(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694060
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】アラーム実現方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20200427BHJP
G01B 21/22 20060101ALI20200427BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
G01B21/00 D
G01B21/22
G08B21/02
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-520543(P2018-520543)
(86)(22)【出願日】2016年3月21日
(65)【公表番号】特表2018-538523(P2018-538523A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】CN2016076863
(87)【国際公開番号】WO2016177153
(87)【国際公開日】20161110
【審査請求日】2018年4月20日
(31)【優先権主張番号】201510694930.6
(32)【優先日】2015年10月22日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シャオリアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,フイ
【審査官】
齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第103886698(CN,A)
【文献】
特開2015−017858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00
G01B 21/22
G08B 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得するステップと、
取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出するステップと、 算出した位置が安全領域を超えると判断すると、アラームを行い又はシステム側装置にアラーム情報を送信するステップと、を含み、
前記第1座標系と第2座標系との夾角を取得することは、
前記第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得するステップと、
前記第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、前記第1座標系と前記第2座標系との夾角を算出するステップと、を含むアラーム実現方法。
【請求項2】
その前に、前記安全領域を予め設定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記安全領域を予め設定することは、
3個以上の前記携帯端末の前記第2座標系における位置を予め取得し、取得した位置を接続してクローズド領域を前記安全領域として形成するステップを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、第1座標系と第2座標系との夾角を算出することは、
式αn=αn−1+αn−2+…+α1で、前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角を算出するステップと、
式βn=βn−1+βn−2+…+β1で、前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角を算出するステップと、を含み、
ここで、αnは、第n個の時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、αn−1は、前記第1座標系のX軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、αn−2は、前記第1座標系のX軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、α1は、初期時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、βnは、第n個の時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角、βn−1は、前記第1座標系のY軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、βn−2は、前記第1座標系のY軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、β1は、初期時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出することは、
(1)式で、前記携帯端末の前記第2座標系におけるX軸での位置を算出するステップと、
(2)式で、前記携帯端末の前記第2座標系におけるY軸での位置を算出するステップと、を含み、
ここで、式vx’
n−1=vx’
n−2+ax
n−2Δtで、vx’
n−1を算出し、式vy’
n−1=vy’
n−2+ay
n−2Δtで、vy’
n−1を算出し、
x
nは、第n個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるX軸での位置、x
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるX軸での位置、vx’
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での速度、Δtは、第n個の時点と第(n−1)個の時点との時間間隔、ax
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での加速度、α
nは、第n個の時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、vx’
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での速度、ax
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での加速度、y
nは、第n個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるY軸での位置、y
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるY軸での位置、vy’
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での速度、ay
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での加速度、β
nは、第n個の時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角、vy’
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での速度、ay
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での加速度である請求項1に記載の方法。
【数1】
【請求項6】
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得するように設定される取得モジュールと、
取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出するように設定される算出モジュールと、
算出した位置が安全領域を超えると判断すると、アラームを行い又はシステム側装置にアラーム情報を送信するように設定されるアラームモジュールと、を備え、
前記取得モジュールは、
前記携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、前記第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得し、
前記第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、前記第1座標系と前記第2座標系との夾角を算出するように設定されるアラーム実現装置。
【請求項7】
前記安全領域を予め設定するように設定される設定モジュールをさらに備える請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記設定モジュールは、3個以上の前記携帯端末の前記第2座標系における位置を予め取得し、取得した位置を接続してクローズド領域を前記安全領域として形成するように設定される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記取得モジュールは、
前記携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、前記第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得し、
式αn=αn−1+αn−2+…+α1で、前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角を算出し、
式βn=βn−1+βn−2+…+β1で、前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角を算出し、
ここで、αnは、第n個の時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、αn−1は、前記第1座標系のX軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、αn−2は、前記第1座標系のX軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、α1は、初期時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、βnは、第n個の時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角、βn−1は、前記第1座標系のY軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、βn−2は、前記第1座標系のY軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、β1は、初期時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角であるように設定される請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記算出モジュールは、
(3)式で、前記携帯端末の前記第2座標系におけるX軸での位置を算出し、
(4)式で、前記携帯端末の前記第2座標系におけるY軸での位置を算出し、
ここで、式vx’
n−1=vx’
n−2+ax
n−2Δtで、vx’
n−1を算出し、式vy’
n−1=vy’
n−2+ay
n−2Δtで、vy’
n−1を算出し、
x
nは、第n個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるX軸での位置、x
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるX軸での位置、vx’
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での速度、Δtは、第n個の時点と第(n−1)個の時点との時間間隔、ax
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での加速度、α
nは、第n個の時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、vx’
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での速度、ax
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるX軸での加速度、y
nは、第n個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるY軸での位置、y
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第2座標系におけるY軸での位置、vy’
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での速度、ay
n−1は、第(n−1)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での加速度、β
nは、第n個の時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角、vy’
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での速度、ay
n−2は、第(n−2)個の時点における前記携帯端末の前記第1座標系におけるY軸での加速度であるように設定される請求項6に記載の装置。
【数2】
【請求項11】
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得し、取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出し、算出した位置が安全領域を超えると判断すると、システム側装置にアラーム情報を送信するように設定される携帯端末と、
前記携帯端末からのアラーム情報を受信すると、アラームを行うように設定されるシステム側装置と、を備え、
前記携帯端末は、前記携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、前記第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得し、
前記第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、前記第1座標系と前記第2座標系との夾角を算出するように設定される取得モジュールを有する、
アラーム実現システム。
【請求項12】
前記携帯端末はさらに、前記安全領域を予め設定するように設定される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は端末技術に関するがそれに限定されず、特にアラーム実現方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連するアラーム実現方法は、一般的に、全地球測位システム(GPS、Global Positioning System)又は位置情報サービス(LBS、Location Based Service)測位技術によって自身の現在の位置を取得し、取得した位置が予め設定された位置範囲外にあると、アラームを行うことを含む。
【0003】
関連するアラーム実現方法では、GPS信号が屋内で非常に悪く、LBSの屋内での測位精度が低いことに対して、実際には、屋内で測位してアラームを実現する要求が多く、例えば、展示ホールにおける展示品の場合、展示品が展示ホールから持ち出されたか否かを判断する必要があり、持ち出されたと判断すると、アラームを行う必要があり、そのため、誤アラームを生じたりアラームを必要とされる時にアラームを生じなかったりすると、ユーザーエクスペリエンスが低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下は、本明細書に詳細に記載の主題の概要である。本概要は、請求項の保護範囲を限定するものではない。
【0005】
本発明の実施例は、アラームの精度を向上させ、さらにユーザーエクスペリエンスを向上させることができるアラーム実現方法、装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は、アラーム実現方法を提供し、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得するステップと、
取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出するステップと、
算出した位置が安全領域(保護エリア)を超えると判断すると、アラームを行い又はシステム側装置にアラーム情報を送信するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、その前に、該方法は、
前記安全領域を予め設定するステップをさらに含む。
【0008】
好ましくは、前記安全領域を予め設定することは、
3個以上の携帯端末の前記第2座標系における位置を予め取得し、取得した位置を接続してクローズド領域を前記安全領域として形成するステップを含む。
【0009】
好ましくは、前記第1座標系と第2座標系との夾角を取得することは、
前記第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得するステップと、
前記第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、前記第1座標系と前記第2座標系との夾角を算出するステップと、を含む。
【0010】
好ましくは、前記第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、第1座標系と第2座標系との夾角を算出することは、
式α
n=α
n−1+α
n−2+…+α
1で、前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角を算出するステップと、
式β
n=β
n−1+β
n−2+…+β
1で、前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角を算出するステップと、を含み、
ここで、α
nは、第n個の時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、α
n−1は、前記第1座標系のX軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、α
n−2は、前記第1座標系のX軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、α
1は、初期時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、β
nは、第n個の時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角、β
n−1は、前記第1座標系のY軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、β
n−2は、前記第1座標系のY軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、β
1は、初期時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角である。
【0011】
【0012】
本発明の実施例は、上記のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0013】
本発明の実施例は、アラーム実現装置をさらに提供し、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得するように設定される取得モジュールと、
取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出するように設定される算出モジュールと、
算出した位置が安全領域(保護エリア)を超えると判断すると、アラームを行い又はシステム側装置にアラーム情報を送信するように設定されるアラームモジュールと、を備える。
【0014】
好ましくは、前記安全領域を予め設定するように設定される設定モジュールをさらに備える。
【0015】
好ましくは、前記設定モジュールは、
3個以上の携帯端末の前記第2座標系における位置を予め取得し、取得した位置を接続してクローズド領域を前記安全領域として形成するように設定される。
【0016】
好ましくは、前記取得モジュールは、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、前記第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得し、
前記第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、前記第1座標系と前記第2座標系との夾角を算出するように設定される。
【0017】
好ましくは、前記取得モジュールは、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、前記第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得し、
式α
n=α
n−1+α
n−2+…+α
1で、前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角を算出し、
式β
n=β
n−1+β
n−2+…+β
1で、前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角を算出し、
ここで、α
nは、第n個の時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、α
n−1は、前記第1座標系のX軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、α
n−2は、前記第1座標系のX軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、α
1は、初期時点における前記第1座標系のX軸と前記第2座標系のX軸との夾角、β
nは、第n個の時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角、β
n−1は、前記第1座標系のY軸の前記第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、β
n−2は、前記第1座標系のY軸の前記第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、β
1は、初期時点における前記第1座標系のY軸と前記第2座標系のY軸との夾角であるように設定される。
【0018】
【0019】
本発明の実施例は、アラーム実現システムをさらに提供し、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得し、取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出し、算出した位置が安全領域(保護エリア)を超えると判断すると、システム側装置にアラーム情報を送信するように設定される携帯端末と、
携帯端末からのアラーム情報を受信すると、アラームを行うように設定されるシステム側装置と、を備える。
【0020】
好ましくは、前記携帯端末はさらに、前記安全領域を予め設定するように設定される。
【発明の効果】
【0021】
関連技術に比べて、本発明の実施例に係る技術的解決策は、携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得するステップと、取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出するステップと、算出した位置が安全領域を超えると判断すると、アラームを行い又はシステム側装置にアラーム情報を送信するステップと、を含む。本発明の実施例に係る技術案によれば、携帯端末の第1座標系における加速度、及び第1座標系と第2座標系との夾角で、携帯端末の第2座標系における位置を算出することで、屋内での測位を実現し、測位が外部信号に依存せず、測位精度が高く、アラームの精度を向上させ、さらにユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0022】
図面及び詳細な説明を閲覧して理解することで、ほかの態様が明かになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係るアラーム実現方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係るアラーム実現装置の構成模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係るアラーム実現システムの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
当業者が容易に理解できるように、以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、本発明の保護範囲を限定するものではない。なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例における各種の形態を相互に組み合わせることができる。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施例は、アラーム実現方法を提供し、携帯端末は安全領域(保護エリア)を予め設定する。
【0026】
安全領域を予め設定することは、
3個以上の第2座標系における位置を予め取得し、取得した位置を接続してクローズド領域を安全領域として形成するステップを含む。
【0027】
式(1)〜(4)によって3個以上の第2座標系における位置を取得でき、すなわち、携帯端末が動作を開始すると、式(1)〜(4)で携帯端末の第2座標系におけるリアルタイム位置を定時的に算出し、ユーザーは携帯端末とのインタラクションインターフェースによって安全領域を設定し、すなわち、ユーザーは携帯端末をある位置に運んで移動を停止し、携帯端末に第2座標系における位置を記録させ、その後、携帯端末を別の位置に運んで移動を停止し、すべての位置の取得が完了するまで、このように繰り返し、取得したこれらの位置を取得時間順で接続してクローズド領域を形成する。
【0029】
ステップ100、携帯端末は、携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得する。
【0030】
本ステップでは、加速度センサによって携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、その具体的な実現は当業者にとって公知技術であり、本発明の保護範囲を限定するものではなく、ここでは詳細説明を省略する。本発明の実施例では、取得した加速度と夾角に基づき測位を実現することで、測位精度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0031】
本ステップでは、第1座標系は、加速度センサの所属する座標系であり、第2座標系は、予め設定された座標系であり、任意に設定できる。
【0032】
本ステップで、第1座標系と第2座標系との夾角を取得することは、
第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得するステップと、第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、第1座標系と第2座標系との夾角を算出するステップと、を含む。
【0033】
ジャイロスコープによって第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得でき、その具体的な実現は当業者にとって公知技術であり、本発明の保護範囲を限定するものではなく、ここでは詳細説明を省略する。本発明の実施例では、取得した加速度と夾角に基づき測位を実現することで、測位精度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0034】
第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、第1座標系と第2座標系との夾角を算出することは、
式(1)で、第1座標系のX軸と第2座標系のX軸との夾角を算出するステップと、式(2)で、第1座標系のY軸と第2座標系のY軸との夾角を算出するステップと、を含む。
【0035】
α
n=α
n−1+α
n−2+…+α
1 (1)
β
n=β
n−1+β
n−2+…+β
1 (2)
ここで、α
nは、第n個の時点における第1座標系のX軸と第2座標系のX軸との夾角、α
n−1は、第1座標系のX軸の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、α
n−2は、第1座標系のX軸の第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、α
1は、初期時点における第1座標系のX軸と第2座標系のX軸との夾角、β
nは、第n個の時点における第1座標系のY軸と第2座標系のY軸との夾角、β
n−1は、第1座標系のY軸の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、β
n−2は、第1座標系のY軸の第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、β
1は、初期時点における第1座標系のY軸と第2座標系のY軸との夾角である。
【0036】
初期時点において、α
1とβ
1両方を0にすることができ、すなわち第1座標系と第2座標系が初期時点で重なり合う。
【0037】
ステップ101、携帯端末は、取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出する。
【0038】
式(3)で、携帯端末の第2座標系におけるX軸の位置を算出するステップと、式(4)で、携帯端末の第2座標系におけるX軸の位置を算出するステップと、を含む。
【0040】
ステップ102、携帯端末は、算出した位置が安全領域を超えると判断すると、アラームを行い、又はシステム側装置にアラーム情報を送信する。
【0041】
本ステップでは、算出した位置が安全領域を超えていないと判断すると、本プロセスを終了する。
【0042】
その中、算出した位置が安全領域を超えていないと判断することは、以下を含む。
【0043】
算出した位置を含み且つ第2座標系のX軸に平行な直線と、安全領域の境界との交点のY軸の位置を算出し、算出した交点のY軸の位置の数が1つであり、且つ交点のY軸の位置が算出した位置のY軸の位置に等しいと判断し、又は、算出した交点のY軸の位置の数が2つであり、且つ算出した位置のY軸の位置が算出した交点のY軸の位置の最小値以上で、算出した交点のY軸の位置の最大値以下であると判断し、又は、算出した交点のY軸の位置の数が2つであり、且つ交点がいずれも安全領域の頂点であり、算出した位置のY軸の位置が算出した交点のY軸の位置のうちの一方に等しいと判断する。
【0044】
或いは、算出した位置を含み且つ第2座標系のY軸に平行な直線と、安全領域の境界との交点のX軸の位置を算出し、算出した交点のX軸の位置の数が1つであり、且つ交点のX軸の位置が算出した位置のX軸の位置に等しいと判断し、又は、算出した交点のX軸の位置の数が2つであり、算出した位置のX軸の位置が算出した交点のX軸の位置の最小値以上で、算出した交点のX軸の位置の最大値以下であると判断し、又は、算出した交点のX軸の位置の数が2つであり、且つ交点がいずれも安全領域の頂点であり、算出した位置のX軸の位置が算出した交点のX軸の位置のうちの一方に等しいと判断する。
【0045】
本ステップで、算出した位置が安全領域を超えると判断することは、以下を含む。
【0046】
算出した位置を含み且つ第2座標系のX軸に平行な直線と、安全領域の境界との交点のY軸の位置を算出し、算出した交点のY軸の位置の数が1つであり、且つ交点のY軸の位置が算出した位置のY軸の位置に等しくないと判断し、又は、算出した交点のY軸の位置の数が2つであり、且つ算出した位置のY軸の位置が算出した交点のY軸の位置の最大値よりも大きく、又は算出した交点のY軸の位置の最小値よりも小さいと判断し、又は、算出した交点のY軸の位置の数が2つであり、且つ交点がいずれも安全領域の頂点であり、且つ算出した位置のY軸の位置が算出した交点のY軸の位置のいずれにも等しくないと判断する。
【0047】
或いは、算出した位置を含み且つ第2座標系のY軸に平行な直線と、安全領域の境界との交点のX軸の位置を算出し、算出した交点のX軸の位置の数が1つであり、且つ交点のX軸の位置が算出した位置のX軸の位置に等しくないと判断し、又は、算出した交点のX軸の位置の数が2つであり、且つ算出した位置のX軸の位置が算出した交点のX軸の位置の最大値よりも大きく、又は算出した交点のX軸の位置の最小値よりも小さいと判断し、又は、算出した交点のX軸の位置の数が2つであり、且つ交点がいずれも安全領域の頂点であり、且つ算出した位置のX軸の位置が算出した交点のX軸の位置のいずれにも等しくないと判断する。
【0048】
このように類推して、交点のX軸又はY軸の位置の数が3つ以上である場合、当業者は、安全領域を超える状況と、安全領域を超えていない状況とを容易に推論できる。
【0049】
安全領域の各頂点の位置に基づき、算出した位置を含み且つ第2座標系のX軸に平行な直線と、安全領域の境界との交点のY軸の位置を算出でき、その具体的な実現は当業者にとって公知技術であり、本発明の保護範囲を限定するものではなく、ここでは詳細説明を省略する。
【0050】
安全領域の各頂点の位置に基づき、算出した位置を含み且つ第2座標系のY軸に平行な直線と、安全領域の境界との交点のX軸の位置を算出でき、その具体的な実現は当業者にとって公知技術であり、本発明の保護範囲を限定するものではなく、ここでは詳細説明を省略する。
【0051】
本ステップでは、音声や振動等の方式によってアラームを行うことができ、その具体的な実現は当業者にとって公知技術であり、本発明の保護範囲を限定するものではなく、ここでは詳細説明を省略する。
【0052】
本ステップでは、システム側装置は、アラーム情報を受信すると、アラームを行う。
【0053】
本発明の実施例に係る技術的解決策によれば、携帯端末の第1座標系における加速度、及び第1座標系と第2座標系との夾角で、携帯端末の第2座標系における位置を算出することで、屋内での測位を実現し、測位が外部信号に依存せず、測位精度が高く、アラームの精度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0054】
本発明の実施例は、上記のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0055】
図2に示すように、本発明の実施例は、携帯端末に配置されるアラーム実現装置をさらに提供し、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得するように設定される取得モジュールと、
取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出するように設定される算出モジュールと、
算出した位置が安全領域を超えると判断すると、アラームを行い又はシステム側装置にアラーム情報を送信するように設定されるアラームモジュールと、を備える。
【0056】
取得モジュールは、加速度センサによって第1座標系における加速度を取得できる。
【0057】
本発明の実施例に係る装置では、安全領域(保護エリア)を予め設定するように設定される設定モジュールをさらに備える。
【0058】
本発明の実施例に係る装置では、設定モジュールは、
3個以上の携帯端末の第2座標系における位置を予め取得し、取得した位置を接続してクローズド領域を安全領域として形成するように設定される。
【0059】
本発明の実施例に係る装置では、取得モジュールは、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得し、
第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角に基づき、第1座標系と第2座標系との夾角を算出するように設定される。
【0060】
取得モジュールは、ジャイロスコープによって第1座標系の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得できる。
【0061】
本発明の実施例に係る装置では、取得モジュールは、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、第1座標系の第n(nは1以上の整数である)個の時点と第(n−1)個の時点との夾角を取得し、
式α
n=α
n−1+α
n−2+…+α
1で、第1座標系のX軸と第2座標系のX軸との夾角を算出し、
式β
n=β
n−1+β
n−2+…+β
1で、第1座標系のY軸と第2座標系のY軸との夾角を算出し、
ここで、α
nは、第n個の時点における第1座標系のX軸と第2座標系のX軸との夾角、α
n−1は、第1座標系のX軸の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、α
n−2は、第1座標系のX軸の第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、α
1は、初期時点における第1座標系のX軸と第2座標系のX軸との夾角、β
nは、第n個の時点における第1座標系のY軸と第2座標系のY軸との夾角、β
n−1は、第1座標系のY軸の第n個の時点と第(n−1)個の時点との夾角、β
n−2は、第1座標系のY軸の第(n−1)個の時点と第(n−2)個の時点との夾角、β
1は、初期時点における第1座標系のY軸と第2座標系のY軸との夾角であるように設定される。
【0063】
図3に示すように、本発明の実施例は、アラーム実現システムをさらに提供し、
携帯端末の第1座標系における加速度を取得し、且つ第1座標系と第2座標系との夾角を取得し、取得した加速度と夾角から携帯端末の第2座標系における位置を算出し、算出した位置が安全領域(保護エリア)を超えると判断すると、システム側装置にアラーム情報を送信するように設定される携帯端末と、
携帯端末からのアラーム情報を受信すると、アラームを行うように設定されるシステム側装置と、を備える。
【0064】
本発明の実施例に係るシステムでは、携帯端末はさらに、安全領域を予め設定するように設定される。
【0065】
当業者であれば、上記方法の前記又は一部のステップをプログラムによって関連ハードウェア(例えば、プロセッサ)に命令を出して完成させることができ、前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば読み取り専用メモリ、磁気ディスクや光ディスク等に記憶できることを理解できる。好ましくは、上記実施例の全部又は一部のステップを1つ又は複数の集積回路により実現してもよい。それに対して、上記実施例における各モジュール/ユニットはハードウェアの形態で実現されてもよく、例えば集積回路によってその対応する機能を実現し、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよく、例えば、プロセッサによって、メモリに記憶されるプログラム/命令を実行してその対応する機能を実現する。本発明はいずれの特定形態のハードウェアとソフトウェアの組合せにも限らない。
【0066】
なお、上記実施例は、当業者が容易に理解できるためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の考案を逸脱せずに、当業者が本発明に対して実施する明らかな置換や改良等は本発明の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
上記技術案によれば、アラームの精度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。