特許第6692875号(P6692875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6692875ヒーターシステムに対する熱動的応答感知の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6692875
(24)【登録日】2020年4月17日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】ヒーターシステムに対する熱動的応答感知の方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20200427BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20200427BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
   H05B3/00 310C
   H01L21/68 N
   H01L21/02 Z
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-206740(P2018-206740)
(22)【出願日】2018年11月1日
(62)【分割の表示】特願2017-522916(P2017-522916)の分割
【原出願日】2015年10月28日
(65)【公開番号】特開2019-61960(P2019-61960A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2018年11月29日
(31)【優先権主張番号】14/530,670
(32)【優先日】2014年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタインハウザー、ルイス・ピー
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06100506(US,A)
【文献】 特開2009−238773(JP,A)
【文献】 特開2003−208964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/00
H01L 21/02
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターシステムの動作中に被加熱物の温度を測定および制御する方法であって、
前記被加熱物を、複数の加熱域を含む前記ヒーターシステムの加熱面の加熱環境内に配置することと、
前記複数の加熱域に電力を印加することと、
前記複数の加熱域に基づいて前記加熱面の熱画像を取得することと、
前記加熱面の前記熱画像に基づいて前記複数の加熱域における変化を判定することと、
前記ヒーターシステムのチューニング層を用いて前記複数の加熱域における前記判定された変化を補償すること、
を具備し、
前記ヒーターシステムは、ベース層と前記チューニング層を具備するヒーターを含み、
前記熱画像は、前記複数の加熱域に対応する複数の画素を含む、
方法。
【請求項2】
前記熱画像は、赤外線カメラおよびビデオカメラのうちの1つによって取得される、請求項1の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの画素が隣接する画素の色と異なる色を有する場合に、前記熱画像における変化を検出することをさら具備する、請求項1の方法。
【請求項4】
前記熱画像を前記複数の加熱域にマッピングすることと、
際の温度と前記複数の加熱域の所定の温度との間の差を算出することと、
前記熱画像のマップと前記複数の加熱域における温度差とに応じて前記複数の加熱域を異なるように制御することと、
をさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記変化を補償するために前記複数の加熱域を独立して制御することをさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項6】
前記変化を補償するために前記複数の加熱域への電力を変更することをさらに具備する、請求項5の方法。
【請求項7】
前記加熱環境内に配置された新しい負荷を識別するように前記ヒーターシステムを構成することをさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項8】
前記熱画像に基づいて前記新しい負荷が配置される前記加熱環境内の特定の加熱域を決定することをさらに具備する、請求項7の方法。
【請求項9】
前記変化を補償するために前記特定の加熱域に対する電力を変更することをさらに具備する、請求項8の方法。
【請求項10】
請求項1の方法による半導体プロセスにおけるウェハの温度を制御する方法。
【請求項11】
前記被加熱物の温度は、クローズドループ制御システムによって制御される、請求項1の方法。
【請求項12】
前記クローズドループ制御システムは、前記熱画像に基づいて、及び、前記被加熱物の所望の温度プロファイルにしたがって、前記ヒーターシステムのフィードバック制御を提供する、請求項11の方法。
【請求項13】
前記ヒーターシステムは、前記変化に基づいて較正される、請求項1の方法。
【請求項14】
電力レベルは、前記較正に基づいて予め設定される、請求項13の方法。
【請求項15】
前記加熱域は、ヒーターおよび温度センサとして機能する発熱体を含む、請求項1の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒーターシステムの制御方法に関し、特に、半導体プロセスにおいて使用されるチャックまたはサセプタとしての用途において、ヒートロスおよび(または)その他の変化を補償するために、運転中に被加熱物に対して正確な温度プロファイルを伝えるヒーターシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この節の記載は、本開示に関する背景の情報を提供するに過ぎず、先行技術の一部をなすものではない。
【0003】
半導体プロセスの技術において、例えば、チャックまたはサセプタは、処理中に基板(またはウェハ)を保持し、基板に均一の温度プロファイルを提供するために使用されている。図1を参照すると、電極14が組み込まれた静電チャック12と、典型的にはシリコン粘着剤である粘着層18を介して静電チャック12と結合したヒータープレート16とを含む静電チャック用支持アセンブリ10が説明されている。ヒーター20は、ヒータープレート16に固定されており、例として、ヒーター20は、エッチドフォイルヒーターであってもよい。このヒーターアセンブリは、典型的にはシリコン接着剤である接着層24を再び通じて冷却プレート22と結合している。基板26は、静電チャック12上に配置され、電極14は、基板26を適切なところに保持する静電気力が生み出されるような電圧源(図示されていない)と接続されている。無線周波数(Radio Frequency:RF)電源またはマイクロ波電源(図示されていない)は、支持アセンブリ10を囲むプラズマ反応槽の内部の静電チャック12と連結してもよい。このように、ヒーター20は、プラズマ強化膜デポジションまたはエッチング処理を含むさまざまなチャンバ内におけるプラズマ半導体プロセスステップの間に、基板26の温度を維持するために必要な熱を供給する。
【0004】
基板26におけるすべてのプロセス段階の間、エッチング処理が施された基板26の内部におけるプロセス変化を減らすために、静電チャック12の温度プロファイルがしっかりと制御され、全体のプロセス時間が減少する。
【発明の概要】
【0005】
本開示における一形態では、ヒーターシステムは、複数の加熱域を含むヒーターアセンブリを具備する。前記ヒーターシステムは、前記ヒーターアセンブリの画像を取得する撮像装置を有する。制御システムは、前記撮像装置からの前記画像に基づいて前記複数の加熱域内の変化を判定する。
【0006】
本開示における他の形態では、ヒーターシステムは、複数の発熱体を有するヒーターアセンブリを具備する。前記ヒーターシステムは、前記ヒーターアセンブリの所望の温度に乱れを引き起こす刺激を与えるコントローラを有する。制御システムは、前記コントローラと通信し、前記コントローラについての情報に基づいて、前記ヒーターアセンブリの所望の温度プロファイルを維持するように前記ヒーターアセンブリを制御する。
【0007】
本開示におけるもう一つの形態は、ヒーターシステムは、内部の壁を規定するプロセスチャンバを具備する。ヒーターアセンブリは、前記内部の壁に接して配置され、前記ヒーターアセンブリは、加熱面を規定する。加熱面は、複数の加熱域および複数の発熱体を含む。制御システムは、加熱面および前記チャンバの内部の壁の温度の乱れ監視するために前記ヒーターアセンブリと通信する。前記制御システムは、前記複数の加熱域における前記温度の乱れを判定するために、前記各発熱体の電気抵抗を監視する。
【0008】
なお、さらなる適用範囲は、この本願の記載から明白となる。この記載および特定の例は、説明のみを目的とするものであり、本開示の範囲を何ら限定するものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示が十分に理解されるように、今、添付図面を参照しながら例として与えられた様々な形態例について説明する。
図1図1は、先行技術における静電チャックの側面図である。
図2図2は、本開示の1つの形態の原理に基づいて構成され、チューニング層を有するヒーターの部分側面図である。
図3図3は、本開示の原理に基づいて構成され、チューニング層またはチューニングヒーターを有する図1におけるヒーターの別の形態の分解側面図である。
図4図4は、本開示の原理に基づく、ベースヒーターのための典型的な4個の区域とチューニングヒーターのための18個の区域とを説明する図3のヒーターの斜視分解図である。
図5図5は、本開示の原理に基づいて構成され、追加のチューニング層を有する高精細度ヒーターシステムの他の形態の側面図である。
図6図6は、本開示の別の形態に基づく、互いにオフセットさせて配置された代替のチューニング層の分解斜視図である。
図7図7は、本開示の1つの形態に基づく、ヒーターチャックアセンブリの各層に組み込まれた制御装置の斜視図である。
図8図8は、本開示の原理に基づいて構成された独立して制御可能な発熱体を有するヒーターシステムの斜視図である。
図9図9は、本開示の原理に基づいて構成されており、ヒーターシステムのビアを説明する図8の線9−9に沿った横断面図である。
図10図10は、本開示の原理に基づいて構成されており、ヒーターシステムの上部ベースを説明する図8の線10−10に沿った部分横断面図である。
図11図11は、本開示の原理に基づいて構成されており、ヒーターシステムの下部ベースを説明する図8の線11−11に沿った部分横断面図である。
図12図12は、本開示の原理に基づいて構成されており、下部ベースのテーパ状キャビティ内の要素を説明する図11の上面図である。
図13図13は、本開示の教示に基づいて構成され、二相流体のための流体通路を有するベース部材を伴う高精細度ヒーターシステムの他の形態の横断面図である。
図14図14は、本開示の他の形態に基づいて構成された複数の支持要素を説明した斜視図である。
図15図15は、本開示の教示に基づく支持要素を説明する横断面図である。
図16図16は、本開示の教示に基づく支持要素の拡大平面図である。
図17図17は、本開示の教示に基づいて構成されたヒートスプレッダを説明する斜視図である。
図18図18は、本開示の原理に基づいて構成され、ヒーターアセンブリとクローズドループ制御システムとを含むヒーターシステムの概略図である。
図19図19は、本開示の原理に基づいて構成され、ヒーターアセンブリとクローズドループ制御システムとを含むヒーターシステムの概略図である。
図20図20は、本開示の原理に基づいて構成され、ヒーターアセンブリとクローズドループ制御システムとを含むヒーターシステムの概略図である。
図21図21は、本開示の原理に基づくヒーターアセンブリの制御方法のフローチャートである。
図22図22は、本開示の原理に基づくヒーターアセンブリの制御方法のフローチャートである。
図23A図23Aは、本開示の原理に基づくヒーターアセンブリの較正方法のフローチャートである。
図23B図23Bは、本開示の原理に基づくヒーターアセンブリの較正方法のフローチャートである。
図24図24は、本開示の原理に基づいて構成され、ヒーターアセンブリと、制御システムとを含むヒーターシステムの概略図である。
【0010】
本願に記載された図面は、説明のためのものであり、いかなる方法においても本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の記載は、例示するものに過ぎず、本開示、適用、用途を限定するものではない。例えば、本開示の下記形態は、半導体プロセスにおける使用のためのチャック、場合によっては静電チャックに向けられる。しかしながら、本願において提供されたヒーターおよびシステムは、様々な適用が包含され、半導体プロセスの適用に限定されないと理解されるべきである。
【0012】
図2を参照すると、本開示の一形態は、主加熱を行うベースヒーター層52を含むヒーター50と、ヒーター50によってもたらされる熱分布を微調整するチューニング層60である。ヒーター50がベースヒーター層52とチューニング層60とを含む。
【0013】
ベースヒーター層52は、その中に組み込まれた少なくとも1つのヒーター回路54と、少なくとも1つの開口56(またはビア)を含んでおり、開口56(またはビア)は、それを通してヒーター回路54を(図示されていない)電源に接続するために形成されている。図示されているようにチューニング層60は、ベースヒーター層52の近くに配置されており、独立に制御可能でチューニング層60に組み込まれた複数の個々の発熱体62を含む。少なくとも1つの開口64は、複数の個々の発熱体62を電源およびコントローラ(図示していない)と接続するためにチューニング層60を貫くように形成されている。さらに図示されているように、ルーティング層66は、ベースヒーター層52とチューニング層60との間に配置され、内部キャビティ68を規定する。第1の電気リードセット70はヒーター回路54を電源と接続し、ヒーター層開口56を通って延伸される。第2の電気リードセット72は、複数の発熱体62を電源と接続し、ルーティング層66の内部キャビティ68を通って延伸される。ルーティング層66は、任意であり、ヒーター50は、ルーティング層66がなくてもよく、代わりにベースヒーター層52とチューニング層60のみを有する構成が採用され得ると理解されるべきである。
【0014】
他の形態において、チューニング層60は、熱分布を微調整ではなく、代わりにチャック12における温度測定に使用されてもよい。この形態は、温度依存性がある抵抗回路の複数の領域特有または別個の位置を備える。それら各々の温度センサは、それぞれ多重スイッチング装置を通じて個別に読み取っており、例示的な形態は、以下で詳細に記載されているが、各個別のセンサを測定するのに必要な信号線の数に対してより多くのセンサが実質的に使用される。温度感知フィードバックは、例えば基板26からチャック12への熱流束を制限するために裏側冷却ガス圧の特定の領域を制御するといった制御決定のための必要な情報を提供できる。これと同様のフィードバックはまた、補助冷却流体熱交換器を通じて、ベース加熱領域54またはバランスプレート冷却流体の温度(図示されていない)を制御するためにベースヒーター50の近くに取り付けられた温度センサを置き換えるためまたはその数を増加させるために使用され得る。
【0015】
一形態では、ベースヒーター層52およびチューニングヒーター層60は、一般に250℃未満の中温用途用のポリイミド材料に、ヒーター回路54およびチューニング層発熱体62を入れることで形成される。さらに、ポリイミド材料は、熱伝導率を増加させるために他の材料を添加してもよい。
【0016】
他の形態では、ベースヒーター層52および(または)チューニングヒーター層60は、特に厚膜、薄膜、溶射、ソル―ゲル法に関連したプロセスが使用された他の層または基板への材料の蓄積または塗布を通じて層が形成されるレイヤードプロセスによって形成されている。
【0017】
一形態では、ベース加熱回路54はインコネル(登録商標)合金からなり、チューニング層の発熱体62はニッケル材料からなる。さらに他の形態では、チューニング層発熱体62は、素子がヒーターおよび温度センサのいずれとしても機能する(一般に2線式制御と呼ばれている)ように十分な抵抗温度係数を有する材料で形成されており、そのようなヒーターおよびそれらの材料は、本願と共通に譲り受けられており、それらすべてが参照により本願に組み入れられている米国特許第7,196,295号および係属中の米国特許出願11/475,534号に開示されている。
【0018】
2線式制御によれば、本開示の様々な形態は、熱インピーダンスチューニング層60における個々の各素子に印加される電圧および(または)電流の測定、または知見を通じた層発熱体62に対する温度、電力、および(または)熱インピーダンスに基づく制御を含む。電圧および(または)電流は、掛け算と割り算を行うことで電力と抵抗に変換され、第1の例では、これらの各素子から出力される熱流束と同一のものに、第2の例では、素子の温度の既知の関係に対応する。これらはともに、オペレータまたは制御システムが、使用または保守、プロセスエラー、装置の劣化が原因のチャンバまたはチャックにおける物理的変化に起因、しかしこれに限られない原因に起因することがある領域特有の熱的変化を検出し、それを補償することを許容するために各素子上の熱インピーダンス負荷を算出および監視するために用いることができる。あるいは、熱インピーダンスチューニング層60において個々に制御される各発熱体は、半導体プロセス中の基板の温度を制御するために、基板の対応する領域から生じ、ベースヒーター層52へと流れる熱流束を後に修正またはゲート制御する、同じまたは異なる特定の温度に相当する目標抵抗を指定され得る。
【0019】
一形態では、ヒーター50は、例えばシリコン接着剤、または感圧接着剤を使ってチャック51と結合されている。それゆえ、均一のまたは所望の温度プロファイルがチャック51にひいては基板(図示されていない)に提供されるために、ベースヒーター層52は主要な加熱を行い、チューニング層60は加熱プロファイルを微調整または調節する。
【0020】
本開示の他の形態においては、ひずみ負荷にさらされたとき、チューニング層発熱体62の温度感度を向上させるため、チューニング層発熱体62の熱膨張係数(CTE)は、チューニング加熱層基板60のCTEに適合されている。2線式制御のための多くの適切な材料は、温度およびひずみの両方に対する抵抗感度を含み抵抗温度装置(Resistor Temperature Devices:RTDs)と似た特性を示す。チューニング層発熱体62のCTEをチューニングヒーター層基板60のCTEに適合させることは、実際の発熱体上のひずみを減らす。そして、動作温度が上昇させる動作をするにつれてひずみのレベルが増加する傾向にあり、ひいてはCTEを適合させることは、よりいっそう要因となる。一形態において、チューニング層発熱体62は、およそ15ppm/℃のCTEをもつ高純度Ni−Fe合金であり、それを囲むポリイミド材料は、およそ16ppm/℃のCTEをもつ。この形態において、チューニングヒーター層60と、他の層とを結合させる材料は、チャック12の他の部分からチューニングヒーター層60を物理的に分離する弾力性のある特徴を示す。本開示の範囲内にある同程度のCTEの他の材料が用いられてもよいことは理解されるべきである。
【0021】
今、図3−5を参照すると、(図2においておおまかに上述した)チューニング層とベースヒーター層との両方をもつヒーターの形態の一例が説明されており、参照数字80によって全般的に表されている。ヒーター80は、ベースプレート82と、ベースプレート82に固定されたベースヒーター84と、チューニングヒーター90とを含む高精細度ヒーターである。また、ベースプレート82は、一形態においてはおよそ厚さ16mmのアルミニウムプレートである冷却プレートとして言及されている。ベースヒーター84は、図示されているエラストマー結合層86を使用する一形態において、ベースプレート82に固定されている。エラストマー結合は、それらすべてが参照により本願に組み込まれている米国特許第6,073,577号に開示されているものであってもよい。基板88は、ベースヒーター84の上部に配置されており、本開示の一形態によれば厚さおよそ1mmのアルミニウム材料である。基板88は、必要な量の電力をベースヒーター84から消費するために熱伝導率を有するように設計されている。ベースヒーター84は、必要な値の熱伝導率をもたずに比較的高電力を有しているので、このベースヒーター84は、近くの構成要素上に“証拠”マーク(抵抗回路の痕跡からの)を残し、それによってヒーターシステム全体の性能を下げる。
【0022】
チューニングヒーター90は、基板88の上部に配置されており、上述したようにエラストマー結合層94を用いてチャック92に固定されている。一形態において、チャック92は、およそ2.5mmの厚さの酸化アルミニウム材料である。本願に示したような材料および大きさは例に過ぎず、ひいては本開示は本願で説明した特定の形態に限定されないと理解されるべきである。さらに、チューニングヒーター90は、ベースヒーター84よりも低電力を有し、上述したように基板88は、“証拠”マークがチューニングヒーター層90上で形成されないために、ベースヒーター層84から電力を消費する機能を果す。
【0023】
ベースヒーター84およびチューニングヒーター90は、図4により詳しく示されており、例となる4個の区域がベースヒーター84に関して示されており、そしてチューニングヒーター90のための18個の区域が示されている。一形態において、高精細度ヒーター80は、450mmのチャックの寸法で使うために適応されているが、高精細度ヒーター80は、熱分布を高度に調整する能力に起因して大きいまたは小さいチャック寸法で用いられていてもよい。さらに、高精細度ヒーター80は、本願に説明されているような、積層/平面構成にというよりは、チャック(水平面にわたる)の周辺(領域Pで示されている)、または垂直な位置(例えば図3におけるチューニング層90´)に沿って、またはチャックに沿ったまたは横切った個別の所定の位置に、または他の構成要素または構成要素の組み合わせの周辺に用いられてもよい。さらに、高精細度ヒーター80は、半導体プロセス装置内の他の構成要素のうち、プロセスキット、チャンバ壁、チャンバ蓋、ガスライン、およびシャワーヘッドにおいて用いられてもよい。また、本願に記載され、説明されたヒーターおよび制御システムは、どの数の用途において用いられてもよく、ひいては、例となる半導体ヒーターチャックの用途は、本開示の範囲を限定するとして解釈されるべきではないと理解されるべきである。
【0024】
本開示はまた、ベースヒーター84とチューニングヒーター90が加熱機能に限られないことを意図する。それぞれ“ベース機能層”、“チューニング層”として言及される一つまたは複数のこれらの部材は、代わりに本開示の範囲内にある温度センサ層、または他の機能部材としてもよいことが理解されるべきである。他の機能は、一例として、特に様々な電気的特性などのセンサ入力を受け取る診断層または冷却層を含んでもよい。
【0025】
図5に示されているように、二元的なチューニング能力は、チャック12の上面上に第2チューニング層ヒーター120の含有が備わっていてもよい。第2チューニング層は加熱層というよりはむしろ代わりに本開示の範囲内にある温度感知層として用いられていてもよい。従って、どの数のチューニング層ヒーターが用いられてもよく、これらのここで説明され、または記載されたものに限定されない。
【0026】
他の形態において、ベース機能層は、上述したようなベースヒーター84の構造というよりはむしろ複数の熱電素子を含んでいてもよい。これらの熱電素子は、区域に並べられていてもよく、一般にはベースプレートまたは冷却プレート82の上部にまたは近くに配置されている。
【0027】
さらに他の形態において、多数のチューニング層には、“積層”構造が採用されていてもよく、または多数のチューニング層は、トレース間に存在する隙間を埋め合わせるために、個々の抵抗のトレースが対向した層上の隣接した抵抗のトレースからオフセットするように垂直に構成されていてもよい。例えば、図6に示されているように、チューニング層140のトレース142が第1チューニング層130のトレース134間の隙間132の近くに調整され、逆もまた同様であるように第1チューニング層130は、第2チューニング層140からオフセットされている。他の形態において、“チェッカーボード”設計は、隣接する層間の隙間またはホットスポットを埋め合わせるために採用されてもよい。
【0028】
図7を参照すると、閾値電圧スイッチング回路は、一形態においては、回路を横切る電圧閾値が超えられたとき、一方向に電気を流す個別の固体装置を備え、閾値電圧スイッチング回路はヒーターチャックの本体に組み込まれているまたは取り付けられており、パッケージ化された形式であってもよく、または一般にはベアダイ部品として組み込まれてもよい。他の形態において、制御要素は、上で説明したように、接着層86に組み込まれている。制御要素は、本開示の範囲内にある構成要素または構成要素のアセンブリのいずれかの内部に組み込まれていてもよいと理解されるべきである。本開示の一形態において、シングルパッケージシリコンデバイス(ASIC)上の閾値電圧スイッチング回路は、代わりにチャックに組み込まれていてもまたは取り付けられてもよい。動作中に構成要素のいずれかが機能しなくなることへ冗長性を与えるために追加の制御装置が用いられてもよい。
【0029】
組み込み制御の形態の一例は図8−12で説明されている。図示されているように、このヒーターシステムの代わりの形態が、参照数字200によって全般的に表され、説明されている。ヒーターシステム200は、例えば、上述したような半導体プロセスにおける基板に均一の温度プロファイルを提供するなど、高度に調整された温度プロファイルを被加熱物に対して提供するために、複数の独立して制御可能な発熱体202で構成されており、発熱体202の動作について、さらなる詳細は後述する。上部ベース204は、発熱体202の近くに設置されており、一形態においては、発熱体202は、エッチドフォイルが上部ベース204と結合したように、または層状のヒーターが上部ベース204に置かれたように、上部ベース204に配置されている。上部ベース204は、各発熱体に合わせて並べられている複数のテーパ状キャビティ206を規定している。この形態における複数のテーパ状キャビティ206は、図示されているように上部壁208とテーパ状側壁210を含む。上部ベース204は電源ラインと制御ラインのための通路を提供するために、後述のように複数の電源ビア212をさらに備える。
【0030】
下部ベース220は、上部ベース204に隣接しており、上部ベース204のテーパ状キャビティ206に位置合わせされた逆テーパ状キャビティ222を規定する。逆テーパ状キャビティ222は、同様に下部壁224とテーパ側壁226を規定する。下部ベース220は、上部ベース204の電源ビア212と連通するための複数の電源ビア228をさらに備えており、また、電源ビア228は電源ラインと制御ラインの通路としての役目を果たす。
【0031】
図14に最良のものとして示されているように、キャビティ206,222の形状は、発熱体202から(図1において要素22として示されている)冷却プレートへの効率的な熱輸送を行うための、また発熱体202によって提供される温度プロファイルおよび性能について、キャビティとそれらの構成要素の熱衝撃を減らすために構成されている。したがって、キャビティの“フットプリント”は、発熱体202の近くでは小さく、キャビティは、キャビティ206の周囲の熱流束を冷却プレート22に導くために寸法がしだいに増加し、それからキャビティ222の周囲の熱流束を冷却プレート22に導くために寸法がしだいに減少する。本開示により、キャビティ206,222の他の形状が備えられていてもよく、それゆえ、上記テーパ状の形状は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されてはならないことが理解されるべきである。
【0032】
さらに図示されているように、スイッチング素子230および制御素子232の複数の対は、下部ベース220の逆テーパ状キャビティ222内に配置されており、複数の発熱体202と連通する。一般に、スイッチング素子230と制御素子232は、必要な温度プロファイルを提供するために、一適用例においては、上述したように半導体プロセス装置の基板に均一な温度プロファイルを提供するために発熱体202の動作を制御する。より具体的には、一形態において、制御素子はマイクロプロセッサである。他の形態において、制御素子は、上述したようにラスタブーストヒーターに基づく回路である。一形態において、制御素子232は、発熱体202の温度制御のためにデジタルバス234を通じて通信する。
【0033】
ヒーターシステム200は、さらに各制御素子232と連通するマルチプレクサ240を備える。マルチプレクサ240は、所望の温度プロファイルのために各発熱体202に適切な制御信号を送信する。一形態において、マルチプレクサ240は(図示されていない)電源と、光バス242を通じて通信する。
【0034】
さらに、ヒーターシステム200はまた、複数の発熱体202の近くに配置された複数の個々の温度センサ250を含んでもよい。本開示の他の形態に記載されたように、代替形態において、発熱体202は、ヒーターおよび温度センサのいずれとしても機能する抵抗材料のような十分な抵抗特性の温度係数をもつ抵抗材料からなる。
【0035】
静電チャックの適用例において、ヒーターシステム200はさらに、RFフィルタ260を備えており、一形態において、RFフィルタ260はデジタルバス262と連通する。
【0036】
本願に記載されたいずれのシステムの温度較正も、標準的な抵抗計を使用してチューニング層ヒーターの個々の抵抗を最初に測定することで実行されてもよい。他の方法では、他の方法単独でまたは上述した方法に加えて行うことで、チューニング層発熱体62は、一定の温度に保持され、通常の動作において短い継続時間のみパルス駆動され、その後、抵抗値が算出され、その抵抗値は制御システムに設定されてもよい。同じまたは複数の温度点において、この反復技法は制御のためにシステムを較正する。
【0037】
今、図13では、ヒーターシステムの他の形態が説明され、装置300によって全般的に示されている。本開示の一形態におけるヒーターである装置300は、少なくとも一つの流体通路320を有するベース部材310を含む。複数の流体通路320がこの形態において説明されており、本開示の他の形態において、通路320は(例えば上述した加熱域などの)区域をさらに規定してもよい。二相流体325は、流体通路320内に配置され、二相流体325の圧力は、二相流体325がベース部材310を加熱するように制御される。このシステムは、例えば、全内容が参照により本願に組み込まれる米国特許第7,178,353号および第7,415,835号ならびに米国出願公開第20100076611号により詳細に記載されている。一般に、これらのシステムにおいて、加圧冷媒は、凝縮された液体のものまたは気体状態のものとして備えられている。凝縮された液体は、膨張させて蒸気混合物にされ、その圧力により測定される目標温度に達するために気体冷媒が加えられる。このようにして、温度補正は、ガス圧の調節によって非常に高速に行われる。そのようなシステムは、Advanced Thermal Sciences社によって提供されており、本開示の教示で採用されてもよい。さらに図示されているように、チューニング層330は、ベース部材310に固定されており、複数の区域335を含む。チューニング層330は、上述したチューニング層およびヒーターと同様であるため、明確性のために詳細は再度記載しないこととする。上述した形態と同様に、チューニング層335の電力は、ベース部材310の電力よりも低い。さらに図示されているように、例えば、チャック、ペデスタル、ウェハテーブル、基板支持部材、シャワーヘッド等の(点線で示されている)構成要素340は、チューニング層330に固定されている。ここで使用されたように、“構成要素”は、プロセスのために直接的かそれとも間接的にその上にウェハを支持する一切の部材またはアセンブリを意味すると解釈されるべきである。
【0038】
一形態において、チューニング層330はヒーターであり、さらに他の形態においては、上に記載したように、チューニング層330は温度センサである。このチューニング層330、およびベース部材310はまた、ヒーターおよび温度センサのいずれとしても機能するために十分なTCR特性を有する材料で設計されてもよい。また、(図5に示されている)第2チューニング層は、構成要素340の上面に固定されており、そして、ヒーターおよび(または)温度センサとして機能するいかなる数の本開示の範囲内にあるチューニング層が採用されてもよいことが理解されるべきである。第2チューニング層が構成要素340の上面に固定されていることで、ウェハは間接的に支持され、それに対して、ウェハが構成要素340の上面にあるとき、ウェハは直接的に支持される。
【0039】
装置300はまた、多くの電源ラインに対応するために図2に示すようなルーティング層66を備えてもよい。また、本願の全図面に記載の追加の特徴は流体経路320を備えたベース部材310を有する本開示の範囲内にある本開示のこの形態に用いられてもよい。
【0040】
今、図14−16を参照すると、本開示の他の形態は、本形態ではプレス加工中である製造中に必要な平坦度をもたらすためにチューニングヒーター層とブーストヒーター層との間に備えられた複数の支持要素600を含む。より具合的には、本開示の本形態においては、支持要素600は、ヒーター回路を有する銅層602にエッチングされている。図14に示すように、比較的広い空間が銅層602におけるトレース間に存在しており、その空間は、平坦でない積層または所望でない平坦度をもつ積層の原因のいくらかとなる。平坦度を改善するために、支持要素600を備えることにより、追加の構造が備えられている。図16に示すように、支持要素600は“分割”構造をしていて、すなわち間に開口610を有する2つの部分602および部分604からなる。これにより、接着剤620(図15に示されている)は、各支持要素600の間に、より均一に流れることを可能にされている。
【0041】
図17に示されているように、チューニングヒーター700の他の形態が説明されており、個々の要素720に対して温度の均一性をもたらすために各要素720上に対応する複数のヒートスプレッダ710が配置されている。ヒートスプレッダ710は、アルミニウムと、銅と、熱分解黒鉛シート(Pyrolytic Graphite Sheet:PGS)を含む熱分解黒鉛とを含むがこれらに限定されないさまざまな材料でできている。一形態において、図示されているように、ヒートスプレッダ710は、モノリシックかつ一定の厚さの構造である。しかしながら、一体的な溝またはヒーターガイド,730を含む本開示の範囲内である他の構造が備えられていてもよいことが理解されるべきである。
【0042】
本願に記載されている各チューニング層/ヒーターは、制御システムによって制御されており、それらの様々な形態は、同時係属の出願であって、2012年8月30日に出願され、“System and Method for Controlling a Thermal Array”と題された米国出願13/598,985号、および2012年8月30日に出願され、“Thermal Array System”と題された米国出願13/598,995号においてとても詳しく記載されており、それらは本願と共通に譲り受けられており、すべてが参照により組み込まれている。一般には、制御システムは、チューニング層と連通する複数のセットの電源ラインと、電源ラインおよびチューニング層と電気的に連通する複数のアドレス可能な制御素子とを有し、この制御素子は、チューニング層区域の選択的制御をもたらす。制御素子は、例えば閾値電圧スイッチング回路であってもよく、閾値電圧スイッチング回路は、半導体スイッチであってもよい。閾値電圧スイッチング回路は、例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)の中にパッケージ化されていてもよい。さらに、制御要素は、上述したように、チャックなどの構成要素内に組み込まれていてもよい。これらの制御要素およびこれらと関連するアルゴリズムは、上述した同時係属出願により詳しく記載され、説明されているため、明確性のため本願には含まれない。
【0043】
図18を参照すると、ヒーターシステム800は、クローズドループ制御システム801とヒーターアセンブリ802とを含む。ヒーターアセンブリ802は、ベースヒーター層804とチューニングヒーター層806とを含む。チューニングヒーター層806は複数の加熱域(Zi)を規定し、複数の発熱体810は複数の加熱域(Zi)に配置されていて、独立して制御可能である。すでに述べたように、ベースヒーター層804は、例えば半導体プロセスチャンバ内の基板などの(図示されていない)被加熱物に主加熱を行う一方、チューニングヒーター層806は、ヒーターアセンブリ802における変化を補償するために、ヒーターアセンブリ802の加熱面812の上方の温度分布の微調整をもたらす。
【0044】
ヒーターアセンブリ802において、通常、変化が存在し、その変化はヒーターアセンブリ802が所望の温度プロファイルに至らない原因となっている。その変化は、製造上のばらつきに起因してヒーターアセンブリ802において生じることがあり、または動作状態の変更に起因して環境において生じることがある。より具体的には、変化は、ベースヒーター層804の発熱体803における変化、チューニングヒーター層806の発熱体810における変化、ヒーターアセンブリ802を形成するために異なる層を結合する(図示されていない)結合層における変化、または使用された材料における変化に起因して、ヒーターアセンブリ802において生じることがある。
【0045】
環境における変化は、一般に、加熱動作の間に生じ、動的に変わることがある。その変化は、加熱面812上に設置され、加熱面812近くの気流を変えた新たな負荷を含むことがある。一例として、冷凍ハンバーガーパティは、加熱面812上に設置されているとき、新たな負荷としての冷凍ハンバーガーパティは、加熱面812の領域の温度の原因になっていて、冷凍ハンバーガーパティが設置された加熱面812の温度を低下させる。結果として、複数の加熱域(Zi)の複数の発熱体810に均一な電力が供給されたとしても、均一な加熱が実現できない。他の例のように、半導体プロセスチャンバにおいて、加熱面812における温度の差を引き起こす動作中に、処理ガスが加熱面812近くに注入されてもよい。さらに他の例では、加熱面812上の温度の差は、ヒーターアセンブリ802の近くの実装手段、または固定具によって引き起こされることがあり、その実装手段、または固定具は、ヒーターアセンブリ802からの熱を吸収するためにヒートシンクを構成する。
【0046】
本開示の一形態におけるクローズドループ制御システム801は、これらの変化がヒーターアセンブリ802または環境において生じるかを考慮したヒーターアセンブリ802のクローズドループ制御をもたらす。クローズドループ制御システム801は、撮像装置814と、写像部816と、算出部818と、ヒーターコントローラ820とを含む。
【0047】
本開示の撮像装置は、赤外線カメラ814であってもよいが、撮像装置はまた、ヒーターシステムにおいて熱的変化を連続的にキャプチャするビデオカメラまたはサーモグラフィックカメラであってもよい。電力は、加熱面812の温度を上昇させるために最初にベースヒーター層804に供給される。ヒーターアセンブリ802の内部または外部(即ち、環境において)に変化が存在するとき、加熱面812は均一の温度に至らないことがある。異なる加熱域における加熱面812は、異なるレベルの赤外線を放出することがあり、そのレベルは加熱面812の温度の関数である。赤外線カメラ814は、複数の加熱域(Zi)からの赤外放射を連続的にキャプチャし、それに応じて複数の熱画像を生成する。熱画像は、チューニングヒーター層806における複数の加熱域(Zi)に対応し異なる加熱域(Zi)における加熱面812の温度を示す複数の画素を各々規定する。熱画像における画素の色が隣接する画素の色からずれるとき、この特定の画素に対応する加熱域に変化が存在することを判定できる。
【0048】
熱画像は、当該変化が存在する特定の加熱域(Zs)を判定するためのマッピングのために写像部816に送信される。写像部816は、熱画像上の複数の画素と、チューニングヒーター層806の複数の加熱域(Zi)との間の関係についての情報をもつ。このマッピングによって、変化が存在する特定の加熱域(Zs)を判定することができる。
【0049】
特定の加熱域(Zs)を特定した後、熱画像および特定の加熱域(Zs)についての情報が、特定の加熱域(Zs)における加熱面812の実際の温度を算出するために算出部818に送信される。算出部818はまた、特定の加熱域(Zs)における実際の温度と所望の温度との差を算出する。実際の温度と変化が存在する特定の加熱域(Zs)の温度との温度差(ΔT)は、ヒーターコントローラ820にフィードバックとして送信される。従って、ヒーターコントローラ820は、特定の加熱域(Zs)における発熱体810を、変化が存在しない残りの加熱域(Zi)における発熱体810とは異なるように制御することができる。制御システム800は、熱画像に基づき、かつ所望の均一の温度または均一でない温度プロファイルに従って、ヒーターアセンブリ802を調節、および微調整するためにヒーターアセンブリ802のクローズドループフィードバック制御をもたらす。
【0050】
図19を参照すると、ヒーターシステム850は、ヒーターアセンブリ802と、ベースヒーター層804とチューニングヒーター層806とを含むヒーターアセンブリ802を制御するためのクローズドループ制御システム851とを備える。クローズドループ制御システム851は、ビデオカメラ852と、処理部854と、ヒーターコントローラ856とを含む。ビデオカメラ802は、システムへの刺激、または変化、または新たな負荷を認識することができる。例えば、冷凍ハンバーガーパティ854がヒーターアセンブリ802の加熱面812上に設置されたとき、ビデオカメラ852は、冷凍ハンバーガーパティ854の位置が示されている加熱面812の画像を取得する。ビデオカメラ852は、ヒーターアセンブリ802の画像を取得するとき、ヒーターアセンブリ802は、オン(加熱された)状態またはオフ(加熱されていない)状態であり得る。
【0051】
それらの画像は、チューニングヒーター層806における複数の加熱域(Zi)に対応する複数の画素をそれぞれ規定する。その画像は、ハンバーガーパティ854が位置する特定の加熱域(Zs)を判定するために処理部854に送信される。特定の加熱域(Zs)についての情報は、特定の加熱域(Zs)における発熱体810のみがオンされる必要があること、または特定の加熱域(Zs)への電力が増加される必要があることを知らせるフィードバックとしてヒーターコントローラ856に送信される。ハンバーガー854が位置する領域外の発熱体810は、オン状態ではなく、または低電力を受けているため、制御システム851は、必要に応じて加熱面806上の熱分布さらに効率的に管理できる。
【0052】
図示されていないことであるが、図18の制御システム801および図19の制御システム851は、ヒーターアセンブリ802の内部または環境における変化が特定され、制御システムによって補償されることができるようにするために一つのクローズドループ制御システムにまとめることができることが理解されるべきである。
【0053】
図20を参照すると、ヒーターシステム870は、ヒーターアセンブリ802と、ヒーターアセンブリ802を制御するためのクローズドループ制御システム871とを備える。ヒーターアセンブリ802は、例えばウェハなどの(図示されていない)被加熱物に処理ガスを供給するためのガスシャワーヘッド807を含むプロセスチャンバ805に配置される。本実施形態においては、ヒーターアセンブリ802は、ウェハを支持し、加熱するための静電チャックの形態であってもよい。図示されているように、ガスシャワーヘッド807は、プロセスチャンバ805に処理ガスを注入するためにヒーターアセンブリ802の上方に配置されている。加熱面812の温度と異なる温度を有する処理ガスは、加熱面812上の所望の温度分布に乱れを引き起こすことがある。その乱れを補償するために、クローズドループ制御システム871は、ガスコントローラ811およびガス栓813と電気的に通信する算出部874と、ヒーターコントローラ876とを含む。ガスコントローラ811は、プロセスチャンバ805の中へのガス注入を制御し、プロセスチャンバ805の中に注入されたガスの種類、質量、温度についての情報を記憶する。ガス栓813は、ガス注入のタイミングを制御する。例えば、種類、質量、温度、ガス注入のタイミングなどのガス注入についての情報は、所望の温度プロファイルに対する予想された乱れを算出し、判定するために算出部874に送信される。続いて、その予想された乱れは、予想された乱れに応じて個々の発熱体810への電力を変更するまたはオン状態にするヒーターコントローラ876に送信される。複数の加熱域(Zi)における発熱体810は、独立して制御可能であるため、制御システム871は、予想された乱れに基づいて、かつ所望の温度プロファイルに応じてヒーターアセンブリ802をよりよく制御できる。従って、制御システム870は、そうでなければガス注入によって引き起こされたであろう、所望の温度プロファイルに対する乱れを補償するためにヒーターアセンブリ802のためのクローズドループ制御をもたらす。
【0054】
図に示されていないが、クローズドループ制御システム870は、そうでなければ所望の温度プロファイルを乱したであろう、ヒーターアセンブリ802に対するどのような予想された刺激または乱れについての情報を有する一切のコントローラと電気的に通信可能であると理解されるべきである。予想された刺激が発生したときに、クローズドループ制御システム870は、チューニングヒーター層860の複数の発熱体810を適宜に制御できる。
【0055】
図21を参照すると、ヒーターアセンブリ802における変化を補償するためのヒーターアセンブリ802を較正する方法900が示されている。ヒーターアセンブリ802は、複数の抵抗発熱体808を有するチューニングヒーター層806およびベースヒーター層804を含む。加熱面812の温度のチューナビリティを提供することに加えて、複数の発熱体808はまた、複数の加熱域(Zi)の温度を測定するおよびヒーターアセンブリ802の性能を診断する複数のセンサとして機能する。ヒーターおよびセンサとして発熱体を使用することは、2007年3月27日に発行され、“TWO-WIRE LAYERED HEATER SYSTEM”と題された米国特許第7,196,295号に記載されており、その開示は、それ全体を参照することで本願に組み入れられている。
【0056】
ステップ902において、所定の電力レベルが各加熱域808における発熱体810に供給される。ステップ904において、ヒーターアセンブリ802は、安定することが可能にされ、定常状態に維持される。ステップ906において、定常状態に達すると、チューニングヒーター層806における複数の加熱域(Zi)の発熱体810は、オフ状態となる。次に、ステップ908において、制御システムは、例えば各加熱域の温度減少率などの各加熱域の熱情報を連続的に記録する。また、発熱体810はセンサとして使用されているので、温度減少率を監視するために追加のセンサは必要とされない。ステップ910において、複数の加熱域における温度減少率の差が分析される。
【0057】
すでに述べたように、複数の発熱体810における製造上のばらつき、またはヒーターアセンブリ802の至るところの均一でない接着剤、および(または)均一でない材料特性に起因して、加熱域808に変化が存在することがある。この変化は、定常状態からの温度減少率における差の一因となることがある。この温度減少率を分析することで、変化が存在する特定の加熱域が特定され得る。特定の加熱域が特定された後、ステップ912において、その不一致は、特定の加熱域に供給する特定の電力レベルを予め設定するまたは補償するために使用され得る。従って、変化の存在にもかかわらず、所望の温度プロファイルが実現できる。所望の温度プロファイルは、均一の温度プロファイルまたは所定の不均一な温度プロファイルであってもよい。
【0058】
図22を参照すると、環境における変化を補償するためにヒーターアセンブリ802をインサイト較正する方法920が示されている。ステップ922において、ヒーターアセンブリ802は、所定の均一な温度の環境チャンバに設置される。ステップ924において、ヒーターアセンブリ802が所定の均一な温度で均熱することが可能にされる。ステップ926において、複数の加熱域808の発熱体810の抵抗測定値が記録される。ステップ922から926は、所定の温度が変更されることによって繰り返され得る。ステップ928において、抵抗測定値は各加熱域における温度依存抵抗のマトリクスを生成するために使用される。ステップ930において、温度依存抵抗は各加熱域におけるヒーターアセンブリ802を較正するために使用され得る。
【0059】
この方法において、ヒーターアセンブリ802が環境の変化がヒーターアセンブリ802の加熱面812上の温度分布に影響を及ぼすことがある環境チャンバに設置されると、その較正は実行される。従って、この方法は、環境における動的な変化を考慮してヒーターシステムを較正することができる。
【0060】
環境における動的な変化に加えて、材料の経時劣化に起因するヒーターアセンブリ802における変化は、所望の温度分布に動的に影響を及ぼすことがある。異なる加熱域(Zi)において、材料は異なる変化率で劣化することがある。方法920は、時間の経過とともにシステムの性能を改善するためにヒーターアセンブリ802が各加熱域における劣化を補償すべく再プログラムされるように、時間の経過とともに各加熱域の温度応答を測定および記録するために使用され得る。
【0061】
言い換えれば、この方法920は、ヒーターアセンブリ802の構成部品および(または)周囲の環境における変化がどのようにヒーターアセンブリ802の所望の温度プロファイルに影響を及ぼすかを監視し、制御アルゴリズムのリアルタイムの微調整をもたらし得る。そのリアルタイムの微調整により、後続のプロセスサイクルにおける類似の変化および(または)刺激を積極的に予想し、それを補償し、インサイト調整を実現することができる。加えて、各加熱域に関して記録された実際の温度情報は、保存され、所望の温度に達したことの確認または認証として使用され得る。例えば、各加熱域に関して記録された実際の情報は、安全な消費を保証するために、ハンバーガーまたは他の食品が適切に加熱されたことを認証することに使用されてもよい。
【0062】
図23Aおよび図23Bを参照すると、本開示の他の実施形態によるヒーターアセンブリ802を較正する方法1000が示されている。ステップ1002において、方法1000は、環境チャンバにヒーターを設置し、そのヒーターをオン状態にすることから始まる。ステップ1004において、予期された温度の範囲を超える各加熱域(Zi)の抵抗特性は、各加熱域に関して抵抗と温度との間の関係を特徴づけるために記録される。複数の加熱域(Zi)における発熱体812は、製造上のばらつきに起因する異なる抵抗温度係数(temperature coefficient of resistance:TCR)をもつことがあり、その結果、高温において複数の加熱域の発熱体の抵抗の差をもたらす。発熱体812の温度依存抵抗特性は、各区域に対する特定の温度に関する抵抗または特定のデータまで減らされる。
【0063】
次に、ステップ1006において、ヒーターは、例えば、結合チャックアセンブリなどのような最終的なヒーターアセンブリとなる構成要素に組み立てられる。ステップ1008において、最終的なヒーターアセンブリは環境チャンバの中に設置され、オン状態にされる。最終的なヒーターアセンブリは複数の温度に加熱される。ステップ1010において、予期された温度範囲を超える各加熱域(Zi)の抵抗特性は、各加熱域に関して抵抗と温度との間の関係を特徴づけるために記録される。このステップは、ヒーターが、ヒーターアセンブリを形成する構成要素で組み立てられていることを除いてステップ1004と似ている。ステップ1004においては、ヒーターが単独で存在するとき、各加熱域における変化が保存される。ヒーターが他の要素に組み立てられた後、構成要素および(または)ヒーターと構成要素との間の結合層は、加熱域(Zi)において変化を引き起こすことがある。従って、ステップ1010は、全体としてヒーターアセンブリにおける変化をさらに判定する。
【0064】
ステップ1012において、各加熱域に関するデータおよび特性解析が更新され、較正データとして使用され、較正データに基づいたルックアップテーブルが生成される。ステップ1014において、最終的なヒーターアセンブリは、ヒーターアセンブリにおける変化を補償するために、それに応じて較正される。
【0065】
次に、ステップ1016において、最終的なヒーターアセンブリは、較正データを使用して所定の温度にするためにオンされる。複数の加熱域(Zi)における複数の発熱体は、加熱域(Zi)における変化を考慮して異なる電力供給がなされてもよい。そのとき、ステップ1018において、最終的なヒーターアセンブリは、定常状態条件に安定することが可能にされる。
【0066】
次に、ステップ1020において、最終的なヒーターアセンブリへの電源がオフされ、各加熱域の温度減少率が時間の経過とともに記録される。その温度減少率は、ステップ1022において、ルックアップテーブルを更新することに使用される。異なる加熱域における温度減少率の差は、アセンブリの実際の熱応答とモデリングから予期されるものとの間の不一致を示す。ステップ1020は、複数の温度で繰り返されてもよい。そのとき、ステップ1024において、ヒーターアセンブリは較正される。
【0067】
次に、ステップ1026において、最終的なヒーターアセンブリは、使用されるであろう設備またはチャンバ内に設置される。ステップ1028において、ステップ1024からのデータは、各加熱域に対して既知の均一な温度になるようにアセンブリに電力供給することに使用される。すべての加熱域を所望の温度に維持するために必要な予想された電力レベルと、必要な電力レベルとの間のどの不一致は、特定のチャンバアセンブリの様々な熱動的特性を示しており、その情報は、最終的なシステムアセンブリの微調整および較正のために保存される。
【0068】
ステップ1030において、例えばガス注入、ウェハの導入等の様々なシステム刺激は、各加熱域の温度についてのそれらの個別の効果を特徴づけるために導入され得る。ステップ1032において、この情報のすべては評価され、システムの実使用において使われる制御アルゴリズム及び様々なルックアップテーブルを生成することに使用される。ステップ1034において、システムは、予期された熱応答率からの不一致を探す各温度のサイクルの期間中に各加熱域のヒートアップレートおよびクールダウンレートを継続的に監視する。
【0069】
この方法は、時間の経過とともにそれぞれのドリフトを補償するためにヒーターアセンブリが較正されることが可能となるという利点を持つ。予期された結果が実際の熱応答の結果と一致しないときに、任意に、プロアクティブアラームがもたらされてもよい。故障モードは、ヒーターコントローラにおいて判定され、格納されてもよい。故障モードは、ヒーターアセンブリが通常通りに運転されているかを判定するために後続のサイクルにおいて使用され得る。図18および図19に記載されたような赤外線カメラおよびビデオカメラは、ヒーターアセンブリの動作を予測することおよび監視することを助けるために使用されてもよい。ヒーターコントローラは、良品を確信させるためのプロセス中に実際の温度が至ったことを文書化または認証する情報を作り出してもよい。オペレータは、システムによって作り出された製品のテストからのデータであって将来、システムによる生産量または製品を改善するために、制御システムがシステムの性能を補償し、さらに微調整することを可能にするデータを入力できる。データは、ヒーター製造プロセスステップにおける対応する調節および改善を行うことに使用され得る。
【0070】
図24を参照すると、本開示の他の実施形態によるヒーターシステム1100は、内壁1104と内壁1104に配置されたヒーターアセンブリ802とを有する半導体プロセスチャンバ1102と、制御システム801とを含んでいる。本実施形態におけるヒーターアセンブリ802および制御システム801は、図18に記載されたそれらと類似し、それゆえ同様の引例が使用されており、それについての詳細な記載は明確性のためここでは省略する。
【0071】
本実施形態においては、ヒーターアセンブリ802は、ヒーターアセンブリ802の加熱面812が半導体プロセスチャンバ1102の内部表面を構成するように、半導体プロセスチャンバ1102の内壁1104に配置されている。ヒーターアセンブリ802は、加熱面812の温度分布を監視することによって半導体プロセスチャンバ1102の内部表面における変化を判定することに、使用される。
【0072】
すでに述べたように、チューニングヒーター層806における複数の発熱体810は、発熱体810がヒーターおよびセンサのいずれとしても使用され得るように、比較的高い抵抗温度係数(TCR)を有していてもよい。言い換えれば、発熱体810それぞれの抵抗は、温度の変化に伴って、比例的、または反比例的であろうと直線的に変化する。発熱体810それぞれの抵抗を監視することで、加熱域(Zi)それぞれの温度を決定できる。
【0073】
処理ガスは、一般に、(図示されていない)ウェハの処理のために半導体プロセスチャンバ1102の中に注入される。処理ガスは、プロセスチャンバ1102の内部表面上に沈殿されたり、または蓄積されることがあり、それは微粒子の生成、不安定なプロセス、ウェハの汚染、収率損失、スループットの原因となる。これらの問題を回避するために、プロセスチャンバ1102は、定期的に洗浄される必要がある。洗浄が完了するときを判定するためにヒーターアセンブリ802が使用される。
【0074】
内部表面が十分には洗浄されていないとき、複数の加熱域(Zi)における変化の原因となる不要な沈殿物および粒子は、内部表面(即ち、加熱面812)のいくらかの領域に未だ残っている。それゆえ、加熱面812の熱画像をキャプチャするために赤外線カメラ814を含む制御システム801は、複数の加熱域(Zi)において変化が存在するかを判定することができる。変化の存在は、内部表面812上にいくらかの不要な沈殿物および粒子が未だ残っていることを指摘する。従って、制御システム801は、ヒーターアセンブリ802を使用することで、内部表面812、ひいてはプロセスチャンバ1102の洗浄が完了したかを判定できる。加えて、システムはプロセスチャンバ1102のための予防の保全スケジューリングおよび故障時間の正確な予測を行うために洗浄時間を記録できる。
【0075】
注目すべきは、開示は、例として説明され、記載された実施形態に限定されないことである。多くの様々な変形例が記載されており、さらなる変形例は当業者の知識の一部である。開示および本特許の保護範囲から逸脱しないで、技術的に同等なものによる一切の代替並びにこれらのおよびさらなる変形は明細書および図に加えられもよい。
以下に、発明の例を付記する。
[1]
複数の加熱域を含むヒーターアセンブリと、
前記ヒーターアセンブリの画像を取得する撮像装置と、
前記画像に基づいて前記複数の加熱域における変化を判定する制御システムと
を具備するヒーターシステム。
[2]
前記撮像装置は、前記ヒーターアセンブリの熱画像を取得するビデオカメラと赤外線カメラのうち1つである[1]のヒーターシステム。
[3]
前記熱画像は、前記ヒーターアセンブリにおける前記複数の加熱域に対応する複数の画素を含む[2]のヒーターシステム。
[4]
前記複数の画素は、前記複数の加熱域の温度を示す[3]のヒーターシステム。
[5]
前記制御システムは、少なくとも1つの画素の色が前記画素と隣接する画素の色と異なるとき、少なくとも1つの前記加熱域における変化を特定する[4]のヒーターシステム。
[6]
前記制御システムは、
前記熱画像から前記特定された変化の前記加熱域を判定するための写像部と、
前記加熱域における実際の温度と、所望の温度との差を判定するための算出部と、
前記ヒーターアセンブリにおける所望の温度プロファイルを実現するために前記写像部と前記算出部とに応じて前記加熱域における複数の発熱体をそれぞれ制御するためのヒーターコントローラと
を具備する[5]のヒーターシステム。
[7]
前記ヒーターアセンブリは、前記複数の加熱域に配置され、独立して制御可能な複数の発熱体を更に具備する[1]のヒーターシステム。
[8]
前記制御システムは、
前記変化を補償するために前記複数の加熱域における前記発熱体を選択的にオンし、オフし、または、前記複数の加熱域における前記発熱体への電力を変える[7]のヒーターシステム。
[9]
前記撮像装置は、新たな負荷が前記ヒーターアセンブリの加熱面上に置かれたときに、前記新たな負荷の位置を特定するビデオカメラである[1]のヒーターシステム。
[10]
前記制御システムは、前記ヒーターアセンブリにおける特定の加熱域であって前記新たな負荷が位置する特定の加熱域を前記画像に基づいて特定し、前記特定の加熱域における発熱体を選択的にオンし、または前記特定の加熱域における発熱体への電力を増加させる処理部を更に含む[9]のヒーターシステム。
[11]
前記ヒーターアセンブリは、主加熱を行うベースヒーター層と、補助加熱を行うチューニングヒーター層と、を含む[1]のヒーターシステム。
[12]
前記ヒーターアセンブリの所望の温度に乱れを引き起こす刺激を与えるコントローラをさらに具備し、
前記コントローラは、刺激コントローラについての情報に基づいて前記ヒーターアセンブリの所望の温度プロファイルを維持するように前記ヒーターアセンブリを制御するために前記制御システムと通信する[1]のヒーターシステム。
[13]
前記コントローラは、前記ヒーターアセンブリの近くのガスシャワーヘッドを通じたガス注入を制御するガスコントローラである[12]のヒーターシステム。
[14]
前記制御システムは、
前記ガスコントローラと通信し、所望の温度プロファイルに対する予想された乱れを算出するために、前記ヒーターアセンブリの近くに注入されるガスの種類、質量、温度、タイミングの少なくとも一つを含むガス注入による刺激を分析する算出部と、
前記所望の温度プロファイルを維持するために前記乱れを補償するために、前記予想される乱れに応じて前記各発熱体をオンし、または前記各発熱体への電力を変えるために前記算出部と通信するヒーターコントローラと、
を更に具備する[13]のヒーターシステム。
[15]
[1]のヒーターシステムを備える半導体プロセスチャンバであって、
前記半導体プロセスチャンバは、内壁を規定しており、
前記ヒーターアセンブリは、前記内壁に接して配置され、
前記制御システムは、前記複数の加熱域と前記ヒーターアセンブリの前記画像との間に変化が存在するかに基づいて、前記プロセスチャンバの洗浄が完了したかを判定する半導体プロセスチャンバ。
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