(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部に仕切壁を有する深皿状のトレイの外壁側面及び/又は内壁側面に、前記トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットを有するトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、前記外壁側面及び/又は内壁側面から突出する突出部と、前記突出部の下端から前記突出部の突出する方向に延在する連結部と、前記連結部の端部に前記突出部を傾動させる回転軸とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記突出部の底板と金型の底蓋との間に配置され、前記底板を上方に押圧し前記突出部を突出させる弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型。
所定の離隔で互いに対向する対向面を有する仕切壁を内部に備えた深皿状トレイの前記対向面に、トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットが形成されたトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、少なくとも前記対向面のいずれか一方から突出する突出部と、前記突出部の下端から前記突出部の突出する方向に延在する連結部と、前記連結部の端部に前記突出部を傾動させる回転軸とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記突出部の底板と金型の底蓋との間に配置され、前記底板を上方に押圧し前記突出部を突出させる弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型。
前記トレイである被成形体の成形時には、前記突出部は、前記弾性体の弾性力で上方に押し上げられ、前記外壁側面及び/又は前記内壁側面から突出し、前記被成形体の離型時には、離型により前記突出部に生じる押圧力により、前記弾性体が圧縮され、前記突出部が金型の内部に押し込まれるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空成形用金型。
前記トレイである被成形体の成形時には、前記突出部は、前記弾性体の弾性力で上方に押し上げられ、前記対向面から突出し、前記被成形体の離型時には、離型により前記突出部に生じる押圧力により、前記弾性体が圧縮され、前記突出部が金型の内部に押し込まれるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の真空成形用金型。
前記弾性体の弾性力は、成形時の真空吸引力によっては圧縮せず、前記押圧力によって圧縮され前記突出部が前記ハウジング内又は空洞部内に押し込まれる範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の真空成形用金型。
内部に仕切壁を有する深皿状のトレイの外壁側面及び/又は内壁側面に、前記トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットを有するトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、前記外壁側面及び/又は内壁側面から突出する突出部と、前記突出部の下端から前記突出部の突出する方向に延在する連結部1と、前記連結部1の端部に前記突出部を傾動させる回転軸と、前記回転軸から前記突出部の回転方向に延在する連結部2とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記連結部2の端部に接続し、前記突出部の突出を付勢する弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型。
所定の離隔で互いに対向する対向面を有する仕切壁を内部に備えた深皿状トレイの前記対向面に、トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットが形成されたトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、少なくとも前記対向面のいずれか一方から突出する突出部と、前記連結部1の端部に前記突出部を傾動させる回転軸と、前記回転軸から前記突出部の回転方向に延在する連結部2とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記連結部2の端部に接続し、前記突出部の突出を付勢する弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型。
前記トレイである被成形体の成形時には、前記突出部は、前記弾性体の弾性力で前記外壁側面及び/又は前記内壁側面から突出し、前記被成形体の離型時には、離型により前記突出部に生じる押圧力により前記弾性体が引張され、前記突出部が金型の内部に押し込まれるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の真空成形用金型。
前記トレイである被成形体の成形時には、前記突出部は、前記弾性体の弾性力で前記対向面から突出し、前記被成形体の離型時には、離型により前記突出部に生じる押圧力により前記弾性体が引張され、前記突出部が金型の内部に押し込まれるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の真空成形用金型。
前記弾性体の弾性力は、成形時の真空吸引力によっては引張されず、前記押圧力によって引張され前記突出部が前記ハウジング内又は空洞部内に押し込まれる範囲であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の真空成形用金型。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人は、特許文献1の真空成型用金型について種々検討した結果、以下のような問題点が有ることを知見できた。第1の問題点は、可動ブロックを金型に組み込む際の作業性の問題である。すなわち、特許文献1に記載の技術では組立時にスプリングを可動ブロックの奥の所定の位置に、横置きに配置する必要がある。しかし、ハウジングの空間が狭いため、スプリングを仮止め又は仮押さえする適切な手段を確保することが難しく、組み立ての作業性が悪くなっている。
【0008】
特に複数のアンダーカットを設ける金型では、多くの時間を要するという問題がある。また、ハウジングの清掃などのメンテナンスのため、アンダーカット形成部を分解・組立する必要があるが、これにも多大な労力がかかる、という問題がある。
【0009】
また、真空成形品の形状によって、スプリングの最適化(バネ力の最適化)が必要となるが、バネ力は成形品を離型するときに離型力で容易に離型できる程度であって、かつ成形時の真空吸引により可動ブロックがハウジング内に引き込まれないようなバネ力でなければならない。
【0010】
かかるバネ力は、トレイの形状(深さ、幅等)、トレイに使用する材料、成形品の膜厚、突起部の高さによって異なるため、トレイの形状等によって、最適なバネを現場合わせで試行錯誤的に選定する必要があり、その都度、何度もアンダーカット部の分解・組立が必要となり、多くの労力がかかるという問題がある。
【0011】
次に、特許文献1の真空成形用金型の第2の問題点は、アンダーカット形成部を金型側壁の空洞部に埋め込むためには側壁に所定の厚みが必要であり、金型全体が大きくなってしまうという問題である。特許文献1の金型は、可動ブロックの背面にスプリングを配置しているため、可動ブロックの収納とスプリングを横配置できる幅の空洞部(ハウジング)が必要となり、アンダーカットの無い部分も含めて、金型側壁の空洞部の厚みを大きくせざるを得ない。そのため、金型が大型になり、その重量も大きくなるという問題がある。
【0012】
さらに、特許文献1の金型はその側壁にのみアンダーカット形成部を設けているが、大型の薄肉トレイになると側壁のアンダーカットだけではトレイの強度を維持することができない。このためトレイ内側の仕切壁にもアンダーカットが形成できることが望ましい。しかし、側壁に比較し仕切壁の壁厚は薄く、下記特許文献1に記載のアンダーカット形成部では仕切壁に埋め込むことができない、という問題がある。
【0013】
そこで本発明は、弾性体(スプリング等)の弾性力で可動ブロックを進退(傾動)させて、アンダーカットの離型を容易にする真空成形用金型(以下、「可動ブロック傾動式金型」という)において、弾性体の配置と、可動ブロックの取付け構造、可動ブロックの形状等を改良して、アンダーカット形成部の組立の作業性が良く、かつ金型の側壁や仕切壁に適用できるアンダーカット形成部を備えた真空成形用金型を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本出願人は、可動ブロック傾動式金型において、可動ブロックを傾動可能に支持する支持軸の取付けにより、弾性体(スプリング等)を可動ブロックの背面だけでなく、その底面等に配置しても、弾性体(スプリング等)の弾性力を可動ブロックの前方への傾動力に転換できることを着想した。
【0015】
また、弾性体(スプリング等)を可動ブロックと金型の底面との間に配置すれば、組立の際に弾性体(スプリング等)の上に可動ブロックを組み込むことによって、弾性体(スプリング等)を仮止めや仮押さえをすることなく、組立作業が可能になり、その作業性が顕著に改善されることを着想した。
【0016】
これらの着想に基づく本発明の真空成形用金型は、内部に仕切壁を有する深皿状のトレイの外壁側面及び/又は内壁側面に、前記トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットを有するトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、前記外壁側面及び/又は内壁側面から突出する突出部と、前記突出部の下端から前記突出部の突出する方向に延在する連結部と、前記連結部の端部に前記突出部を傾動させる回転軸とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記突出部の底板と金型の底蓋との間に配置され、
前記底板を上方に押圧し前記突出部を突出させる弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型である。
【0017】
また、本発明の真空成形用金型は、所定の離隔で互いに対向する対向面を有する仕切壁を内部に備えた深皿状トレイの前記対向面に、トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットが形成されたトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、少なくとも前記対向面のいずれか一方から突出する突出部と、前記突出部の下端から前記突出部の突出する方向に延在する連結部と、前記連結部の端部に前記突出部を傾動させる回転軸とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記突出部の底板と金型の底蓋との間に配置され、
前記底板を上方に押圧し前記突出部を突出させる弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型である。
【0018】
上記の真空成形用金型においては、前記トレイである被成形体の成形時には、前記突出部は、前記弾性体の弾性力で上方に押し上げられることにより、前記外壁側面及び/又は前記内壁側面、あるいは互いに対向する仕切壁の対向面から突出し、前記被成形体の離型時には、離型により前記突出部に生じる押圧力により、前記弾性体が圧縮され、前記突出部が金型の内部に押し込まれる。
【0019】
また、上記の真空成形用金型においては、前記弾性体の弾性力は、成形時の真空吸引力によっては圧縮されず、前記押圧力によって圧縮され、前記突出部が前記ハウジング内又は空洞部内に押し込まれる範囲である。また、上記の真空成形用金型においては、前記可動ブロックと前記弾性体とは、前記ハウジング又は前記空洞部内に着脱可能に装着される。
【0020】
内部に仕切壁を有する深皿状のトレイの外壁側面及び/又は内壁側面に、前記トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットを有するトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、前記外壁側面及び/又は内壁側面から突出する突出部と、
前記突出部の下端から前記突出部の突出する方向に延在する連結部1と、前記連結部1の端部に前記突出部を傾動させる回転軸と、
前記回転軸から前記突出部の回転方向に延在する連結部2とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記連結部2の端部に接続し、前記突出部の突出を付勢する弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型である。
【0021】
所定の離隔で互いに対向する対向面を有する仕切壁を内部に備えた深皿状トレイの前記対向面に、トレイを多段に積み重ねる際の支持台となるアンダーカットが形成されたトレイの真空成形用金型であって、
前記アンダーカットを形成するアンダーカット形成部は、少なくとも前記対向面のいずれか一方から突出する突出部と、
前記連結部1の端部に前記突出部を傾動させる回転軸と、
前記回転軸から前記突出部の回転方向に延在する連結部2とを有する可動ブロックと、
前記可動ブロックを金型の内部に収容し、前記回転軸を支承する軸受けを有するハウジング又は空洞部と、
前記連結部2の端部に接続し、前記突出部の突出を付勢する弾性体とを備え、
前記回転軸の中心が、突出する前記突出部の先端位置と同じか、それよりも突出方向に設けられていることを特徴とする真空成形用金型である。
【0022】
上記の真空成形用金型においては、前記トレイである被成形体の成形時には、前記突出部は、前記弾性体の弾性力で前記仕切壁の対向面から突出し、前記被成形体の離型時には、離型により前記突出部に生じる押圧力により前記弾性体が引張され、前記突出部が金型の内部に押し込まれるように構成されている。
【0023】
また、上記の真空成形用金型においては、前記弾性体は、成形時の真空吸引力によっては引張されず、前記押圧力によって引張され、前突出部が前記ハウジング内又は空洞部内に押し込まれる範囲である。また、上記の真空成形用金型においては、前記可動ブロックと前記弾性体は、前記ハウジング又は前記空洞部内に着脱可能に装着される。
【発明の効果】
【0026】
本発明により真空成形用金型において、弾性体を突出部の底板と金型の底面との間に配置することが可能になった。これにより、可動ブロックの組立作業の手間が顕著に軽減された。また、薄い外側壁や仕切壁など、空洞部に厚みのない箇所であってもアンダーカット形成部を装着することができた。これによりアンダーカット形成を備えた小型の真空成型用金型の提供が可能になり、薄肉成形の大型トレイであっても所望の強度を維持して上下多段に積み重ね可能な大型薄肉トレイの製作が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、実施例の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例である真空成形用金型の形状を示す斜視図である。
図1に見られるように、金型1は、底盤2の上に外壁3が形成され、その内部は仕切壁4により物品の収納部が小区画に分割されてなるものである。
【0028】
外壁3の外側にアンダーカット形成部5が設けられている。アンダーカット形成部5は、外壁3の左右、前後の4辺に各3個、計12個設けられている。この金型において、底盤2,外壁3及び仕切壁4は、いずれも内部が空洞の中空体からなり、金属の切削加工等により作成されている。
【0029】
この金型で成形されるトレイは、多種類の小型部品例えば電気回路用チップ等を、種類別に分別して収納するような目的で用いられるもので多数の仕切壁を有している。このトレイアンダーカットは、全て外壁に設けられている。
【0030】
収納する部品によりトレイの仕切壁が比較的少なくてよい場合もあり、アンダーカット形成部5を外壁3の外側に設けず、外壁3の内側や仕切壁4の側面に設けられることもある。物品収納部は
図1に示すように仕切壁4により完全に区画しても良いが、その一部に欠損(隣接する部品収納部間に開口)部を設け、互いに対向する対向面を有する仕切壁としても良い。物品収納部の部品等が、衝撃等により他の部品収納部へ移動しない程度に区画する仕切壁であればよい。
【0031】
図2は外壁3の内側と、仕切壁4の側面にアンダーカット形成部5を設けた金型の形状を示した図である。なお、アンダーカットの形状やアンダーカット形成部の金型の形状、構造は同一であってもよく、またその形状、構造を変えてもよい。
【0032】
図3は、金型1のアンダーカット形成部の構造を示す図で、
図3(a)はその外観斜視図、
図3(b)はその正面図、
図3(c)はその側面図、
図3(d)は
図3(b)のA−A断面図である。なお、これらの図において、金型1の底盤2、外壁3は左右に長く連続してなるものであるが、図示の都合上、その一部を一点鎖線で切り取って表示している(後述する図についても同様である)。
【0033】
図3(a)に見られるように、外壁3に開口部6が設けられ、その内部の空洞部に可動ブロック7が収容されている。
図3(d)に見られるように、可動ブロック7は、その一側面(開口部側)に、アンダーカットを形成する突出部8を有し、突出部8は底板9上に立設する形状となっている。
【0034】
本体部14は突出部8と底板9とを備え、底板9の端部から、回転軸11と底板9とを接続する連結部10が延在し、回転軸11の中心から所定の半径で突起部8が、
図3においては反時計方向に回転するように構成されている。回転軸11は、外壁3及び底盤2の内部に設けられたハウジング又は一対の仕切壁の両側壁に形成された軸受(いずれも図示していない)に支承され、突出部8がその法線方向に沿って前後に傾動可能になるように支持している。また、底板9の裏側に形成されている半円筒状凹部15(
図4(b)参照)と、金型の底蓋12の間には、弾性体としてスプリング13が直立に配置されている。
【0035】
本発明の構成のポイントは、回転軸11がスプリング13の中心軸から突出部8の突出方向に外れて配置されている点にある。これにより、スプリング13の弾性力により上方への押し上げ力(
図3(d)中矢印Xで示す)が回転軸11を中心とする回転力になり、突出部8の押し出し力(矢印Yで示す)として作用することになる。
【0036】
このように、スプリング13を可動ブロック7の背面ではなく、突出部の底面(底板)の下に配置しても、背面にあると同様の効果が得られるようにしていることが本発明の一つの特徴である。
【0037】
一方、被成形品を金型から離型するときには、突出部8の上部が外壁3の表面近くまで後退するように突出部8が、外壁3の空洞部内に押し込まれる。可動ブロック7は、回転軸11により時計回りに回動するから、可動ブロック7の底板9も押し下げられ、斜め右下がりにやや傾斜した状態になる。これに対応して、スプリング13も圧縮される。その際、スプリング13が斜めにずれないように、底板9の下面にスプリング13を囲む壁のように底板9の裏側に半円筒状凹部15が形成されており、これによりスプリング13のずれを防止している。
【0038】
ここで、第1の実施例においては、弾性体としてコイルバネ(スプリング13)を使用したが、これに代えて、例えば円筒形状のゴム、空気バネなど、弾性体であればその種類は問わない。また、スプリング13の配置については、可動ブロック7の底面の配置に限られない。要は、弾性体の弾性力により回転軸11を中心とする回転力が突出部8に働き、突出部8が真空成形時には金型1の外壁側面、内壁側面、仕切壁から突出する。被成形体の離型時には、離型により突出部8に生じる押圧力により、突出部8が金型の内部に押し込まれる。こうした弾性力が作用するような構造にして弾性体を配置すれば良い。
【0039】
図4は、本実施例で用いた可動ブロック7の形状を示す図で、
図4(a)は可動ブロック7が正立した状態の斜視図、
図4(b)は可動ブロック7が倒立した状態の斜視図である。
図4(a)にみられるように、この可動ブロック7は、突出部8、底板9、連結部10、回転軸11、本体部14が一体に成型されてなり、それぞれの境界は明瞭ではない。
【0040】
図4(b)に見られるように、底板9の裏側(図では上側)に半円筒状の凹部15が形成されており、ここに、スプリング13を嵌め込むことができる。この凹部15は、離型時のスプリング13のずれを防止する効果だけでなく、可動ブロックの組立時に、スプリングを仮止めしておく手段としても有用であり、これにより、組立作業の作業能率の一層の向上が期待できる。
【0041】
次に、本実施例の真空成型金型におけるアンダーカット形成部の組立作業の手順について説明する。
図5は、アンダーカット形成部の組立作業の説明図で、
図5(a)は、部品の配列を示す分解図、
図5(b)は組立後の金型底面の状況を示す斜視図である。
【0042】
本実施例において、アンダーカット形成部の組立は、金型の底部より行う。すなわち、アンダーカット形成部の底盤2の下面に底蓋12とその開口部である底蓋開口部16が形成され、底盤2及び外壁3の内部に形成されたハウジングの両側壁に軸受(図示していない)が形成されている。
【0043】
組立作業者は、まず可動ブロックの回転軸11を、ハウジングの軸受けに嵌合し、次いで可動ブロックの凹部15内部にスプリング13をセットする。次いで底蓋12をネジ止めにより、底蓋12の下面に固定する。これにより、アンダーカット形成部の組立作業は完了し、金型の底面は、
図5(b)に示すような状況になる。
【0044】
この作業手順では、アンダーカット形成部1箇所の組立に要する時間は、1〜2分程度であり、
図1に示したような12箇所のアンダーカットがある場合でも、全作業時間は10分〜15分程度に抑えることがでるので、特許文献1の方式に比して、作業効率の顕著な向上が可能になったということができる。
【0045】
図6は、本発明の第2の実施例である真空成形用金型の形状を示す斜視図である。
図6に見られるように、金型1aは、底盤2の上に外壁3が形成され、その内部は仕切壁4により部品収納部が小区画に分割されてなるものである。
図6に示す金型1aと
図1に示す金型1との相違点は、仕切壁4に設けられたアンダーカット形成部にある。
【0046】
金型1aの外壁3には金型1と同様のアンダーカット形成部5が設けられている。金型1aの長手方向の仕切壁4には、外壁3のアンダーカット形成部5と異なるアンダーカット形成部5aが設けられている。金型1aには外壁3の左右の2辺に各4個、計8個、中間部に欠損(開口)部のある仕切壁4の対向面40の4か所に各1個、計4個、合計12個のアンダーカット形成部が設けられている。
【0047】
アンダーカット形成部5とアンダーカット形成部5aとの相違については後述するが、金型1aの底盤2,外壁3及び仕切壁4は、いずれも内部が空洞の中空体からなり、金属の切削加工等により作成されている。仕切壁4の厚さは、外壁3の厚さの約1/3程度と薄く、突出部8aは、仕切壁4の内部に収納され対向面からそれぞれ突出するように設けられている。
【0048】
図7は本発明の第2の実施例である真空成形用金型の仕切壁4の対向面に設けたアンダーカット形成部5aの分解構造図である。
図7(a)の左図は、可動ブロック7aの形状を示した斜視図、
図7(a)の右図は、可動ブロック7aを対向するように配置した斜視図である。
図7(a)に見られるように、金型1に用いた可動ブロック7と可動ブロック7aとの相違は、底板9に立設している突起部の厚みとその形状にある。即ち、可動ブロック7の突起部8に対し、突起部8aの厚みは突起部8よりも薄く、その形状は中心角が約90度の扇形の形状で形成されている。突起部を薄く扇形に形成することで、薄い仕切壁4であっても、その内部に突起部8aを収納でき傾動させることができる。なお、可動ブロック7aが、突出部8a、底板9、前方連結部10、回転軸11、本体部14により一体に成型されていること、弾性体の配置などについては可動ブロック7と同様である。
【0049】
図7(b)に見られるように、底板9の裏側(図では上側)に半円筒状の凹部15が形成されており、ここに、スプリング13を嵌め込むことができる。この凹部15は、離型時のスプリング13のずれを防止する効果だけでなく、可動ブロックの組立時に、スプリングを仮止めしておく手段としても有用であり、これにより、組立作業の作業能率の一層の向上が期待できることも可動ブロック7と相違はない。
【0050】
図7(c)は、アンダーカット形成部の構成部品の配列を示す分解図、
図7(d)は組立後の金型底面の状況を示す斜視図である。可動ブロック7aの回転軸11は、ハウジングの軸受け(図示されていない)に嵌合する。可動ブロックの半円筒状凹部15内部にはスプリング13がセットされる。底蓋12のネジにより底蓋12を着脱し、スプリング13、可動ブロック7aの交換・清掃を行うことができる。底蓋12のネジ締めにより金型の底面は、
図7(d)に示すような状況になる。
【0051】
図8は、本発明の第2の実施例である金型1aのアンダーカット形成部5aの構造を示す図である。
図8(a)は、真空成形時における仕切壁4から突出部8aが突出している状態の斜視図であり、
図8(b)はその平面図であり、
図8(c)は
図8(b)に示すA−A断面図である。
図8に示すように突出部8aの厚みは仕切壁4の壁厚よりも薄く、その壁内に収納可能に形成されている。真空成形時にはスプリング13により底板9に上方向の力が作用し突起部8aは仕切壁4の内部から対向面の外側に突出する。
【0052】
図8(d)は、離型時における仕切壁4の内部に可動ブロック7aが収納されている状況を示す斜視図であり、
図8(e)はその平面図であり、
図8(d)は
図8(e)のC−C断面図である。離型時には離型により突出部8aに生じる押圧力により、スプリング13が
図8(f)のように圧縮され、突出部8aが仕切壁4の内部に押し込まれ仕切壁4内に収納される。
【0053】
図9、
図10は、
図7、
図8に示す金型1aの仕切壁4に設けたアンダーカット形成部5bの構造図と基本構造は同じであるが、仕切壁4の各対向面40に設けた可動ブロックの回転軸が共通化されている点で相違する。
【0054】
図9(a)(b)に見られるように、可動ブロック7bの底板9の幅の約1/2の長さで軸受19を形成する。対向する可動ブロック7bの軸受19を非対称に形成し、その中心軸を整合させ、そこに回転軸11を挿通し共通軸とする。このような共通回転軸を備えたアンダーカット形成部は、対向する仕切壁の対向面40の間隔が狭い場合に好適である。
【0055】
底板9の裏側(図では上側)に半円筒状の凹部15が形成されていること、
図9(c)のアンダーカット形成部の構成部品の分解図、
図9(d)の組立後の金型底面の状況を示す斜視図については、
図7(c)、(d)における説明と同様である。
【0056】
図10は、アンダーカット形成部5bを備えた金型1aの構造を示す図である。
図10(a)は、真空成形時における仕切壁4から突出部8aが突出している状況を示す斜視図であり、
図10(b)はその平面図であり、
図10(c)は
図10(b)のA−A断面図である。また、
図10(d)は離型時における仕切壁4の内部に可動ブロック7aが収納されている状況を示す斜視図であり、
図8(e)はその平面図であり、
図8(g)は
図8(e)のC−C断面図である。その説明は
図8(a)から
図8(f)の説明と同じであるが、回転軸11aが共通軸となっていること、中間で切断された仕切壁4の対向間隔が狭くなっている点で相違する。
【0057】
図11は、その中間部において仕切壁4の一部が欠損し、その厚みの半分が残存仕切壁4aとして残り、互いに対向する欠損部の対向面40が所定の離隔で形成され、その対向面40の片側にアンダーカット形成部5cが形成された金型1aの構造を示した図である。
図11(a)はその斜視図であり、
図11(b)は側面図、
図11(c)は断面図、そして
図11(d)は
図11(b)のB−B断面図である。基本構造は上述したアンダーカット形成部5と同様であるが、収納部品が小さいため仕切壁を残存させ隣接収納部に仕切りを残しておきたいトレイの成形に好適な実施例である。突出部8bは残存仕切壁4aに沿って傾動する。真空成形時には対向する仕切壁に当接し、離型時には離型による押圧力で仕切壁内に押し込まれる。
【0058】
図12はその中間部において仕切壁4が欠損し、互いに対向する欠損部の対向面40の片側に仕切壁4の厚み幅でアンダーカット形成部5dを設けた金型1aの構造を示した図である。
図12(a)はその斜視図であり、
図12(b)は側面図、
図8(c)は断面図、そして
図8(d)はD−D断面図である。基本的な構造は上述したアンダーカット形成部5と同じであるが、
図12に示すように仕切壁4の対向面40(欠損面)を突起部の形状(例えば中心角90度の扇形)に切り取り、係る空間で突起部8cが傾動するように構成している。かかる構成とすることで、仕切壁の壁厚が薄く、仕切壁4の内側に突出部を収納できない、あるいは残存仕切壁に沿うように突出部を設置できない場合に好適な実施例である。
【0059】
図13は可動ブロックと回転軸、そして弾性体による可動ブロックの付勢力との関係を示した図である。上述した実施例においては、弾性体としてスプリングを用い、底板9の裏側の半円筒状の凹部15(突出部の底板)と金型の底蓋との間にスプリングを配置し、スプリングの付勢力により突出している突出部の先端位置と同じか、それよりも突出する方向に回転軸の回転中心を設けることで、突出部を傾動させている。
【0060】
しかし、可動ブロックの傾動はこれに限らず、例えば
図13(a)(b)に示すように可動ブロックの傾動方向前方に回転軸11を設け、その先に連結部材18を介してスプリング13(引張スプリング13)の引張力により突出部8aを突出させても良い。また、
図13(c)(d)に示すように、連結部材20を回転軸の下方に延在させ、突出部8aを突出させる方向と反対方向に引張力を与えることでも良い。
【0061】
付勢力の付与はスプリングに限られない。例えば、弾性体である円筒形状のゴムを用いても良い。また、引張力を付与する弾性体としてゴム紐、輪ゴム等も用いても良い。また、空気バネ、プラスチック、あるいは金属の弾性体であっても良い。
【0062】
図14は真空成形用金型1aにより成形したトレイ100を上下に積み重ねたときの仕切壁に設けたアンダーカットが上段のトレイの底板に当接している状態を示す斜視図である。トレイの外壁300にはアンダーカット500が左右に4個、計8個、形成されている。下段トレイのアンダーカット500に上段のトレイ100の底板が当接することで、外壁に設けたアンダーカット薄肉のトレイ100の強度を維持している。
【0063】
図15はトレイ100を上下に積み重ねた際の、
図15(a)は平面図、
図15(b)は正面図、
図15(c)は側面図、
図15(d)は
図15(a)のA−A断面図である。下段トレイのアンダーカット500に上段のトレイ100の底板が当接することで、外壁に設けられたアンダーカット500、仕切壁に設けられたアンダーカット500により、薄肉のトレイ100の強度を維持している。
【0064】
前記構成の収納トレイによれば、収納トレイ同士を同方向に向けて重ね合わせた状態で、下段のアンダーカットの突起部が、上段のトレイの底板に当接することで、上下の収納トレイを一定の間隔を保持して積み重ねることができる。外壁に設けるアンダーカット部の下部側面に内側に凸となる凸面部を形することで、下段のアンダーカットの突起部に上段の前記凸面部が当接し、より安定したトレイの段積みが可能となる。
【0065】
また、仕切壁のアンダーカットの突起部が、上段のトレイの底盤に当接することで、薄肉のトレイであってもトレイが撓むことなく多段に積み重ねることができる。外壁及び仕切壁にアンダーカットを設けることで、外側枠部と仕切壁の両方が補強されて外側へ開き難くなり、段積みした収納トレイに大きな衝撃が加わっても、外側枠部が外側へ開いてしまうなどの変形を来し難くなる。
【0066】
【解決手段】アンダーカットを形成する傾斜面を有する突出部8を前後に傾動可能に支持する回転軸11を所定の位置に配設するとともに、突出部の底板9と金型底蓋12の間に弾性体13を配置して、弾性体の弾性力により、可動ブロック7が回転し側壁等から押し出されるように構成する。