(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングの基端部にまたはその近くに配置された切断特徴をさらに含み、前記切断特徴が、前記ハウジング内に配置される引き込み位置から、前記切断特徴の少なくとも一部分が基端方向に延在しかつそれに対面する延長位置へ、作動可能である、請求項1または2に記載の植え込み可能な医療機器。
前記電源が、前記回収特徴の切除部に十分なエネルギーを提供するための十分な蓄積エネルギーを有し、前記切除部を十分に加熱させて、前記回収特徴に近い組織を切除する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の植え込み可能な医療機器。
前記回路系に動作可能に結合されたアンテナをさらに含み、前記アンテナが、患者の外部にある個所から前記植え込み可能な医療機器の方へ向けられた放射エネルギーを受けかつ前記エネルギーを前記回路系に提供するように構成されており、前記回路系が、前記エネルギーの少なくとも一部を前記電源へ、最終的には前記切除部へ向けるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の植え込み可能な医療機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、限定されるものではないが、リードレス心臓ペースメーカなどの長期的に植え込まれた機器の抜去に関する抜去装置を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、長期的な植え込み後でも、より簡単に回収されるように構成される植え込み可能な医療機器に関する。場合によっては、植え込み可能な医療機器は、機器を回収できるようにする特徴を含む。例えば、植え込み可能な医療機器は、植え込み可能な医療機器の周りのおよび/またはその上側にわたる組織の内部成長(tissue ingrowth)の少なくとも一部を切断または切除し、長期的に植え込まれた機器上にある回収特徴が、長期的に植え込まれた機器を除去するために掴まれるように構成される。抜去装置は、長期的に植え込まれた機器、例えば、限定されるものではないが、リードレス心臓ペースメーカ(LCP)を抜去するように構成される。場合によっては、これらの機器は、長期的に植え込まれた機器の周りのおよび/またはその上側にわたる組織の内部成長の少なくとも一部を切り開くかまたは引き裂き、長期的に植え込まれた機器上にある回収特徴が、長期的に植え込まれた機器を除去するために掴まれるように構成される。
【0005】
本開示の例では、患者の心腔内で展開するように構成される植え込み可能な医療機器(IMD)が、患者の心腔内の心腔壁の近くに位置決めされるように構成されるハウジングを含む。ハウジングは、先端部から基端部まで延在する。電源がハウジング内に配置される。回路系が、ハウジング内に配置されると共に、電源に動作可能に結合される。電極がハウジングに対して取り付けられ、ひとたびIMDが植え込まれたら、心腔壁に接触するように位置決めされる。回路系は、電極を介して患者の心臓を歩調取りするように構成される。植え込み部位において心腔壁に対してIMDを取り付けるために、植え込み部位において心腔壁内に延在するための固着要素が、ハウジングの先端部にまたはその近くに配置される。IMDは、植え込み後にIMDを回収するための回収特徴を含む。回収特徴は、ハウジングの基端部にまたはその近くに配置される。場合によっては、回収特徴は、IMDの少なくとも一部を周辺の血液プールに曝し、それゆえ、IMDを、スネアおよびカテーテルなどの他の回収システムによってアクセス可能にするように構成される。場合によっては、回収特徴は、回路系に動作可能に結合される切除部を含み、回路系は、IMDの電源からの十分なエネルギーを切除部に選択的に提供して、回収特徴に近い組織を切除するように構成される。
【0006】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、回収特徴は、切除部の少なくとも一部を形成するテザー・リングを含む。
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、IMDは、さらに、ハウジングの基端部にまたはその近くに配置された切断特徴を含む。
【0007】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、切断特徴は、切断特徴がハウジング内に配置される引き込み位置から、切断特徴の少なくとも一部分が基端方向に延在しかつそれに対面する延長位置へ、作動可能とする。
【0008】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、切断特徴は、切除部の少なくとも一部を形成する。
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、電源は、回収特徴の切除部に十分なエネルギーを提供するための十分な蓄積エネルギーを有し、切除部を十分に加熱させて、回収特徴に近い組織を切除する。
【0009】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、IMDは、さらに、回路系に動作可能に結合されるアンテナを含み、アンテナは、患者の外部にある箇所からIMDの方へ向けられた放射エネルギーを受け、かつそのエネルギーを回路系に提供するように構成されている。回路系は、エネルギーの少なくとも一部を電源へ、最終的には切除部へ向けるように構成されている。
【0010】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、放射エネルギーは超音波を含む。
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、放射エネルギーはRFエネルギーを含む。
【0011】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、IMDはリードレス心臓ペースメーカ(LCP)である。
本開示の別の例では、患者の体内で展開するように構成された植え込み可能な医療機器(IMD)は、植え込み部位において患者の体内に植え込み可能であるように構成されるハウジング、ならびに植え込み部位においてIMDを患者に取り付けるための固着要素を含む。回収特徴は、ハウジングに対してしっかり固定されて、植え込み部位からのIMDの回収を容易にする。抜去要素が、ハウジングに対して固定され、抜去要素は、過成長組織(tissue overgrowth)から回収特徴の少なくとも一部を露出させるように構成される。
【0012】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、抜去要素は、過成長組織の少なくとも一部を切除することによって、過成長組織から回収特徴の少なくとも一部を露出させるように構成される。
【0013】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、抜去要素は、過成長組織の少なくとも一部を切断することによって、過成長組織から回収特徴の少なくとも一部を露出させるように構成される。
【0014】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、抜去要素は、回収特徴から組織を切除するために、電源に選択的に動作可能に結合される加熱素子を含む。
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、加熱素子は、ハウジングの外側面に沿って延在する1つ以上の加熱素子を含む。
【0015】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、加熱素子は、ハウジングの外側面に沿ってらせん形に延在する1つ以上の加熱素子を含む。
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、抜去要素は、抜去要素に隣接する過成長組織を切除または切断するために、患者の外部から放射される入射エネルギービームによって十分に加熱されるエネルギー吸収性材料を含む。
【0016】
本開示の別の例では、以前に植え込まれた植え込み可能な医療機器(IMD)を除去するための抜去装置が、抜去装置の先端領域に、少なくともIMDの基端領域に上側からはまり込むような寸法にされる回収空隙を含む。回収空隙は、IMDの基端領域に過成長している(overgrowing)組織に上側から少なくとも部分的にはまり込むように構成される。1つ以上の電極は、回収空隙内に配置され、IMDの基端領域を回収空隙内に位置決めするときに、IMDの基端領域に隣接して位置決めされる。1つ以上の電極は、IMDの基端領域に過成長している組織の少なくとも一部を切除するために切除エネルギー源に接続される1つ以上の導体に電気的に結合される。
【0017】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、抜去装置は、さらに、回収空隙内へ延在可能でありかつオペレータによって抜去装置の基端領域から操作可能である回収ループを含む。回収ループは、ひとたびIMDの基端領域に過成長している組織の少なくとも一部が切除されたら、IMDの回収特徴に選択的に係合し、かつIMDを抜去装置の回収空隙に引き入れるように構成される。
【0018】
上述の実施形態のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、1つ以上の電極は、回収空隙の外周に部分的に延在して、IMDに過成長している組織が、切除によって部分的にのみ切り取られて、弁(flap)を残し、それにより、切断された組織が移動するのを防止する。
【0019】
いくつかの実施形態の上述の要約は、開示した各実施形態または本開示の全ての実装例を説明するものではない。以下の図面および詳細な説明は、これらの実施形態のいくつかを、より詳細に例示する。
【0020】
本開示は、添付図面に関連して以下の詳細な説明を考慮すると、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】心臓内に植え込まれた、例示的なリードレスペーシング機器の部分的な切り欠き平面図である。
【
図2】例示的な植え込み可能なLCP機器の側面図である。
【
図3】本開示の一例による例示的な抜去装置の概略図である。
【
図4】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図5】
図4の抜去装置の一部を形成する、例示的な回収ループの拡大図である。
【
図6A】
図5の例示的な回収ループの、
図5の線6−6に沿って取った、例示的な切断する面の概略的な拡大図である。
【
図6B】
図5の例示的な回収ループの、
図5の線6−6に沿って取った、別の例示的な切断する面の概略的な拡大図である。
【
図6C】
図5の例示的な回収ループの、
図5の線6’−6’に沿って取った、例示的な切断する面を示す概略的な断面図である。
【
図7】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図8】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図9】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図10】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図11】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図12】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図13】本開示の一例による、長期的に植え込まれたLCPを抜去する例示的な抜去装置の概略図である。
【
図14】
図11〜13に示す抜去装置において使用される漏斗の口の拡大図である。
【
図15】本開示の一例による例示的な抜去システムの概略図である。
【
図16】
図15の例示的な抜去システムの一部分を形成する、抜去装置の概略的な断面図である。
【
図17】
図15の例示的な抜去システムを使用する、植え込まれた医療機器の抜去の一例を示す。
【
図18】
図15の例示的な抜去システムを使用する、植え込まれた医療機器の抜去の一例を示す。
【
図19】
図15の例示的な抜去システムを使用する、植え込まれた医療機器の抜去の一例を示す。
【
図20】
図15の例示的な抜去システムの一部分を形成する、抜去装置の概略的な端面図である。
【
図21】本開示の一例による、植え込み後の、IMDのその後の回収を容易にする特徴を含む例示的な植え込み可能な医療機器(IMD)の概略図である。
【
図22】
図21のIMDを表す例示的なIMDの基端部分の概略図である。
【
図23】
図21のIMDを表す例示的なIMDの基端部分の概略図である。
【
図24】
図21のIMDを表す例示的なIMDの概略図である。
【
図25】
図21のIMDを表す例示的なIMDの概略図である。
【
図26】
図21のIMDを表す例示的なIMDの概略図である。
【
図27】
図26の例示的なIMDの一部分の概略的な拡大図である。
【
図28】
図21のIMDを表す例示的なIMDの概略的な基端部の端面図である。
【
図29】エネルギーが、患者の外部にある位置から、植え込まれたIMDに送り込まれる、例示的なシステムの概略図である。
【
図30】
図29のシステムにおいて使用され得るIMDの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、様々な修正例および代替的な形態を受け入れるが、その明細は、図面に例として示されており、および詳細に説明される。しかしながら、説明する特定の実施形態に本開示を限定すること意図するものではない。一方、本開示の趣旨および範囲に入る全ての修正例、等価物、および代替例を網羅することを意図する。
【0023】
以下で定義される用語に関し、特許請求の範囲または本明細書の他の箇所で異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用される。
本明細書では、全ての数値は、明白に示しているか否かに関わらず、用語「約(about)」で修飾されると想定される。用語「約」は、一般的に、列挙した値に等価であると、当業者が考える数字の範囲を指す(すなわち、同じ機能または結果を有する)。多くの場合、用語「約」は、最も近い有効数字に丸められた数字を含み得る。
【0024】
端点による数値の範囲の列挙は、その範囲内の全ての数字を含む(例えば1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容において明白に他の意味を指示する場合を除いて、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲では、用語「または(or)」は、一般的に、内容において明白に他の意味を指示する場合を除いて、「および/または(and/or)」を含む意味において用いられる。
【0025】
本明細書において、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が、1つ以上の特定の特徴、構造、および/または特性を含み得ることを示す。しかしながら、そのような言及は、必ずしも、全ての実施形態がそれらの特定の特徴、構造、および/または特性を含むことを意味しない。さらに、特定の特徴、構造、および/または特性が、一実施形態に関連して説明されるとき、そのような特徴、構造、および/または特性はまた、それとは反対であると明白に述べられない限り、明白に説明されているか否かに関わらず、他の実施形態に関連して使用され得る。
【0026】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面では、異なる図面の同様の構造に同じ符号が付されている。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、説明に役立つ実施形態を示し、および本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0027】
心臓ペースメーカは、心組織に電気刺激をもたらして心臓を収縮させ、従って、血管系を通して血液を送り出す。従来のペースメーカは、皮下にまたは筋肉下に植え込まれたパルス発生器から、心腔の内壁または外壁に隣接して位置決めされた電極まで延在する電気リード線を含む。従来のペースメーカの代替形態として、内蔵型またはリードレス心臓ペースメーカが提案されている。リードレス心臓ペースメーカは、例えば、心腔内にある心臓内植え込み部位に取り付けられ得る小さいカプセルである。小さいカプセルは、双極ペーシング/感知電極、電源(例えばバッテリー)、およびペーシング/感知電極を制御するための関連の電気回路系を含み得、それゆえ、心組織に電気刺激をもたらしおよび/または生理学的状態を感知する。カプセルは、送達機器を使用して心臓に送達され、送達機器は、大腿静脈を通って、下大静脈内へ、右心房内へ、三尖弁を通って、および右心室内へと前進させられる。
【0028】
リードレス心臓ペースメーカは、植え込み可能な医療機器の例として使用されるが、本開示は、例えば、神経刺激装置を含む任意の好適な植え込み可能な医療機器、治療を行うものではないものを含む診断機器、および/または所望されるような任意の他の好適な植え込み可能な医療機器に適用される。
【0029】
図1は、右心室RVなどの心臓Hの腔内に植え込まれた例示的な植え込み可能なリードレス心臓ペーシング機器10(例えば、リードレスペースメーカ)を示す。例示的な植え込み可能な医療機器(IMD)10の側面図が、
図2に示されている。植え込み可能な機器10は、基端部14および先端部16を有するシェルまたはハウジング12を含む。場合によっては、IMD10は、ハウジング12の先端部16に隣接して位置決めされた第1の電極20と、ハウジング12の基端部14に隣接して位置決めされた第2の電極22とを含む。ハウジング12は、導電材料を含んでもよく、およびその長さの少なくとも一部分が絶縁される。基端部14に沿ったセクションは、第2の電極22を規定するために、絶縁されていなくてもよい。電極20、22は、電気療法および/または感知能力を提供するための感知および/またはペーシング電極としてもよい。第1の電極20は、心臓Hの心組織に対して位置決めされるように構成されるか、またはそうでなければ心臓Hの心組織に接触する一方、第2の電極22は、第1の電極20から離間され、それゆえ心組織から離間される。
【0030】
例示的なIMD10は、ハウジング12内にパルス発生器(例えば、電気回路系)および電源(例えば、バッテリー)を含んで、電極20、22に電気信号を提供し、それゆえペーシング/感知電極20、22を制御する。場合によっては、パルス発生器と電極20、22との間の電気通信によって、心組織に電気刺激をもたらしおよび/または生理学的状態を感知する。
【0031】
IMD10は、ハウジング12の先端部16の近くに固着機構24を含み、固着機構は、IMD10を心臓Hの組織壁に取り付ける、またはそうでなければIMD10を患者の解剖学的構造に固定するように構成される。
図1に示すように、場合によっては、固着機構24は、心臓Hの心組織に固定された1つ以上、または複数のフックまたはタイン26を含み、IMD10を組織壁に取り付ける。他の場合には、固着機構24は、心臓Hの腔内の小柱と絡み合うように構成された、1つ以上、または複数の受動的タイン、および/または組織壁にねじ込まれて、IMD10を心臓Hに固定するように構成されたらせん状固着アンカーを含む。これらは、幾つかの例にすぎない。
【0032】
IMD10は、ハウジング12の基端部14の近くに、IMD10の送達および/または回収を容易にするように構成されたドッキング部材30を含む。例えば、ドッキング部材30は、ハウジング12の基端部14から、ハウジング12の長手方向軸に沿って延在する。ドッキング部材30は、ヘッド部分32、およびハウジング12とヘッド部分32との間に延在するネック部分34を含む。ヘッド部分32は、ネック部分34に対して拡大された部分としてもよい。例えば、ヘッド部分32は、IMD10の長手方向軸からの半径方向寸法を有し、これは、IMD10の長手方向軸からのネック部分34の半径方向寸法よりも大きい。場合によっては、ドッキング部材30は、さらに、ヘッド部分32から延在するテザー保持構造36を含む。テザー保持構造36は、テザーまたは他の固定機構を受け入れるように構成された開口部38を規定する。全体的に「U字形状」の構成を有するとして保持構造36を示すが、保持構造36は、開口部38を取り囲む、閉成ペリメータ(enclosed perimeter)を提供する任意の形状を取ってもよく、テザーは、開口部38に安全(securably)かつ解放可能に通過できるようにする(例えばループ状にされる)。ドッキング部材30は、心臓内部位へのIMD10の送達および/または心臓内部位からのIMD10の回収を容易にするように構成される。
図2は、ドッキング部材の構成の一例を示す。しかしながら、任意の好適なドッキング部材の構成は、所望により使用することが可能である。
【0033】
ドッキング部材30、またはその少なくとも一部分は、全体的に40で示す回収特徴を提供し、回収特徴が、植え込み後にIMD10を回収するために、後で把持される。回収特徴40は、例えば、様々な異なる機器、例えば、限定されるものではないが、回収ループ、鉗子などによって把持される。長期的に植え込まれたIMD10、つまり、数カ月から数年にわたるある期間、解剖学的構造内の適所にあったIMD10の回収は、回収特徴40を含むIMD10の一部またはさらには全体の周りでの組織の内部成長によって、複雑になることがある。場合によっては、IMD10を実際に回収する前に、組織の内部成長の少なくとも一部を切り開くかまたは他の方法で除去することが有用となる。
【0034】
図3は、例示的な抜去装置42の先端部分の極めて概略的な図を提供する。例示的な抜去装置42は、抜去装置42の先端領域46に配置された回収空隙44を含む。抜去装置42のより基端部分は、示されていないが、抜去装置のオペレータによって操作される基端部分を含む。回収空隙44は、ひとたびIMD10が心組織から抜去されかつ回収空隙44内へと引き出されたら、IMD10の少なくとも一部をそこに収容するような大きさにされ、あるいは他の方法でそのように構成される。回収空隙44は、IMD10全体を収容するのに十分な長さを有し、回収空隙44は、IMD10を収容するのに十分な内径を有する。回収空隙44は、IMD10ならびに1つ以上の追加的な器具または抜去装置42を通って回収空隙44内へと延在する他の機器を同時に収容するのに十分な内径を有する。場合によっては、回収空隙44は、抜去装置のシャフト48から先端方向に延在する。
【0035】
上述の通り、他の器具および他の機器が、抜去装置42と組み合わせて使用されてもよく、および/または抜去装置42の一部として含まれてもよい。
図3において、破線で示す、比較的小さい直径の器具50および比較的大きい直径の器具52が、回収空隙44内に配置されかつそこから先端方向に延在する。比較的小さい直径の器具50は、内部成長組織に切り込むような形状に曲げられる回収ループ、または針、またはおそらくはワイヤを表す。比較的大きい直径の器具52は、内部成長組織を切り開くのを助けるように延在する、一対の把持鉗子、またはおそらくは漏斗を表す。説明に役立つが非限定的な例では、これらの器具50、52は、以下に続く図面を参照して説明される。以下に続く図面のそれぞれでは、IMD10は、回収特徴56を含むLCP54として示され、内部成長組織58によって覆われているか、または少なくとも実質的に覆われている。
【0036】
図4は、例示的な抜去装置142の概略図であり、抜去装置42(
図3)の一例である。例示的な抜去装置142の先端部分は、回収空隙144を含む。抜去装置のオペレータによって操作される基端部分を含む、抜去装置142のより基端部分は、示されていない。回収ループ160は、ループ162および第1および第2の制御ワイヤ164、166を含む。ループ162は、回収空隙144から先端方向に延在する。場合によっては、回収ループ160は、比較的小さい直径の器具50(
図3)の一例であるが、必須ではない。第1および第2の制御ワイヤ164、166は電気的に活性であってもよく、ループ162の一部分は電気的に露出されて、内部成長組織58の少なくとも一部を切り開くためにRFエネルギーを伝導させるようにしてもよい。皮膚パッチ(図示せず)がリターン電極として使用されてもよい。
【0037】
ループ162は、第1および第2の制御ワイヤ164、166を一緒に動かすことによって、回収空隙144から先端方向に前進させられるか、または回収空隙144に向かっておよびその内部へと基端方向に引き出される。第1および第2の制御ワイヤ164、166の適切な操作はまた、所望通りに、ループ162を小さくまたは大きくするために使用される。第1および第2の制御ワイヤ164、166の反対方向における操作は、切断動作においてループ162の一部分を内部成長組織58に対して前後に摺動させるために使用される。回収特徴40を露出させてからそれを把持するために、回収ループ160を使用して十分な内部成長組織58を切り取った後、回収ループ160は、基端方向に引き出されて、LCP54を回収空隙144に引き入れる。
【0038】
場合によっては、ループ162が内部成長組織58に対して動くときに、ループ162は、内部成長組織58を切り開くかまたは引き裂くように構成される。
図5は、例示的な回収ループ160の拡大図である。
図5に示すように、回収ループは、内側面168および外側面170を有するループ162を形成する。内側面168、または第1の面は、内部成長組織58を切断する、研磨(abrade)する、または他の方法で破損するように構成されてもよい。外側面170、または第2の面は、内部成長組織58を切断する、研磨する、または他の方法で破損するように構成されないことがある。場合によっては、外面は滑らかとしてもよい。その結果、内側面168は、内部成長組織58を切り開くために使用される一方、外側面170は、他の近くの組織(例えば心臓壁)を損傷させないように構成される。ループ162は、LCP54の周囲を切断して、回収特徴40を露出させるために使用されてもよい。
図4を参照して説明すると、ひとたび回収特徴40が露出されると、ループ162は、LCP54の回収特徴40の周りで締め付けられ、その後、LCP54を回収空隙144内へと引き入れるために使用される。ひとたびLCPが回収空隙144内に入ると、抜去装置およびLCP54は、体内から除去される。
【0039】
図6Aおよび
図6Bは、
図5線6−6に沿って取った、
図5の例示的な回収ループの2つの例示的な切断する面の概略的な拡大図である。
図6Aおよび
図6Bの双方において、ループ162は、内側面168および外側面170を含む。
図6Aでは、内側面168は、複数の歯172を含む。ループ162が内部成長組織58に対して前後に摺動されるとき、歯172が内部成長組織58を切り開く。この例では、外側面170は、比較的滑らかである。
図6Bでは、内側面168は、研磨面174を含む。場合によっては、研磨面174は、内側面168上に堆積される研磨材を含む。代わりに、研磨面174は、内側面168をエッチングして、粗面および研磨面を形成する結果としてもよい。図示の例では、外側面170は、研磨面174を含まず、その代わりに比較的滑らかであり、回収ループ162を使用する際の周辺の組織の損傷を制限する。
図6Cは、ループ162を通る断面図であり、内側面68が刃のような切断する面176を有し、それが、例えば、内部成長組織58をより滑らかに切り開き、および場合によっては引き裂きを少なくできる別の例を示す。
【0040】
図7は、抜去装置42(
図3)の一例である、別の例示的な抜去装置242の概略図である。例示的な抜去装置242の先端部分は、回収空隙244を含む。抜去装置のオペレータによって操作される基端部分を含む、抜去装置242のより基端部分は、示されていない。この例では、中空針260が、回収空隙244から延在してもよく、例えば比較的大きい器具52(
図3)の一例である。場合によっては、中空針260は、食塩水、またはおそらくは造影剤溶液(contrast solution)の源(図示せず)と流体連通して、中空針260が、内部成長組織58を貫通し、かつLCP54に近い箇所に到達できるようにする。中空針260を通した流体の注入は、例えば、内部成長組織58の一部を、LCP54の外側面から離れるように緩めるのに役立つ。内部成長組織58への貫通はまた、真空度を低下させるのに役立ち、そうでなければ、内部成長組織58からLCP54を引き出そうとするときに、真空が発生する。
【0041】
場合によっては、
図8に示すように、長尺状のプローブ262を、中空針260を通って前進させてもよく(または中空針260に隣接して前進させる)、かつ、矢印264によって示す半径方向においてLCP54の周りで動かして、内部成長組織58の一部に傷をつけて、それを剥離する。長尺状のプローブ262は、予め曲げられた形状を有してもよく、ひとたび中空針260から前進させられたら、その形状を取り、および切れ刃を有してもよい。予め曲げられた形状は、図示のように、LCP54のハウジングの外側面の周りで曲がってそれを辿るように構成される。場合によっては、長尺状のプローブ262は、予め付形されたカッティングスタイレットであるとみなされる。
【0042】
長尺状のプローブ262は、LCPのハウジングの長さに沿って長手方向に動かされ、LCP54のハウジングから内部成長組織58を分離し、および内部成長組織を切断して、LCP54の回収特徴56を露出させる。その後、中空針260(および長尺状のプローブ262)は、引き出されてもよく、回収ループ60(
図4)などの回収ループは、前進させられて、回収特徴56に係合し、かつLCP54を回収空隙244内へと引き出す。
【0043】
図9は、抜去装置42(
図3)の一例である、別の例示的な抜去装置342の概略図である。例示的な抜去装置342の先端部分は、回収空隙344を含む。抜去装置のオペレータによって操作される基端部分を含む、抜去装置342のより基端部分は、示されていない。図示の例では、可撓性プローブ362が、回収空隙344から先端方向に前進させられてもよく、および内部成長組織58に貫通するために使用されてもよい。場合によっては、可撓性プローブ362は、長尺状のチューブ360から延在し、これは、比較的大きい直径の器具52(
図3)の一例である。内部成長組織58に貫通することはまた、真空度を低下させるのを助け、そうでなければ、内部成長組織58からLCP54を引き出そうとするときに、真空が発生する。場合によっては、可撓性プローブ362を、ひとたび長尺状のチューブ360から前進させると、フック形状に撓む。フックは、基端方向に引き出されて、内部成長組織58の一部を引き裂くかまたは他の方法で除去して、LCP54の回収特徴56を露出させる。その後、可撓性プローブ362は引き出されてもよく、および回収ループ60(
図4)などの回収ループは前進させられて、回収特徴56に係合し、かつLCP54を回収空隙344内へと引き出す。
【0044】
図10は、抜去装置42(
図3)の一例である、別の例示的な抜去装置442の概略図である。例示的な抜去装置442の先端部分は、回収空隙444を含む。抜去装置のオペレータによって操作される基端部分を含む、抜去装置442のより基端部分は、示されていない。場合によっては、把持鉗子460は、例えば、比較的大きい直径の器具52(
図3)の一例である長尺状のチューブ462から先端方向に延在可能としてもよい。把持鉗子460は、内部成長組織58において把持して引き離すために使用される。場合によっては、把持鉗子460は、電気的に活性としてもよく、およびRFエネルギーを伝達して内部成長組織を切断するために使用される。ひとたび回収特徴56が露出されたら、把持鉗子460は、回収特徴56に係合しかつLCP54を回収空隙444内へと引き出すために使用される。他の場合には、把持鉗子460は引き出されてもよく、回収ループ60(
図4)などの回収ループが、前進させられて、回収特徴56に係合し、LCP54を回収空隙444内へと引き出してもよい。
【0045】
図11は、抜去装置42(
図3)の一例である、例示的な抜去装置542の概略図である。例示的な抜去装置542の先端部分は、回収空隙544を含む。抜去装置のオペレータによって操作される基端部分を含む、抜去装置542のより基端部分は、示されていない。この例では、延在可能な漏斗560が、回収空隙544から延在可能である。例えば
図14に示すように、延在可能な漏斗560には、延在可能な漏斗560の内面570に複数の歯572が配置される。その結果、および
図11に戻って説明すると、延在可能な漏斗560は、内部成長組織58と接触するように前進させられ、その後、内部成長組織58を切り開くように回転させられる。場合によっては、延在可能な漏斗560は、比較的大きい直径の器具52(
図3)の一例である。ひとたび回収特徴56が露出されたら、および
図12に示すように、回収ループ562(
図4の回収ループ60によく似る)が、ときには延在可能な漏斗560を通ってまたは延在可能な漏斗560に隣接して、前進させられて、回収特徴56に係合し、かつLCP54を回収空隙344内へと引き出す。
【0046】
図13は、抜去装置42(
図3)の一例である、例示的な抜去装置642の概略図である。例示的な抜去装置642の先端部分は、回収空隙644を含む。抜去装置のオペレータによって操作される基端部分を含む、抜去装置642のより基端部分は、示されていない。抜去装置642は、抜去装置542と同様に、延在可能な漏斗660および回収ループ662を含むが、回収ループシース664も含む。回収ループシース664は、回収空隙644内に中心を外れて配置されてもよい。これにより、他の器具を、回収空隙644を通って先端方向に、より中心にされた向きで、挿入できるようにする。場合によっては、延在可能な漏斗660は、
図14に示す歯572によく似て、内部に歯が配置される。
【0047】
図15は、例示的な抜去システム600の概略図である。抜去システム600は、回収空隙604まで先端方向に延在する長尺状のカテーテル602を含む。回収空隙604は、植え込まれたIMDの一部または全ての上側にわたって組織成長がある場合でも、植え込まれたIMDが少なくとも部分的に回収空隙604に収まることができる内のり寸法を有するような大きさにされる。図示の例では、長尺状のカテーテル602は、装置606まで基端方向に延在する。場合によっては、図示の通り、装置606は、装置606から、回収空隙604内に位置する特徴へ切除エネルギーを提供するように構成される切除エネルギー源608を含み、これについては、
図16を参照してより詳細に説明する。任意選択的に、装置606は、長尺状のカテーテル602、それゆえ回収空隙604に動作可能に結合される真空源610を含み、抜去プロセスにおいて取り除かれる残屑(debris)を取り出すために真空が適用されるようにする。
【0048】
回収空隙604は、
図16により良好に示される。図示の例では、一対の電極612、614が、回収空隙604の先端部616にまたはその近くに配置される。場合によっては、電極612、614はまた、放射線不透過性マーカバンドの機能を果たし、例えば、X線透視下での回収空隙604の誘導を容易にする。明白には図示しないが、電極612、614は、電極612、614から基端方向におよび長尺状のカテーテル602の本体に沿って延在する配線トレースなどの電気導体によって、切除エネルギー源608(
図15)に電気的に接続される。場合によっては、電極612、614は、回収空隙604内の複数の箇所に配置され、それらの箇所では、電極612、614を、抜去されるべきIMDの少なくとも一部を覆う成長組織の近くにするかまたはそれと接触できるようにする。切除エネルギーが、電極612、614を介して組織に適用される。切除エネルギーは、過成長組織の少なくとも一部を切除するのに十分であり、それゆえ、IMDの抜去を容易にする。
【0049】
図17〜19は、成長組織620が少なくとも部分的に過成長された、長期的に植え込まれたIMD618を除去するために、どのように抜去システム600が使用され得るかの、例示的であるが非限定的な例を提供する。
図17に示すように、回収空隙604は、IMD618の少なくとも基端部分622の上側にわたって先端方向に延在できる。場合によっては、例えば、回収空隙604は、電極612、614が成長組織620に近くなるかまたはそれと接触するまで、IMD618の少なくとも基端部分622の上側にわたって先端方向に延在させられる。切除エネルギーは、電極612、614を介して成長組織620に加えられて、成長組織620の少なくとも一部が切除されるようにする。
【0050】
図18では、成長組織620の少なくとも一部が切除されており、IMD618の基端部分622を露出していることが分かる。場合によっては、IMD618の基端部分622は、長尺状のカテーテル602を通って先端方向におよび回収空隙604内まで延在させられたスネア626などによって掴まれる回収特徴624を含む。ノブ形状を有するとして回収特徴624を示すが、様々な異なる回収特徴が考慮される。スネア626は、例えば、長尺状のカテーテル602の基端部から操作される。ひとたびスネア626が回収特徴624の周りにしっかり固定されたら、スネア626は基端方向に引かれて、IMD618を基端方向に回収空隙604内へと駆り立てる。これは、例えば
図19に示されている。その後、長尺状のカテーテル602は、スネアをかけられたIMD618と共に、患者の体内から引き出される。
【0051】
図20は、基端方向に見る、回収空隙604の先端部の例示的であるが非限定的な平面図を示す。場合によっては、電極612、614は、IMD618の周りを連続的なまたはほぼ連続的な円で切除するように構成される。場合によっては、無線周波数切除が使用される。そのような場合には、好適な無線周波数信号が電極612、614に与えられて、電極の近くの成長組織620を切除するための十分な熱エネルギーを生成する。場合によっては、切除プロセスの最中に真空に引かれて、切除プロセスの最中に取り除かれるいずれの残屑も回収される。場合によっては、電極612、614は、IMD618の外周を部分的にのみ切除するように構成される。
図20に示すように、電極612、614は、IMDの外周の一部に沿って十分な間隙628だけ離間され、この領域にある成長組織620が切除されないようにする。結果として、成長組織620に弁を生じさせ、これは、回収特徴624へのアクセスを依然として可能にしながら、成長組織が浮遊しないように成長組織620を十分に保持する。
【0052】
場合によっては、冷凍切除(cryoablation)が使用される。その場合、1つ以上のブラダーが、回収空隙604の内側に沿って位置決めされる。1つ以上のブラダーは、長尺状のカテーテル602に沿って延在する1つ以上の通路によって送り込まれる。液体窒素やアルゴンガスなどの好適なガスが、通路を通って1つ以上のブラダー内へと送り出されて、超低温状態を生じ、成長組織620を凍結して破壊(冷凍切除)する。
【0053】
図1〜20は、長期的に植え込まれた医療機器に組み込まれた、長期的に植え込まれた医療機器の除去を容易にし得る特定の特徴を含んでもまたは含まなくてもよい、長期的に植え込まれた医療機器を抜去するために使用され得る抜去装置の例を提供する。
図21〜28および
図30は、後の除去を容易にするのに役立つ特徴を含む植え込み可能な医療機器の、例示的であるが非限定的な例を提供する。これらの植え込み可能な医療機器のうちの1つに示される特定の特徴は、1つ以上の他の植え込み可能な医療機器に示される特徴と組み合わせられ得る。場合によっては、これらの植え込み可能な医療機器のいくつかは、例えば、所望通りに、リードレス心臓ペースメーカ(LCP)、植え込み可能なモニター(IM)、および/または任意の他の植え込み可能な医療機器(IMD)としてもよい。
【0054】
図21は、患者の心腔内に展開されるように構成される植え込み可能な医療機器(IMD)630の概略図を提供する。IMD630は、患者の心腔内の心腔壁の近くに位置決めされるように構成されるハウジング632を含む。ハウジングは、先端部634から基端部636まで延在する。電源638がハウジング内に配置される。電源638は、例えば、非充電式バッテリーとしても、または再充電可能なバッテリーとしてもよい。回路系640は、ハウジング内に配置され、かつ、電源638に動作可能に結合される。電源638が再充電可能なバッテリーである場合、回路系640は、再充電プロセスを監督しかつ制御するように構成される。電極643は、ハウジング632に対して取り付けられ、ひとたびIMD630が植え込まれたら、心腔壁と接触するように位置決めされる。回路系640は、電極643を介して、患者の心臓を歩調取りするように構成される。IMD630は、植え込み部位において心腔壁内へ延在する1つ以上の固着要素645を含み、植え込み部位においてIMD630を心腔壁に対して取り付ける。固着要素645は、ハウジング632の先端部634にまたはその近くに配置される。図示の通り、固着タインの形態の一対の固着要素645が示されている。例示的なIMD630は、さらに、植え込み後に、IMD630を後で回収するための回収特徴646を含む。場合によっては、概略的に示されている回収特徴646は、ハウジング632の基端部636にまたはその近くに配置される。回収特徴646は、任意の所望の形態、例えば、限定されるものではないが、ノブ形態、またはループ形態を取り、それが、例えば掴まれる。
【0055】
場合によっては、回収特徴646は、回路系640に動作可能に結合される切除部648を含む。場合によっては、回路系640は、電源638からの十分なエネルギーを切除部648に選択的に提供して、回収特徴646の近くの組織が切除されるように構成される。場合によっては、切除部648は2つ以上の電極を含み、回路系640は、2つ以上の電極に好適な無線周波数信号を与えて、電極に近い成長組織を切除するのに十分な熱エネルギーを生成する。
【0056】
図22は、ハウジング652と、ハウジング652から基端方向に延在する回収ノブ654とを有する植え込み可能な医療機器(IMD)650の一部分の概略図である。図示の通り、回収ノブ654は、クロスハッチング656によって示すように、切除部の少なくとも一部分を形成する。場合によっては、切除部は、仮想クロスハッチング658によって示すように、ハウジング652の一部分の上側にわたって、先端方向に延在する。切除部は、切除エネルギーを受けるように構成されるため、IMD650の回収ノブ654の一部または全てを覆う成長組織の少なくとも一部を切除する。
【0057】
図23は、ハウジング665と、ハウジング665から基端方向に延在するテザー・リング667とを有する植え込み可能な医療機器(IMD)663の概略図である。場合によっては、テザー・リング667は、IMD663の初期の展開の際に有用であるテザー(図示せず)を収容する。テザー・リング667はまた、抜去するために掴むことができる。図示の通り、テザー・リング667は、クロスハッチング668によって示すように、切除部の少なくとも一部分を形成する。場合によっては、切除部は、仮想クロスハッチング670によって示すように、ハウジング665の一部分の上側にわたって先端方向に延在する。切除部は、切除エネルギーを受けるように構成されるため、IMD663のテザー・リング667の一部または全てを覆う成長組織の少なくとも一部を切除する。
【0058】
図24は、ハウジング674を有する植え込み可能な医療機器(IMD)672の概略図である。場合によっては、図示の通り、ハウジング674は、外側面676を規定する。場合によっては、外側面676は、第1の切除部678、および第2の切除部680を含む。2つの異なる切除部を示すが、これは例示にすぎず、外側面676は任意の数の切除部を含む。各切除部は、2つ以上の電極を含む。他の場合には、各切除部678、680は、単一の電極としてもよく、別個の共通または接地電極が設けられてもよい。場合によっては、共通または接地電極は、切除部678、680の2つ以上に提供されてもよい。任意の他の好適な配置構成も使用される。
【0059】
場合によっては、第1の切除部678および/または第2の切除部680(および存在する任意の他の切除部)に切除エネルギーを適用することは、成長組織を切除することによっておよび/またはIMD672を少なくとも部分的にカプセル状に包む成長組織からIMD672を引き出そうとするときに発生し得る吸引を妨げることによって、抜去を容易にする。
【0060】
場合によっては、第1の切除部678および/または第2の切除部680(および任意の他の切除部)は、一方の端部から他方の端部へと第1の切除部678および/または第2の切除部680に電流を通過させることによって、抵抗加熱される。場合によっては、RF切除のためなど、別個の共通または接地電極679が提供されるため、好適な無線周波数信号が、第1の切除部678および/または第2の切除部680と、共通または接地電極679との間に与えられて、フィラメントに沿って成長組織を切除するのに十分な熱を発生させる。これらは、数例の実装例にすぎない。
【0061】
図25は、ハウジング684を有する植え込み可能な医療機器(IMD)682の概略図である。場合によっては、図示の通り、ハウジング684は、外側面686を規定する。場合によっては、外側面686は、らせん形または理髪店の看板柱式に、ハウジング684の周りに延在する切除部688を含む。場合によっては、切除部688は単一の切除部としてもよい。場合によっては、切除部688は、2つ以上の異なる切除部を含む。各切除部688は、2つ以上の電極を含んでもよい。場合によっては、2つ以上の電極は、指合状に組まれる。場合によっては、切除部688に切除エネルギーを加えることは、成長組織を切除することによっておよび/またはIMD682を少なくとも部分的にカプセル状に包む成長組織からIMD682を引き出そうとするときに発生し得る吸引を妨げることによって、抜去を容易にする。場合によっては、切除部688は、一方の端部から他方の端部へと切除部688に電流を通過させることによって、抵抗加熱される。場合によっては、RF切除のためなど、別個の共通または接地電極679が提供されるため、好適な無線周波数信号が、切除部688と、共通または接地電極679との間に適用されて、フィラメントに沿って成長組織を切除するのに十分な熱を発生させる。これらは、数例の実装例にすぎない。
【0062】
場合によっては、切除は、植え込み可能な医療機器(IMD)がそれ自体の抜去を支援する唯一の方法ではないかもしれない。場合によっては、IMDは、IMDを部分的にまたは完全に覆う成長組織の少なくとも一部を切り開くように構成される。
図26は、例えば、ハウジング692を有する植え込み可能な医療機器(IMD)690の概略図である。回収特徴694は、ハウジング692から基端方向に延在する。場合によっては、図示の通り、切断特徴696は、回収特徴694から基端方向に延在する。場合によっては、切断特徴696は、適所に取り付けられる。場合によっては、切断特徴696および/または回収特徴694は、切断特徴696で示す仮想クロスハッチング698および回収特徴694で示す仮想クロスハッチング700に示すように、切除部の少なくとも一部分を形成するが、これは必須ではない。場合によっては、切断特徴696は、切断特徴696と、切断特徴696に向かって先端方向に延在するカテーテル699の先端部697との間に押し込まれる成長組織によって、成長組織を切り開くのが支援される。
【0063】
場合によっては、切断特徴696は、適所に取り付けられていなくてもよく、その代わりに可動としてもよい。
図27は、
図26の回収特徴694の概略図である。図面に示すように、切断特徴696は、切断特徴696が少なくとも部分的に回収特徴694内にまたはそうでなければハウジング692内に配置される、696aとして示される引き込み位置から、切断特徴696が基端方向に延在する、696bとして示される延長位置へ、作動可能としてもよい。場合によっては、カテーテル699の先端部697(
図26)は、切断を容易にするのを支援するために使用される。
【0064】
図28は、植え込み可能な医療機器(IMD)702の基端部の例示的であるが非限定的な図を示す。場合によっては、IMD702は、開始点704aから終了点704bまで、基端部の外周に部分的に延在するフィラメント704を含む。フィラメント704は、回路系640および電源638(
図21)に動作可能に結合されて、IMD702の一部または全てを覆う成長組織の少なくとも一部を切除するために、切除エネルギーがフィラメント704に加えられるようにしてもよい。図面に示すように、場合によっては、フィラメント704は、基端部では連続的な円を完成せず、むしろ、開始点704aと終了点704bとの間に間隙がある。その結果、弁が成長組織に形成されて、それにより、成長組織が浮遊しないように保持しながらも、依然としてIMD702へのアクセスを可能にする。
【0065】
場合によっては、別個の共通または接地電極が提供されるため、好適な無線周波数信号が、フィラメント704と、共通または接地電極との間に与えられて、フィラメントに沿って成長組織を切除するのに十分な熱を生成する。他の場合には、フィラメント704は抵抗加熱素子としてもよく、回路640は、フィラメントに電流を供給して、フィラメントに沿って成長組織を切除するのに十分な熱を生成するように構成される。これらは、数例の実装例にすぎない。
【0066】
場合によっては、電源638(
図21)は、十分な蓄積エネルギーを有して、回収特徴の切除部に十分なエネルギーを提供し、切除部648(
図21)であるかまたは
図22〜25および
図28に示すような切除部の特定の例であるかに関わらず、回収特徴に近い組織を切除するために切除部を十分に加熱させる。場合によっては、電源638は、切除に十分なエネルギーを提供するための、十分なエネルギーが残っていなくてもよい。
図29は、患者Pが、患者の心臓H内に植え込まれた植え込み可能な医療機器(IMD)722、ならびにエネルギーをIMD722へ伝達するように構成される外部機器724を有する、システム720を概略的に示す。場合によっては、外部機器724はエネルギーを伝達し、このエネルギーは、IMD722上にまたはその周りに配置された1つ以上の切除部によって直接捕捉され、それら切除部は、これに応じて、隣接する成長組織を十分に加熱して、組織を切除する。場合によっては、その代わりに、外部機器724によって伝達されたエネルギーは、IMD722によって捕捉され、かつ電源638を再充電するおよび/または追加的な切除エネルギーを提供するために使用される。
【0067】
図30は、外部機器724から伝達されたエネルギーを捕捉し、かつ捕捉したエネルギーを、電源728を再充電または増強するために使用するように構成されたIMD722の概略図である。IMD722は、患者の心腔内の心腔壁の近くに位置決めされるように構成されるハウジング726を含む。電源728は、ハウジング726内に配置される。電源728は、例えば、非充電式バッテリーとしても、または再充電可能なバッテリーとしてもよい。回路系730は、ハウジング726内に配置され、かつ電源728に動作可能に結合される。電源728が再充電可能なバッテリーである場合、回路系730は、再充電プロセスを監視しかつ制御するように構成される。IMD722は、回路系730に動作可能に結合される切除部732を含む。場合によっては、回路系730は、電源728からの十分なエネルギーを切除部732に選択的に提供して、切除部732に近い組織が切除されるように構成される。例示的なIMD722は、回路系730に動作可能に結合されるアンテナ734を含む。アンテナは、患者Pの外部にある箇所から、例えば外部機器724(
図29)からIMD722に向けられた放射エネルギーを受け、かつそのエネルギーを回路系730へ提供するように構成される。アンテナは、無線周波数(RF)エネルギーを受けるように構成されてもよい。場合によっては、アンテナは、エネルギーを誘導的に受けるように構成されるコイルを含む。回路系730は、エネルギーの少なくとも一部を電源728へ、最終的には切除部732へ向けるように構成される。
【0068】
本開示は、多くの点で、説明にすぎない。本開示の範囲を逸脱することなく、特に、形状、大きさ、およびステップの配置構成に関する詳細における変更が行われ得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態において使用される1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。