特許第6694023号(P6694023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694023
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】電気自動車
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20200427BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20200427BHJP
【FI】
   B62D25/20 E
   B60K1/04 Z
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-154040(P2018-154040)
(22)【出願日】2018年8月20日
(65)【公開番号】特開2019-48622(P2019-48622A)
(43)【公開日】2019年3月28日
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】10 2017 119 132.1
(32)【優先日】2017年8月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム カピッヒ
【審査官】 梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−344955(JP,A)
【文献】 特開2014−031168(JP,A)
【文献】 特開2005−225451(JP,A)
【文献】 特開2013−216183(JP,A)
【文献】 特開平7−156826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/20
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車であって、電気自動車の車体構造(20)のフロアアセンブリ(21)であって、少なくとも、
側部長手方向キャリア(24、25)と、
前部および後部クロスメンバ(26、27)と、
前記側部長手方向キャリア(24、25)と前記前部および後部クロスメンバ(26、27)との間に少なくとも部分的に延びる車両アンダートレイ(30)と、
前記車両アンダートレイ(30)の上方で、前記側部長手方向キャリア(24、25)と前記前部および後部クロスメンバ(26、27)との間に少なくとも部分的に延びる乗員室フロア(31)とを備え、
専用空間(32)が、前記フロアアセンブリ(21)の後部区域内で前記乗員室フロア(31)と前記車両アンダートレイ(30)との間に構成され、前記後部区域内で、前記乗員室フロア(31)の上方で前記乗員室フロア(31)に後部座席(13)が取り付けられた、フロアアセンブリ(21)と、
前記電気自動車の車輪を駆動するための少なくとも1つの電気機械(16)と、
前記電気機械(16)のための駆動エネルギーを提供し、前記車体構造(20)の前記フロアアセンブリ(21)の下に配置され、前記フロアアセンブリ(21)に取り付けられたトラクションバッテリ(17)と
を備える電気自動車において、
前記後部クロスメンバ(27)は、前記乗員室フロア(31)から前記車両アンダートレイ(30)の領域内まで延び、前記専用空間(32)を後端部で閉じ、
前記トラクションバッテリ(17)が、前記側部長手方向キャリア(24、25)と、前記前部および後部クロスメンバ(26、27)とに取り付けられ、周方向でシールされている
ことを特徴とする電気自動車。
【請求項2】
前記フロアアセンブリ(21)の前記後部クロスメンバ(27)が、前記電気自動車の後輪(15)を駆動する働きをする少なくとも1つの電気機械(16)のためのアセンブリ支持部として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車。
【請求項3】
少なくとも1つの支持アーム(39)、第1の端部で前記後部クロスメンバ(27)に取り付けられ、前記支持アーム(39)、第2の端部前記電気機械(16)に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車。
【請求項4】
前記後部クロスメンバ(27)が、前記支持アーム(39)が前記第1の端部で取り付けられる区域において、二重壁構成であることを特徴とする請求項3に記載の電気自動車。
【請求項5】
前記フロアアセンブリの前記前部クロスメンバ(26)が、足下クロスメンバとして構成され、車両の長手方向で見て前記車体構造の端壁(22)に隣接して延び、前記端壁(22)が乗員室(11)を前方で画定し、さらなる長手方向キャリア(23)が、前記端壁(22)から見て前方に延び、前記さらなる長手方向キャリア(23)に、前記電気自動車の前輪用のサスペンションストラット取付部が固定または構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気自動車。
【請求項6】
車両の長手方向で見て、前記フロアアセンブリの前記後部クロスメンバ(27)が、後輪アーチ(28)および/またはCピラーに隣接して延び、トランクフロア(29)が、前記後部クロスメンバ(27)から見て後方に延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気自動車。
【請求項7】
前記フロアアセンブリの前記側部長手方向キャリア(24、25)がサイドシルとして構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気自動車。
【請求項8】
前記トラクションバッテリ(17)が、バッテリフレーム(18)と、前記バッテリフレーム(18)に受け取られたバッテリセル(19)とを有し、前記バッテリフレーム(18)が、前記側部長手方向キャリア(24、25)と、前記前部および後部クロスメンバ(26、27)とに取り付けられ、周方向でシールされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気自動車。
【請求項9】
点検用フラップ(38)が前記乗員室フロア(31)に導入され、前記点検用フラップ(38)を通して前記専用空間(32)にアクセス可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気自動車。
【請求項10】
前記トラクションバッテリ(17)用のバッテリコネクタユニット(34)が前記専用空間(32)に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気自動車。
【請求項11】
少なくとも1つのアパーチャ(37)が、前記フロアアセンブリの前記後部クロスメンバ(27)に形成され、前記アパーチャ(37)を通して、ライン(36)が、前記専用空間(32)から、前記電気自動車の後輪(15)を駆動する働きをする前記電気機械(16)に引き回されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
慣例として知られている電気自動車は、車体構造と、電気自動車の車輪を駆動するための少なくとも1つの電気機械と、上記または各電気機械に駆動エネルギーを供給するトラクションバッテリとを有する。
【0003】
電気自動車の車体構造はフロアアセンブリを有し、慣例として知られている電気自動車の場合には、トラクションバッテリは、車体構造のフロアアセンブリの下に配置され、フロアアセンブリに取り付けられる。その結果、トラクションバッテリは、点検作業のために容易にアクセス可能である。
【0004】
電気自動車の車体構造のフロアアセンブリは、両側部長手方向キャリアと、前部および後部クロスメンバと、車両アンダートレイおよび乗員室フロアとを有しており、車両アンダートレイおよび乗員室フロアは、フロアアセンブリの長手方向キャリアとクロスメンバとの間にそれぞれ少なくとも部分的に延びる。ここで、フロアアセンブリの乗員室は、フロアアセンブリの車両アンダートレイの上方に配置され、電気自動車の後部座席は、フロアアセンブリの後部区域で乗員室フロアに取り付けられる。
【0005】
(特許文献1)は、フロアアセンブリと、フロアアセンブリの下に配置されたトラクションバッテリとを有する自動車を開示している。トラクションバッテリと相互作用する電子モジュールは、フロアアセンブリの下の専用空間(technikraum)内に配置され、この専用空間は後方に開いている。
【0006】
(特許文献2)は、さらなる電気自動車を開示している。この従来技術によれば、車体のフロアアセンブリは、車両フロアおよび乗員室フロアを備える。さらに、フロアアセンブリは、クロスメンバおよび長手方向キャリアを備える。トラクションバッテリのバッテリパックが、車両アンダートレイと乗員室フロアとの間に構成された専用空間内に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2 962 376 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2011 012 496 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、少なくともトラクションバッテリ、それに加えて好ましくは少なくとも1つの電気機械の十分な取付性と共に、改善された音響特性を有する電気自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、請求項1に記載の電気自動車によって実現される。
【0010】
本発明によれば、乗員室フロアから始まって、後部クロスメンバが車両アンダートレイの領域内まで延び、専用空間を後端部で閉じる。トラクションバッテリは、側部長手方向キャリアと、前部および後部クロスメンバとに取り付けられ、周方向でシールされる。
【0011】
本発明による電気自動車の場合、フロアアセンブリの後部クロスメンバは、乗員室フロアから始まって車両アンダートレイの領域内まで引かれ、または延ばされ、乗員室フロアと車両アンダートレイとの間に構成された専用空間を後端部で閉じる。トラクションバッテリは、フロアアセンブリの下で、したがって車両アンダートレイの下で、側部長手方向キャリアと前部および後部クロスアセンブリとに取り付けられ、それらに周方向でシールされる。その結果、トラクションバッテリの容易な取付性を、改良された音響特性と共に保証することができる。
【0012】
トラクションバッテリは、好ましくは、バッテリフレームと、バッテリフレームに受け取られたバッテリセルとを有し、バッテリフレームは、側部長手方向キャリアと、前部および後部クロスメンバとに取り付けられ、周方向でシールされている。バッテリフレームが長手方向キャリアおよびクロスメンバに周方向で取り付けられてシールされているとき、電気自動車の十分な音響特性を提供すると共に、特に有利には、トラクションバッテリを着脱することができる。
【0013】
1つの有利な発展形態によれば、点検用フラップが乗客室フロアに導入され、点検用フラップを通して専用空間にアクセス可能であり、好ましくは、トラクションバッテリ用のバッテリコネクタユニットが専用空間内に配置されている。好ましくは、少なくとも1つのアパーチャがフロアアセンブリの後部クロスメンバに形成されて、このアパーチャを通して、ラインが、専用空間から、電気自動車の後輪を駆動する働きをする上記または各電気機械に引き回される。専用空間内に取り付けられたモジュール、特にバッテリコネクタユニットに容易にアクセス可能である。
【0014】
1つの有利な発展形態によれば、フロアアセンブリの後部クロスメンバは、後輪を駆動する働きをする少なくとも1つの電気機械のためのアセンブリ支持部として構成されている。好ましくは、少なくとも1つの支持アームが、第1の端部で後部クロスメンバに作用し、支持アームはそれぞれ、第2の端部でそれぞれの電気機械に作用する。これは、後輪を駆動する働きをする上記または各電気機械も有利に取り付けることができるという利点を有する。
【0015】
本発明の好ましい発展形態は、従属請求項および以下の説明から得られる。図面を用いて本発明の例示的実施形態をより詳細に説明するが、それらに限定はしない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による電気自動車の一区域を示す図である。
図2】本発明による電気自動車の詳細を示す図である。
図3】本発明による電気自動車のさらなる詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、電気自動車に関する。
【0018】
図1は、電気自動車10の乗員室11の領域での電気自動車10の一区域を示し、乗員室11には、第1に前部座席12が、第2に後部座席13が収容されている。
【0019】
電気自動車10は、前輪14および後輪15を有し、前輪14および/または後輪15は電気モータによって駆動される。
【0020】
図1は、電気自動車10の後輪15(図1に示す)を駆動する働きをする電気モータ16を示す。
【0021】
さらに、電気自動車10はトラクションバッテリ17を有し、トラクションバッテリ17は、電気自動車10の上記または各電気モータ16用の電気駆動エネルギーを提供する働きをする。ここで、トラクションバッテリ17は、バッテリフレーム18と、バッテリフレーム18によって受け取られたバッテリセル19とを有する。
【0022】
電気自動車10は車体構造20を有し、図1には、車体構造20のうち、フロアアセンブリ21と、乗員室11を前方で画定する端壁22とが示されている。フロアアセンブリ21は、前輪14と後輪15との間に延び、トラクションバッテリ17は、フロアアセンブリ21の下に配置され、フロアアセンブリ21の下でフロアアセンブリ21と接続されている。
【0023】
図2は、フロアアセンブリ21の後端部、およびフロアアセンブリ21に取り付けられたトラクションバッテリ17の後端部の領域での電気自動車10の一区域と、電気自動車10の後輪15(図1に示されている)を駆動する働きをする電気モータ16とを示す。
【0024】
乗員室11を前方で画定する車体構造20の端壁22から、長手方向キャリア23が前方に延びており、長手方向キャリア23には、特に、前輪14と相互作用するサスペンションストラット用のサスペンションストラット取付部が構成されることに留意されたい。
【0025】
フロアアセンブリ21は、側部長手方向キャリア24、25と、前部クロスメンバ26および後部クロスメンバ27とを有する。側部長手方向キャリア24、25は、好ましくはサイドシルである。前部クロスメンバ26は、特に足下クロスメンバであり、車両長手方向で見て、前方で乗員室を延ばす端壁22に隣接して延びる。後部クロスメンバ27は、車両長手方向で見て、後輪アーチ28に隣接して、および/または電気自動車のCピラーに隣接して延び、電気自動車10のトランクフロア29が、後部クロスメンバ27から見て後方に延びている。
【0026】
さらに、本発明による電気自動車10のフロアアセンブリ21は、長手方向キャリア24、25とクロスメンバ26、27との間に少なくとも部分的に延びる車両アンダートレイ30と、同様に長手方向キャリア24、25とクロスメンバ26、27との間に少なくとも部分的に延び、車両アンダートレイ30の上方に配置される乗員室フロア31とを有する。
【0027】
フロアアセンブリ21の車両アンダートレイ30とフロアアセンブリ21の乗客室フロア31との間隔は変化し、後部座席13が乗員室フロア31に取り付けられているフロアアセンブリ21の後部領域では、車両アンダートレイ30と乗員室フロア31との間に比較的大きい間隔が設けられており、専用空間32が構成されている。
【0028】
乗員室フロア31から始まって、フロアアセンブリ21の後部クロスメンバ27(後部クロスメンバ27から後方に向けてトランクフロア29が延びている)が、車両アンダートレイ30の領域内まで延び、専用空間32をその後端部で閉じる。その結果、閉じられた専用空間32が提供され、専用空間32は、電気自動車10の後輪15を駆動する働きをする上記または各電気機械16からの乗員室11の十分な音響的な分離を提供する。
【0029】
フロアアセンブリ21の下に位置され、フロアアセンブリ21に接続されているトラクションバッテリ17は、側部長手方向キャリア24、25およびクロスメンバ26、27に周方向で接続され、上記キャリア24、25およびクロスメンバ26、27に周方向でシールされている。
【0030】
車体構造20のフロアアセンブリ21の下からの図を示す図3は、周方向シール33を示し、周方向シール33は、2つの側部長手方向キャリア24、25およびクロスメンバ26および27に沿って延び、取付け状態でトラクションバッテリ17をフロアアセンブリ21にシールする働きをし、トラクションバッテリ17のバッテリフレーム18(バッテリフレーム18も同様に、長手方向および横方向に延びるフレーム区域を有する)が、特に上記周方向シール33と接触する。
【0031】
トラクションバッテリ17自体は、専用空間32に受け取られない。専用空間32は、他のモジュールを受け取る働きをし、特にトラクションバッテリ17用のバッテリコネクタユニット34を受け取る働きをする。バッテリコネクタユニット34は、電気自動車の前輪14および後輪15を駆動する働きをする電気機械16にトラクションバッテリ17を接続する働きをする。したがって、図3に示すように、第1に、バッテリコネクタユニット34から、電気自動車10の前輪14を駆動する働きをする電気機械の方向にライン35が前方に延び、第2に、バッテリコネクタユニット34から、電気自動車の後輪15を駆動する働きをする上記または各電気機械16の方向に電気ライン36が後方に延びる。ここで、専用空間32を後端部で閉じるクロスメンバ27に少なくとも1つのアパーチャ37が形成されて、後輪15を駆動する働きをする上記または各電気機械16をバッテリコネクタユニット34に接続する働きをするライン36を、専用空間32からそれぞれの電気機械16の方向に引き回す。
【0032】
図1および2から分かるように、専用空間32を後端部で閉じるクロスメンバ27は、少なくとも部分的に二重壁構成とすることができ、後輪15を駆動する働きをする上記または各電気機械16の音響的な分離を改良する。
【0033】
図2によれば、乗員室フロア31に点検用フラップ38が導入されることが好ましく、点検用フラップ38は、乗員室11に隣接するように上方で専用空間32を画定し、その点検用フラップ38を通して専用空間32にアクセス可能であり、例えば、設置作業時に、専用空間32に受け取られたバッテリコネクタユニット34へのアクセスを可能にする。
【0034】
本発明の1つの有利な発展形態によれば、専用空間32をその後部領域で閉じる後部クロスメンバ27は、さらに、後輪15を駆動する働きをする上記または各電気機械16のためのアセンブリ支持部として構成される。したがって、図2に示すように、支持アーム39の一端が後部クロスメンバ27、特に後部クロスメンバ27が二重壁構成である、後部クロスメンバ27の区域に作用し、上記支持アーム39の反対側の端部は、後輪15を駆動する働きをする電気機械16に取り付けられる。その結果、特に有利には、車体構造20、すなわち、その後部クロスメンバ27の領域内のフロアアセンブリ21に電気機械16を取り付けることができる。
【0035】
本発明による電気自動車10は、トラクションバッテリ17と、後輪15を駆動する働きをする電気機械16とを電気自動車10の車体構造のフロアアセンブリ21に最適に取り付けることを可能にする。
【0036】
さらに、乗員室11と電気機械16との十分な音響的な分離、したがって電気自動車10の十分な音響特性が保証される。
【0037】
フロアアセンブリ21の後部クロスメンバ27(後部クロスメンバ27は、車体構造20の後輪アーチ28の領域内に延びる)は、厳密には、車両アンダートレイ30の領域内まで延びることによって、専用空間32をその後端部で閉じる。
【0038】
ここで、フロアアセンブリ21の後部クロスメンバ27は、専用空間32を閉じる働きをするだけでなく、さらに、好ましくは、トラクションバッテリ17と、電気自動車10の上記または各後輪15を駆動する働きをする上記または各電気機械16とを取り付ける働きもする。
【0039】
フロアアセンブリ21へのトラクションバッテリ17の取付けは、後部クロスメンバ27の領域においても周方向である。
【0040】
電気自動車10の後輪15を駆動する働きをする上記または各電気機械16の取付けは、支持アーム39を介して後部クロスメンバ27に対し、特に後部クロスメンバ27の二重壁区域の領域で行われる。
【符号の説明】
【0041】
11 乗員室
13 後部座席
15 後輪
16 電気機械
17 トラクションバッテリ
18 バッテリフレーム
19 バッテリセル
20 車体構造
21 フロアアセンブリ
22 端壁
23 長手方向キャリア
24、25 側部長手方向キャリア
26、27 前部および後部クロスメンバ
28 後輪アーチ
29 トランクフロア
30 車両アンダートレイ
31 乗員室フロア
32 専用空間
34 バッテリコネクタユニット
36 ライン
37 アパーチャ
38 点検用フラップ
39 支持アーム
図1
図2
図3