(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記最外部ラッパーが、前記金属化基体の前記金属層の外表面の少なくとも一部分上に表面被覆をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の概要】
【0011】
本発明によると、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りにある最外部ラッパーとを備え、最外部ラッパーの外表面がエアロゾル発生物品の外表面の少なくとも一部を形成し、最外部ラッパーが、基体層および基体層の半径方向外向きに金属層を含む金属化基体を備え、金属層が約100ナノメートル以下の厚さを有する、エアロゾル発生物品が提供されている。
【0012】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「遠位」、「上流」および「前方」、ならびに「近位」、「下流」および「後方」という用語は、エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の相対的位置を説明するために使用される。エアロゾル発生物品は、使用時ユーザーに送達するためにエアロゾルがエアロゾル発生物品を抜け出る近位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端は口側の端と呼ばれることもある。使用時に、エアロゾル発生物品によって生成されたエアロゾルを吸い込むために、ユーザーはエアロゾル発生物品の近位端を吸い込む。
【0013】
エアロゾル発生物品は、遠位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端は、エアロゾル発生物品の遠位端の下流にある。また、エアロゾル発生物品の近位端は、エアロゾル発生物品の下流端として言及してもよく、エアロゾル発生物品の遠位端はまた、エアロゾル発生物品の上流端として言及してもよい。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生物品の近位端とエアロゾル発生物品の遠位端との間のこれらの相対的位置に基づき互いの上流または下流にあると説明されうる。
【0014】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「長軸方向」および「軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の近位端と遠位端との間の方向を説明するために使用される。
【0015】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、エアロゾル発生物品の構成要素、または構成要素の部分のエアロゾル発生物品の長軸方向における最大寸法を説明するために使用される。それは、エアロゾル発生物品の近位端と遠位端との間の方向における最大寸法である。
【0016】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「横断方向」および「半径方向」という用語は、長軸方向に対して垂直な方向を記述するために使用される。それは、エアロゾル発生物品の近位端と遠位端との間の方向に対して垂直な方向である。
【0017】
本発明に関連して本明細書に使用される「直径」という用語は、エアロゾル発生物品の横断方向での最大寸法を示す。
【0018】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物の加熱に応じて放出することができるエアロゾル形成材料を含む基体を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粉は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の小滴を含んでもよい。
【0019】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「最外部ラッパー」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りの半径方向に最も外側のラッパーを記述するために使用される。
【0020】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周りに、エアロゾル形成基体の周りの全ての最外部ラッパーの半径方向外向きにある追加的なラッパーを備えない。すなわち、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周りに、エアロゾル形成基体の周りの全ての最外部ラッパーの上にある追加的なラッパーを備えない。
【0021】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周りに、エアロゾル形成基体の周りの最外部ラッパーの一部分の半径方向外向きにある一つまたは複数の追加的なラッパーをさらに備えてもよい。すなわち、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周りに、エアロゾル形成基体の最外部ラッパーの一部分の上にある一つまたは複数の追加的なラッパーを備えてもよい。
【0022】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周りに、最外部ラッパーの半径方向外向きにある追加的なラッパーを備えないことが有利である。すなわち、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周りに、最外部ラッパーの上にある追加的なラッパーを備えないことが有利である。
【0023】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「外表面」という用語は、エアロゾル発生物品の半径方向に最も外側の表面、またはエアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の半径方向に最も外側の表面を記述するために使用される。
【0024】
最外部ラッパーは、エアロゾル発生物品の一つまたは複数の追加的な構成要素の周りにあってもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の一つまたは複数の追加的な構成要素の周りに、最外部ラッパーの半径方向外向きにある一つまたは複数の追加的なラッパーを備えてもよい。
【0025】
エアロゾル発生物品は、最外部ラッパーの半径方向内向きに一つまたは複数の追加的なラッパーを備えてもよい。すなわち、エアロゾル発生物品は、最外部ラッパーの下にある一つまたは複数の追加的なラッパーを備えてもよい。
【0026】
最外部ラッパーは、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りにある。すなわち、最外部ラッパーは、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の上にある。
【0027】
最外部ラッパーはエアロゾル形成基体の全長の周りにあることが有利である。すなわち、最外部ラッパーはエアロゾル形成基体の全長の上にある。
【0028】
紙ラッパーは通常、高い放射率を有する。エアロゾル形成基体の周りに最外部紙ラッパーを備える加熱式エアロゾル発生物品では、紙ラッパーの高い放射率は不都合なことにエアロゾル発生物品からの放射熱損失につながりうる。上述した通り、こうした熱損失は、不都合なことにエアロゾル形成基体の温度が所望の範囲外に低下し、それによって、エアロゾル発生物品の性能に影響を与えるおそれがある。
【0029】
金属ラッパーは通常、低い放射率を有する。しかし、金属ラッパーは一般に、高い熱拡散率も有する。エアロゾル形成基体の周りに最外部金属ラッパーを備える加熱式エアロゾル発生物品では、金属ラッパーの高い熱拡散率は、不都合なことにエアロゾル発生物品のその他の構成要素に伝導性熱損失をもたらしうる。こうした熱損失もまた、不都合なことにエアロゾル形成基体の温度が所望の範囲外に低下し、それによって、エアロゾル発生物品の性能に影響を与えるおそれがある。
【0030】
エアロゾル基体の少なくとも一部分の周りに、基体層および基体層の半径方向外向きに約100ナノメートル以下の厚さを有する金属層を含む金属化基体を備える最外部ラッパーを提供することによって、有利なことに、放射損失および伝導性熱損失の両方が低減されることが分かっている。
【0031】
エアロゾル基体の少なくとも一部分の周りにこうした最外部ラッパーを提供することは、有利なことに、エアロゾル基体の温度を望ましい温度範囲内でより良く維持するのに役立つ。これは、エアロゾル形成基体からのエアロゾルの生成を有利に改善することにつながる。
【0032】
こうした最外部ラッパーの提供は、熱源から伝達された熱をより効果的に使用して、エアロゾル形成基体を望ましい温度に加熱するのに有利に役立つ。こうした最外部ラッパーの提供はまた、有利なことに、エアロゾル形成基体の温度をより高いレベルで維持するのに役立つ。こうした最外部ラッパーの提供は、ユーザーへのエアロゾルの全体的な送達を著しく増大させうる。
【0033】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「金属化基体」という用語は、蒸着により金属層で被覆される基体を記述するために使用される。
【0034】
金属化基体の金属層は、物理的蒸着によって形成されることが有利である。
【0035】
金属化基体の金属層は、約100ナノメートル以下の厚さを有する。
【0036】
理論に束縛されることは望まないが、金属化基体の金属層は、他の金属ラッパーと比較して低い熱拡散率を有すると考えられる。
【0037】
これにより、有利なことに、本発明によるエアロゾル発生物品の最外部ラッパーを通して伝導される熱が、エアロゾル形成基体の周りに、著しく高い熱拡散率を有する、例えば、500ナノメートル以上の厚さを有する最外部金属ラッパーを含むエアロゾル発生物品よりも少なくなる。
【0038】
金属化基体の金属層は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定される場合に約100ナノメートル以下の厚さを有利に有する。
【0039】
金属化基体の金属層は、有利なことに、約80ナノメートル以下、約60ナノメートル以下、約40ナノメートル以下、または約25ナノメートル以下の厚さを有してもよい。
【0040】
金属化基体の金属層は、有利なことに、約2ナノメートル以上、約5ナノメートル以上、約10ナノメートル以上、または約15ナノメートル以上の厚さを有してもよい。
【0041】
金属化基体の金属層は、約2ナノメートル〜約100ナノメートル、約2ナノメートル〜約80ナノメートル、約2ナノメートル〜約60ナノメートル、約2ナノメートル〜約40ナノメートル、または約2ナノメートル〜約25ナノメートルの厚さを有してもよい。
【0042】
金属化基体の金属層は、約5ナノメートル〜約100ナノメートル、約5ナノメートル〜約80ナノメートル、約5ナノメートル〜約60ナノメートル、約5ナノメートル〜約40ナノメートル、または約5ナノメートル〜約25ナノメートルの厚さを有してもよい。
【0043】
金属化基体の金属層は、約10ナノメートル〜約100ナノメートル、約10ナノメートル〜約80ナノメートル、約10ナノメートル〜約60ナノメートル、約10ナノメートル〜約40ナノメートル、または約5ナノメートル〜約25ナノメートルの厚さを有してもよい。
【0044】
金属化基体の金属層は、約15ナノメートル〜約100ナノメートル、約15ナノメートル〜約80ナノメートル、約15ナノメートル〜約60ナノメートル、約15ナノメートル〜約40ナノメートル、または約5ナノメートル〜約25ナノメートルの厚さを有してもよい。
【0045】
金属層の重さは、約0.02グラム/平方メートル〜約1グラム/平方メートルとしうる。
【0046】
金属化基体の金属層は、任意の適切な金属から形成されてもよい。例えば、金属化層は、アルミニウム、クロム、銅、金、ニッケル、銀またはスズから形成されうる。
【0047】
金属化基体の金属層はアルミニウム層であることが有利である。
【0048】
金属化基体の金属層は、金属化基体の基体層の半径方向外向きにある。
【0049】
金属化基体の基体層は非金属層である。すなわち、金属化基体の基体層は金属層または合金層ではない。
【0050】
金属化基体の基体層は、有利なことに、約120マイクロメートル以下、約100マイクロメートル以下、または約80マイクロメートル以下の厚さを有してもよい。
【0051】
金属化基体の基体層は、有利なことに、約10マイクロメートル以上、約20マイクロメートル以上、または約40マイクロメートル以上の厚さを有してもよい。
【0052】
金属化基体の基体層は、約10マイクロメートル〜約120マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約100マイクロメートル、または約10マイクロメートル〜約80マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0053】
金属化基体の基体層は、約20マイクロメートル〜約120マイクロメートル、約20マイクロメートル〜約100マイクロメートル、または約20マイクロメートル〜約80マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0054】
金属化基体の基体層は、約40マイクロメートル〜約120マイクロメートル、約40マイクロメートル〜約100マイクロメートル、または約40マイクロメートル〜約80マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0055】
金属化基体の基体層は、任意の適切な基体材料から形成されてもよい。例えば、基体層は、紙または高分子材料から形成されてもよい。
【0056】
有利なことに、金属化基体の基体層は紙層である。
【0057】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「紙層」という用語は、セルロース系繊維から形成される層を記述するために使用される。
【0058】
紙層は約25グラム/平方メートル〜約120グラム/平方メートル、または約35グラム/平方メートル〜約60グラム/平方メートルの坪量を有してよい。
【0059】
最外部ラッパーの外表面は、ISO 18434−1に記載されている試験手順に従って測定される場合に、23℃で約0.6以下の放射率、および50%の相対湿度を有することが有利である。
【0060】
試験方法では、既知の放射率を持つ標準物質を用いて、試料物質の未知の放射率を算出する。具体的には、標準物質を試料物質の一部分の上に塗布し、両方の物質を100℃の温度まで加熱する。次いで、標準物質の表面温度を赤外線カメラを用いて測定し、カメラシステムを標準物質の周知の放射率を用いて較正する。適切な標準物質は、Scotch(登録商標)33 Black Electrical Tapeなどの黒色ポリ塩化ビニルの電気絶縁テープであり、その放射率値は0.95である。システムが標準物質を用いて較正されると、赤外線カメラが再配置されて試料物質の表面温度を測定する。測定された試料物質の表面温度が、標準物質の表面温度と同一である実際の試料物質の表面温度と一致するまで、システムの放射率値を調整する。測定された表面温度が実施の表面温度と一致する放射率値が、試料物質の真の放射率値である。
【0061】
放射率は、熱放射としてのエネルギー放射における表面の有効性の尺度である。
【0062】
約0.6未満の放射率を有する外表面を備える最外部ラッパーを含めることにより、有利なことに、最外部ラッパーを介したエアロゾル発生物品からの放射熱損失が減少しうる。
【0063】
最外部ラッパーの外表面は、約0.5以下、または約0.4以下の放射率を有することが有利である。
【0064】
最外部ラッパーの外表面は、約0.1以上、または約0.2以上の放射率を有することが有利である。
【0065】
最外部ラッパーの外表面は、約0.1〜約0.6、約0.1〜約0.5、または約0.1〜約0.4の放射率を有してもよい。
【0066】
最外部ラッパーの外表面は、約0.2〜約0.6、約0.2〜約0.5、または約0.2〜約0.4の放射率を有してもよい。
【0067】
金属化基体の金属層の外表面は、最外部ラッパーの外表面の少なくとも一部を形成してもよい。
【0068】
金属化基体の金属層は、内部表面および外表面を有する。
【0069】
金属化基体の金属層の内部表面は、金属化基体の基体層に向かって面する。
【0070】
金属化基体の金属層の外表面は、金属化基体の基体層に背いて面する。
【0071】
最外部ラッパーの金属化基体の金属層の外表面は、エアロゾル発生物品の外表面の少なくとも一部を形成しうる。こうした実施形態では、金属化基体の金属層の外表面は、エアロゾル発生物品の外部上で可視的である。
【0072】
最外部ラッパーは、金属化基体の金属層の外表面の少なくとも一部分上に表面被覆をさらに含みうる。
【0073】
金属化基体の金属層の外表面の少なくとも一部分上に表面被覆を提供することは、有利なことに、エアロゾル発生物品の熱特性のさらなる管理を可能にしうる。
【0074】
表面被覆は、最外部ラッパーの外表面の少なくとも一部を形成しうる。
【0075】
表面被覆は、最外部ラッパーの外表面に所望の放射率を提供するよう有利に選択されうる。
【0076】
表面被覆は、エアロゾル発生物品の外表面の少なくとも一部を形成しうる。こうした実施形態では、表面被覆はエアロゾル発生物品の外部上で可視的である。
【0077】
表面被覆は、有利なことに、エアロゾル発生物品の外部に所望の外観を提供するよう選択されうる。
【0078】
表面被覆は、一つまたは複数の適切な材料から形成されうる。
【0079】
表面被覆は、一つまたは複数の無機材料を含むことが有利である。
【0080】
表面被覆は、少なくとも約300°Cまたは少なくとも約400°Cまで熱的に安定した一つまたは複数の無機材料を含むことがより有利である。
【0081】
一定の実施形態では、表面被覆は、黒鉛、金属酸化物および金属炭酸塩から成る群から選択される一つまたは複数の無機材料を含む。
【0082】
例えば、表面被覆は、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化鉄から選択される一つまたは複数の金属酸化物を含みうる。
【0083】
一定の好ましい実施形態では、表面被覆は炭酸カルシウムを含む。
【0084】
表面被覆は、金属化基体の金属層の外表面の一つまたは複数の部分上に提供されてもよい。
【0085】
表面被覆は、金属化基体の金属層の実質的に外表面全体に提供されてもよい。
【0086】
表面被覆は、実質的に連続した被覆であってもよい。
【0087】
表面被覆は、不連続な被覆であってもよい。
【0088】
表面被覆は、エアロゾル発生物品の組み立て後に、金属化基体の金属層の外表面に塗布されてもよい。
【0089】
表面被覆は、エアロゾル発生物品の組み立て前に、金属化基体容器の金属層の外表面に塗布されることが有利である。
【0090】
表面被覆は、任意の適切な方法によって金属化基体の金属層の外表面に塗布されてもよい。例えば、表面被覆は、金属化基体の金属層の外表面上に表面被覆組成物をブラッシング、吹き付け、圧延または印刷することによって、金属化基体の金属層に塗布されてもよい。
【0091】
例えば、表面被覆は、金属化基体の金属層の外表面上に表面被覆組成物をグラビア印刷または輪転グラビア印刷、フレキソ印刷、リソグラフ印刷、オフセット印刷、またはスクリーン印刷することによって、金属化基体の金属層の外表面に塗布されてもよい。
【0092】
表面被覆組成物は結合剤を含んでもよい。
【0093】
表面被覆組成物は、セルロース系結合剤または非セルロース系結合剤を含みうる。例えば、表面被覆は、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシルエチルセルロースから成る群から選択される一つまたは複数のセルロース系結合剤を含みうる。
【0094】
表面被覆組成物は溶媒を含んでもよい。
【0095】
表面被覆組成物は、水溶媒または非水性溶媒を含んでもよい。例えば、表面被覆組成物は、水またはイソプロパノールを含んでもよい。
【0096】
金属化基体の金属層の外表面上の表面被覆の重さは、例えば、約0.5グラム/平方メートル〜約5グラム/平方メートルとしうる。
【0097】
金属化基体の金属層の外表面上の表面被覆の厚さは、例えば、約0.5マイクロメートル〜約2マイクロメートルとしうる。
【0098】
金属化基体の金属層の外表面上の表面被覆の組成物、量および厚さは、所望の放射率を達成するよう選択されうる。
【0099】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体を含むエアロゾル形成材料を備えることが有利である。
【0100】
エアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度で実質的に熱劣化に対する耐性のある、任意の適切な化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ−、ジ−またはトリアセテートなど)、およびモノ−、ジ−またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0101】
有利には、エアロゾル形成体は、一つまたは複数の多価アルコールを含む。
【0102】
より有利には、エアロゾル形成体はグリセリンを含む。
【0103】
エアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。
【0104】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0105】
エアロゾル形成基体はニコチンを含む場合がある。
【0106】
エアロゾル形成基体はたばこ材料を含んでもよい。
【0107】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「たばこ材料」という用語は、たばこ葉、たばこリブ、たばこ茎、たばこ幹、たばこダスト、膨化たばこ、再構成たばこ材料、および均質化したたばこ材料を含むが、それらに限定されないたばこを含む何らかの材料を説明するために使用される。
【0108】
たばこ材料は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片、シート、またはそれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。
【0109】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含むことが有利である。
【0110】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を説明するために使用される。
【0111】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含むことが有利である。
【0112】
一定の実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化されたたばこ材料のシートの集合体を含むロッドを備える。
【0113】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料と、エアロゾル形成材料の周りにあり、かつそれと接触するラッパーとを備えうる。
【0114】
ラッパーは、エアロゾル形成材料に巻かれて、エアロゾル形成基体を形成することが可能な任意の適切なシート材料から形成されうる。
【0115】
一定の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含むロッド、およびたばこ材料の周りにあり、かつそれと接触するラッパーを備える。
【0116】
本発明に関連して本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円柱状の要素を示すために使用される。
【0117】
本発明に関連して本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりもかなり大きい幅および長さを有する薄層状の要素を説明するために使用される。
【0118】
本発明に関連して本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横断方向に圧縮され、または収縮したシートを説明するために使用される。
【0119】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含むことが有利である。
【0120】
本発明に関連して本明細書で使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを説明するために使用される。
【0121】
均質化したたばこ材料のきめのあるシートの使用は、均質化したたばこ材料シートの集結を有利に容易にしてエアロゾル形成基体を形成してもよい。
【0122】
エアロゾル形成基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの任意の組み合わせを含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
【0123】
一定の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。
【0124】
本発明に関連して本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波型形状を有するシートを説明するために使用される。
【0125】
エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、実質的に平行な隆起または波型形状は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延在することが有利である。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にして、エアロゾル形成基体を形成する。
【0126】
しかし、本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートが、あるいはまたはさらに、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行な隆起または波型形状を有してもよいことが認識される。
【0127】
エアロゾル形成基体は実質的に円柱状であることが好ましい。
【0128】
エアロゾル形成基体は、約5ミリメートル〜約20ミリメートルの長さ、例えば、約6ミリメートル〜約15ミリメートルの長さ、または約7ミリメートル〜約12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0129】
エアロゾル形成基体は、約5ミリメートル〜約9ミリメートルの直径、例えば約7ミリメートル〜約8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0130】
エアロゾル発生物品は、最外部ラッパーの半径方向内向きに熱伝導性要素をさらに含むことが有利である。
【0131】
熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りあることが有利である。こうした実施形態では、熱伝導性要素は、伝導によって、エアロゾル形成基体の周辺部に熱を伝達する。
【0132】
熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りにあり、かつそれと接触することがより有利である。このことは、有利なことに、エアロゾル形成基体の周辺への伝導性熱伝達を容易にしうる。
【0133】
熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の全長の周りにあってもよい。すなわち、熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の全長の上にあってもよい。
【0134】
熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の後方部分の周りにないないことが有利である。すなわち、エアロゾル形成基体は、熱伝導性要素を越えて下流方向に長軸方向に延在することが有利である。
【0135】
エアロゾル形成基体は、熱伝導性要素を越えて下流方向に長軸方向に少なくとも約3ミリメートル延在することが有利である。
【0136】
有利には、熱伝導性要素は不燃性である。
【0137】
熱伝導性要素は酸素制限性であってもよい。言い換えれば、熱伝導性要素は、熱伝導性要素を通る酸素の通路を阻害または妨碍しうる。
【0138】
熱伝導性要素は、任意の適切な熱伝導性材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。
【0139】
熱伝導性要素は、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される時に、23°Cおよび50%の相対湿度にて、約10ワット毎メートル毎ケルビン(W/(m・K))〜約500ワット毎メートル毎ケルビン(W/(m・K))であることが好ましく、約15ワット毎メートル毎ケルビン(W/(m・K))〜約400ワット毎メートル毎ケルビン(W/(m・K))のバルク熱伝導率を有する一つまたは複数の熱伝導性材料を含むことがより好ましい。
【0140】
熱伝導性要素は、一つまたは複数の金属、一つまたは複数の合金、または一つまたは複数の金属および一または複数の合金の組み合わせを含むことが有利である。
【0141】
適切な熱伝導性材料は当技術分野で周知であり、例えばアルミ箔、鉄箔および銅箔などの金属箔、および例えばスチール箔などの合金箔を含むが、これらに限定されない。
【0142】
熱伝導性要素は、アルミ箔を含むことが有利である。
【0143】
熱伝導性要素はサセプタであってもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、変動または交流電磁場を生成するためのインダクタを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するように構成されうる。
【0144】
こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、使用時に、インダクタにより生成された変動または交流電磁場が、抵抗損失(ジュール加熱)およびヒステリシス損失(サセプタが磁性である場合)のうち一方または両方の結果としてサセプタの加熱を引き起こすサセプタにおける渦電流を誘発するように、エアロゾル発生装置と連動する。サセプタ内に生成された熱は、伝導によりエアロゾル形成基体に伝達される。
【0145】
本発明によると、最外部ラッパーの半径方向内向きに熱伝導性要素をさらに含む本発明によるエアロゾル発生物品と、ここで熱伝導性要素はサセプタであり、変動または交流電磁場を生成するためのインダクタを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システムも提供される。
【0146】
以下にさらに説明するように、その他の実施形態では、エアロゾル発生物品は可燃性熱源を備えうる。こうした実施形態では、熱伝導性要素は、伝導によって、可燃性熱源からエアロゾル形成基体に熱を伝達する。
【0147】
最外部ラッパーは、熱伝導性要素の少なくとも一部分の周りにあることが有利である。すなわち、最外部ラッパーは熱伝導性要素の少なくとも一部分の上にある。こうした実施形態では、熱伝導性要素は、最外部ラッパーの金属化基体の基体層によって最外部ラッパーの金属化基体の金属層から半径方向に分離される。
【0148】
エアロゾル発生物品は、熱伝導性要素と最外部ラッパーとの間に一つまたは複数の追加的なラッパーをさらに備えてもよい。こうした実施形態では、熱伝導性要素は、一つまたは複数の追加的なラッパーおよび金属化基体の基体層によって、最外部ラッパーの金属化基体の金属層から半径方向に分離される。
【0149】
最外部ラッパーは、エアロゾル発生物品の長さに沿って熱伝導性要素と実質的に同一の位置まで上流方向に長軸方向に延在しうる。こうした実施形態では、最外部ラッパーおよび熱伝導性要素の上流端は実質的に整列される。
【0150】
最外部ラッパーは、エアロゾル発生物品の長さに沿って熱伝導性要素と実質的に同一の位置まで下流方向に長軸方向に延在しうる。こうした実施形態では、最外部ラッパーおよび熱伝導性要素の下流端は実質的に整列される。
【0151】
最外部ラッパーは、エアロゾル発生物品の長さに沿って熱伝導性要素と実質的に同一の位置まで上流方向および下流方向の両方に長軸方向に延在しうる。こうした実施形態では、最外部ラッパーおよび熱伝導性要素の上流端が実質的に整列され、最外部ラッパーおよび熱伝導性要素の下流端が実質的に整列され、最外部ラッパーが熱伝導性要素の真上にある。
【0152】
最外部ラッパーは、第一の熱伝導性要素を越えて上流方向および下流方向の一方または両方に長軸方向に延在してもよい。
【0153】
熱伝導性要素は、最外部ラッパーを越えて上流方向および下流方向の一方または両方に長軸方向に延在してもよい。
【0154】
最外部ラッパーの金属化基体は、有利なことに、熱伝導性要素からの熱損失を減少しうる。
【0155】
熱伝導性要素からの熱損失を減少することによって、最外部ラッパーの金属化基体は、有利なことに、所望の温度範囲内で熱伝導性要素の温度をより良く維持するのを助けうる。
【0156】
エアロゾル発生物品は、熱源をさらに備えてもよい。
【0157】
熱源は、例えば、ヒートシンク、化学的熱源、電気的熱源、または可燃性熱源であってもよい。
【0158】
本発明の一つの好ましい態様によれば、可燃性熱源と、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りにある最外部ラッパーとを備え、最外部ラッパーの外表面がエアロゾル発生物品の外表面の少なくとも一部を形成し、最外部ラッパーが、基体層および基体層の半径方向外向きに金属層を含む金属化基体を含み、金属層が約100ナノメートル以下の厚さを有する、エアロゾル発生物品が提供される。
【0159】
可燃性熱源は、固体の可燃性熱源であることが好ましい。
【0160】
可燃性熱源は、モノシリックな固体の可燃性熱源であることがより好ましい。すなわち、一体型の固体の可燃性熱源である。
【0161】
可燃性熱源は実質的に円柱状であることが有利である。
【0162】
可燃性熱源は、約7ミリメートル〜約17ミリメートルの長さ、例えば約7ミリメートル〜約15ミリメートルの長さ、または約7ミリメートル〜約13ミリメートルの長さを有してもよい。
【0163】
可燃性熱源は、約5ミリメートル〜約9ミリメートルの直径、例えば約7ミリメートル〜約8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0164】
可燃性熱源は可燃性炭素質熱源であることが有利である。
【0165】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「炭素質」という用語は、炭素を含む可燃性熱源を記述するために使用される。
【0166】
可燃性炭素質熱源は、カーボン化された材料を含むことが有利である。
【0167】
可燃性炭素質熱源の炭素含有量は、可燃性炭素質熱源の乾燥重量の少なくとも約35パーセントであることが有利である。
【0168】
可燃性炭素質熱源は、可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約40パーセント、または可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約45パーセントの炭素含有量を有してもよい。
【0169】
可燃性炭素質熱源は可燃性炭素ベース熱源であってもよい。
【0170】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「炭素ベース」という用語は、主に炭素から成る可燃性炭素質熱源であって、可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約50パーセントの炭素含有量を有する可燃性炭素質熱源を説明するために使用される。例えば、可燃性炭素質熱源は、可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約60パーセント、または可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約70パーセント、もしくは可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約80パーセントの炭素含有量を有してもよい。
【0171】
可燃性炭素質熱源は、一つまたは複数の適切な炭素含有材料から形成されてもよい。
【0172】
一つまたは複数の結合剤を、一つまたは複数の炭素含有材料と組み合わせてもよい。このような実施形態では、可燃性炭素質熱源は、一つまたは複数の有機結合剤、一つまたは複数の無機結合剤、または一つまたは複数の有機結合剤と一つまたは複数の無機結合剤との組み合わせを含みうる。
【0173】
可燃性炭素質熱源は、可燃性炭素質熱源の特性を改善するために一つまたは複数の添加剤を含みうる。適切な添加剤としては、可燃性炭素質熱源の圧密を促進する添加剤(例えば、焼結助剤)、可燃性炭素質熱源の点火を促進する添加剤(例えば、過塩素酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物、過マンガン酸塩、ジルコニウムおよびこれらの組み合わせなどの酸化剤)、可燃性炭素質熱源の燃焼を促進する添加剤(例えば、クエン酸カリウムなどのカリウムおよびカリウム塩)、可燃性炭素質熱源の燃焼によって生成される一つまたは複数の気体の分解を促進する添加剤(例えば、CuO、Fe
2O
3およびAl
2O
3などの触媒)、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0174】
有利には、可燃性炭素質熱源は、少なくとも一つの点火補助剤を含む。一定の好ましい実施形態では、可燃性炭素質熱源は、WO2012/164077A1号に記載されているように、少なくとも一つの点火補助剤を含む。
【0175】
本発明によるエアロゾル発生物品で使用するための可燃性炭素質熱源を製造するための適切な処理は、当技術分野において公知であり、押し付け処理および押し出し成形処理を含むが、これらに限定されない。
【0176】
一定の好ましい実施形態において、可燃性熱源はプレスされた可燃性炭素質熱源である。
【0177】
可燃性熱源はエアロゾル発生物品の遠位端に位置するか、またはそれに近接することが有利である。
【0178】
エアロゾル形成基体は、可燃性炭素質熱源の下流にあることが有利である。すなわち、エアロゾル形成基体は、可燃性熱源とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置することが有利である。
【0179】
エアロゾル形成基体は可燃性熱源に隣接してもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、可燃性熱源から長軸方向に間隙を介してもよい。
【0180】
最外部ラッパーは可燃性熱源の少なくとも一部分の周りにあることが有利である。すなわち、最外部ラッパーは可燃性熱源の少なくとも一部分の上にある。
【0181】
エアロゾル発生物品は、上述のように最外部ラッパーの半径方向内向きに熱伝導性要素をさらに備えることが有利である。
【0182】
熱伝導性要素は、可燃性熱源の少なくとも一部分、およびエアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りにあることが有利である。
【0183】
熱伝導性要素は、可燃性熱源の少なくとも後方部分およびエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分の周りにあり、かつそれらと接触することがより有利である。
【0184】
こうした実施形態において、熱伝導性要素は、エアロゾル発生物品の可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間に熱リンクを提供する。有利には、これは、許容されるエアロゾルを提供するための可燃性熱源からエアロゾル形成基体への適切な熱伝達の促進を助ける。
【0185】
熱伝導性要素と接触する熱源の後方部分の長さは、約2ミリメートル〜約8ミリメートルであることが有利であり、約3ミリメートル〜約5ミリメートルであることがより有利である。
【0186】
エアロゾル発生物品は、可燃性熱源の前方部分を少なくとも部分的に覆うように構成されるキャップをさらに備えうる。こうした実施形態では、キャップは、取り外し可能であり、それにより、エアロゾル発生物品の使用前に可燃性熱源の前方部分が露出される。
【0187】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「キャップ」という用語は、可燃性熱源の前方部分を実質的に囲むエアロゾル発生物品の遠位端における保護カバーを説明するために使用される。
【0188】
エアロゾル発生物品は、可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアをさらに備えうる。
【0189】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることにより、可燃性熱源の点火および燃焼の間にエアロゾル形成基体が曝される温度が、有利に抑制されうる。これは、エアロゾル発生物品の使用時にエアロゾル形成基体の熱劣化または燃焼を回避または低減するのに役立ちうる。
【0190】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることにより、エアロゾル発生物品の貯蔵および使用中、可燃性熱源へのエアロゾル形成基体の構成要素の移動が、有利に実質的に防止または阻害されうる。
【0191】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「不燃性の」という用語は、その点火および燃焼の間、可燃性炭素質熱源によって達した温度にて実質的に不燃性であるバリアを記述するために使用される。
【0192】
バリアは可燃性熱源の後端面およびエアロゾル形成基体の一方または両方に隣接してもよい。あるいは、バリアは可燃性熱源の後端面およびエアロゾル形成基体の一方または両方から長軸方向に間隙を介していてもよい。
【0193】
有利には、バリアは、可燃性熱源の後端面に接着される、または別の方法で貼り付けられる。
【0194】
可燃性熱源の後端面にバリアを接着する、または貼り付けるための適切な方法は、当技術分野において公知であり、吹き付け塗装、蒸着、浸漬、材料移動(例えば、ブラッシングまたは糊付け)、静電沈着またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これに限定されない。
【0195】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間のバリアは、低い熱伝導率または高い熱伝導率を有してもよい。例えば、バリアは、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される時に、23℃および50%の相対湿度にて、バルク熱伝導率が約0.1W毎メートルケルビン(W/(m・K))〜約200W毎メートルケルビン(W/(m・K))である材料から形成されてもよい。
【0196】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間のバリアの厚さは、良好な性能を達成するよう選択されうる。例えば、バリアの厚さは約10マイクロメートル〜約500マイクロメートルであってもよい。
【0197】
可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間のバリアは、点火中および燃焼中、可燃性熱源が達した温度で実質的に熱安定しており不燃性である一つまたは複数の適切な材料から形成されうる。適切な材料は、当技術分野で公知であり、粘土(例えば、ベントナイトおよびカオリナイトなど)、ガラス、ミネラル、セラミック材料、樹脂、金属、またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0198】
一定の好ましい実施形態において、バリアはアルミ箔を含む。
【0199】
アルミ箔のバリアは、可燃性熱源にそれを糊付けするまたはプレスすることによって、可燃性熱源の後端面に適用されうる。バリアは、アルミ箔が可燃性熱源の少なくとも実質的に後端面全体を覆い、それに接着するように、切り取られ、または別途機械加工されうる。アルミ箔は、可燃性熱源の後端面全体を覆い、それに接着することが有利である。
【0200】
可燃性熱源は、非ブラインド可燃性熱源であってもよい。
【0201】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「非ブラインド」は、可燃性熱源の長さに沿って延在する少なくとも一つの気流チャネルを含む可燃性熱源を記述するために使用される。
【0202】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「気流チャネル」という用語は、ユーザーによる吸入のために引き込まれる場合がある空気が通る可燃性炭素質熱源の長さに沿って延在するチャネルを記述するために使用される。
【0203】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源である場合、エアロゾル形成基体の加熱は伝導および強制対流によって生じる。
【0204】
本発明によるエアロゾル発生物品が、非ブラインド可燃性熱源と、可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアとを備える場合、バリアは、可燃性熱源の長さに沿って延在する少なくとも一つの気流チャネルを通って引き込まれる空気が、エアロゾル発生物品を通って下流に引き込まれることを可能にすべきである。
【0205】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源である場合、エアロゾル発生物品は、非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間に不燃性の実質的に不通気性のバリアをさらに備えてもよい。
【0206】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることにより、有利なことに、非ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼中に形成された燃焼および分解生成物が、少なくとも一つの気流チャネルを通して引き込まれた空気に入ることが、実質的に防止または阻害されうる。
【0207】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間の不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることにより、ユーザーによる吸煙の間、非ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化が有利に実質的に防止または阻害されうる。これは、ユーザーによる吸煙の間、エアロゾル形成基体の温度の急上昇を実質的に防止または阻害しうる。
【0208】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、低い熱伝導率または高い熱伝導率を有してもよい。
【0209】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアの厚さは、良好な性能を達成するよう選択されうる。
【0210】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、実質的に熱安定しており、点火およびその燃焼の間に非ブラインド可燃性熱源によって達成される温度で不燃性である一つまたは複数の適切な材料から形成されてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、例えば粘土、金属酸化物(酸化鉄、アルミナ、チタニア、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニアおよびセリアなど)、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、およびその他のセラミック材料またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0211】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、少なくとも一つの気流チャネル内に挿入されるライナーを備えてもよい。
【0212】
非ブラインド可燃性熱源と少なくとも一つの気流チャネルとの間のバリアは、非ブラインド可燃性熱源の少なくとも一つの気流チャネルの内側表面に接着またはその他の方法で貼り付けられうる。
【0213】
非ブラインド可燃性熱源の少なくとも一つの気流チャネルの内側表面にバリアを接着または貼り付けるための適切な方法は、当技術分野において公知であり、US5,040,551号およびWO2009/074870A2号に記載の方法を含むが、これらに限定されない。
【0214】
可燃性熱源は、ブラインド可燃性熱源であることが有利である。
【0215】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「ブラインド」という用語は、ユーザーによる吸入のために引き込まれる場合がある空気が通る可燃性炭素質熱源の長さに沿って延在する気流チャネルを含まない可燃性熱源を記述するために使用される。
【0216】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「ブラインド」という用語は、可燃性熱源の長さに沿って延在する一つまたは複数の気流チャネルを含む可燃性熱源を記述するためにも使用され、その場合、可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体バリアとの間の不燃性の実質的に不通気性のバリアは、ユーザーによる吸入のために、空気が一つまたは複数の気流チャネルを通して引き込まれることを防止する。
【0217】
可燃性熱源がブラインド可燃性熱源である場合、使用時に、エアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気は、ブラインド可燃性熱源の長さに沿ったいかなる気流チャネルも通過しない。
【0218】
可燃性熱源がブラインド可燃性熱源である場合、エアロゾル形成基体の加熱は、伝導によって主に生じ、強制対流によるエアロゾル形成基体の加熱は最小にされる、または減少する。こうした実施形態では、可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間の伝導性熱伝達を最適化することが特に重要である。
【0219】
最外部ラッパーが基体層および基体層の半径方向外向きに金属層を含む金属化基体を備える、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りに最外部ラッパーを提供することにより、約100ナノメートル以下の厚さを有する金属層が、可燃性熱源がブラインド可燃性熱源であり、対流による代償的な加熱作用があったとしてもわずかである場合、エアロゾル発生物品の性能に特に有益な効果を有することが見いだされた。
【0220】
それを通してユーザーが吸入するために空気が引き込まれうる可燃性熱源に沿って延在する任意の気流チャネルの欠如は、ユーザーによる吸煙中のブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を有利に実質的に阻止または抑制する。これは、ユーザーによる吸煙の間、エアロゾル形成基体の温度の急上昇を実質的に防止または阻害する。
【0221】
ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を防止または阻害すること、およびそのようにしてエアロゾル形成基体における過剰な温度上昇を防止または阻害することによって、激しい吸煙状況下でエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解が有利に回避されうる。加えて、主流エアロゾルの組成物へのユーザーの吸煙状況の影響は、有利に最小にされ、または減少されうる。
【0222】
また、ブラインド可燃性熱源を含めることは、有利なことに、ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼中に形成される燃焼および分解生成物並びにその他の材料が、ユーザーによる吸入のために、エアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気に入るのを実質的に阻止または抑制しうる。
【0223】
可燃性熱源がブラインド可燃性熱源であり、エアロゾル形成基体が可燃性熱源の下流にある場合、エアロゾル発生物品は、ユーザーによる吸入のために、空気をエアロゾル発生物品の中へと引き込むための一つまたは複数の空気吸込み口をブラインド可燃性熱源の下流にさらに含む。
【0224】
こうした実施形態では、ユーザーによる吸入のために、エアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気は、エアロゾル発生物品の遠位端を通してではなく、一つまたは複数の空気吸込み口を通してエアロゾル発生物品に入る。
【0225】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源であり、エアロゾル形成基体が可燃性熱源の下流にある場合、エアロゾル発生物品は、ユーザーによる吸入のために、空気をエアロゾル発生物品の中へと引き込むための一つまたは複数の空気吸込み口を非ブラインド可燃性熱源の下流にさらに含んでもよい。
【0226】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の周辺部の周りに一つまたは複数の空気吸込み口をさらに含むことが有利である。
【0227】
こうした実施形態では、ユーザーによる吸煙の間、冷気は、エアロゾル形成基体の周辺部の周りで一つまたは複数の空気吸込み口を通してエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体内に引き込まれる。これは、有利には、ユーザーによる吸煙の間、エアロゾル形成基体の温度を低減し、そのためエアロゾル形成基体の温度の急上昇を実質的に防止または阻害する。
【0228】
本発明に関連して本明細書に使用される「冷気」という用語は、ユーザーによる吸煙の際に可燃性熱源によって著しく加熱されない周囲空気を説明するために使用される。
【0229】
エアロゾル形成基体の温度の急上昇を防止または阻害することによって、エアロゾル形成基体の周辺部に一つまたは複数の空気吸込み口を含めることは、激しい吸煙状況下でエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解を回避または低減するのに有利に役立つ。さらに、エアロゾル形成基体の周辺部の周りに一つまたは複数の空気吸込み口を含めることにより、エアロゾル発生物品の主流エアロゾルの組成物に対するユーザーの吸煙状況の影響が有利には最小化または低減される。
【0230】
一定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流端の近くに位置する一つまたは複数の空気吸込み口を備える。
【0231】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源またはブラインド可燃性熱源である場合、可燃性熱源は、空気がそれを通ってユーザーによる吸入のために引き込まれない一つまたは複数の閉じた、または閉鎖された通路も含んでもよい。
【0232】
例えば、可燃性熱源は、可燃性熱源の長さに沿って途中までのみ延在する一つまたは複数の閉じた通路を含んでもよい。
【0233】
一つまたは複数の閉じた空気通路を含めることにより、空気からの酸素に曝される可燃性熱源の表面領域が増大し、可燃性熱源の点火および燃焼の持続が有利に容易となりうる。
【0234】
エアロゾル発生物品は、格納式可燃性熱源を備える。
【0235】
こうした実施形態では、可燃性熱源は、拡張位置から格納位置まで摺動可能であってもよく、格納位置における可燃性熱源を備えるエアロゾル発生物品の長さは、拡張位置における可燃性熱源を備えるエアロゾル発生物品の長さ未満である。
【0236】
可燃性熱源は、エアロゾル発生物品の管状の本体内へ少なくとも部分的に格納することが可能である。管状の本体は、有利なことに、要求に応じて可燃性熱源への気流の量を調節しうる。管状の本体はそれによって、要求に応じて可燃性熱源の消火を促進しうる。
【0237】
格納位置では、可燃性熱源は、エアロゾル発生物品の管状の本体内に全体的に格納されることが有利である。
【0238】
管状の本体は、熱反応性材料を含みうる。熱反応性材料は、有利なことに、格納位置において可燃性熱源を封止し、またそれを固定しうる。
【0239】
管状の本体は絶縁材料を含みうる。熱絶縁材料は、有利なことに、可燃性熱源が冷却されるまでエアロゾル発生物品内に熱を保持しうる。これは、有利なことに、使用後にエアロゾル発生物品の不適切な取り扱いに関連する潜在的なリスクを低減しうる。
【0240】
管状の本体は、十分な力が保持要素を圧倒し、格納位置へと可燃性熱源を管状の本体内に格納するまで、拡張位置に可燃性熱源を維持する保持要素を含んでもよい。
【0241】
こうした保持要素を提供することで、可燃性熱源を拡張位置から格納位置に移動させるにはユーザーからの積極的な作用または力を要求することで、有利なことに、可燃性熱源が偶発的に格納されないようにしうる。
【0242】
管状の本体はエアロゾル形成基体を保持しうる。こうした実施形態では、最外部ラッパーの外表面は、少なくとも拡張位置においてエアロゾル発生物品の外表面の少なくとも一部を形成する管状の本体の外表面を形成しうる。
【0243】
エアロゾル発生物品は、可燃性熱源を保持する内側管状部材をさらに備え、内側管状部材が、管状の本体の遠位端内に少なくとも部分的に配置され、かつ拡張位置から格納位置へと摺動可能であってもよい。
【0244】
内側管状部材はエアロゾル形成基体を保持しうる。こうした実施形態では、最外部ラッパーの外表面は、少なくとも拡張位置においてエアロゾル発生物品の外表面の少なくとも一部を形成する内側管状要素の外表面を形成しうる。
【0245】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流の移動要素またはスペーサー要素をさらに備えうる。すなわち、移動要素またはスペーサー要素は、エアロゾル形成基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0246】
移動要素は、エアロゾル形成基体に隣接してもよい。あるいは、移動要素はエアロゾル形成基体から長軸方向に間隙を介していてもよい。
【0247】
移動要素を含めることにより、エアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの冷却が有利に可能となる。移動要素を含めることにより、本発明によるエアロゾル発生物品の全長を、移動要素の長さの適切な選択により所望の値、例えば従来の紙巻たばこの長さに類似した長さに調整することも有利には可能となる。
【0248】
移動要素は、約7ミリメートル〜約50ミリメートルの長さ、例えば約10ミリメートル〜約45ミリメートルの長さ、または約15ミリメートル〜約30ミリメートルの長さを有してもよい。移動要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長、およびエアロゾル発生物品内のその他の構成要素の存在および長さに依存して、その他の長さであってもよい。
【0249】
移動要素は少なくとも一つの端の開いた管状中空体を備えうる。こうした実施形態では、使用において、エアロゾル発生物品の中へと引き込まれる空気は、それがエアロゾル形成基体からエアロゾル発生物品の近位端へエアロゾル発生物品を通って下流に通過する時に、少なくとも一つの端の開いた管状中空体を通って通過する。
【0250】
移動要素は、エアロゾル形成基体への熱の移動によって生成されるエアロゾルの温度で実質的に熱安定している一つまたは複数の適切な材料から形成される少なくとも一つの端の開いた管状中空体を含んでいてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、紙、ボール紙、プラスチック、このような酢酸セルロース、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0251】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流にあるエアロゾル冷却要素または熱交換器をさらに含んでもよい。すなわち、エアロゾル冷却要素または熱交換器は、エアロゾル形成基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0252】
エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延在するチャネルを含んでもよい。
【0253】
エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。一定の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0254】
エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはMater−Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含みうる。
【0255】
本発明によるエアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体の下流の移動要素、およびエアロゾル形成基体の下流のエアロゾル冷却要素をさらに備える場合、エアロゾル冷却要素は、移動要素の下流にあることが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、移動要素とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置することが好ましい。
【0256】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流にマウスピースをさらに備えうる。すなわち、マウスピースは、エアロゾル形成基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0257】
マウスピースは、エアロゾル発生物品の近位端に位置することが好ましい。
【0258】
マウスピースは濾過効率が低いことが好ましく、濾過効率が非常に低いことがより好ましい。
【0259】
マウスピースは単一のセグメントであっても、または構成要素マウスピースであってもよい。
【0260】
あるいは、マウスピースはマルチセグメントマウスピースであっても、または複数構成要素マウスピースであってもよい。
【0261】
マウスピースは、適切な濾過材料を含む一つまたは複数のセグメントを含むフィルターを含んでもよい。適切な濾過材料は当技術分野で公知であり、酢酸セルロースおよび紙を含むが、これらに限定されない。あるいはまたはさらに、マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む一つまたは複数のセグメントを含みうる。
【0262】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に一つまたは複数のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、含まれる場合は、本発明によるエアロゾル発生物品のマウスピース、移動要素、およびエアロゾル冷却要素のうち一つまたは複数は、一つまたは複数のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。
【0263】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「エアロゾル修飾剤」という用語は、使用時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体によって生成されるエアロゾルの一つまたは複数の特徴または特性を修飾する任意の薬剤を説明するために使用される。
【0264】
適切なエアロゾル修飾剤は、風味剤、および化学感覚剤を含むが限定されない。
【0265】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「化学感覚剤」という用語は、使用時に、味覚受容体または嗅覚受容体細胞を介した知覚以外の、またはそれに加えた手段によってユーザーの口または嗅空洞において知覚される任意の薬剤を記述するために使用される。化学感覚剤の知覚は、三叉神経、舌咽神経、迷走神経またはこれらのいくつかの組み合わせのいずれかを経て、典型的には「三叉神経応答」を経る。典型的には、化学感覚剤は、辛い、香辛料のきいた、冷却するまたは和らげる感覚として知覚される。
【0266】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に、風味剤と化学感覚剤の両方である一つまたは複数のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、含まれる場合、本発明によるエアロゾル発生物品のマウスピース、移動要素およびエアロゾル冷却要素のうち一つまたは複数は、冷却する化学感覚効果を提供するメントールまたは別の風味剤を含んでもよい。
【0267】
本発明によるエアロゾル発生物品が、例えば、移動要素、冷却要素またはマウスピースなどのエアロゾル形成基体の下流の一つまたは複数の構成要素をさらに備える場合、最外部ラッパーは、エアロゾル形成基体の下流の構成要素の一部またはすべての周りにありうる。
【0268】
こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流の構成要素の一部またはすべての周りに、最外部ラッパーの半径方向外向きに一つまたは複数の追加的なラッパーをさらに備えてもよい。
【0269】
本発明によるエアロゾル発生物品は公知の方法および機械を使用して組み立てられてもよい。
【0270】
誤解を避けるために、本発明の一つの態様に関する上述の特徴はまた、本発明の他の態様に適用されてもよい。
【0271】
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。