(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものである。図面上の寸法及び比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
【0011】
図1は、一実施形態に係る車両1の構成例を示すブロック図である。
図2は、
図1に示すメータ表示器21の位置の一例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、車両1は、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)2と、カーナビゲーションシステム3と、表示装置4とを備える。これらの構成要素に加えて、車両1は、エンジン等の発動機及び電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)等を備えてよい。車両1の各構成要素は、車両1に設けられている通信バス5を介して、互いに通信可能である。通信バス5の通信方式は、コントローラエリアネットワーク(CAN:Controller Area Network)等に基づくものであってよい。
【0013】
先進運転支援システム2は、運転者の車両1に対する運転操作を支援する。先進運転支援システム2は、車両1の周辺物体の情報及び車両1の周辺環境の情報を検出可能である。車両1の周辺物体の一例として、他車両、歩行者及び飛行物体等が挙げられる。車両1の周辺物体の情報は、物体の種類(物体が他車両である場合、車種)及び車両1に対する物体の位置情報等の少なくとも何れかを含んでよい。車両1に対する物体の位置情報は、物体に対応する後述のxPosition及びyPosition、物体に対応する後述のxStep、及び、物体に対応する後述の曲率半径の少なくとも何れかを含んでよい。車両1の周辺環境の情報は、車間距離、道路状況の情報、信号状況、制限速度、地域種別(都市及び郊外)、及び、標識に関する情報等の少なくとも何れかを含んでよい。道路状況の情報は、路面の状態、走行レーンの状態、道路種別(高速道路、幹線道路及び一般道路)、及び、車線数等の少なくとも何れかを含んでよい。道路状況の情報は、道路の曲率半径、道路線の種別、道路線の色、道路線を構成するレーンマークの間隔、及び、道路線に対応する後述のxStepの情報の少なくとも何れかを含んでよい。道路線の種別は、路側帯と道路とを隔てる車道外側線、中央線、及び、三車線等における車両通行帯の区画線の少なくとも何れかを含んでよい。
【0014】
先進運転支援システム2は、車両1の周辺物体の情報を検出するためのセンサ及び車両1の周辺環境の環境情報を検出するためのセンサの少なくとも何れかを含んでよい。先進運転支援システム2は、交通標識認識(TSR:Traffic Sign Recognition)システムを構成するセンサ、及び、アダプティヴ・クルーズ・コントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)を構成するセンサの少なくとも何れかを含んでよい。例えば、先進運転支援システム2は、カメラ、ライダー(LiDAR:Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダー、GPS(Global Positioning System)信号の受信装置及びIMU(Inertial Measurement Unit)の少なくとも何れかを含んでよい。
【0015】
カーナビゲーションシステム3は、運転者に対して、目的地までの経路案内等を行う。カーナビゲーションシステム3は、GPS信号の受信装置及び無線通信モジュールの少なくとも何れかを含んでよい。カーナビゲーションシステム3は、GPS信号の受信装置等によって、車両1の位置情報を取得してよい。カーナビゲーションシステム3は、遠距離無線通信規格に基づく無線通信モジュールによって、車両1外部の装置(例えば、サーバ装置)から、地図情報を取得してよい。地図情報は、目的地までの経路案内情報及び渋滞情報等の少なくとも何れかを含んでよい。カーナビゲーションシステム3は、地図情報及び車両1の位置情報を、運転者に提示してよい。
【0016】
カーナビゲーションシステム3は、ユーザからの入力を受付けてよい。ユーザからの入力には、後述の表示装置4に対する入力も含まれてよい。
【0017】
表示装置4は、車両1に搭載される。表示装置4は、取得部10と、表示部20と、記憶部30と、制御部40とを備える。
【0018】
取得部10は、通信バス5を介して車両1の他の構成要素から、及び/又は、車両1外部の装置から、各種情報を取得する。車両1外部の装置の一例として、車両1周辺の車両及び路側機等が挙げられる。取得部10は、車両1周辺の車両及び路側機等と通信するために、車車間通信(V2V:Vehicle-to-Vehicle)及び路車間通信(V2X:Vehicle-to-X)を行うための通信モジュールの少なくとも何れかを含んで構成されてよい。取得部10は、取得した各種情報を、制御部40に出力する。取得部10が取得した各種情報は、例えば制御部40によって、記憶部30に格納されてよい。
【0019】
取得部10は、通信バス5を介して先進運転支援システム2から、上述の車両1の周辺物体の情報及び車両1の周辺環境の情報を取得してよい。取得部10は、通信バス5を介してカーナビゲーションシステム3から、上述の車両1の位置情報及び地図情報を取得してよい。取得部10は、通信バス5を介してカーナビゲーションシステム3から、表示装置4に対するユーザの入力を受付けてよい。表示装置4に対するユーザの入力には、表示部20の表示態様をプレーンビューに切替えるための入力、及び、表示部20の表示態様をバードビューに切替えるための入力が含まれ得る。
【0020】
取得部10は、通信バス5を介して車両1の他の構成要素から、車両1の状況に関する情報を取得してよい。車両1の状況に関する情報は、目標速度、現在の車両速度、エンジン回転数、アクセル状態、ブレーキ状態、クラッチ状態、ウィンカ状態、ギア状態、ワイパー状態、ドアミラー状態、シート状態、オーディオ状態、ワーニング状態、ライト状態、ステアリング状態、アイドル状態、エアコン状態、シートベルト状態、燃料状態、水温状態、及び運転操作レベルの少なくとも何れかを含んでよい。
【0021】
表示部20は、メータ表示器21を含んで構成される。ただし、表示部20は、任意の表示機器を含んで構成されてよい。例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)を含んで構成されてよいし、センタ表示器を含んで構成されてよい。
【0022】
メータ表示器21は、
図2に示すように、車両1のインストルメントパネルに配置される。メータ表示器21は、ハンドルの奥側付近に配置されてよい。メータ表示器21は、TFT液晶ディスプレイ(thin-film-transistor liquid-crystal display)等を含んで構成されてよい。メータ表示器21は、制御部40の制御に基づいて、各種情報を表示する。メータ表示器21は、タッチパネルディスプレイであってよいし、タッチ操作不能のディスプレイであってよい。メータ表示器21は、タッチパネルディスプレイとして構成される場合、表示部20の表示態様をプレーンビューに切替えるための入力、及び、表示部20の表示態様をバードビューに切替えるための入力を、ユーザから受付けてよい。
【0023】
メータ表示器21は、制御部40の制御に基づいて、表示画面100を表示する。ただし、メータ表示器21が表示する画面は、表示画面100に限定されない。例えば、メータ表示器21は、
図2に示すように、タコメータ画面101及びスピードメータ画面102を表示してよい。
【0024】
図3に、
図1に示すメータ表示器21の表示画面100を示す。表示画面100は、長方形であってよい。表示画面100のXsYs座標系は、Xs座標軸とYs座標軸とから成る二次元座標系である。Xs座標軸は、車両1の幅方向に対応し得る。Xs座標軸は、車両1が道路を走行する際、当該道路の幅方向に対応し得る。Ys座標軸は、Xs座標軸に直交する。
【0025】
表示画面100には、以下に説明する各種情報が表示される。ただし、表示画面100に表示される情報は、以下に限定されない。表示画面100には、任意の情報が表示されてよい。例えば、表示画面100には、POI情報が表示されてよい。
【0026】
表示画面100は、上画面110と、下画面120と、中央画面200とを含む。上画面110は、表示画面100において上側に位置する。下画面120は、表示画面100において下側に位置する。中央画面200は、上画面110と下画面120との間に位置する。
【0027】
上画面110及び下画面120の各々は、長方形であってよい。上画面110及び下画面120には、車両1の状況に関する情報が簡易的に表示される。例えば、上画面110には、現在時刻、パワーステアリングの異常を示す警告灯、及び、車両1の現在の速度等が表示される。例えば、下画面120には、車両1の走行距離、及び、ガソリン残量を警告する警告灯等が表示される。
【0028】
中央画面200には、遠近法により、車両1の周辺情報が表示される。例えば、中央画面200には、車道外側線の画像210、区画線の画像220、他車両の画像230が遠近法により表示される。また、運転者が車両1と他車両との位置関係を容易に把握できるように、中央画面200には、自車両の画像240が表示される。
【0029】
記憶部30は、制御部40から取得した情報を格納する。記憶部30は、制御部40のワーキングメモリとして機能してよい。記憶部30は、制御部40で実行されるプログラムを格納してよい。記憶部30は、半導体メモリで構成されてよい。記憶部30は、半導体メモリに限定されず、磁気記憶媒体で構成されてよいし、他の記憶媒体で構成されてよい。記憶部30は、制御部40の一部として制御部40に含まれてよい。
【0030】
記憶部30は、後述のxStepに関連付けられた差分rを格納する。記憶部30は、中央画面200に表示させる物体の画像を格納する。例えば、記憶部30は、レーンマークの画像、及び、車種毎の車両の画像を格納する。記憶部30は、物体の傾きに応じた画像を格納する。例えば、記憶部30は、レーンマーク及び車両等の傾きに応じた画像を格納する。
【0031】
制御部40は、表示装置4の各構成部を制御する。制御部40は、例えば、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成されてよい。制御部40は、例えば、記憶部30に格納されているプログラムを読み込み、各種プログラムを実行する。
【0032】
制御部40は、取得部10によって車両1の他の構成要素から、車両1の状況に関する情報を取得する。制御部40は、取得した車両1の状況に関する情報に基づいて、
図3に示す上画面110及び下画面120に表示させる情報を生成する。制御部40は、生成した情報を、メータ表示器21に出力する。制御部40が生成した情報をメータ表示器21に出力することにより、
図3に示すように、メータ表示器21に、上画面110及び下画面120が表示される。
【0033】
制御部40は、取得部10によって先進運転支援システム2から、車両1の周辺物体の情報及び車両1の周辺環境の情報を取得する。制御部40は、取得した情報に基づいて、
図3に示す中央画面200に表示させる情報を生成する。例えば、制御部40は、
図3に示すように、中央画面200に画像210〜240を表示させるための情報を生成する。制御部40は、遠近法により中央画面200に画像210〜240を表示させる。制御部40が遠近法により画像210〜240が表示させることにより、運転者は、車両1と他車両との位置関係をより容易に把握することができる。
【0034】
制御部40は、車両1の周辺物体の位置情報を、車両1を基準とする相対的な三次元座標系の座標として取得し得る。制御部40は、取得した三次元座標系の座標を、表示画面100のXsYs座標系に変換等することにより、車両1の周辺物体の情報を、中央画面200に表示させ得る。以下、この処理を簡単に説明する。
【0035】
図4は、三次元座標系と仮想スクリーンとの対応関係(その1)を示す図である。
図5は、三次元座標系と仮想スクリーンとの対応関係(その2)を示す図である。以下、
図4及び
図5に示すように、三次元座標系として、XYZ座標系を採用する。
【0036】
XYZ座標系は、車両1を基準とする相対的な三次元座標である。XYZ座標系は、X座標軸と、Y座標軸と、Z座標軸とから成る。X座標軸とY座標軸とから成る平面は、「XY平面」ともいう。X座標軸とZ座標軸とから成る平面は、「XZ平面」ともいう。Y座標軸とZ座標軸とから成る平面は、「YZ平面」ともいう。
【0037】
X座標軸は、車両1の幅方向に略平行である。X座標軸は、車両1が道路を走行している際、道路の幅方向に略平行となり得る。Y座標軸は、車両1の後部から車両1の前部に向かう方向に略平行である。Y座標軸は、車両1が走行している際、車両1の進行方向に略平行になり得る。Z座標軸は、車両1の高さ方向に略平行である。
【0038】
仮想スクリーンSは、二次元平面である。仮想スクリーンSは、三次元座標系の原点OからY座標軸に沿って、所定長L離れて位置する。仮想スクリーンSは、XZ平面に略平行である。仮想スクリーンS上では、任意の点のXYZ座標系のY座標は、座標(L)となる。仮想スクリーンSは、中央画面200に対応する。
【0039】
第1点P1は、物体の位置を示す。第1点P1は、他車両の位置を示すものとする。第1点P1のXYZ座標は、XYZ座標(X1,Y1,Z1)である。点Aは、車両1の位置を示す。
図4及び
図5に示す構成では、第1点P1に対応する他車両と、点Aに対応する車両1とは、平坦な道路上に位置する。第1点P1と点Aとが平坦な道路上に位置することにより、点AのZ座標(ZA)は、第1点P1のZ座標(Z1)と同一になり得る。点AのZ座標(ZA)は、A点すなわち車両1の位置から、XYZ座標系の原点Oまでの高さに対応する。
【0040】
第2点P2は、XYZ座標系の原点Oから第1点P1を見たときに、第1点P1が仮想スクリーンSに投影される点である。
図5に示す点Bは、XYZ座標系の原点Oから点Aを見たときに、点Aが仮想スクリーンSに投影される点である。
【0041】
制御部40は、第1点P1のXYZ座標(X1,Y1,Z1)を取得し得る。第1点P1を取得する処理は、後述する。制御部40は、取得した第1点P1のXYZ座標(X1,Y1,Z1)に基づいて、第2点P2のXYZ座標(Xc,L,Zc)を算出する。上述のように、仮想スクリーンS上では、任意の点のXYZ座標系のY座標は、座標(L)となる。従って、制御部40は、第2点P2のX座標(Xc)及びZ座標(Zc)を算出すればよい。例えば、制御部40は、式(1)の(X,Y,Z)に、(X1,Y1,Z1)を代入することにより、第2点P2のXZ座標(Xc,Zc)を算出する。
Xc=(L/Y)×X
Zc=(L/Y)×Z 式(1)
【0042】
なお、平坦な道路上では、道路上に位置する物体のZ座標は、点AのZ座標(ZA)と同一になる。この場合、式(1)は、式(1−1)と置き換え可能である。
Xc=(L/Y)×X
Zc=(L/Y)×ZA 式(1−1)
【0043】
制御部40は、算出した第2点P2のXZ座標(Xc,Zc)を、表示画面100のXsYs座標に変換する。この際、制御部40は、中央画面200の表示態様に応じたXsYs座標に変換する。例えば、制御部40は、式(2)によって、第2点P2のXZ座標(Xc,Zc)を、XsYs座標に変換する。
Xs=Xc×(C1/ZA)+C2
Ys=Zc×(C1/ZA)+C1 式(2)
【0044】
式(2)において、定数C1及び定数C2は、表示画面100の消失点のXsYs座標(
C2,
C1)に対応する。制御部40は、中央画面200の第2点P2のXsYs座標に、第2点P2に対応する画像(例えば、
図3に示す画像230)を表示させる。消失点のXsYs座標(
C2,
C1)、すなわち、定数C1及び定数C2を適宜調整することにより、中央画面200のプレーンビュー等の表示態様を適宜調整することができる。換言すると、中央画面200の表示態様は、定数C1及び定数C2に応じて変化する。式(2)において、(C1/ZA)の項は、拡大縮小成分ともいう。また、C1及びC2の項は、水平移動成分ともいう。一例として、制御部40は、取得部10によってユーザが入力した、表示部20の表示態様をプレーンビューに切替えるための入力、及び、表示部20の表示態様をバードビューに切替えるための入力を取得してよい。制御部40は、取得した入力に応じた定数C1及び定数C2を、式(2)に適宜代入することにより、表示部20の表示態様をプレーンビュー又はバードビューに適宜切替えることができる。
【0045】
式(1−1)及び式(2)において、Z座標(ZA)は、上述のように、A点すなわち車両1の位置から、XYZ座標系の原点Oまでの高さに対応する。ここで、XYZ座標系の原点Oは、運転者が、点Aに対応する自車両及び第1点P1に対応する他車両を、仮想スクリーンSを介して見る際の視点となり得る。車両1の位置からXYZ座標系の原点Oまでの高さ、すなわち、式(1)及式(2)のZ座標(ZA)を適宜調整することにより、中央画面200の表示態様を適宜調整することができる。例えば、A点すなわち車両1の位置とXYZ座標系の原点Oまでの高さが高くなるほど、運転者の視点が高くなり得る。つまり、A点すなわち車両1の位置とXYZ座標系の原点Oまでの高さが高いと、表示部20の表示態様は、バードビューとなり得る。また、A点すなわち車両1の位置とXYZ座標系の原点Oまでの高さが低くなるほど、運転者の視点が低くなり得る。つまり、A点すなわち車両1の位置とXYZ座標系の原点Oまでの高さが低いと、表示部20の表示態様は、プレーンビューとなり得る。一例として、制御部40は、取得部10によってユーザが入力した、表示部20の表示態様をプレーンビューに切替えるための入力、及び、表示部20の表示態様をバードビューに切替えるための入力に応じて、Z座標(ZA)を適宜調整してよい。
【0046】
XYZ座標系の原点Oは、車両1の後方側に位置してよい。また、XYZ座標系の原点Oは、車両1から離れた位置に設定されてよい。このような構成により、仮想スクリーンSは、車両1に対応する点Bを含み得る。つまり、
図3に示すように、中央画面200に、車両1に対応する画像240が表示され得る。
【0047】
なお、上述のように、XYZ座標系は、車両1を基準とする相対的な三次元座標である。そのため、XYZ座標系の原点Oと車両1を示す点Aとの間の位置関係は、一意的に固定され得る。従って、Y座標軸における原点Oと点Aとの間の距離は、一意的に固定され得る。Y座標軸における原点Oと点Aとの間の距離は、「距離LA」という。
【0048】
ところで、制御部40は、取得部10によって先進運転支援システム2から情報を、通信バス5を介して取得する。つまり、制御部40は、通信バス5の通信方式に応じた情報を取得する。通信バス5の通信方式に応じた情報は、表示部20の表示態様に応じた情報、すなわち、遠近法に対応済みの情報である場合がある。このような遠近法に対応済みの情報を、制御部40によって表示部20の中央画面200に、そのまま表示させようとすると、制御部40の演算負荷が大きくなる場合がある。
【0049】
そこで、制御部40は、先進運転支援システム2から取得した、車両1に対する物体の位置情報の一部を、XYZ座標系に一度変換する。さらに、制御部40は、XYZ座標系に一度変換した情報を、中央画面200のXsYs座標系に変換して表示部20の中央画面200に表示させる。このような構成により、先進運転支援システム2から取得した情報を中央画面200にそのまま表示させる場合よりも、制御部40の演算負荷が低減され得る。以下、この処理の詳細に説明する。まず、制御部40が先進運転支援システム2から取得する情報の一例を説明する。
【0050】
図6は、xPosition及びyPositionとXsYs座標系との対応関係を説明する図である。消失点Pvは、XsYs座標系に対応する消失点の位置である。点P3は、車両1の位置を示す。
【0051】
xPosition及びyPositionは、先進運転支援システム2によって生成される情報である。xPosition及びyPositionは、先進運転支援システム2から表示装置4へ送信され得る。
【0052】
xPositionは、車両1に対して左右の方向に存在する物体の位置を表すために用いられる。xPositionの範囲は、xPosition(MIN)〜xPosition(MAX)と記載する。xPositionの範囲の中央は、xPosition(MID)と記載する。一例として、xPositionの範囲は、xPosition(0)〜xPosition(120)であってよい。この場合、xPosition(MID)は、xPosition(60)となり得る。
【0053】
xPosition(MIN)は、車両1に対して最も左側に存在する物体の位置を表す。車両1が三車線道路の中央の道路を走行する場合、xPosition(MIN)は、当該三車線道路の左側の道路の中心に対応し得る。
【0054】
xPosition(MID)は、車両1の左右の方向において、車両1と同じ位置に存在する物体の位置を表す。xPosition(MID)は、車両1の位置に対応し得る。換言すると、車両1の位置を示す点P3は、xPosition(MID)上に位置する。車両1が三車線道路の中央の道路を走行する場合、xPosition(MID)は、当該三車線道路の中央の道路の中心に対応し得る。
【0055】
xPosition(MAX)は、車両1に対して最も右側に存在する物体の位置を表す。車両1が三車線道路の中央の道路を走行する場合、xPosition(MAX)は、当該三車線道路の右側の道路の中心に対応し得る。
【0056】
xPosition(n)は、xPosition(MIN)からXs座標軸の正方向に沿ってn番目(n:0以上の整数)に位置するxPositionである。
【0057】
yPositionは、車両1に対して前後の方向に存在する物体の位置を表すために用いられる。yPositionの範囲は、yPosition(MIN)〜yPosition(MAX)と記載する。yPositionの範囲の中央は、yPosition(MID)と記載する。yPosition(m)は、yPosition(MIN)からYs座標軸の正方向に沿ってm番目(m:0以上の整数)に位置するyPositionである。
【0058】
yPositionの刻み幅は、幅ΔYsである。幅ΔYsは、中央画面200をYs座標軸に沿ってN(N:0以上の整数)個に分割することにより、与えられる。この場合、yPosition(MIN)は、yPosition(0)となり得る。yPosition(MAX)は、yPosition(N−1)となり得る。一例として、Nは、256であってよい。Nが256である場合、yPosition(N−1)は、yPosition(255)となる。Nが256である場合、yPosition(MID)は、例えばyPosition(119)となる。
【0059】
yPosition(MIN)は、下画面120と中央画面200との境界線に対応し得る。yPosition(MAX)は、上画面110と中央画面200との境界線に対応し得る。yPosition(MID)は、車両1の位置に対応し得る。換言すると、車両1の位置を示す点P3は、yPosition(MID)上に位置する。
【0060】
図7は、xStepとXsYs座標系との対応関係を説明する図である。xStepは、先進運転支援システム2によって生成される情報である。xStepは、先進運転支援システム2から表示装置4へ送信され得る。
【0061】
xStepは、道路線の位置を表すために用いられる。xStepの範囲は、xStep(MIN)〜xStep(MAX)である。xStepの範囲の中央は、xStep(MID)である。xStepは、Xs座標軸に沿う方向において、幅ΔxStepで等間隔に並ぶ。一例として、xStepの範囲は、xStep(0)〜xStep(300)であってよい。この場合、xStep(MID)は、xStep(150)となり得る。また、xStepの範囲がxStep(0)〜xStep(300)である場合、幅ΔxStepは、例えば60であってよい。
【0062】
xStep(MID)は、Xs座標軸に沿う方向において、車両1の位置に固定される。xStep(MID−q)は、xStep(MID)からXs座標軸の負方向に沿ってq番目(q:0以上の整数)に位置するxStepである。xStep(MID+q)は、xStep(MID)からXs座標軸の正方向に沿ってq番目(q:0以上の整数)に位置するxStepである。
【0063】
xStep(MID−q)及びxStep(MID+q)は、xStep(MID)を基準とする。また、上述のように、xStep(MID)は、Xs座標軸に沿う方向において車両1の位置に固定される。そのため、車両1の位置に対する道路の傾き程度に応じては、xStep(MIN)及び/又はxStep(MAX)が中央画面200に表示されない場合がある。例えば、後述の
図16には、xStep(MIN)が表示されていない。これに対し、後述の
図17には、xStep(MIN)が表示されている。後述の
図17に示す構成では、後述の
図16に示す構成よりも、道路が右側に大きくカーブしている。
【0064】
[道路線の表示処理]
以下、制御部40が先進運転支援システム2から取得した情報に基づいて、道路線を中央画面200に表示させる際の処理について説明する。
【0065】
制御部40は、取得部10によって先進運転支援システム2から、道路状況の情報を取得する。上述のように、道路状況の情報は、道路の曲率半径R、道路線の種別、道路線の色、及び、道路線を構成する白線等の間隔、道路線に対応するxStepの情報を含み得る。さらに、制御部40は、先進運転支援システム2から、道路線を円又は直線の何れに近似するかの指示を、取得する。制御部40は、当該指示に基づいて、道路線を円又は直線の何れに近似する。道路線の円への近似を、
図8を参照して説明する。
【0066】
図8は、道路線の円への近似を説明する図である。
図8に示す構成は、車両1の上方からXY平面を見たときの構成に対応する。点Aは、車両1の位置を示す。範囲Cは、中央画面200に表示可能な範囲を示す。幅Wは、車線の幅を示す。
【0067】
制御部40は、車両1の進行方向に対して左側にカーブする道路線を、中心OL(XL,YL)の円として近似する。制御部40は、異なる道路線を、異なる半径の円として近似する。制御部40は、車両1から離れて位置する道路線ほど、当該道路線に応じた幅Wだけ、円の半径を小さくする。
【0068】
制御部40は、車両1の進行方向に対して右側にカーブする道路線を、中心OR(XR,YR)の円として近似する。制御部40は、異なる道路線を、異なる半径の円として近似する。制御部40は、車両1から離れて位置する道路線ほど、当該道路線に応じた幅Wだけ、円の半径を小さくする。
【0069】
制御部40は、左側の円の中心OL(XL,YL)と点Aとの間の距離、及び、右側の円の中心OR(XR,YR)と点Aとの間の距離が、曲率半径Rとなるようにする。また、制御部40は、左側の円の中心OLと点Aとを結ぶ線、及び、右側の円の中心ORと点Aとを結ぶ線が、X座標軸に略平行になるようにする。このような構成により、中心OLのX座標(XL)が座標(−R)となり、中心ORのX座標(XR)が座標(R)となる。また、中心OLのY座標(YL)及び中心ORのY座標(YR)は、原点Oから点Aまでの距離すなわち
図5に示す距離LAとなる。まとめると、中心OL(XL,YL)は、座標(−R,LA)となる。中心OR(XR,YR)は、座標(R,LA)となる。
【0070】
制御部40は、式(3)によって道路線を円に近似してよい。
(X−Xi)
2+(Y−Yi)
2=(R+r)
2
i=L,R 式(3)
【0071】
式(3)において、変数(Xi,Yi)は、円の中心座標である。i=Lのとき、変数(Xi,Yi)は、中心OL(XL,YL)となる。i=Rのとき、変数(Xi,Yi)は、中心OR(XR,YR)となる。曲率半径Rは、先進運転支援システム2から取得される道路の曲率半径Rである。差分rは、xStep毎に設定される。差分rは、xStepに対応する道路線と、道路の曲率半径Rとの差分である。
【0072】
制御部40は、取得部10によって車両1の他の構成要素から、道路線のX座標を数点取得する。制御部40は、取得した道路線のX座標を式(3)に代入する。さらに、制御部40は、先進運転支援システム2から取得したxStepに関連付けられた差分rを、記憶部30から取得する。制御部40は、記憶部30から取得した差分rと、先進運転支援システム2から取得した道路の曲率半径Rを式(3)に代入する。加えて、制御部40は、i=Rのとき、変数(Xi,Yi)に、中心OR(XR,YR)の座標すなわち(R,LA)を代入する。また、制御部40は、i=Lのとき、変数(Xi,Yi)に、中心OL(XL,YL)の座標すなわち(−R,LA)を代入する。このように各値を式(3)に代入していくことにより、制御部40は、道路線のY座標を取得する。このような構成により、制御部40は、
図9に示すような、XY平面上の道路線のXY座標を取得する。
【0073】
なお、制御部40は、道路線を直線に近似する場合、式(3)の曲率半径Rに、適宜設定される極限値(例えば、300000)を代入してよい。極限値は、運転者の視覚及び制御部40の演算負荷等を考慮して適宜設定されてよい。
【0074】
制御部40は、道路線のXY座標を取得すると、上述の式(1)によって、当該道路線のXY座標を仮想スクリーンSに投影させた際の座標を算出する。例えば、
図9に示すような道路線のXY座標が上述の式(1)によって仮想スクリーンSに投影させると、
図10又は
図11に示すような座標が算出される。さらに、制御部40は、算出した仮想スクリーンS上の座標を、上述の式(2)によって、中央画面200のXsYs座標に変換する。
図10又は
図11に示すような仮想スクリーンS上の座標が上述の式(2)によって変換されると、
図12又は
図13に示すような道路線が算出される。また、参考として、
図14及び
図15に、道路線を直線に近似した際の中央画面200の道路線の模式図を示す。
【0075】
制御部40は、中央画面200に道路線を表示させる際、先進運転支援システム2から取得した道路線の種別及び道路線の色に応じた道路線の画像を、表示させてよい。
【0076】
なお、制御部40は、
図3に示す画像220のような、道路線が複数のレーンマークによって構成される場合、各レーンマークの中央画面200における傾きを算出してよい。制御部40は、算出した傾きに応じたレーンマークの画像を、中央画面200に表示させてよい。制御部40は、各レーンマークの傾きを、後述の<他車両の傾きの算出処理>で説明するようにして、算出してよい。
【0077】
[他車両の表示処理]
以下、制御部40が先進運転支援システム2から取得した情報に基づいて、物体を中央画面200に表示させる際の処理について説明する。以下、物体は、他車両であるものとして説明する。
【0078】
制御部40は、取得部10によって先進運転支援システム2から、車両1の周辺物体の情報を取得する。上述のように、車両1の周辺物体の情報は、他車両の種類(車種)、他車両に対応するxPosition(n)及びyPosition(m)、及び、他車両に対応する曲率半径Rを含み得る。他車両が道路を走行することにより、他車両の軌跡は、道路の軌跡と一致し得る。そのため、車両1の周辺物体の情報に、他車両の曲率半径Rが含まれ得る。さらに、車両1の周辺物体の情報は、物体に対応するxStep(MID−q)又はxStep(MID+q)を含み得る。
【0079】
制御部40は、先進運転支援システム2からyPosition(m)に基づいて、他車両のYs座標を算出する。制御部40は、式(4)によって、他車両のYs座標を算出する。
Ys={(YsMAX−YsMIN)/N}+YsMIN 式(4)
【0080】
式(4)において、YsMAXは、
図6に示すyPosition(MAX)のYs座標である。YsMINは、
図6に示すyPosition(MIN)のYs座標である。変数Nは、
図6に示す幅ΔYsで中央画面200をYs座標軸に沿って分割する際の分割数Nである。
【0081】
制御部40は、算出した他車両のYs座標に基づいて、他車両のXYZ座標系のY座標を算出する。例えば、制御部40は、式(2)及び式(1)を逆変換することにより、他車両のXYZ座標系のY座標を算出する。
【0082】
制御部40は、算出した他車両のY座標に基づいて、他車両のXYZ座標系のX座標を算出する。例えば、制御部40は、記憶部30から、xStepに関連付けられた差分rを取得する。さらに、制御部40は、算出した他車両のXYZ座標系のY座標と、先進運転支援システム2から取得した物体に対応する曲率半径Rと、記憶部30から取得した差分rとを、式(3)に適用することにより、他車両のX座標を取得する。
【0083】
制御部40は、算出した他車両のXY座標に基づいて、他車両の中央画面200のXsYs座標を算出する。例えば、制御部40は、算出した他車両のXY座標を、式(1)及び式(2)に代入することにより、他車両の中央画面200のXsYs座標を算出する。
【0084】
<他車両の傾きの算出処理>
制御部40は、表示部20の表示態様に応じて情報に基づいて、例えばxStepの情報等に基づいて、中央画面200のXsYs座標系における他車両の傾きを算出する。他車両の傾きを算出することにより、制御部40は、他車両の傾きに応じた画像を、中央画面200に表示させることができる。
【0085】
図16は、他車両の傾きの算出処理を説明する図である。なお、上述のように、
図16には、xStep(MIN)が表示されていない。以下、レーンマークの傾きを算出する例を説明する。点P4は、レーンマークの位置を示す。以下、制御部40は、矢印P4aの傾きを算出することにより、点P4に対応するレーンマークの傾きを算出する。
【0086】
制御部40は、点P4に対応するxStep(MID−q)を、先進運転支援システム2から取得し得る。ここで、遠近法で表示される画像では、車両1の進行方向に沿って並ぶレーンマークは、消失点Pvに向けて収束する。そこで、制御部40は、点Pqと消失点Pvとを通る直線の式を算出することにより、点P4に対応するレーンマークの傾きを算出する。点Pqは、xStep(MID−q)のyPosition(MIN)における位置である。点Pqと消失点Pvとを通る直線の式が式(5)で与えられるものとする。この場合、制御部40は、点P4に対応するレーンマークの傾きを、式(5)の傾きαとして、傾きαを算出する。
Ys=αXs+β 式(5)
【0087】
式(5)において、傾きαは、点Pqと消失点Pvとを通る直線の傾きである。切片βは、点Pqと消失点Pvとを通る直線のXsYs座標系における切片である。
【0088】
次に、点PqのXsYs座標(XsQ,YsQ)を取得する方法について説明する。上述のように、xStepは、Xs座標軸に沿う方向において、幅ΔxStepで並ぶ。そこで、制御部40は、yPosition(MIN)上における幅ΔxStepを、Xs座標を単位として算出する。制御部40は、算出したXs座標と単位とする幅ΔxStepから、点PqのXs座標(XsQ)を算出する。
【0089】
図17は、xStepの座標の算出を説明する図である。上述のように、
図17に示す構成では、xStep(MIN)が表示されている。なお、
図17に示す構成では、xStep(MIN)からxStep(MID)までのxStepの数は、T個であるものとする。制御部40は、yPosition(MIN)上におけるxStep(MID)のXs座標と、yPosition(MIN)上におけるxStep(MIN)のXs座標とを取得する。制御部40は、取得したxStep(MID)のXs座標からxStep(MIN)のXs座標を減算し、減算した値をT個で除算することにより、yPosition(MIN)上における幅ΔxStepを、Xs座標を単位として算出する。
【0090】
制御部40は、算出したXs座標を単位とする幅ΔxStepに基づいて、点PqのXs座標を算出する。また、制御部40は、yPosition(MIN)のYs座標を、点PqのYs座標として取得する。このような構成により、制御部40は、点PqのXsYs座標(XsQ,YsQ)を取得する。
【0091】
制御部40は、点PqのXsYs座標(XsQ,YsQ)と、消失点PvのXsYs座標(XsV,YsV)とによって、式(5)の傾きαを算出する。なお、消失点PvのXsYs座標(XsV,YsV)は、中央画面200の表示態様がバードビューであるか又はプレーンビューであるかに応じて、決まり得る。制御部40は、式(6)によって傾きα及び切片βを算出する。
α=(YsV−YsQ)/(XsV−XsQ)
β=YsQ−α×XsQ 式(6)
【0092】
制御部40は、算出した傾きαを、他車両の傾きとする。制御部40は、記憶部30に格納される画像のうち、算出した傾きαに応じた画像を、選択する。例えば、記憶部30には、有限の数の、傾きに対応する画像が格納されているものとする。この場合、制御部40は、記憶部30に格納された有限の数の画像のうち、算出した傾きαに最も近い傾きに対応する画像を選択する。
【0093】
ところで、道路は、曲がっていることがある。この場合、制御部40は、yPosition(m)上に位置するxStep(MID−q)の点qmと、消失点Pvとを通る直線の傾きαmを算出してよい。さらに、制御部40は、yPosition(m−1)上に位置するxStep(MID−q)の点qm
−と、消失点Pvとを通る直線の傾きαm
−を算出してよい。また、制御部40は、yPosition(m+1)上に位置するxStep(MID−q)の点qm
+と、消失点Pvとを通る直線の傾きαm
+を算出してよい。加えて、制御部40は、傾きαm
−、傾きαm及び傾きαm
+と式(7)とによって、最小値αmin及び最大値αmaxを算出してよい。
αmin=(αm
−+αm)/2
αmax=(αm
++αm)/2 式(7)
【0094】
制御部40は、記憶部30に格納された有限の数の画像のうち、最小値αminと最大値αmaxとの範囲にある、傾きに関連する画像を適宜選択してよい。
【0095】
<拡大縮小率の算出処理>
制御部40は、中央画面200に他車両の画像を表示させる際の、当該画像の拡大縮小率を算出する。制御部40は、表示部20の表示態様に応じて情報に基づいて、例えばyPositionの情報等に基づいて、他車両の画像の拡大縮小率を算出する。制御部40は、車両1の画像(
図3に示す画像240)を基準として、他車両の拡大縮小率を算出する。
【0096】
図18は、拡大縮小率の算出処理を説明する図である。上述のように、車両1の位置を示す点P3は、yPosition(MID)上に位置する。領域201は、拡大された他車両の画像領域を示す。領域202は、縮小された他車両の画像領域を示す。拡大縮小率の算出することにより、中央画面200に、拡大又は縮小された他車両の画像が表示され得る。
【0097】
制御部40は、先進運転支援システム2から、他車両に対応するyPosition(m)を取得し得る。制御部40は、yPosition(m)上の道路の画像のXs座標に沿う長さを、yPosition(MID)上の道路の画像のXs座標に沿う長さで除算することにより、他車両の画像の拡大縮小率を算出する。制御部40は、式(8)で、画像の拡大縮小率γを算出してよい。
γ=(Xs5−Xs6)/(Xs7−Xs8) 式(8)
【0098】
式(8)において、変数Xs5は、点P5のXs座標である。点P5は、yPosition(m)上において、Xs座標軸の最も正方向側に位置する道路の位置を示す。変数Xs6は、点P6のXs座標である。点P6は、yPosition(m)上において、Xs座標軸の最も負方向側に位置する道路の位置を示す。変数Xs7は、点P7のXs座標である。点P7は、yPosition(MID)上において、Xs座標軸の最も正方向側に位置する道路の位置を示す。変数Xs8は、点P8のXs座標である。点P8は、yPosition(MID)上において、Xs座標軸の最も負方向側に位置する道路の位置を示す。
【0099】
[道路線の表示動作]
図19は、表示装置4の道路線の表示手順の動作の一例を示すフローチャートである。制御部40は、先進運転支援システム2との通信タイミングに応じて、
図19に示す処理を適宜開始してよい。
【0100】
ステップS10の処理において、制御部40は、取得部10によって先進運転支援システム2から、道路状況の情報を取得する。上述のように、道路状況の情報は、道路の曲率半径R、道路線の種別、道路線の色、及び、道路線を構成する白線等の間隔、道路線に対応するxStepの情報を含み得る。さらに、ステップS10の処理において、制御部40は、先進運転支援システム2から、道路線を円又は直線の何れに近似するかの指示を、取得する。
【0101】
ステップS11の処理において、制御部40は、取得部10によって車両1の他の構成要素から、道路線のX座標を数点取得する。
【0102】
ステップS12の処理において、制御部40は、ステップS10の処理で取得した道路状況の情報と、ステップS11の処理で取得した道路線のX座標とに基づいて、道路線のY座標を取得する。
【0103】
例えば、制御部40は、ステップS10の処理において道路線を円に近似するとの指示を取得しているものとする。この場合、ステップS12の処理において、制御部40は、xStepに関連付けられた差分rを、記憶部30から取得する。さらに、制御部40は、上述の式(3)に、ステップS11の処理で取得したX座標と、道路の曲率半径Rと、差分rとを適用することにより、道路線のY座標を算出する。
【0104】
例えば、制御部40は、ステップS10の処理において道路線を直線に近似するとの指示を取得しているものとする。この場合、ステップS12の処理において、制御部40は、上述の式(3)の曲率半径Rに、適宜設定される極限値(例えば、300000)を代入する。
【0105】
ステップS13の処理において、制御部40は、道路線のXY座標を、上述の式(1)によって仮想スクリーンS上の座標に変換する。
【0106】
ステップS14の処理において、制御部40は、ステップS13の処理で変換した座標を、上述の式(2)によって中央画面200のXsYs座標に変換する。
【0107】
ステップS15の処理において、制御部40は、ステップS14で取得した道路線のXsYs座標に基づいて、中央画面200に道路線を表示させる。ステップS15の処理において、制御部40は、ステップS10の処理で取得した道路線の種別及び道路線の色に応じた道路線の画像を、表示させてよい。
【0108】
なお、制御部40は、道路線が複数のレーンマークによって構成される場合、各レーンマークの中央画面200における傾きを算出してよい。この場合、制御部40は、ステップS11〜S15の処理の間に、
図20に示すステップS25の処理を実行することにより、レーンマークの傾きを算出してよい。制御部40は、傾きに応じたレーンマークの画像を、ステップS15の処理において中央画面200に表示させてよい。
【0109】
[他車両の表示動作]
図20は、表示装置4の他車両の表示手順の動作の一例を示すフローチャートである。制御部40は、先進運転支援システム2との通信タイミングに応じて、
図20に示す処理を適宜開始してよい。制御部40は、
図19に示す処理と並行して、
図20に示す処理を実行してよい。
【0110】
ステップS20の処理において、制御部40は、取得部10によって先進運転支援システム2から、車両1の周辺物体の情報を取得する。上述のように、車両1の周辺物体の情報は、他車両の種類(車種)、他車両に対応するxPosition(n)及びyPosition(m)、及び、他車両に対応する曲率半径Rを含み得る。
【0111】
ステップS21の処理において、制御部40は、先進運転支援システム2からyPosition(m)に基づいて、他車両のYs座標を算出する。例えば、制御部40は、上述の式(4)によって、他車両のYs座標を算出する。
【0112】
ステップS22の処理において、制御部40は、ステップS21の処理で算出した他車両のYs座標に基づいて、他車両のXYZ座標系のY座標を算出する。例えば、制御部40は、上述の式(2)及び式(1)を逆変換することにより、他車両のXYZ座標系のY座標を算出する。
【0113】
ステップS23の処理において、制御部40は、ステップS22の処理で算出した他車両のY座標に基づいて、他車両のXYZ座標系のX座標を算出する。例えば、制御部40は、記憶部30から、xStepに関連付けられた差分rを取得する。さらに、制御部40は、算出した他車両のXYZ座標系のY座標と、先進運転支援システム2から取得した物体に対応する曲率半径Rと、記憶部30から取得した差分rとを、式(3)に適用することにより、他車両のX座標を取得する。
【0114】
ステップS24の処理において、制御部40は、ステップS22,S23の処理で算出した他車両のXY座標に基づいて、中央画面200のXsYs座標系における他車両のXsYs座標を算出する。例えば、制御部40は、他車両のXY座標を、上述の式(1)及び式(2)に代入することにより、中央画面200のXsYs座標系における他車両のXsYs座標を算出する。
【0115】
ステップS25の処理において、制御部40は、中央画面200のXsYs座標系における他車両の傾きを算出する。
【0116】
ステップS26の処理において、制御部40は、中央画面200に他車両の画像を表示させる際の、当該画像の拡大縮小率を算出する。
【0117】
ステップS27の処理において、制御部40は、他車両の画像を、中央画面200に表示させる。例えば、制御部40は、記憶部30から、ステップS20の処理において取得した車種、及び、ステップS25の処理で算出した傾きに応じた、画像を選択する。制御部40は、記憶部30から選択した画像を、ステップS26の処理で算出した拡大縮小率に応じて、拡大縮小する。制御部40は、拡大縮小した画像を、中央画面200に表示させる。
【0118】
以上のように、本実施形態に係る表示装置4では、制御部40は、
図4を参照して上述にしたように、XYZ座標系の物体の第1点P1を仮想スクリーンSに投影させた第2点P2の座標を算出する。さらに、制御部40は、算出した第2点P2の座標を、表示部20に応じたXsYs座標系に変換して中央画面200に表示させる。このような構成により、本実施形態では、より容易に、他車両等の物体を透視図的に表示可能な、表示装置4及び表示方法が提供され得る。
【0119】
本開示に係る一実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段等を1つに組み合わせたり、或いは、分割したりすることが可能である。
【0120】
例えば、上述の実施形態では、制御部40が、道路上に存在する他車両等の物体を、表示部20の中央画面200に表示させる例を説明した。ただし、表示部20の中央画面200に表示可能な物体は、道路上に存在する物体に限定されない。上述の表示装置4は、飛行機のような、道路から浮いている物体も表示することができる。この構成の一例を、
図21を参照して説明する。
【0121】
図21は、表示装置4の応用例を説明する図である。第1点P9は、飛行機の位置を示す。第2点P10は、XYZ座標系の原点Oから第1点P9を見たときに、第1点P9が仮想スクリーンSに投影される点である。
【0122】
制御部40は、上述の式(1)の(X,Y,Z)に、第1点P9のXYZ座標を代入することにより、第2点P2のX座標及びZ座標を算出することができる。制御部40は、上述の式(2)によって、第2点P2のX座標及びZ座標を、中央画面200のXsYz座標に変換することができる。このような構成により、表示装置4は、第1点P9に対応する飛行機を、中央画面200に表示させることができる。
【解決手段】車両1に搭載される表示装置4は、表示部20及び制御部40を備える。XYZ座標系は、車両1を基準とする相対的な三次元座標系である。XYZ座標系は、車両1の幅方向に略平行なX座標軸と、車両1の後部から車両の前部に向かう方向に略平行なY座標軸と、車両1の高さ方向に略平行なZ座標軸とから成る。仮想スクリーンSは、XYZ座標系の原点OからY座標軸に沿って所定長L離れ、且つ、X座標軸及びZ座標軸から成るXZ平面に略平行な二次元平面である。制御部40は、XYZ座標系の第1点P1を仮想スクリーンSに投影させた第2点P2の座標を算出する。制御部40は、算出した第2点P2の座標を、表示部20の表示態様に応じた座標に変換し、変換した座標に第2点に対応する画像を表示させる。