの付勢方向を有し得る。他の例示的実施形態において、付勢方向は、印加されたエネルギーの量による影響が及んだ規模に合わせて変化し得る。
【0020】
本明細書において「エネルギー」とは、或る物理系が仕事を遂行するためのキャパシティを指す。本発明の範囲内で用いられている場合、仕事中に電気的作用を為し得るキャパシティに関して言うことが多い。
【0021】
本明細書において「環境発電機(Energy Harvester)」とは、環境からエネルギーを取り出して電気エネルギーに変換することができるデバイスを指す。
【0022】
本明細書において「エネルギー源」とは、エネルギーを供給し、又は論理デバイス若しくは電気デバイスを通電状態にすることができる任意のデバイス又は層を指す。
【0023】
本明細書において「イベント」とは、例えば、特定の物体のバイオマーカーレベル、通電レベル、pHレベル、又は視界(visual recognition)などの、定義済みパラメーターセットを指す。イベントは、或る装着者に特有のものである場合もあれば、又は例えば温度などのように全ての装着者に一般に適用可能ものである場合もある。
【0024】
本明細書において「前方湾曲ピース(Front Curve Piecce)」又は「前方インサートピース(Front Insert Piece)」とは、インサート内に組み付けられた際に、眼用レンズの、前方になる側の位置を占有するマルチピース型の剛性インサート又は媒体インサートの固体要素を指す。眼用レンズでは、そのようなピースは、装着者の眼の表面からより遠い面のインサート上に配置される。幾つかの例示的実施形態において、ピースは、眼用デバイスの中心部における領域を含む場合もあり、この領域を通じて光が装着者の眼の内部に進入する。この領域は光学ゾーンと呼ばれる場合もある。他の例示的実施形態において、ピースは、光学ゾーン内の領域の一部又は全体を含まない環状の形状をとり得る。眼用インサートの幾つかの例示的実施形態においては、複数の前方湾曲ピースが存在する場合もあり、それらのうちの1つが光学ゾーンを含み得る一方、他のものは環状であるか又は環の一部分であり得る。
【0025】
本明細書において「機能化」とは、例えば通電、作動、又は制御などの機能を層又はデバイスが実行できるようにすることを指す。
【0026】
本明細書において「インサートピース」とは、マルチピース型剛性インサート又は媒体インサートに組み入れることの可能な固体要素を指す。眼用デバイスにおいてインサートピースは、眼用デバイスの中心部における領域を含む場合もあり、この領域を通じて光がユーザーの眼の内部に進入し得る。この領域は視力領域と呼ばれる場合もある。他の例示的実施形態において、ピースは、光学ゾーン内の領域の一部又は全体を含まない環状の形状をとり得る。幾つかの例示的実施形態において、剛性インサート又は媒体インサートは複数のインサートピースを含む場合がある。それらのインサートピースのなかには視力領域を含み得るものもある一方、環状であるか又は環の一部分であり得るものもある。
【0027】
本明細書において「眼用レンズ」(即ち、眼用デバイス又はレンズ)は、眼の中に嵌められるか又は眼の上に載置される任意の眼用デバイスを指す。デバイスは視力矯正を提供してもよく、美容のためのものであるか、又は光学的性質と関係のない何らかの機能性を提供してもよい。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼用インサート、光学インサート、あるいは視力が矯正若しくは変更されるか、又は視力を妨げることなく眼の生理機能が美容的に拡張される(例えば、虹彩色)他の同様のデバイスを指してもよい。あるいは、レンズは、視覚矯正以外の機能で眼上に載置され得るデバイス(例えば、涙液の構成成分のモニタリング又は有効成分の投与の手段)を指す場合もある。実施形態によっては、本発明の好ましいレンズは、例えば、シリコーンヒドロゲル類及びフロオロヒドロゲル類を含んでもよい、シリコーンエラストマー類又はヒドロゲル類で作られたソフトコンタクトレンズであってもよい。
【0028】
本明細書において「レンズ形成混合物(Lens-Forming Mixture)」、又は「反応性混合物(Reactive Mixture)」(RMM)とは、硬化及び架橋又は架橋によって眼用レンズを形成し得る、モノマー組成物又はプレポリマー材料を指す。様々な例示的実施形態は、UV遮断剤、染料、光開始剤、又は触媒、及びコンタクトレンズ若しくは眼内レンズなどの眼用レンズにおいて有益であり得る他の添加剤を含む、1つ以上の添加剤を有するレンズ形成混合物を含むことができる。
【0029】
本明細書において「レンズ形成面」とは、レンズの成型に使用される場合がある面を指す。幾つかの例示的実施形態では、任意のそのような面は、光学品質面仕上げを有することができ、光学品質面仕上げとは、成形型の面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ面が光学的に許容可能であるように形成されている、十分に滑らかな表面を示す。更に、幾つかの例示的実施形態では、レンズ形成面は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要とされ得る幾何学形状を有していてもよい。所望の光学特性としては、例えば、球面、非球面及び円筒屈折力、波面収差矯正、並びに角膜トポグラフィ矯正などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書において「液晶」とは、従来の液体と固体結晶との間の特性を有する物質の状態を指す。液晶は、固体とは見なされ得ないが、その分子はある程度の整列を呈する。本明細書で使用するとき、液晶は、特定の相又は構造に限定されることはないが、液晶は特定の静止配向を有することができる。液晶の配向及び相は、液晶の部類に応じて、外部力(例えば、温度、磁気、又は電気)によって操作され得る。
【0031】
本明細書において「媒体インサート(媒体インサート)」とは、通電した眼用デバイス内に内蔵される封入インサートを指す。媒体インサート内には、通電素子及び回路機構が埋め込まれてもよい。媒体インサートによって、通電した眼用デバイスの主用途が定まる。例えば、通電した眼用デバイスでユーザーが光学的屈折力を調節できる例示的実施形態においては、光学ゾーンにて液体メニスカス部分を制御する通電素子を、媒体インサートに具備させてもよい。あるいは、媒体インサートは、光学ゾーン内に材料が含まれないような環状のものであってもよい。そのような例示的実施形態では、レンズにおいて通電した機能が光学品質であるとは限らないが、例えば、グルコースのモニタリング又は薬剤の投与であり得る。
【0032】
本明細書において「成形型」とは、未硬化の配合物からレンズを形成する目的に使用できる剛性又は半剛性の物体を指す。幾つかの好適な成形型は、前方湾曲成形型部分と後方湾曲成形型部分とを形成する2つの成形型部分を備えて構成され、各成形型部分は少なくとも1つの許容可能なレンズ形成表面を有する。
【0033】
本明細書において「視力領域」とは、眼用レンズのユーザーがそこを通して見ることになる、眼用レンズの区域を指す。
【0034】
本明細書において「ペアリング(Paring)」とは、指定されたスマートフォンに特定の通電性眼用レンズを認識させるアクションを指す。ペアリングによって、通電性眼用レンズが誤って、ペアリングされていないスマートフォンと通信するのを防ぐことも可能であるし、又はペアリングによって、通電性眼用レンズと意図されたスマートフォンとの間の通信を保証することも可能である。ペアリングは、眼上で若しくは使用前に為される場合もあれば、又は幾つかの態様においては眼上及び使用前の両方において為される多段階式プロセスを含む場合もある。ペアリングの手法としては、例えば、Bluetoothプロファイルの同期化、又は無線周波数識別の問い合わせ及び応答を挙げることができる。
【0035】
本明細書において「予備硬化(Precure)」とは、混合物を部分的に硬化させるプロセスを指す。幾つかの例示的実施形態において、予備硬化プロセスは、期間を短縮した完全硬化プロセスを含み得る。あるいは、予備硬化は、例えば、材料の完全硬化に用い得るものと異なる温度及び光の波長に混合物を曝露することによる、独自のプロセスを含んでもよい。
【0036】
本明細書において「前投入(Predose)」とは、プロセスを完了するうえで必要となり得る全量よりも少ない量での材料の初期堆積を指す。例えば、前投入は必要な物質の4分の1を含んでもよい。
【0037】
本明細書において「後投入(Postdose)」とは、プロセスを完了するうえで必要となり得る前投入後の残余数量にて材料を堆積させることを指す。例えば、前投入が必要な物質の4分の1を含む場合には、後続の後投入は物質の残りの4分の3を提供してもよい。
【0038】
本明細書において「電力(Power)」とは、単位時間当たりに行われる仕事又は移動するエネルギーを指す。
【0039】
本明細書において「再充電可能(Rechargeable)」又は「再通電可能(Re-energizable)」とは、仕事を遂行するためのより高いキャパシティを有する状態まで回復可能であることを指す。本発明の範囲内で用いられている場合、再確立された特定の時間にわたって特定の速度で電流を流すことが可能になる状態に回復される能力に関して言うことが多い。
【0040】
本明細書において「再通電(Reenergize)」又は「再充電(Recharge)」とは、仕事を遂行するためのより高いキャパシティを有する状態まで回復させることを指す。本発明の範囲内で用いられている場合、再確立された特定の時間にわたって特定の速度で電流を流すことが可能になるまでデバイスを回復させることに関して言うことが多い。
【0041】
本明細書において「剥離された(Released)」又は「成形型から離型された(Released from a Mold)」とは、成形型から完全に分離されているか、又は軽く揺らして取り外せるか若しくは綿棒で押し出せるようにごく緩く付着しているレンズを指す。
【0042】
本明細書において「剛性インサート(Rigid insert)」とは、所定のトポグラフィを維持するインサートを指す。コンタクトレンズ内に含められると、剛性インサートはレンズの機能性及び/又は弾性率に寄与してもよい。例えば、剛性インサートのトポグラフィ又はその内部の密度を変化させることが、乱視の使用者の視力を矯正し得るゾーンを規定してもよい。剛性インサートは、眼上に眼用レンズを載置することも取り外すことも可能にするための可撓性を有し得る。
【0043】
本明細書において「スマートフォン」とは、モバイルオペレーティングシステム上に構築されたモバイルフォンを指す。スマートフォンは概して、フィーチャーフォンよりも高度な処理能力を有し得る。
【0044】
本明細書において「安定化機構(Stabilizing Feature)」とは、眼用デバイスが眼上に載置されているときに、その眼用デバイスを眼上の特定の向きに安定化させる物理的特性を指す。幾つかの例示的実施形態において、安定化機構は、眼用デバイスを安定させるのに十分な質量を加え得る。幾つかの例示的実施形態においては、安定化機構が眼瞼に察知可能になり、かつユーザーが瞬きによってレンズの向きを変えることができるように、安定化機構が前方湾曲面に変更を施し得る。そのような例示的実施形態は、質量を加えることの可能な安定化機構を組み込むことによって改良され得る。一部の例示的実施形態では、安定化機構は、封入生体適合性材料とは別個の材料であってもよく、成形プロセスとは別個に形成されるインサートであってもよく、あるいは剛性インサート又は媒体インサート内に含まれてもよい。
【0045】
本明細書において「基板インサート(Substrate Insert)」とは、エネルギー源を支持することができ、かつ眼用レンズの上部に又は内部に載置され得る、形成可能又は硬質の基板を指す。特定の実施形態では、基板インサートは、1つ以上の部品も更に支持する。
【0046】
本明細書において「三次元表面(Three-dimensional Surface)」又は「三次元基材(Three-dimensional Substrate)」とは、平面表面とは対照的に三次元的に形成され、特定の用途に対応すべくトポグラフィが設計されている任意の表面又は基材を指す。
【0047】
本明細書において「トレース(Trace)」とは、回路部品を電気的に接続することができるバッテリー部品を指す。例えば、回路トレースは、基板がプリント基板であり、フレックス回路内の銅、金、又は印刷堆積物であり得る場合、銅又は金を含んでもよい。トレースはまた、非金属物質、化学物質、又はこれらの組み合わせを含んで構成され得る。
【0048】
本明細書において「可変光学(Variable Optic)」とは、光学品質(例えば、レンズの光学能又は偏光角)が変化するためのキャパシティを指す。
【0049】
眼用レンズ
図1を参照すると、眼100,150の上側に、無線スマートフォンと無線通信することができる通電性眼用レンズ110、160の例示的実施形態が図示してある。幾つかの例示的実施形態において、眼用レンズ110は、軟質の生体適合性部分114、レシーバー112付きプロセッサー、通知メカニズム111、及び導電トレース113を含み得る。或る例示的実施形態では、眼用レンズ110に電力源を含めることは必須ではなく、無線エネルギー伝送メカニズムを介して眼用レンズ110に受電させることも可能である。例えば、スマートフォンに対し指定された近接度で眼用レンズ110を載置することによって、センサー及び通知メカニズムの充電(charge)が可能になる。あるいは、スマートフォンイベントが発生したときに、通知メカニズムをスマートフォンに無線で駆動させることも可能である。
【0050】
媒体インサート内に部品111〜113を封入できない場合もあれば、軟質の生体適合性部分114が部品111〜113と直接接触する場合もある。そのような例示的実施形態において、軟質の生体適合性部分114は、部品111〜113を封入し得る。部品111〜113は、封入によって眼用レンズ110内部の特定の深度にて保持され得る。あるいは、部品111〜113を基板インサート上に具備させることも可能である。軟質生体適合性部分114を追加する前に、基板インサートを形成してもよいし、この基板上に部品111〜113を配置してもよい。
【0051】
通電した眼用デバイス154用、及び対応する通電した眼用デバイス160用の、媒体インサート155の例示的な代替実施形態が示されている。媒体インサート155は視力領域165を含み得るが、この視力領域165にて、例えば、視力矯正などの第2の機能性を提供することは必須ではない。眼用デバイスにおいて通電した機能が視力に関連したものでない場合、媒体インサート155の視力領域165には材料が存在せずともよい。幾つかの例示的実施形態において、媒体インサート155は、光学ゾーン165内以外の部分(即ち、電力源163などの通電素子、及びプロセッサー162などの電子部品と一体に組み込まれた基板を備えた部分)を含み得る。
【0052】
幾つかの例示的実施形態においては、例えば、バッテリーとプロセッサー162(半導体ダイを含む)とを具備してなる電力源163を、基板に取り付けてもよい。そのような幾つかの態様においては、電子部品162、161と通電素子163とを、導電トレース166を介して電気的に相互接続し得る。
【0053】
幾つかの例示的実施形態においては、眼用レンズ160の機能性のパラメーターが確立されるように、プロセッサー162をプログラミングすることが可能である。例えば、眼用レンズ160が光学ゾーン120内に可変光学部分を含む場合、通電による光学能を設定すべくプロセッサーをプログラミングすることも可能である。そのような実施形態では、構成は同じでありながらも独自にプログラミングされたプロセッサーを具備する媒体インサートの大量生産を可能にしている。
【0054】
電気部品161〜163、165、166を媒体インサート155内に封入する前にプロセッサーをプログラミングしてもよいし、あるいは、封入後にプロセッサー162を無線でプログラミングすることも可能である。無線プログラミングでは、製造工程の後に、例えばプログラミング装置を用いてのカスタマイズが可能である。
【0055】
幾つかの例示的実施形態においては、スマートフォンからのイベントデータを感知して無線で受信することができるレシーバー161を、媒体インサート155に更に具備させてもよい。レシーバー161は、例えば、導電トレース166を介してプロセッサー162及び電力源163に電気的に導通し得る。
【0056】
例証のため、媒体インサート155を、光学ゾーン165内の部分を必ずしも含まない環状の実施形態にて図示してある。一方、媒体インサート155の機能性が視覚に関連する可能性がある場合は、光学ゾーン165内の通電性要素を媒体インサート155に具備させてもよい。例えば、それぞれの通電レベルに基づいて複数の視力矯正倍率を提供できる可変光学部分を、媒体インサート155に具備させてもよい。
【0057】
媒体インサート155は、通電素子163、トレース166、及び電子部品162を保護し、封じ込めるために完全に封入することができる。幾つかの例示的実施形態において、封入材料は半透性のものとすることができる。それによって、例えば、水などの特定の物質が媒体インサート155に浸入するのを防止できると共に、周囲の気体又は通電素子内部の反応の副生成物などの特定の物質が媒体インサート155に浸透するか又は媒体インサート155から流出できるようになる。
【0058】
幾つかの例示的実施形態において、媒体インサート155は、ポリマー生体適合性物質を含み得る眼用デバイス160に組み込むことが可能である。眼用デバイス160は、剛性の中心と軟質の裾部とからなる設計を有してもよく、中心の剛性の光学素子が媒体インサート155を含む。幾つかの特定の例示的実施形態において、媒体インサート150は、大気及び角膜表面とそれぞれ前面及び後面において直接接触してもよく、又は代わりに、媒体インサート155が眼用デバイス160内に封入されてもよい。眼用デバイス160の周辺部164は、軟質の裾材料であってもよく、この材料としては、例えば、ヒドロゲル材料などの重合反応モノマー混合物が挙げられる。
【0059】
図2を参照すると、スマートフォンから眼上の通電性眼用レンズへの無線通信の例示的実施形態が図示してある。幾つかの例示的実施形態200において、スマートフォン205は、所定のスマートフォンイベントの発生に基づいて、イベントデータ206を眼用レンズ204上のレシーバー202に伝送できる。伝送されたイベントデータ206によって、通知メカニズム201のアクティブ化がトリガーされ得る。例えば、図示されているように、通知メカニズムは、イベント206によって照射が促される光源を含み得る。そのような例示的実施形態では、光源を眼に指し向け得る。あるいは、眼用レンズ204が光線を反射又は分散させる場合があり、その場合、光源が眼用レンズ204に指し向けられ得る。間接的な可視光線によって、光線がやわらげられて、視覚的なジャーリング(jarring)を抑え得るようなグローに変わる場合もある。
【0060】
システム250に係る幾つかの例示的な代替実施形態において、スマートフォン255は伝送アダプター257を含んでいてもよく、この伝送アダプター257によって、スマートフォン255はスマートフォンイベントデータ256を無線でレシーバー252に伝送できるようになる。スマートフォンイベントデータ256が受信されると、振動通知メカニズム251がアクティブ化され得る。例えば圧電デバイスなどのような、機械的運動を与えるための振動生成デバイスを、通知メカニズム251が具備してもよい。
【0061】
そのようなメカニズムは、光源よりもジャーリング(jarring)が多くなることがあり得る。したがって、イベント256が通知の瞬き認識などのアファーマティブアクションを要求する可能性のある場合は、振動生成の実施形態の方が好適であり得る。幾つかの例示的実施形態では、複数の通知種別を含み得る。例えば、既定の通知はフラッシュ灯であってもよく、ユーザーは、例えば、特定の連絡先からの電話若しくはテキストメッセージ、又はアポイントメントリマインダーなどの特定のイベントに振動通知を割り当てることができる。
【0062】
なお更なる例示的実施形態において、通知メカニズム251は、サウンド生成デバイスを具備してもよく、この場合に、サウンドは、例えば、骨伝導などによりユーザーに聞こえてもよい。頭蓋骨がサウンドを蝸牛へと誘導し得る場合、サウンドは眼の眼球孔を通って頭蓋に達するまでの近接度に基づいて可聴になり得る。そのような幾つかの態様において、サウンド生成デバイスは、無線で受信されたデータを音響出力に変換できる変換器を具備し得る。
【0063】
事前プログラミング済みサウンド(例えば、ビープ音)がスマートフォンイベントデータによってトリガーされ得る通知メカニズムを介して、サウンドの判別が可能になる。あるいは、スマートフォンイベントに関連付けられた特定の着信メロディ又はサウンドを、スマートフォンイベントデータに含めてもよい。そのような例示的実施形態において、通知メカニズムは、特定の着信メロディ又はサウンドを生成し得るため、スマートフォンがサイレント設定になっている可能性のある場合でさえも、ユーザーは呼び出し側又はイベントを識別することができる。
【0064】
例証のため、通知メカニズム201に光源が含まれる例示的な実施形態における通電性素子201〜203を、眼用レンズ204内に別個に封入された部品として図示してある。通知メカニズム251に振動アラートが含まれる例示的な代替実施形態において、通電性素子251,252は、媒体インサート253の部品として図示してある。しかしながら、通知メカニズムのバリエーションは、図示されている実施形態だけに必ずしも限定されるものではない。他の例示的実施形態は、実際的であり得るため、本発明の技術の範囲内に含まれると見なすべきである。
【0065】
スマートフォン及び眼用レンズは、2つのデバイスが無線で通信するのを可能にする補完的な通信プロトコルを含み得る。幾つかの例示的実施形態においては、例えば、スマートフォン標準でない技術(赤外線など)を通信プロトコルに組み込むことが可能であり、機能が近接性に依存する場合があるため、意図されていないスマートフォンとの偶発的な無線通信を制限できる。そのような例示的実施形態においては、例えば、伝送アダプター257をはじめとする増設ハードウェアを介して、特にスマートフォン上に非標準技術を装備し得る。
【0066】
例示の実施例として、伝送アダプター257を利用することによって、スマートフォン255は、赤外線伝送を介してスマートフォンイベントデータ256をレシーバー252に伝送できる。使用前に、例えば、伝送アダプターを特定の赤外線波長又はパルスパターンに合わせて較正しておき、伝送アダプター257を特定の眼用レンズ204/254とペアリングしてもよい。
【0067】
他の態様では、標準スマートフォンに一般に組み込まれている技術、例えば、Bluetooth技術などを介して、眼用レンズとスマートフォンとをペアリングできる。赤外線技術とは異なり、Bluetooth技術はスマートフォンにおいて比較的一般的であり、ハードウェアの増設を必要とすることなしに同期化が為される場合もある。
【0068】
通信プロトコルは、例えば、ANT又はZigBee技術などの低電力の実施形態を含み得る。これにより、スマートフォンからスマートフォンイベントデータを伝送するための環境を眼用レンズが定期的にサンプリングできると共に、サンプリングに起因する電力損失を制限することもまた可能になる。低電力無線プロトコルは一般に、眼用レンズの潜在的なエネルギー供給可能期間を延長し得る。補完的な無線プロトコルプロファイルによって、眼用レンズは意図されたスマートフォンからの伝送のみを受信できるようになる。
【0069】
幾つかの例示的実施形態では、使用前にペアリングが為され得る。例えば、意図されたスマートフォンへのダウンロードが可能なアプリケーションソフトウェアを使用するなどによって、眼用レンズを特定のスマートフォンと伝達し合えるように事前にプログラミングしてもよい。そのような他の実施形態においては、特定の眼用レンズ又は眼用レンズパックに固有なものであり得るシリアル認証コード又は電子ペディグリー(e−ペディグリー)を、眼用レンズに含めてもよい。眼用レンズを識別する一意のコードは、眼用レンズのブランド又は系列に関連したシリアライゼーション方法に応じて異なる場合がある。
【0070】
スマートフォンは、特定のシリアルコードを認識するようにプログラミングすることが可能である。幾つかの例示的実施形態においては、キャプチャ技術を利用したスマートフォンを、認証シリアル番号に関連付けることの可能なSKU(在庫商品識別番号)バーコード又はQR(クイックレスポンス)バーコードを走査できるように、又はその写真が撮れるように、ユーザーがプログラミングできる。そのような幾つかの態様においては、例えば、眼用レンズの個装(例えば、個々のブリスターパッケージ、複数のブリスターパッケージ用のボックス、又は他の一般的なパッケージング手法)に、SKU又はQRバーコードが見つかることがあり得る。眼用レンズ又は眼の汚染又はダメージを減ずるためには、眼用レンズとの直接的な相互作用によってではなく、寧ろパッケージングを介しての相互作用により、ペアリングを開始する方が好適であり得る。
【0071】
幾つかの例示的実施形態においては、走査されたコードに眼用レンズの識別属性が指定されていることがあり得る。スマートフォンはID(識別)により、特に意図された眼用レンズと通信できる。例えば、その無線通信技術に応じた認証コード、Bluetoothプロファイル、赤外線波長、又は赤外線信号パターンを、走査済みのコードに含めることができる。
【0072】
眼用レンズとスマートフォンとの間の通信に先立ち、例えば、無線周波識別システムを使用するなどによって、2つのデバイス間でシリアル認証又はe−ペディグリーを交換又は認識し得る。幾つかの例示的実施形態において、スマートフォンイベントは、スマートフォンがID又は認証の問い合わせを眼用レンズに伝送するようにトリガーできる。問い合わせに認証コード全体若しくは一部が含まれる場合もあれば、又は一切含まれない場合もある。例えば、スマートフォンはコード全体を伝送する場合があり、そのコードが眼用レンズのシリアルコードと一致する場合、該シリアルコード又は正しいシリアルコードの認識が含まれ得る応答の伝送がレンズによって為され得る。
【0073】
あるいは、シリアルコードの一部分が問い合わせに含まれる場合もあり、眼用レンズは残りの部分に応答し得る。文字列が正常に完了した旨のものである場合、更なる無線通信が可能となり得る。なお更なる例示的な代替実施形態においては、問い合わせがあったときに必ずしもシリアルコードの如何なる部分も伝送されるとは限らないが、眼用レンズにそのコード全体を伝送するように促すことは可能である。スマートフォンによってシリアルコードが検証された場合は、無線通信を継続でき、シリアルコードが不一致の場合は無線通信を終了できる。
【0074】
幾つかの例示的実施形態において、ユーザー又はスマートフォン操作者はスマートフォンを眼用レンズに近接させて置いてもよく、その場合、ペアリングは専ら眼上で発生し得る。ユーザーは、例えば製造中にインストールされたダウンロード可能なモバイルアプリケーション又は標準の無線ソフトウェアなどのソフトウェアアプリケーションを利用して、スマートフォンに眼用レンズの無線プロファイル又はプロトコルを走査するように促すことができる。そのような初期走査では、例えば、赤外線技術又はBluetooth技術によりスマートフォンを眼用レンズにペアリングできる。ペアリングに基づいて眼用レンズのIDがスマートフォンによって検証された場合、以降も無線通信が発生し得る。
【0075】
例示の実施例として、眼用レンズIDを検証するための手段として、RFID(無線周波数識別)を利用してもよい。RFIDによる検証では、スマートフォンが眼用レンズの視線範囲内にあることは必ずしも要求されない。そのような例示的実施形態では、無線通信が特定の範囲に限定されることがあり得るが、この範囲は必ずしも特定の場所に限られない。例えば、スマートフォンはバッグ又はポケットの中に入っていてもよく、スマートフォンが範囲内にあるときは、依然として無線通信が発生し得る。
【0076】
RFIDシステムではまた、タグ及びリーダーの種類に基づいてID交換を行うための低電力要件が考慮され得る。幾つかの例示的実施形態においては、パッシブタグを眼用レンズに含めることによって、眼用レンズがスマートフォン内のアクティブなリーダーからの問い合わせに応答できるようにしている。そのような実施形態は、眼用レンズの内部における省電力を可能にしている。そのような幾つかの態様においては、問い合わせを介して、眼用レンズはスマートフォンイベントデータ用に定義された環境のサンプリングを開始するように促され得る。例えば、認証コードが検証されないときなどには、省電力化のため、問い合わせが発生する前に眼用レンズが非アクティブ化される場合もあれば、指定された時間が経過した後でサンプリングが非アクティブ化される場合もある。
【0077】
ここで
図3を参照すると、無線通信の例示的実施形態、及びスマートフォンと眼上の通電性眼用レンズとの間の制御が図示されている。幾つかの実施形態において、眼用レンズ303は、スマートフォンイベントデータ306を受信することができるレシーバー302と、ユーザーにイベントを通知することができる通知メカニズム301と、を具備していてもよい。受信工程300において、スマートフォン305はデータ306を無線でレシーバー302に伝送してもよい。
【0078】
幾つかの例示的実施形態において、眼用レンズ353はトランスミッター352を更に具備してもよく、このトランスミッター352は、眼用レンズ353の内部にてレシーバー302と同様な位置に位置し得る。伝送工程350において、トランスミッター352は応答データ357を伝送によってスマートフォン355に返すことができる。応答データ357によって、スマートフォン内で、例えば、着信メロディを無音化するなどのアクションがトリガーされ得る。
【0079】
そのような幾つかの実施形態において、無線通信が、指定された眼用レンズ353とスマートフォン355との間のものであることを確証するうえで、
図2に関して記載されているものと同様な検証工程が好ましいことがあり得る。検証工程は応答データ3557が伝送される直前に行ってもよく、そうすることで、宛先の誤った応答キューを制限することが可能になる。他の例示的実施形態において、スマートフォンイベントデータ306の初期伝送後に、無線通信はスマートフォンイベント発生の間じゅう継続され得る。無線通信が継続された場合、第2の検証プロセスを必ずしも必要とすることなしに、意図された無線通信が保証され得る。
【0080】
図4を参照すると、例示的な流れ図が図示されている。400では、所定のスマートフォンイベントが発生する可能性がある。所定のイベントには、例えば、電話、カレンダーアポイントメント、又は電子メールが包含され得る。幾つかの例示的実施形態では、402において、例えば
図2に記載されているようにスマートフォンが認証の問い合わせを眼用レンズに伝送でき、この眼用レンズは認証コードに応答し得る。幾つかの例示的実施形態では、450において眼用レンズが未認証コードに応答する場合があり、その場合、455ではもはや以降の無線通信が発生しなくなる可能性がある。
【0081】
405では、眼用レンズが認証済み又はペアリング済みコードに応答することが可能であり、スマートフォンデータの伝送に先立ち、問い合わせによって2つのデバイスがペアリングされ得る。そのような場合、410においてスマートフォンは、
図1に図示されているような眼用レンズ内のレシーバーにイベントデータを無線で伝送し得る。415では、伝送によって眼用レンズのアクティブ化がトリガーされ得る。これには、例えば、振動又は光線通知を挙げることができる。
【0082】
幾つかの例示的実施形態において、眼用レンズは、データを受信することができるが、スマートフォンに対する応答の伝送は必須ではない。そのような幾つかの実施形態においては、様々なアクションに基づいてアクティブ化を終了できる。420では、スマートフォンイベントが中断され得る。したがって、425ではイベント伝送が中断される場合があり、結果としてアクティブ化が終了することがあり得る。
【0083】
あるいは、センサー制御メカニズムを眼用レンズに更に具備させてもよく、それによって、430においてユーザーがアクティブ化に対し肯定応答したときに、眼用レンズが認識され得る。例えば、センサー制御に瞬き検出メカニズムを含めてもよく、それによって、ユーザーは時限瞬き又は瞬きパターンを介してアクティブ化を制御することができる。そのような例示的実施形態においては、430での肯定応答によって、435でアクティブ化が終了し得る。スマートフォンイベントに時間制限を内在的に有する電話の着信通知以外のものも含まれる場合は、眼用レンズにセンサー制御を含めた方が望ましいことがあり得る。
【0084】
図5を参照すると、代替の流れ図が図示してある。幾つかの例示的な代替実施形態において、眼用レンズは特定のスマートフォンイベントに応答して制御データをスマートフォンに伝送することができる。505〜525における工程は、
図4の400〜425における工程と同様であり得る。505では、スマートフォンイベントが発生する場合があり、510では、スマートフォンによってデータが眼用レンズ内のレシーバーに伝送され得る。
【0085】
図4の402,405,450における検証工程(不図示)が発生し得る例示的実施形態は、
図5に示してある。同様に、検証が履行されない場合、スマートフォンイベントデータの伝送に先立って無線通信が終了し得る。検証が正常終了した場合、515では、伝送によって眼用レンズ内でアクティブ化がトリガーされ得る。幾つかのスマートフォンイベントが存在するときは、520においてイベントが中断される場合もあれば、525においてアクティブ化が終了する場合もある。
【0086】
図4の430における工程と同様に、ユーザーは、例えば、瞬き検出メカニズムを介してアクティブ化に対し肯定応答できる。
図4とは異なり、幾つかの例示的実施形態においては、肯定応答によって、眼用レンズ内部のアクティブ化以外のものも制御され得る。幾つかの例示的実施形態では、530においてユーザーはアクティブ化に対し肯定応答して540においてイベントを無視してもよく、これにより、545においてアクティブ化が終了し得る。540における工程は、眼用レンズに対して内部的である場合もあり、スマートフォンとの通信を必要としないこともあり得る。
【0087】
あるいは、550においてユーザーはイベントに応答でき、スマートフォンはその応答による影響を受ける。そのような例示的実施形態において、眼用レンズはイベントに応答して無線でスマートフォンと伝達し合う。555では、眼用レンズ内のトランスミッターが応答データをスマートフォンに伝送できる。560では、応答データの伝送によって、スマートフォン内でアクションがトリガーされ得る。565では、眼用レンズのアクティブ化が終了し得る。幾つかの例示的実施形態では、眼用レンズが応答データを伝送すると、565においてアクティブ化が終了し得る。
【0088】
他の例示的実施形態においては、アクティブ化を終了させるための更なる工程が発生し得る。例えば、565において終了が為されるのは、応答データの受信が確証された後であり得る。あるいは、565において終了が為されるのは、応答データによってスマートフォン内でのアクションがトリガーされた後である場合もある。
【0089】
例示の実施例として、応答センサーに瞬き検出メカニズムが含まれる場合があり、スマートフォンイベントに電話の着信が含まれる場合がある。着信呼び出しによって眼用レンズの振動がトリガーされる場合があり、ユーザーは呼び出しを無視するか、呼び出し音を無音化するか、ボイスメールに呼び出しを送信するか、又はスピーカフォンで呼び出しに答えて、応答することができる。呼び出しを無視するとアクティブ化が終了し得るが、必ずしもスマートフォンに影響するとは限らない。他方において、他の3つの応答をスマートフォンに伝送してもよい。各々の応答を特定の瞬きパターンに関連付けてもよい。
【0090】
図6を参照すると、通電性眼用レンズを使用してユーザーにスマートフォンイベントを通知するための方法工程を含む、例示的な流れ図が図示してある。幾つかの例示的実施形態では、600において眼用レンズは、例えば、
図2及び3に関して記載されているようなスマートフォンから認証又はIDの問い合わせを受信できる。この問い合わせがあった場合、スマートフォンイベントデータの伝送に先立って検証工程を行ってもよい。
【0091】
幾つかの例示的実施形態では、605において眼用レンズが、例えば、
図2に示されているように、スマートフォンイベントデータの無線伝送用の環境をサンプリングし得る。この環境は特定の範囲に限定され得る。サンプリング範囲を限定することで、省電力が可能になる。幾つかの例示的実施形態では、600において問い合わせに応答してシリアルコードが認証されると、605においてサンプリングが開始され得る。幾つかの実施形態では、600において問い合わせ後に指定された時間が経過した後で、サンプリングが終了し得る。そのような実施形態においては、認証が正常に完了し得ない場合に備えて電力を節約できるようになっている。
【0092】
610では、眼用レンズがスマートフォンイベントデータを受信できる。615では、スマートフォンイベントデータに応答して、通知メカニズムがアクティブ化され得る。
図2に記述かつ図示されているように、可視光線又は振動を通知に含めてもよい。
【0093】
幾つかの例示的実施形態では、620においてユーザーからの通知に対する応答が眼用レンズに検出される場合があり、この応答によって所定のアクションが促されることになる。幾つかの態様では、応答データによって内部的アクションが促され得る。例えば、630では、応答データによって通知メカニズムが非アクティブ化されることがあり得る。630での非アクティブ化によって、605においてサンプリングが再開され得る。
【0094】
あるいは、応答データによってスマートフォンによるアクションが促され得る。そのような幾つかの実施形態では、625において眼用レンズは応答データをスマートフォンに無線で伝送し得る。600における工程と同様に、625における伝送には、スマートフォンと眼用レンズとの間のIDコード交換が含まれる場合もあれば、又はこの伝送及びIDコード交換が組み合わせて為される場合もある。他の態様においては、スマートフォンイベント通知の間じゅう無線通信が継続され得るため、検証工程を必要とすることなしに、意図されたスマートフォンと眼用レンズとの間の通信が保証され得る。
【0095】
625では、応答データの伝送によって、スマートフォン内でアクションがトリガーされ得る。例えば、スマートフォンイベントに電話の着信が含まれる場合、応答データによって、スマートフォンは呼び出し音を無音化するか又は呼び出しをボイスメールに送信するように促され得る。620で応答データが検出された場合、又は625で応答データが検出された場合には、630において通知メカニズムの非アクティブ化が為され得る。
【0096】
図7を参照すると、スマートフォン通知メカニズム搭載の眼用レンズを使用するための例示的な方法工程が図示してある。705では、眼用レンズを眼上に載置できる。幾つかの例示的実施形態では、710において眼用レンズが指定されたスマートフォンと同期化され得る。710では、使用前に同期化が為され得る。例えば、眼用レンズを特定のスマートフォン無線プロファイルと同期化されるように事前にプログラミングしてもよい。他の例示的実施形態においては、眼用レンズが眼上に位置しかつスマートフォンが眼用レンズに近接しているときに、眼用レンズがスマートフォンと同期化され得る。そのような幾つかの実施形態において、ユーザーがスマートフォン上でソフトウェアアプリケーションを操作することができ、この操作によって、眼用レンズの存在及び無線プロファイルがソフトウェアアプリケーションに認識され得る。
【0097】
715において、ユーザーはスマートフォンイベントの通知を受信できる。
図1〜3に関して記載されているように、可視光線表示又は振動アラートを、通知に含めてもよい。幾つかの例示的実施形態では、720においてユーザーは任意選択的にスマートフォンイベント通知に応答できる。そのような幾つかの態様では、ユーザーが通知を非アクティブ化することができ、そうすることによって、応答の際にスマートフォンに対する応答を必ずしも無線伝送せずに済むようになる。幾つかの態様では、ユーザーは、例えば、着信メロディの無音化又はカレンダーイベントに対する肯定応答などのアクションをスマートフォンで制御又はトリガーできることがあり得る。
【0098】
インサートに基づく眼用レンズの材料
幾つかの例示的実施形態において、レンズのタイプは、シリコーン含有成分を含むレンズであり得る。「シリコーン含有成分」は、モノマー、マクロマー、又はプレポリマー中に少なくとも1個の[−Si−O−]単位を含有する成分である。好ましくは、総Si及び結合Oは、シリコーン含有成分中に、そのシリコーン含有成分の総分子量の約20重量%を超える量で、更に好ましくは30重量%を超える量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド及びスチリル官能基などの重合性官能基が含まれる。
【0099】
幾つかの例示的実施形態において、インサートを包囲する眼用レンズ裾部は、標準のヒドロゲルレンズ配合物から構成され得るものであり、時にはインサート封入層と呼ばれる場合もある。多くのインサート材料に対し差し支えなく順応し得る特性をもつ例示的な材料としては、ナラフィルコンA及びナラフィルコンBをはじめとするナラフィルコン系を挙げることができる。あるいは、例示的材料の選択肢として、エタフィルコンAをはじめとするエタフィルコン系が望ましい場合もある。本明細書中の技術と一貫性をもつ材料の性質に関して更に技術的に包括的な記述が続くが、封止インサート及び封入インサートの許容可能な包囲体又は部分的包囲体を形成し得る如何なる材料も一貫性をもち、かつ包含されることが明らかであろう。
好適なシリコーン含有成分は、式Iの化合物を含む:
【化1】
式中、R
1は独立に一価反応基、一価アルキル基、又は一価アリール基から選択され、前述のいずれかはヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲン又はこれらの組み合わせから選択される官能基を更に含み得る。1〜100個のSi−Oの繰り返し単位を含む一価シロキサン鎖は、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロゲン又はこれらの組み合わせから選択される官能基を更に含み得る。
式中、b=0〜500であり、bが0以外のときに、bは規定された値に等しい最頻値(mode)を有する分布であると理解され、
少なくとも1つのR
1は、一価反応性基を含み、一部の実施形態では、1〜3個のR
1が一価反応性基を含む。
【0100】
本明細書に使用されるとき、「一価反応性基」は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合を受けることができる基である。フリーラジカル反応性基の非限定的な例としては、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C
1〜6アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、C
1〜6アルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルケニルフェニル、C
2〜12アルケニルナフチル、C
2〜6アルケニルフェニルC
1〜6アルキル、O−ビニルカルバメート及びO−ビニルカーボネートが挙げられる。カチオン反応性基の非限定例としては、ビニルエーテル又はエポキシド基及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、フリーラジカル反応基には、(メタ)アクリレート、アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物が含まれる。
【0101】
好適な一価アルキル基及びアリール基としては、置換及び非置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、プロポキシプロピル、ポリエチレンオキシプロピル、これらの組み合わせなどの、非置換の一価C
1〜C
16アルキル基、C
6〜C
14アリール基が挙げられる。
【0102】
例示的な一実施形態において、bはゼロであり、1つのR
1は一価反応性基であり、少なくとも3つのR
1は、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態においては、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。本実施形態のシリコーン成分の非限定例としては、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキザニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiGMA」)、
2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルオキシプロピル−トリ(トリメチルシロキシ)シラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、
3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、及び
3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサンが挙げられる。
【0103】
別の例示的実施形態において、bは2〜20、3〜15であるか又は幾つかの例示的実施形態においては3〜10であり、少なくとも1つの末端R
1は一価反応性基を含み、残りのR
1は、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態においては1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。更に他の例示的実施形態において、bは3〜15であり、1つの末端R
1は一価反応性基を含み、その他の末端R
1は1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基を含み、残余のR
1は1〜3個の炭素原子を有する一価アルキル基を含む。本実施形態のシリコーン成分の非限定例としては、(モノ−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル)−プロピルエーテル末端ポリジメチルシロキサン(400〜1000MW))(「OH−mPDMS」)、モノメタクリルオキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン(800〜1000MW)、(「mPDMS」)が挙げられる。
【0104】
別の例示的実施形態では、bは5〜400、又は10〜300であり、両方の末端R
1は一価反応基を含み、残りのR
1は独立して炭素原子間のエーテル結合を有することもあり、ハロゲンを更に含むこともある、1〜18個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。
【0105】
例示的な一実施形態においては、シリコーンヒドロゲルレンズが所望される場合に、本発明のレンズは、ポリマーを構成する反応性モノマー成分の総重量に対して少なくとも約20重量%、好ましくは約20重量%〜70重量%のシリコーン含有成分を含む、反応性混合物から構成される。
【0106】
別の例示的実施形態において、1〜4個のR
1は、次式のビニルカーボネート又はカルバメートを含む。
【化2】
式中、YはO−、S−又はNH−を意味し、
Rは水素又はメチルを意味し、dは1、2、3又は4であり、qは0又は1である。
【0107】
シリコーン含有ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマーは、具体的には、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネートを含み、
【化3】
約200以下の弾性率を有するバイオ医療用デバイスが所望される場合、1個のR
1のみが一価反応性基を含むものとし、残りのR
1基のうちの2個以下は、一価シロキサン基を含む。
【0108】
別のクラスのシリコーン含有成分としては、次の式のポリウレタンマクロマーが挙げられる。
式IV〜VI
(
*D
*A
*D
*G)
a *D
*D
*E
1;
E(
*D
*G
*D
*A)
a *D
*G
*D
*E
1又は
E(
*D
*A
*D
*G)
a *D
*A
*D
*E
1
及びそれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、及び医薬的に許容され得る塩(式中、
この場合、Dは、炭素原子6〜30個を有するアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、
Gは、炭素原子1〜40個を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、これは、主鎖中にエーテル、チオ又はアミン結合を含有できる。
*はウレタン又はウレイド結合を意味し、
aは、少なくとも1であり、
Aは次の式の二価重合ラジカルを意味する。
【化4】
R
11は独立に1〜10個の炭素原子を有しかつ炭素原子間にエーテル結合を含み得るアルキル基又はフルオロ置換アルキル基を示し;yは少なくとも1であり;pは400〜10,000の部分重量を提供し;E及びE
1はそれぞれ独立に次の式に示される重合性不飽和有機ラジカルを示す。
【化5】
式中、R
12は水素又はメチルであり、R
13は水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカル又はa−CO−Y−R
15ラジカルで、Yは−O−、Y−S−、又は−NH−であり、R
14は1〜12個の炭素原子を有する二価ラジカルであり、Xは−CO−又は−OCO−を意味し、Zは−O−又は−NH−を意味し、Arは6〜30個の炭素原子を有する芳香族ラジカルを意味し、wは0〜6であり、xは0又は1であり、yは0又は1であり、zは0又は1である。
【0109】
1つの好ましいシリコーン含有成分は、以下の式で示されるポリウレタンマクロマーである。
【化6】
R
16は、イソフォロンジイソシアネートのジラジカルなどのイソシアネート基除去後のジイソシアネートのジラジカルである。別の好適なシリコーン含有マクロマーは、フルオロエーテル、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、イソフォロンジイソシアネート及びイソシアネートエチルメタクリレートの反応によって形成される式X(式中、x+yは10〜30の範囲の数である)の化合物である。
【化7】
【0110】
本発明において用いるのに好適な他のシリコーン含有成分としては、ポリシロキサン基、ポリアルキレンエーテル基、ジイソシアネート基、ポリフッ素化炭化水素基、ポリフッ素化エーテル基及びポリサッカライド基を含有するマクロマー;末端ジフルオロ置換炭素原子に結合した水素原子を有する極性フッ素系グラフト又は側鎖基をもつポリシロキサン;エーテル及びシロキサニル結合を含有する親水性シロキサニルメタクリレート;並びにポリエーテル基及びポリシロキサニル基を含有する架橋性モノマーが挙げられる。また、前述のポリシロキサンのいずれも、本発明のシリコーン含有成分として使用され得る。
【0111】
本発明は上記の通り、また下掲の特許請求の範囲に更に定義されているように、眼用レンズがスマートフォンイベントデータをスマートフォンから無線で受信する、スマートフォンイベントインディケータ搭載の通電性眼用レンズを提供するものである。幾つかの態様において、通電性眼用レンズは、軟質の生体適合性部分で封入された通電性部品を具備し得る。他の態様においては、媒体インサートを眼用レンズに具備させてもよく、それにより、通電性部品を媒体インサート内に封入でき、媒体インサートを眼用レンズ内に組み込めるようにもなる。
【0112】
幾つかの例示的実施形態においては、検証コード又はメカニズムを眼用レンズに組み込んでもよく、指定されたスマートフォンとのペアリングによって、ワイヤレス通信を2つの指定されたデバイス間の通信だけに制限することが可能になる。スマートフォンイベントデータが受信されると、眼用レンズ内のインディケータがアクティブ化され得る。幾つかの例示的実施形態においては、眼用レンズを用いることによって、スマートフォンイベントの通知に対するユーザー応答が可能になる。応答によって、眼用レンズ内の内部的アクションがトリガーされる場合もあれば、又は眼用レンズが応答データをスマートフォンに伝送することによって、スマートフォン内でアクションがトリガーされる場合もある。
【0113】
〔実施の態様〕
(1) ユーザーにスマートフォンイベント(smartphone event)を通知することができる通電性眼用レンズであって、
前記ユーザーに前記スマートフォンイベントを通知することができる通知メカニズムであって、前記通電性眼用レンズに第1の機能性を提供できる、前記通知メカニズムと、
スマートフォンイベントデータを所定の発信元スマートフォンから無線で受信することができるレシーバーであって、前記通知メカニズムと電気的に通信している、前記レシーバーと、
前記通知メカニズム及び前記レシーバーを電気的に接続することができる導電トレース(conductive traces)と、
前記通知メカニズム及び前記レシーバーを封入することができるソフトレンズ部分と、
を具備する、通電性眼用レンズ。
(2) 電力源であって、前記導電トレースが前記電力源を前記通知メカニズムに電気的に接続できる、前記電力源と、
前記電力源、前記通知メカニズム及び前記レシーバーと電気的に通信しているプロセッサーであって、前記プロセッサーが前記通知メカニズム及び前記レシーバーを制御し得る、前記プロセッサーと、
を更に具備する、実施態様1に記載の通電性眼用レンズ。
(3) 前記通知メカニズムが光源を具備し、前記通知メカニズムがアクティブ化されたときに前記光源が前記ユーザーに可視になる、実施態様1に記載の通電性眼用レンズ。
(4) 前記通知メカニズムが機械的運動を与えるための振動デバイスを具備し、前記機械的運動が前記ユーザーに認識され得る、実施態様1に記載の通電性眼用レンズ。
(5) 前記通知メカニズムがサウンド生成デバイスを具備し、前記サウンド生成デバイスが、前記ユーザーに認識され得る聴覚効果を生成することができる、実施態様1に記載の通電性眼用レンズ。
【0114】
(6) シリアル認証コードを更に具備し、前記シリアル認証コードが前記通電性眼用レンズを識別することができる、実施態様1に記載の通電性眼用レンズ。
(7) 前記プロセッサーと電気的に通信しているセンサーを更に具備し、前記センサーがユーザー応答を検出することができ、かつ前記プロセッサーが前記ユーザー応答に基づいてユーザー応答データを生成することができる、実施態様1に記載の通電性眼用レンズ。
(8) 前記所定の発信元スマートフォンが伝送アダプターを具備し、前記伝送アダプターが前記所定の発信元スマートフォンに前記スマートフォンイベントデータを前記レシーバーに無線で伝送させることができる、実施態様2に記載の通電性眼用レンズ。
(9) 前記通知メカニズム、前記レシーバー、前記電力源、前記プロセッサー、及び前記導電トレースを封入することができる媒体インサートを更に具備し、前記ソフトレンズ部分が前記媒体インサートを封入し得る、実施態様2に記載の通電性眼用レンズ。
(10) 前記プロセッサーが、前記スマートフォンイベントデータの前記所定の発信元から発生した複数のスマートフォンイベントタイプを識別することができ、前記通知メカニズムが複数のアクティブ化設定を含み、かつ各スマートフォンイベントタイプに応じて所定のアクティブ化設定がトリガーされる、実施態様2に記載の通電性眼用レンズ。
【0115】
(11) 前記振動デバイスが圧電メカニズムを具備する、実施態様4に記載の通電性眼用レンズ。
(12) 前記聴覚効果が骨導を介して前記ユーザーに認識され得る、実施態様5に記載の通電性眼用レンズ。
(13) 前記シリアル認証コードの少なくとも一部を前記所定の発信元スマートフォンに無線で伝送することができる検証トランスミッターを更に具備する、実施態様6に記載の通電性眼用レンズ。
(14) 前記プロセッサーと電気的に通信しているトランスミッターを更に具備し、前記トランスミッターが応答データを前記所定の発信元スマートフォンに伝送することができ、前記応答データの伝送によって前記所定の発信元スマートフォン内で所定のアクションがトリガーされ得る、実施態様7に記載の通電性眼用レンズ。
(15) 前記センサーが瞬き検出メカニズムを具備し、前記ユーザー応答が所定の瞬きパターンを含む、実施態様7に記載の通電性眼用レンズ。
【0116】
(16) 前記応答データによって前記通知を終了できる、実施態様7に記載の通電性眼用レンズ。
(17) 前記レシーバーが赤外線伝送を介して前記所定の発信元スマートフォンから前記スマートフォンイベントデータを受信することができ、前記赤外線伝送が所定の赤外線波長の所定のパターン化パルスを含み、前記伝送アダプターが前記赤外線伝送を伝送することができる、実施態様8に記載の通電性眼用レンズ。
(18) 前記媒体インサートが、前記電力源及び前記プロセッサーと電気的に通信する通電性素子を更に具備し、前記通電性素子が前記眼用レンズに第2の機能性を提供し得る、実施態様9に記載の通電性眼用レンズ。
(19) 前記検証トランスミッターが無線周波識別トランスミッターを具備する、実施態様13に記載の通電性眼用レンズ。
(20) 前記通電性素子が可変光学メカニズムを具備し、前記第2の機能性が視力矯正を含む、実施態様18に記載の通電性眼用レンズ。