(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係るコンテンツ提供装置、コンテンツ提供方法およびコンテンツ提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係るコンテンツ提供装置、コンテンツ提供方法およびコンテンツ提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.コンテンツ提供処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係るコンテンツ提供処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係るコンテンツ提供処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、各ストアが扱う商品の広告に関する指標の実績値を記憶していることとする。
【0011】
広告に関する指標とは、ECサイトにおいて、例えば商品を検索したり、商品を購入したりするユーザの行動に関する指標である。
図1に示す例では、広告に関する指標として、「imps」、「CTR」、「PV」、「UU」、「CVR」、「売上(万円)」、「ROAS」、「広告実績」等といったものがある。これら指標の詳細については、
図5で後述する。
【0012】
実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、広告に関する指標の実績値に基づいて商品の販売に関する売上指標を予測し、予測した売上指標に基づいて商品の広告に関するコンテンツを提供する。
【0013】
なお、ここでいう売上指標とは、ストアが扱う商品の販売に関する指標であり、例えば、商品の販売目標数、販売目標数の達成時期(以下、販売達成時期とする)、販売目標数および販売達成時期に応じて必要となる広告予算等を含む。
【0014】
ここで、従来のコンテンツ提供装置について説明する。従来のコンテンツ提供装置は、例えば、商品の販売目標数とかかる商品の現在の販売数とに基づいて商品の販売価格を変更するものであった。
【0015】
しかしながら、従来のコンテンツ提供装置は、例えば、商品の販売価格を変更した後に、商品の販売目標数を達成できるか否かを予測できるものではない。このため、例えば出品者が目標販売数を達成するために広告を出稿しようとする場合、過剰な広告出稿、あるいは、不十分な広告出稿をしてしまうおそれがある。つまり、従来は、出品者に対して適切な広告コンテンツを提供する点で改善の余地があった。
【0016】
そこで、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、商品の売上を予測し、予測した売上に基づいて商品を扱うストアに対して適切な広告コンテンツを提供可能とした。
【0017】
具体的には、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、まず、ストアAの管理者M1から販売元端末10を介して商品の登録を受け付ける(ステップS11)。
図1に示す例では、ストアAの管理者M1は、「設定商品名」、「設定商品単価」、「販売達成時期」、「販売目標数」をコンテンツ提供装置1へ登録する。
【0018】
例えば、
図1では、ストアAの管理者M1が、商品名「天然水2L(6本セット)」を商品単価900円でコンテンツ提供装置1に登録することを示している。また、ストアAの管理者M1は、商品名「天然水2L(6本セット)」を販売達成時期である2017年4月1日までに2000個を販売達成したいことをコンテンツ提供装置1に登録する。
【0019】
なお、登録する商品は、既にコンテンツ提供装置1に登録された商品であってもよく、あるいは、新規の商品、つまり、コンテンツ提供装置1に登録されていない商品であってもよい。既にコンテンツ提供装置1に登録された商品の場合、コンテンツ提供装置1は、「販売達成時期」、「販売目標数」の登録を受け付ける。
【0020】
つづいて、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、登録された商品を扱うストアを分類する(ステップS12)。例えば、コンテンツ提供装置1は、商品の広告に関する指標の実績値に基づいてかかる指標が類似する指標グループにストアを分類する。
【0021】
図1に示す例では、コンテンツ提供装置1は、ストアAが有する広告に関する指標の実績値と類似する指標グループにストアAを分類する。なお、コンテンツ提供装置1は、指標グループに分類する前に、予めストアが扱う商品の種別毎の種別グループに分類してもよい。
【0022】
例えば、コンテンツ提供装置1は、天然水を扱うストアAを飲料水の種別グループに分類する。種別グループの分類の詳細については、後述する。
【0023】
つづいて、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、分類した指標グループに属する他ストアが扱う他商品の実績値に基づいてストアが扱う商品の販売に関する売上指標を予測する(ステップS13)。
【0024】
図1に示す例では、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、商品名「天然水2L(6本セット)」の「販売達成時期」および「販売目標数」の登録を受け付けた場合に、広告予算30万円を売上指標として予測する。
【0025】
つづいて、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、予測した売上指標に基づいてストアAに対して商品の広告に関するコンテンツを提供する(ステップS14)。例えば、
図1に示すように、必要な広告予算を通知したり、かかる広告予算における広告タイプを通知したりする。
【0026】
例えば、
図1に示す例では、コンテンツ提供装置1は、商品名「天然水2L(6本セット)」の予測した売上指標である広告予算30万円を通知するとともに、広告予算30万円で推奨する広告タイプAを提供する。
【0027】
つまり、商品名「天然水2L(6本セット)」の広告予算をストアAの管理者M1自らが計算する必要がなく、広告予算に合わせた広告タイプも選ぶ必要がない。このように、実施形態に係るコンテンツ提供装置1によれば、他ストア等の過去の実績から商品の売上を予測して、適切な広告予算を提供することで、無駄な広告の出稿を防ぐことができる。したがって、出品者であるストアに対して適切な広告コンテンツを提供できる。
【0028】
なお、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、予測した売上指標等をストアに提供する際に、販売予測画面W1(
図8参照)等のユーザインターフェースを生成し、提供することができるが、かかる点については
図8を用いて後述する。
【0029】
〔2.コンテンツ提供システム〕
次に、
図2を用いて、上記のコンテンツ提供装置1を含むコンテンツ提供システムSについて説明する。
図2は、実施形態に係るコンテンツ提供システムSの構成を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係るコンテンツ提供システムSには、コンテンツ提供装置1と、複数台の販売元端末10−1,10−2と、複数台のユーザ端末100−1,100−2とが含まれる。
【0030】
これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、以下では、複数台の販売元端末10−1,10−2および複数台のユーザ端末100−1,100−2を、特に区別なく説明する場合、販売元端末10およびユーザ端末100と記載する。
【0031】
コンテンツ提供装置1は、商品に関する商品情報を消費者であるユーザに提供し、かかるユーザから商品の購入を受け付けるサーバ装置である。例えば、コンテンツ提供装置1は、所定のウェブサイト(ECサイト)を介して、商品情報の提供や、商品購入の受付等を行う。つまり、コンテンツ提供装置1は、ショッピングサーバに対応する装置である。
【0032】
また、コンテンツ提供装置1は、ストアが扱う商品の売上指標を予測し、予測した売上指標に基づいて商品の広告に関するコンテンツをストアに対して提供する装置である。
【0033】
販売元端末10は、販売元であるストアAの管理者M1によって利用される情報処理装置である。販売元端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。
【0034】
販売元端末10は、例えば、ストアAの管理者M1の指示に従って、商品に関する商品情報を送信することで、電子商取引サービスにおいて販売する商品を追加したり、商品の広告を入稿したりする。
【0035】
ユーザ端末100は、ユーザによって利用される端末装置である。ユーザ端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0036】
ユーザ端末100は、例えば、ユーザの指示に従って、コンテンツ提供装置1にアクセスすることで、コンテンツ提供装置1から受け付けた検索入力画面や、検索結果画面、商品の詳細画面等を表示する。また、ユーザ端末100は、商品の詳細画面で商品の購入を示す操作を受け付けた場合、コンテンツ提供装置1から商品の送付方法に関する画面や決済に関する画面を受け付けて表示する。
【0037】
〔3.コンテンツ提供装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係るコンテンツ提供装置1の構成について説明する。
図3は、実施形態に係るコンテンツ提供装置1の構成例を示す図である。
図3に示すように、コンテンツ提供装置1は、制御部2と、記憶部3と、通信部4とを有する。
【0038】
なお、コンテンツ提供装置1は、コンテンツ提供装置1の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0039】
(3−1.通信部4)
通信部4は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部4は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えばコンテンツ提供システムSに含まれる販売元端末10やユーザ端末100等の間で情報の送受信を行う。
【0040】
(3−2.記憶部3)
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、実施形態に係る記憶部3は、商品情報31と、ストア情報32と、広告情報33とを記憶する。
【0041】
(3−2−1.商品情報31)
実施形態に係る商品情報31は、商品に関する各種情報を含んだ情報である。
図4は、実施形態に係る商品情報31の一例を示す図である。
図4に示すように、商品情報31には、「ストア」、「商品ID」、「商品名」、「価格(円)」、「カテゴリ」、「売上(万円)」、「在庫数(個)」といった項目が含まれる。
【0042】
「ストア」は、対応する商品の販売元であるストアを示す。なお、「ストア」には、ストアID等の販売元であるストアを識別するための識別情報が含まれてもよい。「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。
【0043】
「商品名」は、商品の具体的な名称等を示す。「価格(円)」は、対応する商品の売値(円)を示す。「カテゴリ」は、商品の種別を示す。なお、
図4に示すカテゴリの「飲料」は、一例であり、より細分化されてもよい。例えば、カテゴリを「飲食→飲料→水」のように複数の階層に分類することとしてもよい。
【0044】
「売上(万円)」は、所定期間における商品の売上を示す。なお、「売上(万円)」は、全期間にわたる商品の売上であってもよく、一部の期間における商品の売上であってもよい。
【0045】
「在庫数(個)」は、コンテンツ提供装置1に登録されている現在の商品の在庫数を示す。なお、「在庫数(個)」は、コンテンツ提供装置1に登録された商品の在庫数であってもよく、ストアの実店舗に残っている実際の在庫数であってもよい。
【0046】
言い換えると、「在庫数(個)」は、コンテンツ提供装置1に登録された商品の在庫数である場合、ストアの実店舗に残っている実際の在庫数より少なくすることが好ましい。これは、例えば、商品がECサイトでのショップ以外に実店舗でも展示販売されている場合に、ECサイトと実店舗での、いわゆるダブルブッキングによる商品の欠品を防止するためである。
【0047】
例えば、
図4では、「ストアA」によって識別される出品者が、商品ID「GD1」によって識別される商品であって、商品名「天然水A」の商品を、販売価格「900円」で出品している例を示す。また、「ストアA」によって識別される出品者が、商品GD1に対してカテゴリ「飲料」を設定する。また、商品名「天然水A」は、過去の所定期間の売上が200万円であり、現時点での登録されている在庫数が3000個であることを示している。
【0048】
なお、
図4に示す商品情報31は、一例であり、例えば、商品画像や商品の詳細文等のコンテンツデータや、商品毎の広告に関する指標等を含んでもよい。
【0049】
(3−2−2.ストア情報32)
実施形態に係るストア情報32は、商品の広告に関する指標の実績値を含む情報である。
図5は、実施形態に係るストア情報32の一例を示す図である。
図5に示すように、ストア情報32には、「ストア」、「商品数」、「imps(インプレッション)」、「CTR(Click Through Rate)」、「PV(Page View)」、「UU(Unique User)」、「CVR(Conversion Rate)」、「売上(万円)」、「ROAS(Return On Advertising Spend)」、「広告実績」といった項目が含まれる。
【0050】
「ストア」は、対応する商品の販売元であるストアを示す。「商品数」は、ストアが扱っている商品の種類数を示す。「imps」は、インプレッションであり、ストアが扱う商品毎の検索結果画面への表示回数の総和を示す。「CTR」は、クリックスルー率であり、「imps」に対する検索結果画面での商品へのクリック数の割合を示す。「PV」は、商品の詳細画面が表示された回数の総和を示す。「UU」は、商品の詳細画面を訪問したユーザ数を示す。例えば、1人のユーザが同じ詳細画面を10回閲覧したとしても、「UU」は、「1」をカウントする。
【0051】
「CVR」は、コンバージョン率であり、「PV」または「UU」に対する商品の購入金額(あるいは購入数)の割合を示す。「売上(万円)」は、ストアが扱う商品の売上を示す。「ROAS」は、広告の費用対効果であり、「売上(万円)」を「広告実績」で除した値である。「広告実績」は、ストアが商品に費やした広告費用の総額を示す。
【0052】
例えば、
図5に示す例において、ストアAは、300種類の商品を扱っており、全商品の売上は800万円であるとともに、広告に100万円を費やしているため、広告の費用対効果は8(800%)であることを示している。
【0053】
また、ストアAは、全商品が検索結果画面に表示された回数が8,000回であり、検索結果画面で全商品のうちいずれかがクリックされた回数が250回であることを示す。また、ストアAは、全商品のうちいずれかの商品の詳細画面が200回表示され、訪問したユーザが100人であることを示す。
【0054】
また、ストアAは、例えば、詳細画面が表示された200回(あるいは、訪問したユーザ100人)に対する商品の購入率が1%であることを示す。なお、ストア情報32は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報が含まれてよい。
【0055】
(3−2−3.広告情報33)
実施形態に係る広告情報33は、コンテンツ提供装置1がストアに対して販売する広告に関する情報である。
図6は、実施形態に係る広告情報33の一例を示す図である。
図6に示すように、広告情報33には、「広告ID」、「種別」、「出稿期間」、「出稿料(総額)」といった項目が含まれる。
【0056】
「広告ID」は、広告のタイプを識別するための識別情報を示す。「種別」は、広告の種別を示す。「出稿期間」は、広告が表示される期間であり、ストアとの契約期間を示す。「出稿料(総額)」は、広告を出稿する際に、ストアが支払う料金を示す。
【0057】
例えば、
図6に示す例において、「タイプA」によって識別される広告の種別は、動画であり、出稿の契約期間は1か月単位であり、1か月毎の出稿料が、最低3万であることを示している。なお、出稿料は、例えば、広告が表示される位置や、表示される領域の大きさ、文字数や動画の再生時間等によって決定される。また、広告情報33は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報が含まれてよい。
【0058】
図3の説明に戻って、制御部2は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、コンテンツ提供装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(コンテンツ提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部2は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0059】
図3に示すように、制御部2は、受付部21と、種別分類部22と、指標分類部23と、予測部24と、画面生成部25と、提供部26とを有し、以下に説明するコンテンツ提供処理の機能や作用を実現または実行する。
【0060】
(3−3.受付部21)
受付部21は、種々の情報を受け付ける。例えば、受付部21は、販売元端末10を介してストアから商品の登録を受け付ける。例えば、受付部21は、販売目標数、販売達成時期、広告予算(あるいは広告タイプ)の指定を受け付ける。また、受付部21は、後述する画面生成部25によって生成された販売予測画面W1(
図8参照)へのユーザ操作を受け付ける。
【0061】
(3−4.種別分類部22)
種別分類部22は、ストアから登録された商品の種別に基づいてストアを種別毎の種別グループに分類する。例えば、種別分類部22は、商品情報31の「カテゴリ」に基づいて商品を種別グループに分類する。例えば、商品名「天然水A」(
図4参照)は、カテゴリが飲料の種別グループに分類される。
【0062】
なお、商品名「天然水A」は、飲料の種別グループに分類されたが、これに限定されず、飲料水の種別グループの中でさらに細分化した種別グループに分類されてもよい。例えば、飲料水の種別グループの中に、清涼飲料水の種別グループや、アルコール飲料の種別グループをさらに含んでもよい。
【0063】
また、種別分類部22は、商品のカテゴリに限定されず、例えば商品情報31の「価格(円)」の種別グループに分類されてもよい。具体的には、種別分類部22は、商品の価格帯毎に分類されてもよい。
【0064】
(3−5.指標分類部23)
指標分類部23は、ストアが扱う商品の広告に関する指標の実績値に基づいて指標が類似する指標グループにストアを分類する。指標分類部23は、指標グループに属する他ストアの指標それぞれの平均値を算出し、算出した平均値と、商品の実績値との一致度に基づいてストアを分類する。
【0065】
具体的には、指標分類部23は、指標グループに属する他ストアの各指標の平均値と、受付部21が登録を受け付けた商品の指標との各差分が最も小さくなる指標グループにかかる商品を扱うストアを分類する。
【0066】
言い換えれば、指標分類部23は、まず、各指標を軸とする複数次元の座標軸を設定する。例えば、「imps(インプレッション)」、「CTR(Click Through Rate)」、「PV(Page View)」、「UU(Unique User)」、「CVR(Conversion Rate)」、「売上(万円)」、「ROAS(Return On Advertising Spend)」、「広告実績」それぞれを軸とする8次元の座標軸を設定する。
【0067】
そして、指標分類部23は、設定した複数次元の座標軸上に、上記した各指標の平均値を座標位置としてプロットするとともに、登録された商品の指標を座標位置としてプロットする。そして、指標分類部23は、平均値の座標点と、登録された商品の座標点との距離を算出し、かかる距離が最も近い指標グループにストアを分類する。
【0068】
また、例えば、指標分類部23は、種別分類部22によって分類された種別グループに属する他ストアを指標グループに分類する。つまり、指標分類部23は、種別グループ毎に指標グループを分類する処理を行う。
【0069】
(3−6.予測部24)
予測部24は、指標分類部23によって分類された指標グループに属する他ストアが扱う他商品の実績値に基づいてストアが扱う商品の販売に関する売上指標を予測する。例えば、予測部24は、他商品の実績値の平均値を算出し、平均値に基づいて機械学習を行う。
【0070】
例えば、予測部24は、各指標の平均値を独立変数とする重回帰分析によって、売上指標を予測する。なお、予測部24が用いる機械学習は、重回帰分析に限らず、様々なアルゴリズムが適用された機械学習を用いることができる。
【0071】
また、予測部24は、販売達成時期、販売目標数、広告予算のうち少なくとも1つを予測する。かかる点について、
図7を用いて説明する。
【0072】
図7は、実施形態に係る予測部24の予測処理の一例を示す図である。
図7では、ストアAの管理者M1から商品のパラメータを受け付け、受け付けたパラメータに基づいて売上指標を予測し、通知する処理を示す。
【0073】
図7に示すように、予測部24は、入力項目として「商品名」、「商品単価」、「売上指標」のパラメータを受け付ける。「商品名」は、商品の名称を示す。なお、「商品名」において、商品のカテゴリをパラメータとしてさらに受け付けてもよい。
【0074】
「商品単価」は、商品の販売価格を示す。「売上指標」は、「販売達成時期」、「販売目標数」、「広告予算(広告タイプ)」を含み、この3つの売上指標のうち、いずれか2つをストアAの管理者M1から受け付ける。つまり、予測部24は、受け付けなかった残り1つの売上指標を予測する。
【0075】
図7に示すように、例えば、予測部24は、販売目標数A2として「2000個」および広告予算A3として「16万円」を受け付けたとする。かかる場合に、予測部24は、販売達成時期A1として「2017年4月1日」を予測結果として算出し、ストアAの管理者M1へ通知する。
【0076】
また、例えば、予測部24は、販売達成時期A1として「2017年4月1日」および広告予算A3として「8万円」を受け付けたとする。かかる場合に、予測部24は、販売目標数A2として「750個」を予測結果として算出する。
【0077】
また、例えば、予測部24は、販売達成時期A1として「2017年4月1日」および販売目標数A2として「2000個」を受け付けたとする。かかる場合に、予測部24は、広告予算A3として「30万円」を予測結果として算出する。なお、広告予算A3は、金額に限らず、広告タイプ(
図6参照)であってもよい。
【0078】
(3−7.画面生成部25)
画面生成部25は、種々の画面を生成する。例えば、画面生成部25は、商品の販売開始から販売達成時期までの商品の予測される販売数が時系列で表示された販売予測画面W1を生成する。ここで、
図8を用いて、販売予測画面W1について説明する。
【0079】
図8は、実施形態に係る販売予測画面W1の一例を示す図である。
図8には、ストアAの管理者M1が所有する販売元端末10に表示される販売予測画面W1の一例を示している。
【0080】
また、
図8には、縦軸を販売目標数とし、横軸を販売達成時期としたグラフを示している。かかる縦軸および横軸は、いわゆるスクロールバー状になっており、縦軸ノブP1が上下にスライドし、横軸ノブP2が左右にスライドする。縦軸ノブP1は、上に位置するほど、販売目標数が多くなり、横軸ノブP2は、右に位置するほど、販売達成時期が遅くなる。
【0081】
また、
図8に示す販売予測画面W1には、広告予算および広告タイプを表示した予算領域P3およびタイプ領域P4が配置されている。販売予測画面W1において、縦軸ノブP1および横軸ノブP2の位置を決定すると、広告予算および広告タイプが自動で算出され、予算領域P3およびタイプ領域P4に表示される。
【0082】
これと同時に、
図8に示すグラフには、広告タイプAを出稿した場合の予測される販売数が線状(実線)に表される。また、
図8に示すグラフには、広告タイプA以外に広告タイプBの場合の予測される販売数が異なる表示形態(
図8では、一点鎖線で表示)される。これは、比較用として示している。
【0083】
つまり、
図8に示す例では、仮に、広告タイプAで出稿した場合、予測される販売数が2017年4月1日時点では、2000個であり、広告タイプBで出稿した場合、予測される販売数が、1000個であることを示している。
【0084】
また、
図8に示す例において、2017年1月1日時点では、広告タイプBで出稿した方が、広告タイプAで出稿するよりも若干効果が高いことがわかる。つまり、管理者M1は、販売予測画面W1のグラフを見て、広告タイプAおよび広告タイプBを比較することで、最適な広告タイプを容易に判別することができる。
【0085】
また、販売予測画面W1において、売上指標の再設定も行うことができる。具体的には、管理者M1が縦軸ノブP1や、横軸ノブP2をスライドさせると、スライド後の位置に応じて広告予算および広告タイプが再計算される。つまり、受付部21は、販売予測画面W1に対するユーザ操作(管理者M1の操作)によって販売達成時期および販売目標数の少なくとも一方の変更を受け付ける。そして、予測部24は、受付部21が受け付けた変更の内容に基づいて売上指標を再予測する。
【0086】
なお、販売予測画面W1では、販売達成時期および販売目標数の再予測も可能である。具体的には、受付部21は、管理者M1から予算領域P3およびタイプ領域P4のうち少なくとも一方への入力を受け付ける。また、受付部21は、販売達成時期および販売目標数のいずれか一方を固定する操作を管理者M1から受け付ける。
【0087】
そして、予測部24は、販売達成時期および販売目標数のうち、固定されなかった売上指標を予測し、予測される位置に縦軸ノブP1または横軸ノブP2を移動させる。
【0088】
(3−8.提供部26)
提供部26は、予測部24によって予測された売上指標に基づいてストアに対して商品の広告に関するコンテンツを提供する。例えば、提供部26は、画面生成部25によって生成された販売予測画面W1を提供する。また、例えば、提供部26は、予測部24によって予測された広告予算に応じた広告の種別を提供する。
【0089】
具体的には、提供部26は、広告予算に基づいて、広告情報33の中から最適な広告タイプを選択し、選択した広告タイプを提供する。なお、提供部26は、広告タイプを1種類のみ選択してもよく、あるいは複数を組み合わせて選択してもよい。
【0090】
〔4.処理手順〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係るコンテンツ提供装置1が実行する提供処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係るコンテンツ提供装置1が実行する提供処理の手順を示すフローチャートである。
【0091】
図9に示すように、まず、コンテンツ提供装置1の種別分類部22は、ストアが扱う商品の種別に基づいてストアを種別毎の種別グループに分類する(ステップS101)。つづいて、指標分類部23は、商品の広告に関する指標の実績値に基づいて指標が類似する指標グループにストアを分類する(ステップS102)。
【0092】
つづいて、予測部24は、指標分類部23によって分類された指標グループに属する他ストアが扱う他商品の実績値に基づいてストアが扱う商品の販売に関する売上指標を予測する(ステップS103)。
【0093】
つづいて、提供部26は、売上指標における広告予算に基づいて広告タイプを決定する(ステップS104)。つづいて、提供部26は、決定した広告タイプをストアに提供し(ステップS105)、処理を終了する。
【0094】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、指標分類部23と、予測部24と、提供部26とを備える。指標分類部23は、ストアが扱う商品の広告に関する指標の実績値に基づいて指標が類似する指標グループにストアを分類する。予測部24は、指標分類部23によって分類された指標グループに属する他ストアが扱う他商品の実績値に基づいてストアが扱う商品の販売に関する売上指標を予測する。提供部26は、予測部24によって予測された売上指標に基づいてストアに対して商品の広告に関するコンテンツを提供する。
【0095】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、他ストア等の過去の実績から商品の売上を予測して、適切な広告予算を提供することで、無駄な広告の出稿を防ぐことができるため、出品者であるストアに対して適切な広告コンテンツを提供できる。
【0096】
また、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、種別分類部22を備える。種別分類部22は、商品の種別に基づいてストアを種別毎の種別グループに分類する。指標分類部23は、種別分類部22によって分類された種別グループに属する他ストアを指標グループに分類する。
【0097】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、登録された商品をカテゴリ毎に絞り込むことができるため、売上指標の予測精度を向上させることができる。
【0098】
また、実施形態に係るコンテンツ提供装置1において、予測部24は、売上指標として、商品の販売達成時期、販売目標数および広告予算のうち少なくとも1つを予測する。
【0099】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、出品者であるストアにとって必要な売上指標の予測結果を提供することができる。つまり、出品者に対して適切な広告コンテンツを提供することができる。
【0100】
また、実施形態に係るコンテンツ提供装置1において、予測部24は、広告予算を予測する。提供部26は、予測部24によって予測された広告予算に応じた広告の種別を提供する。
【0101】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、出品者であるストアが広告予算から広告タイプを手動で選択しなくてよいため、作業数を減らすことができるとともに、間違った広告タイプを選択することを防止できる。
【0102】
また、実施形態に係るコンテンツ提供装置1において、指標分類部23は、指標グループに属する他ストアの指標それぞれの平均値を算出し、当該平均値と、商品の実績値との一致度に基づいてストアを分類する。
【0103】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、ストアを類似性の高い指標グループに分類できるため、売上指標の予測精度を向上させることができる。
【0104】
また、実施形態に係るコンテンツ提供装置1において、予測部24は、他商品の実績値の平均値を算出し、当該平均値に基づいて機械学習を行うことで、売上指標を予測する。
【0105】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、他商品の実績値に基づいてより正確な売上指標の予測が可能となる。
【0106】
また、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、画面生成部25を備える。画面生成部25は、商品の販売開始から販売達成時期までの商品の予測される販売数が時系列で表示された販売予測画面を生成する。提供部26は、画面生成部25によって生成された販売予測画面を提供する。
【0107】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、出品者であるストアの管理者が容易に売上指標を判別することができるとともに、予測される販売数を時系列で確認することができるため、出品者の満足度を向上させることができる。
【0108】
また、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、受付部21を備える。受付部21は、販売予測画面に対するユーザ操作によって販売達成時期および販売目標数の少なくとも一方の変更を受け付ける。予測部24は、受付部21が受け付けた変更の内容に基づいて売上指標を再予測する。
【0109】
これにより、実施形態に係るコンテンツ提供装置1は、出品者であるストアの管理者が売上指標の再計算を容易に行うことができる。
【0110】
〔6.プログラム〕
また、上述してきた実施形態にかかるコンテンツ提供装置1は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、コンテンツ提供装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0111】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0112】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0113】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0114】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0115】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかるコンテンツ提供装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部2の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部3内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0116】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0117】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0118】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0119】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0120】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。