(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る光通信システムを説明する。
【0010】
図1は、光通信システムの構成を示す図である。
図1に示すように、光通信システム1は、報知装置としての携帯端末100と、マーカー200−1、200−2、200−3(以下、マーカー200−1、200−2、200−3をまとめて、適宜「マーカー200」と称する)とを含んで構成される。本実施形態における光通信システム1は、マーカー200と携帯端末100との間の光通信を利用することにより、移動体としての飛行体300−1、300−2、300−3、300−4(以下、飛行体300−1、300−2、300−3、300−4をまとめて、適宜「飛行体300」と称する)が光通信を行う正当な飛行体であるか否かを判定可能である。
【0011】
携帯端末100は、タブレット型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ等の持ち運びが可能な端末である。携帯端末100はユーザ400によって所持される。
【0012】
マーカー200−1は、飛行体300−1に取り付けられている。マーカー200−1は、光通信システム1において予め定められた信号フォーマットで輝度や色相が時間的に変化し、輝度や色相の時間的な変化が予め定められた所定の情報を示す光を発する。マーカー200−2は、飛行体300−2に取り付けられている。マーカー200−2は、光通信システム1において予め定められていない信号フォーマットで輝度や色相が時間的に変化する光を発する。マーカー200−3は、飛行体300−3に取り付けられている。マーカー200−3は、光通信システム1において予め定められている信号フォーマットで輝度や色相が時間的に変化する光を発するが、輝度や色相の時間的な変化が予め定められた所定の情報以外の情報を示す光を発する。また、飛行体300−4には、マーカー200は取り付けられていない。
【0013】
本実施形態において、光通信システム1において予め定められた信号フォーマットで輝度や色相が時間的に変化する光を発し、輝度や色相の時間的な変化が予め定められた所定の情報を示す光を発するマーカー200−1は、携帯端末100との間で光通信を行う正当なマーカーであり、マーカー200−1が取り付けられた飛行体300−1は、正当な飛行体である。一方、光通信システム1において予め定められていない信号フォーマットで輝度や色相が時間的に変化する光を発するマーカー200−2は、光通信を行わない不当なマーカーであり、マーカー200−2が取り付けられた飛行体300−2は、不当な飛行体である。また、光通信システム1において予め定められている信号フォーマットで輝度や色相が時間的に変化する光を発するが、輝度や色相の時間的変化が予め定められた所定の情報以外の情報を示す光を発するマーカー200−3は、光通信を行わない不当なマーカーであり、マーカー200−3が取り付けられた飛行体300−3は、不当な飛行体である。また、マーカー200が取り付けられていない飛行体300−4は光通信を行わない不当な飛行体である。
【0014】
携帯端末100は、ユーザ400の操作により飛行体300−1〜300−4が存在する領域を撮像するとともに、マーカー200−1、200−2、200−3が発した光を受ける。
図2は、携帯端末100の構成を示す図である。
図2に示す携帯端末100は、制御部102、メモリ104、操作部106、表示部107、無線通信部108、アンテナ110、レンズ112、撮像部114、画像処理部116を含む。
【0015】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。メモリ104は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)である。メモリ104は、携帯端末100における制御等に用いられる各種情報を記憶する。制御部102は、メモリ104に記憶されたプログラム(例えば、後述する
図4に示す携帯端末100の動作を実現するためのプログラム)に従ってソフトウェア処理を実行し、探索部152及び報知部154の機能を実現する。
【0016】
探索部152は、後述する画像処理部116からのフレーム内の明度や色相が変化する領域(色変化領域)を検出する。報知部154は、検出された色変化領域における明度や色相の時間的な変化が、光通信システム1において予め定められた複数の信号フォーマット毎の探索規則に合致しているか否かを判定する。
【0017】
図3は、探索規則の一例を示す図である。
図3では、探索規則1〜探索規則nのn種類の探索規則が示されている。探索規則1は、時間長T1の期間において、6個の発光パターンを含んで構成され、1個の発光パターンは時間長T01、信号周波数はf1である。6個の発光パターンは、1個のヘッダに対応する消灯期間(BL)と、5個の赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの点灯期間からなる。探索規則2は、時間長T2の期間において、7個の発光パターンを含んで構成され、1個の発光パターンは時間T02、信号周波数はf2である。7個の発光パターンは、1個のヘッダに対応する消灯期間(BL)と、6個の赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの点灯期間からなる。探索規則nは、時間長Tnの期間において、8個の発光パターンを含んで構成され、1個の発光パターンは時間長T0n、信号周波数はfnである。8個の発光パターンは、1個のヘッダに対応する消灯期間(BL)と、7個の赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの点灯期間からなる。探索規則の情報は、メモリ104に記憶されている。なお、本実施形態において、携帯端末100内の撮像部114の撮像周期は、探索規則1〜nにおける発光パターンの時間長T01〜T0nのうちの最短の時間よりも短い。
【0018】
報知部154は、検出された色変化領域における明度や色相の時間的な変化が、探索規則に合致する場合、当該探索規則に対応するデコード処理を行うことにより、情報の復元を試みる。報知部154は、色変化領域における明度や色相の時間的な変化が、探索規則に合致し、且つ、復元された情報の内容が探索規則に対応する所定の情報の内容である場合には、色変化領域に対応するマーカー200が正当なマーカーであり、当該マーカー200が取り付けられた飛行体300が正当な飛行体であることを報知するとともに、それ以外の飛行体300が不当な飛行体であることを報知する。探索部152、報知部154の詳細な動作は後述する。
【0019】
再び、
図2に戻って説明する。操作部106は、テンキーやファンクションキー等によって構成され、ユーザの操作内容を入力するために用いられるインタフェースである。表示部107は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。表示部107は、制御部102から出力された画像信号に従って画像を表示する。
【0020】
無線通信部108は、例えば無線周波数(RF:Radio Frequency)回路やベースバンド(BB:Base Band)回路等を用いて構成される。無線通信部308は、アンテナ110を介して、無線信号の送信及び受信を行う。また、無線通信部108は、送信信号の符号化及び変調と、受信信号の復調及び復号とを行う。
【0021】
レンズ112は、ズームレンズ等により構成される。レンズ112は、操作部106からのズーム制御操作、及び、制御部102による合焦制御により移動する。レンズ112の移動によって撮像部114が撮像する撮像画角や光学像が制御される。
【0022】
撮像部114は、受光面115に規則的に二次元配列された複数の受光素子により構成される。受光素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像デバイスである。撮像部114は、レンズ112を介して入光された光学像を、制御部102からの制御信号に基づいて所定範囲の撮像画角で撮像(受光)し、その撮像画角内の画像信号をデジタルデータに変換してフレームを生成する。また、撮像部114は、撮像とフレームの生成とを時間的に連続して行い、連続するフレームを画像処理部116に出力する。
【0023】
画像処理部116は、制御部102からの制御信号に基づいて、撮像部114から出力されたフレーム(デジタルデータ)について、表示部107にスルー画像として表示させるべく、画質や画像サイズを調整して制御部102へ出力する。また、画像処理部116は、操作部106からの記録指示操作に基づく制御信号が入力されると、記録指示された時点の撮像部114における撮像画角内、あるいは、表示部107に表示される表示範囲内の光学像を、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の圧縮符号化方式にて符号化、ファイル化する機能を有する。
【0024】
次に、携帯端末100の動作を説明する。
図4は、携帯端末100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0025】
上述した通り、飛行体300−1に取り付けられたマーカー200−1は、光通信システム1において予め定められた信号フォーマット、換言すれば、探索規則1〜nの何れかに対応する発光態様で、輝度や色相が時間的に変化する光を発する。飛行体300−2に取り付けられたマーカー200−2は、光通信システム1において予め定められていない信号フォーマット、換言すれば、探索規則1〜nの何れかに対応しない発光態様で、輝度や色相が時間的に変化する光を発する。飛行体300−3に取り付けられたマーカー200−3は、光通信システム1において予め定められている信号フォーマット、換言すれば、探索規則1〜nの何れかに対応する発光態様で、輝度や色相が時間的に変化する光を発するが、輝度や色相の時間的変化が予め定められた所定の情報以外の情報を示す光を発する。また、飛行体300−4にはマーカーは取り付けられていない。
【0026】
携帯端末100内の撮像部114は、飛行体300−1〜300−4が存在する領域を撮影範囲として、連続的に撮像を行うとともに、フレームを生成し、連続するフレームを画像処理部116に出力する。画像処理部116は、撮像部114から出力されたフレームについて、表示部107にスルー画像として表示させるべく、画質や画像サイズを調整し、調整後の連続するフレームを制御部102へ出力する。制御部102内の探索部152は、画像処理部116からの連続するフレームから明度や色相が変化する領域(色変化領域)を検出する(ステップS101)。
【0027】
具体的には、探索部152は、連続するフレームの画像データ内の各画素の明度及び色相を判別する。更に、探索部152は、明度が所定値以上であって、色相が赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかに逐次切り替わる画素の領域を色変化領域として検出する。本実施形態では、フレーム内のマーカー200−1〜200−3の領域が色変化領域として検出される。なお、連続するフレームにおいて、色変化領域の位置が変化する場合、探索部152は、位置の変化に追随して色変化領域を検出することができる。
【0028】
次に、探索部152は、ステップS101において色変化領域を検出したか否かを判定する(ステップS102)。色変化領域が検出されなかった場合には(ステップS102;NO)、一連の動作が終了する。
【0029】
一方、色変化領域が検出された場合(ステップS102;YES)、報知部154は、表示部107を制御し、撮像画像であるフレームに重畳して、色変化領域に対応する表示として「Unknown」(不明)を表示させる(ステップS103)。
【0030】
具体的には、制御部102は、画像処理部116からの連続するフレームを表示部107にスルー画像として表示させる制御を行っている。報知部154は、検出された色変化領域について、フレーム内の位置(座標)を認識する。更に、報知部154は、表示部107において表示されているフレームにおいて、認識したフレーム内の色変化領域の位置、又は、当該位置の近傍に「Unknown」の表示を重畳して表示する制御を行う。
【0031】
本実施形態では、
図5に示すように、表示部107において、フレーム内のマーカー200−1の領域である色変化領域の近傍に、「Unknown」の表示500−1が表示され、マーカー200−2の領域である色変化領域の近傍に、「Unknown」の表示500−2が表示され、マーカー200−3の領域である色変化領域の近傍に、「Unknown」の表示500−3が表示される。
【0032】
再び、
図4に戻って説明する。次に、報知部154は、後述する処理が未処理である1つの色変化領域を選択する。更に、報知部154は、選択した色変化領域の画像を、全ての探索規則に対応する時間長の最小公倍数の時間分取得する(ステップS104)。
【0033】
具体的には、
図3に示すように、探索規則1、2〜nが存在する場合、報知部154は、探索規則1の時間長T1、探索規則2の時間長T2〜探索規則nの時間長Tnの最小公倍数を算出し、選択した色変化領域の画像を、当該最小公倍数の時間分取得する。
【0034】
次に、報知部154は、取得した最小公倍数の時間分の色変化領域の画像における明度や色相の時間的な変化が探索規則1〜nの何れかに合致するか否かを判定する(ステップS105)。例えば、色変化領域の画像における明度や色相の変化について、消灯期間(BL)と、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの点灯期間が時間長T01であり、消灯期間(BL)が時間長T1毎に出現する場合には、報知部154は、
図3の探索規則1に合致すると判定する。また、色変化領域の画像における明度や色相の変化について、消灯期間(BL)と、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの点灯期間が時間長T02であり、消灯期間(BL)が時間長T2毎に出現する場合には、報知部154は、
図3の探索規則2に合致すると判定する。
【0035】
何れかの探索規則に合致する場合(ステップS105;YES)、次に、報知部154は、色変化領域の画像における明度や色相の時間的な変化に、複数の探索規則が合致するか否かを判定する(ステップS106)。複数の探索規則に合致する場合(ステップS106;YES)、報知部154は、予め定められた優先度に応じて、合致する複数の探索規則の中から1つの探索規則を選択する(ステップS107)。例えば、
図3の探索規則1〜nには、後述するデコード処理によって取得される情報の重要度に応じて、優先度が設定されている。優先度の情報は、探索規則の情報に対応付けてメモリ104に記憶されている。
【0036】
ステップS107において1つの探索規則が選択された後、又は、ステップS106において複数の探索規則に合致しないと判定された場合(ステップS106;NO)、報知部154は、合致する探索規則に対応するデコード処理を行い、情報を復元する(ステップS108)。具体的には、探索規則における赤(R)、緑(G)、青(B)の点灯期間は3種類のシンボルであり、探索規則における赤(R)、緑(G)、青(B)の点灯期間の組み合わせ、すなわち、3種類のシンボルの組み合わせが情報となる。
【0037】
次に、報知部154は、デコード処理によって取得された情報の内容が、合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容であるか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、探索規則に対応する所定の情報の内容は、探索規則に対応付けてメモリ104に記憶されている。報知部154は、ステップS105において合致すると判定した1つの探索規則、又は、ステップS107において選択した1つの探索規則に対応付けられた所定の情報の内容をメモリ104から読み出す。更に、報知部154は、ステップS108におけるデコード処理によって取得された情報の内容と、メモリ104から読み出した所定の情報の内容とが一致するか否かを判定する。
【0038】
デコード処理によって取得された情報の内容が、合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容である場合(ステップS109;YES)、報知部154は、表示部107を制御し、撮像画像であるフレームに重畳して、デコード処理により取得された情報を表示させる(ステップS110)。
【0039】
具体的には、制御部102は、画像処理部116からの連続するフレームを表示部107にスルー画像として表示させる制御を行っている。報知部154は、検出された色変化領域について、フレーム内の位置(座標)を認識する。更に、報知部154は、表示部107において表示されているフレームにおいて、認識したフレーム内の色変化領域の位置、又は、当該位置の近傍に、デコード処理によって取得された情報を重畳して表示する制御を行う。
【0040】
一方、ステップS105において探索規則に合致しないと判定された場合(ステップS105;NO)、報知部154は、表示部107を制御し、撮像画像であるフレームに重畳して、色変化領域に対応して「Unknown」の表示を継続させる(ステップS111)。更に、ステップS109においてデコード処理によって取得された情報の内容が、合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容でない場合(ステップS109;NO)、報知部154は、撮像画像であるフレームに重畳して、色変化領域に対応して「Erorr」を表示する(ステップS112)。
【0041】
例えば、マーカー200−1に対応する色変化領域の画像における明度や色相の時間的な変化が探索規則に合致し、且つ、デコード処理によって取得された情報が合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容であり、マーカー200−2に対応する色変化領域の画像における明度や色相の時間的な変化が探索規則に合致せず、マーカー200−3に対応する色変化領域の画像における明度や色相の時間的な変化が探索規則に合致するが、デコード処理によって取得された情報が合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容でない場合を考える。この場合には、
図6に示すように、表示部107において、フレーム内のマーカー200−1の領域である色変化領域の近傍に、デコード処理によって取得された情報である「警備389」の表示600が表示され、マーカー200−2の領域である色変化領域の近傍に、「Unknown」の表示500−2が継続して表示され、マーカー200−3の領域である色変化領域の近傍に、「Error」(表示不可)の表示500−4が表示される。
【0042】
再び、
図4に戻って説明する。ステップS110において、撮像画像であるフレームに重畳して、デコード処理により取得された情報を表示させた後、又は、ステップS111において、撮像画像であるフレームに重畳して、色変化領域に対応して「Unknown」の表示を継続させた後、或いは、ステップS112において、撮像画像であるフレームに重畳して、色変化領域に対応して「Erorr」を表示させた後、報知部154は、ステップS104〜ステップS111の処理が未処理である色変化領域が存在するか否かを判定する(ステップS113)。未処理の色変化領域が存在する場合には(ステップS113;YES)、ステップS104以降の処理が繰り返される。一方、未処理の色変化領域が存在しない場合には(ステップS113;NO)、一連の動作が終了する。
【0043】
このように本実施形態では、携帯端末100は、連続するフレーム内において、マーカー200に対応する色変化領域を検出し、当該色変化領域における明度や色相の時間的な変化が探索規則と合致するか否かを判定する。その後、携帯端末100は、色変化領域における明度や色相の時間的な変化が探索規則と合致する場合、デコード処理を行って情報を復元し、当該情報が、合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容であるか否かを判定する。
【0044】
更に、携帯端末100は、復元した情報が合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容である場合、当該情報を色変化領域に対応して表示させて、対応する飛行体300が光通信を行う正当な飛行体であることを報知する。一方、携帯端末100は、色変化領域における明度や色相の時間的な変化が探索規則と合致しない場合「Unknown」の表示を色変化領域に対応して表示させて、対応する飛行体300が光通信を行わない不当な飛行体であることを報知する。また、携帯端末100は、復元した情報が、合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容でない場合、「Erorr」の表示を色変化領域に対応して表示させて、対応する飛行体300から送信される情報は復号不可、または復号できたとしてもその情報は有意なものではない、もしくは、予め提供されているサービス以外のものであることを報知する。
【0045】
これにより、携帯端末100のユーザ400は、復元した情報が色変化領域に対応して表示されていれば、当該色変化領域に対応するマーカー200が取り付けられた飛行体300(例えば、飛行体300−1)が光通信を行う正当な飛行体であることを認識することができ、「Unknown」の表示が色変化領域に対応して表示されていれば、当該色変化領域に対応するマーカー200が取り付けられた飛行体300(例えば、
図6の飛行体300−2)が光通信を行わない不当な飛行体であることを認識することができる。更に「Erorr」の表示が色変化領域に対応して表示されていれば、当該色変化領域に対応するマーカー200が取り付けられた飛行体300(例えば、
図6の飛行体300−3)が光通信を行うにしてもその情報は表示不可の飛行体であることを認識することができる。また、携帯端末100のユーザ400は、復元された情報の表示も「Unknown」の表示も表示されていない、すなわち、マーカー200が取り付けられていない飛行体300(例えば、
図6の飛行体300−4)については光通信を行わない不当な飛行体であると認識することができる。
【0046】
また、携帯端末100は、複数種類の信号フォーマット毎の探索規則に基づいて、各探索規則に対応する時間長の最小公倍数の時間分の色変化領域を取得している。このため、色変化領域における明度や色相の時間的な変化が複数の探索規則に合致するか否かの判定に必要な時間分の色変化領域の取得、更には、飛行体300が正当であるか否かの判定を的確に行うことができる。
【0047】
また、携帯端末100は、復元した情報が合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容であるか否かを判定しており、復元した情報に基づいて、飛行体300が正当であるか否かの判定を的確に行うことができる。
【0048】
また、携帯端末100は、複数の色変化領域が取得された場合には、色変化領域毎に、色変化領域における明度や色相の時間的な変化が複数の探索規則に合致するか否かの判定等を行う。これにより、複数の色変化領域のそれぞれについて、対応する飛行体300からの情報は表示できるか否かの報知を行うことができる。
【0049】
なお、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、例えばファクトリーオートメーション(工場の自動化)システムにおける制御対象機器に設けられたステータスランプを情報光源とした場合に適用しても良く、その場合において、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、
図3に示すように各探索規則の時間長が異なっているが、例えば、各探索規則の時間長が同一であり、各探索規則に含まれる発光パターンの数や発光パターンの時間長が異なっていてもよい。また、例えば、各探索規則において、発光パターンの数が同一であり、発光パターンの時間長が異なっていてもよい。また、例えば、各探索規則において、発光パターンの時間長が同一であり、発光パターンの数や各探索規則の時間長が異なるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、携帯端末100は、色変化領域の画像における明度や色相の時間的な変化に、複数の探索規則が合致する場合には、優先度に応じて1つの探索規則を選択し、その選択した探索規則に対応するデコード処理を行った。しかし、携帯端末100は、複数の探索規則が合致する場合には、全ての探索規則に対応するデコード処理を行うようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、携帯端末100は、色変化領域における明度や色相の時間的な変化が探索規則に合致するか否かを判定した後に、復元した情報が合致すると判定した探索規則に対応する所定の情報の内容であるか否かを判定したが、携帯端末100は、色変化領域における明度や色相の時間的な変化が探索規則に合致するか否かのみを判定して、合致する場合には、対応する飛行体300が正当であるとの報知を行うようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、携帯端末100は、色変化領域に基づいて、飛行体300が正当であるか否かを報知したが、これに限定されず、色変化領域が予め定められた領域であることを報知するものであれば、本発明を適用することができる。更に、その表示内容においては「Unknown」(不明)、「Erorr」(表示不可)のみについて記載したが、復号した情報の一部から飛行体300の所属が分かる場合「Secret」(機密)、「Private」(個人所有)、「Public」(公共サービス)という表示を行うようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、携帯端末100は、無線通信部108及びアンテナ110を備えているが、これらを備えていなくてもよい。
【0055】
なお、例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、携帯端末100の機能を実現してもよい。また、携帯端末100の機能を実現するためのプログラムは、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の記憶媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0057】
(付記1)
連続的に画像を取得する取得手段と、
前記取得手段によって連続的に取得された画像から、検出対象に対応する所定の画像領域を取得する探索手段と、
前記探索手段によって前記所定の画像領域が取得された場合、前記所定の画像領域の光学的な変化と複数種類の信号フォーマット毎の探索規則とに基づいて、前記所定の画像領域が可視光通信システムの送信装置から発光により送信された情報の領域か否かを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする報知装置。
【0058】
(付記2)
前記複数種類の信号フォーマット毎の探索規則に対応する時間の最小公倍数の時間分に対応する画像から前記所定の画像領域が前記可視光通信システムの送信装置から発光により送信された情報の領域か否かを判定する判定手段を更に備え、
前記報知手段は、前記判定手段による判定結果を報知することを特徴とする付記1に記載の報知装置。
【0059】
(付記3)
前記報知手段は、前記複数種類の信号フォーマット毎の探索規則に対応する情報の内容に基づいて、前記所定の画像領域が前記可視光通信システムの送信装置から発光により送信された情報の領域か否かを報知することを特徴とする付記1又は2に記載の報知装置。
【0060】
(付記4)
前記報知手段は、前記探索手段による前記所定の画像領域の取得の結果、前記所定の画像領域が複数取得された場合、前記所定の画像領域毎に、前記所定の画像領域が前記可視光通信システムの送信装置から発光により送信された情報の領域か否かを報知することを特徴とする付記1から3の何れか1つに記載の報知装置。
【0061】
(付記5)
前記報知手段は、表示手段を含むことを特徴とする付記1から4の何れか1つに記載の報知装置。
【0062】
(付記6)
前記表示手段は、前記取得手段により取得された画像に重畳して前記所定の画像領域が前記可視光通信システムの送信装置から発光により送信された情報の領域か否かを報知することを特徴とする付記5に記載の報知装置。
【0063】
(付記7)
前記検出対象は、移動体であることを特徴とする付記1から6の何れか1つに記載の報知装置。
【0064】
(付記8)
連続的に画像を取得する取得ステップと、
連続的に取得された画像から、検出対象に対応する所定の画像領域を取得する探索ステップと、
前記探索ステップにおいて前記所定の画像領域が取得された場合、前記所定の画像領域の光学的な変化と複数種類の信号フォーマット毎の探索規則とに基づいて、前記所定の画像領域が可視光通信システムの送信装置から発光により送信された情報の領域か否かを報知する報知ステップと、
を含むことを特徴とする報知方法。
【0065】
(付記9)
コンピュータを、
連続的に画像を取得する取得手段、
前記取得手段によって連続的に取得された画像から、検出対象に対応する所定の画像領域を取得する探索手段、
前記探索手段によって前記所定の画像領域が取得された場合、前記所定の画像領域の光学的な変化と複数種類の信号フォーマット毎の探索規則とに基づいて、前記所定の画像領域が可視光通信システムの送信装置から発光により送信された情報の領域か否かを報知する報知手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。