特許第6693820号(P6693820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6693820
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】陳列棚
(51)【国際特許分類】
   A47B 51/00 20060101AFI20200427BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
   A47B51/00 501C
   A47F5/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-124884(P2016-124884)
(22)【出願日】2016年6月23日
(65)【公開番号】特開2017-225704(P2017-225704A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2018年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺澤 克俊
(72)【発明者】
【氏名】羽岡 聖子
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−269340(JP,A)
【文献】 特開平07−155226(JP,A)
【文献】 特開平11−299551(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0266936(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B51/00
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の支柱と、左右の支柱に取り付けた棚板と、昇降棚と、昇降棚を上下動自在に支持する左右の昇降アームと、各支柱に取り付けた昇降アーム取付ブラケットとを備え、昇降アームは、昇降アーム取付ブラケットに取り付けてあり、昇降アーム取付ブラケットは、支柱の上下方向任意の位置に取り付け自在であると共に、棚板に載置して固定してあることを特徴とする陳列棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
狭い店舗等で商品を陳列する陳列棚では、陳列棚の上方の空間がデッドスペースとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる陳列棚の上方の空間を有効利用することが求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、上方の空間を有効利用することができる陳列棚の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、左右の支柱と、左右の支柱に取り付けた棚板と、昇降棚と、昇降棚を上下動自在に支持する左右の昇降アームと、各支柱に取り付けた昇降アーム取付ブラケットとを備え、昇降アームは、昇降アーム取付ブラケットに取り付けてあり、昇降アーム取付ブラケットは、支柱の上下方向任意の位置に取り付け自在であると共に、棚板に載置して固定してあることを特徴とする陳列棚である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、陳列棚の上下方向任意の位置に昇降棚を取り付けできるので、陳列棚のデッドスペースとなっている上方の空間に昇降棚を設けることにより、陳列棚の上方の空間を有効利用することができる。
左右の昇降アーム取付ブラケットの下面同士を連結材で連結しているので、左右の昇降アームの間隔を安定に保持できると共に連結材が目立たないので意匠性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施の形態にかかる陳列棚の上方部分を示す斜視図である。尚、一点鎖線で抜き出して示すのは、昇降アーム取付ブラケットと昇降アームのダンパとを分離して示す斜視図である。
図2図1に示す陳列棚の図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すA−A断面図であり、昇降棚を下げた状態を仮想線(二点鎖線)で示す図である。
図3図1に示す陳列棚について、施工現地における組み立て手順を(a)〜(c)の工程毎に示す斜視図である。
図4図1に示す陳列棚について、工場における組み立て手順を(a)〜(c)の工程毎に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。尚、図1では、昇降棚13内に設けているトレー20(図2(a)参照)は省略して示している。
図1及び図2に示すように、本実施の形態にかかる陳列棚1は、左右の支柱3a、3bを備えており、左右の支柱3a、3bに取り付けた棚板ブラケット5に棚板7が載置されている。
各支柱3a、3bには、棚板ブラケット5の係止孔9が上下方向に複数設けてあり、上下方向の任意の位置に棚板ブラケット5を取り付けできるようにしてある。
【0010】
最上位置の棚板7上には、昇降棚13と、左右の昇降アーム15a、15bと、左右の昇降アーム取付ブラケット17a、17bとが設けてあり、陳列棚1の上方位置の空間を昇降棚13により商品陳列の利用を図るようにしている。
図2(a)に示すように、昇降棚13は、左右の側板19と、背板21と、底板23とを備えており、左右の側板19、19間の寸法が支柱3a、3b間の巾よりも小さい箱状にして、左右の支柱3a、3b間に納めてある。左右の側板19、19間には複数段のトレー20が配置されており、各トレー20に商品や物品を小分けにして収納できるようにしている。
昇降棚13の底板23にはその正面側に昇降棚13を昇降操作する為の取手24が取り付けてある。
【0011】
左右の各昇降アーム15a、15bは、アーム部25と、アーム部25の動きを緩衝するダンパ27とを備えており、ダンパ27は昇降アーム取付ブラケット17a、17bに取り付けられている。図1に示すように、ダンパ27には上部に被取付部27aが設けてあり、この被取付部27aを昇降アーム取付ブラケット17aのダンパ取付部35dにねじで固定してある。
図2(b)に示すように、アーム部25は、2つのアーム部材25a、25bを有し、一方のアーム部材25aはダンパ27に回動軸29を中心にして溝31に沿って回動自在に設けてあり、ダンパ27内のギアやバネ等の作用によりその回動が緩衝されている。
アーム部25の先端部には側板取付具33が取り付けられている。
【0012】
図1に示すように、昇降アーム取付ブラケット17a、17bは、対応する昇降アーム15a、15bを支柱3a、3bに取り付けるものであり、各昇降アーム取付ブラケット17a、17bは、側面形状がダンパ27の側面形状と略同様な形状であり、側面視略台形を成している。図4(a)に示すように、この昇降アーム取付ブラケット17a、17bは昇降アーム固定板35と、支柱固定板37との2枚の板を重ねて構成してある。
昇降アーム固定板35は、本体部35aと、ダンパ27の底部を載置するダンパ載置部35bと、ダンパ載置部35bから立ち上げた挟持部35cとを有し、挟持部35cと本体部35aとの間にダンパ27を挟持して、ねじ止めしてある。
【0013】
支柱固定板37は、本体部37aと、支柱固定部37bと、昇降アーム固定板35を受ける受部37cを備えている。
支柱固定板37の本体部37aは、昇降アーム固定板35に重ねてねじ43でねじ止めしてある。
支柱固定部37bは、本体部37aから左右に屈曲して形成してあり、支柱3a、3bの係止孔9に係止する係止部37dが設けてある。
また、図4(c)に示すように、左右の昇降アーム15a、15b間には、これらの間隔を保持する間隔補助部材39が取り付けてある。
昇降アーム取付ブラケット17a、17bの下面は、各々棚板(連結材)7に下から止めるねじ41(図3(c)参照)で固定してある。棚板7は、昇降アーム取付ブラケット17a、17bを各々連結してこれらの間隔を保持している。
【0014】
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態にかかる陳列棚1の組み立てについて、説明する。
図4を参照して工場における組み立てを説明する。
図4(a)に示すように、まず、昇降アーム取付ブラケット17a、17bを組み立てるが、左右の昇降アーム取付ブラケット17a、17bは同様に組み立てるので、左の昇降アーム取付ブラケット17aについて説明し、右の昇降アーム取付ブラケット17bの組み立てについては省略する。左の昇降アーム取付ブラケット17aは、支柱固定板37の受部37cに昇降アーム固定板35のダンパ載置部35bを載置して、昇降アーム固定板35の本体部35aと、支柱固定板37の本体部37aを重ね、本体部35a、37a同士をねじ43で固定する。
次に、図4(b)に示すように、左右の各昇降アーム取付ブラケット17a、17bに各々昇降アーム15a、15bを取り付ける。昇降アーム15a、15bの取り付けは、昇降アーム固定板35の本体部35aと、挟持部35cとの間にダンパ27を挿入すると共にダンパ27を昇降アーム固定板35のダンパ載置部35bに載置して、ダンパ27の被取付部27aとダンパ取付部35dをねじで固定し、ダンパ27の下部を挟持部35cにねじ固定する。
【0015】
その後、図4(c)に示すように、昇降アーム取付ブラケット17a、17bの前側部に各々間隔補助部材39を取り付ける。次に、昇降アーム15a、15bに各々設けてある側板取付具33を昇降棚13の側板19、19に各々ねじ止めする。
尚、昇降棚13には底板23に取手24を取り付ける。
以上のように、昇降棚13には左右の昇降アーム15a、15bを昇降アーム取付ブラケット17a、17bと共に取り付けた状態で組み立てた後、工場から陳列棚1の組み立て現地へ出荷される。
【0016】
次に、図3を参照して、昇降棚13の現地での組み付けについて説明する。
図3(a)に示すように、陳列棚1において、各支柱3a、3bには上部の任意の位置に棚板ブラケット5に係止して、棚板ブラケット5間に棚板7を載置して、支柱3a、3a間に棚板7を取り付ける。
図3(b)に示すように、昇降棚13と共に昇降アーム15a、15b及び昇降アーム取付ブラケット17a、17bを棚板7に載せ、昇降アーム取付ブラケット17a、17bの係止部37dを各支柱3a、3bの係止孔9に係止する。
次に、図3(c)に示すように、左右の各支柱3a、3bにおいて、昇降アーム取付ブラケット17a、17bの上部に対応する位置の係止孔9に引掛け金具47を引掛けて、引掛け金具47を昇降アーム取付ブラケット17a、17bにねじ49で固定する。
その後、昇降アーム取付ブラケット17a、17bの下面を棚板7に下から止めるねじ41で固定する。
【0017】
図2(a)(b)に示すように、昇降棚13の操作は、取手24を持って、下方に下げることで昇降棚13を棚板7上から前方の下方へ繰り出して、昇降棚13内の商品を出し入れする。昇降棚13から商品を出し入れした後には、取手24を押し上げて昇降棚13を最上の棚板7の上に戻す。
【0018】
この実施の形態によれば、昇降棚13は、陳列棚1の上下方向任意の位置に取り付けできるので、陳列棚1のデッドスペースとなっている上方の空間に昇降棚13を設けることにより、陳列棚1の上方の空間を有効利用することができる。
左右の昇降アーム取付ブラケット17a、17bの下面同士を棚板(連結材)7で連結しているので、左右の昇降アーム15a、15bの間隔を安定に保持できると共に連結材が目立たないので意匠性が良い。
【0019】
更に、本実施の形態では、棚板7を連結材として利用しているので、部品点数を削減できると共に組み立てコストを低減できる。
図4(a)に示すように、昇降アーム取付ブラケット17a、17は、昇降アーム固定板35と、支柱固定板37とを連結して構成しているから、昇降アーム15a、15bの種類や形態が異なる場合には、昇降アーム固定板35のみの形状や形態を変更することで対応でき、支柱固定板37を共通に使用できるので、組み立てコストを安価にできる。
図4(b)に示すように、昇降アーム取付ブラケット17a、17bには、挟持部35cを設けて、ダンパ載置部35bに載置したダンパ27を挟持しているので、昇降アーム取付ブラケット17a、17bに昇降アーム15a、15bを容易に組み付けできる。
図3及び図4に示すように、昇降アーム15a、15bに昇降棚13及び昇降アーム取付ブラケット17a、17bを取り付けた状態までを工場で組み立て、施工現場では、昇降アーム取付ブラケット17a、17bを左右の支柱3a、3b及び棚板7に固定するだけで済むから施工現場での組み立てが容易である。
【0020】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、昇降棚13は、陳列棚1の最上の棚板7に設けることに限らず、上から2番目又は3番目等の上方にある棚板7、7間に設けるものであっても良い。
昇降アーム取付ブラケット17a、17bは、昇降アーム固定板35と支柱固定板37を2枚重ねた構成としたが、これに限らず、一枚の板材で構成しても良い。
昇降棚13には、天板を設けても良い。
【符号の説明】
【0021】
1 陳列棚
3a、3b 支柱
7 棚板(連結材)
13 昇降棚
15a、15b 昇降アーム
17a、17b 昇降アーム取付ブラケット
図1
図2
図3
図4