特許第6692969号(P6692969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6692969
(24)【登録日】2020年4月17日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0606 20160101AFI20200427BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20200427BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20200427BHJP
【FI】
   H01M8/0606
   H01M8/04 J
   !H01M8/12 101
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-127557(P2019-127557)
(22)【出願日】2019年7月9日
(65)【公開番号】特開2020-61356(P2020-61356A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2019年7月9日
(31)【優先権主張番号】特願2018-191171(P2018-191171)
(32)【優先日】2018年10月9日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕己
(72)【発明者】
【氏名】菅 博史
(72)【発明者】
【氏名】大森 誠
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−073548(JP,A)
【文献】 特開2015−041514(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/135451(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04 − 8/0668
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池セルと、
ガス供給室及びガス回収室を有し、前記燃料電池セルを支持するマニホールドと、
前記ガス供給室に供給される燃料ガスを生成する燃料処理器と、
前記燃料処理器と前記マニホールドとを連結し、前記燃料ガスを前記ガス供給室に供給する燃料ガス供給管と、
前記燃料処理器と前記マニホールドとを連結し、前記ガス回収室からのオフガスを前記燃料処理器に供給するオフガス供給管と、
を備え、
前記燃料ガス供給管前記オフガス供給管は、前記マニホールド部材から前記燃料処理器までの間で交差することがなく、
前記燃料処理器は、前記燃料ガス供給管及び前記オフガス供給管を支持する第1部材を含み、
前記マニホールドは、前記燃料ガス供給管及び前記オフガス供給管を支持する第2部材を含み、
前記第2部材は、前記マニホールドにおいて前記燃料電池セルを支持する面と反対側の面に設けられ、
前記第1部材と前記第2部材とは、対向し、
前記第1部材を構成する材料の熱膨張係数は、前記第2部材を構成する材料の熱膨張係数よりも大きい、
燃料電池装置。
【請求項2】
前記燃料処理器は、前記マニホールドの底面と対向するように配置される、
請求項1に記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記燃料ガス供給管及びオフガス供給管は、前記マニホールドの底面に連結される、
請求項2記載の燃料電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セルスタック装置は、燃料電池セル及びマニホールドを備えている。特許文献1に開示されたセルスタック装置では、マニホールドは、ガス供給室とガス回収室とを有している。ガス供給室には、燃料ガスが供給される供給部が接続されている。ガス回収室には、マニホールドから燃料ガスを排出する排出部が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6030260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のセルスタック装置のマニホールドには、供給部と排出部との2つの配管が接続されている。供給部及び排出部が燃料処理器に接続される場合、供給部及び排出部を通じてマニホールドに応力が加えられて、クラックが生じる恐れがある。そこで、本発明の課題は、マニホールドに生じる応力を低減することができる燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、マニホールドに応力が加えられるという問題は、動作時にマニホールドが燃料処理器よりも高温になることに起因していることを見出した。マニホールドと燃料処理器との温度差が生じると、マニホールド及び燃料処理器を連結している供給部及び排出部の変位は、マニホールド側と燃料処理器側とで異なる。この結果、マニホールドに応力が加えられる。
【0006】
本発明のある側面に係る燃料電池装置は、燃料電池セルと、マニホールドと、燃料処理器と、燃料ガス供給管と、オフガス供給管と、を備えている。マニホールドは、ガス供給室及びガス回収室を有する。また、マニホールドは、燃料電池セルを支持する。燃料処理器は、ガス供給室に供給される燃料ガスを生成する。燃料ガス供給管は、燃料処理器とマニホールドとを連結する。また燃料ガス供給管は、燃料ガスをガス供給室に供給する。オフガス供給管は、燃料処理器とマニホールドとを連結する。また、オフガス供給管は、ガス回収室からのオフガスを燃料処理器に供給する。燃料処理器は、燃料ガス供給管及びオフガス供給管が連結される第1部材を含む。マニホールドは、燃料ガス供給管及びオフガス供給管が連結される第2部材を含む。第1部材を構成する材料の熱膨張係数は、第2部材を構成する材料の熱膨張係数よりも大きい。
【0007】
この構成によれば、燃料処理器の第1部材の熱膨張係数は、マニホールドの第2部材の熱膨張係数よりも大きい。このため、動作時にマニホールドが燃料処理器よりも高温になっても、燃料処理器の第1部材とマニホールドの第2部材との熱膨張による変形量の差を低減できる。これにより、燃料ガス供給管及びオフガス供給管の燃料処理器側及びマニホールド側での変位の差を低減できる。したがって、マニホールドに生じる応力を低減することができる。
【0008】
好ましくは、燃料処理器は、マニホールドの底面と対向するように配置される。すなわち、燃料電池セルがマニホールドから上方に延びる場合、燃料処理器は、マニホールドの下方に配置される。
【0009】
好ましくは、燃料ガス供給管及びオフガス供給管は、マニホールドの底面に連結される。
【0010】
好ましくは、第1部材と第2部材とは、対向する。
【0011】
好ましくは、燃料ガス供給管及びオフガス供給管は、同じ方向に延びる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マニホールドに生じる応力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】燃料電池装置の斜視図。
図2】マニホールドの断面図。
図3】マニホールドの上面図。
図4】セルスタック装置の断面図。
図5】燃料電池セルの斜視図。
図6】燃料電池セルの断面図。
図7】燃料電池装置の概略図。
図8】変形例に係る燃料電池装置の概略図。
図9】変形例に係る燃料電池装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る燃料電池装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、燃料電池セルの一例として固体酸化物形燃料電池セル(SOFC)を用いて説明する。図1は燃料電池装置を示す斜視図、図2はマニホールドの断面図である。なお、図1及び図2において、いくつかの燃料電池セルの記載を省略している。
【0015】
[燃料電池装置]
図1に示すように、燃料電池装置100は、マニホールド2と、複数の燃料電池セル10と、燃料処理器70と、燃料ガス供給管P1(図7参照)と、オフガス供給管P2(図7参照)と、を備えている。
【0016】
[マニホールド]
図2に示すように、マニホールド2は、燃料電池セル10にガスを供給するように構成されている。また、マニホールド2は、燃料電池セル10から排出されたガスを回収するように構成されている。マニホールド2は、ガス供給室21とガス回収室22とを有している。ガス供給室21には、燃料処理器70から燃料ガスが供給される。ガス回収室22は、各燃料電池セル10にて使用された燃料ガスを回収する。
【0017】
マニホールド2は、マニホールド本体部23と、仕切板24とを有している。マニホールド本体部23は、内部に空間を有している。マニホールド本体部23は、直方体状である。
【0018】
図3に示すように、マニホールド本体部23の天板部231には、複数の貫通孔232が形成されている。各貫通孔232は、マニホールド本体部23の長さ方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。各貫通孔232は、マニホールド本体部23の幅方向(y軸方向)に延びている。各貫通孔232は、ガス供給室21及びガス回収室22と連通している。なお、各貫通孔232は、ガス供給室21と連通する部分とガス回収室22と連通する部分とに分かれていてもよい。
【0019】
仕切板24は、マニホールド本体部23の空間をガス供給室21とガス回収室22とに仕切っている。詳細には、仕切板24は、マニホールド本体部23の略中央部において、マニホールド本体部23の長さ方向に延びている。仕切板24は、マニホールド本体部23の空間を完全に仕切っている必要は無く、仕切板24とマニホールド本体部23との間に隙間が形成されていてもよい。
【0020】
図2に示すように、ガス供給室21の底面には、ガス供給口211が形成されている。また、ガス回収室22の底面には、ガス排出口221が形成されている。ガス供給口211は、例えば、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第1端部201側に配置されている。一方、ガス排出口221は、例えば、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第2端部202側に配置されている。
【0021】
[燃料電池セル]
図4は、セルスタック装置の断面図を示している。なお、セルスタック装置は、複数の燃料電池セル10とマニホールド2とから構成されている。図4に示すように、燃料電池セル10は、マニホールド2から上方に延びている。燃料電池セル10は、基端部101がマニホールド2に取り付けられている。すなわち、マニホールド2は、各燃料電池セル10の基端部101を支持している。本実施形態では、燃料電池セル10の基端部101は下端部を意味し、燃料電池セル10の先端部102は上端部を意味する。
【0022】
図1に示すように、各燃料電池セル10は、主面同士が対向するように並べられている。また、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に沿って間隔をあけて並べられている。すなわち、燃料電池セル10の配列方向は、マニホールド2の長さ方向に沿っている。なお、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向に沿って等間隔に配置されていなくてもよい。
【0023】
図4及び図5に示すように、燃料電池セル10は、支持基板4と、複数の発電素子部5と、連通部材3と、を有している。各発電素子部5は、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。なお、第1主面45に形成される発電素子部5の数と第2主面46に形成される発電素子部5の数とは、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。また、各発電素子部5の大きさは、互いに異なっていてもよい。
【0024】
[支持基板]
支持基板4は、マニホールド2から上下方向に延びている。詳細には、支持基板4は、マニホールド2から上方に延びている。支持基板4は、扁平状であり、基端部41と先端部42とを有している。基端部41及び先端部42は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)における両端部である。本実施形態では、支持基板4の基端部41は下端部を意味し、支持基板4の先端部42は上端部を意味する。
【0025】
支持基板4の基端部41は、マニホールド2に取り付けられる。例えば、支持基板4の基端部41は、接合材などによってマニホールド2の天板部231に取り付けられる。詳細には、支持基板4の基端部41は、天板部231に形成された貫通孔234に挿入されている。なお、支持基板4の基端部41は、貫通孔234に挿入されていなくてもよい。このように支持基板4の基端部41がマニホールド2に取り付けられることによって、支持基板4の基端部41は、ガス供給室21及びガス回収室22と連結している。
【0026】
支持基板4は、複数の第1ガス流路43と、複数の第2ガス流路44とを有している。第1ガス流路43は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、第1ガス流路43は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。第1ガス流路43は、支持基板4を貫通している。各第1ガス流路43は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各第1ガス流路43は、等間隔に配置されていることが好ましい。支持基板4は、長さ方向(x軸方向)よりも幅方向(y軸方向)の寸法の方が長くてもよい。
【0027】
第1ガス流路43は、燃料電池セル10の基端部101から先端部102に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、第1ガス流路43は、基端部101側において、ガス供給室21と連通している。
【0028】
第2ガス流路44は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、第2ガス流路44は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。第2ガス流路44は、第1ガス流路43と実質的に平行に延びている。
【0029】
第2ガス流路44は、支持基板4を貫通している。各第2ガス流路44は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各第2ガス流路44は、等間隔に配置されていることが好ましい。
【0030】
第2ガス流路44は、燃料電池セル10の先端部102から基端部101に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、第2ガス流路44は、基端部101側において、マニホールド2のガス回収室22と連通している。
【0031】
隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、隣り合う第1ガス流路43のピッチp1よりも大きい。また、隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、隣り合う第2ガス流路44のピッチp2よりも大きい。
【0032】
第1ガス流路43と第2ガス流路44とは、燃料電池セル10の先端部102側において互いに連通している。詳細には、第1ガス流路43と、第2ガス流路44とが、連通部材3の連通流路30を介して連通している。
【0033】
第1ガス流路43及び第2ガス流路44は、第1ガス流路43内におけるガスの圧力損失が第2ガス流路44内におけるガスの圧力損失よりも小さくなるように構成されている。このような構成として、例えば、各第1ガス流路43の流路断面積は、各第2ガス流路44の流路断面積よりも大きい。
【0034】
図5に示すように、支持基板4は、第1主面45と、第2主面46とを有している。第1主面45と第2主面46とは、互いに反対を向いている。第1主面45及び第2主面46は、各発電素子部5を支持している。第1主面45及び第2主面46は、支持基板4の厚さ方向(z軸方向)を向いている。また、支持基板4の各側面47は、支持基板4の幅方向(y軸方向)を向いている。各側面47は、湾曲していてもよい。図1に示すように、各支持基板4は、第1主面45と第2主面46とが対向するように配置されている。
【0035】
図5に示すように、支持基板4は、発電素子部5を支持している。支持基板4は、電子伝導性を有さない多孔質の材料によって構成される。支持基板4は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成される。または、支持基板4は、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板4の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。この気孔率は、例えば、アルキメデス法、又は微構造観察により測定される。
【0036】
支持基板4は、緻密層48によって覆われている。緻密層48は、第1ガス流路43及び第2ガス流路44から支持基板4内に拡散されたガスが外部に排出されることを抑制するように構成されている。本実施形態では、緻密層48は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。なお、本実施形態では、緻密層48は、後述する電解質7と、インターコネクタ91とによって構成されている。緻密層48は、支持基板4よりも緻密である。例えば、緻密層48の気孔率は、0〜7%程度である。
【0037】
[発電素子部]
複数の発電素子部5が、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている。詳細には、各発電素子部5は、支持基板4上において、基端部41から先端部42に向かって互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に沿って、間隔をあけて配置されている。なお、各発電素子部5は、後述する電気的接続部9によって、互いに直列に接続されている。
【0038】
発電素子部5は、支持基板4の幅方向(y軸方向)に延びている。発電素子部5は、支持基板4の幅方向において第1部分51と第2部分52とに区画される。なお、第1部分51と第2部分52との厳密な境界はない。例えば、燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、支持基板4の長さ方向視(x軸方向視)において、ガス供給室21とガス回収室22との境界と重複する部分を、第1部分51と第2部分52との境界部とすることができる。
【0039】
支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、第1ガス流路43は、発電素子部5の第1部分51と重複している。また、支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、第2ガス流路44は、発電素子部5の第2部分52と重複している。なお、複数の第1ガス流路43のうち、一部の第1ガス流路43が第1部分51と重複していなくてもよい。同様に、複数の第2ガス流路44のうち、一部の第2ガス流路44が第2部分52と重複していなくてもよい。
【0040】
図6は、第1ガス流路43に沿って切断した燃料電池セル10の断面図である。なお、第2ガス流路44に沿って切断した燃料電池セル10の断面図は、第2ガス流路44の流路断面積が異なる以外は、図6と同じである。
【0041】
発電素子部5は、燃料極6、電解質7、及び空気極8を有している。また、発電素子部5は、反応防止膜11をさらに有している。燃料極6は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。燃料極6は、燃料極集電部61と燃料極活性部62とを有する。
【0042】
燃料極集電部61は、凹部49内に配置されている。凹部49は、支持基板4に形成されている。詳細には、燃料極集電部61は、凹部49内に充填されており、凹部49と同様の外形を有する。各燃料極集電部61は、第1凹部611及び第2凹部612を有している。燃料極活性部62は、第1凹部611内に配置されている。詳細には、燃料極活性部62は、第1凹部611内に充填されている。
【0043】
燃料極集電部61は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極集電部61は、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極集電部61の厚さ、及び凹部49の深さは、50〜500μm程度である。
【0044】
燃料極活性部62は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極活性部62は、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部62の厚さは、5〜30μmである。
【0045】
電解質7は、燃料極6上を覆うように配置されている。詳細には、電解質7は、一のインターコネクタ91から他のインターコネクタ91まで長さ方向に延びている。すなわち、支持基板4の長さ方向(x軸方向)において、電解質7とインターコネクタ91とが交互に配置されている。また、電解質7は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。
【0046】
電解質7は、支持基板4よりも緻密である。例えば、電解質7の気孔率は、0〜7%程度である。電解質7は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質7は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質7の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
【0047】
反応防止膜11は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜11は、平面視において、燃料極活性部62と略同一の形状である。反応防止膜11は、電解質7を介して、燃料極活性部62と対応する位置に配置されている。反応防止膜11は、電解質7内のYSZと空気極8内のSrとが反応して電解質7と空気極8との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜11は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜11の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
【0048】
空気極8は、反応防止膜11上に配置されている。空気極8は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極8は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極8は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極8の厚さは、例えば、10〜100μmである。
【0049】
[電気的接続部]
電気的接続部9は、隣り合う発電素子部5を電気的に接続するように構成されている。電気的接続部9は、インターコネクタ91及び空気極集電膜92を有する。インターコネクタ91は、第2凹部612内に配置されている。詳細には、インターコネクタ91は、第2凹部612内に埋設(充填)されている。インターコネクタ91は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ91は、支持基板4よりも緻密である。例えば、インターコネクタ91の気孔率は、0〜7%程度である。インターコネクタ91は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ91の厚さは、例えば、10〜100μmである。
【0050】
空気極集電膜92は、隣り合う発電素子部5のインターコネクタ91と空気極8との間を延びるように配置される。例えば、図6の左側に配置された発電素子部5の空気極8と、図6の右側に配置された発電素子部5のインターコネクタ91とを電気的に接続するように、空気極集電膜92が配置されている。空気極集電膜92は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。
【0051】
空気極集電膜92は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜92の厚さは、例えば、50〜500μm程度である。
【0052】
[連通部材]
図4に示すように、連通部材3は、支持基板4の先端部42に取り付けられている。そして、連通部材3は、第1ガス流路43と第2ガス流路44とを連通させる連通流路30を有している。詳細には、連通流路30は、各第1ガス流路43と各第2ガス流路44とを連通する。連通流路30は、各第1ガス流路43から各第2ガス流路44まで延びる空間によって構成されている。連通部材3は、支持基板4に接合されていることが好ましい。また、連通部材3は、支持基板4と一体的に形成されていることが好ましい。連通流路30の数は、第1ガス流路43の数よりも少ない。本実施形態では、一本の連通流路30のみによって、複数の第1ガス流路43と複数の第2ガス流路44とが連通されている。
【0053】
連通部材3は、例えば、多孔質である。また、連通部材3は、その外側面を構成する緻密層31を有している。緻密層31は、連通部材3の本体よりも緻密に形成されている。例えば、緻密層31の気孔率は、0〜7%程度である。この緻密層31は、連通部材3と同じ材料や、上述した電解質7に使用される材料、結晶化ガラス等によって形成することができる。
【0054】
[燃料処理器]
図7に示すように、燃料処理器70は、マニホールド2のガス供給室21に供給される燃料ガスを生成する。例えば、燃料処理器70は、改質器である。燃料処理器70は、原料ガス(天然ガス、液化石油ガス、灯油など)を改質して燃料ガス(水素含有ガス)を生成する。例えば、下記(1)式及び(2)式に示すように、都市ガスの主成分であるメタン(CH)及び水蒸気から、燃料ガス(水素含有ガス)を生成する。
CH+2HO→4H+CO ・・・(1)
CH+HO→3H+CO ・・・(2)
【0055】
燃料処理器70は、二重円筒式である。燃料処理器70は、燃料電池セル10が延びる方向(x軸方向)に延びている。本実施形態では燃料電池セル10及び燃料処理器70は、上下方向に延びている。なお、燃料処理器70は、長さ方向(x軸方向)の寸法の方が、幅方向(y軸方向)の寸法よりも長い。
【0056】
燃料処理器70は、改質部71と燃焼部72とを有している。燃料処理器70の内側の円筒内が燃焼部72を構成している。そして、燃料処理器70の内側の円筒と外側の円筒との間の空間が改質部71を構成している。
【0057】
改質部71内には触媒が収容されている。改質部71は、原料ガス供給管P3および水蒸気供給管P4が連結されている。この原料ガス供給管P3を介して、改質部71内に原料ガスが供給される。また、水蒸気供給管P4を介して、改質部71内に水蒸気が供給される。この改質部71内において、原料ガスを改質して燃料ガスを生成する。
【0058】
燃焼部72は、ガス回収室22から排出されたオフガスを燃焼するように構成されている。詳細には、燃焼部72は、バーナ721を有している。バーナ721は、燃料処理器70の筐体に設けられている。バーナ721には、オフガス供給管P2及び空気供給管P5が連結されている。オフガス供給管P2を介して、ガス回収室22内のオフガスがバーナ721に排出される。バーナ721は、オフガスに空気を混合させて燃焼させる。
【0059】
燃料処理器70は、マニホールド2の底面と対向するように配置されている。本実施形態では、燃料処理器70は、マニホールド2の下方に配置されている。すなわち、マニホールド2から各燃料電池セル10が上方に延びている場合は、燃料処理器70はマニホールド2の下方に配置される。
【0060】
燃料処理器70は、第1排出部73を有している。本実施形態において、第1排出部73は、燃料処理器70に形成された開口部である。第1排出部73は、生成した燃料ガスをガス供給室21へと排出する。
【0061】
第1排出部73は、燃料処理器の軸方向端面に形成されている。第1排出部73は、マニホールド2側に開口している。第1排出部73は、燃料ガス供給管P1と連結されている。第1排出部73は、燃料電池セル10の先端面103よりもマニホールド2側に配置されている。本実施形態のように、燃料電池セル10の先端部102が上端部であり、基端部101が下端部である場合、第1排出部73は、燃料電池セル10の先端面103よりも下方に配置されている。そして、第1排出部73とマニホールド2との距離は、燃料電池セル10の先端面103とマニホールド2との距離よりも短い。
【0062】
燃料処理器70は、第2排出部74を有している。本実施形態では、第2排出部74は、筒状の部材であるが、単なる開口であってもよい。第2排出部74は、燃焼部72からのガスを排出する。第2排出部74は、水平面よりも下方を向いている。なお本実施形態では、第2排出部74は、真下を向いているが、第2排出部74の排出方向は、水平面よりも下方を向いていればよい。例えば、第2排出部74の排出方向と水平面とのなす角度が3度以上とすることが好ましい。
【0063】
[燃料ガス供給管]
燃料ガス供給管P1は、燃料処理器70とマニホールド2とを連結する。詳細には、燃料処理器70の上面と、マニホールド2の底面とを連結する。燃料ガス供給管P1は、燃料処理器70で生成された燃料ガスを、マニホールド2のガス供給室21に供給する。
【0064】
本実施形態の燃料ガス供給管P1は、燃料処理器70の第1排出部73と、ガス供給室21とを連結する。燃料ガス供給管P1は、ガス供給口211から第1排出部73に向かって延びている。
【0065】
燃料ガス供給管P1は、1つの部材で構成されてもよく、複数の部材で構成されてもよい。
【0066】
[オフガス供給管]
オフガス供給管P2は、燃料処理器70とマニホールド2とを連結する。オフガス供給管P2は、マニホールド2のガス回収室22からのオフガスを、燃料処理器70に供給する。
【0067】
本実施形態のオフガス供給管P2は、マニホールド2のガス回収室22とバーナ721とを連結している。詳細には、オフガス供給管P2は、ガス排出口221と、バーナ721とを連結している。オフガス供給管P2は、ガス排出口221からバーナ721に向かって延びている。
【0068】
オフガス供給管P2は、1つの部材で構成されてもよく、複数の部材で構成されてもよい。なお、オフガス供給管P2及び燃料ガス供給管P1を構成する材料は、特に限定されないが、本実施形態のオフガス供給管P2を構成する材料は、燃料ガス供給管P1を構成する材料と同じである。
【0069】
[燃焼処理器の第1部材及びマニホールドの第2部材]
燃料処理器70は、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2を支持する第1部材75を含む。第1部材75は、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2を直接支持してもよく、別の部材を介して間接的に支持してもよい。詳細には、燃料ガス供給管P1は、燃料処理器70の筐体の上面に直接支持されている。オフガス供給管P2はバーナ721に連結されており、バーナ721は筐体の上面に連結されている。すなわち、オフガス供給管P2は、バーナ721を介して支持されている。このため、本実施形態の第1部材75は、燃料処理器70の筐体の上面を構成する天板部である。
【0070】
マニホールド2は、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2を支持する第2部材25を含む。第2部材25は、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2を直接支持してもよく、別の部材を介して間接的に支持してもよい。詳細には、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2はマニホールド2の底面に直接支持されている。このため、本実施形態の第2部材25は、マニホールド2の底面を構成する底壁である。
【0071】
第1部材75と第2部材25とは、対向している。第1部材75及び第2部材25は、互いに平行に延びる。詳細には、第1部材75及び第2部材25は、水平方向に延びる。また、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2は、同じ方向に延びる。詳細には、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2は、上下方向(x軸方向)に延びる。
【0072】
第1部材75を構成する材料の熱膨張係数は、第2部材25を構成する材料の熱膨張係数よりも大きい。なお、熱膨張係数は、JIS Z 2285により測定される値である。
【0073】
第1部材75を構成する材料の熱膨張係数は、例えば室温〜850℃において13.0〜22.0である。第2部材25を構成する材料の熱膨張係数は、例えば室温〜750℃において11.0〜14.0(ただし第1部材75を構成する熱膨張係数よりも低い)である。第1部材75を構成する材料の熱膨張係数は、第2部材25を構成する材料の熱膨張係数よりも、例えば0.5〜8.0大きい。第2部材25を構成する材料の熱膨張係数に対する第1部材75を構成する材料の熱膨張係数の比(第1部材75の熱膨張係数/第2部材25の熱膨張係数)は、例えば1.05〜1.70である。
【0074】
また、第2部材25を構成する材料の熱膨張係数に対する第1部材75を構成する材料の熱膨張係数の比(第1部材75の熱膨張係数/第2部材25の熱膨張係数)が1.05〜1.70である場合、燃料電池セル10とマニホールド2の天板部231とを接合する接合材にクラックが生じることを抑制できる。詳細には、起動及び停止時の昇降温では、マニホールド2において、天板部231側が高温になり、底面を構成する底壁部側が低温になる。このため、従来の天板部231は、上側に向けて湾曲するので、天板部231の湾曲が原因となり、天板部231と燃料電池セル10を接合する接合材にクラックが発生するおそれがある。比(第1部材75の熱膨張係数/第2部材25の熱膨張係数)が1.05〜1.70である場合、起動及び停止時に第1部材75が適度に伸びることによって、天板部231と底壁との伸び量の差を抑制できる。したがって、天板部231の湾曲を抑制することができるので、起動及び停止時の接合材におけるクラックを抑制できる。
【0075】
第1部材75及び第2部材25を構成する材料は、例えばステンレスなどの金属である。好ましくは、第1部材75はオーステナイト系ステンレス鋼、及びフェライト系ステンレス鋼の少なくとも1種から構成され、第2部材25はフェライト系ステンレス鋼、Ni基合金、及びマルテンサイト系ステンレス鋼の少なくとも1種から構成される。
【0076】
[発電方法]
上述したように構成された燃料電池装置100では、燃料処理器70によって生成された燃料ガスをマニホールド2のガス供給室21に供給するとともに、燃料電池セル10を空気などの酸素を含むガスに曝す。すると、空気極8において下記(3)式に示す化学反応が起こり、燃料極6において下記(4)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O+2e→O2− …(3)
+O2−→HO+2e …(4)
【0077】
詳細には、ガス供給室21に供給された燃料ガスは、各燃料電池セル10の第1ガス流路43内を流れ、各発電素子部5の燃料極6において、上記(4)式に示す化学反応が起こる。各燃料極6において未反応であった燃料ガスは、第1ガス流路43を出て連通部材3の連通流路30を介して第2ガス流路44へ供給される。そして、第2ガス流路44へ供給された燃料ガスは、再度、燃料極6において上記(4)式に示す化学反応が起こる。第2ガス流路44を流れる過程において燃料極6において未反応であった燃料ガスは、マニホールド2のガス回収室22へ回収される。
【0078】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0079】
変形例1
上記実施形態では、第1部材75は、燃料ガス供給管P1を直接支持するとともに、オフガス供給管P2を間接的に支持しているが、これに限定されない。例えば、第1部材75は、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2を直接支持してもよい。この場合、燃料処理器70における燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2が連結される連結箇所は、同一平面上(例えば図7における燃料処理器70の上面)に位置してもよい。また、燃料処理器70及びマニホールド2において燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2が連結される平面(例えば図7における燃料処理器70の上面、及びマニホールド2の底面)は、互いに平行であってもよい。
【0080】
変形例2
上記実施形態では、マニホールド2の底面に、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2が連結されているが、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2の連結位置はこれに限定されない。例えば、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2の少なくとも一方は、マニホールド2の側面に形成されていてもよいし、マニホールド2の上面に形成されていてもよい。本変形例の場合、マニホールド2の第2部材25は、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2を支持する側面または上面を構成する部材である。
【0081】
なお、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2がマニホールド2の異なる部材に支持される場合には、その両方が第2部材25となる。例えば、燃料ガス供給管P1がマニホールド2の側壁に連結され、オフガス供給管P2がマニホールド2の底壁に支持される場合には、燃料処理器70の第1部材を構成する材料の熱膨張係数は、マニホールド2の側壁及び底壁を構成する熱膨張係数よりも大きい。同様に、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2が燃料処理器70の異なる部材に支持される場合には、その両方が第1部材となる。
【0082】
変形例3
上記実施形態では、燃料処理器70は、改質器によって構成されているが、これに限定されない。例えば、燃料処理器70は、改質器に加えて、CO変性器及びCO浄化器などを有していてもよい。CO変性器は、改質器で発生した一酸化炭素および水から二酸化炭素及び水素を生成するように構成されている。また、CO浄化器は、改質器で発生した一酸化炭素に酸素を加えて、二酸化炭素へ変化させるように構成されている。
【0083】
変形例4
上記実施形態では、燃料処理器70は、燃料電池セル10が延びる方向に延びているが、これに限定されない。例えば、燃料処理器70は、燃料電池セル10が延びる方向と交差する方向(y軸方向又はz軸方向)に延びていてもよい。詳細には、燃料電池セル10が上下方向に延びる場合、燃料処理器70は水平方向に延びていてもよい。この場合、例えば、燃料ガス供給管P1及びオフガス供給管P2は、燃料処理器70の側端面に連結されている。本変形例の燃料処理器70の第2部材は、側端面を構成する側壁である。
【0084】
変形例5
上記実施形態では、燃料処理器70は、マニホールド2の底面と対向するように配置されているが、燃料処理器70の配置はこれに限定されない。例えば、燃料処理器70は、燃料電池セル10の側面および主面の少なくとも一方と対向するように配置されていてもよい。このとき、燃料処理器70の一部が燃料電池セル10の先端面103よりも上方に配置されていてもよい。
【0085】
変形例6
上記実施形態では、マニホールド本体部23の幅方向(y軸方向)において、燃料処理器70の中心軸がマニホールド2の仕切板24と実質的に一致するように配置されているが、これに限定されない。例えば、マニホールド本体部23の幅方向(y軸方向)において、燃料処理器70の中心軸がガス供給室21側に寄っていてもよいし、ガス回収室22側に寄っていてもよい。
【0086】
変形例7
上記実施形態のマニホールド2は、ガス供給室21及びガス回収室22を有しているが、これに限定されない。例えば、マニホールドは、複数のマニホールド部を有していてもよい。この場合、第1マニホールド部がガス供給室を有し、第2マニホールド部がガス回収室を有する。また、上記実施形態のマニホールド2は、燃料電池セル10の基端部を支持しているが、これに限定されない。このため、本発明は、いわゆる平板型の燃料電池にも適用可能である。
【0087】
変形例8
上記実施形態では、第1ガス流路43と第2ガス流路44とは、連通部材3が有する連通流路30によって連通されていたが、この構成に限定されない。例えば、図8に示すように、支持基板4が、内部に連通流路30を有していてもよい。この場合、燃料電池装置100は、連通部材3を備えていなくてもよい。この支持基板4内に形成された連通流路30によって、第1ガス流路43と第2ガス流路44とが連通されている。
【0088】
変形例9
図9に示すように、支持基板4は、第1支持基板4aと第2支持基板4bとに分かれていてもよい。この場合、第1支持基板4aに第1ガス流路43が形成され、第2支持基板4bに第2ガス流路44が形成される。
【0089】
変形例10
上記実施形態では、支持基板4は、複数の第1ガス流路43を有しているが、1つの第1ガス流路43のみを有していてもよい。同様に、支持基板4は、複数の第2ガス流路44を有しているが、1つの第2ガス流路44のみを有していてもよい。
【0090】
変形例11
上記実施形態では、燃料電池セル10はマニホールド2から上方に延びるように構成されているが、これに限定されない。例えば、燃料電池セル10は、マニホールド2から下方に延びていてもよい。この場合、燃料処理器70は、例えばマニホールド2の上方に配置される。また、マニホールド2の底面は上方を向いている。
【0091】
変形例12
上記実施形態のマニホールド2では、1つのマニホールド本体部23を仕切板24で仕切ることによって、ガス供給室21とガス回収室22とを画定しているが、マニホールド2の構成はこれに限定されない。例えば、2つのマニホールド本体部23によってマニホールド2を構成することもできる。この場合、1つのマニホールド本体部23がガス供給室21を有し、別のマニホールド本体部23がガス回収室22を有している。
【0092】
変形例13
上記実施形態の燃料電池セル10は、各発電素子部5が支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている、いわゆる横縞型の燃料電池セルであるが、燃料電池セル10の構成はこれに限定されない。例えば、燃料電池セル10は、支持基板4の第1主面45に1つの発電素子部5が支持された、いわゆる縦縞型の燃料電池セルであってもよい。この場合、支持基板4の第2主面46に一つの発電素子部5が支持されていてもよいし、支持されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0093】
2 マニホールド
21 ガス供給室
22 ガス回収室
25 第2部材
10 燃料電池セル
70 燃料処理器
75 第1部材
P1 燃料ガス供給管
P2 オフガス供給管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9