【文献】
福田 司,外2名,事例データベースとデータマイニングによる調理作業支援システムに関する研究,第23回日本ロボット学会学術講演会予稿集CD−ROM 2005年,社団法人日本ロボット学会,2005年 9月15日,p.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明の基礎となった知見)
レシピ情報を、レンジ等の調理機器やタブレット端末等の携帯端末のディスプレイを用いて電子的に表示する技術は、特許文献1、特許文献2などに開示されている。
【0010】
特許文献1に記載の技術は、一連の作業内容をまとめて提示する画像を、ディスプレイにスクロール表示する。特許文献2に記載の技術は、作業内容のそれぞれを、ユーザ操作に応じて1つずつ切り替えて表示する。これらの従来技術によれば、テーブルにレシピ本を広げておいて都度見に行くといった手間から、ユーザを解放することができる。
【0011】
ところで、レシピ情報を参照して行われる調理をスムーズに進めるためには、調理工程の各時点において、現在行うべき作業の内容を素早く確認できることが望ましい。更に、作業によっては調理器具や材料の準備が必要であることから、次に行うべき作業の内容についても把握できることが望ましい。
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、多数の作業についての情報が一斉表示されているため、現在行うべき作業に関する情報がどこにあるのかが分かり難い。また、特許文献2に記載の技術では、次に行われるべき作業の作業内容が表示されない。したがって、これらの従来技術は、調理のスムーズな進行を妨げるおそれがあり、あまり効果的な調理支援とはいえない。
【0013】
そこで、表示装置の機能向上のため、以下の改善策を検討した。
【0014】
表示装置における表示制御方法の一態様は、表示装置において表示する画像を制御する表示制御方法であって、前記表示装置のコンピュータに、調理において順に行われるべき複数の作業の中から、第1の作業を決定する作業決定ステップと、決定されている前記第1の作業の内容を示す情報と、前記第1の作業の次に行われるべき前記作業である第2の作業の内容を示す情報と、を含むガイド画像を表示する表示ステップと、を実行させる。
【0015】
上記態様によると、調理において行われる複数の作業の中から、第1の作業を決定し、第1の作業の内容を示す情報と、第1の作業の次に行われるべき第2の作業の内容を示す情報とを含むガイド画像を、表示装置に表示させる。
【0016】
これによって、ユーザに対し、例えば、現在行うべき作業の詳細な内容を提示しつつ、次に行われるべき作業の概要を、付加的に提示することができる。すなわち、ユーザは、調理工程の各時点において、現在行うべき作業の作業内容を素早く確認できるとともに、次の作業に必要な調理器具や材料の準備を念頭に置いて作業できる。したがって、ガイド画像を参照して行われる調理を効果的に支援することができる。
【0017】
また、例えば、レシピデータなどに示される、次作業の詳細情報に基づいて、次作業の簡易情報が生成される。そのため、予め簡易情報をレシピデータと共にROMなどの記憶装置へ格納しておく必要がなく、ROMのリソースが削減可能となる。
【0018】
上記態様において、例えば、前記ガイド画像は、前記第1の作業および前記第2の作業以外の前記作業の内容を示す情報を含まないとしてもよい。これによって、表示される画像に、決定された第1の作業、および第1の作業の次に行われるべき第2の作業以外の作業を示す内容を含まないので、例えば、多数の作業を示す内容が列挙されて、所望の作業を参照しづらくなることがない。
【0019】
上記態様において、例えば、前記ガイド画像において、前記第2の作業の内容を示す情報の表示領域は、前記第1の作業の内容を示す情報の表示領域よりも小さいとしてもよい。これによって、第1の作業の内容を示す情報と第2の作業の内容を示す情報とで表示領域の大きさが異なるので、例えば、表示されている情報のいずれが現在行うべき第1の作業であるかを直感的に認識でき、現在行うべき第1の作業の内容と、次に行うべき第2の作業の内容とを取り違えて参照することを防止できる。
【0020】
上記態様において、例えば、前記ガイド画像において、前記第2の作業の内容を示す情報の詳細度は、前記第1の作業の内容を示す情報の詳細度よりも低いとしてもよい。これによって、第1の作業の内容を示す情報と第2の作業の内容を示す情報とで詳細度が異なるので、例えば、表示されている情報のいずれが現在行うべき第1の作業であるかを直感的に認識でき、現在行うべき第1の作業の内容と、次に行うべき第2の作業の内容とを取り違えて参照することを防止できる。
【0021】
上記態様において、例えば、前記作業決定ステップは、前記複数の作業のそれぞれを順次切り替えて決定し、前記表示ステップは、前記作業決定ステップにおいて決定される前記作業の切り替わりに対応して、前記ガイド画像の内容を切り替え、前記ガイド画像において、同一の前記作業の内容を示す情報の表示領域および/または詳細度は、前記同一の作業が前記第1の作業である時と前記第2の作業である時とで異なるとしてもよい。これによって、例えば、第2の作業として表示されていた作業が、第1の作業として決定された場合に、表示領域および/または詳細度を変えることができるので、例えば、第2の作業が第1の作業へ切り替わった場合に、ユーザは、その切り替わりを素早く認識することができる。
【0022】
上記態様において、例えば、前記コンピュータに、前記複数の作業のそれぞれの内容を詳細に示す詳細情報と、前記複数の作業の順序を示す順序情報と、を含むレシピデータから、前記第1の作業に対応する前記詳細情報と、前記第2の作業に対応する前記詳細情報と、を取得する詳細情報取得ステップと、取得された前記第2の作業に対応する前記詳細情報に基づいて、前記第2の作業の内容を簡易に示す簡易情報を生成する簡易情報生成ステップと、前記第1の作業に対応する前記詳細情報と、前記第2の作業に対応する前記簡易情報と、を含む前記ガイド画像を生成するガイド画像生成ステップと、を更に実行させるとしてもよい。これによって、第2の作業に対応する詳細情報に基づいて、第2の作業の内容を簡易に示す簡易情報が生成されるので、レシピデータ内に詳細情報と簡易情報の両方を含む必要がなく、レシピデータ自体のデータ量を削減できる。また、予め決められた情報を簡易情報として用いず、詳細情報に基づいて簡易情報が生成されるので、表示装置の仕様、ユーザの要望などに応じて、適切な形式の簡易情報を用いることができる。
【0023】
上記態様において、例えば、前記詳細情報は、テキスト情報を含み、前記簡易情報生成ステップは、前記第2の作業に対応する前記テキスト情報の示す文章に対して構文解析を行い、前記文章の要約文を、前記簡易情報の少なくとも一部として生成するとしてもよい。これによって、表示装置において、詳細情報に含まれるテキスト情報に基づいて要約文が生成されるため、詳細情報内にテキスト情報に加えて、要約文を示す情報を格納する必要が無いため、データ量を削減できる。
【0024】
上記態様において、例えば、前記簡易情報生成ステップは、所定の表示領域に収まるように、前記文章に対する要約の度合いを調整するとしてもよい。これによって、例えば、異なる表示画面サイズを有する表示装置で実施される場合であっても、その画面サイズに合わせた適切な表示ができるので、表示画面サイズが大きい表示装置と同様の要約の度合いで、表示画面サイズが小さい表示装置へ情報を表示してしまい、画面内に納まり切らないという状況を防止できる。
【0025】
上記態様において、例えば、前記詳細情報は、テキスト情報および画像情報を含み、前記簡易情報は、前記画像情報を含まないとしてもよい。これによって、画像情報の有無で、表示されている情報が第1の作業を示すのか、第2の作業を示すのかを判断できるため、例えば、表示されている情報のいずれが現在行うべき第1の作業であるかを直感的に認識でき、現在行うべき第1の作業の内容と、次に行うべき第2の作業の内容とを取り違えて参照することを防止できる。
【0026】
上記態様において、例えば、前記作業決定ステップは、ユーザから前記複数の作業の中の一の作業を選択する操作を受け付け、受け付けた前記操作に従って、前記第1の作業を順次決定するとしてもよい。これによって、ユーザの選択操作に基づいて第1の作業を決定でき、ユーザが所望する作業を表示装置において表示できる。
【0027】
また、他の態様において、表示装置において表示する画像を制御する表示制御プログラムであって、前記表示装置のコンピュータに、調理において順に行われるべき複数の作業の中から、第1の作業を決定する処理と、決定されている前記第1の作業の内容を示す情報と、前記第1の作業の次に行われるべき前記作業である第2の作業の内容を示す情報と、を含むガイド画像を表示する処理と、を実行させる。
【0028】
上記他の態様によると、調理において行われる複数の作業の中から、第1の作業を決定し、第1の作業の内容を示す情報と、第1の作業の次に行われるべき第2の作業の内容を示す情報とを含むガイド画像を、表示装置に表示させる。
【0029】
これによって、ユーザに対し、例えば、現在行うべき作業の詳細な内容を提示しつつ、次に行われるべき作業の概要を、付加的に提示することができる。すなわち、ユーザは、調理工程の各時点において、現在行うべき作業の作業内容を素早く確認できるとともに、次の作業に必要な調理器具や材料の準備を念頭に置いて作業できる。したがって、ガイド画像を参照して行われる調理を効果的に支援することができる。
【0030】
また、第2の他の態様において、表示装置であって、調理において順に行われるべき複数の作業の中から、第1の作業を決定する作業決定部と、決定されている前記第1の作業の内容を示す情報と、前記第1の作業の次に行われるべき前記作業である第2の作業の内容を示す情報と、を含むガイド画像を生成するガイド画像生成部と、生成された前記ガイド画像を表示する表示部と、を有する。
【0031】
上記第2の他の態様によると、調理において行われる複数の作業の中から、第1の作業を決定し、第1の作業の内容を示す情報と、第1の作業の次に行われるべき第2の作業の内容を示す情報とを含むガイド画像を、表示装置に表示させる。
【0032】
これによって、ユーザに対し、例えば、現在行うべき作業の詳細な内容を提示しつつ、次に行われるべき作業の概要を、付加的に提示することができる。すなわち、ユーザは、調理工程の各時点において、現在行うべき作業の作業内容を素早く確認できるとともに、次の作業に必要な調理器具や材料の準備を念頭に置いて作業できる。したがって、ガイド画像を参照して行われる調理を効果的に支援することができる。
【0033】
本発明の目的は、レシピ情報を参照して行われる調理を効果的に支援することができる、表示制御方法、表示制御プログラム、および表示装置を提供することである。
【0034】
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態は、本発明を、タッチパネル付き液晶ディスプレイおよび無線通信回路を備えたタブレット端末に適用した場合の、具体的態様の一例である。
【0035】
<装置の構成>
図1は、本実施の形態に係る表示装置を含む調理支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図1において、調理支援装置200は、レシピデータ取得部210、レシピデータ格納部220、作業決定部230、簡易情報生成部240、ガイド画像生成部250、および表示部260を有する。
【0037】
レシピデータ取得部210は、表示の対象となるレシピのレシピデータを取得する。
【0038】
より具体的には、レシピデータ取得部210は、上述のタッチパネル付き液晶ディスプレイを介して、料理名や材料名等の検索キーワードを用いたレシピ検索操作をユーザから受け付ける。そして、レシピデータ取得部210は、例えば、ユーザにより決定操作が行われたレシピのレシピデータを、上述の無線通信回路を介して、インターネット上のサーバ等から受信する。
【0039】
そして、レシピデータ取得部210は、取得されたレシピデータを、レシピデータ格納部220へ出力する。
【0040】
レシピデータ格納部220は、入力されたレシピデータを、後述の作業決定部230から読み出すことが可能な状態で格納する。
【0041】
ここで、レシピデータとは、調理において順に行われるべき複数の作業のそれぞれの内容を詳細に示す詳細情報と、これら複数の作業の順序を示す順序情報と、調理に必要な材料を示す材料情報と、を含むデータである。
【0042】
図2は、レシピデータ格納部220に格納されるレシピデータの内容の一例を示す図である。ここでは、各作業の詳細情報および順序情報についてのみ図示する。
【0043】
図2に示すように、レシピデータ310は、各作業の調理工程における順序を示す番号311と、各作業の内容を文章で説明するテキスト312と、各作業の様子の外観を示す画像313と、を含む。
【0044】
例えば、「Step4」という番号311の作業の詳細情報として、「フライパンにバターをのせ、弱火にかける。」というテキスト312と、フライパンにバターを載せて弱火に掛けている様子を示す画像313とが含まれている。また、「Step5」という番号311の作業の詳細情報として、「バターが溶けはじめたら、鯖をのせ弱火で10分ほど焼く。このとき皮を下にする。」というテキスト312と、鯖の皮側を弱火で焼いている様子を示す画像313とが含まれている。
【0045】
このように、レシピデータ310は、調理における複数の作業の順序と、各作業の内容を詳細に示すテキストおよび画像とを、含んでいる。
【0046】
図1に戻って説明を続ける。作業決定部230は、レシピデータ格納部220に格納されたレシピデータが示す複数の作業(Step1、Step2、・・・)の中から、1つを決定する。
【0047】
より具体的には、作業決定部230は、上述のタッチパネル付き液晶ディスプレイを介して、ユーザから作業を選択する操作を受け付け、受け付けた操作に従って、複数の作業のそれぞれを順次決定する。ユーザが作業を選択する操作は、例えば、メインの表示対象(つまり、ユーザが現在行うべき作業)を、最初に行われる作業を起点として他の作業へと順にシフトさせていく操作である。かかる操作は、例えば、後述のガイド画面を、上方向あるいは左方向にスワイプさせる操作である。
【0048】
作業決定部230は、作業を決定する毎に、決定されている作業(第1の作業、以下「注目作業」という)の詳細情報と、決定されている作業の次に行われるべき作業(第2の作業、以下「次作業」という)の詳細情報とを、レシピデータから取得する。そして、作業決定部230は、取得された注目作業の詳細情報(以下「注目作業詳細情報」という)を、ガイド画像生成部250へ出力し、取得された次作業の詳細情報を、簡易情報生成部240へ出力する。
【0049】
簡易情報生成部240は、入力された次作業に対応する詳細情報に基づいて、次作業の内容を簡易に示す簡易情報(以下「次作業簡易情報」という)を生成する。
【0050】
より具体的には、簡易情報生成部240は、詳細情報から、所定のルールに基づいて、元の詳細情報に比べて情報の詳細度が低い、次作業簡易情報を生成する。次作業簡易情報を生成するための所定のルール(以下「簡易化ルール」という)の詳細については、後述する。
【0051】
そして、簡易情報生成部240は、生成された次作業簡易情報を、ガイド画像生成部250へ出力する。
【0052】
ガイド画像生成部250は、入力された注目作業詳細情報および次作業簡易情報に基づいて、これら注目作業詳細情報および次作業簡易情報の両方を含むガイド画像を生成する。
【0053】
より具体的には、ガイド画像生成部250は、注目作業詳細情報の表示領域の方が大きい等、注目作業詳細情報と次作業簡易情報との区別が明らかとなるような構成で、ガイド画像を生成する。
【0054】
そして、ガイド画像生成部250は、生成したガイド画像を、表示部260へ出力する。
【0055】
表示部260は、入力されたガイド画像を表示する。
【0056】
より具体的には、表示部260は、上述のタッチパネル付き液晶ディスプレイに、ガイド画像を表示し、レシピ情報をユーザに提示する。
【0057】
なお、調理支援装置200の各部の機能は、例えば、コンピュータプログラムにより実現される。
【0058】
図3は、各機能がコンピュータプログラムにより実現される場合における、調理支援装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0059】
図3に示すように、調理支援装置200は、上述のタッチパネルを含む入力装置101、上述の液晶ディスプレイを含む出力装置102、CPU(Central Processing Unit)103、ROM(Read Only Memory)104、RAM(Random Access Memory)105、フラッシュメモリ等の記憶装置106、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体から情報を読み取る読取装置107、上述の無線通信回路を含む無線通信装置108を備え、各部はバス109により接続されている。
【0060】
調理支援装置200の各部の機能を実現するためのプログラムの取得は、例えば、読取装置107が、当該プログラムを記録した記録媒体から当該プログラムを読み取り、記憶装置106に記憶させることにより実現される。あるいは、無線通信装置108が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からプログラムをダウンロードして記憶装置106に記憶させることにより実現される。
【0061】
そして、調理支援装置200の各部の機能は、例えば、CPU103が、記憶装置106に記憶されたプログラムをRAM105にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM105から順次読み出して実行する事により実現される。
【0062】
このような構成を有する調理支援装置200は、ユーザにより選択されている作業の内容を示す情報(注目作業詳細情報)と、選択されている作業の次に行われるべき作業の内容を示す情報(次作業簡易情報)とを、その区別が明らかな状態で、1つの画面に表示することができる。
【0063】
<簡易化ルール>
ここで、上述の、次作業簡易情報を生成するための簡易化ルールの詳細について、例を挙げて説明する。
【0064】
簡易化ルールは、例えば、詳細情報に含まれるテキストの要約文を生成し、かかる要約文と、作業順序を示す番号との組を、次作業簡易情報とするというルールである。
【0065】
なお、要約文を生成する際のルール(以下「要約ルール」)としては、様々なルールを採用することができる。
【0066】
図4は、要約ルールの例を説明するための図である。
【0067】
例えば、要約ルールは、詳細情報のテキストのうち、材料を含む名詞節と、調理動作を含む動詞節とを、結合するという内容である。この場合、簡易情報生成部240は、テキストに対して構文解析を行い、テキストを、名詞節、動詞節、修飾節等に分解する。そして、名詞節と判定された語句に含まれる名詞を、レシピデータに含まれる材料情報の中から検索する。そして、簡易情報生成部240は、材料情報に存在した名詞を含む名詞節を、材料を含む名詞節と判定し、かかる名詞節に対応する動詞節を、調理動作を含む動詞節と判定する。
【0068】
例えば、「バターが溶けはじめたら、鯖をのせ弱火で10分ほど焼く。このとき皮を下にする。」というテキスト320の場合、簡易情報生成部240は、「鯖を」を、材料を含む名詞節と判定し、「焼く」を、調理動作を含む動詞節と判定する。そして、簡易情報生成部240は、「鯖を」と「焼く」とを結合して、「鯖を焼く」という要約文321を生成する。
【0069】
また、要約ルールは、調理動作を含む動詞節を修飾する修飾節のうち、作業の移行条件に関する修飾節を、要約文321に追加する内容であってもよい。この場合、簡易情報生成部240は、「バターがとけはじめたら鯖を焼く」という要約文322を生成する。
【0070】
また、要約ルールは、調理動作を含む動詞節を修飾する修飾節のうち、火加減に関する語句を含む修飾節を、要約文321に追加する内容であってもよい。この場合、簡易情報生成部240は、「鯖を弱火で焼く」という要約文323を生成する。
【0071】
また、要約ルールは、調理動作を含む動詞節を修飾する修飾節のうち、時間に関する語句を含む修飾節を、要約文321に追加する内容であってもよい。この場合、簡易情報生成部240は、「鯖を10分ほど焼く」という要約文324を生成する。
【0072】
作業決定部230は、作業の移行条件、火加減、時間、・・・、というような所定の優先順位に従って、複数の要約ルールの中から採用するルールを選択してもよい。また、作業決定部230は、複数の要約ルールにより生成され得る複数の要約文の中から、字数が所定の範囲内において最大となる要約文を採用してもよい。すなわち、作業決定部230は、所定の表示領域に収まるように、文章に対する要約の度合いを調整してもよい。
【0073】
<装置の動作>
次に、調理支援装置200の動作について説明する。
【0074】
図5は、調理支援装置200の動作の一例を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS1100において、レシピデータ取得部210は、レシピデータを取得し、レシピデータ格納部220に格納させる。
【0076】
ステップS1200において、作業決定部230は、レシピデータを参照し、調理において最初に行われるべき作業(Step1)を決定する。すなわち、作業手順における最初の作業が、まず、注目作業となる。
【0077】
なお、作業決定部230は、ステップS1200の処理に先立って、レシピデータに含まれる材料情報に基づき、調理に必要な材料の一覧と、一連の作業内容をまとめて示す一覧とを、表示してもよい。このような表示が行われることにより、ユーザは、調理の全体工程と、必要な材料とを、俯瞰することができる。この場合、作業決定部230は、ユーザにより、「調理開始」を示す所定の操作が行われたことを条件として、ステップS1200の処理を行う。
【0078】
ステップS1300において、作業決定部230は、注目作業の詳細情報と、次作業の詳細情報とを、レシピデータから取得する。
【0079】
ステップS1400において、簡易情報生成部240は、次作業の詳細情報から、次作業の簡易情報(次作業簡易情報)を生成する。
【0080】
ステップS1500において、ガイド画像生成部250は、注目作業の詳細情報(注目作業詳細情報)と、次作業簡易情報とを含むガイド画像を生成する。
【0081】
ステップS1600において、表示部260は、生成されたガイド画像を表示する。ユーザは、ガイド画像に含まれる注目作業詳細情報を参照して、調理の作業を行うと共に、ガイド画像に含まれる次作業簡易情報を参照して、次の作業の準備を適宜行う。
【0082】
ステップS1700において、作業決定部230は、上述のスワイプ操作等、メインの表示対象を次の作業へと切り替えるための操作(以下「切り替え操作」という)がユーザによって行われたか否かを判断する。作業決定部230は、切り替え操作が行われていない場合(S1700:NO)、処理をステップS1800へ進める。
【0083】
ステップS1800において、作業決定部230は、ユーザ操作等により、処理の終了を指示されたか否かを判断する。作業決定部230は、処理の終了を指示されていない場合(S1800:NO)、ガイド画面の表示状態を維持したまま、処理をステップS1700へ戻す。
【0084】
ユーザは、注目作業詳細情報に対応する作業が完了すると、切り替え操作を行う。作業決定部230は、切り替え操作が行われた場合(S1700:YES)、処理をステップS1900へ進める。
【0085】
ステップS1900において、作業決定部230は、次の作業を決定して、処理をステップS1300へと戻す。すなわち、メインの表示対象を、決定されている作業の次の作業へと切り替える。かかる作業は、直前まで、次作業簡易情報がその内容を示していた作業である。
【0086】
ユーザによる表示対象の送り操作に応じてステップS1100〜S1900の処理が繰り返されることにより、ガイド画像の内容は、作業手順に沿って切り替わっていく。
【0087】
図6は、ガイド画像の一例を示す図である。ここでは、
図2に示すレシピデータ310における4番目の作業(Step4)が決定されているときの、ガイド画像の一例を示す。
【0088】
図6に示すように、ガイド画像410は、調理支援装置200のタッチパネル付き液晶ディスプレイ251に表示される。ガイド画像410は、注目作業詳細情報421を表示するメイン領域420と、次作業簡易情報431を表示するサブ領域430とを有する。メイン領域420は、サブ領域430よりも大きく、サブ領域430よりも上側に配置されている。
【0089】
注目作業詳細情報421は、「Step4」という番号と、「フライパンにバターをのせ、弱火にかける。」というテキストと、フライパンにバターを載せて弱火に掛けている様子を示す画像とから構成されている。これは、レシピデータ310に含まれていた4番目の作業の詳細情報そのものである。
【0090】
一方、次作業簡易情報431は、「次のステップ」という次の作業であることを示すテキストと、「鯖を焼く」という次作業の内容を簡易に示す要約文とから構成されている。かかる要約文は、
図4で説明した4番目の作業の詳細情報のテキスト「バターが溶けはじめたら、鯖をのせ弱火で10分ほど焼く。このとき皮を下にする。」の要約文である。
【0091】
なお、切り替え操作が行われると、5番目の作業が注目作業となるため、ガイド画像410は、「Step5.バターが溶けはじめたら、鯖をのせ弱火で10分ほど焼く。このとき皮を下にする。」というテキストと対応する画像とを、メイン領域420に表示する。
【0092】
参考として、特許文献1に記載された技術によるガイド画像の例を
図7に示し、特許文献2に記載された技術によるガイド画像の例を
図8に示す。
【0093】
図7に示すような、一連の作業の詳細情報をまとめて表示するガイド画像511では、現在行うべき作業の作業内容がどこに表示されているかが分かり難い。また、
図8に示すような、作業の詳細情報を作業毎に表示するガイド画像512では、次に行われるべき作業の作業内容が分からない。
【0094】
これに対し、本実施の形態に係るガイド画像410(
図6参照)では、現在行うべき作業の詳細な内容を容易に把握し、かつ、次に行われるべき作業の概要をも把握することが可能である。したがって、ユーザは、現在の調理作業を行いながら、次の調理作業の内容を先取りして理解し、必要な段取りを行うことができる。
【0095】
図5に戻って説明を続ける。作業決定部230は、処理の終了を指示された場合(S1800:YES)、ガイド画像の表示を終了する。
【0096】
このような動作により、調理支援装置200は、ユーザが行っている作業の詳細情報を提示しつつ次に行われるべき作業の簡易情報を併せて提示するガイド画像を、作業の進捗状況に合わせて表示することができる。
【0097】
なお、作業決定部230は、ある次作業について取得した詳細情報を、メインの表示対象が次作業に切り替えられるまで保持し、そのまま、新たな注目作業の詳細情報として用いてもよい。また、この詳細情報の保持は、ガイド画像生成部250で行われてもよい。この場合、作業決定部230は、次作業の詳細情報を取得する毎に、取得した詳細情報を、ガイド画像生成部250へ出力する。
【0098】
また、作業決定部230は、作業順序の方向と逆の方向にメインの表示対象を切り替える操作や、任意の作業を選択する操作を、ユーザから受け付けてもよい。
【0099】
<本実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態に係る調理支援装置200は、調理において順に行われるべき複数の作業の中から1つを決定し、決定されている作業である注目作業の内容を示す情報と、決定されている作業の次に行われるべき作業である次作業の内容を示す情報と、を含むガイド画像を表示する。
【0100】
これにより、調理支援装置200は、ユーザに対し、現在行うべき作業の詳細な内容を、分かり易く提示しつつ、次に行われるべき作業の概要を、付加的に提示することができる。すなわち、調理支援装置200を用いることにより、ユーザは、調理工程の各時点において、現在行うべき作業の作業内容を素早く確認し、次の作業に必要な調理器具や材料の準備を行うことができる。したがって、調理支援装置200は、レシピ情報を参照して行われる調理を効果的に支援することができる。
【0101】
<本実施の形態の変形例>
なお、ガイド画像の構成は、上述の例に限定されない。例えば、ガイド画像は、注目作業の詳細情報を画面全体に表示し、その表示領域の一部に、次作業簡易情報を表示してもよい。また、ガイド画像は、注目作業詳細情報および次作業簡易情報以外の情報を更に含んでもよい。かかる情報としては、例えば、調理工程全体のどの位置の作業が注目作業となっているかを示す情報、他の作業の内容を次作業よりも更に簡略化して示す情報、材料情報等が挙げられる。
【0102】
また、レシピデータの内容およびその取得手法は、上述の例に限定されない。例えば、レシピデータは、各作業の時間に関する情報や、作業の移行タイミングに関する情報を含んでいてもよい。また、調理支援装置自身が、ユーザの操作等に応じてレシピデータを生成してもよい。
【0103】
また、複数の作業の中から1つを決定する手法は、上述の例に限定されない。例えば、作業決定部230は、調理の開始あるいは各作業の開始からの経過時間や、オーブンの動作が完了した等の調理器具の動作に基づいて、メインの表示対象となる作業を自動で切り替えていってもよい。
【0104】
また、次作業簡易情報を生成するための簡易化ルールおよび要約ルールは、上述の例に限定されない。例えば、簡易情報生成部240は、詳細情報のうち、テキストのみ、あるいは、画像のみを簡易情報とするという、簡易化ルールを用いてもよい。また、簡易情報生成部240は、ディスプレイにおいてガイド画像が表示される領域の大きさに応じて、次作業の詳細情報を簡易化するか否か、複数の簡易化ルールのいずれを用いるか、あるいは複数の要約ルールのいずれを用いるか、を決定してもよい。また、簡易情報生成部240は、ユーザから、どのようなルールに基づいて次作業簡易情報を生成するかに関する決定操作を受け付けてもよい。
【0105】
上述の次作業簡易情報を生成するための簡易化ルールの変形例について、一例を説明する。
図9は、次作業簡易情報を生成する処理の一例を表すフローチャートである。具体的には、
図5に示すステップS1400の処理が、
図9に示すフローに置き換わる。ステップS1300が終了したのち、ステップS1401において、簡易情報生成部240は、表示部260の画面サイズを示す画面サイズ情報を取得する。この画面サイズ情報は、調理支援装置200の図示しない記憶部において保持されているとしても良い。
【0106】
ステップS1402において、取得した画面サイズ情報に基づいて、簡易情報生成部240は、表示部260に表示可能な文字数を表す制限文字数を決定する。このとき、文字のフォントサイズを所定の値として、表示部260において所定のフォントサイズの文字を何文字表示可能であるかが決定される。なお、画面サイズ情報から次作業簡易情報に含めるべき画像の表示領域を抜いた一部の領域において表示可能な文字数として制限文字数を決定してもよい。
【0107】
ステップS1403において、簡易情報生成部240は、次作業の詳細情報を取得する。
【0108】
ステップS1404において、簡易情報生成部240は、ステップS1402において決定した制限文字数と、ステップS1403において取得した次作業の詳細情報とに基づいて、次作業簡易情報を生成する。
【0109】
また、次作業簡易情報の取得手法は、上述の例に限定されない。例えば、レシピデータに各作業の簡易情報も含まれている場合、調理支援装置は、レシピデータから各作業の簡易情報を取得してもよい。また、調理支援装置は、文章要約サーバ等の外部の装置に詳細情報の要約を依頼して、各作業の簡易情報を取得してもよい。
【0110】
また、上述した表示装置に係る発明の適用は、上述の例に限定されない。例えば、本発明は、スマートフォン、電子レンジ等の調理機器、ゲーム端末、テレビジョン、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、プロジェクタ等、画像表示部を備えた各種装置に適用することができる。なお、ヘッドマウントディスプレイは、装着者の目を覆う「没入型(非透過型)」と、例えば、眼鏡のレンズが透過型ディスプレイとなっているような「透過型」とに大別される。ヘッドマウントディスプレイに本発明を適用する場合、レシピを参照しながら調理可能という点では透過型が望ましいが、没入型で実装されてもよい。
【0111】
また、以上説明した、本発明に係る表示装置の構成の一部は、表示装置の構成他の部分と物理的に離隔していてもよい。この場合、それらの構成は、互いに通信を行うための通信部をそれぞれ備える必要がある。