【実施例】
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
実施例1.[
11C]LuPETの製造
前駆体は、3−フェニルスルホニル−8−(ピペラジン−1−イル)キノリン(C
19H
19N
3O
2S;MW:353.4)であり、既知の公開された化合物である。この前駆体をアセトニトリルに溶解し、BioScan Autoloop Systemに移し、次のように製造した[
11C]−ヨードメタンと反応させた。0.5〜1.0%の酸素を含有する高純度窒素ガスに加速プロトンを照射することにより製造した
11CO
2を、水素とモレキュラーシーブ:ニッケル触媒カラム上で380℃で反応させて
11CH
4を生成し、それを740℃に加熱したヨウ素蒸気と反応させて
11CH
3Iを生成した。[
11C]−ヨードメタンを、銀トリフラートを収容する炉を通過させて、放射標識したヨードメタンを[
11C]−メチルトリフラートに変換した。周囲温度で約20mL/分の流量のヘリウムガスを用いて、[
11C]−メチルトリフラートをループメチル化装置に送入した。放射能がプラトーに達するまで、局所放射線監視装置でループ内の[
11C]−放射能の集積を監視した。ループ内の反応混合物を室温で4.5分間残留させた。Waters XBridge Prep OBD C18 10μm 10×150mmカラムを使用し、30%アセトニトリル:70%水性緩衝液(o−リン酸でpH7.2に調節した57mM TEA)を用い、10mL/分の流量を使用する分取高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により、粗[
11C]LuPETを精製した。インライン放射測定検出器で決定した[
11C]LuPET画分を水のリザーバ内に回収した。リザーバを加圧して[
11C]LuPETをC18 Sep−Pakにロードした。次いで、C18 Sep−Pakを注射用の0.9%塩化ナトリウム10mLで洗浄した。エタノール1mL、続いて0.9%塩化ナトリウム注射液10mLで[
11C]LuPETをC18 Sep−Pakから溶出し、塩化ナトリウム注射液4mLを予めロードしたパイロジェンを含まない滅菌バイアル内の滅菌0.22μフィルタ―を通過させる。
【0064】
実施例2.陽電子放射断層撮影法実験(A部およびB部)
放射性リガンドはこれまでにヒトに投与されてこなかったため、定量に最適な方法を特定し、PETトレーサーとしての放射性リガンドのバリデーションを行うために、それを最初にヒトの脳内で評価した(A部)。この試験の主要な目的は、健常対象に化合物Iを複数回経口投与した後の5−HT
6受容体の占有率を、PETを使用し、[
11C]−LuPETを放射性リガンドとして用いて評価することであった(B部)。
【0065】
対象
8人の健常男性対象(年齢:30.6±7.7才;範囲:22〜44才)がこの試験のA部に参加し、16人の健常男性対象(年齢:32.3±7.6才;範囲:21〜44才)がB部に参加した。
【0066】
PET実験
PET試験は、GE Advance Tomograph(GE Medical Systems,Waukesha,WI,USA)で行った。対象は、放射性リガンド注入用の静脈カテーテルを1つと、血漿中の放射能を測定するための動脈血試料を得るための動脈カテーテルを1つ有した。次いで、対象は、PETデータ取得中の頭部の動きを低減するために、注文製の熱可塑性マスクで頭部を固定して走査装置内に位置決めされた。次いで、減衰補正用の回転
68Ge源を使用して10分間の減衰走査を行った。次いで、[
11C]LuPETの静脈内ボーラス注入を行った後、90分間三次元モードでダイナミックPET取得を行った。合計30のPETフレームを得た(4×15、4×30、3×60、2×120、5×240、および12×300秒)。最初は動脈血試料を非常に短い間隔(<5秒)で採取し、血漿中放射能を測定するためにPET試験全体を通して間隔を徐々に長くした(30分後には15分毎)。0分、5分、10分、30分、45分、60分および90分の時点で採取した選択された試料について、放射性リガンドおよび他の箇所(Hilton et al.,2000)に記載するその放射性代謝物の有無をHPLCで分析した。
【0067】
A部では、同日(n=1)または1日〜18日空けた別の日(n=7)にベースライン走査を繰り返して、PET結果変数の再現性を試験した。3回目の走査は、高い5−HT
6受容体親和性を有する標準化合物として使用されるオランザピン(n=5)を1回量(10mg)投与して5時間後に行った。
【0068】
B部では、1回のベースライン走査に続いて、化合物Iを最低3日間経口投与した後、3時間の時点(3H走査)と、10時間、11時間、27時間または51時間の時点(投与後2回目の走査、P2)で投与後の走査を1回行った。
【0069】
PETデータの再構成:放射PET走査は、製造業者により提供された減衰、散乱およびデッドタイムに関する補正を行うソフトウェア(Kinahan and Rogers,1989)を使用し、ランプフィルタを用いる逆投影アルゴリズムを使用して再構成した。放射能には、注入時間までの物理的崩壊に関する補正を行った。各PETフレームは、128(左から右まで)×128(ナシオンからイニオンまで)×35(頸から頭蓋)ボクセルからなった。この再構成設定における期待空間分解能は、視野の中心から半径10cmのところで半径方向と接線方向でそれぞれ半値全幅(FWHM)が5.5mmおよび6.1mmであった(Lewellen et al.,1996)。
【0070】
MRI取得
別の機会に、次のパラメータ:繰り返し時間、35ms;エコー時間、6ms;フリップ角、458°;スライス厚、1.5mm、ギャップなし;視野、24×18cm
2;画像取得マトリクス、256×192、256×256に再フォーマットを使用して、関心構造の解剖学的同定を行うために各対象についてスポイルド・グラジエント(SPGR)シーケンスMRIを得た。
【0071】
PETデータ解析
関心容積(VOI):Freesurferソフトウェアを使用して皮質VOIを自動的に画定し、前頭(Fr)皮質、側頭(Tp)皮質、頭頂(Pa)皮質、および後頭(Oc)皮質、紡錘状回(Fs)、帯状(Cg)、および島(In)を含む標準領域に組み合わせした。皮質下領域をFIRSTソフトウェア(Patenaude et al.,2011)で画定し、個々のMRIについて手動で調節を行った。皮質下領域には、被殻(Pu)、尾状核(CN)、腹側線条体(vS)、淡蒼球(GP)、視床(Th)、海馬(Hp)、および扁桃(Am)が含まれた。SPM5(Ashburner J,Friston 2003;Maes et al.,1997)により得られる、MRIからPETへの位置合わせ(coregistration)パラメータに従ってVOIをMRI空間からPET空間に移行させ、領域の時間放射能曲線(TAC)を得た。方法論的評価を行うために1走査当たり合計25の領域を採用した(A部)が、占有率の算出はPu、CN、およびvSに限定された(B部)。
【0072】
PET結果変数の導出(derivation):主要なPET結果変数は、全分布容積、V
Tおよび結合能、BP
ND(=f
ND・B
avail/K
D、式中、f
NDは置換不可能なコンパートメントの比率を指し、B
availは結合に使用可能な(非占有)5−HT
6受容体の密度を表し、K
Dは解離定数を表す;Innis et al.,2007)である。
【0073】
[
11C]LuPETに関する局所分布容積(V
T)の導出に最適な方法を特定するために、1組の標準的な血漿入力法を採用したが、それには、3つのパラメータ(K
1およびk
2’;定義についてはKoeppe et al.,1991を参照されたい、ならびにv
0、組織血管容積)を有する1組織コンパートメントモデル(OTCM)、5つのパラメータ(K
1、k
2、k
3、k
4、およびv
0;定義についてはInnis et al.,2007を参照されたい)を有し、小脳推定値に対してK
1−k
2比(置換不可能な分布容積、V
ND(Abi−Dargham et al.,1994)に制約を設けたおよび制約を設けない(それぞれTTCM−UCおよびTTCM−C)2組織コンパートメントモデル、および血漿参照グラフ解析(PRGA;Logan et al.,1990)が含まれる。TTCM−UCおよびTTCM−Cでは、BP
NDはk
3−k
4比として得られた。PRGAでは、CbのV
Tが化合物Iの投与の影響を受けないことが確認された場合、BP
NDは、領域対Cb V
T比から1を引いて得ることができる。代謝物補正血漿TACは、Matlab(Mathworks,Cambridge,MA,USA)で実行される区分的3次エルミート補間を使用して血漿サンプル時間で補間した後、HPLC分析により得られる親リガンドパーセント時間特性を全血漿TACに適用することにより得られ、それを血漿入力法に使用した。
【0074】
さらに、組織参照法、即ち、2つのパラメータを有する多重線形参照組織法(MRTM2;Ichise et al.,2002)および参照組織グラフ解析(RTGA;Logan et al.,1996)を適用した。RTGAでは、k
2R(Cbの脳血液クリアランス速度定数)をTTCM−UCにより得られる平均k
2値(ベースライン走査全体にわたる)、0.076分
−1に設定した。
【0075】
この項では、A部の試験および再試験走査ならびにB部のベースライン走査を使用した。
【0076】
置換不可能なコンパートメントの分布容積、V
NDの独立推定:プロットが直線状に配列する場合、Lassenプロットと称されることが多い、ΔV
T(ベースラインマイナス投与後)対ベースラインV
Tの散布図により、「理論的に正しい」V
NDを回帰直線のx切片として得ることができることが分かった(Lassen et al.,1995;Cunningham et al.,2010)。この方法では、ベースライン走査および投与後の走査の全領域に共通する1つのV
ND値が得られることに留意されたい。プロットが直線状に配列する場合しか、占有率の算出にLassenプロットの使用を認めることができない。プロットにより得られるV
ND値は、BP
NDおよび受容体占有率を得るためにPRGAにおいてCbのV
TをV
NDの推定値として使用できる(即ち、Cb中の5−HT
6受容体は無視できる程度である)かどうかを評価するのに使用される。
【0077】
試験−再試験間ばらつき:次式(例えば、Sudo et al.,2001)により得られる試験−再試験間ばらつき(TRV)を使用して、[
11C]LuPETのV
TおよびBP
NDの再現性を評価した:
【数1】
式中、v
試験およびv
再試験はそれぞれ、領域中の試験走査および再試験走査のV
TまたはBP
NDの推定値を指す。幾つかの論文では、放射性リガンドの許容可能な再現性の判定規準としてTRV10%が採用された(Hirvonen et al.,2009)。従って、本報告ではこのレベルを参照として使用した。この項では、A部の試験走査および再試験走査を単独で使用した。
【0078】
占有率および占有率−PK関係:化合物I(B部)およびオランザピン(A部)による5−HT
6受容体の占有率(RO:単位%)は、次式を使用して算出した:
【数2】
式中、上付きはそれぞれベースライン(B)および投与後(D)のBP
NDを示す。
【0079】
健常男性対象では、オランザピン1回量10mgを経口投与するとドーパミンD
2受容体占有率が約60%となることが分かった(Nyberg et al.,1997)。5−HT
6受容体およびドーパミンD
2受容体に対するオランザピンのヒトin vitro受容体親和性は、それぞれ、K
i値約10nMおよび30nMに匹敵すると報告されており(Kroeze et al,2003)、従って、10mgの用量で少なくとも匹敵する5−HT
6占有率(=60%)を期待することができる。オランザピンは5−HT
2A受容体に対する親和性がさらに高いため、オランザピン投与後に測定された全置換に対する5−HT
2Aからの寄与を幾らか見込まなければならない。線条体では、5−HT
6の密度は高い(Woolley et al.,2004)が、5−HT
2Aの密度は低く(Pompeiano et al.,1994)、そのため、この領域では主な寄与は5−HT
6受容体からの置換からもたらされることになる。
【0080】
占有率−PK(血漿中の化合物Iの濃度)関係に次の修正されたHillの一次方程式をフィッティングさせた。
【数3】
式中、O
maxは到達可能な最高占有率を表し、EC
50はO
maxの50%を達成するPKを指す。赤池情報量規準(AIC;Akaike 1974;Burnham and Anderson 2004)を使用して、コンパートメントモデルに関する、および占有率−PK関係の検定に関する適合度を、式3を使用して検定した。
【0081】
結果
A部およびB部からの次の結果については、本発明の図面の図を参照されたい。組織TAC:ベースライン走査で、PuおよびCNのTACは10分より前にピークを形成し、その後、90分間、連続した増加を示した(
図1)が、他の脳領域のTACは20分より前に各ピークに達し、その後、単調に減少した。Cbは脳領域の中で最も低い放射能集積を示した。投与後の走査では、PuおよびCNのTACの形状は、用量依存的に他の脳領域のTACに近付いた(パネルB)。CbのTACはベースライン走査と投与後の走査との間で比較的類似したままであった。
【0082】
図1:選択された脳領域の時間放射能曲線(TAC):血漿TAC:血漿中の全放射性代謝物は、トレーサー注入後の時間に応じて増加し(
図2、パネルA)、90分の時点で69±9%に達した。3H走査および投与後2回目の走査は、ベースライン走査と区別不可能なHPLC時間特性を示した。全血漿TACおよび代謝物補正血漿TACをパネルBに示す。これらは共に1分(注入)以内にピークを形成し、その後、単一指数関数的に低下した。技術的な問題により、残りの12の走査ではHPLCが成功しなかったため、HPLCが成功した8つの走査の平均HPLC時間特性をA部のデータ解析に使用したことに留意されたい。B部では個々の走査のHPLC時間特性を使用した。
【0083】
図2:血漿中の[
11C]−LuPETの全放射性代謝物の時間特性:PET結果変数に関する方法の評価:AICは、OTCMよりTTCMの方を支持した(即ち、OTCMの方がTTCM−UCまたはTTCM−Cよりも、それぞれ合計434の領域の99.8%または99.1%で高いAIC値を示した)が、これは、[
11C]LuPETに関して血液脳移行を結合−解離プロセスから動態学的に分離できることを示唆している。従って、OTCMはこの放射性リガンドに関して却下された。しかし、TTCM−UCおよびTTCM−Cでは、V
Tに関しては全領域の8.1%および6.2%でならびにBP
NDに関しては7.2%および4.4%で異常値(V
T>20mL/mL(PRGAによる最も高い値)およびBP
ND>15(PRGAによる最も高い値より3倍大きい):と定義される任意の値)が得られた。従って、TTCM−UCおよびTTCM−Cは、[
11C]LuPETを用いたV
TおよびBP
NDの推定に十分なロバスト性がないことが結論付けられた。PRGAプロットは少なくとも40分の時点で漸近線に近付き、優れた直線性を示した(全領域で、R
2、決定係数>0.93)。PRGAの他の評価を次の2つの項に記載する。
【0084】
2つの参照組織法間で、RTGA(=x)は、MRTM2(y=0.73・x+0.22;R
2=0.878)よりもPRGA(y=0.72・x+0.073;R
2=0.926)と強い相関を示したが、これらの方法には共に、高BP
ND領域でBP
NDの過小評価があった。
【0085】
Lassenプロットおよび小脳V
Tの評価:
図3、パネルAに示すように、ベースライン走査と比較して、3H走査(t=−3.09;p<0.01;対応のあるt−test)および投与後2回目の走査(t=−2.56;p<0.05)では、CbのV
Tが減少した。3H走査と投与後2回目の走査との間で統計学的な差は認められなかった(t=1.06;p>0.3)。V
ND推定値が−0.39mL/mLであった一例(最も低い占有率を示した対象502のベースライン走査対投与51時間後の走査;R
2=0.501)を除く全ての場合に、Lassenプロットは直線状であった(R
2>0.9)。V
ND推定値は、3H走査とP2走査では不変であった(パネルB)。しかし、異常値が存在するため、占有率の算出に関するLassenプロットの使用はこの試験から除外された。異常値を排除した場合、CbのV
T(=y)は、Lassenプロットにより得られるV
NDと相関した(y=0.90・x+0.08;R
2=0.945)が、V
ND(t=−4.36;p<0.001)より低かった。この知見(3HにおけるCb内のV
T<Lassenプロットにより得られるV
ND)から、プロットによるV
NDの僅かな過大評価が示唆された。統計学的には有意であるが、線条体領域で観測される高いV
T値(標的領域中のV
T約10mL/mL)と比較して無視できる程度の差(ベースライン走査と3H走査との平均差が0.39mL/mL)であることを考え合わせると、この項での評価により、[
11C]LuPETを用い、Cbを参照領域として使用する占有率の算出に関するPRGAの使用が正当化される。
【0086】
図3:小脳における分布容積(V
T)のヒストグラム(SEMバー付き):試験−再試験間ばらつき:PRGAが示すV
TのTRV値は低く(範囲:12.7%〜15.6%)、様々な領域で所望の10%レベルを達成したが、TTCM−C(範囲:13.3%〜45.8%)は比較的高いTRV値を示した。BP
NDについて、標的領域(即ち、PuおよびCN)のTRV値は、PRGAでは20%に近く、TTCM−Cではそれより僅かに高かった(
図4、パネルA)。組織参照法は、様々な皮質領域および皮質下領域で、許容できないTRV値を示した(パネルB)。しかし、RTGAは、標的領域で10%レベルに非常に近いTRV値を示した。
【0087】
図4:試験−再試験間ばらつき(TRV)のヒストグラム(SEMバー付き):試験−再試験間ばらつき推定を含む方法評価の項の結果から、広く認識されているPETデータ解析法の中で、[
11C]LuPETを用いたV
T、BP
ND、および占有率の導出にはPRGAが最も適切な方法であることが分かった。従って、以下では主にPRGAにより得られる結果を示す。方法の項で、動脈カテーテルの挿入および動脈血採取が交絡因子となり得る場合、RTGAが使用可能となり得ることも分かったため、RTGAの結果も必要に応じて示すが、この方法では高BP
ND領域でBP
NDが過小評価されるおそれがある。PRGAにより得られるV
TならびにPRGAおよびRTGAにより得られるBP
NDの局所値を
図5に示し、試験した年齢範囲内の健常男性対象におけるV
TおよびBP
NDの局所分布を示す。
【0088】
図5:選択された脳領域内の分布容積V
Tのヒストグラム(SEMバー付き):オランザピンによる[
11C]LuPET結合の置換:オランザピン1用量10mgを投与すると領域全体で[
11C]LuPETの結合が約80%置換された(
図6)が、幾らかの局所差が認められた。この知見は、方法の項の占有率および占有率−PK関係の項で検討した置換の期待値と一致した。置換を算出するためのベースライン走査として試験走査を使用するかまたは再試験走査を使用するかにかかわらず、比較的類似の結果が得られたことに留意されたい。
【0089】
図6:選択された脳領域内でのオランザピン1回量10mgによる[
11C]LuPETの置換(%)のヒストグラム:化合物Iによる5−HT
6受容体の占有率および占有率−PK関係:投与スキームに関して観測された占有率値を
図7に示す。3H走査の占有率−PKプロットを、プロットの式3による最良適合(即ち、モデル予測)と共に
図8に示す。AICは、3つの領域で1パラメータフィッティング(O
maxを100%に固定する)を好ましく2パラメータフィッティング(即ち、O
maxとEC
50の両方を推定)の方を支持した。80%の占有率(80%RO)をもたらすと予測されるO
max、EC
50およびPKの推定値を表2に記載する。
【0090】
図7:3時間の時点および投与後2回目の時点に関する投与スキームによる化合物Iによる5−HT
6受容体の占有率のヒストグラム(SEバー付き平均):3H走査の占有率(=y)対血漿中の化合物Iの濃度(トレーサー注入30分後〜90分後の平均)の散布図(
図8)に、O
maxを100%と仮定して(モデル1;1パラメータ、EC
50を推定)、およびO
maxとEC
50の両方を推定して(モデル2)式3をフィッティングさせた。赤池情報量規準(AIC;AIC値が小さいほど適合度が良くなる)(Akaike 1974)および2つのモデルの残差平方和(RSS)を比較するF検定により、Pu、CN、およびvSではモデル1よりもモデル2の方が支持された(表1)。
【0091】
図8:投与3時間後の時点における被殻、尾状核および腹側線条体に関する占有率−PK、化合物Iの血漿中濃度プロット。
【0092】
図9:投与後2回目の時点における被殻、尾状核および腹側線条体に関する占有率−PK、化合物Iの血漿中濃度プロット:プールされた全てのデータ点を有するプロットは、PuおよびCNでは、モデル1よりもモデル2の方が適合度が良く、これらの構造中ではO
maxを一意的に特定できることが示唆される。単独の3Hデータ点(赤点色線)とプールされたデータ点(黒点色線)との間で、モデル予測曲線はPuとCNでは本質的に同一であった。P2データ単独のモデル予測曲線(緑点色線)の外挿もプールされたデータの予測曲線と一致した。
【0093】
プールされた全てのデータ点を有するプロットは、PuおよびCNでは、モデル1よりもモデル2の方が適合度が良く、これらの構造中ではO
maxを一意的に特定できることが示唆される。単独の3Hデータ点(赤点色線)とプールされたデータ点(黒点色線)との間で、モデル予測曲線はPuとCNでは本質的に同一であった。P2データ単独のモデル予測曲線(緑点色線)の外挿もプールされたデータの予測曲線と一致した。従って、O
maxおよびEC
50の推定値は、3Hデータセット、P2データセットおよびプールされたデータセット全体で一貫性があった。これらの知見はvSに関して決定的ではなく、おそらくこの領域における占有率の推定値が不安定であることを反映した。
【0094】
血漿TACを必要としないRTGAでは、Pu、CN、およびvSで匹敵するEC
50推定値が得られたが、O
maxの推定値はPRGAより僅かに低く、また80%の占有率が生じると予測されたPK値も記載され、この占有率レベルで最適な臨床効果が生じ得ると仮定される。PRGAでは、CNおよびvSのPK値は約120ng/mLであり、PuのPK値は約50ng/mLであった。RTGAでは、CNのPK値は約100ng/mLであったが、PuおよびvSではO
maxの推定値が80%より低かったことから、これらの構造のPK値は得られなかった。
【0095】
図10:投与後の2つの時点における、被殻(Pu)、尾状核(CN)、および腹側線条体(vS)プーリングに関する占有率−PK(化合物Iの血漿中濃度)のプロット。モデル予測曲線(即ち、式3による最良適合)を表示の通り示す。
【0096】
図11:ベースライン走査および投与51時間後の走査に関する被殻および尾状核を示すレベルでの結合能の体軸横断像:ベースライン走査および投与51時間後(n=4;1回量30mgのみ;C)の走査に関する被殻(Pu)および尾状核(CN)を示すレベルでの結合能、BP
NDの体軸横断像。健常若年対象(n=8)の[
11C]MDL100,809のBP
ND画像を参照としてパネルDに示す。個々のBP
ND画像を空間的に標準化し、メンバー全体で平均した。
【0097】
【表4】
【0098】
P2走査に関する同じプロットを
図9に示す。AICとF検定は両方とも、モデル1よりモデル2の方を支持しなかったが、その理由はおそらく、これらの後の時点ではO
maxを正確に推定するのに十分な数の「飽和に近い」データ点が観測されなかったからである。
【0099】
【表5】
【0100】
化合物Iを投与した後のBP
NDの変化を視覚的に表示するために、PRGAのボクセル×ボクセルの適用により得られるBP
NDの画像を
図11に示す。
【0101】
考察
この試験の方法論的評価の項では、広く認識されている標準的なPETデータ解析方法の中で、放射性リガンドPETデータからV
T、BP
NDおよび占有率を導出するのに最適な方法として、PRGAが特定された。プロットが成功した場合、CbのV
T推定値はLassenプロットにより得られるV
ND推定値より僅かに低かった(が、それと相関した)ため、[
11C]LuPETに関して、参照領域としてのCbの使用が正当化された。
【0102】
A部の走査に関して平均HPLC時間特性を使用したが、走査の60%でHPLCが成功しなかったため、血漿入力法(TTCMおよびPRGA)のTRV推定値は、あるべき値ほど正確になり得なかったことに留意されたい。それにもかかわらず、個々の走査のHPLCデータをB部に使用した場合、この試験で観測された理論期待値(即ち、式3)に対する占有率−PKプロットの適合度(AIC値による)は、本発明者らの経験では、他の受容体占有率試験で観測されたAIC値と同程度に良好であったが、それはまたB部で得られた観測されたO
maxおよびEC
50値が正確であったことを保証している。
【0103】
ヒトの脳内での[
11C]LuPETのBP
NDの分布は、5−HT
2A受容体に対する高親和性拮抗薬リガンドである[
11C]MDL100,907のBP
ND分布とは著しく異なった(
図11参照:):PuおよびCNは、[
11C]LuPETで最も高いBP
NDを示したが、[
11C]MDL100,907では比較的結合の余地があり、一方、皮質領域は[
11C]MDL100,907の高いBP
NDを示したが、[
11C]LuPETでは比較的低いBP
NDを示した。
【0104】
占有率−PKプロットは、3H走査およびP2走査に関して別々に、または一緒にプールされた3H走査およびP2走査に関して、Hillの一次方程式(式3)と一致した。さらに、これらの3つのデータセットの予測曲線は本質的に同一であった。これらの知見から、占有率−PK関係がP2走査(投与後継続時間範囲:10〜51時間;PK範囲:0.54〜204ng/mL)と3H走査との間で一致したことが分かり、3H走査で15人の対象のうち12人でPK値がP2走査のPK範囲内に入った。従って、化合物Iは、受容体からの解離と脳からのクリアランスが比較的速い(即ち、長時間結合の証拠はない)と思われた。
【0105】
統計学的に説得力があるPuおよびCNの結果に基づき、この試験から、化合物Iを経口投与すると、O
maxが約90%となり、EC
50が6ng/mLより僅かに高くなることが予測された。最後に、動脈血採取を必要としないRTGAで、比較的侵襲性が高いPRGAに匹敵するEC
50値が得られた。僅かではあるが影響を及ぼす参照領域(Cb)における遮断(blocking)により、RTGAではPRGAと比較してO
maxが過小評価されることを説明できることが推測された。従って、動脈血採取が好ましくない患者母集団の試験において、RTGAは薬物占有率試験に適用可能となり得る。最後に、vSに不確実性があった(即ち、AICスコアから、式3の適合度が比較的不良であることが分かった)のは、おそらくPuおよびCN(>3mL)より容積が小さかった(片側当たり約0.8mL)ためであることに言及すべきである。
【0106】
化合物Iを60mg BID、30mg BIDおよび30mg QDで投与した後の5−HT
6受容体占有率は高かった;即ち、C
maxでそれぞれ>90%、>85%および約80%であり、投与24時間後に僅かしか減少しなかった。
【0107】
結論として、この試験から、一定量の化合物Iを経口投与すると、O
maxが約90%、EC
50が約6.5ng/mLとなることが推定された。最適な治療量および関連する化合物Iの血漿中濃度がその臨床応用に使用可能となるとき、これらの推定値は、最適な臨床有効性を発揮する5−HT
6受容体の占有率の推定に貢献する。
【0108】
実施例3.母集団薬物動態モデル構築&PK/PDモデル5−HT
6占有率シミュレーション
実施例2のPET試験から得られたデータを使用し、アルツハイマー病母集団で、化合物Iを5.0〜60mgの範囲の1日1回投与量で複数回投与した後の5−HT
6受容体占有率を年齢に応じて推定することがモデル構築およびシミュレーション演習の目的であった。
【0109】
母集団薬物動態(popPK)モデル
自己抑制モデルを使用したが、これはPlockらによる論文(Plock N.et al.Drug Metab Disp 2007,35:1816−1823)に基づいている。使用するpopPKモデルの構造を下記に記載する。
【化3】
【0110】
中高年での第I相試験からのデータとAD試験(試験12936A)からのデータから、化合物Iのクリアランスは中高年では低く、従って、同じ用量で、中高年対象は比較的若年の対象と比較して高い血漿中濃度を有することが分かった。この年齢効果をPopPKモデルに組み込んだ。合計で、popPKモデルに使用したデータセットは265人の患者からなった。単回投与または複数回投与された用量は9.0〜300mgの範囲であった。
【0111】
PK/PDモデル5−HT
6占有率
化合物Iを複数回投与した後の5−HT
6占有率の評価に、16人の健常対象が含まれた。対象に化合物Iを少なくとも3日間、120(60BID)、60(30BID)、30mg/日(QD)または5mg(QD)の用量で投与し、各用量コホートに4人の対象が含まれた。合計で、対象1人当たり3回PET走査を行い、最初はベースライン時に、2回目は投与最終日のt
max付近で、最後は投与最終日の投与後10〜51時間の間隔を空けて行った。
【0112】
化合物Iの血漿中濃度対尾状核領域の5−HT
6受容体占有率を
図11に示す。PK/PD関係を、E
maxモデルを用いてOcc=E
max*Cp/(EC
50+Cp)の形態でモデル化したが、式中、E
maxは最大占有率、EC
50は半E
maxを生じさせる化合物Iの血漿中濃度であり、Cpは化合物Iの血漿中濃度である。臨床PET試験では、ベースライン後2回目の走査(最後に化合物Iを投与して10〜51時間後に行った)の占有率の方が、ベースライン後最初の走査(C
max付近で行った)の占有率よりも、フィッティングした血漿中濃度対5−HT
6受容体占有率曲線からの外れが明らかではなかった。これから、PKとPDとの間に顕著なヒステリシスまたはラグタイムは存在しないことが分かり、それは、例えば、受容体に関する解離速度が血漿中消失速度より長い場合にあり得る。
【0113】
占有率における対象間のばらつきの推定が可能となるように、非線形混合効果モデル化を行ったが、対象間のばらつきはEC
50に関して指数関数項(exponential term)としてモデル化された。尾状核領域に関するE
maxおよびEC
50はそれぞれ91%および6.5ng/mLと推定された。推定値の不確実性は低く、相対的標準誤差に関してそれらは1.1%(E
max)および15%(EC
50)であった。
【0114】
PK/PDモデル
試験12936Aのものに対して年齢に関するアルツハイマー病の母集団のシミュレーションを行った(範囲54〜90才、中央値75才)。5mg/日、10mg/日、15mg/日、20mg/日、25mg/日、30mg/日および60mg/日の用量に関して、且つ用量当たり1000人の患者で、化合物Iの定常状態での血漿中特性および対応する5−HT
6受容体占有率のシミュレーションを行った。定常状態における1日間の尾状核領域内の平均5−HT
6受容体占有率を各患者に関して推定した。中央値、5%および95%パーセンタイルを各用量群に関して個々の値から推定した。従って、患者の90%は、5%パーセンタイル〜95%パーセンタイルの区間に入ることになる。
【0115】
【表6】
【0116】
簡単な考察
PK/PDモデルからのデータを使用して、
図12は5−HT
6受容体占有率と化合物Iの血漿中濃度との投影(projected)相関を示す。AD試験での化合物Iの固定用量により得られる暴露(X軸上の強調表示された範囲を参照)から、試験の対象は5−HT
6受容体の受容体占有率レベルが高かったことが分かる。
【0117】
図13は、5.0〜60mg/日の用量に関して定常状態でシミュレートした5−HT
6受容体占有率を示す。占有率中央値は5.0mgでの56%から30mgでの92%までにわたる。PET試験からの結果に基づいて、化合物Iの血漿中濃度対5−HT
6占有率曲線がよく説明されるように思われる。
【0118】
従って、これらのデータから、約30mg〜約60mgの有効量を毎日投与すると、それにより患者コンプライアンスが向上し、以前の臨床試験で見られた合併症が回避されるという知見が裏付けられる。
本願発明は以下の態様を含み得る。
[1]
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の効果を改善または増強することによるアルツハイ
マー病の治療に使用されるN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エ
チル)−3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミンまたは薬学
的に許容される塩であって、前記治療が前記化合物を有効1日量、このような治療を必要
とする患者に投与することを含み、前記患者に投与される有効1日量が約30〜約60m
gである、N−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(
2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミンまたは薬学的に許容される
塩。
[2]
アセチルコリンエステラーゼ治療の補助療法としてアルツハイマー病の治療に使用され
るN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,
3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミンまたは薬学的に許容される塩であっ
て、前記治療がN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3
−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミンまたは薬学的に許容さ
れる塩を有効1日量、このような治療を必要とする患者に投与することを含み、前記患者
に投与される有効1日量が約30〜約60mgである、N−(2−(6−フルオロ−1H
−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ
)ベンジルアミンまたは薬学的に許容される塩。
[3]
前記薬学的に許容される塩が塩酸塩である、請求項1または2に記載のN−(2−(6
−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[4]
前記用量が速放性製剤として投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のN−(
2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−
テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[5]
軽度〜中度のアルツハイマー病を治療するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載
のN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,
3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[6]
前記アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がドネペジルである、請求項1〜5のいずれか
一項に記載のN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−
(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[7]
前記アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がリバスチグミンである、請求項1〜5のいず
れか一項に記載のN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−
3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[8]
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がガラタミンである、請求項1〜5のいずれか一項
に記載のN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2
,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[9]
前記有効1日量が30mgである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のN−(2−(
6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−テトラ
フルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[10]
有効1日量が40mg以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のN−(2−(
6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−テトラ
フルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[11]
前記有効1日量が50mg以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のN−(2
−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−テ
トラフルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[12]
前記有効1日量が60mg以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のN−(2
−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−テ
トラフルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[13]
前記有効1日量が60mgである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のN−(2−(
6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2,3,3−テトラ
フルオロプロポキシ)ベンジルアミン。
[14]
化合物Iを含む医薬組成物であって、前記組成物をヒトに投与する場合、化合物Iの有
効1日量約60mg以下が提供されるように前記組成物を投与すると、定常状態の血漿中
レベルで化合物Iの血漿中濃度が約56ng/mL〜約310ng/mLの範囲となり;
化合物IがN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(
2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミンである医薬組成物。
[15]
化合物Iを含む医薬組成物であって、前組成物をヒトに投与する場合、化合物Iの有効
1日量約60mg以下が提供されるように前記組成物を投与すると、定常状態の血漿中レ
ベルで5HT−6受容体における化合物Iの受容体占有率が約90%以上となり;化合物
IがN−(2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(2,2
,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンジルアミンである医薬組成物。
【0119】
参考文献
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