【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザの入力した電力が前記第2の所定の電力値より高い場合、前記電力割り当てユニットが前記電磁加熱ユニットに割り当てた加熱電力値は、前記第2の所定の電力値以下であって、第1の所定の電力値より大きく、前記電力割り当てユニットが前記赤外線加熱ユニットに割り当てた加熱電力値は、ユーザの入力した電力値と電磁加熱ユニットに割り当てた電力値との差値であることを特徴とする請求項1に記載の電磁加熱装置。
前記MCUは、材質検出モジュールを更に含み、前記材質検出モジュールが鉄質の磁性調理器具を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び/または前記赤外線加熱ユニットを起動して前記調理器具を加熱するように切り替え、前記材質検出モジュールが非鉄質の磁性調理器具を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記赤外線加熱ユニットを起動して前記調理器具を加熱するように切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電磁加熱装置。
前記MCUは鍋検知モジュールを更に含み、前記鍋検知モジュールが調理器具の存在を検出していない場合、前記電力割り当てモジュールが前記赤外線加熱ユニット及び前記電磁加熱ユニットに割り当てた加熱電力はいずれもゼロであり、前記鍋検知モジュールが調理器具の存在を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは前記赤外線加熱ユニット及び前記電磁加熱ユニットのうちの少なくとも一方に加熱電力を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の電磁加熱装置。
前記電磁加熱ユニットは共振回路及び電磁駆動回路を含み、前記電磁駆動回路は、一端が前記共振回路に接続され、他端がMCUにおける電磁電力調整モジュールに接続され、前記電磁電力調整モジュールは、割り当てられた加熱電力値に基づいて前記電磁駆動回路に第1の所定のデューティ比のPWM信号を入力することを特徴とする請求項1〜3及び5のいずれか一項に記載の電磁加熱装置。
前記赤外線加熱ユニットは赤外線加熱回路及び赤外線駆動回路を含み、前記赤外線加熱回路は商用電源のニュートラルとライブとの間に接続される赤外線加熱用膜状ヒータを含み、前記赤外線駆動回路は、一端が前記赤外線加熱用膜状ヒータと商用電源との間に接続在され、他端が前記MCUにおける赤外線電力調整モジュールに接続され、前記赤外線電力調整モジュールは、割り当てられた加熱電力値に基づいて前記赤外線駆動回路に第2の所定のデューティ比のPWM信号を入力することを特徴とする請求項1〜3及び5のいずれか一項に記載の電磁加熱装置。
前記電磁加熱ユニットはゼロクロス検出回路を含み、前記ゼロクロス検出回路は、一端が整流後の商用電源に接続されて商用電源のゼロクロス信号を検出し、他端が前記MCUに接続され、
赤外線電力調整モジュールは、前記ゼロクロス検出回路が検出したゼロクロス信号に基づいて、所定の時間に赤外線駆動回路に第2の所定のデューティ比のPWM信号を入力することを特徴とする請求項3または5に記載の電磁加熱装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、電磁加熱ユニットだけでなく、赤外線加熱ユニットも含むので、単一の電磁加熱方法による電磁調理器の応用への制限を回避することができる電磁加熱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
電磁加熱装置であって、電磁加熱ユニット、赤外線加熱ユニット及びMCUを含み、前記MCUは、前記電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットに接続されて、前記電磁加熱ユニット及び前記赤外線加熱ユニットが個別に加熱または同時に加熱するように制御する。
【0005】
好ましくは、前記MCUは電力検出モジュール及び電力割り当てモジュールを含み、前記電力検出モジュールはユーザの入力した電力値を検出して、電力割り当てモジュールに送信し、前記電力割り当てモジュールは、受信した前記ユーザの入力した電力値の大きさに基づいて、前記電磁加熱ユニット及び/または赤外線加熱ユニットに電力を割り当てる。
【0006】
好ましくは、前記電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第1の所定の電力値より低いことを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記赤外線加熱ユニットのみを起動して加熱させるように切り替え、前記電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第1の所定の電力値より高いことを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び/または前記赤外線加熱ユニットを起動して加熱させるように切り替える。
【0007】
好ましくは、前記第1の所定の電力値の範囲は800~1100ワットである。
【0008】
好ましくは、前記電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第1の所定の電力値以上であって、第2の所定の電力値より低いことを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニットのみを起動して加熱させるように切り替え、前記電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値以上であることを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び前記赤外線加熱ユニットを起動して共同加熱させるように切り替え、前記第2の所定の電力値は前記第1の所定の電力値より大きい。
【0009】
好ましくは、前記第2の所定の電力値の範囲は1500~1700ワットである。
【0010】
好ましくは、前記電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より高いことを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び前記赤外線加熱ユニットを起動して共同加熱させるように切り替え、前記電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より低いことを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは前記電磁加熱ユニットを起動して加熱させるように切り替える。
【0011】
好ましくは、前記第2の所定の電力値は1500~1700ワットである。
【0012】
好ましくは、ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より高い場合、前記電力割り当てユニットが前記電磁加熱ユニットに割り当てた加熱電力値は、第2の所定の電力値以下であって、第1の所定の電力値より大きく、前記電力割り当てユニットが前記赤外線加熱ユニットに割り当てて提供した加熱電力値は、ユーザの入力した電力値と電磁加熱ユニットに割り当てた電力値との差である。
【0013】
好ましくは、前記電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第3の所定の電力値より高いことを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び前記赤外線加熱ユニットを起動して共同加熱させるように切り替え、前記電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第3の所定の電力値より低いことを検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットのうちの少なくとも一方を起動して加熱させるように切り替え、そのうち、前記第3の所定の電力値は0.9~1倍の電磁加熱ユニットの定格加熱電力値である。
【0014】
好ましくは、前記第3の所定の電力値の範囲は2000~2200ワットである。
【0015】
好ましくは、前記MCUは、材質検出モジュールを更に含み、前記材質検出モジュールが鉄質の磁性調理器具を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び/または前記赤外線加熱ユニットを起動して前記調理器具を加熱するように切り替え、前記材質検出モジュールが非鉄質の磁性調理器具を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、前記赤外線加熱ユニットを起動して前記調理器具を加熱するように切り替える。
【0016】
好ましくは、前記MCUは、加熱切り替え通知モジュールを含み、前記加熱切り替え通知モジュールは、前記材質検出モジュールが検出した調理器具の材質に基づいて、ユーザに対応する加熱ユニットを選択して加熱させることを通知する。
【0017】
好ましくは、前記電磁加熱ユニットは、スイッチング素子、共振コンデンサ及び共振インダクタを含み、前記共振コンデンサは共振インダクタと並列され、前記共振コンデンサ及び共振インダクタのうちの一方の共通の接続端は整流後の商用電源に接続され、他方の共通の接続端は前記スイッチング素子のコレクターに接続される共振回路と、一端が前記MCUに接続され、他端が前記スイッチング素子のべースに接続される電磁駆動回路と、一端が前記スイッチング素子のコレクターに接続されて、前記スイッチング素子のコレクターの電圧を検出し、他端が前記MCUに接続される共振同期検出回路と、を含み、前記MCUが前記電磁駆動回路に鍋検知パルスを送信した後、前記材質検出モジュールは、前記共振同期検出回路が出力した隣接反転電圧の間隔時間を検出することで、前記調理器具の材質を判断する。
【0018】
好ましくは、前記電磁加熱ユニットは超音波送信回路及び超音波検出回路を含み、前記超音波送信回路は検出超音波を出し、前記材質検出モジュールは、検出された超音波反射信号の周波数及び振幅によって調理器具の材質を判断する。
【0019】
好ましくは、前記MCUは鍋検知モジュールを更に含み、前記鍋検知モジュールが調理器具の存在を検出していない場合、前記電力割り当てモジュールが前記赤外線加熱ユニット及び前記電磁加熱ユニットに割り当てた加熱電力はいずれもゼロであり、前記鍋検知モジュールが調理器具の存在を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは前記赤外線加熱ユニット及び前記電磁加熱ユニットのうちの少なくとも一方に加熱電力を割り当てる。
【0020】
好ましくは、前記電磁加熱ユニットは、スイッチング素子、共振コンデンサ及び共振インダクタを含み、前記共振コンデンサは共振インダクタと並列され、前記共振コンデンサ及び共振インダクタのうちの一方の共通の接続端は整流後の商用電源に接続され、他方の共通の接続端は前記スイッチング素子のコレクターに接続される共振回路と、一端が前記MCUにおける電磁電力調整モジュールに接続され、他端が前記スイッチング素子のべースに接続される電磁駆動回路と、一端が前記スイッチング素子のコレクターに接続されて、前記スイッチング素子のコレクターの電圧を検出し、他端が前記MCUに接続される共振同期検出回路と、を含み、前記MCUが前記電磁駆動回路に鍋検知パルスを送信した後、前記鍋検知モジュールは、前記共振同期検出回路の出力した電圧反転回数が所定の回数より低いかどうかに基づいて、前記調理器具が存在するかどうかを判断する。
【0021】
好ましくは、前記電磁加熱ユニットは超音波送信回路及び超音波検出回路を含み、前記超音波送信回路は検出超音波を出し、前記鍋検知モジュールは、前記超音波検出回路が超音波反射信号を検出可能かどうかに基づいて、調理器具が存在するかどうかを判断する。
【0022】
好ましくは、前記電磁加熱ユニットは共振回路及び電磁駆動回路を含み、前記電磁駆動回路は、一端が前記共振回路に接続され、他端がMCUにおける電磁電力調整モジュールに接続され、前記電磁電力調整モジュールは、割り当てられた加熱電力値に基づいて前記電磁駆動回路に第1の所定のデューティ比のPWM信号を入力する。
【0023】
好ましくは、前記赤外線加熱ユニットは赤外線加熱回路及び赤外線駆動回路を含み、前記赤外線加熱回路は商用電源のニュートラルとライブとの間に接続される赤外線加熱膜を含み、前記赤外線駆動回路は、一端が前記赤外線加熱膜と商用電源との間に接続在され、他端が前記MCUにおける赤外線電力調整モジュールに接続され、前記赤外線電力調整モジュールは、割り当てられた加熱電力値に基づいて前記赤外線駆動回路に第2の所定のデューティ比のPWM信号を入力する。
【0024】
好ましくは、前記電磁加熱ユニットはゼロクロス検出回路を含み、前記ゼロクロス検出回路は、一端が整流後の商用電源に接続されて商用電源のゼロクロス信号を検出し、他端が前記MCUに接続され、
前記赤外線電力調整モジュールは、前記ゼロクロス検出回路が検出したゼロクロス信号に基づいて、所定の時間に前記赤外線駆動回路に前記第2の所定のデューティ比のPWM信号を入力する。
【0025】
好ましくは、前記赤外線駆動回路は、エネルギー蓄積コンデンサ、第1のスイッチ、インダクタンス及び第1のダイオードを含み、前記エネルギー蓄積コンデンサは前記赤外線加熱膜と商用電源との間に直列され、前記エネルギー蓄積コンデンサの赤外線加熱膜に接続される一端は前記インダクタンスを介して前記第1のスイッチのソースに接続され、前記エネルギー蓄積コンデンサの前記商用電源に接続される一端は第1のダイオードを介して前記第1のスイッチのソースに接続され、前記第1のスイッチのドレインは前記商用電源に接続され、前記第1のスイッチのゲートは前記MCUの赤外線電力調整モジュールに接続される。
【0026】
好ましくは、前記赤外線駆動回路は第2のスイッチ及び第2のダイオードを更に含み、前記インダクタンスと前記エネルギー蓄積コンデンサの共通の接続端が前記第2のスイッチのドレインに接続され、商用電源が前記第2のスイッチのソースに接続され、前記第2のダイオードは前記第2のスイッチのドレインと前記エネルギー蓄積コンデンサとの間に接続されている。
【0027】
好ましくは、前記赤外線駆動回路は、スイッチサブユニット及び絶縁サブユニットを含み、前記スイッチサブユニットは赤外線加熱膜と商用電源との間に接続され、絶縁サブユニットは前記スイッチサブユニットとMCUの赤外線電力調整モジュールとの間に接続されている。
【0028】
好ましくは、前記スイッチサブユニットはトライアックであり、前記絶縁サブユニットは絶縁フォトカプラである。
【0029】
電磁加熱装置であって、調理器具の下方に位置し、前記調理器具を支持するパネルと、前記パネルの下方に位置し、前記調理器具を電磁加熱するコイルプレートと、前記調理器具を赤外線加熱する赤外線加熱部品と、前記パネルの下方に位置し、前記コイルプレート及び前記赤外線加熱部品に電気接続され、前記コイルプレートと前記赤外線加熱部品の加熱を制御する電子制御ボードと、を含む。
【0030】
好ましくは、前記赤外線加熱部品が前記パネルに取り付けられている。
【0031】
好ましくは、前記赤外線加熱部品はパネルの前記コイルプレート側に寄る表面に取り付けられ、赤外線加熱部品は赤外線加熱膜及び熱反射膜を含み、前記赤外線加熱膜がパネルに付着され、前記熱反射膜が前記赤外線加熱膜に付着されている。
【0032】
好ましくは、赤外線加熱部品は、熱反射膜に付着されている断熱膜を更に含む。
【0033】
好ましくは、前記コイルプレートには調理器具の底部温度を検出するサーマル温度センサが設けられ、前記赤外線加熱部品には、前記サーマル温度センサが前記パネルに直接接触するように、前記サーマル温度センサが通る貫通孔が開けられている。
【0034】
好ましくは、前記パネルと前記コイルプレートとの間の距離は8~11mmである。
【0035】
好ましくは、前記赤外線加熱部品は前記調理器具の外表面に取り付けられている。
【0036】
好ましくは、前記赤外線加熱部品は前記調理器具の側壁の外表面に取り付けられている。
【0037】
好ましくは、前記赤外線加熱部品は赤外線加熱膜及び第1の電気絶縁膜を含み、前記赤外線加熱膜は前記調理器具の外表面に付着され、前記第1の電気絶縁膜は前記赤外線加熱膜に付着されている。
【0038】
好ましくは、前記赤外線加熱部品は、赤外線加熱膜、第1の電気絶縁膜及び第2の電気絶縁膜を含み、前記第2の電気絶縁膜は調理器具の外表面に付着され、前記赤外線加熱膜は前記第2の電気絶縁膜に付着され、前記第1の電気絶縁膜は前記赤外線加熱膜に付着されている。
【0039】
好ましくは、前記赤外線加熱部品は、赤外線加熱膜に接続される接触端子を含み、前記パネルには前記接触端子を挿着するための電源インタフェースが設置されている。
【0040】
本発明に係る電磁加熱装置は、電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットを含むため、異なる材質の加熱器具の加熱を実現することができ、その適用が広くて制限されず、また、赤外線加熱ユニットを含むため、その最大加熱電力が、コイルプレートの最大加熱電力によって制限されない。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を更に詳しく説明する。下記の実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0043】
本願の説明において、「左」、「右」などの用語が指す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、本発明を便利にまたは簡単に説明するためのものに過ぎず、指す装置または部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作されると指示または暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解されてはならない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的重要性を指示または暗示するものと理解されてはならない。
【0044】
実施例1
本実施例1は、主に電磁加熱装置の回路を説明するためのものであり、具体的には、本実施例1に係る電磁加熱装置は、電磁加熱ユニット、赤外線加熱ユニット及びMCUを含み、そのうち、MCUは電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットに接続されて、電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットが個別に加熱または同時に加熱するように制御する。
【0045】
本実施例1に係る電磁加熱装置は、赤外線加熱ユニットが設けられているため、非鉄質磁性調理器具を加熱することができる。また、赤外線加熱ユニットは、鉄磁性調理器具への加熱速度及び最高加熱電力を向上させるように、更に電磁加熱ユニットとともに鉄磁性調理器具を加熱することができる。一般的に、ユーザは調理器具に付着されている材質マークまたは材質説明によって、鉄磁性器具及び非鉄磁性器具を人工的に区別することができる。
【0046】
更に、本実施例1に係る電磁加熱装置のMCUは、鍋検知モジュール及び電力割り当てモジュールを含む。そのうち、鍋検知モジュールが調理器具の存在を検出していない場合、電力割り当てモジュールが赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットに割り当てた加熱電力はいずれもゼロであり、赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットはいずれも加熱しないようにする。鍋検知モジュールが調理器具の存在を検出した場合、電力割り当てモジュールが赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットのうちの少なくとも一方に加熱電力を割り当てる。例えば、鍋検知モジュールが鉄磁性鍋具の存在を検出した場合、電力割り当てモジュールは、赤外線加熱ユニットのみに加熱電力を割り当て、または電磁加熱ユニットのみに加熱電力に割り当て、または赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットに加熱電力を同時に割り当てるようにしてもよい。鍋検知モジュールが非鉄磁性鍋具の存在を検出した場合、電力割り当てモジュールは、赤外線加熱ユニットのみに加熱電力を割り当てる。
【0047】
また、本実施例1に係る電磁加熱装置のMCUは材質検出モジュール及び電力割り当てモジュールを更に含んでもよく、前記材質検出モジュールが鉄質の磁性調理器具を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、電磁加熱ユニット及び/または前記赤外線加熱ユニットを起動して前記調理器具を加熱するように切り替え、前記材質検出モジュールが非鉄質の磁性調理器具を検出した場合、前記電力割り当てモジュールは、赤外線加熱ユニットのみを起動して前記調理器具を加熱するように切り替える。
【0048】
具体的には、MCUは加熱切り替え通知モジュールを更に含み、前記加熱切り替え通知モジュールは、材質検出モジュールが検出した調理器具の材質に基づいて、ユーザに対応する加熱ユニットを選択して加熱させることを通知する。例えば、材質検出モジュールが鉄磁性鍋具の存在を検出した場合、加熱切り替え通知モジュールは、ユーザに電磁加熱と、赤外線加熱と、電磁ユニットと赤外線ユニットとの組み合わせ加熱との3種の加熱形態から1種を選択することを通知する。
【0049】
当業者は、鍋検知モジュールに接続される電力割り当てモジュールと材質検出モジュールに接続される電力割り当てモジュールが同一の電力割り当てモジュールであってもよいと分かることができる。
【0050】
本実施例1の電磁加熱装置は電力検出モジュールを更に含み、電力検出モジュールはユーザの入力した電力値を検出して、電力割り当てモジュールに送信する。電力割り当てモジュールは、受信したユーザの入力した電力値の大きさに基づいて電磁加熱ユニット及び/または赤外線加熱ユニットに電力を割り当てる。
【0051】
上記のことに基づいて、本実施例1は、電磁加熱ユニットと赤外線加熱ユニットとの間の加熱電力の割り当て方法を更に提供する。電磁加熱装置による低電力連続加熱を実現する観点から、本実施例は、電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第1の所定の電力値より低いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは、赤外線加熱ユニットのみを起動して加熱させるように切り替え、当電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第1の所定の電力値より高いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは、電磁加熱ユニット及び/または赤外線加熱ユニットを起動して加熱させるように切り替える技術案を提供する。一般的に、電磁加熱ユニットが第1の所定の電力値より低い電力で連続加熱する場合、電磁調理器IGBTは、比較的に深刻なハードスイッチングオン(hard-switching on)の状況が発生し、これによって、IGBTの損失が大きくなり、温度上昇が大きくなり、IGBTの寿命が短くなってしまう。この問題を解決するために、加熱電力が第1の所定の電力値より低い場合、従来の電磁加熱装置は電力調整加熱の形態が採用されており、即ち、まず、大電力でしばらく加熱してから、加熱をしばらく停止して、またしばらく加熱してから、加熱をしばらく停止する。例えば、400ワット電力での加熱を実現するために、電磁調理器は、まず800ワットの電力で1秒加熱してから、加熱を1秒停止する。このような間欠加熱の形態により、鍋具温度及び鍋中の食べ物を大きく変化し、スープ料理などの、連続的に低温度で加熱して制御する必要がある場合に、使用することができず、または使用効果が悪い。その一方、赤外線加熱ユニットの加熱は、電気抵抗式の加熱に属し、電磁加熱ユニットの加熱形態と異なるため、第1の所定の電力値より低い電力で連続加熱することができる。本実施例1では、第1の所定の電力値は、電磁加熱ユニットが個別にユーザの入力した電力値で連続加熱を実現し、且つIGBTのハードスイッチングオンが発生しないことが可能であるかどうかの1つの臨界値に相当する。本実施例1に設定された第1の所定の電力値の範囲は800~1100ワットであり、本実施例に係る具体的な第1の所定の電力値は1000ワットであり、勿論、第1の所定の電力値の範囲は実際の状況に応じて適切に調整してもよい。
【0052】
ユーザの入力した電力値は第1の所定の電力値より大きい場合、本実施例1は赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットによる加熱への電力割り当てに対してさらなる最適化を行った。具体的には、本実施例1では、第1の所定の電力値より大きい第2の所定の電力値が設定されており、電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第1の所定の電力値より高く第2の所定の電力値より低いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニットのみを起動して加熱させるように切り替え、これに対応して、MCUにおける電力割り当てモジュールが赤外線加熱ユニットに割り当た加熱電力値はゼロである。電力検出モジュールは、ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より高いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは、前記電磁加熱ユニット及び前記赤外線加熱ユニットを同時に起動して加熱させるように切り替え、これに対応して、MCUにおける電力割り当てモジュールは赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットに一定の値の加熱電力を割り当てる。電磁加熱ユニットによる加熱は直接に調理器具を加熱することであり、調理器具そのものが発熱体であるが、赤外線加熱ユニットは、赤外線加熱膜から発する熱を調理器具に伝達するものであり、即ち、赤外線加熱膜が発熱体であり、調理器具が伝熱媒体に過ぎないので、電磁加熱ユニットの加熱効率は赤外線加熱ユニットの加熱効率より高い。ユーザの入力した電力が第1の所定の電力値より大きく第2の所定の電力値より低い場合、赤外線加熱ユニットを選択して加熱させ、または赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットを選択して共同加熱させることができるが、電磁加熱装置の加熱効率を向上させる観点から、電磁加熱ユニットのみを選択して起動して加熱させることが好ましい。しかしながら、ユーザの入力した電力が一定の値より大きい場合、即ち、第2の所定の電力値より高く、例えば1800ワットである場合、依然として電磁加熱ユニットのみを起動して加熱させると、電磁加熱ユニットは、比較的に大きな騒音が発生するだけでなく、電磁加熱ユニットのIGBTなどの電子素子が損傷しやすくなる。電磁調理器の騒音を低減して電磁調理器の電子素子の寿命を向上させる観点のみから見ると、赤外線加熱ユニットを起動して加熱させるように選択してもよい。しかしながら、加熱効率を向上させ、電磁調理器の騒音を低減し、電磁調理器の電子素子の寿命を向上させるという総合的な観点から、ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より高い場合、電力割り当てモジュールは、赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットを同時に起動して加熱させるように切り替える。本実施例1では、第2の所定の電力値の範囲を1500~1700ワットにしたが、勿論、具体的な状況に応じて適切な調整を更に行ってもよい。
【0053】
ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より高い場合に対して、MCUの電力割り当てモジュールは、デフォルトのアルゴリズムに基づいて電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットに対応する加熱電力値を割り当てる。本実施例に係るデフォルトのアルゴリズムは、MCUの電力配モジュールが電磁加熱ユニットに割り当てた加熱電力値は第2の所定の電力値以下であって、第1の所定の電力値より大きく、MCUの電力配モジュールが赤外線加熱ユニットに割り当てた加熱電力はユーザの入力した電力値と電磁加熱ユニットに割り当てた電力値との差値であることである。勿論、MCUの電力割り当てモジュールは他のデフォルトのアルゴリズムに応じて赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットに電力を割り当ててもよい。下記の表は、本実施例1で、MCUがユーザの入力した加熱電力に基づいて赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットに加熱電力を割り当てる、具体的なアルゴリズムである。下記の表では、電磁調理器の定格加熱電力は2100Wであり、表からわかるように、本実施例1に係る電磁調理器は100Wから2100Wまでの間に連続加熱することができ、低電力連続加熱の要求(例えばスープ料理などの様々な応用)を満たすことができ、高電力加熱の場合に噪音の低減及び加熱効率の向上の要求を満たすこともできる。
【0055】
電磁調理器の騒音を低減して電磁調理器の電子素子の寿命を向上させる観点のみから、本実施例は、電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より高いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットを起動して共同加熱させるように切り替え、電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より低いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは、電磁加熱ユニットを起動して加熱させるように切り替える技術案を提供する。即ち、電磁調理器の連続的な低電力加熱を実現する観点に基づく技術案と異なり、ユーザの入力した電力が第1の所定の電力値より低い場合、赤外線加熱ユニットを選択して加熱させるのではなく、電磁加熱ユニットを選択して加熱させる。
【0056】
電磁加熱装置の合計加熱電力を向上させる観点から、本実施例は、電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第3の所定の電力値より高いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットを起動して共同加熱させるように切り替え、電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第3の所定の電力値より低いことを検出した場合、電力割り当てモジュールは電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットのうちの少なくとも一方を起動して加熱させるように切り替え、そのうち、第3の所定の電力値は0.9~1倍の電磁加熱ユニットの定格加熱電力値である技術案を提供する。
【0057】
電磁加熱ユニットが定格電力で長時間加熱すると、損傷しやすいため、本実施例の好ましい技術案は、第3の所定の電力値が電磁加熱ユニットの定格加熱電力値よりも僅かに低く設定されることであり、これによって、電磁加熱ユニットがフル電力で加熱する前、電力割り当てモジュールは電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットを起動して共同加熱させるようにする。例えば、電磁加熱ユニットの定格加熱電力(即ち最大加熱電力)が2200ワットである場合、電力検出モジュールはユーザの入力した電力が2000ワットより大きいことを検出すると、電力割り当てモジュールは電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットを同時に起動して加熱させる。本実施例に係る第3の加熱電力値の好ましい範囲は2000~2200ワットである。勿論、当該第3の加熱電力値は異なる電磁加熱装置の定格電力等の要因に応じて更に調整してもよい。例えば、電磁加熱ユニットの定格加熱電力が2100ワットである場合、第3の加熱電力値の好ましい範囲は1900~2100ワットである。
【0058】
当該技術案により、赤外線加熱ユニットが提供可能な最大定格加熱電力は1000ワットである場合、このような赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットの共同加熱の形態を採用することで、電磁調理器の最大加熱電力を3000~3200ワットまで向上させることができる。ただし、電力検出モジュールはユーザの入力した電力が第3の所定の電力値より低いことを検出した場合、電磁加熱ユニットのみを起動して加熱させてもよく、以下の加熱選択であってもよく、ただしこれらに限定されず、即ち、ユーザの入力した電力が第2の所定の電力値より大きい場合、電力割り当てモジュールは電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットを起動して共同加熱させるように選択し、ユーザの入力した電力第1の所定の電力値より小さい場合、電力割り当てモジュールは、赤外線加熱ユニットを起動して加熱させるように選択する。例えば、第3の所定の電力値の範囲を2000~2200ワットに設定する場合、第3の所定の電力値より低い範囲内でプロセス全体にわたって電磁加熱ユニットで加熱を行ってもよく、第1の所定の電力値より低い範囲内(0から800~1100)で赤外線加熱ユニットで加熱して、第1の所定の電力値から第2の所定の電力値までの範囲内(例えば、800~1100から1500~1700まで)で電磁加熱ユニットで加熱し、第2の所定の電力値から第3の所定の電力値までの範囲内(例えば、1500~1700から2000~2200まで)で電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットで共同加熱するようにしてもよい。
【0059】
ただし、電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットは加熱が切り替えられる時、加熱が連続しない問題があり、好ましくは、本実施例1は、電磁加熱ユニット及び赤外線加熱ユニットには加熱切り替えが発生する時、後の加熱ユニットがすでに加熱し始めた時、前の加熱ユニットが一定の延長時間で加熱し続ける。例えば、赤外線加熱ユニットのみでの加熱から電磁加熱ユニットのみでの加熱に切り替える時、その間における短い時間(ほぼ5秒)で赤外線加熱ユニット及び電磁加熱ユニットが共同加熱の状態にある。
【0060】
本実施例1に係る電磁加熱装置は、上記鍋検知モジュール及び材質検出モジュールを同時に含んでもよく、少なくとも鍋検知モジュールまたは材質検出モジュールのうちの1つを含んでもい。以下、本実施例1は、電磁加熱ユニットにより鍋検知及び材質検出を行う形態を提供する。
【0061】
以下、
図1、
図4及び
図5を参照しながら、電磁加熱ユニットの主な回路を説明し、電磁加熱ユニットは、一般的に、少なくとも共振回路及び電磁駆動回路を含み、電磁駆動回路は、一端が共振回路に接続され、他端がMCUにおける電磁電力調整モジュールに接続され、電磁電力調整モジュールは割り当てられた加熱電力値に基づいて電磁駆動回路に第1の所定のデューティ比のPWM信号を入力する。
【0062】
そのうち、共振回路はスイッチング素子、共振コンデンサ及び共振インダクタを含み、共振コンデンサは共振インダクタと並列され、共振コンデンサ及び共振インダクタのうちの一方の共通の接続端は整流後の商用電源に接続され、他方の共通の接続端はスイッチング素子のコレクターに接続され、そのうち、スイッチング素子は一般的にIGBTが採用される。
【0063】
電磁加熱ユニットは共振同期検出回路を更に含み、共振同期検出回路の一端は共振コンデンサ及び共振インダクタの2つの共通の接続端にそれぞれ接続され、即ち、当該端にける1つの分岐がIGBTのコレクターに接続されて、IGBTのコレクターの電圧を検出し、共振同期検出回路の他端はMCUに接続され、共振同期検出回路は前記IGBTトランジスタのコレクターの電圧が最低点電圧(一般的にゼロ)であることを検出した場合、MCUの電磁電力調整モジュールは電磁駆動回路に第1の所定のデューティ比のPWM信号を出力する。
【0064】
電磁加熱ユニットはゼロクロス検出回路を更に含んでもよく、ゼロクロス検出回路は、一端が整流後の商用電源に接続されて、商用電源のゼロクロス信号を検出し、他端がMCUに接続され、電磁電力調整モジュールは、ゼロクロス信号を受信した後、電磁駆動回路に再初期化済みの第1の所定のデューティ比のPWM信号を入力する。
【0065】
電磁加熱ユニットはサージ検出回路、過温度検出回路、過電圧検出回路及び過電流検出回路を更に含んでもよい。サージ検出回路は商用電源の電圧信号を検出し、商用電源に非常に高い順方向電圧または逆方向電圧が突然現れる場合、サージ検出回路はMCUにIGBTをオフにする信号を出す。過温度検出回路は、スイッチング素子であるIGBTの温度が一定の値に達すると、MCUにIGBTをオフにする信号を出す。過電圧検出回路は、スイッチング素子であるIGBTのコレクターの電圧が一定の値に達すると、MCUにIGBTをオフにする信号を出す。過電流検出回路は、スイッチング素子であるIGBTのコレクターの電流が一定の値に達すると、MCUにIGBTをオフにする信号を出す。
【0066】
明らかなように、電磁加熱ユニットは他の回路を有してもよく、以上に挙げられた回路によって制限されない。また、電磁加熱ユニットは更に、以上に挙げられたものと異なる他の回路で電磁加熱を実現することができる。
【0067】
本実施例1に挙げられた電磁加熱ユニットにおける上記回路について、MCUにおける鍋検知モジュールは、そのうちの共振回路、電磁駆動回路及び同期共振回路と合わせて、調理器具が存在するかどうかを検出してもよい。MCUにおける材質検出モジュールも、そのうちの共振回路、電磁駆動回路及び同期共振回路と合わせて、調理器具の材質を検出してもよい。
【0068】
具体的には、まず、MCUにおける電磁電力調整モジュールにより電磁駆動回路に1つの鍋検知パルスを入力し、当該鍋検知パルスのオン時間が6us-10usであり、鍋検知パルスの送信の間隔時間が約1~2s(秒)である。当該鍋検知パルスは共振回路をオンにさせ、電磁調理器に調理器具が載置されている場合、共振回路のエネルギー消費は比較的速く、共振同期検出回路の出力電圧の反転回数は少ない。電磁調理器に調理器具が載置されていない場合、共振回路のエネルギー消費は比較的遅く、共振同期検出回路の出力電圧の反転回数は多い。鍋検知モジュールは、共振同期検出回路の出力電圧の反転回数が所定の回数に達するかどうかを判断することにより、調理器具が存在するかどうかを判断する。例えば、所定の回数が10であり、共振同期検出回路の出力電圧の反転回数が10以上である場合、調理器具が存在すると判断し、共振同期検出回路の出力電圧の反転回数が10より小さい場合、調理器具が存在しないと判断する。
【0069】
材質検出モジュールは共振同期検出回路が出力した隣接反転電圧の間隔時間を検出することにより調理器具の材質を判断する。例えば、MCUにおける電磁電力調整モジュールが電磁駆動回路に1つの鍋検知パルスを入力した後、所定の時間内に、共振同期検出回路によって出力された電圧は合計12回の反転が発生し、その反転周期時間が35us程度である場合、調理器具の材質が430鋼であると判断し、その反転周期時間が25usほどである場合、調理器具の材質が304鋼であると判断する。
【0070】
図4には共振回路及び共振同期検出回路の具体的な構成を示し、以下、電磁加熱ユニットの共振回路、電磁駆動回路及び共振同期検出回路を合わせて、調理器具が存在するかどうかを検出する作動原理及び調理器具の材質を検出する作動原理を説明し、
図4における最も左の矢印方向は整流後の商用電源の入力を指す。
【0071】
電磁調理器が加熱し始める前に、一定のオン時間のパルスを1つ出力し、電磁駆動回路、即ち
図5におけるIGBT駆動回路をオンにした場合、共振回路におけるコイルプレートLH、即ち共振インダクタに電流が左から右へ流れている。共振回路における共振コンデンサC5の左端電圧が共振同期検出回路におけるR49、R51、R52、R53、R1、R5によって分圧された後の電圧信号Vaは、MCUの内部コンパレータの非反転入力端子に入力され、共振コンデンサC5の右端電圧が共振同期検出回路におけるR7、R2、R6、R57によって分圧された後の電圧信号Vbは、MCUの内部コンパレータの反転入力端子に入力される。この時、共振コンデンサC5の左端電圧は商用電源電圧にクランピングされ、共振コンデンサC5の右端電圧はIGBT(即ち、
図4におけるIGBT駆動回路の左端に接続されている部分)によって直接グラウンドレベルに引き下げられ、この時、Va>Vbである。
【0072】
IGBT駆動回路がIGBTをオフにした場合、共振回路におけるコイルプレートLHは、インダクタンス効果により、電流が急変することができず、LH電流が完全にリリースされるまで、左から右へ流れ続けて、共振コンデンサC5にチャージし、共振コンデンサC5の右端電圧を上昇し続けさせる。LHの電流が0である場合、C5右端電圧が最高レベルに到達し、この時、Va<Vbである。
【0073】
Va<Vbである場合、共振回路における共振コンデンサC5が共振回路におけるコイルプレートLHに放電するように変換する。電流はコイルプレートLHの右端から左端へ流れる。C5の電力量が完全にリリースされる時に、C5の左側の電圧が右側の電圧に等しい。コイルプレートLHには、右から左へ流れる電流がまだあるので、インダクタンス効果により、コイルプレートLHの電流が右から左へ流れ続ける。この時、共振コンデンサC5の左端電圧は商用電源電圧にクランピングされ、C5右端電圧は引き下げられ続ける。Vb<Vaになる時に、MCUの内部コンパレータには1つの立ち上がりエッジのパルス出力が発生し、カウンターがカウントアップし始めるとともに、タイマーが周期タイミングするようにする。MCUにおける鍋検知モジュールは、少なくとも当該内部コンパレータ及びカウンターを含む。それに対応して、MCUにおける材質検出モジュールは少なくとも当該内部コンパレータ及びタイマーを含む。
【0074】
共振回路のエネルギーは完全にリリースされていないので、共振回路は上記のプロセスを繰り返し、Vb<Vaが再び発生する場合、タイマーによる周期タイミングを停止させ、この時の周期時間値を読み取って、調理器具の種類を判断する。勿論、正確に周期時間を読み取るために、それからのいくつかの発振周期の時間を読み取ってから平均にしてもよい。共振回路が一定時間発振し続けた(鍋検知パルスによる共振回路発振が完了)後、例えば200~500msの後、カウンターの値を読み取る。
【0075】
以上、電磁駆動回路、共振回路及び共振同期検出回路を合わせる形態は、鉄磁性調理器具が存在するかどうかの検出及び鉄磁性調理器具の材質の検出に対しての效果がかなり良い。勿論、他の形態により、調理器具が存在するかどうかの検出及び調理器具の材質の検出を実現してもよい。例えば、電磁加熱ユニットには超音波送信回路及び超音波検出回路が設置され、鍋検知モジュールは超音波検出回路が超音波反射信号を検出可能であるかどうかにより、調理器具が存在するかどうかを判断し、材質検出モジュールは検出された超音波反射信号の周波数及び幅値範囲によって調理器具の材質を判断する。
【0076】
図2及び
図3を参照しながら、以下、赤外線加熱ユニット回路の構成を説明し、一般的に、赤外線加熱ユニットは赤外線加熱回路及び赤外線加熱駆動回路を含み、赤外線加熱回路は、商用電源のニュートラルとライブとの間に接続されている赤外線加熱膜を含み、赤外線駆動回路の一端は前記赤外線加熱膜と商用電源との間(即ち、赤外線駆動回路の一端は前記赤外線加熱膜と商用電源のニュートラルとの間に接続されてもよく、前記赤外線加熱膜と商用電源のライブとの間に接続されてもよい)に接続され、赤外線駆動回路の他端はMCUにおける赤外線電力調整モジュールに接続され、赤外線電力調整モジュールは、割り当てられた加熱電力値に基づいて赤外線駆動回路に第2の所定のデューティ比のPWM信号を入力する。
【0077】
更に、赤外線電力調整モジュールは、電磁加熱ユニットにおけるゼロクロス検出回路が検出したゼロクロス信号に基づいて、所定の時間に前記赤外線駆動回路に前記第2の所定のデューティ比のPWM信号を入力してもよい。
【0078】
本実施例1に係る赤外線加熱駆動回路は2種あり、
図2に示すように、本実施例1に係る第1種の赤外線駆動回路は、絶縁サブユニット及びスイッチサブユニットを含み、スイッチサブユニットが赤外線加熱膜と商用電源との間に直列され、絶縁サブユニットがスイッチサブユニットと赤外線電力調整モジュールとの間に接続されている。即ち、絶縁サブユニットは赤外線電力調整モジュールが発した第2の所定のデューティ比のPWM信号を受信して、スイッチサブユニットのオン及びオフを制御し、さらに赤外線加熱回路がオンにするかどうかを制御することができる。
【0079】
具体的には、絶縁サブユニットは絶縁フォトカプラU10であり、スイッチサブユニットはトライアックTR1であり、絶縁フォトカプラU10は発光デバイス及び感光デバイスを含む。発光デバイスの正極S1は直流電源(5ボルトまたは3.5ボルトの電圧が供給される)に接続され、負極S2はMCUの赤外線電力調整モジュールに接続され、このような接続形態では、感光デバイスは赤外線電力調整モジュールが低レベルを発生させる時にオンにされる。勿論、発光デバイスの正極S1はMCUの赤外線電力調整モジュールに接続されて、発光デバイスの負極S2は接地してもよい。このような接続形態では、感光デバイスは赤外線電力調整モジュールが高レベルを発生させる時にオンにされる。感光デバイスは、双方向サイリスタであり、第1のアノードS6はトライアックTR1の第2の主電極T2に接続され、第2のアノードS4はトライアックTR1のゲートに接続されている。トライアックTR1の第2の主電極T2は遠赤外線加熱膜に接続され、トライアックTR1の第1の主電極T1は商用電源に接続されている。
【0080】
感光デバイスの第1のアノードS6とトライアックTR1の第2の主電極T2との間には、第1の電気抵抗R81及び第2の電気抵抗R82が順に直列されている。第1の電気抵抗R81と第2の電気抵抗R82との共通端とトライアックTR1の第1の主電極T1との間に、第1のコンデンサC201が直列され、発光デバイスの正極S1と直流電源との間に第3の電気抵抗R80が接続されている。第1の電気抵抗R81、第2の電気抵抗R82、第3の電気抵抗R80及び第1のコンデンサC201は、適切な電流及び電圧でトライアックTR1をオンにさせる役割を果たし、トライアックTR1の制御回路をフィルタリングして安定させる役割を果たすことができる。
【0081】
このような赤外線駆動回路はトライアック調整に基づく制御回路であり、絶縁サブユニット及びスイッチサブユニットはリレーにおける対応する部品に置き換えてもよく、即ち、リレー調整に基づく制御回路に変更してもよい。勿論、絶縁サブユニット及びスイッチサブユニットは他の電子素子で代替されてもよい。
【0082】
このようなトライアックに基づく赤外線駆動回路に対応して、ゼロクロス検出回路及び赤外線電力調整モジュールを合わせて、赤外線加熱電力を調整する形態は2種類がある。第1種の赤外線電力調整形態はより安定的であり、第2種の赤外線電力調整モードは応答速度がより速い。
【0083】
具体的には、本実施例1に係る第1種の赤外線加熱電力の調整形態では、電流の周波数が50HZであり、その1つの半波の期間が10msであり、PWM信号における1つの方形波周期の期間が100msであり、赤外線加熱膜はPWM信号が高レベルである時に加熱され、PWM信号が低レベルである時に加熱が停止される。
【0084】
まず、赤外線電力調整モジュールは、割り当てられた加熱電力に基づいてPWM信号の1つの方形波周期内の高レベル時間t1及び低レベル時間t2を計算する。表2には割り当てられた赤外線加熱電力と高レベル時間t1、低レベル時間t2との間の関係を示す。表2では、赤外線加熱膜は、全方形波周期内で加熱すると、提供可能な最大加熱電力が1000wである。赤外線電力調整モジュールは割り当てられた加熱電力値が800wである場合、PWM信号の方形波周期の高レベル時間t1は100msから80msに調整され、対応する低レベル時間t2は0msから20msに調整される。即ち、1つのPWM信号の方形波周期内に、赤外線加熱回路は8つの商用電源の半波周期内にオンにされている。赤外線電力調整モジュールに割り当てられた加熱電力値が500wであると、高レベル時間t1を更に80msから50msに調整し、対応する低レベルt2を20msから50msに調整する。一般的に、赤外線電力調整モジュールは割り当てられた加熱電力値が大きければ大きいほど、PWM信号の1つの方形波周期内の高レベル時間t1は長くなり、低レベル時間t2は短くなる。
【0085】
赤外線加熱膜の加熱の間、新たな加熱電力が割り当てられると、赤外線電力調整モジュールは、表2におけるアルゴリズムに従ってPWM信号の方形波周期の高レベル時間及び低レベル時間を改めて計算し、その後、ゼロクロス検出回路によりゼロクロス信号を検出し、ゼロクロス信号を検出した場合、赤外線電力調整モジュールは改めて計算して得たPWM信号を赤外線駆動回路に送信する。
【0086】
本実施例1に係る第2種の赤外線加熱電力の調整形態は、PWM信号における1つの方形波周期の期間を商用電源半波周期と同じである10msに設定する点で、第1種のと異なる。依然として赤外線加熱膜は全方形波周期で加熱すると、提供可能な最大加熱電力が1000wであることを例とする。赤外線電力調整モジュールは割り当てられた加熱電力値が800wである場合、PWM信号の1つの方形波周期の高レベル時間t1を10msから8msに変更し、対応する低レベル時間t2を0msから2msに変更する。赤外線電力調整モジュールは割り当てられた加熱電力値が500wである場合、高レベル時間t1を更に8msから5msに調整し、対応する低レベルt2を2msから5msに調整する。
【0087】
同様に、赤外線加熱膜の加熱の間に、新たな加熱電力が割り当てられると、赤外線電力調整モジュールもPWM信号の方形波周期内の高レベル時間及び低レベル時間を改めて計算し、その後、ゼロクロス検出回路によりゼロクロス信号を検出し、ゼロクロス信号を検出した場合、赤外線電力調整モジュールは改めて計算して得たPWM信号を赤外線駆動回路に送信する。
【0089】
以上は、トライアック回路、赤外線電力調整モジュール及びゼロクロス検出回路を合わせて赤外線加熱電力を調整する2種の形態に過ぎず、そのうち、調整電力アルゴリズムは他の形態を採用してもよい。その調整回路のハードウェアはゼロクロス検出回路と合わせなくてもよい。赤外線電力調整モジュールが赤外線加熱電力を調整する形態は必ずしもPWM信号の形態を採用しなくてもよい。
【0090】
図3を参照し、本実施例1に係る第2種の赤外線加熱駆動回路はPFC回路である。PFC回路は、エネルギー蓄積コンデンサ、第1のスイッチ、インダクタンス及び第1のダイオードを含み、エネルギー蓄積コンデンサは赤外線加熱膜と商用電源との間に直列され、エネルギー蓄積コンデンサの商用電源に接続される一端はインダクタンスを介して第1のスイッチのソースに接続され、エネルギー蓄積コンデンサの赤外線加熱膜に接続される一端は第1のダイオードを介して第1のスイッチのソースに接続され、第1のスイッチのドレインは商用電源に接続され、第1のスイッチのべースは前記MCUの赤外線電力調整モジュールに接続されている。
【0091】
更に、赤外線駆動回路は第2のスイッチ及び第2のダイオードを更に含み、インダクタンスとエネルギー蓄積コンデンサとの共通の接続端は第2のスイッチのドレインに接続され、商用電源は第2のスイッチのソースに接続され、第2のダイオードは第2のスイッチのドレインとエネルギー蓄積コンデンサとの間に接続され、第2のスイッチのべースはMCUの赤外線電力調整モジュールに接続されている。
【0092】
そのうち、第1のスイッチ及び第2のスイッチはそれぞれ
図3に示すQ1及びQ2に対応し、いずれも大電力、耐電圧の高いCMOSトランジスタであり、インダクタンスは
図3におけるL1に対応し、そのインダクタンス値が400uH以上であり、第1のダイオード及び第2のダイオードは
図3におけるD1及びD2にそれぞれ対応し、いずれも大電力、耐逆電圧の高い整流ダイオードであり、エネルギー蓄積コンデンサは
図3におけるC1、C2、C3に対応し、いずれも容量値が高く、耐電圧の高いコンデンサである。第1のスイッチのべースは
図3におけるVc Lに対応し、第2のスイッチのべースは
図3におけるVc Hに対応する。
【0093】
MCUにおける赤外線電力調整モジュールが、PFC回路と合わせて赤外線電力を調整することは、電圧式の電力調整形態に属し、具体的な原理は以下の通りである。
【0094】
赤外線電力調整モジュールが第1のスイッチのべースVc Lにフルデューティ比のPWM信号を送信し、且つ第2のスイッチのべースVc Hにゼロデューティ比のPWM信号を送信する場合、即ち、第1のスイッチQ1を前開させ、第2のスイッチQ2を全閉させ、半波整流後の商用電源がインダクタンスL1及びエネルギー蓄積コンデンサ(C1、C2、C3)によって整流してフィルタリングして電圧安定化させた後、赤外線加熱膜に310V程度の安定的な直流電圧を提供する。
【0095】
出力電力を下げる必要がある場合、赤外線電力調整モジュールは第1のスイッチのべースVc Lに一定デューティ比のPWM信号を送信し、第2のスイッチのべースVc Hにゼロデューティ比のPWM信号を送信する時、即ち第1のスイッチQ1が間欠的に開き、第2のスイッチQ2が全閉される。第1のスイッチQ1がオンにされる場合、整流後の商用電源はインダクタンスL1、第2のダイオードD2を介してエネルギー蓄積コンデンサ(C1、C2、C3)にチャージするとともに、赤外線加熱膜を流れて、赤外線加熱膜に熱を生成させ続ける。第1スイッチQ1がオフにされる場合、インダクタンス効果によって、インダクタンスL1は現在の電流の流れ方向のまま、エネルギー蓄積コンデンサ(C1、C2、C3)にチャージし続けるとともに、赤外線加熱膜を流れて、赤外線加熱膜に出力電力を発生させる。
【0096】
赤外線電力調整モジュールが第1のスイッチQ1のべースVc Lに送信したPWM信号デューティ比は大きければ大きいほど、インダクタンスL1及びエネルギー蓄積コンデンサ(C1、C2、C3)に蓄積されたエネルギーは大きくなり、赤外線加熱膜の作動電圧は高くなり、対応する赤外線加熱膜の出力電力は大きくなる。第2のスイッチQ2を全閉させ、第1のスイッチQ1で赤外線加熱膜の電力を調整し、赤外線加熱膜の作動電圧は0~310Vの範囲内に調整することができる。
【0097】
電力をさらに増やす必要がある場合、赤外線電力調整モジュールは第1のスイッチのべースVc Lにフルデューティ比のPWM信号を送信し、且つ第2のスイッチのべースVc Hに一定のデューティ比のPWM信号を送信する時、即ち、第1のスイッチQ1が全開され、第2のスイッチQ2が間欠的に開く。第2のスイッチQ2がオンにされる場合、整流後の商用電源はインダクタンスL1を通してから第2のスイッチQ2によってグランドに短絡され、インダクタンスL1には大電流が流れ、第2のダイオードD2のダンピング効果により、エネルギー蓄積コンデンサ(C1、C2、C3)の電流は第2のスイッチQ2を介してグランドに流れることができず、赤外線加熱膜によって放電し続け、赤外線加熱膜に電力出力をさせ続ける。第2のスイッチQ2がオフにされた場合、インダクタンスL1は、インダクタンス効果により、現在の電流の流れ方向のまま、インダクタンスL1の電流は、第2のダイオードD2を通してエネルギー蓄積コンデンサ(C1、C2、C3)にチャージするとともに、赤外線加熱膜を流れて、赤外線加熱膜に熱を発生させ続ける。
【0098】
赤外線電力調整モジュールが第2のスイッチのべースVcHに送信したPWM信号デューティ比は大きければ大きいほど、インダクタンスL1及びエネルギー蓄積コンデンサ(C1、C2、C3)に蓄積されたエネルギーは大きくなり、赤外線加熱膜の作動電圧は大きくなり(最大作動電圧は550Vに達することができる)、対応する赤外線加熱膜の出力電力は大きくなる。第1のスイッチQ1を全開させ、第2のスイッチQ2で赤外線加熱膜の電力を調整し、赤外線加熱膜の作動電圧は310~550Vの範囲内に調整することができる。
【0099】
明らかなように、赤外線加熱駆動回路及び赤外線加熱回路の具体的な形態は上記説明に制限されず、従来の技術で得られた実行可能な形態はいずれも本実施例1の保護範囲に含まれることができる。
【0100】
実施例2
図6を参照し、本実施例2は、電磁加熱装置の第1種の実現形態の構造を主に説明する。具体的には、当該電磁加熱装置は、調理器具の下方に位置し、調理器具を支持するパネル110と、パネル110の下方に位置し、調理器具を電磁加熱するコイルプレート130と、パネル110に取り付けられ、調理器具を赤外線加熱する赤外線加熱部品120と、コイルプレート130及び赤外線加熱部品120に電気接続され、コイルプレート130及び赤外線加熱部品120の加熱を制御する電子制御ボード160と、を含む。
【0101】
当該電磁加熱装置は一般的にボトムカバーを更に含み、ボトムカバーはパネル110にカバーされる。コイルプレート130及び電子制御ボード160はいずれもボトムカバー内に収容され、
図7に示すように、ボトムカバー内には冷却ファン150及びタッチパネル140が更に収納されている。
【0102】
赤外線加熱部品120は、パネル110の調理器具側に寄る表面に取り付けられてもよく、パネル110のコイルプレート130側に寄る表面に取り付けられてもよく、更にパネル110の内部に嵌め込んでもよい。赤外線加熱部品120がパネル110のコイルプレート130側に寄る表面に取り付けられるものを例として、赤外線加熱部品120は、赤外線加熱膜121、熱反射膜122及び断熱膜123を含み、
図8を参照して明らかなように、
図8はパネル110と赤外線加熱膜121、熱反射膜122及び断熱膜123との間の位置関係を概略的に示すが、赤外線加熱膜121、熱反射膜122及び断熱膜123のサイズへの制限にならない。赤外線加熱膜121はパネル110に付着され、熱反射膜122は赤外線加熱膜121に付着され、断熱膜123は熱反射膜122に付着されている。
【0103】
赤外線加熱膜121の形状は長方形であってもよく、この時、
図9に示すように、コイルプレート130は赤外線加熱膜121の内に内接されてもよく、勿論、コイルプレート130が赤外線加熱膜121の外に外接されて、その後、赤外線加熱膜121の4つの辺の周囲に長方形状のサブ赤外線加熱膜が設置されるようにしてもよい。また、赤外線加熱膜121は他の形状であってもよい。勿論、調理器具の底部はほとんど円形であるため、調理器具の底部形状と合わせるように、赤外線加熱膜121の好ましい形状は円形である。
【0104】
本実施例2に係る赤外線加熱膜121はフィルム式赤外線加熱膜であり、その厚み範囲が5um~20umであり、加熱電力範囲が0.1~15ワット/平方センチメートルである。当該フィルム式赤外線加熱膜121の1種の組成の主な成分は二酸化スズ、三酸化二クロム、二酸化マンガン、三酸化二ニッケルであり、当該組成の赤外線加熱膜121は一般的にスプレー法によりパネル110に付着される。フィルム式赤外線加熱膜121のもう1種の組成の主な成分は四塩化スズ、四塩化ニッケル、酸化鉄、四塩化チタン、塩化ナトリウム及び二酸化スズであり、当該材質の赤外線加熱膜121はPVD堆積法によりパネル110に付着される。
【0105】
赤外線加熱膜121は両面で発熱し、一方の面による発熱は調理器具に直接放射され、他方の面による発熱は反射膜の反射で調理器具に改めて伝達される。熱反射膜122を設置することで、赤外線加熱膜121のコイルプレート130側に寄る発熱が無駄になることを避けて、赤外線加熱膜121の加熱効率を向上させる。また、熱反射膜122は、赤外線加熱膜121がコイルプレート130に熱を放射して、コイルプレート130の温度をあまりにも高くし、コイルプレート130の正常作動に影響を与えることを避ける。本実施例2では、熱反射膜122に付着されている断熱膜123は、赤外線加熱膜121の発熱によるコイルプレート130への放射影響を更に低減させる。勿論、熱反射膜122自身が断熱性能に優れる場合、断熱膜123を設置しなくてもよい。更に
図8を参照し、コイルプレート130の軸方向に沿って、前記パネル110には赤外線加熱膜121、熱反射膜122及び断熱膜123が順に設置される。
【0106】
赤外線加熱膜121の発熱によるコイルへの影響をより小さくするために、本実施例2では、赤外線加熱部品120とコイルプレート130との距離が制限され、具体的には、赤外線加熱部品120とコイルプレート130との距離範囲が8~11mmである。赤外線加熱部品120とコイルプレート130との距離がこの範囲より大きいと、コイルプレート130の調理器具に対する加熱効率に影響を与える。赤外線加熱部品120とコイルプレート130との距離がこの範囲より小さいと、赤外線加熱膜121の発熱によってコイルプレート130の温度をあまりにも高くするという影響を効果的に防止することができない。
【0107】
一般的には、コイルプレート130にはサーマル温度センサが取り付けられており、サーマル温度センサは、調理器具の空鍋加熱を防止する等の機能を達成するように、パネル110の温度を検出することで調理器具の鍋底の温度を間接的に検出する。赤外線加熱膜121によるサーマル温度センサの温度測定への影響を防止するために、赤外線加熱膜121の中央には、サーマル温度センサがパネル110に直接接触するように、サーマル温度センサが通る貫通孔が開けられている。貫通孔の直径の大きさは、サーマル温度センサが正確に調理器具の温度を測定できるだけでなく、サーマル温度センサと赤外線加熱膜121との電気的な絶縁が保持可能で、赤外線加熱膜の有効加熱面積への影響をできるだけ低減させることを保証する大きさである。
【0108】
また、本実施例2では、熱反射膜122は透明なポリエステル膜に一層の金属又はナノセラミック材料をスパッタリングして得られたものであってもよく、断熱膜123はアルミ箔、ポリエチレンフィルム、繊維織物及び金属コーティングがホットメルト接着剤で積層されてなるものであってもよい。
【0109】
実施例3
本実施例3は電磁加熱装置の第2種の構造の実現形態を提供し、具体的には、当該電磁加熱装置は、調理器具230と、調理器具230の下方に位置し、調理器具230を支持するパネル210と、パネル210の下方に位置し、調理器具230を電磁加熱するコイルプレート240と、調理器具230の外表面に取り付けられ、調理器具230を赤外線加熱する赤外線加熱部品220と、コイルプレート240及び赤外線加熱部品220に電気接続され、コイルプレート240及び赤外線加熱部品220の加熱を制御する電子制御ボードと、を含む。
【0110】
図10を参照し、本実施例3の当該電磁加熱装置はボトムカバーをも含み、且つボトムカバーの内部の構造は実施例3と同じ構造が採用されてもよく、ここで贅言しない。また、本実施例3は、赤外線加熱部品220がパネル210に取り付けられるのではなく、調理器具230の外表面に設置される点で、実施例2と異なる。
【0111】
図11に示すように、赤外線加熱部品220は、赤外線加熱膜221及び第1の電気絶縁膜222を含み、赤外線加熱膜221は調理器具230の底壁の外表面のみに付着されてもよく、調理器具230の側壁の外表面のみに付着されてもよく、更に調理器具230の外表面全体に付着されてもよい。パネル210への熱的影響を低減し赤外線加熱膜221の摩耗を防止する観点から、本実施例3の好ましい技術案は、赤外線加熱膜221を調理器具230の側壁の外表面に付着することである。調理器具内の食べ物に加熱中に熱対流が発生することに寄与する観点から、本実施例3の好ましい技術案は、赤外線加熱膜221を調理器具230の底壁の外表面に付着することである。赤外線加熱膜221自身が通電されているので、赤外線加熱膜221が外部の導電体と接触して短絡が発生することを防止するために、且つユーザが不注意に赤外線加熱膜221に接触して電気ショックされるをも防止するために、赤外線加熱膜221に第1の電気絶縁膜222が付着されている。
【0112】
本実施例3に係るのはフィルム式赤外線加熱膜221でもあり、その厚み範囲が5um~20umであり、加熱電力範囲が0.1~15ワット/平方センチメートルである。フィルム式赤外線加熱膜221の1種の組成の主な成分は二酸化スズ、三酸化二クロム、二酸化マンガン、三酸化二ニッケルであり、当該組成の赤外線加熱膜221は一般的にスプレー法によりパネル210に付着される。フィルム式赤外線加熱膜221のもう1種の組成の主な成分は四塩化スズ、四塩化ニッケル、酸化鉄、四塩化チタン、塩化ナトリウム及び二酸化スズであり、当該材質の赤外線加熱膜221はPVD堆積法により調理器具230に付着される。
【0113】
調理器具230のベース材料が非金属等の電気絶縁材料、例えば、セラミックである場合、赤外線加熱膜221は調理器具230と接触することで短絡することがない。調理器具230のベース材料が金属等の導電性材料、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼である場合、赤外線加熱膜221は調理器具230と接触することで短絡が発生することを防止するために、本実施例3では、第2の電気絶縁膜223が更に設置され、第2の電気絶縁膜223は調理器具230の外表面に直接付着され、赤外線加熱膜221は第2の電気絶縁膜223に付着され、第1の電気絶縁膜222は赤外線加熱膜221に付着されている。
【0114】
赤外線加熱部品220が調理器具230の外表面に取り付けられているので、赤外線加熱部品220の給電は問題となる。1種の解决案は、赤外線加熱部品220に別個の電源を提供することであり、本実施例3に係るもう1種の解决案は、赤外線加熱膜221を接続するための接触端子250を赤外線加熱部品220に設置して、当該接触端子250が挿入する電源インタフェース211をパネル210に設け、即ちコイルプレート240の電源で赤外線加熱部品220に給電することである。このように、他の給電部品の追加が回避されるだけでなく、電磁調理器にもともと存在する電子制御ボードで赤外線加熱膜221及びコイルプレート240を同時に制御して加熱させることができる。
【0115】
当該場合での電磁加熱装置の回路及び機械的構造は、従来の加熱回路及び加熱システムと互換することができ、従来の電磁調理器回路及び機械的構造を大きく変更しなくても、電磁及び赤外線加熱を実現することができ、これにより電磁加熱装置の性能を向上させ、適用範囲及びユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0116】
また、本実施例3の第1の電気絶縁膜222及び第2の電気絶縁膜223は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム等からなる無機電気絶縁膜であってもよく、ポリイミド、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデンまたはポリテトラフルオロエチレン等からなる有機電気絶縁膜であってもよい。
【0117】
上記実施例の電磁加熱装置は、赤外線加熱部品を追加して、電子制御ボードでコイルプレート及び赤外線加熱部品の加熱を制御することにより、鉄磁性鍋具以外の他の調理器具に適用することができる。
【0118】
更に、コイルプレートがある特定の電力値より低い電力で連続的に加熱する場合、電磁調理器IGBTは比較的に深刻なハードスイッチングオンの状況が発生し、これによって、IGBTの損失が大きくなり、温度上昇が大きくなり、IGBTの寿命が短くなってしまう。その一方、赤外線加熱部品の加熱は電気抵抗式の加熱に属し、コイルプレートの加熱形態と異なるので、ある特定の電力値より低い電力値の時、連続的に加熱することができる。
【0119】
また更に、ユーザの入力した電力が一定の値より大きい場合、依然として電磁コイルプレートのみを起動して加熱させると、電磁調理器は、大きな騒音が発生するだけでなく、電磁調理器のIGBT等の電子素子がより破損しやすくなる。そのため、上記実施例の電磁加熱装置は、高電力加熱の時に組み合わせて加熱する形態、つまりコイルプレート及び赤外線加熱部品を同時に採用して加熱する形態により、電磁調理器の電子素子の使用寿命を延ばし、電磁調理器の振動騒音を低減した。
【0120】
上記実施形態は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、本発明の技術案に対して行う様々な組み合わせ、修正または同等の交換が、本発明の技術案の精神及び範囲から逸脱しない限り、いずれも本発明の特許請求項の範囲内であることは、当業者にとって理解されるであろう。