特許第6693977号(P6693977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6693977
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】密封接続装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/16 20060101AFI20200427BHJP
【FI】
   F16L23/16
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-3995(P2018-3995)
(22)【出願日】2018年1月15日
(65)【公開番号】特開2018-179288(P2018-179288A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2018年1月15日
(31)【優先権主張番号】201710258285.2
(32)【優先日】2017年4月19日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201710327590.2
(32)【優先日】2017年5月10日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201710403648.7
(32)【優先日】2017年6月1日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201710686197.2
(32)【優先日】2017年8月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518014841
【氏名又は名称】寧波天生密封件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】励 行根
【審査官】 西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許出願公開第00549422(FR,A1)
【文献】 実開昭52−167619(JP,U)
【文献】 米国特許第03809413(US,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0822219(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0095691(KR,A)
【文献】 実公昭16−016922(JP,Y1)
【文献】 米国特許第02443187(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 21/04
F16L 23/00 − 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポート部材、第2ポート部材、第1密封部材、第1締付け部材、及び、回転防止グロメットを備え、
前記第1ポート部材は第1接続端を有し、前記第1接続端には第1突縁が設けられ、前記第1突縁は、軸方向に間隔を置いて設けられる第1表面と第2表面を有し、
前記第2ポート部材は第2接続端を有し、前記第2接続端には第2突縁が設けられ、前記第2突縁は、軸方向に間隔を置いて設けられる第3表面と第4表面を有し、
組立状態において、前記第1接続端と前記第2接続端とは突合せ接続されて、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材の内部を流体連通させ、前記第1締付け部材は、前記第1密封部材を軸方向に沿って前記第1ポート部材の前記第1突縁の前記第2表面と前記第1締付け部材との間に押し付け、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材の内部を前記第1密封部材によって密封して外界と隔離し、
前記回転防止グロメットは、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材をそれぞれ位置制限して、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材が軸方向の周りに相対回転することを防止するために用いられ、前記第1接続端と前記第2接続端は、前記回転防止グロメットを介して突合せ接続され、
前記回転防止グロメットは、第1位置制限突起及び第2位置制限突起を有し、前記第1表面は第1位置制限溝を有し、前記第3表面は第2位置制限溝を有し、前記第1位置制限突起と前記第1位置制限溝の位置及び形状は対応し、前記第2位置制限突起と前記第2位置制限溝の位置及び形状は対応し、組立状態において、前記第1位置制限突起が前記第1位置制限溝に設けられ、前記第2位置制限突起が前記第2位置制限溝に設けられることを特徴とする密封接続装置。
【請求項2】
スリーブ、第2密封部材及び第2締付け部材をさらに備え、
立状態において、前記第1突縁の前記第1表面と前記第2突縁の前記第3表面は対向して設けられ、前記スリーブは軸方向に沿って前記第1突縁と前記第2突縁に外装され、前記第1締付け部材は、前記スリーブに固定接続され、前記第1密封部材を前記スリーブの内側円環面に当接させ、前記第2締付け部材は、前記スリーブに固定接続され、前記第2密封部材を軸方向に沿って前記第2突縁の前記第4表面と前記第2締付け部材との間に押し付け、前記第2密封部材を前記スリーブの前記内側円環面に当接させる、ことを特徴とする請求項1に記載の密封接続装置。
【請求項3】
前記第1締付け部材及び/又は前記第2締付け部材は、ボルトにより前記スリーブに固定接続され、或いは、前記第1締付け部材及び/又は前記第2締付け部材は、孔を有する締付けボルトであり、前記スリーブにネジ接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の密封接続装置。
【請求項4】
組立状態において、前記第1締付け部材と前記第1突縁の前記第2表面との間の前記第1密封部材は、軸方向に沿って内部媒体の圧力によりさらに圧縮することができる、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の密封接続装置。
【請求項5】
第1位置制限脚を備え、前記第1位置制限脚が前記第1締付け部材の第1内側部から突出し、前記第1締付け部材と前記第1突縁の前記第2表面との間には間隔距離があり、前記第1位置制限脚は、この間隔距離の最小値を制限するために用いられる、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の密封接続装置。
【請求項6】
前記第1締付け部材の第1内側部及び/又は前記第1突縁の前記第2表面は傾斜面を有し、前記第1密封部材は前記傾斜面に当接する、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の密封接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2017年4月19日に出願された「密封接続装置」を名称とする中国特許出願第201710258285.2号の優先権、2017年5月10日に出願された「密封接続装置」を名称とする中国特許出願第201710327590.2号の優先権、2017年6月1日に出願された「密封接続装置」を名称とする中国特許出願第201710403648.7の優先権、及び2017年8月11日に出願された「密封接続装置」を名称とする中国特許出願第201710686197.2号の優先権を主張し、前述の特許出願を参照により本願に援用する。
【0002】
本願は密封分野に関し、特に高温高圧、変温変圧の流体媒体のための管路及び機器の接続用密封接続装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの場合、気体又は液体などの流体媒体の移送管路及び貯蔵容器は、接続器により密封接続される必要がある。着脱可能なフランジ密封接続は、構造が簡単で操作が容易であるという利点を有するため、化学工業、エネルギー及び機械分野の管路や容器の密封接続に幅広く使用されている。従来のフランジ接続方式は、締結ボルトを使用して接続の必要がある2つのポートをフランジで接続する。フランジポートの密封面には密封部材が配置される。締結ボルトは、2つの端面を接続するとともに、密封部材をフランジの軸方向に沿って密封面に緊密に押し付ける。
【0004】
管路と貯蔵容器内の流体媒体の圧力が上昇すると、従来のフランジ接続された密封部材への力が低下して、密封部材が緩められる。この現象は、高圧高温の管路や容器の接続において特に顕著であり、その結果、フランジ接続の密封が困難になり、流体媒体が漏れる。取付時に、十分な密封のプリ圧力を保証するために、十分に大きな締結ボルトを使用する必要がある。大きなボルトの場合、それに対応してフランジの直径の増加を必要とする一方、同じ厚さの大直径のフランジは、十分な剛性を有していないという問題があるため、フランジの直径を増加させるとともに厚さを増加させる必要があるので、従来の高圧フランジ接続器の構造は非常に鈍重である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、密封性能の信頼性が高い密封接続装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
密封接続装置が提供される。この密封接続装置は、第1ポート部材、第2ポート部材、第1密封部材及び第1締付け部材を備え、
前記第1ポート部材は第1接続端を有し、前記第1接続端には第1突縁が設けられ、前記第1突縁は、軸方向に間隔を置いて設けられる第1表面と第2表面を有し、
前記第2ポート部材は第2接続端を有し、
組立状態において、前記第1接続端と前記第2接続端とは突合せ接続されて、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材の内部を流体連通させ、前記第1締付け部材は、前記第1密封部材を軸方向に沿って前記第1ポート部材の前記第1突縁の前記第2表面と前記第1締付け部材との間に押し付け、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材の内部を前記第1密封部材によって密封して外界と隔離する。
【0007】
好ましくは、更なる密封接続装置が提供される。この密封接続装置は、第1ポート部材、第2ポート部材、スリーブ、第1密封部材、第2密封部材、第1締付け部材及び第2締付け部材を備え、
前記第1ポート部材は第1接続端を有し、前記第1接続端には第1突縁が設けられ、前記第1突縁は、軸方向に間隔を置いて設けられる第1表面と第2表面を有し、
前記第2ポート部材は第2接続端を有し、前記第2接続端には第2突縁が設けられ、前記第2突縁は、軸方向に間隔を置いて設けられる第3表面と第4表面を有し、
組立状態において、前記第1接続端と前記第2接続端とは突合せ接続されて、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材との内部を連通させ、前記第1突縁の前記第1表面と前記第2突縁の前記第3表面は対向して設けられ、前記スリーブは軸方向に沿って前記第1突縁と前記第2突縁に外装され、前記第1締付け部材は、前記スリーブに固定接続され、前記第1密封部材を軸方向に沿って前記第1突縁の前記第2表面と前記第1締付け部材との間に押し付け、前記第1密封部材を前記スリーブの内側円環面に当接させ、前記第2締付け部材は、前記スリーブに固定接続され、前記第2密封部材を軸方向に沿って前記第2突縁の前記第4表面と前記第2締付け部材との間に押し付け、前記第2密封部材を前記スリーブの内側円環面に当接させて、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材を前記密封部材により密封して外界と隔離する。
【0008】
好ましくは、組立状態において、前記第1締付け部材と前記第1突縁の前記第2表面との間の前記第1密封部材は、軸方向に沿って内部媒体の圧力によりさらに圧縮することができ、及び/又は前記第2締付け部材と前記第2突縁の前記第4表面との間の前記第2密封部材は、軸方向にそって内部媒体の圧力によりさらに圧縮することができる。
【0009】
好ましくは、前記第1締付け部材及び/又は前記第2締付け部材は、ボルトにより前記スリーブに固定接続される。
【0010】
好ましくは、前記第1締付け部材及び/又は前記第2締付け部材は、孔を有する締付けボルトであり、前記スリーブにネジ接続される。
【0011】
好ましくは、前記第1ポート部材の前記第1接続端は、互いに接続される第1本体及び前記第1突縁を備える。前記第2ポート部材の前記第2接続端は、互いに接続される第2本体及び前記第2突縁を備える。前記組立状態において、前記スリーブは、前記第1突縁、前記第1本体、前記第2突縁及び前記第2本体を囲むように設けられ、前記第1締付け部材及び前記第2締付け部材に固定接続される。前記第1締付け部材は、前記第1突縁から離れる第1外側部、及び前記第1突縁に近接する第1内側部を備える。前記第1外側部は、前記スリーブに固定接続され、前記第1内側部は、前記第1本体と前記スリーブとの間に挿入する。前記第2締付け部材は、前記第2突縁から離れる第2外側部、及び前記第2突縁に近接する第2内側部を備える。前記第2外側部は、前記スリーブに固定接続され、前記第2内側部は、前記第2本体と前記スリーブとの間に挿入する。
【0012】
好ましくは、前記第1締付け部材は、前記第1内側部から突出する第1位置制限脚を備える。前記第1内側部と前記第1突縁の前記第2表面との間には間隔距離があり、前記第1位置制限脚は、この間隔距離の最小値を制限するために用いられる。
【0013】
好ましくは、前記第2締付け部材は、前記第2内側部から突出する第2位置制限脚を備える。前記第2内側部と前記第2突縁の前記第4表面との間には間隔距離があり、前記第2位置制限脚は、この間隔距離の最小値を制限するために用いられる。
【0014】
好ましくは、前記第1締付け部材の第1内側部及び/又は前記第1突縁の前記第2表面は傾斜面を有し、前記第1密封部材は前記傾斜面に当接する。
【0015】
好ましくは、前記第2締付け部材の第2内側部及び/又は前記第2突縁の前記第4表面は傾斜面を有し、前記第2密封部材は前記傾斜面に当接する。
【0016】
好ましくは、さらなる密封接続装置が提供される。この密封接続装置は、第1ポート部材、第2ポート部材、第1密封部材及び第1締付け部材を備える。前記第1ポート部材は第1接続端を有し、前記第1接続端には第1突縁が設けられ、前記第1突縁は、軸方向に間隔を置いて設けられる第1表面と第2表面を有する。前記第2ポート部材は第2接続端を有し、前記第2接続端は端面と内側円環面を有する。組立状態において、前記第1接続端と前記第2接続端は突合せ接続されて、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材の内部を連通させ、前記第1突縁の前記第1表面と前記第2接続端の前記端面は対向して設けられる。前記第1締付け部材は前記第2ポート部材に固定接続されて、前記第1密封部材を軸方向に沿って前記第1ポート部材の前記第1突縁の前記第2表面と前記第1締付け部材との間に押し付け、且つ前記第1密封部材を前記第2接続端の内側円環面に当接させて、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材を前記第1密封部材により密封して外界と隔離する。
【0017】
好ましくは、組立状態において、前記第1締付け部材と前記第1突縁の前記第2表面との間の前記第1密封部材は、軸方向に沿って内部媒体の圧力によりさらに圧縮することができる。
【0018】
好ましくは、前記第1締付け部材は、ボルトにより前記第2ポート部材に固定接続される。
【0019】
好ましくは、前記第1締付け部材は、孔を有する締付けボルトであり、前記第2ポート部材にネジ接続される。
【0020】
好ましくは、前記第1ポート部材の前記第1接続端は、互いに接続される第1本体及び前記第1突縁を備える。前記第2ポート部材の前記第2接続端は、互いに接続される第2本体及び固定部を備える。前記組立状態において、前記固定部は、前記第1突縁と前記第1本体を囲むように設けられ、前記第1締付け部材に固定接続される。前記第1締付け部材は、前記第1ポート部材から離れる第1外側部、及び前記第1ポート部材に近接する第1内側部を有する。前記第1外側部は前記固定部に固定接続され、前記第1内側部は前記第1本体と前記固定部との間に挿入する。
【0021】
好ましくは、前記第1締付け部材は、前記第2端から突出する位置制限脚を備える。前記第1締付け部材と前記第1突縁の前記第2表面との間には間隔距離があり、前記位置制限脚は、この間隔距離の最小値を制限するために用いられる。
【0022】
好ましくは、前記第1締付け部材の第1内側部は傾斜面を有し、前記第1密封部材は前記傾斜面に当接する。
【0023】
好ましくは、前記第1ポート部材の前記第1突縁の前記第2表面は傾斜面を有し、前記第1密封部材は前記傾斜面に当接する。
【0024】
好ましくは、前記第1締付け部材の前記第1内側部には接続機構があり、前記第1密封部材に固定接続されて、前記第1締付け部材と前記第1密封部材を完全な部品にする。
【0025】
好ましくは、前記第2締付け部材の前記第2内側部には接続機構があり、前記第2密封部材に固定接続されて、前記第2締付け部材と前記第2密封部材を完全な部品にする。
【0026】
好ましくは、前記第1締付け部材及び/又は前記第2締付け部材は、分解可能な複数のサブアセンブリを組み立てることによって形成される。
【0027】
好ましくは、前記第1密封部材と前記第2密封部材は、軟質金属、黒鉛、ポリマー又は複合材料填材であり、或いは、非金属のO形密封リング、金属のO形密封リング又はC形密封リングである。
【0028】
好ましくは、前記密封接続装置は弾性スペーサをさらに備える。組立状態において、前記第1接続端と前記第2接続端は、前記弾性スペーサを介して突合せ接続されて、前記第1ポート部材と前記第2ポート部材の内部を連通させる。前記第1突縁の前記第1表面と前記第2突縁の前記第3表面とは対向し、且つ前記弾性スペーサにより間隔を置いて設けられる。前記スリーブは、軸方向に沿って前記弾性スペーサ、前記第1突縁及び前記第2突縁に外装される。
【0029】
好ましくは、前記弾性スペーサは、環形又はC形であり、且つ一体構造であり、又は、複数の弾性サブアセンブリの組立によって形成されるものである。
【発明の効果】
【0030】
本願は、現在の高温高圧流体媒体管路や容器の密封接続装置について、内部媒体の圧力上昇又は温度変化による密封力の弛緩や漏れの問題に対して、密封接続装置を提案する。このような密封接続装置の特徴は、内部媒体の圧力が上昇するにつれて、密封部材に作用する密封力が増大し、締付け部材と第2ポート部材との間の固定接続、又は第1締付け部材、第2締付け部材とスリーブとの間の固定接続は、主に管路又は容器の内部の媒体の圧力に対抗するために用いられるため、固定接続に必要な荷重が大幅に低減されるとともに、サイズが小さくなる。それにより、接続器全体のサイズが小さくなり、重量が低減される。密封接続装置アセンブリは、高い媒体圧力下の密封力の弛緩を防止することができ、高温高圧管路及び/又は容器の密封接続に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、本願の技術的手段を明確にするために、実施例に必要な図面を簡単に説明する。当然のことながら、下記の説明における図面は本願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者として、創造的労働を要しないことを前提に、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0032】
図1図1は、密封接続装置の1つの実施例の立体構造模式図である。
図2図2は、図1の密封接続装置の実施例の断面構造模式図である。
図3図3は、密封接続装置の別の実施例の立体構造模式図である。
図4図4は、図3の密封接続装置の実施例の断面構造模式図である。
図5図5は、密封接続装置の別の実施例の断面構造模式図である。
図6図6は、ネジ接続を有する密封接続装置の1つの実施例の断面構造模式図である
図7図7は、ネジ接続を有する密封接続装置の別の実施例の断面構造模式図である
図8図8は、ネジ接続を有する密封接続装置の別の実施例の断面構造模式図である
図9図9は、位置制限脚を有する締付け部材の密封接続装置の1つの実施例の断面構造模式図である。
図10図10は、位置制限脚を有する締付け部材の実施例の立体構造模式図である。
図11図11は、位置制限脚を有する締付け部材の密封接続装置の別の実施例の断面構造模式図である。
図12図12は、位置制限脚を有する締付け部材の密封接続装置の別の実施例の断面構造模式図である。
図13図13は、傾斜面を有する締付け部材の密封接続装置の1つの実施例の断面構造模式図である。
図14図14は、図13中のA領域の拡大模式図である。
図15図15は、傾斜面を有する締付け部材の実施例の立体構造模式図である。
図16図16は、傾斜面を有する締付け部材の密封接続装置の別の実施例の断面構造模式図である。
図17図17は、傾斜面を有する締付け部材の密封接続装置の別の実施例の断面構造模式図である。
図18図18は、傾斜面を有する第1ポート部材の密封接続装置の実施例の断面構造模式図である。
図19図19は、図18中のB領域の拡大模式図である。
図20図20は、締付け部材と密封部材が1つの一体部品である密封接続装置の実施例の断面構造模式図である。
図21図21は、図20中のC領域の拡大模式図である。
図22図22は、サブアセンブリを有する締付け部材の実施例の立体構造模式図である。
図23図23は、密封接続装置の1つの実施例の断面構造模式図である。
図24図24は、回転防止グロメットの1つの実施例の立体構造模式図である。
図25図25は、第1ポート部材の1つの実施例の立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本願の技術的手段を明確にするために、添付の図面及び実施例を参照しながら、本願の技術的手段を詳細に説明する。具体的な実施例は本願を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0034】
本願は、接続の必要がある機器の間、例えば、管路と管路の間、管路と容器の間、又は容器と容器の間において、外部の密封接続及び内部の流体連通を実現するための密封接続装置を提供する。前記流体は、液体又は気体であってもよい。
【0035】
図1及び図2に示されるように、1つの実施例として、密封接続装置10は、第1ポート部材100、第2ポート部材200、第1密封部材400及び第1締付け部材300を備える。第1ポート部材100は第1接続端102を有し、第1接続端102には第1突縁110が設けられ、第1突縁110は、軸方向に間隔を置いて設けられる第1表面112と第2表面114を有する。第2ポート部材200は第2接続端202を有し、第2接続端202は端面222と内側円環面212を有する。第2接続端202は、第1接続端102と突合せ接続するために用いられる。
【0036】
密封接続装置10は軸方向と径方向を有し、軸方向は、第1ポート部材100から第2ポート部材200へ延伸する方向であり、径方向は軸方向と略直交する。
【0037】
密封接続装置10は着脱可能な構造であり、組立状態において、第1接続端102と第2接続端202は突合せ接続されて、第1ポート部材100と第2ポート部材200の内部を流体連通させる。第1突縁110の第1表面112は、第2接続端202の端面222と対向して設けるために用いられる。第1締付け部材300は、第2ポート部材200に固定接続され、第1密封部材400を軸方向に沿って第1ポート部材100の第1突縁110の第2表面114と第1締付け部材300との間に押し付け、第1密封部材400を第2接続端202の内側円環面212に当接させ、第1ポート部材100と第2ポート部材200の内部を第1密封部材400により密封し外界と隔離する。
【0038】
第1締付け部材300は、第1ポート部材100に固定されない。第1締付け部材300と第2ポート部材200との間の固定接続の主な作用は、第1密封部材400に十分に大きな力を加えることでなく、単に管路又は容器の内部の流体媒体の圧力と対抗することである。そのため、第1締付け部材300と第2ポート部材200との間の固定接続に必要な荷重が大幅に低減されるとともに、第1ポート部材100、第2ポート部材200及び第1締付け部材300のサイズが小さくなる。それにより、密封接続装置10全体のサイズが小さくなり、重量が低減される。図2に示されるように、接続装置の内部媒体の圧力が上昇すると、上昇した媒体の圧力は、第1ポート部材100及び第1締付け部材300を介して第1密封部材400に作用して、第1密封部材400に作用された力は内部媒体の圧力の上昇に連れて上昇する。そのため、密封接続装置10は、媒体の高圧力下での密封力の弛緩を防止することができ、高温高圧管路及び/又は容器の密封接続に適用することができる。一方、従来のフランジ接続は、内部媒体の圧力が上昇すると、密封部材に作用される力が低下する。
【0039】
組立状態において、第1密封部材400は、軸方向に沿った力を受けて初期密封を実現する。第1締付け部材300と第1ポート部材100の第1突縁110との間には、第1密封部材400を収容するための間隔区域がある。幾つかの実施例、例えば、図1及び図2の実施例では、第1締付け部材300と第1突縁110を完全に離間することができる。接続された機器内の媒体の圧力が上昇すると、媒体の圧力は、第1ポート部材100の第1突縁110の第2表面114を介して第1密封部材400に作用することができる。それにより、第1密封部材400への密封力は媒体圧力の上昇に伴って上昇して、第1密封部材400は軸方向に沿ってさらに圧縮されることによって、媒体の高圧力下での第1密封部材400へのストレスの弛緩を防止して、自己締め付けの密封方式が形成される。幾つかの他の実施例では、第1締付け部材300と第1突縁110とは第1密封部材400によって完全に離間されなくてもよい。間隔を形成して第1密封部材400を収容し圧縮して密封を実現するとともに、第1締付け部材300の一部は第1突縁110の表面と互いに接触して支持を形成する。
【0040】
具体的には、第1ポート部材100は、接続の必要がある機器、例えば管路又は容器に取り付けられるための第1取付端106を有する。第1ポート部材100は、一体成形された管材又は環状部材であってもよく、第1取付端106から第1接続端102に延伸する第1貫通孔104を有する。第2ポート部材200は、接続の必要がある他の機器、例えば管路又は容器に取り付けられるための第2取付端206を有する。第2ポート部材200は、一体成形された管材又は環状部材であってもよく、第2取付端206から第2接続端202に延伸する第2貫通孔204を有する。組立状態において、第1貫通孔104と第2貫通孔204は連通し、接続の必要がある2つの機器の間の流体媒体を連通させる。第1接続端102の第1表面112と第2接続端202の端面222との間には隙間があり、この隙間は、内部の第1貫通孔104及び第2貫通孔204と連通するため、それを外界と隔離するように密封する必要がある。隙間は、対向する外側エッジ12と内側エッジを有し、外側エッジ12は密封接続装置10の外側により近接する。
【0041】
第1接続端102と第2接続端202は直接当接し接触してもよい。第2接続端202の端面222と第1接続端102の第1表面112は接続表面領域で接触し、接続表面領域は端面222と第1表面112に限定されている。第1貫通孔104と第2貫通孔204に近接する接続表面領域のエッジは内側エッジであり、外部に近接するエッジは外側エッジ12であり、外側エッジ12は環状である。別の実施例では、第1接続端102と第2接続端202は他の部品によって離間されてもよい。
【0042】
第1密封部材400は環状部材であり、第1締付け部材300によって内側円環面212に押し付けられて密接されると同時に、外側エッジ12に密接される。それにより、密封が形成されて、第1貫通孔104と第2貫通孔204が外界と隔離される。第1密封部材400の材料は、具体的な状況に応じて選択されてもよく、例えば、軟質金属、黒鉛、ポリマー又は複合材料などであってもよい。第1密封部材400は、非金属のO形密封リング、金属のO形密封リング又は金属のC形密封リングであってもよい。
【0043】
第1ポート部材100において、好ましくは、第1接続端102は、互いに接続される第1本体120及び第1突縁110を備える。第1突縁110は環状構造である。第1突縁110は、第1本体120の周りに設けられ、第1本体120から第1ポート部材100の側方向に突出し、実質的に軸方向と直交する平面に沿って延伸する。1つの実施例において、第1表面112と第2表面114は実質的に平行する。
【0044】
第2ポート部材200において、好ましくは、第2接続端202は、互いに接続される第2本体220及び固定部216を備える。固定部216は、第2本体220の端部から突出して、段差状の構造を形成する。第2本体220は、第1突縁110と接続するために用いられる。好ましくは、組立状態において、第2本体220は、第1突縁110の第1表面112に当接し接触する。固定部216は、第1締付け部材300に固定接続するために用いられ、環状の構造である。組立状態において、第1接続端102は固定部216に挿入し、固定部216は第1突縁110の周りに設けられ、固定部216の内径と第1突縁110の外径は互いに適合することによって、第1突縁110は軸方向において移動することができる。1つの実施例において、固定部216は内側円環面212を有し、内側円環面212は第1密封部材400に当接する。
【0045】
固定部216はさらに第1本体120の周りに設けられ、第1本体120に対して径方向(即ち、軸方向と直交し、1つの実施例において第1貫通孔104の延伸方向と直交する)に第1距離Iの間隔を置いて設けられる。
【0046】
第1締付け部材300は一体の環状部材であってもよい。組立状態において、第1締付け部材300は、第1ポート部材100に外装されて、第1ポート部材100と第2ポート部材200を接続し、第1ポート部材100の位置を径方向に制限する。1つの実施例において、第1締付け部材300は、第1本体120と固定部216の間に挿入することができる。例えば、挿入部分は、径方向において第1距離Iと略等しいサイズを有し、第1本体120と固定部216の間のサイズに適合する。本実施例では、軸方向(即ち、第1貫通孔104の延伸方向)において、第1締付け部材300と第1ポート部材100は相対移動することができ、それにより、内部圧力が上昇すると、第1ポート部材100により第1密封部材400に加えられる力が上昇する。1つの実施例において、第1締付け部材300は、第1接続端102から離れる第1外側部302、及び第1接続端102に近接する第1内側部304を備え、第1外側部302は第2ポート部材200に固定接続され、第1内側部304は第1本体120と固定部216の間に挿入する。第1内側部304は、第1本体120と固定部216の間に適合するサイズを有してもよい。組立状態において、第1締付け部材300と第1突縁110は軸方向に第2距離IIの間隔を有する。好ましくは、第2距離IIは、圧縮されていないときの第1密封部材400のサイズより小さく、それにより、第1密封部材400は圧縮状態になる。第1締付け部材300と第2ポート部材200は、固定部材500により接続されてもよく、例えば、ネジ又はボルトにより接続されてもよい。それに対応して、第1締付け部材300の第1外側部302は、固定部材500が貫通するための貫通孔を有し、第2ポート部材200の固定部216は、固定部材500、例えば、ボルトに接続するためのネジ孔を有する。
【0047】
通径が45mm、媒体圧力が42MPaである従来のフランジ接続器のサイズは、フランジ直径が205mmであり、総厚さが120mmであり、締結ボルトがM30X4であり、総重量が約18kgである。本実施例の密封接続装置10の具体的な例では、最大直径は115mmであり、総厚さは59mmであり、締結ボルトはM8X8であり、総重量は3.5kgである。従来の技術案と比較して、サイズは約半分に減少し、重量は1/5にまで減少した。
図3及び図4に示されるように、別の実施例として、密封接続装置10’は、第1ポート部材100、第2ポート部材200、スリーブ600、第1密封部材400、第2密封部材410、第1締付け部材300及び第2締付け部材340を備える。第1ポート部材100は第1接続端102を有し、第1接続端102には第1突縁110が設けられ、第1突縁110は、軸方向に間隔を置いて設けられる第1表面112と第2表面114を有する。第2ポート部材200は第2接続端202を有し、第2接続端202には第2突縁210が設けられ、前記第2突縁210は、軸方向に間隔を置いて設けられる第3表面212と第4表面214を有する。第2接続端202は、第1接続端102と突合せ接続するために用いられる。
【0048】
密封接続装置10’は着脱可能な構造であり、組立状態において、第1接続端102と第2接続端202は突合せ接続されて、第1ポート部材100と第2ポート部材200の内部を流体連通させる。第1突縁110の第1表面112は、第2突縁210の第3表面212と対向して設けるために用いられる。スリーブ600は、軸方向に沿って第1突縁110と第2突縁210に外装される。第1締付け部材300はスリーブ600に固定接続されて、第1密封部材400を軸方向に沿って第1ポート部材100の第1突縁110の第2表面114と第1締付け部材300との間に押し付け、第1密封部材400をスリーブ600の内側円環面602に当接させる。第2締付け部材340はスリーブ600に固定接続されて、第2密封部材410を軸方向に沿って第2ポート部材200の第2突縁210の第4表面214と第2締付け部材340との間に押し付け、第2密封部材410をスリーブ600の内側円環面602に当接させて、第1ポート部材100と第2ポート部材200の内部を第1密封部材400と第2密封部材410により密封して外界と隔離する。
【0049】
第1締付け部材300は、第1ポート部材100に固定されない。第2締付け部材340は、第2ポート部材200に固定されない。第1締付け部材300及び第2締付け部材340とスリーブ600との間の固定接続の主な作用は、第1密封部材400と第2密封部材410に十分に大きな力を加えることでなく、単に管路又は容器の内部の流体媒体の圧力と対抗することである。そのため、第1締付け部材300及び第2締付け部材340とスリーブ600との間の固定接続に必要な荷重が大幅に低減されるとともに、サイズが小さくなる。それにより、密封接続装置10’全体のサイズが小さくなり、重量が低減される。図4に示されるように、接続装置10’の内部媒体の圧力が上昇すると、上昇した媒体の圧力は、第1ポート部材100及び第1締付け部材300を介して第1密封部材400に作用し、第2ポート部材200及び第2締付け部材340を介して第2密封部材410に作用して、第1及び第2の密封部材400、410に作用された力は内部媒体の圧力の上昇に連れて上昇する。そのため、密封接続装置10’は、媒体の高圧力下での密封力の弛緩を防止することができ、高温高圧管路及び/又は容器の密封接続に適用することができる。一方、従来のフランジ接続は、内部媒体の圧力が上昇すると、密封部材に作用される力が低下する。
【0050】
組立状態において、第1と第2の密封部材400、410は、軸方向に沿った力を受けて初期密封を実現する。第1締付け部材300と第1ポート部材100の第1突縁110との間には、第1密封部材400を収容するための間隔区域がある。第2締付け部材340と第2ポート部材200の第2突縁210との間には、第2密封部材410を収容するための間隔区域がある。幾つかの実施例、例えば、図3及び図4の実施例では、第1締付け部材300と第1突縁110を完全に離間することができ、第2締付け部材340と第2突縁210を完全に離間することができる。接続された機器内の媒体の圧力が上昇すると、媒体の圧力は、第1ポート部材100の第1突縁110の第2表面114を介して第1密封部材400に作用し、第2ポート部材200の第2突縁210の第4表面214を介して第2密封部材410に作用することができる。それにより、第1密封部材400と第2密封部材410への密封力は媒体の圧力の上昇に伴って上昇して、第1密封部材400と第2密封部材410は軸方向に沿ってさらに圧縮されることによって、媒体の高圧力下での第1密封部材400と第2密封部材410へのストレスの弛緩を防止して、自己締め付けの密封方式が形成される。
【0051】
第1接続端102の第1表面112と第2接続端202の第3表面212との間には隙間があり、この隙間は、内部の第1貫通孔104及び第2貫通孔204と連通するため、それを外界と隔離するように密封する必要がある。
【0052】
第1と第2の密封部材400、410は環状部材であり、第1と第2の第1締付け部材300、340によってそれぞれ第2表面114と第4表面214に押し付けられ且つ内側円環面602に密接される。それにより、第1ポート部材100と第2ポート部材200の間に密封を形成されて、第1貫通孔104と第2貫通孔204を外界と隔離する。第1と第2の密封部材400、410の材料は、具体的な状況に応じて選択されてもよく、例えば、軟質金属、黒鉛、ポリマー又は複合材料などであってもよい。第1と第2の密封部材400、410は、非金属のO形密封リング、金属のO形密封リング又は金属のC形密封リングであってもよい。
【0053】
第1ポート部材100において、好ましくは、第1接続端102は、互いに接続される第1本体120及び第1突縁110を備える。第1突縁110は環状構造である。第1突縁110は、第1本体120の周りに設けられ、第1本体120から第1ポート部材100の側方向に突出し、実質的に軸方向と直交する平面に沿って延伸する。1つの実施例において、第1表面112と第2表面114は実質的に平行する。
【0054】
第2ポート部材200において、好ましくは、第2接続端202は、互いに接続される第2本体220及び第2突縁210を備える。第2突縁210は環状構造である。第2突縁210は、第2本体220の周りに設けられ、第2本体220から第2ポート部材200の側方向に突出し、実質的に軸方向と直交する平面に沿って延伸する。1つの実施例において、第3表面212と第4表面214は実質的に平行する。
【0055】
スリーブ600は環状構造であり、内側円環面602を備える。組立状態において、スリーブ600は、軸方向に沿って第1突縁110及び第2突縁210に外装され、スリーブ600の内径は、第1突縁110及び第2突縁210の外径と互いに適合することによって、第1突縁110及び第2突縁210は軸方向において移動することができる。スリーブ600は、第1締付け部材300と第2締付け部材340に固定接続するために用いられる。同じ内側円環面602は、第1及び第2の密封部材400、410と同時に接触する。
【0056】
スリーブ600はさらに一部の第1本体120及び第2本体220に外装され、第1本体120及び第2本体220に対して径方向(即ち、軸方向と直交し、1つの実施例において第1貫通孔104及び第2貫通孔204の延伸方向と直交する)にそれぞれ第1距離Iの間隔を置いて設けられる。
【0057】
第1締付け部材300と第2締付け部材340はそれぞれ一体の環状部材であってもよい。組立状態において、第1締付け部材300は、第1ポート部材100に外装される。第1締付け部材300がスリーブ600に固定接続されることによって、第1ポート部材100の位置が径方向に制限される。第2締付け部材340は、第2ポート部材200に外装される。第2締付け部材340がスリーブ600に固定接続されることによって、第2ポート部材200の位置が径方向に制限される。1つの実施例において、第1締付け部材300は、第1本体120とスリーブ600との間に挿入することができ、第2締付け部材340は、第2本体220とスリーブ600との間に挿入することができる。例えば、第1締付け部材300と第2締付け部材340の挿入部分はそれぞれ、径方向において第1距離Iと略等しいサイズを有する。本実施例では、軸方向(例えば、第1貫通孔104と第2貫通孔204の延伸方向)において、第1締付け部材300と第1ポート部材100は相対移動することができ、それにより、内部流体の圧力が上昇すると、第1ポート部材100により第1密封部材400に加えられる力が上昇する。第2締付け部材340と第2ポート部材200は相対移動することができ、それにより、内部流体の圧力が上昇すると、第2ポート部材200により第2密封部材410に加えられる力が上昇する。
【0058】
1つの実施例において、第1締付け部材300は、第1接続端102から離れる第1外側部302、及び第1接続端102に近接する第1内側部304を備え、第2締付け部材340は、第2接続端202から離れる第2外側部342、及び第2接続端202に近接する第2内側部344を備える。第1外側部302と第2外側部342はそれぞれスリーブ600の両端に固定接続され、第1内側部304は第1本体120とスリーブ600との間に挿入し、第2内側部344は第2本体220とスリーブ600との間に挿入する。第1内側部304は、第1本体120とスリーブ600の間に適合するサイズを有してもよい。第2内側部344は、第2本体220とスリーブ600の間に適合するサイズを有してもよい。組立状態において、第1締付け部材300と第1突縁110は軸方向に第2距離IIの間隔を有し、第2締付け部材340と第2突縁210は軸方向に第2距離IIの間隔を有する。好ましくは、第2距離IIは、圧縮されていないときの第1、第2の密封部材400、410のサイズよりそれぞれ小さく、それにより、第1、第2の密封部材400、410は圧縮状態になる。第1、第2の第1締付け部材300、340はスリーブ600に、それぞれ第1固定部材500と第2固定部材510により接続されてもよく、例えば、ネジ又はボルトにより接続されてもよい。それに対応して、第1締付け部材300の第1外側部302と第2締付け部材340の第2外側部342は、第1固定部材500と第2固定部材510が貫通するための貫通孔を有し、スリーブ600は、第1固定部材500と第2固定部材510、例えば、ボルトに接続するためのネジ孔を有する。
【0059】
スリーブ600は、従来のフランジ間の面接続の方式を、第1締付け部材300、第2締付け部材340の各々とスリーブ600との体接続の方式に変更して、密封接続装置10’の一体性を大きく改善し、耐ねじり、耐屈曲、耐振動の能力を向上させ、強力な振動環境における密封接続に特に適する。
【0060】
本実施例の密封接続装置10’の具体的な例では、最大直径は115mmであり、総厚さは80mmであり、締結ボルトはM8X8であり、総重量は4.5kgである。従来の技術案と比較して、サイズは約半分に減少し、重量は、1/4にまで減少した。
【0061】
図5に示されるように、1つの実施例として、密封接続装置10’’は、上述した密封接続装置10’と実質的に同じであり、相違は、弾性スペーサ700をさらに備えることだけである。組立状態において、弾性スペーサ700は、第1接続端102と第2接続端202との間に設けられ、第1接続端102と第2接続端202は、弾性スペーサ700を介して突合せ接続されて、第1ポート部材100と第2ポート部材200の内部を連通させ、スリーブ600は軸方向に沿って弾性スペーサ700、第1突縁110及び第2突縁210に外装される。
【0062】
第1密封部材400及び第2密封部材410が受ける力は、接続する機器内の媒体の圧力によって生じられる自己締め付け力、及び弾性スペーサ700によって生じられる弾力に由来し、この2つの力は互いに反比例する。即ち、媒体の圧力が上昇すると、第1、第2ポート部材100、200の間の距離は増加するため、弾性スペーサ700によって生じられる弾力は小さくなる。逆の場合でも同様である。従って、適切な弾性率を有する弾性スペーサ700を選択することにより、第1、第2密封部材400、410に作用される力を実質的に一定の力にすることができ、密封接続装置10’’の密封信頼性を向上させることができる。
【0063】
弾性スペーサ700を、具体的に、第1接続端102の第1表面112と第2接続端202の第3表面212との間に設けることができる。第1接続端102の第1表面112と第2接続端202の第3表面212はそれぞれ弾性スペーサ700と接触する。弾性スペーサ700は、第1貫通孔104及び第2貫通孔204とそれぞれ連通する貫通孔を有し、具体的には、環状部材又はC形断面部材である。環状又はC形断面の弾性スペーサ700は一体構造であってもよく、複数の弾性サブアセンブリの組立によって形成されるものであってもよい。弾性スペーサ700は外力により圧縮されて弾性変形することができる。調整可能で圧縮可能な弾性スペーサ700の存在により、密封接続装置10’’の取付及び分解がさらに容易になり、各部材の適合精度に対する要求を低減することもできる。例えば、現場で、第1ポート部材100と第2ポート部材200との間の距離を調整せずに、第1ポート部材100と第2ポート部材200との間の距離に適合するように、第1ポート部材100と第2ポート部材200との間の距離に応じて、異なる厚さの弾性スペーサ700を選択し、又は、複数の弾性スペーサ700を重ねて配置することができる。それにより、現場での取付及び分解の作業の利便性が大きく向上する。
【0064】
組立状態において、好ましくは、スリーブ600の内径も弾性スペーサ700の外径に適合し、弾性スペーサ700の内径は第1貫通孔104及び第2貫通孔204の直径と等しい。
【0065】
サイズと重量を低減するために、小さい通径(内径≦26mm)の密封接続装置10、10’、10’’に対して、ねじ山を有する締付け部材によって第1ポート部材100と第2ポート部材200の接続を実現する。例えば、第1締付け部材300及び/又は第2締付け部材340は、孔を有する締付けボルトであってもよい。
【0066】
図6に示されるように、密封接続装置10の1つの実施例において、第1締付け部材300は、第1本体120と固定部216との間に挿入し、第1内側部304の固定部216と相互接触する表面は、係合用のねじ山310を有する。他の実施例では、第1締付け部材300は、固定部216の外側(図示せず)の周りに設けられてもよく、固定部216と相互接触する表面に、係合用のねじ山310を有することが分かる。ねじ山310により接続された第1締付け部材300と第2ポート部材200を固定部材500により接続する必要がないため、密封接続装置10は比較的小さいサイズと重量を有する。
【0067】
図7及び図8に示されるように、密封接続装置10’と10’’の1つの実施例において、第1締付け部材300及び/又は第2締付け部材340はスリーブ600とねじ山310によって接続されてもよい。好ましくは、第1締付け部材300の第1内側部304及び/又は第2締付け部材340の第2内側部344はスリーブ600と相互接触する表面に、係合用のねじ山310を有する。ねじ山310により接続された第1締付け部材300及び/又は第2締付け部材340とスリーブ600を固定部材500によって接続する必要がないため、密封接続装置10’と10’’は比較的小さいサイズと重量を有する。
【0068】
図9〜12に示されるように、1つの実施例では、管路及び/又は容器内の媒体の温度及び/又は圧力は、不安定でよく変化する可能性がある。第1締付け部材300及び/又は第2締付け部材340は位置制限脚320を備えてもよい。第1締付け部材300の位置制限脚320は第1内側部304から突出し、第2締付け部材340の位置制限脚320は第2内側部344から突出する。組立後の初期密封状態では、第1密封部材400は、第1締付け部材300によって初期変形に圧縮され、初期密封を形成する。実際の使用状況に応じて、位置制限脚320と第1突縁110は、当接するように設けられ又は間隔を置いて設けられてもよい。組立後の初期密封状態では、位置制限脚320と第1突縁110との間に間隔がある場合、内部媒体の圧力が上昇すると、媒体の圧力は第1突縁110を介して第1密封部材400に作用して、第1密封部材400への力は増加し、位置制限脚320と第1突縁110の第2表面114との間の隙間はゼロまで減少される。このとき、媒体の圧力が上昇し続けても、第1密封部材400の変形は実質的に変化しない。位置制限脚320の存在のため、第1密封部材400の最大変形量は実質的に固定され、過度の変形が回避される。位置制限脚320が第1突縁110の第2表面114に当接した後、第1密封部材400が受ける力は実質的に変化せず、内部圧力の上昇又は頻繁な激しい変化による第1密封部材400の過度の変形及び緩みの現象を回避する。第1密封部材400は依然として第1締付け部材300によって圧縮されているため、第1ポート部材100と第2ポート部材200が軸方向に僅かに移動しても、密封効果は影響されない。従来のフランジ接続と比較して、高圧、超高圧条件下での固定部材500及び接続装置10全体の抗変形剛性に対する要求が低減される。そのため、接続装置全体のサイズが比較的小さくなり、重量が低減される。第2密封部材410、第2締付け部材340の位置制限脚320についても同じ配置方式及び作用があり、ここでは詳述しない。第1、第2締付け部材300、340の位置制限脚320は、第1内側部304と第1突縁110の第2表面114との間の間隔距離の最小値、及び第2内側部344と第2突縁210の第4表面214との間の間隔距離の最小値をそれぞれ制限する。
【0069】
図13〜15に示されるように、1つの実施例において、第1締付け部材300の第1内側部304は傾斜面306と平面308を有する。傾斜面306と第1突縁110との間の間隔には第1密封部材400が設けられる。平面308が第1突縁110と離間されると、第1密封部材400に作用される力は媒体の圧力の上昇に伴って上昇して、第1密封部材400は軸方向に沿ってさらに圧縮され、自己締め付けの密封方式が形成される。初期の組立状態で平面308が第1突縁110に当接する場合、第1密封部材400が受ける力は実質的に変化せず、内部圧力の上昇又は頻繁に激しい変化による第1密封部材400への力の変化を回避することができ、第1密封部材400の緩みの現象を回避することができる。
【0070】
図16〜17に示されるように、第2締付け部材340の第2内側部344は傾斜面346と平面348を有してもよく、上述した第1内側部304の傾斜面306及び平面308と同じ配置方式及び作用を有し、ここでは詳述しない。
【0071】
図18〜19に示されるように、1つの実施例において、第1突縁110の第2表面114は傾斜面1142と平面1144を有し、平面1144と第1締付け部材300の第1内側部304とは互いに離間され又は当接されてもよい。傾斜面1142と第1締付け部材300の第1内側部304との間の間隔には第1密封部材400が設けられる。
【0072】
同様に、第2突縁210の第4表面214も傾斜面と平面を有してもよく、傾斜面と第2締付け部材340の第2内側部344との間の間隔には第2密封部材410が設けられる。
【0073】
上述した図13〜19の実施例によれば、部品の加工精度や組立の難易度を低減して、簡単で効果的且つ確実な密封を得ることができる。
【0074】
1つの実施例では、第1締付け部材300と第1密封部材400を固定接続し一体的な部品を形成することによって、第1密封部材400と第1締付け部材300を同時に着脱することができ、着脱の利便性が向上する。第1締付け部材300の第1内側部304は接続機構、例えば取付溝330を有してもよく、第1密封部材400は取付溝330内に係止されて、第1内側部304に固定接続される。
【0075】
同様に、第2締付け部材340と第2密封部材410を同じ方式で固定接続して、一体的な部品を形成することもできる。
【0076】
図20〜21に示されるように、1つの実施例において、第1突縁110は傾斜面1142を有する。組立状態において、第1締付け部材300の第1内側部304と第1突縁110の平面1144とは互いに離間され又は当接されてもよい。第1締付け部材300の第1内側部304に接続された第1密封部材400は、第1突縁110の傾斜面1142により広げられる。同様に、第2突縁210も傾斜面を有してもよい。
【0077】
図22に示されるように、密封接続装置10、10’、10’’の着脱の利便性を向上させるために、1つの実施例において、第1締付け部材300及び/又は第2締付け部材340は区分構造であり、複数のサブアセンブリ360を含む。該複数のサブアセンブリ360を組み立て、他の実施例における完全な環状構造の第1、第2締付け部材300、340を形成することができる。
【0078】
図23に示されるように、本願の別の実施例は密封接続装置10’’’を提供する。密封接続装置10’’’は、上述した実施例の密封接続装置10’と実質的に同じであり、相違は、密封接続装置10’’’が回転防止グロメット800をさらに備え、第2ポート部材200の第2接続端202と第1ポート部材100の第1接続端102が回転防止グロメット800を介して突合せ接続されることである。回転防止グロメット800は、第1ポート部材100と第2ポート部材200の位置をそれぞれ制限し、第1ポート部材100と第2ポート部材200が軸方向の周りに相対回転することを防止して、接続された機器の相対回転が発生することを回避し、密封接続装置の密封性能を向上させるために用いられ、接続された2つの機器の1つが自由に回転してしまう状況に特に適する。
【0079】
組立状態において、回転防止グロメット800は、第1接続端102と第2接続端202の間に設けられ、第1ポート部材100と第2ポート部材200の内部を連通させる。スリーブ600は、軸方向に沿って回転防止グロメット800、第1突縁110及び第2突縁210に外装させる。回転防止グロメット800を、具体的に、第1接続端102の第1表面112と第2接続端202の第3表面212との間に設けることができる。
【0080】
図24及び図25に示されるように、回転防止グロメット800は、軸方向に沿った対向する表面810を有し、それぞれ第1接続端102の第1表面112及び第2接続端202の第3表面212と接触する。第1接続端102の第1表面112と接触する回転防止グロメット800の表面810は第1位置制限突起820を有し、第1表面112は第1位置制限溝116を有し、第1位置制限突起820と第1位置制限溝116の位置及び形状は対応する。組立状態において、第1位置制限突起820は、第1位置制限溝116内に配置され、第1接続端102が回転防止グロメット800に対して軸方向の周りに相対回転することを制限できる。第2接続端202の第3表面212と接触する回転防止グロメット800の表面810は第2位置制限突起822を有し、第3表面212は第2位置制限溝216を有し、第2位置制限突起822と第2位置制限溝216の位置及び形状は対応する。組立状態において、第2位置制限突起822は、第2位置制限溝216内に配置され、第2接続端202が回転防止グロメット800に対して軸方向の周りに相対回転することを制限できる。従って、回転防止グロメット800によって第1接続端102と第2接続端202が軸方向の周りに相対回転することを防止する。
【0081】
接続の必要がある2つの機器の1つが固定せずに自由に回転してしまう状況、例えば、管路と管路の間、管路と容器の間、又は容器と容器の間の接続において、接続された機器は人為的に回転され、又は機器構造の原因で接続装置にねじり力が発生する状況で、回転防止グロメットがないと、このねじり力による回転は、接続装置の密封面を密封部材400、410に対して相対回転させ、密封部材を損傷させる可能性がある。回転防止グロメット800を設けることによって、接続された機器の相対回転が発生することを回避し、密封接続装置10の密封性能を向上させることができ、接続された2つの機器の1つが自由に回転してしまう状況に特に適する。
【0082】
回転防止グロメット800は、第1貫通孔104及び第2貫通孔204とそれぞれ連通する貫通孔830を有する。好ましくは、スリーブ600の内径も回転防止グロメット800の外径に適合し、回転防止グロメット800の内径は第1貫通孔104及び第2貫通孔204の直径と等しい。
【0083】
従来のフランジ接続方式と比較して、本発明の実施例では、密封部材に作用される締付け力は、高圧下で主に内部媒体の圧力自体に由来し、又は固定値であり、媒体の圧力変化に伴って変化しないので、第1締付け部材と第2ポート部材との間の固定接続、又は第1、第2締付け部材とスリーブとの間の固定接続の主な作用は、密封部材に対して十分な力を与えることでなく、単に管路又は容器の内部媒体の圧力と対抗することである。そのため、接続部材への荷重が大幅に低減されるとともに、サイズが小さくなる。それにより、接続器全体のサイズが小さくなり、重量が低減される。アルミニウム合金の弾性率は鋼の約1/3であるため、アルミニウムを使用した接続装置については、その体積減少、重量低減の効果が特に顕著である。本発明の実施例は、従来のフランジ接続における内部媒体の圧力の上昇により生じる密封部材の応力弛緩の問題を徹底的に解決し、高圧、超高圧下で確実な密封接続を実現することができる。締付け部材の内側部と突縁との間の第2距離が最小値を有するという接続方式によれば、温度、圧力の変化による密封部材の過度圧縮後に生じる媒体漏れの問題を効果的に解決することができる。
【0084】
このような密封接続装置は、特に高圧・高温媒体、変温・変圧媒体用の管路及び容器の間の密封接続の分野、例えば航空や深海の分野に適する。
【0085】
以上の前記実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、記述を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴のすべての可能な組合せを記述していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記載されている範囲に属すると考えられる。
【0086】
以上の実施例は本発明の幾つかの実施形態のみを詳細且つ具体的に示しているが、本発明の保護範囲を限定するものではないと理解すべきである。当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱しない前提で、幾つかの変形や改善を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属するべきであると理解しなければならない。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に指定された内容を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図11
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図22
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