特許第6692714号(P6692714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6692714
(24)【登録日】2020年4月17日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】機械式駐車設備の安全確認装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20200427BHJP
【FI】
   E04H6/18 601G
   E04H6/18 601A
   E04H6/18 606A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-141449(P2016-141449)
(22)【出願日】2016年7月19日
(65)【公開番号】特開2018-12926(P2018-12926A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】難波 政浩
(72)【発明者】
【氏名】山下 博司
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−003493(JP,A)
【文献】 特開2007−148472(JP,A)
【文献】 特開2013−030038(JP,A)
【文献】 特開2017−048534(JP,A)
【文献】 特開2011−113255(JP,A)
【文献】 特開2010−231402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 − 6/44
G08B 5/00 −31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が入出庫される駐車室と、該駐車室の入出庫口を開閉する入口扉と、該車両を搬送する搬送機とを備えた機械式駐車設備における、該駐車室内部の安全確認を行うための安全確認装置であって、
前記駐車室の内部を異なる方向から撮影するための複数のカメラと、
操作者が所定の操作を行うためのタッチパネル式のモニタと、
前記モニタに、前記操作者を認証する認証情報を入力するための認証画面と、該認証画面の表示領域とは別の領域にレイアウトされて前記カメラで撮影された映像を確認するための複数の監視画面とを表示させる制御部とを備えたことを特徴とする機械式駐車設備の安全確認装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、安全確認が必要な所定の動作が行われたときに、前記複数の監視画面を拡大表示させることを特徴とする機械式駐車設備の安全確認装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記制御部は、前記入口扉が閉じられてから所定時間が経過するまでの間、前記モニタに、前記複数の監視画面を継続して表示させる一方、次の操作者のための前記認証画面を表示させることを特徴とする機械式駐車設備の安全確認装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
前記モニタの近傍に配設され、前記搬送機の搬送動作を緊急停止させる非常停止ボタンを備えたことを特徴とする機械式駐車設備の安全確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車設備の安全確認装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、機械式駐車設備では、車両の入出庫を行う操作用のタッチパネルとは別に、駐車室内のカメラ映像を表示する監視モニタを設け、駐車室内の安全確認を行うようにしている。
【0003】
しかしながら、操作用のタッチパネルとは別に、カメラ映像用の監視モニタを設置すると、コストがかかるとともに、設置スペースを確保する必要があるという問題があった。
【0004】
そこで、タッチパネル式のモニタにカメラ映像も表示させることで、1つのモニタで、操作用のタッチパネルと監視モニタとを兼用させるようにした構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1の発明では、暗証番号の入力画面が表示され、暗証番号を入力した後で、カメラ映像の監視画面に切り替えるようにした構成が開示されている。そして、複数のカメラに対応してカメラ映像を逐次切り替えることで、異なる方向から駐車室内の安全確認を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−3493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の発明では、暗証番号を入力した後でカメラ映像の監視画面に切り替わるようになっており、また、カメラ映像専用のモニタも設置されていないことから、暗証番号の入力画面が表示されている間は、カメラ映像を確認することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1の発明では、モニタに1つのカメラ映像しか表示されず、安全確認ボタンを押すと逐次カメラ映像が切り替わるようになっている。そのため、例えば、「正面」、「後面」、「右側面」、「左側面」の安全確認を行った後、再度、「後面」のカメラ映像だけを確認したい場合には、入庫操作をキャンセルして、最初から全ての確認作業をやり直さなければならず、カメラ映像の一覧性に乏しいという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、モニタに表示する画面のレイアウトを工夫することで、タッチパネルの操作とカメラ映像の確認とを同時に行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車両が入出庫される駐車室と、該駐車室の入出庫口を開閉する入口扉と、該車両を搬送する搬送機とを備えた機械式駐車設備における、該駐車室内部の安全確認を行うための安全確認装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0011】
すなわち、第1の発明は、前記駐車室の内部を異なる方向から撮影するための複数のカメラと、
操作者が所定の操作を行うためのタッチパネル式のモニタと、
前記モニタに、前記操作者を認証する認証情報を入力するための認証画面と、該認証画面の表示領域とは別の領域にレイアウトされて前記カメラで撮影された映像を確認するための複数の監視画面とを表示させる制御部とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
第1の発明では、タッチパネル式のモニタには、操作者の認証作業を行うための認証画面と、複数のカメラの映像を確認するための複数の監視画面とが表示される。
【0013】
これにより、認証画面に認証情報を入力する作業を行いながら、同時に、複数の監視画面を確認することができ、駐車室内の在室者を発見し易くなって安全確保を図ることができる。
【0014】
具体的に、認証用のモニタと映像確認用のモニタとが別々に配置されている場合には、認証用のモニタを凝視している間に、監視画面を確認することができず、駐車室内の在室者を見落としてしまうおそれがある。
【0015】
これに対し、本発明では、認証画面と複数の監視画面とが、同一視野の範囲内にあり、視線を移動させる必要が無いレイアウトでモニタに表示されるので、認証画面と複数の監視画面とを同時に確認することができる。
【0016】
また、モニタには、複数のカメラに対応して複数の監視画面が表示されているので、操作者は、自分の確認したい方向のカメラ映像を迅速に確認することができる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明において、
前記制御部は、安全確認が必要な所定の動作が行われたときに、前記複数の監視画面を拡大表示させることを特徴とするものである。
【0018】
第2の発明では、複数の監視画面は、所定の動作、例えば、非常停止ボタンが押される等、安全確認が必要な操作が行われたり、車両をパレットの定位置に停車した後で人の退出を検知する等、安全確認が必要な状態が検知された場合に、モニタ全体に拡大表示されるので、監視画面がモニタ上に大きく表示されて見やすくなり、駐車室内の様子を把握し易くなる。
【0019】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記制御部は、前記入口扉が閉じられてから所定時間が経過するまでの間、前記モニタに、前記複数の監視画面を継続して表示させる一方、次の操作者のための前記認証画面を表示させることを特徴とするものである。
【0020】
第3の発明では、モニタには、入口扉が閉じられた後も複数の監視画面が継続して表示されるので、駐車室内の在室者を見落とすことなく、安全確保を図ることができる。
【0021】
また、モニタには、監視画面とともに認証画面も表示されるので、所定時間が経過して監視画面が非表示となってから認証画面が表示される場合に比べて、次の操作者の待ち時間を短縮することができる。
【0022】
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記モニタの近傍に配設され、前記搬送機の搬送動作を緊急停止させる非常停止ボタンを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
第4の発明では、操作者がモニタの監視画面を見ているときに駐車室内に在室者を発見した場合に、モニタの近傍に配設されている非常停止ボタンを迅速に操作することができ、安全確保を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、認証画面と複数の監視画面とが、同一視野の範囲内にあり、視線を移動させる必要が無いレイアウトでモニタに表示されるので、認証画面と複数の監視画面とを同時に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る機械式駐車設備の安全確認装置の構成を示す模式図である。
図2】認証画面と複数の監視画面とがモニタに表示されている図である。
図3】認証処理を行うためのフローチャート図である。
図4】複数の監視画面が非表示となったときの図である。
図5】非常停止ボタンが押されたときに、複数の監視画面がモニタに拡大表示されている図である。
図6】呼出処理中のフローチャート図である。
図7】呼出中画面と複数の監視画面とがモニタに表示されている図である。
図8】呼出中画面と待ち時間表示画面とがモニタに表示されている図である。
図9】入庫処理を行うためのフローチャート図である。
図10】入出庫画面と複数の監視画面とがモニタに表示されている図である。
図11】駐車室内に在室者が検知されたときに、複数の監視画面がモニタに拡大表示されている図である。
図12】拡大された複数の監視画面と扉閉ボタンとがモニタに表示されている図である。
図13】扉閉鎖処理を行うための認証画面がモニタに表示されている図である。
図14】扉閉鎖画面と複数の監視画面とがモニタに表示されている図である。
図15】その他の実施形態に係る認証画面と複数の監視画面とがモニタに表示されている図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。図には、前後左右の方向を矢印で示してある。特に言及しない限り、これら矢印で示す方向に従って説明する。
【0027】
図1に示すように、機械式駐車設備10は、車両Vが入出庫される駐車室11と、駐車室11の入出庫口12を開閉する入口扉13と、車両Vを搬送する搬送機15とを備えている。
【0028】
搬送機15は、駐車室11の中央部に配置されて車両Vを停車させるパレット16と、パレット16を上下方向に昇降させて空き駐車スペースまで搬送する昇降機構(図示省略)とを有する。
【0029】
機械式駐車設備10には、駐車室11内部の安全確認を行うための安全確認装置20が設けられている。安全確認装置20は、光電センサ21、カメラ25、モニタ31、及び制御装置30などを有する。
【0030】
光電センサ21は、駐車室11内に複数配設されており、駐車室11内の在室者やペット等の物体を検知するものである。具体的に、パレット16よりも左方には、前後方向に光軸が延びる光電センサ21が、左右方向に間隔をあけて2つ配設されている。この光電センサ21では、車両Vの左側から乗降した人や、車両Vの左側に存在する人や物体を検知する。
【0031】
また、パレット16よりも右方には、前後方向に光軸が延びる光電センサ21が、左右方向に間隔をあけて2つ配設されている。この光電センサ21では、車両Vの右側から乗降した人や、車両Vの右側に存在する人や物体を検知する。なお、パレット16の左右に配設された光電センサ21は、それぞれ1つずつでも構わない。
【0032】
駐車室11の入出庫口12の近傍には、入出庫口12を横切るように左右方向に光軸が延びる入出庫口センサ22が配設されている。入出庫口センサ22では、駐車室11の人の出入りを検知する。
【0033】
駐車室11内の後側には、左右方向に光軸が延びる光電センサ21が配設されている。この光電センサ21では、車両V後方に存在する人や物体を検知するとともに、この実施形態では車両Vの後端部を検知して、車両Vがパレット16の定位置に停車しているかの検知を兼ねている。
【0034】
駐車室11内の前側には、左右方向に光軸が延びる光電センサ21が配設されている。この光電センサ21では、車両V前方に存在する人や物体を検知するとともに、この実施形態では車両Vの前端部を検知して、車両Vが定位置からはみ出しているかの検知を兼ねている。
【0035】
駐車室11の前後方向の中央位置には、パレット16を横切るように左右方向に光軸が延びる車両検知センサ23が配設されている。車両検知センサ23では、パレット16に車両Vが停車しているかを検知する。
【0036】
光電センサ21、入出庫口センサ22、車両検知センサ23で人や物体が検知されると、その検知情報が制御装置30に送信される。
【0037】
複数のカメラ25は、駐車室11の内部を異なる方向から撮影するためのものである。具体的に、カメラ25は、駐車室11内の四隅にそれぞれ配設されており、車両Vの右側後部周辺、左側後部周辺、右側前部周辺、左側前部周辺を撮影できるようになっている。カメラ25で撮影された映像は、制御装置30に送信され、制御装置30によって、モニタ31上にどのようなレイアウトで表示するかが制御される。
【0038】
制御装置30は、駐車室11の外側で且つ入出庫口12の右側に配設されている。制御装置30には、操作者が所定の操作を行うためのタッチパネル式のモニタ31と、モニタ31の近傍に配置されて入口扉13の開閉動作や搬送機15の搬送動作を緊急停止させる非常停止ボタン28とが設けられている。
【0039】
制御装置30は、モニタ31に対して、どのような画面をどのようなレイアウトで表示するかを制御する。具体的に、操作者が入庫動作を開始するときには、図2に示すように、モニタ31には、入庫又は出庫の際に操作者を認証する認証情報である暗証番号を入力するための認証画面32と、操作者に対して暗証番号の入力を促す案内画面33と、4つのカメラ25の映像を確認するための4つの監視画面34とが表示されている。
【0040】
認証画面32は、モニタ31の右側の表示領域に表示されている。案内画面33は、モニタ31の左側下部の表示領域に表示されている。4つの監視画面34は、モニタ31の左側上部の表示領域に表示されている。監視画面34の表示領域は、上下左右に4分割されており、左上の表示領域には、車両Vの右側後部の監視画面34が表示されている。右上の表示領域には、車両Vの左側後部の監視画面34が表示されている。左下の表示領域には、右側前部の監視画面34が表示されている。右下の表示領域には、車両Vの左側前部の監視画面34が表示されている。なお、4つの監視画面34をどの表示領域に表示するかは、あくまでも一例であり、この形態に限定するものではない。
【0041】
認証画面32には、入力した暗証番号を表示する表示枠32aと、暗証番号を入力するためのテンキー32bと、暗証番号の入力後に次の操作に移行するためのスタートボタン32cとが配置されている。
【0042】
このように、タッチパネル式のモニタ31に、操作者の認証作業を行うための認証画面32と、4つのカメラ25の映像を確認するための4つの監視画面34とを表示することで、認証画面32に認証情報を入力する作業を行いながら、同時に、4つの監視画面34を確認することができる。つまり、認証画面32と4つの監視画面34とが、同一視野の範囲内にあり、視線を移動させる必要が無いレイアウトでモニタ31に表示されるので、駐車室11内の在室者を発見し易くなって安全確保を図ることができる。
【0043】
以下、車両Vが入庫されるまでの間に、モニタ31に対してどのような画面がどのようなレイアウトで表示されるのかについて説明する。なお、以下では、前の利用者の車両Vが入庫されて入口扉13が閉じた状態から説明する。
【0044】
図3に示すように、ステップS101では、入口扉13が閉鎖された後、所定時間(例えば、10秒)が経過したかを判定する。ステップS101での判定が「YES」の場合には、ステップS107に分岐する。ステップS101での判定が「NO」の場合には、ステップS102に分岐する。
【0045】
ステップS107では、図4に示すように、モニタ31に、4つのカメラ25の映像を非表示とするとともに、認証画面32を表示し、ステップS103に進む。
【0046】
ステップS102では、図2に示すように、4つのカメラ25の映像を、4分割された表示領域にそれぞれ縮小表示するとともに、認証画面32を表示し、ステップS103に進む。
【0047】
ステップS103では、非常停止ボタン28が押されたかを判定する。ステップS103での判定が「YES」の場合には、ステップS108に分岐する。ステップS103での判定が「NO」の場合には、ステップS104に分岐する。
【0048】
ステップS108では、図5に示すように、カメラ25の映像を見やすくするために、モニタ31全体を上下左右に4分割した表示領域に、4つの監視画面34を拡大表示する。このとき、上下の監視画面34の間の表示領域には、案内画面33が表示され、非常停止ボタンが押されたことを示すメッセージを表示する。そして、搬送機15の搬送動作が緊急停止され、処理が終了する。
【0049】
ステップS104では、操作者が暗証番号を入力したかを判定する。ステップS104での判定が「YES」の場合には、ステップS105に分岐する。ステップS104での判定が「NO」の場合には、ステップS101に戻って処理を繰り返す。つまり、モニタ31には、図2又は図4の画面が継続して表示される。
【0050】
ステップS105では、認証作業が完了したかを判定する。ステップS105での判定が「YES」の場合には、ステップS106に分岐して、ステップS106で空きパレットの呼出処理を行い、次の工程に進む。ステップS105での判定が「NO」の場合には、必要に応じて図示しないエラーメッセージを表示した後、S101に戻って処理を繰り返す。つまり、モニタ31には、図2又は図4の画面が継続して表示される。
【0051】
次に、図6に示すように、ステップS201では、入口扉13が閉鎖された後、所定時間が経過したかを判定する。ステップS201での判定が「YES」の場合には、ステップS206に分岐する。ステップS201での判定が「NO」の場合には、ステップS202に分岐する。
【0052】
ステップS202では、図7に示すように、4つのカメラ25の映像を、4分割された表示領域にそれぞれ縮小表示するとともに、搬送機15を呼び出し中であることを示す呼出中画面35を表示し、ステップS203に進む。ここで、モニタ31の右側の表示領域には、呼出中画面35が表示され、空きパレットが降下中であるイメージ画像を表示する。モニタ31の左側下部の表示領域には、案内画面33が表示され、同乗者の入室禁止を促すメッセージを表示する。モニタ31の左側上部の表示領域には、4つの監視画面34を縮小表示する。
【0053】
ステップS206では、図8に示すように、呼出処理の待ち時間を示す待ち時間画面36と、呼出中画面35とを表示する。図8では、4つの監視画面34が非表示となり、この表示領域に、待ち時間画面36を表示する。その後、ステップS203に進む。
【0054】
ステップS203では、非常停止ボタン28が押されたかを判定する。ステップS203での判定が「YES」の場合には、ステップS207に分岐する。ステップS203での判定が「NO」の場合には、ステップS204に分岐する。
【0055】
ステップS207では、図5に示すように、カメラ25の映像を見やすくするために、モニタ31全体を上下左右に4分割した表示領域に、4つの監視画面34を拡大表示する。このとき、上下の監視画面34の間には、案内画面33が表示され、非常停止ボタンが押されたことを示すメッセージを表示する。そして、搬送機15の搬送動作が緊急停止され、処理が終了する。
【0056】
ステップS204では、呼出処理が完了したか、つまり、ステップS106で呼び出した空きパレットが駐車室11に到着したかを判定する。ステップS204での判定が「YES」の場合には、ステップS205に分岐し、ステップS205で、入口扉13を開放する処理を行い、次の工程に進む。ステップS204での判定が「NO」の場合には、ステップS201に戻って処理を繰り返す。つまり、モニタ31には、図7又は図8の画面が継続して表示される。
【0057】
次に、図9に示すように、ステップS301では、パレット16に車両Vを停止させたときに、車両Vが定位置からはみ出しているかを判定する。このはみ出しの検知は、駐車室11内の前後に配置された光電センサ21によって行われる。ステップS301での判定が「YES」の場合には、ステップS311に分岐する。ステップS301での判定が「NO」の場合には,ステップS302に分岐する。
【0058】
ステップS311では、例えば、前側の光電センサ21が作動して前方へのはみ出しを検知した場合、図10に示すように、4つのカメラ25の映像を、4分割された表示領域にそれぞれ縮小表示するとともに、車両Vがパレット16の定位置からはみ出しており車両Vの後退が必要であることを示すイメージ画像を表示する入出庫画面37を表示して、ステップS301に戻る。図10に示すように、入出庫画面37には、車両Vの前端部が光電センサ21で検知されている状態を示す平面図と、車両Vの背面図とが表示されている。
【0059】
ステップS302では、駐車室11内の在室者を検知したかを判定する。在室者の検知は、光電センサ21や入出庫口センサ22で行うようにすればよい。また、出庫の場合は、車両検知センサ23も利用することができる。ステップS302での判定が「YES」の場合には、ステップS312に分岐する。ステップS302での判定が「NO」の場合には、ステップS303に分岐する。
【0060】
ステップS312では、図11に示すように、モニタ31全体を上下左右に4分割した表示領域に、4つの監視画面34を拡大表示する。このとき、上下の監視画面34の間の表示領域には、人検知画面38を表示して、駐車室11内に在室者が検知されたことを示すメッセージを表示する。その後、ステップS301に戻る。
【0061】
ステップS303では、図12に示すように、モニタ31全体を上下左右に4分割した表示領域に、4つの監視画面34を拡大表示する。このとき、上下の監視画面34の間の表示領域には、安全確認操作画面39を表示して、安全確認を促すメッセージを表示する。また、安全確認操作画面39には、入口扉13を閉じる扉閉ボタン39aが表示される。その後、ステップS304に進む。
【0062】
ステップS304では、安全確認操作が行われたか、つまり、扉閉ボタン39aが押されたを判定する。ステップS304での判定が「YES」の場合には、ステップS305に分岐する。ステップS304での判定が「NO」の場合には、ステップS301に戻って処理を繰り返す。
【0063】
ステップS305では、図13に示すように、4つのカメラ25の映像を、4分割された表示領域にそれぞれ縮小表示するとともに、扉閉鎖操作画面、つまり、認証画面32を表示し、ステップS306に進む。図13の案内画面33には、暗証番号を入力すると自動で入口扉13が閉じることを示すメッセージを表示する。
【0064】
ステップS306では、入口扉13の閉鎖操作が行われたか、つまり、暗証番号の入力が行われたかを判定する。ステップS306での判定が「YES」の場合には、ステップS307に分岐する。ステップS306での判定が「NO」の場合には、ステップS305に戻って処理を繰り返す。つまり、モニタ31には、図13に示す画面が継続して表示される。
【0065】
ステップS307では、入口扉13の閉鎖処理が行われ、ステップS308に進む。
【0066】
ステップS308では、図14に示すように、モニタ31に、4つのカメラ25の映像を4分割された表示領域にそれぞれ縮小表示するとともに、入口扉13を閉鎖中であることを示す扉閉鎖中画面40を表示し、ステップS309に進む。ここで、モニタ31の右側の表示領域には、扉閉鎖中画面40が表示され、入口扉13が閉鎖中であることを示すイメージ画像を表示する。扉閉鎖中画面40には、入口扉13を開く扉開ボタン40aが表示されている。モニタ31の左側下部の表示領域には、案内画面33が表示され、扉が閉鎖中であって注意を促すメッセージを表示する。モニタ31の左側上部の表示領域には、4つの監視画面34が縮小表示されている。
【0067】
ステップS309では、図14に示す扉開ボタン40aが押されたかを判定する。ステップS309での判定が「YES」の場合には、ステップS313に分岐し、ステップS313で、入口扉13の閉鎖動作を中止して入口扉13の開放処理を行い、ステップS301に戻って処理を繰り返す。ステップS309での判定が「NO」の場合には、ステップS310に分岐する。このステップS309の判定は、扉閉鎖完了まで繰り返される。
【0068】
ステップS310では、入口扉13の閉鎖が完了する。その後、図3の最初のステップS101に戻り、処理を繰り返す。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る機械式駐車設備10の安全確認装置20によれば、モニタ31には、入口扉13が閉じられた後も複数の監視画面34が継続して表示されるので、駐車室11内の在室者を見落とすことなく、安全確保を図ることができる。
【0070】
また、モニタ31には、監視画面34とともに認証画面32も表示されるので、所定時間が経過して監視画面34が非表示となってから認証画面32が表示される場合に比べて、次の操作者の待ち時間を短縮することができる。
【0071】
また、複数の監視画面34は、非常停止ボタン28が押される等、安全確認が必要な操作が行われたり、確認が必要な状態が検知された場合に、モニタ31全体に拡大表示されるので、監視画面34がモニタ31上に大きく表示されて見やすくなり、駐車室11内の様子を把握し易くなる。
【0072】
なお、以上の実施形態では、入庫の場合について説明したが、出庫の場合も、空パレットの呼び出しに代えて、操作者が入庫した車両Vを搭載したパレット16の呼び出しを行うことや、車両Vのはみ出し判定を行わないなど、入庫と出庫の場合それぞれに特有の処理や画面表示のメッセージの違いなどを除く部分について、同様の処理とすることができる。
【0073】
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0074】
本実施形態では、4つのカメラ25の映像を確認するための4つの監視画面34を、モニタ31において上下左右に4分割された表示領域に表示するようにしたが、この形態に限定するものではない。例えば、図15に示すように、モニタ31の上側に帯状の表示領域を設け、この表示領域に、4つの監視画面34を左右方向に並ぶようにレイアウトしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、本発明は、モニタに表示する画面のレイアウトを工夫することで、タッチパネルの操作とカメラ映像の確認とを同時に行うことができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0076】
10 機械式駐車設備
11 駐車室
12 入出庫口
13 入口扉
15 搬送機
20 安全確認装置
25 カメラ
28 非常停止ボタン
30 制御装置(制御部)
31 モニタ
32 認証画面
34 監視画面
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図14
図15