特許第6693883号(P6693883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6693883
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】組織の開創
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20200427BHJP
【FI】
   A61B17/02
【請求項の数】17
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-552593(P2016-552593)
(86)(22)【出願日】2015年2月18日
(65)【公表番号】特表2017-509389(P2017-509389A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】US2015016251
(87)【国際公開番号】WO2015126866
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2017年12月13日
(31)【優先権主張番号】14/183,048
(32)【優先日】2014年2月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】フリードリック,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ワイマン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ベクテル,マシュー
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−507368(JP,A)
【文献】 特表2013−509982(JP,A)
【文献】 特表2013−537467(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0049101(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0073111(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0238932(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0076516(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体組織を開創するための外科用開創器であって、
近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第1のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第1のアーム長手方向軸であって、前記遠位端が第1の開創器ブレードを支持するように構成され、前記遠位端が、前記第1の開創器ブレードを保持するように構成された第1のカムラッチを有し、前記近位端が開口を有するブロックを形成する、少なくとも1つの第1のアーム、ならびに第1のアーム長手方向軸と、
近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第2のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第2のアーム長手方向軸であって、前記遠位端が第2の開創器ブレードを支持するように構成され、前記遠位端が、前記第2の開創器ブレードを保持するように構成された第2のカムラッチを有し、前記近位端が開口を有するブロックを形成する、少なくとも1つの第2のアーム、ならびに第2のアーム長手方向軸と、
近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第3のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第3のアーム長手方向軸であって、前記遠位端が第3の開創器ブレードを支持するように構成され、前記遠位端が、前記第3の開創器ブレードを保持するように構成された第3のカムラッチを有し、前記近位端が前記少なくとも1つの第1のアームの前記ブロックと前記少なくとも1つの第2のアームの前記ブロックとの間に配置されたブロックに接合される、少なくとも1つの第3のアーム、ならびに第3のアーム長手方向軸と、
第1の端部および第2の端部を有する第1のラックであって、
前記少なくとも1つの第1のアームの前記ブロックが、前記第1の端部を覆うように延伸し、
前記少なくとも1つの第2のアームの前記ブロックが、前記第2の端部を覆うように延伸し、
前記少なくとも1つの第1のアームが、前記第1のラックに対して摺動可能であり、
前記少なくとも1つの第2のアームが、前記第1のラックに対して摺動可能である第1のラックと
前記第1のラックと交差する前記少なくとも1つの第3のアームの側面に形成された第2のラックと、を備え、
前記第1のラックは、単一部材であり、
前記第1のアーム長手方向軸、前記第2のアーム長手方向軸、および前記第3のアーム長手方向軸は、略平行である、外科用開創器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のアームは、ブレードを保持するためのブレードホルダを備える、請求項1に記載の開創器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のアームは、ブレードピッチ工具係合をさらに備える、請求項2に記載の開創器。
【請求項4】
前記ブレードピッチ工具係合は、前記ブレードホルダの近位に離れて配置されている、
請求項3に記載の開創器。
【請求項5】
少なくとも1つの開創器ブレードが、前記少なくとも1つの第1のアームのうちの少なくとも1つ、及び前記少なくとも1つの第2のアームのうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに枢動可能に取り付けられる、請求項1に記載の開創器。
【請求項6】
少なくとも1つの開創器ブレードを枢動することが、組織を開創し、かつ前記少なくとも1つの第1のアームのうちの少なくとも1つを、前記少なくとも1つの第2のアームのうちの少なくとも1つから分離することが、組織を開創する、請求項5に記載の開創器。
【請求項7】
少なくとも1つの開創器ブレードが、ねじ状シャフトを回転させることによって枢動される、請求項5に記載の開創器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1のアーム及び前記少なくとも1つの第2のアームのうちの少なくとも1つに枢動可能に取り付けられる少なくとも1つのブレードホルダをさらに含む、請求項1に記載の開創器。
【請求項9】
ブレードが、蟻継ぎ接合を使用して前記少なくとも1つのブレードホルダの各々に接合される、請求項8に記載の開創器。
【請求項10】
光源が、少なくとも1つの開創器ブレードに装着可能である、請求項1に記載の開創器。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1のアーム及び前記少なくとも1つの第2のアームは、前記第1のラックに係合するためのピニオンをそれぞれ備える、請求項1に記載の開創器。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1のアームは、ブレードピッチ工具係合を備え、
前記少なくとも1つの第2のアームは、ブレードピッチ工具係合を備える、請求項11に記載の開創器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1のアームの前記ブレードピッチ工具係合は、前記少なくとも1つの第1のアームに受容されている開創器ブレードのピッチを調節し、
前記少なくとも1つの第2のアームの前記ブレードピッチ工具係合は、前記少なくとも1つの第2のアームに受容されている開創器ブレードのピッチを調節する、請求項12に記載の開創器。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1のアームに受容されている前記開創器ブレードの前記ピッチは、前記少なくとも1つの第2のアームに受容されている前記開創器ブレードの前記ピッチから、独立して調節可能である、請求項13に記載の開創器。
【請求項15】
手動で係合可能な鍵、及び前記ピニオンに接合される工具係合のうちの少なくとも1つをさらに含み、前記鍵または前記工具係合が、前記ピニオンを回転させるように回転可能である、請求項14に記載の開創器。
【請求項16】
ブレードホルダであって、
前記少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つに装着され、かつ開口及び延伸フランジを画定するブロックと、
前記開口内に挿入可能であるようにサイズ及び寸法が合わせられた延伸部を有するブレード保持器と、
前記ブロックと接合して前記ブレード保持器を保持するように、前記ブレード保持器と前記延伸フランジとの間に接合可能なねじ式の止めねじと、を含む、ブレードホルダ、をさらに含む、請求項1に記載の開創器。
【請求項17】
ブレードホルダであって、
前記少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つに装着され、かつ開口及び延伸フランジを画定するブロックと、
前記開口内に挿入可能であるようにサイズ及び寸法が合わせられた延伸部を有する開創器ブレードと、
前記ブロックと接合して前記開創器ブレードを保持するように、前記開創器ブレードと前記延伸フランジとの間に接合可能なねじ式の止めねじと、を含む、ブレードホルダ、をさらに含む、請求項1に記載の開創器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術中に身体組織を開創するためのシステム及び方法、及びより具体的には、基部に装着される多軸開創器に関する。
【背景技術】
【0002】
開創器システムは、医師がそれを通って手術部位にアクセスし得るための開口部を提供するために、様々な異なる外科手技に使用され得る。例えば、脊髄手術では、開創器システムは、患者の脊髄へのアクセスを外科医に提供するために使用され得る。開創器システムによって作成される開口部は、例えば、医師が手術器具を体内に挿入することを可能にするか、または可視光もしくはエックス線を使用して手術部位の可視化を可能にし得る。
【0003】
開創器システムは、開創器フレームに連結される複数のブレードを含み得る。使用中、ブレードは、切り口に挿入され、次いで手術部位への進路に沿って切り口周囲の組織を変位させるために開創され得る。組織の外傷を最小限にするため、この組織の変位は、一般に精練かつ制御されるべきである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態に従って、治療手技において身体組織を開創するための外科用開創器は、近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第1のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第1のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、該近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つの形成する、少なくとも1つの第1のアーム、ならびに第1のアーム長手方向軸と、近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第2のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第2のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、該近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つを形成する、少なくとも1つの第2のアーム、ならびに第2のアーム長手方向軸と、中心部と、を備え、該中心部が、(a)少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームと各々摺動可能な接合を形成するように構成され、(b)少なくとも1つの第1のアームの近位端が延伸部を形成するとき、少なくとも1つの第1のアームとの摺動可能な接合が開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第1のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するとき、摺動可能な接合が延伸部として形成され、(c)少なくとも1つの第2のアームの近位端が延伸部を形成するとき、少なくとも1つの第2のアームとの摺動可能な接合が開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第2のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するとき、摺動可能な接合が延伸部として形成され、(d)各第1のアームが、少なくとも1つの第2のアームの平行移動とは独立して、摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、(e)各第2のアームが、少なくとも1つの第1のアームの平行移動とは独立して、摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、かつ(f)少なくとも1つの第1のアームの遠位端及び少なくとも1つの第2のアームの遠位端が、摺動可能な接合を使用して相互に分離可能であり、それにより少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアーム上に支持される開創器ブレードを分離する。
【0005】
その変形において、各第1のアームは、第1の長手方向軸へ横断する軸に沿って摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、各第2のアームは、第2の長手方向軸に沿って摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、2つの第1のアーム及び1つの第2のアームが存在し、2つの第1のアーム及び1つの第2のアームはカニューレに形成可能であり、1つ以上の開創器ブレードが骨である組織を開創するように構成される先細端を有し、少なくとも1つの開創器ブレードは、少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームのうちの少なくとも1つに枢動可能に取り付けられ、少なくとも1つの開創器ブレードを枢動することが組織を開創し、少なくとも1つの第1のアームを少なくとも1つの第2のアームから分離することが組織を開創し、かつ/または、少なくとも1つの開創器ブレードは、ねじ状シャフトを回転させることによって枢動される。
【0006】
そのさらなる変形において、開創器は、少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームのうちの少なくとも1つに枢動可能に取り付けられる少なくとも1つのブレードホルダをさらに含み、ブレードは、少なくとも1つのブレードホルダの各々に蟻継ぎ接合を使用して接合され、かつ/または、光源は、少なくとも1つの開創器ブレードに装着可能である。
【0007】
さらにそのさらなる実施形態において、治療手技は、延伸アームを含む支持表面を有する外科用設備内で実施され、開創器は、中心部に移動可能に接合され、かつ延伸アームに解放可能に接合するように構成されるマウントをさらに含み、かつ/または、該マウントは、枢軸によって中心部に移動可能に接合される。
【0008】
他のその変形において、第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つと中心部との間の摺動可能な接合は、ラック及び嵌合ラチェットパウルを含み、該ラック及びパウルが、少なくとも1つの第1及び第2のアームと中心部との相対移動を制御するように構成され、開創器は、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの一方、ならびに中心部に回転可能に固定されるピニオンを含み、該ラックが、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの他方と連結され、該ピニオンが、少なくとも1つの第1及び第2のアームと中心部との相対位置を変更するために回転可能であり、かつ/または、開創器は、手動で係合可能な鍵及びピニオンに接合される工具係合のうちの少なくとも1つをさらに含み、該鍵もしくは該工具係合が、ピニオンを回転させるように回転可能である。
【0009】
他のその実施形態において、開創器は、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つに装着されるブロックを含み、かつ開口及び延伸フランジを画定するブレードホルダと、開口に挿入可能であるようにサイズ及び寸法が合わせられた延伸部を有するブレード保持器と、ブロックと接合したブレード保持器を保持するために、ブレード保持器と延伸フランジとの間に接合可能なねじ式の止めねじとをさらに含み、かつ/または、開創器は、少なくとも1つの第1及び第2のアームのうちの少なくとも1つに装着されるブロックを含み、開口及び延伸フランジを画定するブレードホルダと、開口に挿入可能であるようにサイズ及び寸法が合わせられた延伸部を有する開創器ブレードと、ブロックと接合した開創器ブレードを保持するために、開創器ブレードと延伸フランジとの間に接合可能なねじ式の止めねじとをさらに含む。
【0010】
本開示の別の実施形態において、治療手技において身体組織を開創するための外科用開創器は、近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第1のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第1のアーム長手方向軸であって、該近位端が第1の開口を有する第1のブロックを画定し、該第1の開口が第1のアーム長手方向軸へ横断する第1の開口長手方向軸を画定し、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成される、少なくとも1つの第1のアーム、ならびに第1のアーム長手方向軸と、少なくとも1つの第1のアームの少なくとも1つの第1のブロックを通って延伸し、かつそれを摺動可能に支持する横断延伸部と、近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第2のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第2のアーム長手方向軸であって、該近位端が第2の延伸部を画定し、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成される、少なくとも1つの第2のアーム、ならびに第2のアーム長手方向軸と、横断延伸部に接合され、かつ少なくとも1つの第2の延伸部を摺動可能に支持するようにサイズ及び寸法が合わせられた第2の開口を有する第2のブロックと、を備え、第2の開口は、第1の開口長手方向軸に対して非平行である第2の開口長手方向軸を画定し、各第2のアームは、第2の長手方向軸に沿って第2のブロックと接合して平行移動可能であり、各第1のアームは、第1の開口長手方向軸に沿って横断延伸部と接合して平行移動可能であり、少なくとも1つの第1のアームは、少なくとも1つの第2のアームの平行移動とは独立して、平行移動可能であり、かつ少なくとも1つの第2のアームは、少なくとも1つの第1のアームの平行移動とは独立して、平行移動可能である。
【0011】
さらに本開示のさらなる実施形態において、治療手技において身体組織を開創するための外科用開創器は、近位及び遠位端を画定する少なくとも1つの第1のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第1のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、該近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つの形成する、少なくとも1つの第1のアーム、ならびに第1のアーム長手方向軸と、近位端及び遠位端を画定する少なくとも1つの第2のアーム、ならびにそれらの間に延伸する第2のアーム長手方向軸であって、該遠位端が開創器ブレードを支持するように構成され、近位端が延伸部または開口を有するブロックのうちの1つを形成する、少なくとも1つの第2のアーム、ならびに第2のアーム長手方向軸と、中心部と、を備え、該中心部が、(a)少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアームと各々摺動可能な接合を形成するように構成され、(b)少なくとも1つの第1のアームの近位端が延伸部を形成するとき、少なくとも1つの第1のアームとの摺動可能な接合が開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第1のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するとき、摺動可能な接合が延伸部として形成され、(c)少なくとも1つの第2のアームの近位端が延伸部を形成するとき、少なくとも1つの第2のアームとの摺動可能な接合が開口を有するブロックとして形成され、少なくとも1つの第2のアームの近位端が開口を有するブロックを形成するとき、摺動可能な接合が延伸部として形成され、(d)各第1のアームが、第1の長手方向軸へ横断する軸に沿って摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、少なくとも1つの第1のアームが、少なくとも1つの第2のアームの平行移動とは独立して、平行移動可能であり、(e)各第2のアームが、第2の長手方向軸に沿って摺動可能な接合を使用して平行移動可能であり、少なくとも1つの第2のアームが、少なくとも1つの第1のアームの平行移動とは独立して、平行移動可能であり、かつ(f)少なくとも1つの第1のアームの遠位端及び少なくとも1つの第2のアームの遠位端が、摺動可能な接合を使用して相互に分離可能であり、それにより少なくとも1つの第1のアーム及び少なくとも1つの第2のアーム上に支持される開創器ブレードを分離する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のより完全な理解、及びこれらの付随の利点及び特徴は、添付の図面と組み合わせて考慮するとき、以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【0013】
図1】本開示の外科用開創器ブレードホルダを描写するものであり、ブレードは、カニューレに準じた構成で保持される。
図2図1の開創器を描写するものであり、ブレードは、治療手技において身体の組織を開創するように動作的な様式で相対的に分離される。
図3】本開示の開創器を描写するものであり、開創器のブレードを分離するための手動で操作可能な調節機構を含み、ブレードは閉鎖構成にある。
図4図3の開創器を描写するものであり、ブレードは開放構成にある。
図5】本開示の代替的な開創器を描写するものであり、工具で操作可能な調節機構を含み、ブレードは閉鎖構成にある。
図6図5の開創器を描写するものであり、ブレードは開放構成にある。
図7】本開示の代替的な開創器を描写するものであり、連結式ブレード保持アーム、及び本開示の複数のフレームマウントを含む。
図8図7の開創器の上面図を描写する。
図9図7の開創器の上面図を描写するものであり、ブレードは開放位置にある。
図10】本開示の開創器の代替的な実施形態を描写するものであり、サムホイール操作式のラックアンドピニオン調節機構を例証する。
図11】本開示のブレード取り付け構成を描写する。
図12】本開示の開創器に接合される、図11のブレード取り付け構成を描写するものであり、開創器は本開示の代替的なフレームマウントと共に構成される。
図13】本開示のブレードホルダによって保持される光源を描写する。
図14】本開示の代替的なブレードタイプ及び代替的なブレード取り付け構成を描写する。
図15】本開示の代替的なブレードピッチ機構を描写する。
図16】本開示に従う連結式ブレード保持アームを描写する。
図17】開放構成にある、図1〜2の開創器の操作構成の図である。
図18】閉鎖構成にある、図17の開創器を描写する。
図19】開放構成にある、本開示の代替的な開創器の図である。
図20】閉鎖構成にある、図19の開創器を描写する。
図21】開放構成にある、本開示の別の代替的な開創器の図である。
図22】閉鎖構成にある、図21の開創器を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
必要に応じて、詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示された実施形態が、単なる例示であること、及び以下に記載されるシステム及び方法が、様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲のための根拠として、ならびに本発明の主題を実質的にいかなる適切に詳説された構造及び機能においても様々に使用することを当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される用語及びフレーズは、限定的であることを意図するものではなく、むしろ概念の理解可能な説明を提供するものである。
【0015】
本明細書で使用される「a」または「an」という用語は、1つまたは2つ以上として定義される。本明細書で使用される複数という用語は、2つまたは3つ以上として定義される。本明細書で使用される別のという用語は、少なくとも2つ目またはそれ以上として定義される。本明細書で使用される「含むこと(including)」及び「有すること(having)」という用語は、備えること(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)として定義される。本明細書で使用される「連結される(coupled)」という用語は、「接合される(connected)」として定義されるが、必ずしも直接的、及び必ずしも機械的にではない。
【0016】
図1〜2は、本開示の一実施形態に従って、外科手技において患者の身体組織を開創するために使用することができる開創器システム10を例証する。開創器システム10は、複数の開創器ブレード300、ならびにこの実施形態では、第1のブレード312、第2のブレード314、及び第3のブレード316を含む。ブレード300は、開創器フレーム100に各々連結され、開創器フレーム100は、第1、第2、及び第3のアーム120、140、及び160を含み、各々がブレード300を保持及び配置するためのブレードホルダ200を有する。この実施形態の一使用において、アーム120及び140は頭方/尾方ブレードであり、ブレード160は後部ブレードであるが、他の配向及び使用が企図される。ある実施形態において、各ブレードは、別のブレードを割り出しする必要なしに自由に平行移動または割り出しされ得る。示される実施形態において、アーム120及び140は横方向に位置し、アーム160は中央に位置するが、他の相対的配置が本開示内では企図される。
【0017】
開創器10は、開創器10と患者との相対位置を制御することができるように、所望の位置に調節され、次いで手術台または手術室内の他の物体に解放可能に固定されるように構成される。開創器10のうちの1つ以上の固定は、例えば、手術室(OR)テーブルクランプ、開創器テーブルアーム、アームクランプ、及びフレームクランプのうちの1つ以上を使用して達成することができる。
【0018】
アーム120、140、及び160は、互いに対して移動可能であるように各々直線的に平行移動可能である。より具体的には、アーム120及び140は各々、延伸部154を嵌合可能に受容し、かつ延伸部154上で直線的に摺動可能であるようにサイズが合わせられたスロット152を有する基部150を含む。ある実施形態において、アーム120及び140は、互いの鏡像であるが、これは、本開示のすべての態様を実行するために必要であるわけではない。図1及び2に例証される実施形態において、延伸部154は、平坦なプロファイルを有し、それによりアーム120、140が互いに対して、及び以下に記載されるようにアーム160に対して、意図しない回転をすることを防止する。他の機構的形態は、同様の目的を可能にするために、例えば、鍵付きのシリンダなどが、延伸部154に提供され得る。本開示の代替的な実施形態において、アーム120、140、及び160のいずれかは、延伸部154または170(以下に記載される)が、鍵のかかっていない状態、例えば、円柱状である場合、アーム120、140、及び160の他のものに対して回転され得る。
【0019】
ねじ状止めねじ(図示せず)、ラチェット(本明細書内の他の実施形態に示される)、または他の機構は、アーム120、140、160を所望の直線的に平行移動した位置に保持するために提供され得る。この実施形態には示されないラックアンドピニオン構成が提供され、かつラックを提供する延伸部154の間に形成され得、ピニオンは、回転可能であるが、アーム120/140内に変位可能に収容され、かつラックと係合される。係止機構、例えば、止めねじまたはラチェット機構は、延伸部154、170を所望の変位で装着するために提供され得る。
【0020】
この実施形態において、アーム160は、ブロック174内のスロット172内で平行移動するアーム延伸部170を含み、ブロック174は、例えば、ねじを用いて、または溶接、粘着剤、もしくは任意の他の既知の手段によって延伸部154に接合される。このように、延伸部154の配向は、スロット172に対して所望または既定の配向を維持する。したがって、アーム120、140が延伸部154、または相互接合される延伸部区分154上で平行移動されるとき、及びアーム160がブロック174内で平行移動されるとき、アーム120、140、及び160の相対進路は維持される。さらに、各アーム120、140、160は独立して、他のアームに対して平行移動可能である。このように、医師は、治療の目的に最も適した様式で組織を開創することができる。アーム延伸部170は、アーム160の保持器10の残部からの望まない分離を防止するために、延伸部止め178を備え得る。
【0021】
図1〜2に見られるように、アーム120、140は、アーム120、140が接近したときに、ブロック174の下に適合するようにサイズ及び寸法が合わせられる。このように、開創器10の全体の寸法は最小化され、それにより開創器10によってもたらされる物理的障害を低減し、手術部位内の視覚化を最大限にする。アーム160は、延伸部154上のアーム120、160に関して記載される任意の平行移動された位置に調節及び装着され得るが、ラックが延伸部170上に形成され、ピニオンがブロック174内に設けられることになる。
【0022】
この実施形態、ならびに本明細書内の他の実施形態において、アーム120、140は、スロットを形成するように構成され、かつ延伸部上を平行移動するが、それらは、アーム160について示されるように、ブロック内を平行移動する延伸部を含むように構成され得ることを理解されたい。同様に、アーム160は、アーム120、140について示されるように、延伸部上を摺動するブロックを形成し得る。本開示の一態様において、アーム120、140と、アーム160との相対構成は、最適なパッケージング及び低減された物理的プロファイルを提供するが、本明細書に記載されるブロック及び延伸部の様々な配列が提供され得、それは同様の様式で減少されたプロファイルを生成し得る。
【0023】
図1に見られるように、ブレード300は、互いに対して整列して、管320を形成する。ある実施形態において、管320は、先細端322を有し、かつカニューレとして機能することができる。開創器100が展開されると、管320が、ブレード300を、切り口に挿入すること、もしくは患者の体内で開放することによって形成され得るか、または他のカニューレと協働して位置付けられ得、身体組織に対する障害を最小限に抑えて、管320の通過を許容するのに十分に、体内の開口部のサイズを次第に増大させる。身体組織が弛緩すると、または所望されるとき、ブレード300は、アーム120及び140を相対的に離して移動させることによって、分離されるか、または離れて移動され得る。アーム120、140の移動の相対程度は、均一である必要はなく、その時々において、医師が、各ブレード312、314に対して身体組織の異なる部分上に加えられる力のタイミング及び程度を制御することを可能にする。同様に、アーム160と接合したブレード316は、アーム120、140のいずれかの移動前、移動中、または移動後に移動されて、ブレード312、314により近く、またはそれからより遠くなり得る。
【0024】
ブレード312、314、及び316が相対的に離して移動されると、ブレード312、314、及び316の外表面によって画定される周囲の長さが増大し、身体組織を離して移動させ、体内の領域へのアクセスを増大させる。すべての他のアームとは独立して移動するように各々構成される、アーム120、140、または160と同様の構成において、より多い数またはより少ない数のアーム120、140、及び160が、開創器10上に提供され得る。
【0025】
図2に見られるように、ブレード312、314、及び316は、枢動されて、それらのそれぞれのアーム120、140、160に対して角度付けまたは傾斜付けされ得る。このように、開創器10の全体プロファイルを増大する必要性、またはアーム120、140、160をこれよりさらに離して移動させる必要性なしに、ブレード300の遠位端330はさらに分離され得、ブレードの外表面によって画定される周囲の長さは拡大され得る。
【0026】
図1は、本開示の一実施形態に従う、「閉鎖」または非開創の構成にある開創器10を描写する。閉鎖構成において、ブレード312、314、及び316は、中心ボア324の周りに軸方向に設けられて、実質的に閉鎖管状構造体320を形成する。図2は、「開放」または開創の構成にある開創器システム10を描写し、ここでブレード312、314、316は、ブレード300の近位端332、及びアーム120、140、または160に接合される枢軸210の周りを枢動されることによって、傾斜付けされている。開放構成では、ブレード300はもはや、実質的に閉じている管状構造体を形成しない。
【0027】
ブレード300は各々独立して、傾斜付けまたは平行移動され得、及び独立して、他のブレードに対して傾斜付けまたは平行移動され得る。示される実施形態において、停止要素212であるフランジは、ブレードホルダ200から延伸し、かつブレードホルダ200及び連結されたブレード300の枢動運動の所望の極限範囲でアーム120、140、または160に接触する。ねじ(図示せず)は、ねじ状であり得る開口214内に提供され得、該ねじは、アーム120、140、または160に負荷をかけるように構成されて、ブレードホルダ200の枢動を引き起こすか、枢動運動の最大範囲を変更するよう動作する停止要素として機能する。代替的な実施形態は、本明細書内の他の場所に、図5〜6ならびに15に関して記載される。
【0028】
ブレードホルダ200は、ブレードホルダ200の反対側の端部の間に延伸するブレード係合プロファイル240を備える。ブレード300は、ブレード係合プロファイル240と嵌合可能なブレードホルダプロファイル340を備え、それによりプロファイル240、340が嵌合されるとき、ブレード300は、患者に対するブレード300の貫通が調節可能であるように、ブレードホルダ200上に保持され、かつブレードホルダプロファイル340の長さに沿って摺動可能であり得る。さらに、ブレード300は、異なる形状、サイズ、または組織係合プロファイルを有するブレードと交換することができる。一実施形態において、ブレードホルダプロファイル340及びブレード係合プロファイル240は、蟻継ぎ接合を形成する。
【0029】
加えて、ブレード300は、開創器10が患者に対してある位置に固定された後に挿入され得、それにより開創器10または患者を移動させる必要なしに、ブレードは、患者から上方かつ離して摺動され、交換され得る。この実施形態において、ブレードホルダプロファイルは、ブレード300の遠位端330に延伸するか、ブレードホルダプロファイルは、ブレード300の長さの1つ以上の部分に沿って嵌合係合をもはや提供しないように構成される。
【0030】
ブレード300は、ブレードホルダプロファイル340とブレード係合プロファイル240との間の摩擦適合によって、またはブレードホルダ200に接合され、かつブレード300もしくはブレードホルダプロファイル340と接合可能な止めねじもしくは他の留め金具(示されない)によって、ブレードホルダプロファイル340の長さに沿って所望の変位で装着される。
【0031】
ブレード300は、ブレード300を身体組織に対するある位置、例えば脊椎内に固定し、そこを通って延伸されるために使用され得るドッキングピン(図示せず)を受容するようにサイズ及び寸法が合わせられた1つ以上のドッキングピンスロット350を備え得る。開創器10上に係合されるすべてのブレードは、相互に接合されるため、このようにして挿入された各ドッキングピンは、開創器10の全体の安定に寄与する。
【0032】
ある実施形態において、開創器10は、患者の脊柱への前方アプローチのために構成される。図1〜2に示されるこの実施形態において、アーム120、140は、尾方配向のブレードを支持し、アーム160は、頭方配向のブレードを支持する。ブレード300のピッチ運動の範囲は、0度(管320を形成)から20度を含み得るが、例えば30、40、または50度以上の角形成の範囲など、より大きい角形成が提供され得る。
【0033】
撮像、例えば、エックス線撮像が行われる外科手技では、開創器10の少なくともブレード300が少なくとも部分的に放射線透過性であれば、撮像された領域の可視化を促進するのに有利である。したがって、ブレード300は、アルミニウム、炭素繊維、もしくはポリマー材料、または既知もしくは今後開発される、任意の他の十分に丈夫で放射線透過性の材料、あるいは材料の組み合わせを使用して製造され得る。
【0034】
図3〜6を参照して、本開示の代替的なフレーム実施形態100Aにおいて、開創器10Aは、図1〜2の実施形態のものと同様の要素を含み、かつ同様の参照番号を有する。図3〜4において、アーム120A、140A、及び160Aは、図1〜2のアーム120、140、及び160と同様の様式でブレード300を支持するが、アーム120A、140Aは、延伸部154A上を平行移動する正方形または長方形の溝を形成する。同様に、アーム160Aは、ブロック174Aを形成する長方形の溝内を平行移動する。鍵180、182、及び184は、開創器10Aが展開される間に医師によって回転され、それによりアーム120A、140A、または160Aが平行移動するように位置付けられる。図5〜6及び11をさらに参照して、鍵180、182、及び184の各々は、鍵180、182の場合はアーム120A、140Aに、及び鍵184の場合はブロック174Aに回転可能に固定されるピニオン(図示せず)に接合される。歯付ラック186は、各延伸部154Aの側面上に形成され、同様の歯付ラック188は、アーム160の側面上に形成される。このように、鍵180、182、または184の回転が、それぞれアーム120A、140A、及び160Aの対応する平行移動の動きを引き起こす。図4では、鍵180及び182は、アーム120A、140Aを分離するために回転され、鍵184は、アーム160Aを開創するために回転されている。
【0035】
図5〜6では、フレーム実施形態100Bに見られるように、鍵180、182、及び184の代わりに、工具係合190、192、194が、ラック186、188と嵌合可能な回転可能に固定されたピニオンに接合される。工具係合190、192、及び194は、六角またはエイリアンヘッドドライバなどのドライビング工具によって係合可能である。したがって、ドライビング工具(図示せず)が、医師の手によって、または電子もしくはコンピュータ制御されたアクチュエータによって回転されて、アーム120B、140B、または160Bの位置を調節し、それにより、例えば、ブレード312、314、または316を含む1つ以上のブレード300の位置を変更し得る。図3〜6に示されるように、鍵180構成、または工具係合190構成のいずれかが図1〜2の実施形態において提供され得ることを理解されたい。
【0036】
図5〜6をさらに参照して、ブレードピッチ工具係合230、232、234は、工具係合190、192、及び194に関して記載される工具を使用して回転可能に、及びそれによりブレードホルダ200に取設されたブレード300のピッチを変更するように操作可能に、提供される。
【0037】
より具体的には、一構成において、ブレードホルダ200は、枢軸210で枢動可能に取り付けられ、ブレードピッチ工具係合230、232、及び234は、それらのそれぞれのブレードホルダ200上に各々回転可能に保持される。ねじ状シャフト236は、回転を防止するために鍵が付けられるが、ブレードピッチ工具係合230、232、234の回転によって軸方向に変位可能である。結果として、シャフト236が、アーム120B、140B、160Bに対して負荷をかけて、枢軸210の周りのブレードホルダ200の回転を引き起こし、それによりブレード300の角度を変更するようにさせ得る。別の実施形態において、ブレードピッチ工具係合230、232、234は、シャフト236に装着され、シャフト236は、ブレードホルダ200内にねじ込み式に受容される。したがって、ブレードピッチ工具係合230、232、234が回転されると、シャフト236は、そのそれぞれのアーム120B、140B、160Bに対して負荷をかける。この実施形態の変形において、シャフト236は、アーム120B、140B、160B内にねじ込み式に受容される。ねじ状ブレードホルダ200など、他の変形が提供され得る。先述の実施形態のいずれかにおいて、ブレードホルダ200の位置が枢軸210の周りの回転の各方向に明確に制御されない場合、付勢要素(図示せず)が提供されて、閉鎖または傾斜付けされた位置にブレードホルダ200を付勢し得る。一実施形態においては、ブレードホルダ200が枢軸210の周りの各方向に明確に制御され得ることに留意されたい。すべての実施形態に示されるわけではないが、図3〜6について記載される先述のブレードホルダピッチ機構は、本明細書内の他の実施形態に提供され得ることが理解される。
【0038】
図15は、ブレードピッチを制御するための、フレーム100Jなどの、代替的な実施形態を例証する。より具体的には、ブレードホルダ200の角形成またはピッチの変更は、取設されたねじ状シャフト302を有するブレードピッチ工具係合230を、ピン306でブレードホルダに枢動可能に接合された対応するねじ状受容部304内で回転することによって達成される。
【0039】
ブレードピッチ工具係合230、232、または234は、工具、例えば、エイリアンもしくは六角レンチを用いて係合され得るか、またはきざみ付きナットもしくは手動で係合可能な鍵を備え得る。この構成では、ブレード300は、理論上無限大の角度の範囲で傾斜付けされ得る。ブレード300が別個の停止点で傾斜付けされ得る他の実施形態が提供され得る。このように係合される工具は、開創器10のすべてもしくは部分を操作するためにも使用され得るか、または別個の工具係合が開創器10上に提供されて、本明細書に記載される開創器10の他の構成要素の操作を可能にし得る。
【0040】
図5〜6をさらに参照して、ラチェットパウル250は、パウル枢軸252の周りを枢動可能に提供され得、パウル250は、アーム120B、140B、及び160Bを含む、歯付ラックを有する任意またはすべてのアクチュエータ、ならびにラックが形成される本明細書内のすべての他の実施形態に提供される。パウル歯254は、ラック186、188が一方向に通過することを可能するが、反対方向に通過することを可能にしないように構成される傾斜表面を有する。示される実施形態において、パウル250は、アーム120B、140B、及び160Bが互いに対して離れて移動することを可能にする。これは、治療手技中に組織を開創されたままに維持するために動作する。手技が完了したとき、または別途開創器10を取り外すことが所望されるとき、パウル250は、パウル歯254をラック186、188から切り離すために、枢軸252の周りを回転され得、その際、鍵180、182、及び184、または工具係合190、192、もしくは194が、その連結したアームの位置を変更するために回転され得る。
【0041】
代替的な実施形態において、パウル250は、パウル歯254で傾斜表面を含まず、したがって、パウルは、ラック186または188との接触によって開創されて、連結したアームの移動を可能にしなければならない。
【0042】
図5〜6は、開創器10のフレーム100(または、フレーム100A、100B、及び本明細書内の他のフレーム実施形態)がテーブルまたは単一の取り付け点を有する支持構造体に取り付けられることを可能にするフレームマウント142をさらに例証する。支持継手450は、ねじ込み式または別の方法で継手450の端内に固定可能なロッド(図示せず)を用いて支持構造体に装着される。継手450は、端部から延伸するねじ状ロッド148及びナット148Aを含む。継手450は、フレームマウント142のチャンバ144内に挿入され、取設されたねじ状ロッドはノッチ146内に通される。ナット148Aが締められて、継手450をフレームマウント142に固定し、それにより開創器10を支持構造体に固定する。例証されるフレームマウント142は、2つのノッチ146を含み、それにより支持継手がフレームマウント142のどちらかの側に、または両側に接合されることを可能にする。図7〜9に例証されるように、2つ以上のフレームマウント142が提供されて、開創器10に複数または代替的な取り付け点を提供し得る。図7〜9では、アーム延伸部160Dが同様の取設機構を使用してアーム160Cに接合されるように見え得る。
【0043】
図5〜6をさらに参照して、カムラッチ220は、ブレードホルダ200上に回転可能に保持され、かつブレード300内のスロット(図示せず)に係合するように配向される。このように、ブレード300は、ブレードホルダ200上に解放可能に保持され、かつブレードホルダプロファイル340内で摺動することが防止される。代替的に、カムラッチ220は、ブレード300上に形成される突起(図示せず)に重なることができる。
【0044】
図7〜9の実施形態は、図1〜2ならびに3〜6の実施形態に類似しているが、アーム120C、140Cは、アーム延伸部120D、140D、ならびにアーム継手430及び432を含む。一実施形態において、継手ブレードピッチ工具係合430、432の回転は、ブレードピッチ工具係合230、232に関して記載されるのと同様の様式でブレード312、314のピッチを変更するように構成される。しかしながら、対応するピッチ作動構成要素をブレード300に対して近位に配置することによって、標的治療部位上に押し付けられる構造体は少なくなり、標的領域内の可視化及び操作を向上する。ブレードホルダ200Dは、特に関節接合がブレード300取設部の近くで支持される必要がないとき、小型であるように構成される。
【0045】
代替的な実施形態において、係合430、432は、アーム120Cまたは140C内に形成されるラック上で回転するピニオンに連結される。したがって、係合430、432の回転は、アーム延伸部120D、140Dを延伸または開創する。代替的に、係合430、432は、一実施形態においては回転されたとき、及び別の実施形態においては緩められかつ操作されたとき、アーム延伸部120D、140Dの関節接合を可能にする。関節接合は、係合430、432によってそれぞれ画定される、アーム延伸部120D、140Dの枢軸の周りの枢動によって実行され得る。さらにさらなる実施形態において、継手430、432は、アーム延伸部120D、140Dの迅速な交換を可能にする。さらにさらなる実施形態において、係合430、432は、細長スロット328内に位置するねじ状シャフト(図示せず)に接合される。このように、アーム延伸部120D、140Dは、アーム120C、140Cに対して横方向に変位され得る。この実施形態の変形において、アーム延伸部120D、140Dは、細長スロット328内の横方向変位後に枢動され得る。アーム140D’及びアーム延伸部140H内に設けられる細長スロット328を有する実施形態フレーム100Hは、図16に示される。
【0046】
図10を参照して、本開示の開創器10の実施形態は、本明細書の他の場所に記載される様々な要素を組み合わせたフレーム100Eを含み、示されるように、アーム120E、140Eの相対オフセットを変更するためのサムホイール260をさらに含む。ある実施形態において、サムホイール260に回転可能に接合されるピニオン(図示せず)は、ラック186に係合して、延伸部154Eに対するアーム120Eまたは140Eの移動を引き起こす。
【0047】
図10でさらに見られるように、追加の移動可能延伸部170Aは、この例では鍵184Aで制御可能な、ラック188A及びピニオン(図示せず)を備える。取り付けブロック288は、ブロック174に接合され、そうすることで延伸部170Aは、延伸部170及びアーム188とは独立して移動され得る。ある実施形態において、延伸部170Aは、支持構造体、鍵184Aの回転で移動可能なフレーム100Eに接合される。
【0048】
図11〜12を参照して、小型ブレードホルダ200Fは、開創器10の残部から延伸し、かつ任意の既知の方法を使用してそれに装着可能な取り付けブロック270を含む。ブロック270は、取り付けホルダ延伸部272を受容するようにサイズが合わせられたチャンバ274を含む。止めねじ276は、ホルダ延伸部272内にねじ込み式に保持され、及び延伸部272がチャンバ274内に挿入され、かつ止めねじ276が絞められたときに、ブロックフランジ278に対して重みをかける。代替的に、止めねじ276は、ブロックフランジ278内にねじ込みされ得る。このように、取り付けホルダ延伸部272は、ブロック270内に解放可能に固定可能であり、かつそれにより保持器10に取設可能である。ブレード係合プロファイル240は、ホルダ延伸部272から延伸し、かつ図1〜2に関して記載されるようにブレード300に接合可能である。代替的な実施形態において、ブレード300は、ホルダ延伸部272を形成し、故に、上記のようにブロック270に直接取設可能である。
【0049】
ここで図12を参照して、フレームマウント142Aは、ねじ状ねじ282(図示せず)が通され得る中心ボア280を含み、フレーム100にねじ込み式に係合する。このように、フレームマウント142Aは、ボア280によって画定される軸の周りを所望の向きに回転され得る。この実施形態において、鍵284は、ねじ282に接合され得、かつねじ282を締め、それによりフレーム100に対するフレームマウント142Aの位置を固定するために回転され得る。
【0050】
図12の実施形態において、ねじ282は、蟻継ぎ接合292を用いてフレーム100G内に保持される摺動可能なブロックにねじ込み式に係合し、かつそれによりフレーム100内に長手方向に配置可能である。アーム160Gの延伸部170Gは、摺動可能なブロック290内に摺動可能に保持され、かつラックアンドピニオン構成など、本明細書の別の場所に開示される方法のいずれかを使用してブロック290内で調節され得る。示される実施形態において、ピンチボルト294は、延伸部170Gを締める、または緩めるために回転され得る。
【0051】
ここで図13を参照して、光源500は、ブレード300、またはブレードホルダ200に装着され得る。光源500は、ブレードホルダ200のブレード係合プロファイル240と嵌合可能なブレードホルダプロファイル340を備え得る。代替的に、光源500は、例えば、磁気、面ファスナー、ねじ式ファスナー、弾性取設手段、または粘着剤など、任意の既知の手段を使用してブレードホルダ200またはブレード300に装着され得る。光源500から発光される光の焦点の標的は、ブレードホルダ200のピッチを変更することによって、または連結したアーム120、140、160を平行移動することによって、必要に応じて調節され得る。
【0052】
図14を参照して、様々なブレード形状300が、本開示の開創器10と一緒に採用され得る。加えて、ブレード300は、図1〜2に例証されるように、ブレードホルダプロファイルを備え得るが、ブレード300は、代替的に、ブレード300の保持を確実にし、かつ回転を防止するために、ブレードホルダ200上に提供される対応する受容部と嵌合可能であり得るスプラインシャフト370と共に構成され得る。このように、多種多様なブレード300の型及びブレード取設機構が、本開示の様々な実施形態と一緒に採用され得る。図14では、ブレード300Aは、体の骨、例えば、脊椎に係合するように構成される。含むブレード300Aは、取り付けブロック200が標的手術領域から離れて配置されることを可能にするために、372で角度付けされ、かつ骨に確実に係合及び保持する先細端322Aをさらに備える。したがって、ブレード300Aは、この実施形態では管320を形成しない。ブレード300/300Aは、様々な長さ、幅で提供され得、ならびに管320が形成される場合は、様々な長さ及び直径の管で提供され得ることも見られ得る。ブレード300/300Aは、例えば、幅8mm〜18mm、及び長さ110mm〜200mmなど、様々サイズで提供され得るが、実質的により狭い、広い、短い、または長いブレードが提供され得る。2つのブレードタイプが本明細書内に例証されるが、多種多様なブレードタイプ、型、サイズ、及び長さが、本開示に従って使用され得る。
【0053】
図17〜22は、本開示を実行するための3つの実施形態の可能性を概略的に例証し、ここで濃い外枠は、延伸部が摺動可能であるブロックを表す。図17〜18では、図1〜2の実施形態が描写され、ここでブロック174は、延伸部154に装着され、それにより固定された中心部を形成する。残りの構成要素、アーム120、140、及び160は、中心部上または中心部内で互いとは独立して摺動可能である。図19〜20では、延伸部154’及び154”は、アーム120’及び140’から延伸する。延伸部154’、154”、及び160は、ブロック174内で異なる高さオフセットで摺動し、このブロック174は単独で中心部を形成し、この中心部内で移動可能なアームが摺動する。図21〜22では、アーム120及び140は、図17〜18のように、ブロックを形成し、及びアーム160は、延伸部154に装着される延伸部160’上を摺動可能なブロック174’として形成され、延伸部160’及び154が中心部を形成し、その上を移動可能なアームが摺動する。患者の治療必要性の利益になる場合、単一のアーム120または140のみが提供され得ること、または複数のアーム120もしくは140、または複数のアーム160が提供され得ることを理解されたい。
【0054】
フレーム100及びその構成の構成要素(変異形100A〜100Hを含む)は、十分な強度、耐性、生体適合性を有する金属、ポリマー、炭素繊維もしくは他の合成物、天然材料、または任意の他の材料のうちの任意の1つ以上または組み合わせから製造され得る。選択される材料は、要望に応じて、放射線透過性または放射線不透過性であり得る。
【0055】
本開示に従って、本開示のフレーム100の単一の取り付け場所は、後部ブレード(例えば、316)が頭方尾方ブレード(例えば、312、314)を移動させずに割り出しされることを可能にし、ならびに頭方尾方ブレードが後部ブレードを移動させずに割り出しされることを可能にする。
【0056】
本明細書に引用されるすべての参照は、それらの全体が、参照により本明細書に明らかに組み込まれる。本発明は、上記本明細書内に具体的に示され、記載されているものに限定されないことが、当業者により理解されるものとする。加えて、上記で別の記述がない限り、添付の図面のすべては、縮尺通りでないことに留意されたい。本発明に対する多くの異なる機能が存在し、これらの機能は、一緒または別個に使用され得ることが企図される。したがって、本発明は、機能の任意の特定の組み合わせ、または本発明の特定の用途に限定されるものではない。さらに、本発明の趣旨及び範囲内の変形及び修正が生じ得ることが、本発明が関連する当業者には理解されたい。したがって、本発明の範囲及び趣旨内にある、本明細書内に明記される開示から当業者により容易に達成可能なすべての便宜的な修正は、本発明のさらなる実施形態として含まれるものとする。
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