特許第6692813号(P6692813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6692813
(24)【登録日】2020年4月17日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】マルチソース電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20200427BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20200427BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
   H02J7/02 H
   H02J7/00 302C
   H02J7/00 302B
   H02J7/34 C
【請求項の数】22
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-527247(P2017-527247)
(86)(22)【出願日】2015年12月4日
(65)【公表番号】特表2018-503339(P2018-503339A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(86)【国際出願番号】US2015063864
(87)【国際公開番号】WO2016105905
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2018年11月29日
(31)【優先権主張番号】14/582,969
(32)【優先日】2014年12月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】クマール,パヴァン
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−30656(JP,A)
【文献】 特開平8−129436(JP,A)
【文献】 特開2007−300693(JP,A)
【文献】 特開2011−55649(JP,A)
【文献】 特表2012−518980(JP,A)
【文献】 特表2012−529714(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101958568(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102231545(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0130214(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0225177(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0239772(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0026100(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0289338(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0215760(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0278931(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0015805(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0108898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のソースから受け取られるエネルギを捕捉及び保持する、直列に結合される複数の保持要素と、
前記複数の保持要素へ結合され、各保持要素から引き込まれるエネルギの平衡を保たせるバランサと
前記バランサへ結合され、該バランサの動作を制御する制御ロジックと
を有する装置。
【請求項2】
複数の出力段を更に有し、
各出力段は、夫々のバランサ出力ポートへ結合され、
各出力段がパスゲートを有すること及び/又は少なくとも1つの出力段が電圧レギュレータを有することのうちの少なくとも1つがある、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各保持要素は、バッテリ及び/又はキャパシタのうちの少なくとも1つを有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数のタップを更に有し、
各タップは、夫々の負荷へ結合する、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バランサは、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、及び/又はバックブースト電圧レギュレータのうちの少なくとも1つを有する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記バランサは、少なくとも1つの電圧レギュレータを有する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電圧レギュレータのうちの少なくとも1つの電圧レギュレータは、開ループにおいて動作する、
請求項に記載の装置。
【請求項8】
直列に結合される複数の保持要素によって、複数のソースから受け取られるエネルギを捕捉することと、
各保持要素によって、夫々のソースから受けられたエネルギを保持することと、
前記複数の保持要素へ結合されるバランサによって、各保持要素から引き込まれるエネルギの平衡を保たせることと
制御ロジックによって、前記バランサの動作を制御することと
を有し、
前記制御することは、電圧をレギュレートすることを含む、方法。
【請求項9】
複数の出力段の夫々によって、前記バランサの夫々の出力を制御することを更に有する
請求項に記載の方法。
【請求項10】
各保持要素は、バッテリ及びキャパシタのうちの少なくとも1つを有する、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
複数のタップの夫々によって、電力デバイスの出力を夫々の負荷へ結合することを更に有する
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記バランサは、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、及びバックブースト電圧レギュレータのうちの少なくとも1つを有する、
請求項に記載の方法。
【請求項13】
複数のソースによって、前記エネルギを供給することを更に有する
請求項に記載の方法。
【請求項14】
複数のソースと、
前記複数のソースへ結合される電力デバイスと
を有し、
前記電力デバイスは、
直列に結合される複数の保持要素であり、各保持要素が夫々のソースから受け取られるエネルギを捕捉及び保持する、前記複数の保持要素と、
前記複数の保持要素へ結合され、各保持要素から引き込まれるエネルギの平衡を保たせるバランサと
前記バランサへ結合され、該バランサの動作を制御する制御ロジックと
を有する、システム。
【請求項15】
前記電力デバイスは、複数の出力段を更に有し、各出力段は、夫々のバランサ出力ポートへ結合される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
各保持要素は、バッテリ及び/又はキャパシタのうちの少なくとも1つを有する、
請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記電力デバイスは、複数のタップを更に有し、各タップは、前記電力デバイスを夫々の負荷へ結合する、
請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記バランサは、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、及び/又はバックブースト電圧レギュレータのうちの少なくとも1つを有する、
請求項14乃至17のうちいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの出力段は、電圧レギュレータを有する、
請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数のソースは、少なくとも1つの非従来型電源を有する、
請求項14乃至17のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
請求項乃至13のうちいずれか一項に記載の方法を実施するよう構成される少なくとも1つのデバイスを含むシステム。
【請求項22】
請求項乃至13のうちいずれか一項に記載の方法を実施する手段を有するデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給に関係があり、特に、マルチソース電力供給システムに関係がある。
【背景技術】
【0002】
コンピュータデバイスは、通常、単一の電源(例えば、バッテリ又は電力供給)からエネルギを受ける。バッテリはまた、バッテリ充電器からエネルギを受け得る。バッテリ充電器又は電力供給は、AC(alternating current)(交流)入力を受け、DC(direct current)(直流)出力をバッテリへ又はコンピュータデバイスへ夫々供給し得る。単一の電源から受け取られたエネルギは、次いで、コンピュータデバイス内の電力変換ロジックによって1つ以上の電圧へ変換され得る。電力変換ロジックは、1つ以上の動作電圧で、コンピュータデバイスの選択された要素へエネルギを供給するよう構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
請求される対象の特徴及び利点は、それらに対応する実施形態の以下の詳細な説明から明らかである。以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して検討されるべきである。
図1】本開示の様々な実施形態に従って、マルチソース電力供給システム及び負荷デバイスの機能ブロック図を表す。
図2】本開示の一実施形態に従って、3段バランサを含むマルチソース電力供給システムの例を表す。
図3】本開示の一実施形態に従って、2段バランサを含むマルチソース電力供給システムの他の例を表す。
図4】本開示の様々な実施形態に従う電力供給動作のフローチャートである。 以下の詳細な説明は、実例となる実施形態を参照して進むが、それらの多くの代替案、変更、及び変形は、当業者に明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
概して、本開示は、マルチソース電力供給システム(及び方法)に関係がある。マルチソース電力供給システムは、従来型及び/又は非従来型の複数の電源(“ソース”)と、バランサ及び複数の保持要素を含む電力デバイスとを含み得る。電力ソースは、複数のソースからエネルギを受け、各ソースからのエネルギを夫々の保持要素で保持するよう構成される。複数の保持要素は、直列に互いへ結合されるよう構成され、各保持要素は、バランサへ結合されるよう構成される。バランサは、保持要素のうちの1つ以上の夫々から引き込まれたエネルギの平衡を保たせるよう構成された1つ以上の電圧レギュレータ及び/又はDC/DCコンバータを含む。電力デバイスは、複数の平衡電圧(“出力電圧”)でエネルギを複数のタップへ供給するよう構成される。出力電圧の数(及びタップの数)は、ソースの数以下であってよい。タップの1つ以上は、次いで、負荷デバイスへ結合され得る。
【0005】
従来型のソースは、バッテリ充電器、AC(alternating current)/DC(direct current)コンバータ、USB(Universal Serial Bus)(ユニバーサル・シリアル・バス)ポート、などを含むが、それらに限られない。従来型のソースは、一般に、数ボルトから数十ボルト、例えば、5、12、及び/又は20ボルトの電圧でエネルギを供給するよう構成され得る。非従来型のソースは、太陽電池、光起電電池、アンテナからのエネルギを捕捉及び変換するよう構成された無線電力源、振動を電気エネルギに変換するよう構成された圧電ソース、温度勾配にわたる熱フローを電気エネルギに変換するよう構成された熱電ソース、などを含む。非従来型のソースは、1の位及び10分の1の位の桁のボルトでの電圧においてエネルギを供給し得る。夫々の非従来型のソースへ結合される保持要素は夫々が、1の位及び10分の1の位の桁のボルトでの電圧においてエネルギを受け取って保持するよう構成され得る。
【0006】
負荷デバイスの少なくともいくつかの要素(例えば、負荷)の動作電圧は、0.5ボルトから5ボルトの範囲にあってよい。例えば、コンピュータデバイスの要素の動作電圧は、5、3.3、1.8、1.5、1.3、及び/又は0.8ボルトを含み得る。個々の非従来型のソースの出力電圧よりも大きい電力デバイス出力電圧は、直列に結合される複数の保持要素へ結合することによって、供給され得る。電力デバイス出力電圧は、次いで、例えば、コンピュータデバイスへ、あったとしてもほとんど変換を伴わずに、供給され得る。第1及び第2の電圧の値が比較的近い場合に第1の電圧を第2の電圧へ変換することは、一般に、第1の電圧が第2の電圧よりも相対的にずっと大きいか又は相対的にずっと小さい場合に第1の電圧を第2の電圧へ変換することよりも、効率が良い。よって、比較的最低限の変換しか有さずに、非従来型のソースからの出力電圧を、負荷デバイスに含まれる負荷の動作電圧と比較的近く整合させることは、従来型電源の出力電圧を変換することに比べて、大きい相対電圧差に起因して、高効率であり得る。
【0007】
図1は、本開示のいくつかの実施形態に従って、マルチソース電力供給システム100及び負荷デバイス106のシステムブロック図を表す。負荷デバイス、例えば、負荷デバイス106は、コンピュータデバイス(例えば、サーバ、ワークステーションコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(登録商標)、GalaxyTab、及び同様のもの)、ウルトラポータブルコンピュータ、ウルトラモバイルコンピュータ、ネットブックコンピュータ、及び/又はサブノートブックコンピュータ);スマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)に基づく電話機、Blackberry(登録商標)、Symbian(登録商標)に基づく電話機、Palm(登録商標)に基づく電話機、など)及び/又はフィーチャーフォンを含むがそれらに限られない携帯電話機;装着型デバイス及び/又はシステム;及び/又はセンサ及び/又はセンサネットワーク(有線及び/又は無線)、などを含み得るが、それらに限られない。
【0008】
負荷デバイス106は、複数の負荷130a、130b、・・・、130pを含み得る。負荷130a、130b、・・・、130pは、回路(アナログ及びデジタル)、ロジック、電圧レギュレータ、DC/DCコンバータ、及び/又は電力レール、などを含み得るが、それらに限られない。負荷130a、130b、・・・、130pのうちの1つ以上は、1つ以上の入力電圧でマルチソース電力供給システム100からエネルギを受けるよう構成される。いくつかの実施形態において、負荷130a、130b、・・・及び/又は130pは、受け取られた入力電圧を変換することなしに、供給エネルギを利用するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、負荷130a、130b、・・・、及び/又は130pは電圧レギュレータに対応し得る。例えば、電圧レギュレータは、電圧レギュレータへ結合されている負荷デバイス要素の動作電圧に入力電圧が比較的近い場合に、線形及び/又は低損失電圧レギュレータに対応し得る。
【0009】
負荷デバイス106は、パフォーマンス監視ユニット(PMU;performance monitoring unit)132を更に含み得る。PMU132は、負荷デバイス106のパフォーマンスをモニタし、本願で記載されるように、負荷デバイス106及び/又は負荷130a、130b、・・・、130pにおける変化及び/又はそれらの予想されるエネルギ消費に関するインジケーション(例えば、信号)をシステム100へ供給するよう構成され得る。
【0010】
システム100は、電力デバイス102及び複数のソース104a、104b、104c、・・・、104mを含む。ソース104a、104b、104c、・・・、104mは、本願で記載されるように、従来型及び/又は非従来型の電源を含み得る。いくつかの実施形態において、システム100は従来型電源105を含み得る。従来型のソース105は、供給電圧Vinを有するAC供給へ結合され得るAC/DCコンバータ(すなわち、バッテリ充電器)に対応し得る。従来型のソース105は電力デバイス102へ結合され得る。従来型のソース105は、例えば、ソース104a、104b、104c、・・・、104mが非従来型のソースに対応する場合に、ソース104a、104b、104c、・・・、104mに加えて、及び/又はそれらの代わりとして、エネルギを電力デバイス102へ供給するよう構成される。
【0011】
電力デバイス102は、制御ロジック110、複数の保持要素112a、112b、112c、・・・、112m、及びバランサ114を含む。電力デバイス102は、複数の出力段116a、116b、・・・、116nを更に含み得る。電力デバイス102は、ソース104a、104b、104c、・・・、及び/又は104m、及び/又は従来型のソース105のうちの1つ以上から電気エネルギを受けるよう構成される。従来型のソース105は、ノード115a及び115bにおいてバランサ114及び複数の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mへ結合するよう構成される。例えば、従来型のソース105は、ソース104a、104b、104c、・・・、及び/又は104mのうちの1つ以上が利用可能でない場合に、エネルギをバランサ114及び複数の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mへ供給するよう構成され得る。
【0012】
ソース104a、104b、104c、・・・、104mから受け取られるエネルギは、夫々の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mへ供給され得、そして、夫々の入力電圧VS1、VS2、VS3、・・・、VSmにあり得る。電力デバイス102は、夫々の電力デバイスタップ118a、118b、・・・、118nでエネルギ出力を供給するよう構成される。関連するタップと接地との間で測定される出力電圧Vout1、Vout2、・・・、Voutnは、入力電圧VS1、VS2、VS3、・・・、及び/又はVSmのうちの1つ以上と関係がある。例えば、Vout1はVS1に対応し得る。他の例では、Vout2は、VS1、VS2、VS3、・・・、及びVSmの和に対応し得る。タップの数、従って、出力電圧Vout1、Vout2、・・・、Voutnの数は、入力電圧VS1、VS2、VS3、・・・、VSmの数以下である。入力電圧の数は、保持要素112a、112b、112c、・・・、112mの数に対応し、更には、ソース104a、104b、104c、・・・、104mの数にも対応し得る。
【0013】
制御ロジック110は、電力デバイス102の動作を管理するよう構成される。例えば、制御ロジック110は、負荷デバイス106の動作に関するインジケーション(例えば、信号)をPMU132から受信するよう構成され得る。制御ロジック110は、本願で記載されるように、インジケーションに応答してバランサ114及び/又は出力段116a、116b、・・・、116nのうちの1つ以上を管理するよう構成される。
【0014】
保持要素112a、112b、112c、・・・、112mは、充電式バッテリ、キャパシタ、及び/又はスーパーキャパシタを含み得る。充電式バッテリは、1つ以上の再充電可能なバッテリタイプを含み得る。再充電可能なバッテリタイプは、Li−ion(Lithium Ion;リチウムイオン)、NiMH(Nickel-Metal Hydride;ニッケル水素)、NiZn(Nickel-Zinc;ニッケル亜鉛)、及びNiCd(Nickel-Cadmium;ニッケルカドミウム)などを含み得るが、それらに限られない。スーパーキャパシタは、二重層キャパシタ(例えば、静電電荷ストレージ)、シェードキャパシタ(pseudocapacitors)(例えば、電気化学電荷ストレージ)、及びハイブリッドキャパシタ(静電的及び電気化学的の両方の電荷ストレージ)を含み得る。
【0015】
スーパーキャパシタの動作特性は、従来のキャパシタ及び充電式バッテリの対応する動作特性の間にあり得る。例えば、スーパーキャパシタは、従来のキャパシタと比較して、より高いエネルギ密度及びより低い電力密度を有し得る。言い換えれば、スーパーキャパシタは、従来のキャパシタと比べて、単位体積あたりより多くのエネルギを保持することができ、且つ、よりゆっくりと充電及び放電し得る。スーパーキャパシタは、充電式バッテリと比較して、より低いエネルギ密度及びより高い電力密度を有する。言い換えれば、スーパーキャパシタは、充電式バッテリよりも保持できるエネルギが少ないが、充電式バッテリよりも速く放電し得る。すなわち、相対的に小さい時定数を有し得る。よって、充電式バッテリと組み合わされる場合に、スーパーキャパシタは、比較的短い期間にわたって追加のエネルギを供給すること(すなわち、比較的速い放電)によって、充電式バッテリを補完し得る。
【0016】
このように、夫々の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mは、直列に及び/又は並列に結合され得る1つ以上の充電式バッテリ、キャパシタ、及び/又はスーパーキャパシタを含み得る。具体的な配置は、入力電圧VS1、VS2、VS3、・・・、VSmで目標(すなわち、特定の)エネルギ容量を供給するよう構成され得る。夫々の入力電圧VS1、VS2、VS3、・・・、VSmは、保持要素112a、112b、112c、・・・、112mへ結合される夫々の関連するソース104a、104b、104c、・・・、104mの出力電圧に関係があり、それに対応し得る。
【0017】
保持要素112a、112b、112c、・・・、112mは直列に結合され得る。例えば、保持要素112aの第1のポート(例えば、負端子)は接地へ結合されてよく、保持要素112aの第2のポート(例えば、正端子)は、ノード113aで保持要素112bの第1のポートへ結合されてよく、保持要素112bの第2のポートは、ノード113bで保持要素112cの第1のポートへ結合されてよく、以降、ノード113mへ結合され得る保持要素112mの第2のポートまで続く。例えば、夫々の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mは、電圧VS1、VS2、VS3、・・・、Vsmが(例えば、電圧VS)に等しいときにスタックに対応し得る。この例を続けると、夫々の出力電圧Vout1、Vout2、・・・、Voutnは、その場合に、夫々の整数係数を乗じられたVS、例えば、sが1からmを含む整数であるとして、s×VS、に対応し得る。スタックの数より出力電圧の数の方が少ないので、sは、1からmの間のあらゆる値をとってもとらなくてもよい。
【0018】
夫々のソース104a、104b、104c、・・・、104mは、夫々の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mへ並列に結合され得る。例えば、ソース104aは、保持要素112aと並列に結合されてよく、ソース104bは保持要素112bと並列に結合されてよく、以降同様にソース104m及び保持要素112mに続く。このように、ソース104a、104b、104c、・・・、104mの数は、保持要素112a、112b、112c、・・・、112mの数に等しくなり得る。ソース104a、104b、104c、・・・、104mは、その場合に、直列に有効に結合され得る。保持要素112a、112b、112c、・・・、112m(及びソース104a、104b、104c、・・・、104m)は更に、バランサ114へ結合され得る。例えば、保持要素112aの第1のポートは、同じく接地へ結合されているバランサ115aへ結合され得る。夫々のノード113a、113b、113c、・・・、113m(よって、各保持要素の第2のポート)は、夫々のバランサ入力ポート117a、117b、117c、・・・、117mへ結合され得る。夫々の入力電圧VS1、VS2、VS3、・・・、VSmは、その場合に、隣り合うバランサ入力ポートどうしの間に供給され得る。このように、バランサ114は、ノード113a、113b、113c、・・・、113mを介してバランサ入力ポート117a、117b、117c、・・・、117mでソース104a、104b、104c、・・・、104m及び保持要素112a、112b、112c、・・・、112mへ結合されている。
【0019】
バランサ114は、ソース104a、104b、104c、・・・、104m及び/又は保持要素112a、112b、112c、・・・、112mからエネルギを受けるよう構成される。バランサ114は、従来型のソース105からエネルギを更に受け得る。バランサ114は、バランサ出力ポート119a、119b、・・・、119nへエネルギを供給するよう更に構成される。バランサ出力ポート119a、119b、・・・、119nのうちの1つ以上は、夫々の出力段116a、116b、・・・、116nへ結合され得る。ポート119a、119b、・・・、119nでの出力電圧は、一般に、接地、例えば、ポート115aを基準とし得る。よって、ポート119a、119b、・・・、119nでの出力電圧は、1つ以上の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mにかかる電圧の合成(すなわち、和)に対応し得る。例えば、ポート119aに関連する出力電圧は、保持要素112a及び/又はソース104aに関連する電圧、例えば、VS1に対応してよい。他の例では、ポート119bに関連する出力電圧は、例えば、保持要素112a、112b及び112cにかかる電圧の和(例えば、VS1+VS2+VS3)に対応し得る。
【0020】
バランサ114は、電流がポート119a、119b、・・・、119nのうちの1つ以上から引き込まれる場合に保持要素112a、112b、・・・、及び/又は112m及び/又はソース104a、104b、104c、・・・、及び/又は104mから引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう構成される。バランサ出力ポート119a、119b、・・・、119nの数は、保持要素112a、112b、112c、・・・、112mの数以下であってよい。バランサ114は、バランサ114へ結合されている夫々の保持要素112a、112b、112c、・・・、及び/又は112m及び/又はソース104a、104b、104c、・・・、及び/又は104mから引き込まれるエネルギの相対量を制御するよう構成される。例えば、バランサ114は、1つ以上の電圧レギュレータ及び/又はDC/DCコンバータを含み得る。別なふうに述べられない限り、ここで使用されるように、語「電圧レギュレータ」は、電圧レギュレータ及びDC/DCコンバータの両方に対応し、よって、「電圧レギュレータ」は、電圧レギュレータ及び/又はDC/DCコンバータを意味すると理解される。電圧レギュレータ(及び/又はDC/DCコンバータ)は、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、バックブースト電圧レギュレータ、などを含み得るが、それらに限られない。電圧レギュレータは、対応する入力電圧よりも大きい、それよりも小さい、又はそれと等しい出力電圧を供給するよう構成され得る。電圧レギュレータは、開ループにおいて(すなわち、直接の出力電圧フィードバックなしで)及び/又は閉ループにおいて(すなわち、直接の出力電圧フィードバックを伴って)動作するよう構成され得る。それにより、夫々の保持要素112a、112b、112c、・・・、及び/又は112mから引き込まれるエネルギの量は平衡を保たれる。
【0021】
例えば、バランサ114は、制御ロジック110及びPWM120から入力されるパルス幅変調(PWM;pulse width modulated)信号を受信するよう構成される。PWM信号は、数百キロヘルツ、数十メガヘルツ(MHz)、又は数百MHzのオーダーで周波数を有し得る。PWMデューティサイクルは、ソース104a、104b、104c、・・・、104mの夫々の出力電圧、例えば、VS1、VS2、VS3、・・・、VSm、の相対値に少なくとも部分的に基づき、選択され得る。関連するバランサ114の出力電圧は、エネルギが保持要素112a、112b、112c、・・・、112mから引き込まれ、夫々のソース104a、104b、104c、・・・、104m及び/又は従来型のソース105によって補給されない場合に、低下し得る。そのような低下は、複数の保持要素112a、112b、112c、・・・、及び/又は112mにわたって比例する、すなわち、平衡を保たれるよう構成される。
【0022】
バランサ114は、電流がバランサ出力ポート119a、119b、・・・、119nのうちの1つ以上から引き込まれる場合に、保持要素112a、112b、112c、・・・、112m及び/又はソース104a、104b、104c、・・・、104mから引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう構成される。ソース104a、104b、104c、・・・、104mが非従来型電源に対応するとき、バランサ114は、単一の従来の入力電圧(例えば、12ボルト)を複数の相対的に低い出力電圧へ変換するよう構成された電圧レギュレータ(及び/又はDC/DCコンバータ)と比較して、一般に、発生し得る変換損失が相対的により小さい。よって、バランサ114は、比較的サイズが小さく、且つ、比較的効率がよい。
【0023】
バランサ114の出力ポート119a、119b、・・・、119nは、夫々の出力段116a、116b、・・・、116nへ夫々結合され得る。出力段116a、116b、・・・、116nの数は、電力デバイス102のタップ118a、118b、・・・、118nに対応する。実施形態において、夫々の出力段116a、116b、・・・、116nは、パスゲートを含んでよく、及び/又はパスゲートに対応してよい。パスゲート、例えば、スイッチは、入力及び出力を制御可能に結合し及び/又は切り離すよう構成される。例えば、パスゲートは、トランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ(FET;field effect transistor)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT;bipolar junction transistor)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT;insulated gate bipolar transistor)、など)、リレー、などを含み得るが、それらに限られない。このように、夫々のパスゲート116a、116b、・・・、116nは、夫々のバランサ出力ポート119a、119b、・・・、又は119n及び関連する電力デバイス出力タップ118a、118b、・・・、又は118nを制御可能に結合し及び/又は切り離し得る。
【0024】
夫々のパスゲートは、制御ロジック110によって制御され得る。例えば、制御ロジック110は、PMU132からの信号に応答して、選択されたバランサ出力ポート119a、119b、・・・、又は119nを関連する電力デバイスタップ118a、118b、・・・、又は118nから切り離すように、選択されたパスゲートを制御するよう構成され得る。PMU132からの信号は、負荷130a、130b、・・・、又は130pがもはや動作しておらず、すなわち、電力を引き込んでいるはずがないことを示すよう構成され得る。他の例では、制御ロジック110は、選択された出力段116a、116b、・・・、又は116nの出力(例えば、電圧及び/又は電流)を検知し、出力電圧及び/又は電流が第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回る場合に、関連するパスゲートを制御して、関連するバランサ出力ポート119a、119b、・・・、又は119nを関連する電力デバイスタップ118a、118b、・・・、又は118nから切り離すよう構成される。例えば、第1の閾値は、低電力状態に対応してよく、第2の閾値は、不良状態に対応してよい。
【0025】
他の実施形態では、出力段116a、116b、・・・、及び/又は116nのうちの1つ以上、例えば、出力段116bは、目標出力電圧を関連するタップへ、例えば、出力電圧Vout2を電力デバイスタップ118bへ供給するよう構成された電圧レギュレータを含み得る。目標出力電圧は、特定の負荷、例えば、負荷130bの動作電圧に対応し得る。電圧レギュレータは、線形電圧レギュレータ、低損失(LDO;low drop out)電圧レギュレータ、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、などを含み得るが、それらに限られない。LDO電圧レギュレータは、入力電圧と関連する出力電圧との間の比較的小さい差により動作するよう構成される。線形電圧レギュレータは、一般に、線形領域で動作するトランジスタを含み、入力電圧と関連する出力電圧との間に比較的小さい差が存在する場合に使用され得る。LDO電圧レギュレータの動作特性は、他のタイプの電圧レギュレータと比較して、相対的に低い最低動作電圧、相対的に高い効率、及び相対的に低い熱放散を含む。例えば、線形レギュレータ及び/又はLDO電圧レギュレータは、関連するソースが比較的低い電圧である、すなわち、非従来型のソースに対応する場合に、出力段116a、116b、・・・、及び/又は116nのうちの1つ以上において使用され得る。
【0026】
このように、本開示に従うマルチソース電力供給システムは、従来型及び/又は非従来型の複数の電源と、バランサ及び複数の保持要素を含む電力デバイスとを含み得る。電力デバイスは、複数のソースからエネルギを受け、各ソースからのエネルギを夫々の保持要素において保持するよう構成される。複数の保持要素は、直列に互いへ結合され得、各保持要素は、バランサへ結合され得る。バランサは、保持要素のうちの1つ以上の夫々から引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう構成される。電力デバイスは、複数の、平衡を保たれている出力電圧を複数のタップへ供給するよう構成される。出力電圧のうちの1つ以上は、複数のソース電圧の和に対応し得る。タップのうちの1つ以上は、次いで、負荷デバイスに含まれている1つ以上の負荷へ結合され得る。タップの数は、保持要素の数以下であってよい。タップでの出力電圧は、負荷のうちの1つ以上の動作電圧範囲内又はその近くであり得る。
【0027】
図2は、本開示の一実施形態に従う、例となるマルチソース電力供給システム200を表す。例200は、電力デバイス202、3つのソース204a、204b、204c、及び3つの負荷230a、230b、230cを含む。電力デバイス202は、図1の電力デバイス102の一例である。
【0028】
電力デバイス202は3つのソース204a、204b、204cへ結合されている。電力デバイス202は、タップ218a、218b、218cで1つ以上の負荷230a、230b及び/又は230cへ結合され得る。電力デバイス202は、3つの保持要素206a、206b、206c、制御ロジック210、バランサ214、及び3つの出力段216a、216b、216cを含む。保持要素206a、206b、206cは、図1の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mの例であり、制御ロジック210は、図1の制御ロジック110の例であり、バランサ214は、図1のバランサ214の例であり、出力段216a、216b、216cは、図1の出力段116a、116b、・・・、116nの例である。夫々の保持要素206a、206b、206cは、夫々のソース204a、204b、204cからのエネルギ(例えば、入力電圧VS1、VS2、VS3)を受けるよう構成される。電力デバイス202は、エネルギ(例えば、出力電圧Vout1、Vout2、Vout3)を1つ以上の負荷230a、230b、230cへタップ218a、218b、218cで供給するよう更に構成される。この例200において、タップ218a、218b、218cの数は、ソース204a、204b、204cの数に等しい。この例200に関連する他の例では、タップの数は、ソースの数よりも少なくなり得る。例えば、タップ218a及び218cは含まれ得るが、タップ218bは省略され得る。
【0029】
バランサ214は、ノード213a、213b、213cでソース204a、204b、204c及び/又は保持要素206a、206b、206cからエネルギを受けるよう構成される。夫々のノード213a、213b、213cは、夫々の出力段216a、216b、216cの入力部へ更に結合され得、夫々の出力段216a、216b、216cの出力部は、夫々のタップ218a、218b、218cへ結合され得る。バランサ214は、本願で記載されるように、1つ以上の負荷230a、230b、230cによって夫々の保持要素206a、206b、206c及び/又は関連するソース204a、204b、204cから引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう更に構成される。この例200に関連する他の例では、タップの数がソースの数よりも少ない場合に、バランサ214は、より少ない要素を含み得る。例えば、タップ218b及び218cが含まれ、タップ218aが省略される場合に、バランサ214は、タップ218b及び218cに関連する電圧のみの平衡を保たせるよう構成され得る。
【0030】
バランサ214は、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータバランサの一例であり、6つのスイッチSW1、SW2、・・・、SW6及び2つのフライング(すなわち、フローティング)キャパシタCF1、CF2を含む。スイッチSW1、SW2、・・・、SW6は、トランジスタ(例えば、FET、BJT)、リレー、などを含み得るが、それらに限られない。スイッチSW6の第1の端子は接地へ結合され、スイッチSW6の第2の端子は、隣接するスイッチSW5の第1の端子へ結合され、スイッチSW5の第2の端子は、隣接するスイッチSW4の第1の端子へノード213aで結合され、スイッチSW4の第2の端子は、隣接するスイッチSW3の第1の端子へ結合され、スイッチSW3の第2の端子は、隣接するスイッチSW2の第1の端子へノード213bで結合され、スイッチSW2の第2の端子は、隣接するスイッチSW1の第1の端子へ結合され、スイッチSW1の第2の端子は、ノード213cへ結合されている。フライングキャパシタCF2の第1の端子は、SW6の第2の端子及びSW5の第1の端子へ結合され、フライングキャパシタCF2の第2の端子は、SW4の第2の端子、SW3の第1の端子、及びフライングキャパシタCF1の第1の端子へ結合されている。フライングキャパシタCF1の第2の端子は、SW2の第2の端子及びSW1の第1の端子へ結合されている。
【0031】
スイッチSW1、SW2、・・・、SW6は、夫々の第3のスイッチ端子で制御ロジック210から入力(例えば、PWM信号)を受けるよう構成される。例えば、保持要素206a、206b、206c及び関連するソース204a、204b、204cがスタックとして構成される場合に(すなわち、VS1=VS2=VS3)、制御ロジック210は、33%のデューティサイクルを有するPWM信号をスイッチSW1、SW2、・・・、SW6へ供給するよう構成され得る。言い換えれば、m個のソース及びVS1=VS2=・・・=VSm(すなわち、mスタック)を含むシステムについて、PWM信号のデューティサイクルは1/mであり得る。
【0032】
この例を続けると、PWM信号の半周期について、スイッチSW1、SW3及びSW5はオンであってよく、スイッチSW2、SW4及びSW6はオフであってよい。そして、PWM信号の残り半周期について、スイッチSW1、SW3及びSW5はオフであってよく、スイッチSW2、SW4及びSW6はオンであってよい。他の例では、ソース204a、204b、204cがスタックとして構成されない場合には、デューティサイクルは50%でなくてよい。バランサ214は、このようにして、夫々の保持要素206a、206b、206cから引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう構成されてよく、このようにして、本願で記載されるように、出力段216a、216b、216cへ供給される電圧の相対値を保ち得る。パスゲートである出力段216a、216b、216cについて、それらの出力段へ供給される電圧は、Vout1、Vout2、Vout3に夫々対応し得る。
【0033】
図3は、本開示の一実施形態に従う、例となるマルチソース電力供給システム300を表す。例300は、記載の簡単のために、簡略化されており、例えば、出力段は、この例300では示されていない。例300は、電力デバイス302、2つのソース304a、304b、及び2つの負荷330a、330bを含む。電力デバイス302は、図1の電力デバイス102の一例である。
【0034】
電力デバイス302は、2つのソース304a、304bへ結合されている。電力デバイス302は、1つ以上の負荷330a及び330bへタップ318a、318bで結合され得る。電力デバイス302は、2つの保持要素306a、306b、制御ロジック310、及びバランサ314を含む。保持要素306a、306bは、図1の保持要素112a、112b、112c、・・・、112mの例であり、制御ロジック310は、図1の制御ロジック110の例であり、バランサ314は、図1のバランサ114の例である。夫々の保持要素306a、306bは、夫々のソース304a、304bからエネルギを受けるよう構成される。電力デバイス302は、タップ318a、318bを介して1つ以上の負荷330a、330bへエネルギ(例えば、出力電圧Vout1、Vout2)を供給するよう更に構成される。この例300において、タップ318a、318bの数は、ソース304a、304bの数に等しい。
【0035】
バランサ314は、ノード313a、313bでソース304a、304b及び/又は保持要素306a、306bからエネルギを受けるよう構成される。バランサ314は、本願で記載されるように、1つ以上の負荷330a、330bによって夫々の保持要素306a、306b及び/又は関連するソース304a、304bから引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう更に構成される。
【0036】
バランサ314は、バック電圧レギュレータバランサの例であり、2つのスイッチSW1、SW2及びインダクタLを含む。スイッチSW1、SW2は、トランジスタ(例えば、FET、BJT)、リレー、などを含み得るが、それらに限られない。スイッチSW2の第1の端子は接地へ結合され、スイッチSW2の第2の端子は、スイッチSW1の第1の端子及びインダクタLの第1の端子へ結合されている。インダクタLの第2の端子は、ノード313aへ結合され、スイッチSW1の第2の端子はノード313bへ結合されている。夫々のノード313a、313bは、夫々のタップ318a、318bへ更に結合されている。
【0037】
スイッチSW1及びSW2は、夫々の第3のスイッチ端子で制御ロジック310から入力(例えば、PWM信号)を受けるよう構成される。例えば、保持要素306a、306b及び関連するソース304a、304bがスタックとして構成される場合に(すなわち、VS1=VS2)、制御ロジック310は、50%のデューティサイクルを有するPWM信号をスイッチSW1及びSW2へ供給するよう構成され得る。この例を続けると、PWM信号の半周期について、スイッチSW1はオンであってよく、スイッチSW2はオフであってよい。そして、PWM信号の残り半周期について、スイッチSW1はオフであってよく、スイッチSW2はオンであってよい。他の例では、ソース304a、304bがスタックとして構成されない場合には、デューティサイクルは50%でなくてよい。バランサ314は、このようにして、夫々の保持要素306a、306bから引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう構成され得、このようにして、本願に記載されるように、Vout1及びVout2の相対値を保ち得る。
【0038】
このように、本開示に従うマルチソース電力供給システムは、複数のソース及び関連する保持要素と、各保持要素から引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう構成されたバランサとを含み得る。バランサは、本願で記載されるように、電圧レギュレータを含んでよい。電力デバイスにおける出力タップの数は、保持要素の数以下であってよい。
【0039】
図4は、本開示の様々な実施形態に従う電力供給動作のフローチャート400である。特に、フローチャート400は、複数のソースから受け取られるエネルギを捕捉し、平衡を保たれた電圧を複数の負荷へ供給することを表す。動作は、例えば、図1の電力デバイス102及び/又はソース104a、104b、104c、・・・、104mによって実施され得る。
【0040】
この例の動作は、開始402から開始し得る。動作404は、複数のソースによってエネルギを供給することを含み得る。例えば、ソースは、本願で記載されるように、非従来型及び/又は従来型の電源を含んでよい。動作406は、直列に結合されている複数の保持要素によって、複数のソースから受け取られるエネルギを捕捉することを含む。保持要素は、バッテリ及び/又はキャパシタのうちの1つ以上を含んでよい。動作408は、各保持要素によって、夫々のソースから受け取られるエネルギを保持することを含む。動作410は、複数の保持要素へ結合されているバランサによって、各保持要素から夫々の負荷によって引き込まれるエネルギの平衡を保たせることを含む。例えば、バランサは、1つ以上の電圧レギュレータを含んでよい。動作412は、出力段によって、出力電圧をレギュレートすることを含み得る。例えば、出力電圧は、バランサ出力及び/又はソース入力電圧に関係があり得る。この実施形態の動作は、次いで、414で終了し得る。
【0041】
このように、電力は、従来型及び/又は非従来型の複数の電源から受け取られ得る。各ソースからのエネルギは、夫々の保持要素において保持されてよく、バランサは、各保持要素から夫々の負荷によって引き込まれるエネルギの平衡を保たせ得る。
【0042】
図4のフローチャートは様々な実施形態に従う動作を表すが、図4で表されている全ての動作が他の実施形態のために必要であるわけではないことが理解されるべきである。加えて、本開示の他の実施形態において、図4で表されている動作、及び/又は本願で記載される他の動作が、いずれの図面においても具体的に示されていない様態において組み合わされてよく、そのような実施形態は、図4で表されているよりも少ない又は多い動作を含んでよいことが、本願では十分に考えられている。よって、1つの図面でまさしく示されていない特徴及び/又は動作を対象とする請求項は、本開示の適用範囲及び内容の範囲内と見なされる。
【0043】
本願においていずれかの実施形態で使用されるように、語「ロジック」は、前述の動作のいずれかを実施するよう構成されたアプリケーション(app)、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路構成を指してよい。ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記録されているソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット及び/又はデータとして具現化され得る。ファームウェアは、メモリデバイスにおいてハードコードされている(例えば、不揮発性である)コード、命令若しくは命令セット及び/又はデータとして具現化され得る。
【0044】
本願においていずれかの実施形態で使用される「回路」は、例えば、単独で、又は何らかの組み合わせにおいて、ハードワイヤード回路、1つ以上の個別の命令プロセッシングコアを含むコンピュータプロセッサのようなプログラム可能回路、状態機械回路、及び/又はプログラム可能回路によって実行される命令を記憶するファームウェアを有してよい。ロジックは、より大きいシステム、例えば、集積回路(IC;integrated circuit)、特定用途向け集積回路(ASIC;application-specific integrated circuit)、システム・オン・チップ(SoC;system-on-chip)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォン、など、の部分を形成する回路として集合的に又は個別的に具現化され得る。
【0045】
USB(ユニバーサル・シリアル・バス)は、2000年4月27日付けで、Universal Serial Bus Organizationによって発行されたUniversal Serial Bus Specification改訂2.0、及び/又はこの仕様の以降のバージョン、例えば、2013年7月26日付けで発行されたUniversal Serial Bus Specification改訂3.0、を満たすか又はそれに従い得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、ハードウェア記述言語(HDL;hardware description language)は、本願で記載される様々なロジック及び/又は回路構成のための回路及び/又はロジック実装を特定するために使用され得る。例えば、一実施形態において、ハードウェア記述言語は、本願で記載される1つ以上の回路及び/又はロジックの半導体製造を可能にし得る超高速集積回路(VHSIC;very high speed integrated circuits)ハードウェア記述言語(VHDL)を満たすか又はそれに従い得る。VHDLは、IEEE標準1076〜1987、IEEE標準1076.2、IEEE1076.1、VHDL−2006のIEEE草案3.0、VHDL−2008のIEEE草案4.0、及び/又はIEEE VHDL標準の他のバージョン、及び/又は他のハードウェア記述言語を満たすか又はそれに従い得る。
【0047】
このように、本開示の教示に従って、システム及び方法は、従来型及び/又は非従来型の複数のソースからエネルギを受け、各ソースからのエネルギを夫々の保持要素において保持し、複数の出力電圧を複数のタップへ供給するよう構成される。タップのうちの1つ以上は、次いで、負荷デバイスへ結合され得る。システム及び方法は、各保持要素から夫々の負荷によって引き込まれるエネルギの平衡を保たせるよう更に構成される。
【0048】
[例]
本開示の例は、以下で記載されるように、マルチソース電力供給システムに係る、例えば、方法、方法の動作を実施する手段、デバイス、又は装置若しくはシステムのような、対象を含む。
【0049】
(例1)
本例に従って、装置が提供される。当該装置は、複数のソースから受け取られるエネルギを捕捉及び保持する、直列に結合される複数の保持要素と、該複数の保持要素へ結合され、各保持要素から引き込まれるエネルギの平衡を保たせるバランサとを含む。
【0050】
(例2)
本例は、例1の要素を含み、更には、前記バランサへ結合され、該バランサの動作を制御する制御ロジックを含む。
【0051】
(例3)
本例は、例1の要素を含み、更には、複数の出力段を含み、各出力段は、夫々のバランサ出力ポートへ結合され、各出力段がパスゲートを含むこと及び/又は少なくとも1つの出力段が電圧レギュレータを有することのうちの少なくとも1つがある。
【0052】
(例4)
本例は、例1の要素を含み、各保持要素は、バッテリ及び/又はキャパシタのうちの少なくとも1つを含む。
【0053】
(例5)
本例は、例1の要素を含み、更には、複数のタップを含み、各タップは、夫々の負荷へ結合する。
【0054】
(例6)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、及び/又はバックブースト電圧レギュレータのうちの少なくとも1つを含む。
【0055】
(例7)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは、少なくとも1つの電圧レギュレータを含む。
【0056】
(例8)
本例は、例7の要素を含み、前記少なくとも1つの電圧レギュレータのうちの少なくとも1つの電圧レギュレータは、開ループにおいて動作する。
【0057】
(例9)
本例は、例7の要素を含み、前記少なくとも1つの電圧レギュレータのうちの少なくとも1つの電圧レギュレータは、閉ループにおいて動作する。
【0058】
(例10)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは複数の電圧レギュレータを含み、第1の電圧レギュレータは開ループにおいて動作し、第2の電圧レギュレータは閉ループにおいて動作する。
【0059】
(例11)
本例は、例4の要素を含み、前記キャパシタはスーパーキャパシタである。
【0060】
(例12)
本例は、例4の要素を含み、前記バッテリは、Li−ion(リチウムイオン)、NiMH(ニッケル水素)、NiZn(ニッケル亜鉛)、及びNiCd(ニッケルカドミウム)を含むグループから選択される再充電可能なバッテリタイプである。
【0061】
(例13)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つのバッテリ及び少なくとも1つのスーパーキャパシタを含む。
【0062】
(例14)
本例は、例13の要素を含み、前記少なくとも1つのバッテリ及び前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、直列及び並列のうちの少なくとも一方において結合される。
【0063】
(例15)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、保持要素の出力電圧は、夫々の他の保持要素の各々の出力電圧に等しい。
【0064】
(例16)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、少なくともいくつかの保持要素の各々の出力電圧は等しい。
【0065】
(例17)
本例は、例5の要素を含み、タップの数は保持要素の数に等しい。
【0066】
(例18)
本例は、例5の要素を含み、タップの数は保持要素の数よりも少ない。
【0067】
(例19)
本例は、例2の要素を含み、前記バランサは、複数のスイッチ及び少なくとも1つのフライングキャパシタを含み、前記スイッチは、前記制御ロジックからパルス幅変調(PWM)信号を受信し、閉ループを制御する。
【0068】
(例20)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは、複数のスイッチ及びインダクタを含み、前記スイッチは、パルス幅変調(PWM)信号を受信し、開ループを制御する。
【0069】
(例21)
本例は、例2の要素を含み、前記制御ロジックは、出力電圧に関連した負荷デバイスから制御信号を受信する。
【0070】
(例22)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記複数の保持要素のうちの少なくともいくつかの夫々はスタックに対応する。
【0071】
(例23)
本例は、例1乃至5のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは従来のソースからエネルギを受ける。
【0072】
(例24)
本例は、例3の要素を含み、各出力段はパスゲートを含み、各パスゲートは、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、及びリレーを含むグループから選択される。
【0073】
(例25)
本例は、例3の要素を含み、各出力段は電圧レギュレータを含み、各電圧レギュレータは、線形電圧レギュレータ、低損失(LDO)レギュレータ、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、及びバック電圧レギュレータを含むグループから選択される。
【0074】
(例26)
本例は、例3の要素を含み、各バランサ出力ポートに関連する夫々の出力電圧は、1つの保持要素にかかる電圧、又は複数の保持要素にかかる電圧の和、に対応する。
【0075】
(例27)
本例は、例3の要素を含み、バランサ出力ポートの数は保持要素の数以下である。
【0076】
(例28)
本例は、例3の要素を含み、各パスゲートは、夫々のバランサ出力ポートを、関連する電力デバイスタップから制御可能に切り離す。
【0077】
(例29)
本例は、例3の要素を含み、各出力段の電圧レギュレータは、夫々の目標出力電圧を、関連する電力デバイスタップへ供給する。
【0078】
(例30)
本例に従って、方法が提供される。当該方法は、直列に結合される複数の保持要素によって、複数のソースから受け取られるエネルギを捕捉することと、各保持要素によって、夫々のソースから受けられたエネルギを保持することと、前記複数の保持要素へ結合されるバランサによって、各保持要素から引き込まれるエネルギの平衡を保たせることとを含む。
【0079】
(例31)
本例は、例30の要素を含み、更には、制御ロジックによって前記バランサの動作を制御することを含む。
【0080】
(例32)
本例は、例30の要素を含み、更には、複数の出力段の夫々によって、前記バランサの夫々の出力を制御することを含む。
【0081】
(例33)
本例は、例30の要素を含み、各保持要素はバッテリ及びキャパシタのうちの少なくとも1つを含む。
【0082】
(例34)
本例は、例30の要素を含み、更には、複数のタップの夫々によって、電力デバイスの出力を夫々の負荷へ結合することを含む。
【0083】
(例35)
本例は、例30の要素を含み、前記バランサは、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、及びバックブースト電圧レギュレータのうちの少なくとも1つを含む。
【0084】
(例36)
本例は、例30の要素を含み、更には、複数のソースによって前記エネルギを供給することを含む。
【0085】
(例37)
本例は、例31の要素を含み、前記制御することは、電圧をレギュレートすることを含む。
【0086】
(例38)
本例は、例32の要素を含み、少なくとも1つの出力段は電圧レギュレータを含む。
【0087】
(例39)
本例は、例30の要素を含み、前記複数のソースは、少なくとも1つの非従来型電源を含む。
【0088】
(例40)
本例は、例30の要素を含み、前記バランサは、少なくとも1つの電圧レギュレータを含む。
【0089】
(例41)
本例は、例40の要素を含み、更には、前記少なくとも1つの電圧レギュレータのうちの少なくとも1つの電圧レギュレータによって、閉ループにおいて動作することを含む。
【0090】
(例42)
本例は、例30の要素を含み、前記バランサは複数の電圧レギュレータを含み、当該方法は、第1の電圧レギュレータによって開ループにおいて動作し、第2の電圧レギュレータによって閉ループにおいて動作することを更に含む。
【0091】
(例43)
本例は、例33の要素を含み、前記キャパシタはスーパーキャパシタである。
【0092】
(例44)
本例は、例33の要素を含み、前記バッテリは、Li−ion(リチウムイオン)、NiMH(ニッケル水素)、NiZn(ニッケル亜鉛)、及びNiCd(ニッケルカドミウム)を含むグループから選択される再充電可能なバッテリタイプである。
【0093】
(例45)
本例は、例30の要素を含み、少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つのバッテリ及び少なくとも1つのスーパーキャパシタを含む。
【0094】
(例46)
本例は、例45の要素を含み、前記少なくとも1つのバッテリ及び前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、直列及び並列のうちの少なくとも一方において結合される。
【0095】
(例47)
本例は、例30の要素を含み、保持要素の出力電圧は、夫々の他の保持要素の各々の出力電圧に等しい。
【0096】
(例48)
本例は、例30の要素を含み、少なくともいくつかの保持要素の各々の出力電圧は等しい。
【0097】
(例49)
本例は、例34の要素を含み、タップの数は保持要素の数に等しい。
【0098】
(例50)
本例は、例34の要素を含み、タップの数は保持要素の数よりも少ない。
【0099】
(例51)
本例は、例31の要素を含み、前記バランサは、複数のスイッチ及び少なくとも1つのフライングキャパシタを含み、当該方法は、前記スイッチによって、前記制御ロジックからパルス幅変調(PWM)信号を受信し、前記制御によって、前記スイッチの閉ループを制御することを更に含む。
【0100】
(例52)
本例は、例30の要素を含み、前記バランサは、複数のスイッチ及びインダクタを含み、当該方法は、前記スイッチによって、パルス幅変調(PWM)信号を受信し、制御ロジックによって、前記スイッチの開ループを制御することを更に含む。
【0101】
(例53)
本例は、例31の要素を含み、更には、前記制御ロジックによって、出力電圧に関連した負荷デバイスから制御信号を受信することを含む。
【0102】
(例54)
本例は、例53の要素を含み、前記制御信号は、前記負荷デバイスのエネルギ消費予想及び/又は変化のうちの少なくとも1つに関する。
【0103】
(例55)
本例は、例31の要素を含み、更には、前記制御ロジックによって電力デバイスの動作を管理することを含む。
【0104】
(例56)
本例は、例30の要素を含み、前記複数の保持要素のうちの少なくともいくつかの夫々はスタックに対応する。
【0105】
(例57)
本例は、例30の要素を含み、更には、電力デバイスによって従来のソースからエネルギを受けることを含む。
【0106】
(例58)
本例は、例57の要素を含み、前記従来のソースは、AC(交流)/DC(直流)コンバータ及びUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)ポートを含むグループから選択される。
【0107】
(例59)
本例は、例32の要素を含み、前記制御することは、夫々のパスゲートによって、各バランサ出力ポートを夫々の電力デバイスタップから制御可能に切り離すことを含み、各パスゲートは、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、及びリレーを含むグループから選択される。
【0108】
(例60)
本例は、例32の要素を含み、前記制御することは、夫々の電圧レギュレータによって、各バランサ出力ポートからの出力電圧をレギュレートすることを含み、各電圧レギュレータは、線形電圧レギュレータ、低損失(LDO)レギュレータ、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、及びバック電圧レギュレータを含むグループから選択される。
【0109】
(例61)
本例は、例30の要素を含み、前記複数のソースの夫々は、太陽電池、光起電電池、無線電力源、圧電ソース、及び熱電ソースを含むグループから選択される。
【0110】
(例62)
本例は、例30の要素を含み、前記複数のソースのうちの少なくともいくつかの夫々はスタックに対応する。
【0111】
(例63)
本例は、例30の要素を含み、更には、前記複数のソースのうちの少なくともいくつかによって、1の位及び10分の1の位の桁のボルトでの夫々の電圧においてエネルギを供給することを含む。
【0112】
(例64)
本例は、例30の要素を含み、各ソースは、夫々の保持要素と並列に結合される。
【0113】
(例65)
本例は、例30の要素を含み、更には、前記バランサによって、前記複数のソースのうちの少なくとも1つのソースからエネルギを受けることを含む。
【0114】
(例66)
本例は、例32の要素を含み、各バランサ出力ポートに関連する夫々の出力電圧は、1つの保持要素にかかる電圧、又は複数の保持要素にかかる電圧の和、に対応する。
【0115】
(例67)
本例は、例32の要素を含み、バランサ出力ポートの数は保持要素の数以下である。
【0116】
(例68)
本例は、例32の要素を含み、更には、各出力段の電圧レギュレータによって、夫々の目標出力電圧を、関連する電力デバイスタップへ供給することを含む。
【0117】
(例69)
本例に従って、システムが提供される。当該システムは、複数のソースと、該複数のソースへ結合される電力デバイスとを含む。前記電力デバイスは、直列に結合される複数の保持要素であり、各保持要素が夫々のソースから受け取られるエネルギを捕捉及び保持する、前記複数の保持要素と、前記複数の保持要素へ結合され、各保持要素から引き込まれるエネルギの平衡を保たせるバランサとを含む。
【0118】
(例70)
本例は、例69の要素を含み、前記電力デバイスは、前記バランサへ結合され、該バランサの動作を制御する制御ロジックを更に含む。
【0119】
(例71)
本例は、例69の要素を含み、前記電力デバイスは複数の出力段を更に含み、各出力段は、夫々のバランサ出力ポートへ結合され、各出力段がパスゲートを有すること及び/又は少なくとも1つの出力段が電圧レギュレータを有することのうちの少なくとも1つがある。
【0120】
(例72)
本例は、例69の要素を含み、各保持要素は、バッテリ及び/又はキャパシタのうちの少なくとも1つを含む。
【0121】
(例73)
本例は、例69の要素を含み、前記電力デバイスは複数のタップを更に有し、各タップは、前記電力デバイスを夫々の負荷へ結合する。
【0122】
(例74)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、バック電圧レギュレータ、及び/又はバックブースト電圧レギュレータのうちの少なくとも1つを含む。
【0123】
(例75)
本例は、例71の要素を含み、少なくとも1つの出力段は電圧レギュレータを含む。
【0124】
(例76)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記複数のソースは、少なくとも1つの非従来型電源を含む。
【0125】
(例77)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは少なくとも1つの電圧レギュレータを含む。
【0126】
(例78)
本例は、例77の要素を含み、前記少なくとも1つの電圧レギュレータのうちの少なくとも1つの電圧レギュレータは、閉ループにおいて動作する。
【0127】
(例79)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは複数の電圧レギュレータを含み、第1の電圧レギュレータは開ループにおいて動作し、第2電圧レギュレータは閉ループにおいて動作する。
【0128】
(例80)
本例は、例72の要素を含み、前記キャパシタはスーパーキャパシタである。
【0129】
(例81)
本例は、例72の要素を含み、前記バッテリは、Li−ion(リチウムイオン)、NiMH(ニッケル水素)、NiZn(ニッケル亜鉛)、及びNiCd(ニッケルカドミウム)を含むグループから選択される再充電可能なバッテリタイプである。
【0130】
(例82)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つのバッテリ及び少なくとも1つのスーパーキャパシタを含む。
【0131】
(例83)
本例は、例82の要素を含み、前記少なくとも1つのバッテリ及び前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、直列及び並列のうちの少なくとも一方において結合される。
【0132】
(例84)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、保持要素の出力電圧は、夫々の他の保持要素の各々の出力電圧に等しい。
【0133】
(例85)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、少なくともいくつかの保持要素の各々の出力電圧は等しい。
【0134】
(例86)
本例は、例73の要素を含み、タップの数は保持要素の数に等しい。
【0135】
(例87)
本例は、例73の要素を含み、タップの数は保持要素の数よりも少ない。
【0136】
(例88)
本例は、例70の要素を含み、前記バランサは、複数のスイッチ及び少なくとも1つのフライングキャパシタを含み、前記スイッチは、前記制御ロジックからパルス幅変調(PWM)信号を受信し、閉ループを制御する。
【0137】
(例89)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは、複数のスイッチ及びインダクタを含み、前記スイッチは、パルス幅変調(PWM)信号を受信し、開ループを制御する。
【0138】
(例90)
本例は、例70の要素を含み、前記制御ロジックは、出力電圧に関連した負荷デバイスから制御信号を受信する。
【0139】
(例91)
本例は、例90の要素を含み、前記制御信号は、前記負荷デバイスのエネルギ消費予想及び/又は変化のうちの少なくとも1つに関する。
【0140】
(例92)
本例は、例70の要素を含み、前記制御ロジックは更に、電力デバイスの動作を管理する。
【0141】
(例93)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記複数の保持要素のうちの少なくともいくつかの夫々はスタックに対応する。
【0142】
(例94)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、従来のソースを更に含み、前記電力デバイスは前記従来のソースからエネルギを受ける。
【0143】
(例95)
本例は、例94の要素を含み、前記従来のソースは、AC(交流)/DC(直流)コンバータ及びUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)ポートを含むグループから選択される。
【0144】
(例96)
本例は、例71の要素を含み、各出力段はパスゲートを含み、各パスゲートは、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、及びリレーを含むグループから選択される。
【0145】
(例97)
本例は、例71の要素を含み、各出力段は電圧レギュレータを含み、各電圧レギュレータは、線形電圧レギュレータ、低損失(LDO)レギュレータ、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ、及びバック電圧レギュレータを含むグループから選択される。
【0146】
(例98)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記複数のソースの夫々は、太陽電池、光起電電池、無線電力源、圧電ソース、及び熱電ソースを含むグループから選択される。
【0147】
(例99)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記複数のソースのうちの少なくともいくつかの夫々はスタックに対応する。
【0148】
(例100)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記複数のソースのうちの少なくともいくつかは、1の位及び10分の1の位の桁のボルトでの夫々の電圧においてエネルギを供給する。
【0149】
(例101)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、各ソースは、夫々の保持要素と並列に結合される。
【0150】
(例102)
本例は、例69乃至73のうちのいずれか1つの例に従う要素を含み、前記バランサは、前記複数のソースのうちの少なくとも1つのソースからエネルギを受ける。
【0151】
(例103)
本例は、例71の要素を含み、各バランサ出力ポートに関連する夫々の出力電圧は、1つの保持要素にかかる電圧、又は複数の保持要素にかかる電圧の和、に対応する。
【0152】
(例104)
本例は、例71の要素を含み、バランサ出力ポートの数は保持要素の数以下である。
【0153】
(例105)
本例は、例71の要素を含み、各パスゲートは、夫々のバランサ出力ポートを、関連する電力デバイスタップから制御可能に切り離す。
【0154】
(例106)
本例は、例71の要素を含み、各出力段の電圧レギュレータは、夫々の目標出力電圧を、関連する電力デバイスタップへ供給する。
【0155】
(例107)
本開示の他の例は、例30乃至68のうちのいずれか1つの方法を実施するよう構成される少なくとも1つのデバイスを含むシステムである。
【0156】
(例108)
本開示の他の例は、例30乃至68のうちのいずれか1つの方法を実施する手段を含むデバイスである。
【0157】
本願で用いられる用語及び表現は、限定ではなく、説明のために使用され、そのような用語及び表現の使用において、図示及び記載されている特徴(又はその部分)の如何なる同等物も除外する意図はなく。様々な変更が特許請求の範囲の適用範囲内で可能であると認められる。然るに、特許請求の範囲は、全てのそのような同等物を網羅するよう意図される。
【0158】
様々な特徴、態様、及び実施形態が、本願において記載されてきた。当業者によって理解されるように、特徴、態様、及び実施形態は、互いとの組み合わせ、更には、変形及び変更の余地がある。本開示は、従って、そのような、結合、変形、及び変更を包含すると考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4