(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
図柄の変動表示を行う図柄表示手段と、掛け数を設定するために操作される操作手段として第1操作手段及び第2操作手段と、を備え、第1変動速度で図柄を変動させる第1変動状態から、前記第1変動速度よりも速度の速い第2変動速度で図柄を変動させる第2変動状態へと移行する遊技機において、
前記操作手段に対する操作態様として、少なくとも前記第1操作手段への操作と前記第2操作手段への操作とを識別可能な操作態様識別手段と、
図柄の変動態様を制御する図柄変動制御手段と、を備え、
前記図柄変動制御手段は、
前記第2操作手段への操作が識別されてゲームが開始された場合には、前記第1操作手段への操作が識別されてゲームが開始された場合よりも、前記第1変動状態における図柄の変動態様を図柄の識別が容易な変動態様に制御する
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、
図1〜
図9を参照して説明する。
【0010】
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aは、図柄表示手段の一例であるリール41a〜41cそれぞれに表された連続する3つの図柄を機外から識別可能に構成されるとともに、遊技者により操作される複数の操作手段(2,2a,3,5)を備え、筐体1bは、リール41a〜41cを回転駆動させるドラムユニット4、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7などの複数の装置、コンピュータとして動作する主制御部10、副制御部20などを備えている。
このようなスロットマシン1は、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0011】
ゲームの開始にあたり、掛け数の設定を行う。
掛け数の設定は、メダルをメダル投入口2から投入することにより行うことができ、投入されたメダルは、前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2b(メダル検出手段)により検知され、所定数(例えば、3枚)のメダルの検知によりゲーム開始可能な状態となる。
また、ベットボタン2aなどの掛け数設定手段を操作することで、掛け数を設定することもできる。ベットボタン2aの押下操作により、内部的に記憶したクレジットメダルからデータ形式のメダルが操作に応じて投入され、所定数(例えば、3枚)のメダルの投入により、ゲーム開始可能な状態となる。
【0012】
このゲーム開始可能な状態では、操作手段の一例であるスタートレバー3を操作することができる。スタートレバー3が操作されると、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール41a〜41cが変動を開始するとともに、再遊技、小役、ボーナスなどの複数の役(ハズレを含む)の中から今回ゲームの抽選結果を決定する内部抽選処理が実行される。
【0013】
各リール41a〜41cは、それぞれが図柄の変動を行う図柄可変表示部として動作し、各リール41a〜41cの周面には、複数(通常21個)の図柄が
図4に示す図柄配列に従って表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール41a〜41cに対応して設けられ、停止操作手段の一例である停止ボタン5a〜5cが押下操作可能な状態(停止ボタン5操作の有効化)となる。各停止ボタン5がそれぞれ操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とに応じた図柄の組合せで停止するように、各リール41a〜41cが停止制御される。
【0014】
停止状態では、リール41a〜41cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止し、このときの停止態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、所定の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定され、例えば、上・中・下段3つのラインと斜め2つのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に導出された図柄の組合せを判定し、判定の結果、図柄の組合せに応じた特典が付与される。
【0015】
例えば、小役に対応する図柄の組合せの導出により、メダル払出装置7が駆動制御され、メダルの貯留されたホッパー7aからメダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
また、再遊技に対応する図柄の組合せの導出により、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく遊技可能な状態となる。
【0016】
このような一連の動作を1ゲームとするスロットマシン遊技は、
図3に示すように、主制御部10がベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5などの各入力手段からの入力に基づいて、リール41a〜41cやこれらを回転駆動させるパルスモータなどを備えるドラムユニット4、メダル払出装置7などの出力手段を制御することにより実現される。
【0017】
また、スロットマシン1では、このようなスロットマシン遊技に同期した遊技演出も行われる。例えば、ボーナス遊技状態への移行を示す画像演出、ファンファーレ音、及びランプ演出などがそれぞれ、液晶TVなどの表示器8、スピーカ9、及びLED等の発光手段を備えるランプ11などの出力手段を介して出力される。
このような出力手段は、副制御部20により制御される。また、副制御部20は、主制御部10から所定の遊技タイミングごとに受信する制御コマンドに基づいてこれらを制御する。
【0018】
スロットマシン1は、このような通常のスロットマシンと同様の構成に加えて、以下のような特徴的な構成を備えている。
【0019】
[図柄識別容易変動制御]
主制御部10は、操作態様識別手段の一例として動作し、遊技者のスタートレバー3に対する操作態様を識別する。
スロットマシン1では、メダル投入口2、ベットボタン2a、スタートレバー3などの複数の操作手段それぞれに対する操作がすべて完了することによりスロットマシン遊技が開始されるものの、主制御部10は、複数の操作手段のうち最後に操作されるスタートレバー3に対する操作態様を識別する。
具体的には、遊技者のスタートレバー3に対する操作時間の違いから、操作態様の違いを識別し、この操作時間が第1継続時間に対応するときには、第1操作態様と識別し、操作時間が第1継続時間よりも長い第2継続時間に対応するときには第2操作態様と識別する。
【0020】
ここで、スタートレバー3の構成について説明する。
図5は、スタートレバー3の断面図であり、スタートレバー3を上方又は下方から見た図である。
スタートレバー3は、軸31と、軸31の先端に取り付けられる球状部32及び後端に取り付けられる遮光片33と、軸31をその復元力により初期(正規)位置に付勢させるバネ34と、一対の発光素子と受光素子とを有し通光状態と遮光状態とを識別可能な信号を主制御部10に出力するフォトインタラプタ等の光センサ35(操作検出手段)などを備え、例えば、発光素子から受光素子への光路が遮光片33により遮られる遮光状態では、主制御部10により操作なしが検出され、軸31の上下方向への傾きによって遮光状態が通光状態に変化することにより、主制御部10により操作ありが検出される。
【0021】
遊技者の操作が球状部42を介して加わると、軸31が傾くことにより操作ありが検出され、遊技者が球状部32から手を離すと、バネ34の復元力により軸31は初期(正規)位置に戻り、操作なしが検出される。また、操作を加え続けることで、操作ありが検出され続けることになる。
このような構成により、主制御部10が検出状態計時手段として動作し、操作ありの検出開始から内部タイマをスタートさせ、操作なしが検出されるまでの時間を計時し、操作ありの検出状態の継続する時間に応じて、第1操作態様と第2操作態様をそれぞれ識別する。
【0022】
さらに、主制御部10は、停止状態にあるリール41が低速(第1変動速度)で変動する低速変動状態(第1変動状態)を経た後、低速よりも速度の速い高速(第2変動速度)で変動する高速変動状態(第2変動状態:定常変動状態)へと移行するという、一般的なスロットマシンと同様なリール41の変動制御を行うものの、識別した操作態様に応じて、低速変動状態におけるリール41の変動態様を変更する。
【0023】
図6は、操作態様に応じたリール41の変動態様の違いを模式的に示す図であり、(a)は操作ありの検出状態の継続する時間が第1継続時間のときの図であり、(b)は操作ありの検出状態が第1継続時間よりも長い第2継続時間のときの図である。
(a)、(b)ともに、(i)では、例えば、各リール41がそれぞれ
図4に示す図柄番号4,5,6で停止している停止状態を示し、(ii)では、スタートレバー3に対する操作が検出され、各リール41ともに1図柄ずつ回転したときの低速状態を示している。
その後、(a)では、(iii)において操作なしが検出される。主制御部10は、このときの操作ありの検出継続時間から、第1操作態様を識別し、所定期間の低速変動(加速変動)を行った後、(iv)の高速回転(定常回転)に移行する。
一方、(b)では、(ii)〜(v)の間、スタートレバー3に対する操作を継続する。このときの操作ありの検出継続時間から、主制御部10は第2操作態様を識別し、(ii)〜(v)の間に亘って、低速変動を継続する。その後(vi)において、操作なしが検出されると、高速回転(定常回転)に移行する。
つまり、主制御部10は、操作ありの検出状態が継続する時間、すなわちスタートレバー3に対する操作時間の長短に応じて、低速変動を行う時間が異なる制御を実行する。
【0024】
上記の制御を詳細に説明する。
図7は、スタートレバー3に対する操作時間の長短に応じて行われるリール41の低速変動制御の違いを説明するタイムチャートである。
このタイムチャートでは、(a)、(b)ともに、ベットボタン2aの操作によりゲーム開始可能な状態となり、その後のスタートレバー3に対する操作時間に応じて低速変動時間が異なることになる例を示している。
【0025】
(a)は、遊技者がスタートレバー3に対する操作を所定時間(t2)以内に終了させ、主制御部10が操作ありの検出継続時間が例えばt1以内(第1継続時間)に対応するものとして、第1操作態様を識別したときのタイムチャートである。この場合は、遊技者が所定時間を意識することなく、スタートレバー3に対して通常通りの操作を行ったときのリール41の一般的な変動態様と同様である。通常通りの操作とは、例えば、遊技者がスタートレバー3を叩くような操作であり、軸31の傾きにより、1秒に満たない操作ありが検出された直後に、バネ34の復元力により操作なし状態となるような操作である。
このような通常通りの操作が行われると、リール41は一般的なスロットマシンと同様、以下に示すような変動を行う。
【0026】
具体的には、リール41を回転駆動させるパルスモータに対して、リール41の回転速度が段階的に速くなるように、励磁時間を段階的に短くする低速変動ステップ制御を行うとともに(
図7(a)の低速変動に対応)、変動開始から所定時間経過後は、一定のタイミングごとに所定時間の励磁を繰り返す高速変動ステップ制御(
図7(a)の高速変動に対応)を行う。
【0027】
本実施形態の低速変動ステップ制御は、さらに、励磁時間が段階的に短くなる三つのステップに区分けされており、t1の区間では低速変動ステップ1の制御を行い、t2−t1の区間では低速変動ステップ2の制御を行い、t3−t2の区間では低速変動ステップ3の制御を行う。
例えば、低速変動ステップ1では、1ステップ当り約20ミリ秒(平均でも可、以下同様)の励磁を所定ステップ行い、低速変動ステップ2では、1ステップ当り約5ミリ秒の励磁を所定ステップ行い(例えば、1秒)、低速変動ステップ3では、1ステップ当り約2ミリ秒の励磁を所定ステップ行う。
高速変動ステップ制御では、例えば、1ステップ当り約1.5ミリ秒の励磁を繰り返し行うことで、リール41が定速回転を行うようになっている。
このような制御により、リール41は一般的なスロットマシンと同様、低速変動から高速変動へとスムーズに移行するような変動を行うことになる。
なお、本実施形態では、低速変動ステップ1〜3による制御に基づくリール41の変動速度を第1変動速度、この第1変動速度のときのリール41の変動状態を第1変動状態といい、高速変動ステップによる制御に基づくリール41の変動速度を第2変動速度、この第2変動速度のときのリール41の変動状態を第2変動状態という。
【0028】
一方、(b)は、遊技者が所定時間を超えるまでスタートレバー3に対する操作を行い、主制御部10が操作ありの検出継続時間から第2操作態様を識別したときのタイムチャートである。この例では、遊技者が意図的にスタートレバー3を操作し続けることにより、(a)よりも長い期間に亘り、低速変動状態が出現するようになっている。
【0029】
具体的には、主制御部10は、操作ありの検出継続時間がt2(第2継続時間:例えば、2秒)まで続いたときには、第2操作態様と識別し、そのとき行っている低速変動ステップ2の制御を操作ありの検出状態が継続する限り、繰り返し実行する。
低速変動ステップ2は、第1変動状態におけるリール41の制御であり、(a)においても実行される共通なステップでありながらも、(b)では、(a)よりも長い期間に亘って出現することになる。
このステップは、例えば、1周約750ミリ秒で回転する高速回転状態に対して、1周約2250ミリ秒で回転するという、回転速度が約1/3に落ちるスロー回転状態となる。このときは、各リール41a〜41cそれぞれがスロー回転状態となり、リール41の周面に表された図柄が、
図4に示す図柄配列に従って変動する様子を表示窓6を介して視認することができる図柄識別容易変動態様となる。図柄識別容易変動態様は、本発明に係る図柄の識別の容易な変動態様のことであり、各リール41a〜41cがこのようなスロー回転状態を所定時間に亘って継続する状態のことをいう。
この場合の所定時間は、リール41の周面に表された図柄が、
図4に示す図柄配列に従って変動する様子を表示窓6を介して視認することができる程度の時間であり、例えば、1周約2250ミリ秒の回転が3周程度続く時間が好ましい。
【0030】
このような図柄識別容易変動態様は、遊技者がスタートレバー3を操作し続ける限り、継続することになり(例えば、少なくとも5秒)、これにより、遊技者は自らが納得するまで各リール41に表された図柄の配列を確認することができる。一方、(a)でも、低速変動ステップ2は出現するものの、例えば約1秒間しか出現しないことから、
図4に示す図柄配列に従って変動する様子を視認できる変動態様ではなく、必ずしも図柄の識別が容易な変動態様とは言えない。
そして、遊技者がスタートレバー3に対する操作を終了することにより、主制御部10が操作なしを検出すると、低速変動ステップ3を経た後、高速変動ステップの実行により、リール41が高速変動状態となる。
【0031】
また、このような図柄識別容易変動態様では、主制御部10や副制御部20が演出手段として動作することにより、遊技の結果に関連する演出を実行する。
具体的には、遊技の結果に関連する演出として、スタートレバー3操作時に実行される内部抽選処理の抽選結果を示唆する演出を行う。
例えば、ボーナス当選時には、副制御部20が表示器8、スピーカ9を制御して、「ボーナス確定」などのメッセージ、音声を出力することもできる。また、小役、再遊技、はずれなどの当選を示唆するメッセージや音声を出力することもできる。
また、ボーナス当選時は、主制御部10が図柄識別容易変動態様(低速変動ステップ2の制御状態)におけるリール41の回転方向を反転させることもできる。
一方、(a)では、第2操作態様が識別されないので、低速変動ステップ2の制御が行われても、この制御タイミングでは、上記のメッセージが出力されたり、リール41の回転方向が反転したりすることは行わないこともできるが、行うこともできる。
【0032】
また、このような図柄識別容易変動態様では、副制御部20が操作タイミング報知手段として動作することにより、リール41に表された所定の図柄が停止可能となる停止ボタン5に対する操作のタイミングを報知することもできる。
例えば、左リール41aにおいて、図柄番号5,15の「7」が停止可能なタイミングが到来したときに、副制御部20が表示器8、スピーカ9を制御して、「停止ボタン5aを押すのは今」などのメッセージ、音声を出力することもできる。また、副制御部20が「7」が停止可能なタイミングが到来したときに、ランプ11を制御して、LED等の高速点滅を実行することもできる。
【0033】
以上説明したようなスロットマシン1において行われる特徴的な動作は、以下のようなフローチャートに基づいて実行される。
例えば、
図8は、図柄識別容易変動態様において、遊技の結果に関連する演出や操作タイミングの報知などのリール演出を実行しない場合のリール変動開始処理1を示すフローチャートであり、
図9は、リール演出を実行する場合のリール変動開始処理2を示すフローチャートである。
【0034】
リール変動開始処理1では、まず、メダル投入口2から又はベットボタン2aの操作により投入されたメダルの投入数がゲーム開始可能な規定数に達したか否かの判定を行う(S1)。
メダルの投入数が規定数に達したと判定したときには(S1−Yes)、続いて、スタートレバー3に対する操作の有無の判定を行う(S2)。
スタートレバー3に対する操作が行われると(S2−Yes)、再遊技、小役、ボーナスなどの複数の役の中から今回ゲームの抽選結果を決定する内部抽選処理を実行する(S3)。
次いで、段階的にリール41の回転速度を上げる低速変動ステップ制御を実行する。
低速変動ステップ制御では、まず、低速変動ステップ1を実行し(S4)、続いて、低速変動ステップ2を実行する(S5)。そして、この時点において、スタートレバー3に対する継続操作の有無を判定する(S6)。この時点まで、スタートレバー3に対する操作が継続していないときには(S6−No)、その後、低速変動ステップ3を実行し(S7)、続いて、高速変動ステップの実行を繰り返し行う(S8)。
【0035】
一方、この時点まで、スタートレバー3に対する操作が継続しているときには(S6−Yes)、低速変動ステップ2の実行を、スタートレバー3に対する操作が継続している限り、繰り返し行う(S6)。そして、スタートレバー3に対する操作が終了したときには(S6−No)、その後、低速変動ステップ3を実行し(S7)、続いて、高速変動ステップの実行を繰り返し行う(S8)。
【0036】
次に、リール変動開始処理2では、S13まで、リール変動開始処理1と同様に、規定数の投入判定(S11)、スタートレバー操作の有無の判定(S12)、内部抽選処理(S13)を実行した後、演出開始時間を更新するためのタイマをセットし(S14)タイマの更新を開始する。
次いで、リール変動開始処理1と同様に、段階的にリール41の回転速度を上げる低速変動ステップ制御を実行する。
低速変動ステップ制御では、まず、低速変動ステップ1を実行し(S15)、続いて、低速変動ステップ2を実行する(S16)。そして、この時点において、スタートレバー3に対する継続操作の有無を判定する(S17)。この時点まで、スタートレバー3に対する操作が継続していないときには(S17−No)、その後、低速変動ステップ3を実行し(S18)、続いて、高速変動ステップの実行を繰り返し行う(S19)。
【0037】
一方、この時点まで、スタートレバー3に対する操作が継続しているときには(S17−Yes)、タイマが演出開始時間に達したか否かの判定を行う(S20)。タイマが演出開始時間に達したか否かにかかわらず、低速変動ステップ2の実行を、スタートレバー3に対する操作が継続している限り、繰り返し行うとともに(S16)、タイマが演出開始時間に達したときには(S20−Yes)、遊技の結果に関連する演出や操作タイミングの報知などのリール演出を実行する(S21)。
そして、スタートレバー3に対する操作が終了したときには(S17−No)、リール演出を終了するとともに、低速変動ステップ3を実行し(S18)、続いて、高速変動ステップの実行を繰り返し行う(S19)。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者のスタートレバー3に対する操作態様を識別して、第2操作態様が識別されたときには、第1操作態様が識別されたときの変動態様よりもリール41に表された図柄の識別が容易な変動態様に制御するので、リール41に表される図柄の配列を確認することができる。
また、スタートレバー3に対する操作が継続して行われる限り、図柄の識別が容易な変動態様が続くことになるので、納得するまで図柄の配列を確認することができる。
また、スタートレバー3に対して通常通りの操作を行うことにより、図柄の識別が容易な変動態様が出現することがないので、図柄配列を確認する必要のない遊技者に煩わしさを感じさせることもない。
【0039】
一方、従来のスロットマシンでは、遊技状態の変わり目などの特定なタイミングにおいて、リール41の低速変動を所定時間継続させた後、定常回転まで加速させることから、遊技者自らが図柄の識別が容易な変動態様の出現をコントロールすることができなかった。
本実施形態のスロットマシン1によれば、従来のスロットマシンが改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0040】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0041】
例えば、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【0042】
また、本実施形態では、図柄表示手段としてモータにより駆動制御されるリールを用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を図柄の図柄表示手段として用いることもできる。
【0043】
また、遊技の結果に関連する演出を行うときに、図柄識別容易変動態様が長くなるにつれ、すなわち、スタートレバーに対する操作が継続するほど、期待を高揚させる演出(例えば、バトル演出などの焦らす演出を行いながらボーナス当選結果(バトル勝利でボーナス確定など)を最終的に報知する)を行うこともできる。
図柄識別容易変動態様において、表示器8に複数の選択肢(例えば、連打演出、一撃演出など)に対するカーソルを移動させ、スタートレバー3操作が終了したタイミングで、カーソルが示す位置の選択肢に決定することもできる(演出決定手段としての利用)。
ベットボタン2aなどのボタンを長押し操作することで、特定の演出が行われる遊技機において、スタートレバー3の継続操作をボタンの長押し操作に代えることもできる。
図柄識別容易変動態様において、当該ゲームのボーナス当選期待度や、当選役を示唆することもできる。
図柄識別容易変動態様におけるリール41の変動態様(正転、逆転、間欠回転など)により、当該ゲームのボーナス当選期待度や、当選役を示唆することもできる。
【0044】
本実施形態では、スタートレバー3に対する操作時間の長短から操作態様の違いを識別したが、スタートレバー3に対する操作方向の違いを識別することにより、図柄識別容易変動態様を出現させることもできる。
例えば、通常方向(例えば、下)への操作では図柄識別容易変動態様が出現しないものの、通常と異なる方向(例えば、上、左右)への操作では出現させることもできる。
また、スタートレバー3に対する操作方向の違いを識別することにより、各リール41を個別に図柄識別容易変動態様とすることもできる。
例えば、左方向への操作で左リール41aのみが図柄識別容易変動態様となり、下方向への操作で中リール41bのみが図柄識別容易変動態様となり、右方向への操作で右リール41cのみが図柄識別容易変動態様となり、上方向への操作で全リール41a〜41cが図柄識別容易変動態様となることもできる。
【0045】
スタートレバー3に対する操作態様を識別するのではなく、他の操作手段に対する操作態様を識別して図柄識別容易変動態様を出現させることもできる。
例えば、ベットボタン2aに対する操作態様を識別して図柄識別容易変動態様を出現させることもできる。このときには、1秒以下の通常押しでは、図柄識別容易変動態様を出現させず、1秒を超える長押しでは、図柄識別容易変動態様を出現させることもできる。また、ベットボタン2aの長押し時間に応じて、例えば、長押し時間が長いほど図柄識別容易変動態様の出現時間も長くなるなど図柄識別容易変動態様の出現時間を変化させることもできる。
また、複数のベットボタンを設ける場合において、一のベットボタンの操作に基づいてゲームを開始させたときには、図柄識別容易変動態様を出現させず、他のベットボタンの操作に基づいてゲームを開始させたときには、図柄識別容易変動態様を出現させることもできる。
【0046】
また、図柄識別容易変動態様におけるリール41の変動態様は、低速変動ステップ2に限られず、3コマ図柄が変動した後、一時停止する間欠変動など、様々な変動態様を採用することができる。このとき、スタートレバー3に対する操作方向等の変更により、一時停止する時間を遊技者がコントロールすることもできる。
また、本実施形態では、スタートレバー3に対する操作が継続する限り、図柄識別容易変動態様を出現させ続けたが、図柄識別容易変動態様の出現時間に上限(例えば、10秒など)を持たせることもできる。
また、図柄識別容易変動態様では、一定のリール回転速度ではなく、高速回転よりも遅い回転ではあるものの、低速から高速へ、高速から低速へと速度が徐々に変化する変動態様とすることもできる。
また、図柄識別容易変動態様は、第1操作態様及び第2操作態様の双方に共通の制御(低速変動ステップ2)を利用した変動態様としたが、第2操作態様のみに出現する変動態様とすることもできる。
また、複数のゲームに亘って図柄識別容易変動態様が繰り返し出現したときには、このような変動状態は特別な演出ではない旨を示す報知(例えば、大当りやボーナスには無関係な演出であることを示すメッセージの表示など)を行うことが好ましい。
【0047】
また、第1変動速度及び第1変動状態はそれぞれ、本実施形態のように、複数の速度の組合せ及び複数の速度で変動するときの状態でもよく、単一の速度及び単一の速度で変動するときの状態でもよい。同様に、第2変動速度及び第2変動状態はそれぞれ、本実施形態のように、単一の速度及び単一の速度で変動するときの状態でもよく、複数の速度の組合せ及び複数の速度で変動するときの状態でもよい。
また、第1変動速度が複数の速度の組合せからなるときには、第2変動速度は、第1変動速度を構成する複数の速度の平均速度よりも速い速度であることが好ましい。
このときの第2変動速度が複数の速度の組合せからなるときには、第2変動速度を構成する複数の速度の平均速度が第1変動速度よりも速い速度であることが好ましい。