(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6693697
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】受動安全ペン針アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20200427BHJP
【FI】
A61M5/32 510P
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-250267(P2014-250267)
(22)【出願日】2014年12月10日
(65)【公開番号】特開2015-134156(P2015-134156A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2017年11月30日
(31)【優先権主張番号】61/914,306
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スダルサン スリニバサン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル デビアシ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル モチャハリ
(72)【発明者】
【氏名】サジャイエシュ ヴィジャヤチャンドラン
【審査官】
胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−502316(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0257603(US,A1)
【文献】
特表2012−500063(JP,A)
【文献】
特開2008−220934(JP,A)
【文献】
特表2011−512196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端と遠位端と、前記基端と前記遠位端との間に1または複数の開口部を形成する交差片と、を有するハブと、
前記ハブに固定される針であって、患者に挿入されるように形成された遠位端と、基端とを有し、前記針の前記遠位端と前記ハブの遠位端との間の前記針の挿入長さを定めるべく、前記ハブの前記遠位端から遠位方向に延在する針と、
前記ハブに対して、少なくとも前記針の前記挿入長さの実質的な部分を覆う第1状態から、少なくとも前記針の前記挿入長さの実質的な部分が露出される第2状態にスライド可能な第1シールドと、
前記ハブに対して、前記針の前記基端を覆う第1位置から、前記針の基端が露出される第2位置にスライド可能であり、前記ハブの前記1つまたは複数の開口部を通って前記基端から近位方向に延びるシールド部材を備え、前記交差片の遠位側に位置されたベースと、前記第2位置に保持するために前記ハブと嵌合するように構成され、前記ベースの遠位側から延びるロック腕とを有している第2シールドと、
前記第1シールドと前記第2シールドとの間に配置され、前記第1状態に向かって遠位方向に前記第1シールドを推し進めるように構成された偏向力と、前記第1位置に向かって基部方向に前記第2シールドを推し進めるように構成された偏向力とを同時に生み出すように構成されたバイアス手段とを備えることを特徴とする安全ペン針アセンブリ。
【請求項2】
前記バイアス手段は単一のばねであることを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項3】
前記バイアス手段は前記第1シールドと前記第2シールドと圧縮係合されていることを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項4】
前記安全ペン針アセンブリを医療用注入器に取り付けるように形成された取付部が前記ハブに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項5】
前記安全ペン針アセンブリが医療用注入器に取り付けられると、前記第2シールドは前記バイアス手段の力に抗して前記第2位置に向かって遠位方向に推し進められることを特徴とする請求項4に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項6】
前記安全ペン針アセンブリを前記医療用注入器から取りはずす上で、前記バイアス手段は前記第2シールドを前記第1位置に向かって基部方向に推し進めることを特徴とする請求項5に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項7】
前記バイアス手段は前記交差片の遠位方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項8】
前記第2シールドの前記シールド部材は前記開口部を通って延在し、前記針の前記基端は前記第2シールドが前記第1位置にある状態で覆われることを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項9】
前記第2シールドは、前記ベースの前記遠位側から延在する案内腕を有し、前記案内腕は、前記ハブとスライド係合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項10】
前記ロック腕は、前記ハブの引っ込んだ部分とロックするためのロック用デテントを有することを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項11】
前記案内腕は、前記ハブの長手方向に延在する開口内をスライドするための拡張部分を有することを特徴とする請求項9に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項12】
前記第2シールドの前記ベースは、前記ハブの一部をスライド係合状態に受入れるための開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項13】
前記案内腕は、前記ハブに対する前記第2シールドの回転運動を制限するように前記ハブの長手方向の開口内をスライドするために前記遠位側から延在していることを特徴とする請求項9に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項14】
前記第2シールドの前記ベースは、前記交差片の遠位側を向いていることを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項15】
前記ハブは、前記第2シールドが前記第1位置にあるときに前記ロック腕を受けるための第1開口部と、前記第2シールドが前記第2位置にあるときに前記ロック腕を受けるための第2開口部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の安全ペン針アセンブリ。
【請求項16】
前記ロック腕は、前記ハブの前記第1開口部および前記第2開口部に受け入れられるために構成されたロック用デテントを有することを特徴とする請求項15に記載の安全ペン針アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2013年12月10日に出願された米国仮特許出願No.61/914,306,の優先権を有し、参照によってここに全ての内容が組み込まれる。
【0002】
安全ペン型針アセンブリが注射後の使用済み針をシールドするための従来技術で知られている。そのようなアセンブリは一般的に「受動的」または「能動的」と分類されているかもしれない。受動的装置は典型的に、シールドが、注射を行うのに必要なこと以上の追加の工程を必要とすること無しに成し遂げられるところのものと考えられている。これに対して、能動的装置は典型的に、シールドが、注射を行うのに必要なことのほかに、1またはそれ以上の追加の工程、例えば、バネ発射式シールドを始動するなどの工程を必要とするものであると考えられている。
【0003】
加えて、シールドはもっとも一般に針の患者側すなわち遠位端につけて利用される。シールドは、針の非患者側すなわち基端にも設けられ、注射後の針の遠位端と基端との両方に同じ装置を設けられることもある。米国特許7540858号明細書(DiBiasi)及び米国特許出願公開第2011/0178473号明細書(Richards)の双方は、ここに代わって、受動的両端シールド安全ペン針アセンブリを示し、これは、針の遠位端と基端の両方を、注射後に受動的にシールドされるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許7540858号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2011/0178473号明細書
【発明の概要】
【0005】
第1の面において、安全ペン針アセンブリは、基端と末端とを有するハブと、このハブに固定される針であって、患者への挿入向けの形状をした遠位端と基端とを具える針とを含む。この針は、ハブの遠位端から遠位方向に伸び、針の遠位端とハブの遠位端との間の針の注射長さを定めるようになっている。このアセンブリは、さらに、ハブに対して、少なくとも前記針の前記挿入長さの実質的な部分を覆う第1状態から、少なくとも前記針の前記挿入長さの実質的な部分が露出される第2状態にスライド可能な第1シールドを含む。さらに第2シールドが、前記ハブに対して、前記針の前記基端を覆う第1位置から、前記針の基端が露出される第2位置にスライド可能に設けられる。バイアス手段が前記第1シールドと前記第2シールドとの間に配置され、前記第1状態に向かって遠位方向に前記第1シールドを推し進めるように構成された偏向力と、前記第1位置に向かって基部方向に前記第2シールドを推し進めるように構成された偏向力とを同時に生み出すように構成されている。好適には、受動的安全ペン針アセンブリは、必要とされる最低限の部材で形成されていてもよい。
【0006】
更なる面で、安全ペン針アセンブリは患者側の端部だけに本発明によるシールドの利用をもたらしてもよい。
【0007】
本発明のこれら及び他の事柄は以下の詳細な説明及び添付の図を通してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図2】
図2は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図3】
図3は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図4】
図4は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図5】
図5は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図6】
図6は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図7】
図7は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図8】
図8は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図9】
図9は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図10】
図10は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図11】
図11は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図12】
図12は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図13】
図13は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図14】
図14は受動安全ペン針アセンブリの実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図15】
図15は、受動安全ペン針アセンブリの更なる実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図16】
図16は、受動安全ペン針アセンブリの更なる実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【
図17】
図17は、受動安全ペン針アセンブリの更なる実施形態及び本発明に関して形成された構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1−14を参照し、安全ペン針アセンブリ10は、概して、ハブ12、針14、第1シールド16、第2シールド18、及びバイアス部材(biasing element)20とを含むものが示されている。当業者によって認識されるように、安全ペン針アセンブリ10は、様々な医療用注入器として使用され得るが、特に、医療用ペン注入器の使用に適している。
【0010】
ここに使用される用語「遠位(distal)」及びこの派生語は、概して患者に向かう方向のことを言う。一方、用語「基部(proximal)」及びこの派生語は、概して患者から離れる方向のことを言う。
【0011】
図6−
図9を参照して、ハブ12は、基端24から遠位端26の間に延在する筒状の外壁22を含む、通路28は、基端24から遠位端26の間に延在し、この部分を横切るように延びる交差片30を伴う。柱上支持部32は、交差片30から延在し、この支持部32内を通って延在し、固定状態において針14を受け入れ支持するように形成された通路34を伴う。1または複数の開口部36が交差片30を介して形成されている。
【0012】
取付部38は、外壁22の内部に、基端24に近接して定められてもよい。取付部38は、安全ペン針アセンブリ10を医療用注入器に取り付けるために有用な、周知のいかなる形であってもよい。例えば、ねじ山や、差込みロック形状といったもの、テーパ状であったり、ルアー表面などの表面形状といったものが上げられる。交差片30は、取付部38の遠位側に位置するのが好ましい。
【0013】
少なくとも一つの案内スロット40が、外壁22における遠位端26の近傍に形成されている。加えて、少なくとも一つのロック用穴42が各案内スロット40の近傍に設けられている。少なくとも一つのチャンネル44が、外壁22の交差片30の遠位方向に位置されるのが好ましい。さらに、少なくとも一つの保持穴46が外壁22の交差片30の遠位方向に好ましくは形成されている。
【0014】
針14は患者への挿入用に形成された遠位端48と、基端50とを含む。この針14は、通路34の内側に、接着や溶着等の周知の技術を用いて固定されることによって、針14の遠位端48がハブ12の遠位端26の遠位方向に位置されて、挿入長さIを定め(
図4参照。)、そして、針14の基端50は交差片30の基端方向に位置される。好ましくは、針14の基端50は、ハブ12の基端24の遠位方向に位置される。この針14は、液体が遠位端48と基端50との間を搬送されるようになっていればいかなる形でもよい。例えば、カニューレ形状といったものを有していてもよい。
【0015】
図13及び14を参照し、第1シールド16は概して、基端54と遠位端56を有する筒状のボディ52を含む。基部側開口部58は基端54で規定され、遠位側開口部60は、遠位端56で規定される。任意に、覆い壁62はボディ52の遠位側開口部60と遠位端56との間に延在して設けられていてもよい、この基部側開口部58と遠位側開口部60は、針14が通る通路を可能とするように形成されている。
【0016】
第1シールド16は、少なくとも一つの案内突起64を設けられている。この案内突起64は、案内スロット40内にはまって受け入れられるように形成される。案内突起64付近のボディ52の一部は、案内突起64が位置されるところの片持ち腕66を規定するように取り除かれてもよい。加えて、少なくとも一つのロック用タブ68が第1シールド16に設けられ、ロック用穴42とスナップ係合するように形成されている。ボディ52は、ロック用タブ68とこれを受け入れるロック用穴42とのスナップ係合を保持するための十分な弾力性をもたらす。したがって、ボディ52の構成材料は、そのような弾力性をもたらすものであってもよい。加えて、または、別の選択肢として、ロック用タブ68は、片持ちロック腕70に設置されてもよい。
図4にもっともよく示されているように、取付カラー72は覆い壁62から基部方向に延在するように設けられていてもよい。
【0017】
図10−12を参照し、第2シールド18は針14が通る通路を許す大きさで定められた開口部76を有するベース74を含む。少なくとも一つの案内腕78は、ベース74から遠位方向に延在し、それから延在する拡張部80を有する。この拡張部80は、スライド係合においてチャンネル44に受け入れられる大きさである。加えて、少なくとも一つのロック用腕82がベース74から遠位方向に延在し、ロック用デテント84を備えている。少なくとも一つのシールド部材86が、ベース74から基部方向に延在する。少なくともシールド部材86の二つが、閉じた周を相対的に規定するように設けられているのが好ましい。このシールド部材86は交差片30に形成された開口部36を通るように形成されている。シールド部材86が開口部36を通る安定したスライド移動をもたらすために、開口部36は、シールド部材86から放射状に外方向に延びるリッジ(ridge)90なるものを受け入れるように形成された切り抜き(cut-out)88を設けられてもよい。
【0018】
バイアス部材20は、好ましくは、コイルバネや圧縮バネなどのバネといった単一構成要素である。このバイアス部材20は、
図4及び
図5に示されるように、第1シールド16と第2シールド18の間で、ハブの内部に設置されている。支持部32は、バイアス部材20の一部を通り抜けて延びて、使用中圧縮されたときにバイアス部材18の座屈に反して柱状の支持をもたらすものである。加えて、取付カラー72は、追加の柱状の支持をもたらすために、バイアス部材20の一部を通りぬけて延びてもよい。
【0019】
バイアス部材20は、第1シールド16を遠位方向に推し進め、第2シールド18を基部方向に推し進める偏向力(biasing force)を同時に生み出すように形成されている。
【0020】
初期状態において、
図1−5に示すように、第1シールド16は、針14の挿入長さIの少なくとも実質的な部分を覆うように設置されている。実質的な部分は少なくとも挿入長さIの半分とみなされている。針14の遠位端48は、準備及び患者への挿入のための視覚的アクセスを許すために、最初は露出されていてもよい。
【0021】
図2に示すように、初期状態において、案内突起64は案内スロット40に収容されている。好ましくは、案内スロット40は、ハブ12の長手方向の軸を基準として角度つけて配置されている第1部分92を有している。加えて、案内スロット40は第1部分92とつながり、第1部分から延在する第2部分94を含む。第2部分94は好ましくは、ハブ12の長手方向の軸に平行である。安全ペン針アセンブリ10が、事前に準備された針を伴って、例えば取付部38によって医療用注入器に取り付けられた状態で、第1シールド16は、安全ペン針アセンブリ10に付与される力に伴い、患者の肌に抵抗して押されるようにされ、第1シールド16は少なくとも針14の挿入長さの実質的な部分が露出するように、基部方向にずらされる。第1シールド16の基部移動に伴い、案内突起64は案内スロット40の第1部分92を横断するようにされ、その結果、第1シールド14と、案内スロット40の第2部分94での案内突起64が最終的に整列する。第1シールド16が基部側へ引っ込むことによって、バイアス部材20はハブ12の内側で圧縮される。注射後、患者皮膚から第1シールド16を離すと、バイアス部材20は第1シールド16を、シールド状態に向かって遠位方向に推し進める。第1シールド16の回転のために、第1シールド16が針14の挿入長さを少なくとも実質的に覆う状態でのスナップ係合で受け入れられるように、ロック用タブ68はロック用穴42と軸方向に整列される。初期状態で、ロック用タブ68は、第1シールド16の回転より先に、収容穴43に位置されていてもよい。ロック用タブ68とロック用穴42のスナップ係合は、シールド状態で第1シールド16を固定する。
【0022】
第1シールド16によって、針の遠位端48は覆われてもよいということを特筆する。図に示すように、回転可能な皮膚係合部材96は、ここに参照される米国特許出願2012/046614号A1に開示されているようなものでもよい。
図4に示されるように、回転可能な皮膚係合部材96は、最終的なシールドロック状態とされた第1シールド16とともに、針14の遠位端48を覆ってもよい。いかなる点においても、第1シールド16はシールド状態において、針14の挿入長さIの実質的な部分を少なくとも覆う。回転可能な皮膚係合部材96は回転して取付カバー72と係合するように形成されていてもよいこともまた特筆する。さらに、凸筋(bead)98が、第1シールド16と回転可能な皮膚係合部材96との間の摩擦を減らすために、回転可能な皮膚係合部材96と係合する覆い壁62に形成されていてもよい。
【0023】
加えて、初期状態において、
図4及び
図5に示すように、第2シールド18は、針14の基端50を覆ってもよい。安全ペン針アセンブリ10を医療用注入器に取り付けると、第2シールド18は、バイアス部材20の力に抗して遠位方向に推し進められる。遠位方向に移動する上で、シールド部材86は開口部36の中にスライドする。
図2に示すように、拡張部分80はチャンネル44の中に配置されている。第2シールド18の遠位方向の移動に伴い、チャンネル44は軸方向に拡張部分80を案内し、好ましくは、ハブ12の長手軸に平行に案内する。これは、ハブ12に対してこの第2シールド18の径方向の整列を保持することを補助する。
【0024】
医療用注入器からの安全ペン針アセンブリ10の取り外しにおいて、バイアス部材20はシールド状態に向かって基部方向に第2シールド18を進める。その移動中、拡張部分80は、チャンネル44に沿ってスライドする。第2シールド18は、第2シールド18の基部方向への移動を制限し、同時に、第2シールド18が針14の基端50を覆うシールド状態であるために交差片30と係合するように形成されていてもよい。このシールド状態で、ロック用デテント84は、ハブ12に対する第2シールド18の遠位方向へのさらなる移動を阻止するために、保持穴46でスナップ係合するように配置されていてもよい。
【0025】
二つ目の保持穴100は、使用中、スナップ係合でロック用デテント84を受け入れるために設けられていてもよい。好ましくは、このスナップ係合は、バイアス部材20の力に打ち勝ち、特に、ハブ12に対して第2シールド18が遠位方向に引っ込んだ状態での使用中、バイアス部材を圧縮された状態に保つ。このバイアス部材20の圧縮力はさらに、使用中、ハブ12に対する第1シールド16の基部方向への引っ込みによって増えるものであってもよい。
【0026】
当業者において好適に評価されるであろうが、バイアス部材20は、単独で動き、針14の遠位端48と基端50との両方のシールドを受動的におこさせるために、本発明では用いられる。これは、針の両方の端部をシールドすることができる受動的な安全ペン針アセンブリをもたらすために用いられる最低限の部分として認められる。
【0027】
本発明の更なる変形として、
図15−
図17に参照されるように、安全ペン針アセンブリ10は、第2シールド18の用途なしに、針14の遠位端48のシールド用として第1シールド16の用途だけに変更されてもよい、この実施形態において、バイアス部材20は、第2シールド18の代わりに交差片30に抗して動くように配置されている。