(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6693923
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】圧電アクチュエータ及びこれを使用した小型流体制御装置
(51)【国際特許分類】
H02N 2/04 20060101AFI20200427BHJP
H01L 41/09 20060101ALI20200427BHJP
H01L 41/187 20060101ALI20200427BHJP
B06B 1/06 20060101ALI20200427BHJP
F04B 45/047 20060101ALI20200427BHJP
F04B 45/04 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
H02N2/04
H01L41/09
H01L41/187
B06B1/06 Z
F04B45/047 C
F04B45/04 C
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-168143(P2017-168143)
(22)【出願日】2017年9月1日
(65)【公開番号】特開2018-42453(P2018-42453A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2018年1月29日
(31)【優先権主張番号】105128587
(32)【優先日】2016年9月5日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】韓 永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲けい▼峰
(72)【発明者】
【氏名】陳 世昌
(72)【発明者】
【氏名】廖 家▲いく▼
(72)【発明者】
【氏名】廖 鴻信
(72)【発明者】
【氏名】黄 哲威
(72)【発明者】
【氏名】陳 壽宏
【審査官】
島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第205383064(CN,U)
【文献】
国際公開第2005/067346(WO,A1)
【文献】
特開2012−210051(JP,A)
【文献】
特開2013−068215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/04
B06B 1/06
F04B 45/04
F04B 45/047
H01L 41/09
H01L 41/187
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正方形形態で、第一表面及びそれに対応する第二表面を有し、前記第二表面上に凸部を有し、中心部から外周部まで湾曲振動することが可能な懸吊板と、
前記懸吊板の外側を囲繞するように設置し、第一表面及びそれに対応する第二表面を有し、この第二表面が前記懸吊板の前記第二表面にある前記凸部以外の部分と共平面になる外枠と、
それぞれが前記懸吊板及び前記外枠の間に垂直に接続することで、弾性的な支持を提供し、且つ長さが1.11mm〜1.21mmの間であり、幅が0.2mm〜0.6mmの間である複数のフレームと、
正方形形態で、前記懸吊板の辺の長さより長くない辺の長さを有し、前記懸吊板の第一表面上に貼着し、印加電圧を用いて前記懸吊板の湾曲振動を駆動する圧電セラミック板と、を包含することを特徴とする、圧電アクチュエータ。
【請求項2】
これらフレームは、四つのフレームであることを特徴とする請求項1に記載の、圧電アクチュエータ。
【請求項3】
各前記フレームの一端は、前記懸吊板の側面に垂直に接続し、もう一端は、前記外枠の内側側面に垂直に接続することを特徴とする請求項1に記載の、圧電アクチュエータ。
【請求項4】
前記フレームの長さは、1.16mmであることを特徴とする請求項1に記載の、圧電アクチュエータ。
【請求項5】
前記フレームの幅は、0.4mmであることを特徴とする請求項1に記載の、圧電アクチュエータ。
【請求項6】
前記懸吊板は、各辺の長さが7.5mm〜12mmの間で、厚さが0.1mm〜0.4mmの間であることを特徴とする請求項1に記載の、圧電アクチュエータ。
【請求項7】
前記懸吊板は、各辺の長さが7.5mm〜8.5mmの間で、厚さが0.27mmであることを特徴とする請求項6に記載の、圧電アクチュエータ。
【請求項8】
懸吊板、外枠、四つのフレーム及び圧電セラミック板を有し、前記懸吊板は、正方形形態で、第一表面及びそれに対応する第二表面を有し、前記第二表面上に凸部を有し、前記外枠は、前記懸吊板の外側を囲繞するように設置し、第一表面及びそれに対応する第二表面を有し、前記外枠の前記第二表面が前記懸吊板の前記第二表面にある前記凸部以外の部分と共平面になり、前記フレームは、前記懸吊板と前記外枠との間に接続し、且つ長さが1.11mm〜1.21mmの間であり、幅が0.2mm〜0.6mmの間であって、前記圧電セラミック板は、前記懸吊板の辺の長さより長くない辺の長さを有し、前記懸吊板の前記第一表面上に貼着する圧電アクチュエータと、
集気板及びベースを含み、前記集気板は、周縁に側壁を有することで収容空間を構成する枠体構造で、前記圧電アクチュエータを前記収容空間内に設置し、前記ベースは、気体導入板及び共振片が接合することによってなり、前記集気板の前記収容空間に結合することで、前記圧電アクチュエータを密封し、前記気体導入板は、少なくとも一つの気体導入孔及びそれに連通する少なくとも一つの集約アレイを有することで、集約チャンバを構成し、前記共振片は、前記気体導入板上に固定するように設置し、且つ前記気体導入板の前記集約チャンバに相対し、前記懸吊板の前記凸部に対応する中空孔を有するケーシングと、を包括し、
そのうち、前記圧電アクチュエータにある前記外枠の前記第二表面は、前記ベースの前記共振片との間に接着層を設置することで、前記圧電アクチュエータと前記ベースの前記共振片との間で、構造に必要な前記圧縮チャンバの間隙深さを維持することを特徴とする、小型流体制御装置。
【請求項9】
前記フレームの長さは、1.16mmであることを特徴とする請求項8に記載の、小型流体制御装置。
【請求項10】
前記フレームの幅は、0.4mmであることを特徴とする請求項8に記載の、小型流体制御装置。
【請求項11】
前記接着層の厚さは、50μm〜60μmの間であることを特徴とする請求項8に記載の、小型流体制御装置。
【請求項12】
前記懸吊板、前記外枠及び前記フレームは、同じ深さのエッチングによって構成することで、前記フレームの前記第二表面が前記懸吊板の前記第二表面と共表面になることを特徴とする請求項8に記載の、小型流体制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電アクチュエータに関し、特に、小型で非常に薄く、静かな小型流体制御装置の圧電アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在医薬、コンピューターテクノロジー、印刷、エネルギー等の工業など分野を問わず製品は精密化及び小型化の方向に発展しており、そのうち、小型ポンプ、噴霧器、インクジェットヘッド、工業印刷装置等の製品に含まれる流体輸送構造は中でも重要な技術であるが、いかに革新的な構造で技術のボトルネックを打破するかが発展させるための重要な内容となっている。
【0003】
例えば、医藥産業においては空気圧動力を採用して駆動される機器や設備が多いが、通常は従来型のモーターと気圧バルブでその気体輸送の目的が達せられている。しかしながら、これら従来型のモーターと気圧バルブの体積の制限を受けて、これらの機器・設備はその体積を縮小することが難しく、装置全体の体積を縮小することができないため、薄型化という目標を実現することが難しく、これをポータブル型にするという目的に達成することはさらに難しい。また、これら従来型のモーター及び気体バルブは、作動時に騒音の発生といった問題も引き起こし、使用上の不便及び不快に繋がってしまう。
【0004】
このため、上述の従来技術の欠点を改善し、従来の流体制御装置を採用した機器や設備の体積を小さくして小型化すると同時に静音性を確保し、便利且つ快適に使用でき、ポータブル性も備えた小型流体制御装置及びその圧電アクチュエータをいかに開発するかが現在解決を要する切迫した問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、ポータブル或いはウェアラブルな機器や設備に適用する小型流体制御装置及びこれに使用される圧電アクチュエータを提供することであって、前記圧電アクチュエータを介し、懸吊板、外枠及び四つのフレームを有し、各フレームは、前記懸吊板及び前記外枠の間に垂直に接続することで、弾性的な支持を提供し、この前記懸吊板及び前記外枠の間に垂直に架設するフレームにより、前記懸吊板の不均一な振動を低減し、Z軸上における前記懸吊板のふり幅の増加を手助けることで、作動する際の前記懸吊板をより安定且つ一致したものにし、前記圧電アクチュエータの作動時の安定性及び機能を向上させることにある。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、ポータブル或いはウェアラブルな機器や設備に適用する小型流体制御装置を提供することであって、圧電アクチュエータの懸吊板、外枠、フレームが一体成型の金属板構造、且つ同じ深さで懸吊板の凸部及びフレームが必要とする形態にエッチングしたことにより、外枠の第二表面、フレームの第二表面及び懸吊板の第二表面のいずれもが共平面の構造となり、外枠の異なる深さに応じて複数回のエッチング加工を行う従来の方法を簡略化すると同時に、外枠と共振片との間に設置した接着層により、エッチングした後外枠に発生する粗面を塗布することで、接着層と外枠との結合強度を強化させ、且つ外枠の厚さが従来の方法より薄いことから、間隙を塗布する接着層の厚さが増加し、接着層の厚さの増加により、接着層の塗布の不均一性を有効的に改善することができ、懸吊板を組立てる際にある水平方向の組立て誤差を低減し、懸吊板にある垂直方向の動的エネルギーの利用効率を向上させると同時に、振動エネルギーを吸収し、騒音を低減して静音にするという効果に達することも補助することができ、且つこの小型化した圧電アクチュエータは、小型流体制御装置全体の体積をより縮小且つ薄型化することで、便利で快適なポータブル性という目的を達することにある。
【0007】
本発明のさらにもう一つの目的は、ポータブル或いはウェアラブルな機器や設備に適用する小型流体制御装置を提供することであって、圧電アクチュエータの懸吊板が正方形形態という設計と、懸吊板上に凸部をさらに有するという作動とを提供することで、流体がベースにある気体導入板の気体導入孔から流入し、連通し合う集約アレイ及び集約チャンバに沿って流動を行い、共振片の中空孔により流体が共振片と圧電アクチュエータとの間に形成する圧縮チャンバ内で圧力勾配が発生することで、流体が高速で流動し、流体の流量は低下せず、圧力損失も発生せず、継続的に伝送して高い排出圧力を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達するため、本発明の比較的広義の実施態様が提供する圧電アクチュエータは、正方形形態で、中心部から外周部まで湾曲振動することが可能な懸吊板と、前記懸吊板の外側を囲繞するように設置する外枠と、それぞれが前記懸吊板及び前記外枠の間に垂直に接続することで、弾性的な支持を提供し、且つ長さが1.11mm〜1.21mmの間であり、幅が0.2mm〜0.6mmの間である複数のフレームと、正方形形態で、前記懸吊板の辺の長さより長くない辺の長さを有し、前記懸吊板の前記第一表面上に貼着し、印加電圧を用いて前記懸吊板の湾曲振動を駆動する圧電セラミック板と、を包含している。
【0009】
上述の目的を達するため、本発明のもう一つの比較的広義の実施態様が提供する小型流体制御装置は、懸吊板、外枠、四つのフレーム及び圧電セラミック板を有し、前記懸吊板は、正方形形態で、第一表面及びそれに対応する第二表面を有し、前記第二表面上に凸部を有し、前記外枠は、前記懸吊板の外側を囲繞するように設置し、第一表面及びそれに対応する第二表面を有し、前記外枠の前記第二表面が前記懸吊板の前記第二表面にある前記凸部以外の部分と共平面になり、前記フレームは、前記懸吊板と前記外枠との間に接続し、且つ長さが1.11mm〜1.21mmの間であり、幅が0.2mm〜0.6mmの間であって、前記圧電セラミック板は、前記懸吊板の辺の長さより長くない辺の長さを有し、前記懸吊板の前記第一表面上に貼着する圧電アクチュエータと、集気板及びベースを含み、前記集気板は、周縁に側壁を有することで収容空間を構成する枠体構造で、前記圧電アクチュエータを前記収容空間内に設置し、前記ベースは、気体導入板及び共振片が接合することによってなり、前記集気板の前記収容空間に結合することで、前記圧電アクチュエータを密封し、前記気体導入板は、少なくとも一つの気体導入孔及びそれに連通する少なくとも一つの集約アレイを有することで、集約チャンバを構成し、前記共振片は、前記気体導入板上に固定するように設置し、且つ前記気体導入板の前記集約チャンバに相対し、前記懸吊板の前記凸部に対応する中空孔を有するケーシングと、を包括し、そのうち、前記圧電アクチュエータにある前記外枠の前記第二表面は、前記ベースの前記共振片との間に接着層を設置することで、前記圧電アクチュエータと前記ベースの前記共振片との間で、構造に必要な前記圧縮チャンバの間隙深さを維持している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の好ましい実施例に係る小型流体制御装置の構造を示す正面分解模式図である。
【
図1B】
図1Aに図示された小型流体制御装置の構造を示す正面組立模式図である。
【
図2A】
図1Aに図示された小型流体制御装置の構造を示す背面分解模式図である。
【
図2B】
図2Aに図示された小型流体制御装置の構造を示す背面組立模式図である。
【
図3A】
図1Aに図示された小型流体制御装置の圧電アクチュエータを示す正面模式図である。
【
図3B】
図1Aに図示された小型流体制御装置の圧電アクチュエータを示す背面模式図である。
【
図3C】
図1Aに図示された小型流体制御装置の圧電アクチュエータを示す断面模式図である。
【
図4A】
図1Aに図示された小型流体制御装置の局部動作を示す模式図である。
【
図4B】
図1Aに図示された小型流体制御装置の局部動作を示す模式図である。
【
図4C】
図1Aに図示された小型流体制御装置の局部動作を示す模式図である。
【
図4D】
図1Aに図示された小型流体制御装置の局部動作を示す模式図である。
【
図4E】
図1Aに図示された小型流体制御装置の局部動作を示す模式図である。
【
図5】
図1Bに図示された小型流体制御装置の構造を示す断面拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の特徴と利点を体現するいくつかの典型的実施例を以下において詳細に説明する。本発明は異なる態様において各種の変化が可能であり、そのいずれも本発明の範囲を逸脱せず、且つ本発明の説明及び図面は本質的に説明のために用いられ、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
【0012】
本発明に係る圧電アクチュエータ13は、小型流体制御装置1に応用され、且つ前記小型流体制御装置1は、医薬・バイオテクノロジー、エネルギー、コンピューターテクノロジー、または印刷等の工業に応用し、気体を伝送するために用いることができるが、これに限らない。本発明の好ましい実施例に係る小型流体制御装置の構造を示す正面分解模式図である
図1A、
図1Aに図示された小型流体制御装置の構造を示す正面組立模式図である
図1B、
図1Aに図示された小型流体制御装置の構造を示す背面分解模式図である
図2A、
図2Aに図示された小型流体制御装置の構造を示す背面組立模式図である
図2B、
図1Bに図示された小型流体制御装置の構造を示す断面拡大模式図である
図5を参照されたい。
図1A、
図2A及び
図5にあるように、本発明に係る小型流体制御装置1は、ケーシング1a、圧電アクチュエータ13、絶縁片141、142、導電片15等の構造を有し、そのうち、ケーシング1aは、集気板16及びベース10を包含し、前記ベース10は、気体導入板11及び共振片12を包含するが、これらに限らない。前記圧電アクチュエータ13は、共振片12に対応するように設置され、前記気体導入板11、前記共振片12、前記圧電アクチュエータ13、前記絶縁片141、前記導電片15、もう一つの前記絶縁片142、前記集気板16等が順次積層するように設置され、且つ前記圧電アクチュエータ13は、懸吊板130及び圧電セラミック板133によって組立てられている。本実施例において、
図1A及び
図5にあるように、集気板16は、単一のプレート構造のみに限らず、周縁に側壁168を有する枠体構造としてもよく、且つ周縁に構成する前記側壁168は、その底部のプレートとともに、前記圧電アクチュエータ13を設置するために用いる収容空間16aを定義している。また、上述したように、本実施例に係る前記集気板16は、表面160を有し、前記表面160は、その上で凹設することで集気チャンバ162を形成し、前記小型流体制御装置1によって下に向かって伝送する気体は、前記集気チャンバ162に一時的に蓄積されており、且つ前記集気板16は、第一貫通孔163及び第二貫通孔164を有し、前記第一貫通孔163の一端及び前記第二貫通孔164の一端は、前記集気チャンバ162と連通し合い、それぞれのもう一端は、前記集気板16の基準表面161上にある第一圧力リリーフチャンバ165及び第一出口チャンバ166とそれぞれ連通し合っている。また、前記第一出口チャンバ166箇所に凸部構造167がさらに増設され、例えば円柱構造とすることができるが、これに限らない。
【0013】
図2Aにあるように、前記圧電アクチュエータ13は、前記圧電セラミック板133、前記懸吊板130、外枠131及び四つのフレーム132を包括し、そのうち、前記圧電セラミック板133は、方形プレート状構造であって、その辺の長さは、前記懸吊板130の辺の長さより長くなく、前記懸吊板130の上に貼着することができる。本実施例において、前記懸吊板130は、可撓性の正方形プレート状構造であって、前記懸吊板130の外側に前記外枠131を囲繞するように設置し、前記外枠131の形態も前記懸吊板130にほぼ対応する形態であるため、本実施例において、前記外枠131もまた、正方形の中空枠型構造であり、且つ前記懸吊板130と前記外枠131との間は、前記四つのフレーム132によって接続することで、弾性的な支持を提供している。また、
図1A及び
図2Aにあるように、本発明に係る前記小型流体制御装置1は、絶縁片14及び導電片15などの構造をさらに包括し、前記絶縁片14は、二つの前記絶縁片141、142とすることができ、且つ前記二つの絶縁片141、142は、前記導電片15を上下で挟着するように設置している。本発明に係る前記小型流体制御装置1が組立てられると、
図1A、
図1B、
図2A及び
図2Bにあるように、前記絶縁片142、前記導電片15、前記絶縁片141、前記圧電アクチュエータ13及び前記ベース10などの構造が順次組立てられて前記集気板16にある前記収容空間16a内に収容され、組立後は、
図1B及び
図2Bにあるように、体積が小さく、外形が小型化した前記小型流体制御装置1を構成することができる。
【0014】
図1A及び
図2Aにあるように、前記小型流体制御装置1の前記気体導入板11は、第一表面11b、第二表面11a及び少なくとも一つの気体導入孔110を有し、本実施例において、前記気体導入孔110の数量は4個であるが、これに限らず、前記気体導入板11の前記第一表面11b及び前記第二表面11aを貫通し、主に、気体を装置外から大気圧の作用に順応して前記少なくとも一つの気体導入孔110から前記小型流体制御装置1内に流入させるために用いている。また、
図2Aにあるように、前記気体導入板11の前記第一表面11bから分かるとおり、その上には、前記気体導入板11の前記第二表面11aにある前記少なくとも一つの気体導入孔110に対応するように設置するために用いる少なく一つの集約アレイ112を有している。これら集約アレイ112は、中心で交わる箇所に集約チャンバ111を有し、前記集約チャンバ111は、前記集約アレイ112と連通し合い、これにより、前記少なくとも一つの気体導入孔110から前記集約アレイ112に入り込む気体を前記集約チャンバ111にガイドし、集約して下に向かうように伝送することができる。本実施例において、前記気体導入板11は、一体成型された前記気体導入孔110、前記集約アレイ112及び前記集約チャンバ111を有し、前記気体導入板11が前記共振片12に対応するように組立てられると、前記集約チャンバ111箇所は、流体を一時的に保存するための、流体を集約するチャンバとして構成することができる。一部の実施例において、前記気体導入板11の材質は、ステンレス材質によって構成することができるがこれに限らず、且つその厚さは、0.4mm〜0.6mmの間であり、好ましくは0.5mmであるが、これに限らない。その他の一部の実施例において、前記集約チャンバ111箇所に構成するチャンバの深さは、これら集約アレイ112の深さと同じであるが、これに限らない。
【0015】
本実施例において、前記共振片12は、可撓性材質によって構成することができるが、これに限らず、且つ前記共振片12は、その上に、前記気体導入板11の第1表面11bにある前記集約チャンバ111に対応するように設置する中空孔120を有することで、気体を流通させることができる。その他の一部の実施例において、前記共振片12は、銅材質によって構成することができるが、これに限らず、且つその厚さは、0.03mm〜0.08mmの間であり、好ましくは0.05mmであるが、これに限らない。
【0016】
図4A及び
図5にあるように、前記共振片12は、前記圧電アクチュエータ13との間に間隙hを有し、本実施例において、前記共振片12及び前記圧電アクチュエータ13の前記外枠131との間にある前記間隙hは、これに限らないが、例えば導電ペーストといった接着層136を充填するように設置することで、前記共振片12と前記圧電アクチュエータ13の前記懸吊板130との間にある前記間隙hの深さを維持することができ、さらに、気流をより迅速に流動するようにガイドすることができる。また、前記間隙hに応じて前記共振片12と前記圧電アクチュエータ13との間に圧縮チャンバ121を形成することができ、前記共振片12の前記中空孔120によって、流体をより迅速に流動するようにガイドすることができ、且つ前記懸吊板130と前記共振片12とが適切な距離を保持するため、互いの接触干渉が減少し、騒音の発生を低減することができる。
【0017】
また、
図1A及び
図2Aを同時に参照すると、前記小型流体制御装置1は、前記絶縁片141、前記導電片15及び前記その他の絶縁片142などの構造をさらに有し、前記圧電アクチュエータ13と前記集気板16との間でそれぞれ順次挟着され、その形態は、前記圧電アクチュエータ13の前記外枠131にほぼ対応している形態である。一部の実施例において、絶縁片141、142は、これに限らないが、例えばプラスチックといった絶縁が可能な材質によって構成することで、絶縁を行っており、その他の一部の実施例において、導電片15は、これに限らないが、例えば金属といった導電可能な材質によって構成することで、電気の導通を行っている。また、本実施例において、前記導電片15は、その上に導電ピン151を設置することで、電気の導通を行ってもよい。
【0018】
図1Aに図示された小型流体制御装置の圧電アクチュエータを示す正面模式図である
図3Aと、
図1Aに図示された小型流体制御装置の圧電アクチュエータを示す背面模式図である
図3Bと、
図1Aに図示された小型流体制御装置の圧電アクチュエータを示す断面模式図である
図3Cとを同時に参照すると、図示されているとおり、前記圧電アクチュエータ13は、前記懸吊板130、前記外枠131、複数のフレーム132及び前記圧電セラミック板133によって組立てられており、本実施例において、前記複数のフレーム132は、四つのフレーム132であるが、これに限らず、これら数量は、実際に使用する状況に応じて変化を施すことができる。また、前記懸吊板130、前記外枠131及び前記四つのフレーム132は、一体成型の構造であるが、これに限らず、且つ金属プレートによって構成することができ、例えば、ステンレス材質によって構成することができるが、これに限らず、このため、本発明に係る前記小型流体制御装置1の前記圧電アクチュエータ13は、前記圧電セラミック板133が金属プレートと貼着することによってなるが、これに限らない。また、図示されているとおり、前記懸吊板130は、第一表面130b及びそれに対応する第二表面130aを有しており、そのうち、前記圧電セラミック板133は、前記懸吊板130の前記第一表面130bに貼着し、印加電圧を用いて前記懸吊板130の湾曲振動を駆動している。
図3Aにあるように、前記懸吊板130は、中心部130d及び外周部130eを有し、前記圧電セラミック板133が電圧を受けて駆動すると、前記懸吊板130は、前記中心部130dから前記外周部130eまで湾曲振動することができ、前記外枠131は、前記懸吊板130の外側に前記外枠131を囲繞するように設置し、且つ給電の接続のために用い、外側に向かって凸設する導電ピン134を有しているが、これに限らない。
【0019】
本実施例において、前記四つのフレーム132は、前記懸吊板130及び前記外枠131の間にそれぞれ垂直に接続しており、即ち、前記懸吊板130の側面130fと前記外枠131の内側側面131cとが平行に設置され、各前記フレーム132の一端は、前記懸吊板130の前記側面130fに垂直に接続し、もう一端は、前記外枠131の前記内側側面131cに垂直に接続することで、前記四つのフレーム132は、前記懸吊板130の前記側面130f及び前記外枠131の前記内側側面131cと同軸に直角に接続するように呈し、前記フレーム132、前記懸吊板130及び前記外枠131の間に流体の流通のために用いる少なくとも一つの空隙135をさらに有し、且つ前記懸吊板130、前記外枠131及び前記フレーム132の形態と数量とは様々な変化が可能である。この前記懸吊板130及び前記外枠131の間に垂直に架設する前記フレーム132により、前記懸吊板130が作動する際の不均一な変位角度を低減し、Z軸上における前記懸吊板130のふり幅の増加を手助けることで、前記懸吊板130が上下振動する際により好ましい変位状態を得ることができ、即ち、作動する際の前記懸吊板130をより安定且つ一致したものにし、前記圧電アクチュエータ13の作動時の安定性及び機能を向上させている。
【0020】
本発明に係る前記圧電アクチュエータ13において、フレーム132の異なる長さ及び幅が、前記圧電アクチュエータ13の性能にどのような差異をもたらしているのかというデータは、以下の表1のとおりである。
【0022】
表1のデータから分かるとおり、本実施例において、各前記フレーム132の長さが1.11mm〜1.21mmの間が好ましく、その性能は良好で、且つ長さが1.16mmの前記フレーム132が最も好ましく、性能に顕著な向上が見られ、また、各前記フレーム132の幅が0.2mm〜0.6mmの間が好ましく、0.4mmの幅が最も好ましいが、これに限らない。
【0023】
図3A及び
図3Cにあるように、前記懸吊板130の前記第二表面130aは、前記外枠131の第二表面131a及び前記フレーム132の第二表面132aと平坦な共平面構造であって、本実施例を例にすると、前記懸吊板130は、正方形の構造であって、各辺の長さは、7.5mm〜12mmの間であり、好ましくは7.5mm〜8.5mmであって、その厚さは、0.1mm〜0.4mmの間であり、好ましくは0.27mmであるが、これに限らない。また、前記外枠131の厚さも、0.1mm〜0.4mmの間であるが、これに限らない。また、前記圧電セラミック板133の辺の長さは、前記懸吊板130の辺の長さより長くなく、同じように前記懸吊板130に対応する正方形プレート状構造に設計し、前記圧電セラミック板133の厚さは0.05mm〜0.3mmの間であり、好ましくは0.10mmであって、本発明が正方形の前記圧電セラミック板133及び正方形の前記懸吊板130を用いた理由としては、従来の圧電アクチュエータの円形懸吊板の設計と比較すると、本発明に係る前記圧電アクチュエータ13の正方形の前記懸吊板130の方が省電力という利点を顕著に有しており、その消費電力の比較は、以下の表2のとおりである。
【0025】
従って、実験による上記の表から分かるとおり、正方形でその辺の長さが8mm〜10mmの寸法にある圧電アクチュエータの懸吊板は、円形で直径が8mm〜10mmの寸法にある圧電アクチュエータの懸吊板と比べて省電力であって、その省電力の理由は、共振周波数下で作用する容量性負荷により、その消費電力が周波数の上昇に伴って増加し、また、辺の長さの寸法が正方形である前記懸吊板130の共振周波数は、直径が正方形と同じ寸法の円形の懸吊板より明らかに低いことから、相対的に消費電力も顕著に低く、つまり、本発明が用いる正方形設計の前記懸吊板130は、従来の円形懸吊板設計より、省電力であるという利点を有し、小型で非常に薄く、静かな前記小型流体制御装置1が求められている傾向において、低電力消費という効果にさらに達することができ、特にウェアラブルデバイスでの応用において、省電力であることは非常に重要な設計ポイントとなっている。
【0026】
上述したように、これら懸吊板130と、前記外枠131と、前記懸吊板130及び前記外枠131に垂直に設置する前記四つのフレーム132は、一体成型の構造とすることができるが、これに限らず、その他の製造方法としては、従来の加工、フォトリソグラフィ、レーザ加工、電鋳加工或いは放電加工などで製造することができるが、これに限らない。本実施例を例にすると、本発明に係る前記圧電アクチュエータ13の前記懸吊板130、前記外枠131及び前記四つのフレーム132は、一体成型の構造、即ち金属プレートであって、前記外枠131、前記四つのフレーム132及び前記懸吊板130を同じ深さにエッチングすることで、前記外枠131の第二表面131a、前記四つのフレーム132の第二表面132a及び前記懸吊板130の前記第二表面130aを共平面構造とすることができる。この同じ深さにするエッチング加工により、それまで前記外枠131の異なる深さに応じて行っていた複数回のエッチング加工を簡略化することができると同時に、上述した前記外枠131と前記共振片12との間に設置する前記接着層136により、エッチングした後前記外枠131に発生する粗面を塗布することで、前記接着層136と前記外枠131との結合強度を強化させ、且つ前記外枠131の厚さが従来の方法より薄いことから、前記間隙hを塗布する前記接着層136の厚さが増加し、前記接着層136の厚さの増加により、前記接着層136の塗布の不均一性を有効的に改善することができ、前記懸吊板130を組立てる際にある水平方向の組立て誤差を低減し、前記懸吊板130にある垂直方向の動的エネルギーの利用効率を向上させると同時に、振動エネルギーを吸収し、騒音を低減して静音にするという効果に達することも補助することができる。
【0027】
本発明に係る前記小型流体制御装置1において、前記接着層136の異なる厚さが、前記小型流体制御装置1の性能及び不具合発生率にどのような差異をもたらしているのかというデータは、以下の表3のとおりである。
【0029】
表3のデータから分かるとおり、前記接着層136の厚さは、前記小型流体制御装置1の性能に顕著に影響を及ぼすことができ、前記接着層136の厚さが厚いと、前記間隙hは、深さを深く維持することができるものの、前記圧縮チャンバ121の深さが深くなり、体積が大きくなるため、圧縮作動の性能が相対的に悪くなることから、前記小型流体制御装置1の性能が低下し、これに対して、前記接着層136の厚さが薄いと、提供可能な前記間隙hの深さが不足し、前記懸吊板130の前記凸部130cと前記共振片12とが互いに接触し易くなり、性能が低下して騒音が発生し、騒音問題もまた製品不具合の原因の一つとなっている。従って、本実施例において、サンプリングした25個の前記小型流体制御装置1の製品実験結果から、厚さが50μm〜60μmの間の前記接着層136が性能に顕著な向上が見られるだけでなく、同時に製品不具合率が相対的に低く、その中でも55μmの前記接着層136の性能が最も好ましく、且つ製品不具合率が最も低いが、これに限らない。
【0030】
また、
図3Bにあるように、本実施例において、前記懸吊板130は、正方形で、階段面を有する構造であって、即ち、前記懸吊板130の前記第二表面130aは、その上に凸部130cをさらに有し、前記凸部130cは、前記第二表面130aの前記中心部130dに設置し、且つ円形の凸起構造とすることができるが、これに限らない。一部の実施例において、前記凸部130cの高さは、0.02mm〜0.08mmの間であり、好ましくは0.03mmで、その直径は、4.4mmであるが、これに限らない。
【0031】
このため、
図1A、
図4A〜
図4E及び
図5を参照すると、前記ベース10、前記圧電アクチュエータ13、前記絶縁片141、前記導電片15、前記もう一つの絶縁片142及び前記集気板16などが順次積層するように組立てられた後、
図4A及び
図5にあるように、前記小型流体制御装置1は、前記共振片12の前記中空孔120箇所において、その上にある前記気体導入板11とともに気体を集約するチャンバ、即ち前記気体導入板11の前記第一表面11bの前記集約チャンバ111箇所にあるチャンバを形成することができ、且つ前記共振片12と前記圧電アクチュエータ13との間に、気体を一時的に保存するために用いる前記圧縮チャンバ121をさらに形成し、前記圧縮チャンバ121は、前記共振片12の前記中空孔120により、前記気体導入板11の前記第1表面11bの前記集約チャンバ111箇所にあるチャンバと連通し合っており、前記小型流体制御装置1が前記圧電アクチュエータ13の前記懸吊板130を駆動して垂直の往復振動を行うことを制御した作動実施状態を示す局部模式図について以下において説明する。
【0032】
図4Bにあるように、前記圧電アクチュエータ13の前記懸吊板130が垂直の往復振動を行って湾曲変形し、下に向かって変位するように制御すると、発生した気体は、前記気体導入板11にある前記少なくとも一つの気体導入孔110から入り込み、前記第一表面11bの前記少なくとも一つの集約アレイ112によって中央にある前記集約チャンバ111箇所に集約され、この時、前記共振片12は、軽くて薄い片状構造であるため、流体の導入及び押圧、前記懸吊板130の共振に伴って垂直の往復振動が発生し、つまり、前記集約チャンバ111に対応する前記共振片12の可動部12aもまた、湾曲振動に伴って変形し、また、
図4Cにあるように、前記懸吊板130が垂直の往復振動してある位置に変位すると、前記共振片12の前記可動部12aは、前記懸吊板130の前記凸部130cに極めて近接し、流体が前記圧縮チャンバ121の経路内に入り込むことができ、前記懸吊板130の前記凸部130c以外の部分と前記共振片12の固定部12bとの間の距離が小さくならない状況下において、その間に流れた流体の流量は、低減せず、圧力損失も発生しないことから、前記圧縮チャンバ121の体積をより有効的に縮小することができ、また、
図4Dにあるように、前記圧電アクチュエータ13が垂直の往復振動を持続的に行って湾曲変化し、上に向かって変位すると、前記圧縮チャンバ121内にある流体を両側に向かって流動するように押圧することを促すことができ、前記圧電アクチュエータ13の前記フレーム132の間にある前記空隙135を介して下に向かって通過するように流動することで、高い排出圧力が得られ、この時、
図4Eにあるように、前記圧電アクチュエータ13の前記懸吊板130にある前記凸部130cが上に向かって移動することに伴い、前記共振片12の前記可動部12aも上に向かって湾曲振動するように変形することで、前記集約チャンバ111の体積が縮小し、前記集約アレイ112内にある流体が前記集約チャンバ111に流通するための箇所が小さくなり、前記圧電アクチュエータ13の前記懸吊板130が垂直の往復振動をさらに持続的に行うと、
図4Bから
図4Eに図示された実施状態を再度繰り返し行うことができる。本実施例において、前記圧電アクチュエータ13の前記懸吊板130に前記凸部130cを備えさせるという設計を本発明に係る前記小型流体制御装置1に応用することで良好な流体伝送効率に達することができるということが分かるものの、前記凸部130cの設計形態、数量及び位置などは、実際に使用する状況に応じて変化を施すことができることから、これに限らない。
【0033】
また、一部の実施例において、前記共振片12の垂直の往復振動周波数は、前記圧電アクチュエータ13の振動周波数と同じ、即ち両者は、同時に上下することができ、実際に使用する状況に応じて変化を施すことができることから、本実施例のような作動方法とは限らない。
【0034】
以上のことから、本発明が提供する圧電アクチュエータは、小型流体制御装置に応用され、圧電アクチュエータは、懸吊板、外枠及び四つのフレームを有し、各フレームは、懸吊板及び外枠の間に垂直に接続し、この懸吊板及び外枠の間に垂直に架設するフレームにより、弾性的な支持を提供し、懸吊板の不均一な振動を低減し、Z軸上における懸吊板のふり幅の増加を手助けることで、懸吊板が上下振動する際により好ましい変位状態を得ることができ、即ち、作動する際の懸吊板をより安定且つ一致したものにし、圧電アクチュエータの作動時の安定性及び機能を向上させることができる。また、圧電アクチュエータの懸吊板、外枠、フレームが一体成型の金属板構造、且つ同じ深さで懸吊板の凸部及びフレームが必要とする形態にエッチングしたことにより、外枠の第二表面、フレームの第二表面及び懸吊板の第二表面のいずれもが共平面の構造となり、外枠の異なる深さに応じて複数回のエッチング加工を行う従来の方法を簡略化すると同時に、外枠と共振片との間に設置した接着層により、エッチングした後外枠に発生する粗面を塗布することで、接着層と外枠との結合強度を強化させ、且つ外枠の厚さが従来の方法より薄いことから、間隙を塗布する接着層の厚さが増加し、接着層の厚さの増加により、接着層の塗布の不均一性を有効的に改善することができ、懸吊板を組立てる際にある水平方向の組立て誤差を低減し、懸吊板にある垂直方向の動的エネルギーの利用効率を向上させると同時に、振動エネルギーを吸収し、騒音を低減して静音にするという効果に達することも補助することができ、且つこの小型化した圧電アクチュエータは、小型流体制御装置全体の体積をより縮小且つ薄型化することで、便利で快適なポータブル性という目的を達することができる。さらに、圧電アクチュエータの懸吊板が正方形形態という設計と、懸吊板上に凸部をさらに有するという作動とを提供することで、流体がベースにある気体導入板の気体導入孔から流入し、連通し合う集約アレイ及び集約チャンバに沿って流動を行い、共振片の中空孔により流体が共振片と圧電アクチュエータとの間に形成する圧縮チャンバ内で圧力勾配が発生することで、流体が高速で流動し、流体の流量は低下せず、圧力損失も発生せず、継続的に伝送して高い排出圧力を得ることができる。
【0035】
本発明について上述のように実施例に基づいて詳細に説明したが、発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であればさまざまな工夫と修飾が可能であり、それらはいずれも本発明の特許請求の範囲が求める保護を逸脱しない。
【符号の説明】
【0036】
1 小型流体制御装置
1a ケーシング
10 ベース
11 気体導入板
11a 気体導入板の第二表面
11b 気体導入板の第一表面
110 気体導入孔
111 集約チャンバ
112 集約アレイ
12 共振片
12a 可動部
12b 固定部
120 中空孔
121 圧縮チャンバ
13 圧電アクチュエータ
130 懸吊板
130a 懸吊板の第二表面
130b 懸吊板の第一表面
130c 凸部
130d 中心部
130e 外周部
130f 側面
131 外枠
131a 外枠の第二表面
131b 外枠の第一表面
131c 内側側面
132 フレーム
132a フレームの第二表面
132b フレームの第一表面
133 圧電セラミック板
134、151 導電ピン
135 空隙
136 接着層
141、142 絶縁片
15 導電片
16 集気板
16a 収容空間
160 表面
161 基準表面
162 集気チャンバ
163 第一貫通孔
164 第二貫通孔
165 第一圧力リリーフチャンバ
166 第一出口チャンバ
167 凸部構造
168 側壁
h 間隙